JP2015209417A - 経口疾患治療薬 - Google Patents

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真 湯浅
達男 相川
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達男 相川
近藤 剛史
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剛史 近藤
里美 伊東
Satomi Ito
里美 伊東
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Abstract

【課題】 本発明は、金属ポルフィリン錯体包埋リポソームを導入した経口投与可能な疾患治療薬を提供することを目的とする。【解決手段】 本発明の経口疾患治療薬は、ナノサイズ大の鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームを含有する経口疾患治療薬であって、前記鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームは胃液防護・腸液溶解性物質に包含されており、腸液内でのみ開放されて生体内に吸収されるように形成されていることを特徴とする。【選択図】 図3

Description

本発明は、生体内の非正常組織の疾患を治療する経口疾患治療薬に係り、特に、活性酸素濃度の高い非正常組織の治療に好適な経口疾患治療薬に関する。
一般に、生体内で生成される数々の活性酸素種は炎症疾患、神経疾患、動脈硬化、癌、糖尿病など多くの病態に関与していると言われているが,通常生体では、これらの活性酸素種に対し、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼなどのラジカル消去酵素を備えてバランスを保っている。
しかしながら、生体内の非正常組織の一例である癌細胞においてはスーパーオキシドアニオンラジカル(O−・)が多量に存在していることが知られており、ラジカル消去酵素の酵素活性が低下していることが伺える。
一方、炎症疾患、神経疾患、動脈硬化、糖尿病などの疾病でも、その原因は、SOD、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼなどのラジカル消去酵素のバランスが崩れ、O−・等の活性酸素種が増加したことによるものとされている。
そこで、本発明者等は、高いSOD活性を示すことが報告されている金属ポルフィリン錯体をリポソームに包含させた金属ポルフィリン錯体包埋リポソームとして生体に投与することにより、O−・を初めとする活性酸素種を有効に消去させるとともに、これによって副次的に過酸化水素を生成し、さらにはFenton反応を介してヒドロキシラジカルを発生させることにより、従来の抗癌剤であるシスプラチン(CDDP)やマイトマイシンC(MMC)と比較して、高い抗腫瘍活性を実現可能な疾患治療薬を完成させた(特許文献1参照)。そして、この疾患治療薬は、従来の抗癌剤に比べて正常組織に対する細胞毒性が極めて低く、副作用の少ない非正常細胞の治療に成功している。
特開2010−208955号公報
しかしながら、従来の抗癌剤や抗炎症剤は注射や点滴などによって血中投与するものがほとんどであり、頻繁に投与を必要とする場合には通院や痛みなど患者への負担が甚大であるという問題点を有している。
そこで、本発明においては、金属ポルフィリン錯体包埋リポソームを導入した経口投与可能な疾患治療薬を提供することを目的とする。
上記目的を達成するべく、本発明の第1の態様の経口疾患治療薬は、ナノサイズ大の鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームを含有する経口疾患治療薬であって、前記鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームは胃液防護・腸液溶解性物質に包含されており、腸液内でのみ開放されて生体内に吸収されるように形成されていることを特徴とする。また、本発明の第2の態様の経口疾患治療薬は、前記胃液防護・腸液溶解性物質が、アルギン酸およびアルギン酸誘導体からなることを特徴とする。またさらに、本発明の第3の態様の経口疾患治療薬は、前記アルギン酸誘導体が、アルギン酸塩であることを特徴とする。
このような、本発明の第1〜第3の態様の経口疾患治療薬とすることにより、優れた抗酸化効果・抗癌効果を有する鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームの経口からの摂取を可能とし、胃で溶けずに腸で溶けて適正に生体内に吸収されて活性酸素種を多量に生成する非正常組織へ集積して当該非正常組織への治療効果を発揮する。
本発明の第4の態様の経口疾患治療薬は、前記鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームの粒径が、200nm以下であることを特徴とする。
このような、本発明の第4の態様の経口疾患治療薬とすることにより、鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームの腸からの効率的な吸収および非正常組織への集積を可能とする。
本発明の第5の態様の経口疾患治療薬は、粒径が、1mm以下であることを特徴とする。
このような、本発明の第5の態様の経口疾患治療薬とすることにより、腸液中で即溶する経口疾患治療薬を提供することを可能とする。
このような、本発明の経口疾患治療薬によれば、優れた抗酸化効果・抗癌効果を有する鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームを経口投与することができる。
さらに、本発明の経口疾患治療薬を用いることにより、従来の注射や点滴などの血中投与と比べて、患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を損ねることなく疾患の治療や予防を行うことを可能とする。
マンガンリポソーム錯体包埋リポソームのTEM像および平均粒子径測定結果であり、(a)は比較用リポソームのTEM像および粒子径分布図、(b)は本発明の経口疾患治療薬を溶解後に得られたリポソームのTEM像および粒径分布図を示す 実施例3における本発明の経口疾患治療薬の抗酸化効果を表すカプラン・マイヤー生存率曲線であり、(a)は経静脈投与量の2倍量を投与したもの(第2群)のカプラン・マイヤー生存率曲線、(b)は経静脈投与量の6倍量を投与したもの(第3群)のカプラン・マイヤー生存率曲線を示す 実施例4における本発明の経口疾患治療薬の癌予防効果を表す癌細胞投与マウスの8日目における表面癌体積の測定結果を示すグラフ
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の経口疾患治療薬は、ナノサイズ大の鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームを含有しており、当該鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームが胃液防護・腸液溶解性物質に包含された形状とされている。
胃液防護・腸液溶解性物質は、アルギン酸およびアルギン酸誘導体からなる。一般的にアルギン酸は、水に溶けずにアルカリで中和されると溶解する性質を利用して薬剤の崩壊剤として利用されており、当該アルギン酸によって包まれた薬剤は、酸性の胃液中では溶解せずに錠剤の形を保ったまま腸へ送られ、腸液中で徐々にpHが高くなると崩壊して薬剤成分を放出するように作用する。本発明においては、アルギン酸およびアルギン酸誘導体であるアルギン酸塩およびアルギン酸エステルなどを用いるようにされている。特に、アルギン酸塩を用いることが好ましく、具体的には、アルギン酸カルシウム、アルギン酸亜鉛、アルギン酸アルミニウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸第一鉄およびアルギン酸第二鉄からなる群から適宜選択して用いることにより安価で薬剤を製造することを可能とする。また、この他にも、乳酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースなど胃液に不溶で腸液に溶解する物質であり、人体に悪影響を与えない物質であれば用いることができる。
ここで、鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームとは、鉄またはマンガンポルフィリン錯体が、リポソームを構成する脂質中に組み込まれ、その一部がリポソーム膜外に出ているか、あるいは全体がリポソーム膜内に包含されているものを意味する。
鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームの構成成分である鉄またはマンガンポルフィリン錯体と、アニオン系界面活性剤とにより形成するイオンコンプレックス(以下、単に「イオンコンプレックス」という)は、鉄またはマンガンポルフィリン錯体に界面活性剤を反応させることにより調製される。このイオンコンプレックスを形成する成分の一つである鉄またはマンガンポルフィリン錯体は、置換基としてカチオン性窒素原子を有する基を有するものであり、例えば、次の化学構造式(I)、(II)または(III)で表すものを挙げることができる。
(式中、Mは、鉄またはマンガン、RないしRは、N-低級アルキルピリジニウム基、N-アルキルアンモニオフェニル基、N-アルキルイミダゾリル基、低級ジアルキルチオフェニル基から選ばれる基を示し、R11ないしR16は、低級アルキル基または低級アルコキシ基を、R17ないしR18は、N-低級アルキルピリジニウム基、アルキルアンモニオフェニル基、N-アルキルイミダゾリル基を示し、R21ないしR26は、低級アルキル基または低級アルコキシ基を、R27ないしR28は、アルキルアンモニオフェニル基を示す)
より具体的には、上記(I)式において、基R-Rがメチルピリジニウム基である、5,10,15,20-テトラキス(N-メチルピリジニウム-2-イル)ポルフィリン(T2MPyP)、5,10,15,20-テトラキス(N-メチルピリジニウム-3-イル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(N-メチルピリジニウム-4-イル)ポルフィリン(T4MPyP);基R-Rがエチルピリジニウム基である、5,10,15,20-テトラキス(N-エチルピリジニウム-2-イル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(N-エチルピリジニウム-3-イル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(N-エチルピリジニウム-4-イル)ポルフィリン;基R-Rがプロピルピリジニウム基である、5,10,15,20-テトラキス(N-プロピルピリジニウム-2-イル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(N-プロピルピリジニウム-3-イル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(N-プロピルピリジニウム-4-イル)ポルフィリン;基R-Rがブチルピリジニウム基である、5,10,15,20-テトラキス(N-ブチルピリジニウム-2-イル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(N-ブチルピリジニウム-3-イル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(N-ブチルピリジニウム-4-イル)ポルフィリン;基R-Rがメチルアンモニオフェニル基である、5,10,15,20-テトラキス(2-メチルアンモニオフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(3-メチルアンモニオフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(4-メチルアンモニオフェニル)ポルフィリン;基R-Rがメチルイミダゾリル基である、5,10,15,20-テトラキス(2-メチルイミダゾリル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(3-メチルイミダゾリル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(4-メチルイミダゾリル)ポルフィリン、基R-Rがジメチルチオフェニル基である、5,10,15,20-テトラキス(2-ジメチルチオフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(3-ジメチルチオフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(4-ジメチルチオフェニル)ポルフィリン;基R-Rがエチルメチルチオフェニル基である、5,10,15,20-テトラキス(2-エチルメチルチオフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(3-エチルメチルチオフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(4-エチルメチルチオフェニル)ポルフィリン;基R-Rがジエチルチオフェニル基である、5,10,15,20-テトラキス(2-ジエチルチオフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(3-ジエチルチオフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(4-ジエチルチオフェニル)ポルフィリン;基R-Rがジプロピルチオフェニル基である、5,10,15,20-テトラキス(2-ジプロピルチオフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(3-ジプロピルチオフェニル)ポルフィリン、5,10,15,20-テトラキス(4-ジプロピルチオフェニル)ポルフィリン等が挙げられる。
また、上式(II)式において、基R11、R12、R14、R16がメチル、基R13、R15がビニル、基R17、R18がメチルピリジルである、[1,3,5,8-テトラメチル-2,4-ジビニル-6,7-ジ(メチルピリジルアミドエチル)ポルフィリン](PPIX-DMPyAm);基R11、R12、R14、R16がメチル、基R13、R15がビニル、基R17、R18がアンモニオフェニルである、[1,3,5,8-テトラメチル-2,4-ジビニル-6,7-ジ(アンモニオフェニルアミドエチル)ポルフィリン];基R11、R12、R14、R16がメチル、基R13、R15がビニル、基R17、R18がメチルイミダゾリルである、[1,3,5,8-テトラメチル-2,4-ジビニル-6,7-ジ(メチルイミダゾリルアミドエチル)ポルフィリン];基R11、R12、R14、R16がメチル、基R13、R15がメトキシ、基R17、R18がメチルピリジルである、[1,3,5,8-テトラメチル-2,4-ジメトキシ-6,7-ジ(メチルピリジルアミドエチル)ポルフィリン];基R11-R16がメチル、基R17、R18がメチルピリジルである、[1,2,3,4,5,8-ヘキサメチル-6,7-ジ(メチルピリジルアミドエチル)ポルフィリン];基R11-R16がエチル、基R17、R18がメチルピリジルである、[1,2,3,4,5,8-ヘキサエチル-6,7-ジ(メチルピリジルアミドエチル)ポルフィリン]等が挙げられる。
更に、上式(III)式において、基R21、R22、R24、R26がメチル、基R23、R25がビニル、基R27、R28がメチルアンモニオである、[1,3,5,8-テトラメチル-2,4-ジビニル-6,7-ジ(メチルアンモニオカルボニルエチル)ポルフィリン];基R21、R22、R24、R26がメチル、基R23、R25がメトキシ、基R27、R28がメチルアンモニオである、[1,3,5,8-テトラメチル-2,4-ジメトキシ-6,7-ジ(メチルアンモニオカルボニルエチル)ポルフィリン];基R21-R26がメチル、基R27、R28がメチルアンモニオである、[1,2,3,4,5,8-ヘキサメチル-6,7-ジ(メチルアンモニオカルボニルエチル)ポルフィリン];基R21-R26がエチル、基R27、R28がメチルアンモニオである、[1,2,3,4,5,8-ヘキサエチル-6,7-ジ(メチルアンモニオカルボニルエチル)ポルフィリン]等が挙げられる。
上記のうち、金属が配位した式(I)で表されるカチオン化カチオン性ポルフィリン錯体の合成は、K. Kalyanasundaram, Inorg. Chem., 23, 2453 (1984)、 A. D. Adler et al., J. Inorg. Nucl. Chem., 32, 2443 (1970)、 T, Yonetani et al., J. Biol. Chem., 245, 2988 (1970)、 P. Hambright et al., Inorg. Chem., 15, 2314 (1976)、M. Antionietti, Langmuir, 16, 3214 (2000)、D. Adler et al., J. Org. Chem., 32, 476 (1967)、D. Adler et al., Inorg. Synth., 16, 213 (1976)、Harriman et al., J. Chem. Soc., Faraday. Trans. II, 1532 (1979) 等に記載の方法に準じて行うことができる。
また、金属が配位した式(II)および(III)で表されるカチオン化カチオン性ポルフィリン錯体の合成は、E. Tsuchida, H. Nishide, H. Yokoyama, R. Young, and C. K. Chang, Chem. Lett., 1984, 991等に記載の方法に準じて行うことができる。
なお、上記した金属[5,10,15,20-テトラキス(4-ジメチルチオフェニル)ポルフィリン](MT4Me2SuP)の化学構造式を示せば下記の化2:MT4MeSuPの化学構造式のとおりである。
一方、イオンコンプレックスを形成する別の成分の一つであるアニオン系界面活性剤としては、脂肪酸のアルカリ金属塩や、アルキル硫酸のアルカリ金属塩が好ましい。アルカリ金属塩の例としては、ラウリン酸(LAS)、ミリスチン酸(MAS)、パルミチン酸(PAS)、ステアリン酸(SAS)、オレイン酸(OAS)等の脂肪酸のアルカリ金属塩や、ドデシル硫酸(SDS)、テトラデシル硫酸(STS)、ヘキサデシル硫酸(SHS)、オクタデシル硫酸(SOS)等のアルキル硫酸のアルカリ金属塩挙げることができる。なお、脂肪酸のアルカリ金属塩や、アルキル硫酸のアルカリ金属塩としては、ナトリウム、カリウム等が好ましい。
このイオンコンプレックスを形成するには、適当な溶媒中で鉄またはマンガンポルフィリン錯体とアニオン系界面活性剤を混合すれば良く、鉄またはマンガンポルフィリン錯体とアニオン系界面活性剤との配合比は、それらのモル比で、1:1ないし1:20程度とすれば良い。
このようにして形成されたイオンコンプレックスは、リポソーム形成能を有する脂質(以下、「脂質類」という)と混合し、リポソームを形成させるための常法により鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームとすることができる。
脂質類としては、大豆レシチン(SBL)、卵黄レシチン(EYL)、水素添加大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、ジラウロイルホスファチジルコリン(DLPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、モノオレオイル-モノアルキル-ホスファチジルコリン(MOMAPC)等を単独で含むリン脂質あるいはこれを主成分とし他の成分も含む基質(以下、「混合リン脂質」ということがある)を挙げることができる。本発明においては、特に、DMPC、DPPCおよびHSPCを用いてリポソームの調製を行った。
混合リン脂質の調製にあたり、リン脂質と混合することのできる成分としては、分散剤としてのTween-20(TW20)およびTween-60(TW60)等のツイン系およびPluronicF68(PF68)およびPluronicF88(PF88)等のプルロニック系などの界面活性剤を挙げることができる。
特に、DMPC、DPPCおよびHSPC等のリン脂質、TW20、TW60、PF68およびPF88等のノニオン性界面活性剤を成分とする混合脂質系より得られるリポソームは、pH感受性リポソームとなる。そして、例えばこのリポソームが癌細胞内に取り込まれると、癌細胞内が低pHであるため、このリポソーム集合体の崩壊が生じ、抗癌剤のより効果的な徐放が促される。このようなpH感受性リポソームにイオンコンプレックスを包埋した系(鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋/pH感受性リポソーム)も合成できる。
また、混合リン脂質として、リン脂質に周知のコレステロール(Chol)、シトステロール等およびそれらの誘導体等を安定化剤として加えたものや、リン脂質にポリエチレングリコール(PEG)またはその誘導体を加えたものを挙げることができる。
鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームの調製は、公知の方法により行うことができ、例えば、上記イオンコンプレックスおよび脂質類を揮発性溶媒中に溶解、混合した後、揮発溶媒のみを揮散、除去してラメラ構造の薄膜を形成し、次いでこれに適当な水性溶媒、具体的には、精製水、生理食塩水などを加えてインキュベートさせて当該薄膜を水和・膨潤をさせた後、激しく攪拌したり超音波処理を施すことによって鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームとすることができる。
なお、必要により、水性溶媒に替えて医学的に有効な成分を溶解した溶液や、ある種の培地などを使用することができ、これらを内包した鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームとしてもよい。
なお、リポソームの粒径は、腸からの吸収および非正常組織への集積を考慮すると、20nm〜200nmとされていることが好ましく、経時安定性を備えていることが必要である。
ここで、最適なリポソームの調製と経時安定性の検討を行う。
リポソームの調製は、下記の条件にて上記の方法を用いて行い、得られた結果を表1に示す。
リン脂質:DMPC,DPPCまたはHSPC
分散剤:Tween20またはTween60
安定化剤:コレステロール(CH)
膜成分とPEG脂質の割合:9:1
調製法:超音波照射法
表1に示すように、得られたリポソームの粒径は、リン脂質の種類においては、HSPC>DPPC>DMPCという傾向を示し、分散剤の種類においては、Tween20<Tween60という傾向を示した。本検討においては、DMPC:CH:Tween20=8:2:1.1の組成のリポソームが粒径138nmとなり、最も最適な組成であることが明らかとなった。
また、上記検討によって得られた最適組成のリポソームにマンガンポルフィリン錯体を導入し、得られたマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームの粒径の経時変化について検討した結果を表2に示す。なお、マンガンポルフィリン錯体包埋リポソームの調製は、下記の条件にて行った。
マンガンポルフィリン濃度:MnT4MeSuP:最適組成リポソーム=1:40(mol)
最適組成リポソーム:DMPC:CH:Tween20=1:0.25:0.14(8:2:1.1)
表2に示すように、調製後の平均粒径は123nmであり、72時間の経過後においても130nmと経時安定性があることを確認した。一般的に、経口から摂取されたものが排泄されるまでに要する時間は、24〜72時間とされているので、本検討における最適組成リポソームにマンガンポルフィリン錯体を包埋させることによって、腸からの吸収および非正常組織への集積が可能なマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームが得られることが明らかとなった。
なお、本検討においては、イオンコンプレックス(MnT4MeSuP)1モルに対して、脂質類(最適組成リポソーム)を40モルとして行ったが、脂質類を10〜500モルの範囲において適宜選択して調製することができる。
<実施例1>
本発明の経口疾患治療薬の実施例1について説明する。本実施例においては、胃液防護・腸液溶解性物質としてアルギン酸塩の一種であるアルギン酸カルシウムを用いて経口疾患治療薬の調製条件の検討を行った。
経口疾患治療薬の調整方法は、リポソーム溶液に水溶性のアルギン酸ナトリウムを混合したアルギン酸ナトリウム混合リポソーム溶液としたものを、塩化カルシウム水溶液中に滴下させることによって、当該アルギン酸ナトリウム混合リポソーム溶液の滴のアルギン酸ナトリウムをイオン架橋によってゲル化させて不溶性のアルギン酸カルシウムとすることで調製した。なお、アルギン酸ナトリウム混合リポソーム溶液は、リポソーム溶液に対してアルギン酸ナトリウムを1%添加したものを用いた。また、塩化カルシウム水溶液の濃度は、0.4,1,2,10,20,30%とした。
得られた本実施例における経口疾患治療薬の各サンプルについて、人工胃液中にて37℃、70rpmの条件下で1時間攪拌し溶解性を検討するとともに、人工腸液中にて37℃、70rpmの条件下での溶解時間の検討を行い、得られた結果を表3に示す。
表3に示すように、全てのサンプルにおいて人工胃液に対して不溶であることが確認された。また、人工腸液への溶解速度は、経口疾患治療薬の調製時に用いる塩化カルシウム水溶液の濃度には依存しないことが明らかとなった。
また、本実施例の調製時において、塩化カルシウム水溶液の濃度が高いほど、早くイオン架橋が生じ、さらには、より硬い膜が形成されていることが認められた。そこで、経口疾患治療薬のサイズを1,1.5,2,4mmとしたものを調製し、人工腸液中にて37℃、70rpmの条件下で攪拌した際の溶解時間を比較した結果を表4に示す。なお、経口疾患治療薬の調製には、30%濃度の塩化カルシウム水溶液を用いた。
表4に示すように、経口疾患治療薬の人工腸液中における溶解速度は、経口疾患治療薬のサイズ(粒径)に依存することが明らかとなった。本実施例においては、粒径1mmとしたものが30分以下と最も早く溶解した。
表3および表4の結果から、経口疾患治療薬の調製時における塩化カルシウム濃度を高くするとともに、粒径を小さく調製することにより、イオン架橋密度が高く、腸液への即溶性のある経口疾患治療薬が得られることが明らかとなった。
また、本実施例においては、アルギン酸ナトリウム混合リポソーム溶液を滴下することによって球状の経口疾患治療薬として調製したが、ゾンデ内径が小径のシリンジから塩化カルシウム溶液中に連続的に当該アルギン酸ナトリウム混合リポソーム溶液を射出し、得られた糸状体を切断することによって微細糸状とした経口疾患治療薬を調製することで、極めて表面積の小さい経口疾患治療薬とすることもできる。
なお、本実施例においては、胃液防護・腸液溶解性物質として、アルギン酸塩の一種であるアルギン酸カルシウムを用いたが、その他のアルギン酸塩、アルギン酸、またはアルギン酸エステルなどを用いても同様の結果が得られるものである。
<実施例2>
本発明の経口疾患治療薬の実施例2について説明する。本実施例においては、胃液防護・腸液溶解性物質としてアルギン酸カルシウムを用い、経口疾患治療薬を調製するとともに、得られた経口疾患治療薬の人工胃液および人工腸液への暴露後のリポソームについて検討を行った。
本実施例における経口疾患治療薬の調製においては、マンガンポルフィリン錯体を混合したリポソーム溶液2mlに5%のアルギン酸ナトリウムを0.5ml添加した1%アルギン酸ナトリウム混合リポソーム溶液を20%の塩化カルシウム水溶液に滴下して経口疾患治療薬を調製する。得られた経口疾患治療薬を、人工胃液中にて37℃、70rpmの条件下で1時間攪拌した後、人工腸液中にて37℃、70rpmで攪拌した経口疾患治療薬腸液溶解液を高速遠心分離器にて10000prmで40分間遠心分離し、得られた上澄み液を40℃で加熱・フィルター処理しサンプルを得た。当該サンプルを急速凍結装置(Leica EM CPC,Leica Co.社製)にて急速凍結させてガラスナイフで割断し、その割断面にPt−C蒸着を施してTEM観察(加速電圧は120kVとした)を行った。また、得られたサンプルについて、動的光散乱光度計を用いて、平均粒子径の測定を行った。なお、リポソームの状態や平均粒子径を比較するために、マンガンポルフィリン錯体包埋リポソームのみを調製したサンプルについても、TEM観察および平均粒子径の測定を行った。得られたTEM像および平均粒子径を図1に示す。
図1に示すように、本実施例における経口疾患治療薬は、人工腸液中において胃液防護・腸液溶解性物質としてのアルギン酸カルシウムが溶解されても、マンガンポルフィリン錯体包埋リポソームは崩壊せずに人工腸液中に溶出していることが確認された。
また、経口疾患治療薬腸液溶解液について、UV−visスペクトル評価を行い、マンガンポルフィリンの変性について検討した結果を表5に示す。
表5に示すように、経口疾患治療薬腸液溶解液は、Soret帯およびQ帯のいずれにおいてもマンガンポルフィリンおよびマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームと同等の帯域であったので、人工腸液で溶出したリポソーム中のポルフィリンはマンガンポルフィリンであり、人工胃液によってもマンガンが脱落などせずに保持されていることが明らかとなった。
<実施例3>
本発明の経口疾患治療薬の実施例3について説明する。本実施例においては、パラコート障害マウスを用いた抗酸化効果および薬剤投与量の検討を行った。
ここで、パラコートとは、生体内に投与されると活性酸素を大量に発生させて、各臓器に炎症などの多大な損傷を与える。本実施例においては、このパラコートを投与したマウスに、本発明の経口疾患治療薬を経口投与して、その抗酸化効果および薬剤投与量を検討した。
試験種には、13週齢雄C57/BL6slcマウス(1群につき8匹)を用いた。投与スケジュールは、まず薬剤を経口投与、4時間後にパラコートおよびカタラーゼを腹腔投与、そして24時間後に再度薬剤を経口投与し、マウスの生死を観察し、生存率を比較する。第1群にはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を経口投与、第2群には本願発明の経口疾患治療薬(イオンコンプレックス(MnT4MeSuP):最適組成リポソーム=1:40mM)を0.2ml経口投与(経静脈投与量の2倍量に相当)、第3群には本願発明の経口疾患治療薬(イオンコンプレックス(MnT4MeSuP):最適組成リポソーム=1:60mM)を0.4ml経口投与(経静脈投与量の6倍量に相当)した。各マウスの観察結果をカプラン・マイヤー生存率曲線として図2に示す。
図2に示すように、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を経口投与したマウスにおいては、9日目で生存率がゼロとなった。これに対して、図2(a)に示すように、経静脈投与量の2倍量に相当する本発明の経口疾患治療薬を経口投与した第2群のマウスにおいては、5日目で生存率が0.5となり、10日目までその値を維持した。また、図2(b)に示すように、経静脈投与量の6倍量に相当する本発明の経口疾患治療薬を経口投与した第3群のマウスにおいては、4日目で生存率が0.6となり、10日目までその値を維持した。これらの結果に基づいて、ログランク検定による各軍のP値を算出した結果を表6に示す。
表6に示すように、経静脈投与量の6倍量に相当する第3群においてP値が0.05以下の有意差のある結果を示し、パラコート障害に対して抗酸化効果があることが認められた。
<実施例4>
本発明の経口疾患治療薬の実施例4について説明する。本実施例においては、実施例3において抗酸化効果が得られた経静脈投与量の6倍量に相当する本発明の経口疾患治療薬を癌細胞を移植したマウスに対して経口投与し、その癌予防効果について検討した。
試験種には、13週齢雄C57/BL6slcマウス(1群につき8匹)を用いた。投与スケジュールは、まず癌細胞を移植し、24時間おきに8日間薬剤を経口投与し、癌体積を計測し、体積変化を比較する。プラセボ群には、実施例3の第1群と同様にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を経口投与した。そして、薬剤投与群には、実施例3の第3群と同様に経静脈投与量の6倍量に相当する本発明の経口疾患治療薬を経口投与した。各群のマウスにおける8日目の表面癌体積の測定結果を図3に示す。
図3に示すように、経静脈投与量の6倍量に相当する本発明の経口疾患治療薬を経口投与した薬剤投与群の8日目の表面癌体積は、プラセボ群の10分の1以下であり、P値が0.05以下の有意差のある結果を示し、本発明の経口疾患治療薬は生体内において優れた抗癌効果を示すことを確認した。また、本実施例において、プラセボ群においては2日目で癌細胞が定着したのに対して、薬剤投与群では、8日目になって癌細胞の定着が確認された。
以上のことから、本発明の経口疾患治療薬によれば、優れた抗酸化効果・抗癌効果を有する鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームを経口投与することを可能とし、従来の注射や点滴などの血中投与と比べて、患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を損ねることなく疾患の治療や予防を行うことを可能とする。
本発明の経口疾患治療薬は、上記の実施例に限定されるものではなく、発明の特徴を損なわない範囲において種々の変更が可能である。

Claims (5)

  1. ナノサイズ大の鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームを含有する経口疾患治療薬であって、
    前記鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームは胃液防護・腸液溶解性物質に包含されており、腸液内でのみ開放されて生体内に吸収されるように形成されていることを特徴とする経口疾患治療薬。
  2. 前記胃液防護・腸液溶解性物質が、アルギン酸およびアルギン酸誘導体からなることを特徴とする請求項1に記載の経口疾患治療薬。
  3. 前記アルギン酸誘導体が、アルギン酸塩であることを特徴とする請求項2に記載の経口疾患治療薬。
  4. 前記鉄またはマンガンポルフィリン錯体包埋リポソームの粒径が、200nm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の経口疾患治療薬。
  5. 粒径が、1mm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の経口疾患治療薬。
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