JP2015209917A - 無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】コネクティングロッドがトルク伝達を行うときにNVHの悪化の原因となる連結部材のたわみを抑制できる構造を実現する。【解決手段】無段変速機のクランク機構を構成するコネクティングロッド15は、入力部の外周面に軸受16を介して回転自在に支持される環状の一端部15aと、揺動リンク18に連結される他端部15bと、一端部と他端部とを連結する第1の連結部15cと、第2の連結部15dと、を有し、第1の連結部と第2の連結部で囲まれた中空部15eを有し、中空部には、中空部を複数の領域に仕切るように、第1の連結部および第2の連結部に接続された接続部材30が設けられ、第1の連結部に接続される部分の剛性と、第2の連結部に接続される部分の剛性とが異なっており、一端部の中心と、他端部の中心とを結ぶ線に対して、一端部15aを支持する軸受が受ける最大荷重を受ける側の接続部の側の剛性を大きくする。【選択図】図7

Description

本発明は、四節リンク機構型の無段変速機の振動減衰構造に関する。
例えば、特許文献1には、エンジンに接続された入力軸の回転をコネクティングロッドの往復運動に変換し、コネクティングロッドの往復運動をワンウェイクラッチによって出力軸の回転運動に変換する四節リンク機構型無段変速機が記載されている。
特開2012−1048号公報
上記特許文献1において、ワンウェイクラッチにトルクを伝達するコネクティングロッドは、ワンウェイクラッチからの反力を分散しコンロッド軸受に均等に荷重を作用させるために、大径環状部と小径環状部が2本の連結部で接続され、それら連結部と大径環状部の外周部とに囲まれた部分が中空状に形成されている。
このような中空状の窓部を有するコネクティングロッドがトルク伝達を繰り返す間、コネクティングロッドの2本の連結部はたわんでエネルギーを蓄える一方、トルク伝達を終えたときにたわみから解放されて蓄積したエネルギーを放出するため、振動が発生する(図11参照)。このような連結部の振動は、NVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)の悪化の原因となる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、コネクティングロッドがトルク伝達を行うときにNVHの悪化の原因となる連結部のたわみを抑制できる構造を実現することである。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る第1の形態は、走行用駆動源から駆動力が入力される入力軸(2)と、前記入力軸(2)と平行に配置された出力軸(3)と、前記入力軸(2)により回転駆動される駆動力入力部(4〜7)と、前記出力軸(3)に連結された揺動リンク(18)を有し、前記駆動力入力部(4〜7)の回転運動を前記揺動リンク(18)の揺動運動に変換し、前記駆動力入力部(4)が一回転するときに前記揺動リンク(18)が一往復の揺動運動を行うてこクランク機構(20)と、前記揺動リンク(18)を一方側に揺動させようとしたときに前記出力軸(3)に前記揺動リンク(18)を固定し、他方側に揺動させようとしたときに前記出力軸(3)に対して前記揺動リンク(18)を空転させる一方向回転阻止機構(17)とを備える無段変速機(1)であって、前記てこクランク機構(20)は、前記駆動力入力部(4〜7)の回転中心(P3)を前記入力軸(2)の回転中心(P1)に対して偏心させる偏心量調節機構(8〜14)と、前記駆動力入力部(4)と前記揺動リンク(18)とを連結するコネクティングロッド(15)とを有し、前記コネクティングロッド(15)は、前記駆動力入力部(6)の外周面に軸受(16)を介して回転自在に支持される環状の一端部(15a)と、前記揺動リンク(18)に連結される他端部(15b)と、前記一端部(15a)と前記他端部(15b)とを連結する連結部(15c)と、を有し、前記連結部(15c)は、軸方向の端部から見て、前記一端部(15a)と前記他端部(15b)を連結する第1の連結部(15c)と第2の連結部(15d)で囲まれた中空部(15e)を有し、前記中空部(15e)には、当該中空部(15e)を複数の領域に仕切るように、前記第1の連結部(15c)および前記第2の連結部(15d)に接続された接続部材(30)が設けられ、前記接続部材(30)は、前記第1の連結部(15c)に接続される部分の剛性と、前記第2の連結部(15d)に接続される部分の剛性とが異なっており、前記コネクティングロッド(15)の一端部(15a)の中心(P3)と、他端部(15b)の中心(P5)とを結ぶ線(X軸)に対して、前記コネクティングロッド(15)の一端部(15a)の動作により前記軸受(16)が受ける最大荷重(F)の向きが上方に向いている場合、前記接続部材(30)における、前記線(X軸)より上方に位置する前記第1の連結部(15c)に接続される部分の剛性を、前記線(X軸)より下方に位置する前記第2の連結部(15d)に接続される部分の剛性より高くし、前記線(X軸)に対して、前記コネクティングロッド(15)の一端部(15a)の動作により前記軸受(16)が受ける最大荷重(F)の向きが下方に向いている場合、前記接続部材(30)における、前記線(X軸)より下方に位置する前記第2の連結部(15d)に接続される部分の剛性を、前記線(X軸)より上方に位置する前記第1の連結部(15c)に接続される部分の剛性より高くする。
また、本発明に係る第2の形態は、上記第1の形態において、前記一方向回転阻止機構(17)は、前記コネクティングロッド(15)が前記揺動リンク(18)を押すときに前記揺動リンク(18)を固定するものであり、前記入力軸の端部から見たときに、当該入力軸の回転が反時計方向(CCW)である場合、前記接続部材(30)における、前記線(X軸)より上方に位置する前記第1の連結部(15c)に接続される部分の剛性を、前記線(X軸)より下方に位置する前記第2の連結部(15d)に接続される部分の剛性より高くする。
また、本発明に係る第3の形態は、上記第1の形態において、前記一方向回転阻止機構(17)は、前記コネクティングロッド(15)が前記揺動リンク(18)を押すときに前記揺動リンク(18)を固定するものであり、前記入力軸の端部から見たときに、当該入力軸の回転が時計方向(CW)である場合、前記接続部材(30)における、前記線(X軸)より下方に位置する前記第2の連結部(15d)に接続される部分の剛性を、前記線(X軸)より上方に位置する前記第1の連結部(15c)に接続される部分の剛性より高くする。
また、本発明に係る第4の形態は、上記第1から第2の形態のいずれかにおいて、前記接続部材(30)は、前記第1の連結部(15c)に接続される部分の幅および厚さの少なくともいずれかを含む断面積と、前記第2の連結部(15d)に接続される部分の幅および厚さの少なくともいずれかを含む断面積により剛性を異ならせる。
また、本発明に係る第5の形態は、上記第1から第4の形態のいずれかにおいて、前記接続部材(30)は、前記コネクティングロッド(15)の一端部(15a)側に中空部(15e)が形成されるように、前記第1の連結部(15c)と前記第2の連結部(15d)に接続される。
本発明によれば、コネクティングロッドがトルク伝達を行うときにNVHの悪化の原因となる連結部のたわみを抑制できる構造を実現することができる。
詳しくは、本発明に係る第1の形態によれば、コネクティングロッドを軽量化しつつ、トルク伝達を行うときの連結部のたわみを抑制できる。
また、本発明に係る第2ないし第4の形態によれば、入力軸の回転方向に応じてコネクティングロッドの慣性力の影響を受ける領域側の連結部のたわみを効率よく抑制することができる。
また、本発明に係る第5の形態によれば、コネクティングロッドの一端部側に中空部を残すことでコンロッド軸受に均等に荷重を作用させることができる。
本実施形態の無段変速機の構造を示す断面図。 図1の無段変速機の偏心量調節機構、コネクティングロッド及び揺動リンクを軸方向から見た図。 図1の無段変速機の偏心量調節機構による偏心量の変化を示す図。 本実施形態の偏心量調節機構による偏心量の変化と、揺動リンクの揺動運動の揺動角度範囲の関係を示す図。 本実施形態のてこクランク機構のコネクティングロッドに作用する荷重を説明する。 本実施形態のコネクティングロッドに作用する荷重が変動する要因を説明する図。 本実施形態の接続部材が設けられたコネクティングロッドの窓部の構造を示す図。 反時計まわりのプッシュ方式においてコネクティングロッドがトルクを伝達するときにコンロッド軸受が受ける荷重が作用する領域を示す図。 本実施形態の無段変速機への潤滑油の供給系統を示す図。 反時計まわりのプル方式においてコネクティングロッドがトルクを伝達するときにコンロッド軸受が受ける荷重が作用する領域を示す図。 コネクティングロッドのトルク伝達時に連結部がたわむ様子を示す図。
以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で下記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。なお、本発明の無段変速機は、自動車以外の他の用途にも適用できることは言うまでもない。
<無段変速機の構造>まず、図1および図2を参照して、本実施形態の無段変速機の構造について説明する。
本実施形態の無段変速機1は、変速比i(i=入力軸の回転速度/出力軸の回転速度)を無限大(∞)にして出力軸の回転速度を「0」にできる変速機、いわゆるIVT(Infinity Variable Transmission)の一種である。
本実施形態の無段変速機1は、入力軸2と、出力軸3と、6つの偏心量調節機構4とを備える。
入力軸2は中空の部材からなり、エンジンやモータ等の走行駆動源からの駆動力を受けて回転中心軸線P1を中心として回転駆動される。
出力軸3は、入力軸2とは水平方向に離れた位置に入力軸2に平行に配置され、デファレンシャルギヤ等を介して自動車の車軸に駆動力を伝達する。
偏心量調節機構4はそれぞれ駆動力入力部であり、入力軸2の回転中心軸線P1を中心として回転するように設けられ、カム部としてのカムディスク5と、偏心部材としての偏心ディスク6と、ピニオンシャフト7とを有する。
カムディスク5は、円盤形状であり、入力軸2の回転中心軸線P1から偏心して入力軸2と一体的に回転するように入力軸2に2個1組で設けられている。各1組のカムディスク5は、それぞれ位相を60°異なるように設定され、6組のカムディスク5で入力軸2の周方向を一回りするように配置されている。
偏心ディスク6は、円盤形状であり、その中心P3から偏心した位置に受入孔6aが設けられ、その受入孔6aを挟むように、1組のカムディスク5が回転可能に支持されている。
偏心ディスク6の受入孔6aは、その中心が、入力軸2の回転中心軸線P1からカムディスク5の中心P2(受入孔6aの中心)までの距離Raとカムディスク5の中心P2から偏心ディスク6の中心P3までの距離Rbとが同一となるように形成されている。また、偏心ディスク6の受入孔6aには、1組のカムディスク5に挟まれた内周面に、内歯6bが形成されている。
ピニオンシャフト7は、入力軸2の中空部内に、入力軸2と同心に配置され、ピニオン軸受7bを介して入力軸2の内周面に相対回転可能に支持されている。また、ピニオンシャフト7の外周面には、外歯7aが設けられている。さらに、ピニオンシャフト7には、差動機構8が接続されている。
入力軸2における1組のカムディスク5の間には、カムディスク5の偏心方向に対向する箇所に内周面と外周面とを連通させる切欠孔2aが形成されており、この切欠孔2aを介して、ピニオンシャフト7の外歯7aは、偏心ディスク6の受入孔6aの内歯6bと噛合している。
差動機構8は、遊星歯車機構であり、サンギヤ9と、入力軸2に連結された第1リングギヤ10と、ピニオンシャフト7に連結された第2リングギヤ11と、サンギヤ9及び第1リングギヤ10と噛合する大径部12aと、第2リングギヤ11と噛合する小径部12bとからなる段付きピニオン12を自転及び公転可能に軸支するキャリア13とを有している。また、差動機構8のサンギヤ9は、ピニオンシャフト7駆動用の電動機からなる偏心量調節用駆動源14の回転軸14aに連結されている。
そして、この偏心量調節用駆動源14の回転速度を入力軸2の回転速度と同一にした場合、サンギヤ9と第1リングギヤ10とが同一速度で回転することとなり、サンギヤ9、第1リングギヤ10、第2リングギヤ11及びキャリア13の4つの要素が相対回転不能なロック状態となって、第2リングギヤ11と連結するピニオンシャフト7が入力軸2と同一速度で回転する。
また、偏心量調節用駆動源14の回転速度を入力軸2の回転速度よりも遅くした場合、サンギヤ9の回転数をNs、第1リングギヤ10の回転数をNR1、サンギヤ9と第1リングギヤ10のギヤ比(第1リングギヤ10の歯数/サンギヤ9の歯数)をjとすると、キャリア13の回転数が(j・NR1+Ns)/(j+1)となる。また、サンギヤ9と第2リングギヤ11のギヤ比((第2リングギヤ11の歯数/サンギヤ9の歯数)×(段付きピニオン12の大径部12aの歯数/小径部12bの歯数))をkとすると、第2リングギヤ11の回転数が{j(k+1)NR1+(k−j)Ns}/{k(j+1)}となる。
したがって、偏心量調節用駆動源14の回転速度を入力軸2の回転速度よりも遅くした場合であって、カムディスク5が固定された入力軸2の回転速度とピニオンシャフト7の回転速度とが同一である場合には、偏心ディスク6はカムディスク5と共に一体に回転する。一方で、入力軸2の回転速度とピニオンシャフト7の回転速度とに差がある場合には、偏心ディスク6はカムディスク5の中心P2を中心にカムディスク5の周縁を回転する。
図2に示すように、偏心ディスク6は、カムディスク5に対して、P1からP2までの距離RaとP2からP3までの距離Rbとが同一となるように偏心されている。そのため、偏心ディスク6の中心P3を入力軸2の回転中心軸線P1と同一線上に位置させて、入力軸2の回転中心軸線P1と偏心ディスク6の中心P3との距離、すなわち、偏心量R1を「0」にすることもできる。
偏心ディスク6の外縁部には、コネクティングロッド15が回転可能に支持されている。コネクティングロッド15は、一方の端部に大径の大径環状部15aを有し、他方の端部に小径の小径環状部15bを有している。コネクティングロッド15の大径環状部15aは、コンロッド軸受16を介して偏心ディスク6の外縁部に支持されている。
出力軸3には、一方向回転阻止機構としてのワンウェイクラッチ17を介して、揺動リンク18が連結されている。ワンウェイクラッチ17は、出力軸3の回転中心軸線P4を中心として一方側に回転しようとする場合に出力軸3に対して揺動リンク18を固定し、他方側に回転しようとする場合に出力軸3に対して揺動リンク18を空転させる。
揺動リンク18には、揺動端部18aが設けられ、揺動端部18aには、小径環状部15bを軸方向で挟み込むことができるように形成された一対の突片18bが設けられている。一対の突片18bには、小径環状部15bの内径に対応する貫通孔18cが穿設されている。貫通孔18c及び小径環状部15bに連結ピン19が挿入されることによって、コネクティングロッド15と揺動リンク18とが連結されている。また、揺動リンク18には、環状部18dが設けられている。
<てこクランク機構>次に、図2〜図4を参照して、本実施形態の無段変速機のてこクランク機構について説明する。
図2に示すように、本実施形態の無段変速機1において、偏心量調節機構4と、コネクティングロッド15と、揺動リンク18とが、てこクランク機構20(四節リンク機構)を構成している。
てこクランク機構20によって、入力軸2の回転運動は、出力軸3の回転中心軸線P4を中心とする揺動リンク18の揺動運動に変換される。本実施形態の無段変速機1は、図1に示すように、合計6個のてこクランク機構20を備えている。
てこクランク機構20では、偏心量調節機構4の偏心量R1が「0」でない場合に、入力軸2とピニオンシャフト7を同一速度で回転させると、各コネクティングロッド15が60度ずつ位相を変えながら、入力軸2と出力軸3との間で出力軸3側に押したり、入力軸2側に引いたりを交互に繰り返して、揺動リンク18を揺動させる。
そして、揺動リンク18と出力軸3との間にはワンウェイクラッチ17が設けられているので、揺動リンク18が押された場合には、揺動リンク18が固定されて出力軸3に揺動リンク18の揺動運動によるトルクが伝達されて出力軸3が回転し、揺動リンク18が引かれた場合には、揺動リンク18が空回りして出力軸3に揺動リンク18の揺動運動によるトルクが伝達されない。6つの偏心量調節機構4は、それぞれ60度ずつ位相を変えて配置されているので、出力軸3は6つの偏心量調節機構4により順に回転駆動される。
また、本実施形態の無段変速機1では、図3に示すように、偏心量調節機構4によって偏心量R1が調節可能である。
図3(a)は、偏心量R1を「最大」とした状態を示し、入力軸2の回転中心軸線P1とカムディスク5の中心P2と偏心ディスク6の中心P3とが一直線に並ぶように、ピニオンシャフト7と偏心ディスク6とが位置する。この場合の変速比iは最小となる。図3(b)は、偏心量R1を図3(a)よりも小さい「中」とした状態を示し、図3(c)は、偏心量R1を図3(b)よりも更に小さい「小」とした状態を示している。変速比iは、図3(b)では図3(a)の変速比iよりも大きい「中」となり、図3(c)では図3(b)の変速比iよりも大きい「大」とした状態を示している。図3(d)は、偏心量R1を「0」とした状態を示し、入力軸2の回転中心軸線P1と、偏心ディスク6の中心P3とが同心に位置する。この場合の変速比iは無限大(∞)となる。
図4は、本実施形態の偏心量調節機構4による偏心量R1の変化と、揺動リンク18の揺動運動の揺動角度範囲の関係を示している。
図4(a)は偏心量R1が図3(a)の「最大」である場合(変速比iが最小である場合)、図4(b)は偏心量R1が図3(b)の「中」である場合(変速比iが中である場合)、図4(c)は偏心量R1が図3(c)の「小」である場合(変速比iが大である場合)の、偏心量調節機構4の回転運動(回転角度θ1)に対する揺動リンク18の揺動範囲θ2を示している。ここで、出力軸3の回転中心軸線P4からコネクティングロッド15と揺動端部18aの連結点、すなわち、連結ピン19の中心P5までの距離が、揺動リンク18の長さR2である。
図4から明らかなように、偏心量R1が小さくなるのに伴い、揺動リンク18の揺動角度範囲θ2が狭くなり、偏心量R1が「0」になった場合には、揺動リンク18は揺動しなくなる。
<コネクティングロッドの振動減衰構造>次に、図5から図10を参照して、本実施形態のてこクランク機構20のコネクティングロッド15の振動減衰構造について説明する。
本実施形態のてこクランク機構20は、図5に示すように、コネクティングロッド15のトルク伝達時に、コネクティングロッド15の2本の連結部15c、15dに非対称な荷重が作用する。すなわち、入力軸の回転が反時計方向(CCW)であり、コネクティングロッド15が揺動リンク18を押し出すときにトルクが伝達されるプッシュ方式では、第1の連結部15cは大きな荷重が作用して変形しやすいため起振源となり、反対に第2の連結部15dは変形しにくい状態となる。このため、コネクティングロッド15のトルク伝達時に、コンロッド軸受16に作用する荷重((図5(b)のコンロッド荷重分布)は、第2の連結部15dよりも大きな荷重が作用する第1の連結部15cに近い領域16aが大きくなるような分布となる。なお、入力軸の回転方向は、エンジンおよび無段変速機を図5(c)の方向から見たときの方向を表している。
このような荷重分布になる理由は、図6に示すように、コネクティングロッド15の大径環状部15aの偏心回転時におけるコネクティングロッド15の慣性力Icの影響によるものと考えられる。すなわち、トルク伝達時のコネクティングロッド15の慣性力Icとトルク伝達力Tc(揺動リンク18を押し出す力)の合力Fに対する反力をコンロッド軸受16の領域16aが受けるからである。
そこで、本実施形態では、図7に示すように、コネクティングロッド15の窓部15eを複数の領域に仕切るように、第1の連結部15cと第2の連結部15dを接続する支柱状の接続部材30を設けることで、トルク伝達時に発生するコネクティングロッド15の振動を減衰している。また、接続部材30はコンロッド軸受16における、コネクティングロッド15の慣性力Icの影響を受ける領域(図5の領域16a)側の連結部(第1の連結部15c)を他方の連結部(第2の連結部15d)より剛性が高くなるように接続される。
このようにコネクティングロッド15を構成することで、同じ剛性で接続する場合、つまり接続部材30の接続部分の断面積が同じ場合に比べて軽量化を図ることができる。また、コンロッド軸受16(大径環状部15a)側に窓部15eを残すことでコンロッド軸受16に均等に荷重を作用させることができる。窓部15eを残す方法としては、窓部5eを複数の領域に仕切るように、接続部材30を第1および第2の連結部15c、15dの中間部分に接続することが好ましい。そして、接続部材30は、図11で説明したトルク伝達時の第1および第2の連結部15c、15dの変形(エネルギー蓄積)を抑えると共に、エネルギー放出時に振動を素早く減衰させるように作用する。
図8は、プッシュ方式の場合のコネクティングロッド15と揺動リンク18が下部で連結された構造(a)と、上部で連結された構造(b)において、トルク伝達時にコンロッド軸受16が受ける荷重が作用する領域を示している。
コネクティングロッド15の小径環状部15bが下部で連結されているか、上部で連結されているかに関わらず、入力軸の回転が反時計方向(CCW)であって、コネクティングロッド15が揺動リンク18を押し出すときにトルクが伝達される反時計まわりのプッシュ方式では、図8に示すように、コネクティングロッド15の慣性力Icの影響を受けて、コンロッド軸受16の右上の領域16a(XY平面の右上方向)の荷重が変動する。
このため、コネクティングロッド15の大径環状部15aの中心P3と、小径環状部15bの中心P5とを結ぶX軸線に対して、大径環状部15aの偏心動作によりコンロッド軸受16が受ける最大荷重Fの向きが上方に向いている場合、接続部材30における、X軸線より上方に位置する第1の連結部15cに接続される部分の剛性を、X軸線より下方に位置する第2の連結部15dに接続される部分の剛性より高くする。
図9は、入力軸の回転が時計方向の場合のプッシュ方式でのコネクティングロッドに作用する荷重を示している。
図5や図8で説明した反時計まわりのプッシュ方式では、コンロッド軸受16における、コネクティングロッド15の慣性力Icの影響を受ける右上の領域16a(XY平面の右上方向)の第1の連結部15cを第2の連結部15dより剛性が高くなるように接続部材30を接続した。これに対して、入力軸の回転が時計方向(CW)の場合の時計まわりのプッシュ方式では、図9に示すように、コネクティングロッド15の慣性力Icの影響を受けて、コンロッド軸受16の右下の領域16b(XY平面の右下方向)の荷重が変動する。
このため、X軸線に対して、コネクティングロッド15の大径環状部15aの偏心動作によりコンロッド軸受16が受ける最大荷重Fの向きが下方に向いている場合は、接続部材30における、X軸線より下方に位置する第2の連結部15dに接続される部分の剛性を、X軸線より上方に位置する第1の連結部15cに接続される部分の剛性より高くする。
図10は、プル式の場合のコネクティングロッド15と揺動リンク18が下部で連結された構造(a)と、上部で連結された構造(b)におおいて、トルク伝達時にコンロッド軸受16が受ける荷重が作用する領域を示している。
入力軸の回転が反時計方向(CCW)であって、コネクティングロッド15が揺動リンク18を引き寄せるときにトルクが伝達される反時計まわりのプル方式では、図10に示すように、コンロッド軸受16の左下の領域16c(XY平面の左下方向)の荷重が変動する。よって、反時計まわりのプル方式では、コンロッド軸受16における、コネクティングロッド15の慣性力Icの影響を受ける左下の領域16c(XY平面の左下方向)の第2の連結部15dを第1の連結部15cより剛性が高くなるように接続する。反対に、入力軸の回転が時計方向(CW)の場合の時計まわりのプル方式では、不図示であるが、コンロッド軸受16の左上の領域(XY平面の左上方向)が、コネクティングロッド15の慣性力Icの影響を受けるため、コンロッド軸受16の左上の領域(XY平面の左上方向)の第1の連結部15cを第2の連結部15dより剛性が高くなるように接続する。
なお、第1および第2の連結部15c、15dと接続部材30が接続される部分の剛性を異ならせる方法は、接続部材30における連結部との接続部分の形状(円形や楕円形、長方形など)や断面積(入力軸の軸方向と直交する方向の幅および軸方向の厚さの少なくともいずれか)について第1の連結部15cと第2の連結部15dで大小関係を設ければ良い。例えば、コンロッド軸受16における、コネクティングロッド15の慣性力Icの影響を受ける領域側の連結部との接続部分の断面積を大きくする一方、反対側の連結部との接続部分の断面積を小さくして剛性に差異を設ければ良い。
以上説明したように、本実施形態によれば、コネクティングロッド15がトルク伝達を行うときにNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)の悪化の原因となる連結部15c、15dのたわみを抑制できる構造を実現することができる。
1…無段変速機、2…入力軸、3…出力軸、4…偏心量調節機構、5…カムディスク、6…偏心ディスク、6a…受入孔、6b…内歯、7…ピニオンシャフト、7a…外歯、7b…ピニオン軸受、14…偏心量調節用駆動源、14a…回転軸、15…コネクティングロッド、15a…大径環状部、15b…小径環状部、16…コンロッド軸受、17…ワンウェイクラッチ、18…揺動リンク、20…てこクランク機構、30…接続部材

Claims (5)

  1. 走行用駆動源から駆動力が入力される入力軸(2)と、
    前記入力軸(2)と平行に配置された出力軸(3)と、
    前記入力軸(2)により回転駆動される駆動力入力部(4〜7)と、
    前記出力軸(3)に連結された揺動リンク(18)を有し、前記駆動力入力部(4〜7)の回転運動を前記揺動リンク(18)の揺動運動に変換し、前記駆動力入力部(4)が一回転するときに前記揺動リンク(18)が一往復の揺動運動を行うてこクランク機構(20)と、
    前記揺動リンク(18)を一方側に揺動させようとしたときに前記出力軸(3)に前記揺動リンク(18)を固定し、他方側に揺動させようとしたときに前記出力軸(3)に対して前記揺動リンク(18)を空転させる一方向回転阻止機構(17)とを備える無段変速機(1)であって、
    前記てこクランク機構(20)は、前記駆動力入力部(4〜7)の回転中心(P3)を前記入力軸(2)の回転中心(P1)に対して偏心させる偏心量調節機構(8〜14)と、前記駆動力入力部(4)と前記揺動リンク(18)とを連結するコネクティングロッド(15)とを有し、
    前記コネクティングロッド(15)は、前記駆動力入力部(6)の外周面に軸受(16)を介して回転自在に支持される環状の一端部(15a)と、前記揺動リンク(18)に連結される他端部(15b)と、前記一端部(15a)と前記他端部(15b)とを連結する連結部(15c)と、を有し、
    前記連結部(15c)は、軸方向の端部から見て、前記一端部(15a)と前記他端部(15b)を連結する第1の連結部(15c)と第2の連結部(15d)で囲まれた中空部(15e)を有し、
    前記中空部(15e)には、当該中空部(15e)を複数の領域に仕切るように、前記第1の連結部(15c)および前記第2の連結部(15d)に接続された接続部材(30)が設けられ、
    前記接続部材(30)は、前記第1の連結部(15c)に接続される部分の剛性と、前記第2の連結部(15d)に接続される部分の剛性とが異なっており、
    前記コネクティングロッド(15)の一端部(15a)の中心(P3)と、他端部(15b)の中心(P5)とを結ぶ線(X軸)に対して、前記コネクティングロッド(15)の一端部(15a)の動作により前記軸受(16)が受ける最大荷重(F)の向きが上方に向いている場合、前記接続部材(30)における、前記線(X軸)より上方に位置する前記第1の連結部(15c)に接続される部分の剛性を、前記線(X軸)より下方に位置する前記第2の連結部(15d)に接続される部分の剛性より高くし、
    前記線(X軸)に対して、前記コネクティングロッド(15)の一端部(15a)の動作により前記軸受(16)が受ける最大荷重(F)の向きが下方に向いている場合、前記接続部材(30)における、前記線(X軸)より下方に位置する前記第2の連結部(15d)に接続される部分の剛性を、前記線(X軸)より上方に位置する前記第1の連結部(15c)に接続される部分の剛性より高くすることを特徴とする無段変速機。
  2. 前記一方向回転阻止機構(17)は、前記コネクティングロッド(15)が前記揺動リンク(18)を押すときに前記揺動リンク(18)を固定するものであり、
    前記入力軸の端部から見たときに、当該入力軸の回転が反時計方向(CCW)である場合、前記接続部材(30)における、前記線(X軸)より上方に位置する前記第1の連結部(15c)に接続される部分の剛性を、前記線(X軸)より下方に位置する前記第2の連結部(15d)に接続される部分の剛性より高くすることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機。
  3. 前記一方向回転阻止機構(17)は、前記コネクティングロッド(15)が前記揺動リンク(18)を押すときに前記揺動リンク(18)を固定するものであり、
    前記入力軸の端部から見たときに、当該入力軸の回転が時計方向(CW)である場合、前記接続部材(30)における、前記線(X軸)より下方に位置する前記第2の連結部(15d)に接続される部分の剛性を、前記線(X軸)より上方に位置する前記第1の連結部(15c)に接続される部分の剛性より高くすることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機。
  4. 前記接続部材(30)は、前記第1の連結部(15c)に接続される部分の幅および厚さの少なくともいずれかを含む断面積と、前記第2の連結部(15d)に接続される部分の幅および厚さの少なくともいずれかを含む断面積により剛性を異ならせることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の無段変速機。
  5. 前記接続部材(30)は、前記コネクティングロッド(15)の一端部(15a)側に中空部(15e)が形成されるように、前記第1の連結部(15c)と前記第2の連結部(15d)に接続されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の無段変速機。
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