JP2015208962A - 多層樹脂シート、液晶保護シート、建築基材用窓材、産業機械用窓材、および商品陳列什器用窓材。 - Google Patents
多層樹脂シート、液晶保護シート、建築基材用窓材、産業機械用窓材、および商品陳列什器用窓材。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】湿度による反りが少なく、透明性が高く、面衝撃性が高い多層樹脂シートを提供すること。【解決手段】 ポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)および、ポリカーボネート樹脂と側鎖にエステル結合を有するポリマーとを含有する樹脂層(B)が積層された多層樹脂シートのポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)の厚さと、ポリカーボネート樹脂と側鎖にエステル結合を有するポリマーとを含有する樹脂層(B)の厚さの厚み比率[(B)/(A)]が、0.03以上0.3以下であることを特徴とする多層樹脂シート。【選択図】なし
Description
本発明は、多層樹脂シート、液晶保護シート、建築基材用窓材、産業機械用窓材、および商品陳列什器用窓材に関する。
一般に、ポリカーボネート樹脂は、高温安定性、寸法安定性、耐衝撃性、剛性及び透明性等に優れるが、耐スクラッチ性及び長期UV耐性が不十分で、応力複屈折の発生という欠点も有している。一方、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂は、寸法安定性、耐衝撃性及び低温耐性等が低いものの、透明性、表面硬度、UV耐性、低応力複屈折率において優れることが知られている。
したがって、ポリカーボネート樹脂とアクリル樹脂との多層樹脂シートはそれぞれの成分が個々に有する欠点を除去し、各種用途に使用可能な物性をもたらすことが期待され、これまで種々の方法が提案されている。(たとえば特許文献1参照)
しかしながら、従来のポリカーボネート樹脂とアクリル樹脂との多層樹脂シートはポリカーボネート樹脂とアクリル樹脂との吸水による寸法安定性の違いから、高湿度の環境下においてシートの反り、たわみが生じてしまう欠点があった。
これらの多層樹脂シートの反りへの課題に対して、ポリカーボネート樹脂とアクリル樹脂とのブレンド物を少なくとも1層とすることによって、その寸法安定性をポリカーボネート樹脂のものと近づけ、かつ、それぞれの樹脂成分が個々に有する欠点をも除去することが期待される。しかしながら、従来のポリカーボネート樹脂とアクリル樹脂のブレンド物は、透明性が要求される用途には使用できない不透明な物質であった(たとえば特許文献2参照)。そのため、ポリカーボネート樹脂とアクリル樹脂との透明なブレンド物を得るため、種々の方法が提案されている。
したがって、ポリカーボネート樹脂とアクリル樹脂との多層樹脂シートはそれぞれの成分が個々に有する欠点を除去し、各種用途に使用可能な物性をもたらすことが期待され、これまで種々の方法が提案されている。(たとえば特許文献1参照)
しかしながら、従来のポリカーボネート樹脂とアクリル樹脂との多層樹脂シートはポリカーボネート樹脂とアクリル樹脂との吸水による寸法安定性の違いから、高湿度の環境下においてシートの反り、たわみが生じてしまう欠点があった。
これらの多層樹脂シートの反りへの課題に対して、ポリカーボネート樹脂とアクリル樹脂とのブレンド物を少なくとも1層とすることによって、その寸法安定性をポリカーボネート樹脂のものと近づけ、かつ、それぞれの樹脂成分が個々に有する欠点をも除去することが期待される。しかしながら、従来のポリカーボネート樹脂とアクリル樹脂のブレンド物は、透明性が要求される用途には使用できない不透明な物質であった(たとえば特許文献2参照)。そのため、ポリカーボネート樹脂とアクリル樹脂との透明なブレンド物を得るため、種々の方法が提案されている。
たとえば、芳香族ポリカーボネート樹脂と、全メチルメタクリレート単位の少なくとも50%がシンジオタクチック配置にある、シンジオタクチックポリメチルメタクリレートとを混合する方法が公知である(特許文献3参照)。しかしながら、この方法で得られる混合物は透明性が必ずしも十分とは言えない。
また、ポリカーボネート樹脂97〜60質量%とポリメチルメタクリレート3〜40質量%からなる樹脂を、微量型高せん断成形加工機を用いてブレンドする溶融混練方法が公知である(特許文献4参照)。しかしながら、この方法で得られるブレンド物も、透明性の点で必ずしも十分でない。
また、ポリカーボネート樹脂97〜60質量%とポリメチルメタクリレート3〜40質量%からなる樹脂を、微量型高せん断成形加工機を用いてブレンドする溶融混練方法が公知である(特許文献4参照)。しかしながら、この方法で得られるブレンド物も、透明性の点で必ずしも十分でない。
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは湿度による反りが少なく、透明性が高く、表面硬度と耐面衝撃性に優れた多層樹脂シート、液晶保護シート、建築基材用窓材、産業機械用窓材、および商品陳列什器用窓材を提供することである。
上述の目的は、以下の第[1]項〜第[9]項によって達成される。
[1] ポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)および、ポリカーボネート樹脂と側鎖にエステル結合を有するポリマーとを含有する樹脂層(B)が積層された多層樹脂シートのポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)の厚さと、ポリカーボネート樹脂と側鎖にエステル結合を有するポリマーとを含有する樹脂層(B)の厚さの厚み比率[(B)/(A)]が、0.03以上0.3以下である多層樹脂シート。
[2] 前記樹脂層(A)の厚さが、20μm以上2500μm以下である[1]に記載の多層樹脂シート。
[3] 前記ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が、20000以上30000以下である[1]または[2]に記載の多層樹脂シート。
[4] 前記ポリカーボネート樹脂が、ビスフェノールAと、ホスゲンまたはジフェニルカーボネートを反応させたものである[1]ないし[3]のいずれか1項に記載の多層樹脂シート。
[5] 前記側鎖にエステル結合を有するポリマーが、ポリ(メタ)アクリル酸メチルである[1]ないし[4]のいずれか1項に記載の多層樹脂シート。
[6] 前記樹脂層(B)が、下記式(1)〜(3)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも1種のオニウム塩を含有する[1]ないし[5]のいずれか1項に記載の多層樹脂シート。
[1] ポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)および、ポリカーボネート樹脂と側鎖にエステル結合を有するポリマーとを含有する樹脂層(B)が積層された多層樹脂シートのポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)の厚さと、ポリカーボネート樹脂と側鎖にエステル結合を有するポリマーとを含有する樹脂層(B)の厚さの厚み比率[(B)/(A)]が、0.03以上0.3以下である多層樹脂シート。
[2] 前記樹脂層(A)の厚さが、20μm以上2500μm以下である[1]に記載の多層樹脂シート。
[3] 前記ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が、20000以上30000以下である[1]または[2]に記載の多層樹脂シート。
[4] 前記ポリカーボネート樹脂が、ビスフェノールAと、ホスゲンまたはジフェニルカーボネートを反応させたものである[1]ないし[3]のいずれか1項に記載の多層樹脂シート。
[5] 前記側鎖にエステル結合を有するポリマーが、ポリ(メタ)アクリル酸メチルである[1]ないし[4]のいずれか1項に記載の多層樹脂シート。
[6] 前記樹脂層(B)が、下記式(1)〜(3)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも1種のオニウム塩を含有する[1]ないし[5]のいずれか1項に記載の多層樹脂シート。
2は、プロトン供与性基がプロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基Y1及びY2が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。Y3及びY4はプロトン供与性基がプロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基Y3及びY4が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。X1及びX2は互いに同一であっても異なっていてもよく、Y1、Y2、Y3及びY4は互いに同一であっても異なっていてもよい。Z1は芳香環又は複素環を有する有機基、あるいは脂肪族基である。)
[7] 前記樹脂層(B)が、4級アンモニウム塩を含有する[1]ないし[6]のいずれか1項に記載の多層樹脂シート。
[8] [1]ないし[7]のいずれか1項に記載の多層樹脂シートを用いて作製された液晶保護シート。
[9] [1]ないし[7]のいずれか1項に記載の多層樹脂シートを用いて作製された建築基材用窓材、産業機械用窓材、または商品陳列什器用窓材。
[8] [1]ないし[7]のいずれか1項に記載の多層樹脂シートを用いて作製された液晶保護シート。
[9] [1]ないし[7]のいずれか1項に記載の多層樹脂シートを用いて作製された建築基材用窓材、産業機械用窓材、または商品陳列什器用窓材。
本発明の多層樹脂シートを用いることにより、湿度による反りが少なく、透明性が高く、表面硬度と耐面衝撃性に優れた多層樹脂シート、液晶保護シート、建築基材用窓材、産業機械用窓材、および商品陳列什器用窓材を得ることができる。
以下、本発明の多層樹脂シート、液晶保護シート、建築基材用窓材、産業機械用窓材、および商品陳列什器用窓材について、好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明は、ポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)および、ポリカーボネート樹脂と側鎖にエステル結合を有するポリマーとを含有する樹脂層(B)が積層された多層樹脂シートのポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)の厚さと、ポリカーボネート樹脂と側鎖にエステル結合を有するポリマーとを含有する樹脂層(B)の厚さの厚み比率[(B)/(A)]が、0.03以上0.3以下である多層樹脂シートであり、このような構成とすることで、湿度による反りが少なく、透明性が高く、耐面衝撃性に優れた多層樹脂シートを得ることができる。
まず、本発明の多層樹脂シートについて説明する。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂とは、カーボネート結合を有する樹脂であって、芳香族ヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物をカーボネート前駆体と反応させることによって得られる重合体または共重合体である。
芳香族ヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール、5−クロル−3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール、5,7−ジクロル−3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール、5−ブロム−3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドールなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を併用してもよい。
カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメートなどが使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。
これらの中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとホスゲンを反応させて得られるビスフェノールA型ポリカーボネートが、透明性の高さから好ましい。
ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は、20000以上30000以下が好ましく、より好ましくは22000以上29000以下であり、さらに好ましくは24000以上28000以下である。
前記下限値以上であると、多層樹脂シートとした場合の剛性が高くなり好ましい。前記上限値以下であると、混練時の作業性が向上し好ましい。
前記ポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)の厚さが、20μm以上2500μm以下であることが好ましく、より好ましくは20μm以上1000μm以下、さらに好ましくは25μm以上500μm以下である。このような範囲にすることにより、湿度による反りが少なく、透明性が高く、表面硬度と耐面衝撃性に優れた多層樹脂シートを得ることができる。
本発明は、ポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)および、ポリカーボネート樹脂と側鎖にエステル結合を有するポリマーとを含有する樹脂層(B)が積層された多層樹脂シートのポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)の厚さと、ポリカーボネート樹脂と側鎖にエステル結合を有するポリマーとを含有する樹脂層(B)の厚さの厚み比率[(B)/(A)]が、0.03以上0.3以下である多層樹脂シートであり、このような構成とすることで、湿度による反りが少なく、透明性が高く、耐面衝撃性に優れた多層樹脂シートを得ることができる。
まず、本発明の多層樹脂シートについて説明する。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂とは、カーボネート結合を有する樹脂であって、芳香族ヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物をカーボネート前駆体と反応させることによって得られる重合体または共重合体である。
芳香族ヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール、5−クロル−3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール、5,7−ジクロル−3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール、5−ブロム−3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドールなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を併用してもよい。
カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメートなどが使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。
これらの中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとホスゲンを反応させて得られるビスフェノールA型ポリカーボネートが、透明性の高さから好ましい。
ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は、20000以上30000以下が好ましく、より好ましくは22000以上29000以下であり、さらに好ましくは24000以上28000以下である。
前記下限値以上であると、多層樹脂シートとした場合の剛性が高くなり好ましい。前記上限値以下であると、混練時の作業性が向上し好ましい。
前記ポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)の厚さが、20μm以上2500μm以下であることが好ましく、より好ましくは20μm以上1000μm以下、さらに好ましくは25μm以上500μm以下である。このような範囲にすることにより、湿度による反りが少なく、透明性が高く、表面硬度と耐面衝撃性に優れた多層樹脂シートを得ることができる。
本発明に用いられる側鎖にエステル結合を有するポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸プロピル、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸プロピルなどが挙げられる。
これらの中でもポリメタクリル酸メチルが、透明性の観点から好ましい。
これらの中でもポリメタクリル酸メチルが、透明性の観点から好ましい。
本発明に用いられるオニウム塩は、上記式(1)〜(3)のいずれかの構造を有する。
前記オニウム塩の中でも、上記式(1)で表わされるオニウム塩を用いることが好ましい。これにより、ポリカーボネート樹脂と、側鎖にエステル結合を有するポリマーと、を効率よく反応させることができ、相溶化を促進することができる。さらに上記式(1)で示されるオニウム塩は、下記式(4)または(5)で示されるオニウム塩であることがより好ましい。これにより、相溶化をより促進することができる。
前記オニウム塩の中でも、上記式(1)で表わされるオニウム塩を用いることが好ましい。これにより、ポリカーボネート樹脂と、側鎖にエステル結合を有するポリマーと、を効率よく反応させることができ、相溶化を促進することができる。さらに上記式(1)で示されるオニウム塩は、下記式(4)または(5)で示されるオニウム塩であることがより好ましい。これにより、相溶化をより促進することができる。
式(4)で示されるオニウム塩のうち、特に下記式(6)で示される構造を有するオニウム塩を用いることが好ましい。これにより、相溶化をさらに促進することができ、透明性の高い樹脂組成物を得ることができる。
オニウム塩存在下で、ポリカーボネート樹脂と、側鎖にエステル結合を有するポリマーが、エステル交換反応を行い、共重合体を形成する。この共重合体が相溶化剤として作用するため、透明性の高い多層樹脂シートを得ることができる。
上記式(3)で表わされる化合物としては、例えば、R9が下記式(4)で表わさせるものを挙げることができる。これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる4級アンモニウム塩は、分子内の窒素原子に4つの炭化水素基が結合したカチオンを含む塩であり、4級アンモニウム塩に含まれるアニオンとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどのハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン等を挙げることができる。アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリブチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウム硝酸塩、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩等が挙げられる。
これらの中でも、テトラブチルアンモニウム硝酸塩が、樹脂の透明性を発現する点から好ましい。
これらの中でも、テトラブチルアンモニウム硝酸塩が、樹脂の透明性を発現する点から好ましい。
4級アンモニウム塩存在下で、ポリカーボネート樹脂と、側鎖にエステル結合を有するポリマーが、エステル交換反応を行い、共重合体を形成する。この共重合体が相溶化剤として作用するため、透明性の高い多層樹脂シートを得ることができる。
前記エステル交換反応により、ポリカーボネート樹脂のエステル結合が切断されるため、分子量が低下し、剛性の低下の原因となる。しかし、分子量が20000以上のポリカーボネート樹脂を用いることで、剛性の低下を抑えることができる。
ポリカーボネート樹脂/側鎖にエステル結合を有するポリマーの質量比は特に制限はないが、好ましくは70/30〜10/90の範囲であり、より好ましくは、66/34〜16/84の範囲であり、さらに好ましくは60/40〜20/80の範囲である。この質量比の範囲であれば、ポリカーボネートと、側鎖にエステル結合を有するポリマーのそれぞれの特徴を有し、透明性が高く、剛性に優れた樹脂組成物を得ることができる。なお、ポリカーボネートおよび側鎖にエステル結合を有するポリマーは、それぞれ2種以上用いても良い。
オニウム塩、または4級アンモニウム塩の添加量は特に制限はないが、好ましくは、オ
ニウム塩/(ポリカーボネート樹脂および側鎖にエステル結合を有するポリマーの総量)、4級アンモニウム塩/(ポリカーボネート樹脂および側鎖にエステル結合を有するポリマーの総量)が2/100〜1/1000である。この質量比の範囲とすることで、透明性の高い樹脂を得ることができる。
前記エステル交換反応により、ポリカーボネート樹脂のエステル結合が切断されるため、分子量が低下し、剛性の低下の原因となる。しかし、分子量が20000以上のポリカーボネート樹脂を用いることで、剛性の低下を抑えることができる。
ポリカーボネート樹脂/側鎖にエステル結合を有するポリマーの質量比は特に制限はないが、好ましくは70/30〜10/90の範囲であり、より好ましくは、66/34〜16/84の範囲であり、さらに好ましくは60/40〜20/80の範囲である。この質量比の範囲であれば、ポリカーボネートと、側鎖にエステル結合を有するポリマーのそれぞれの特徴を有し、透明性が高く、剛性に優れた樹脂組成物を得ることができる。なお、ポリカーボネートおよび側鎖にエステル結合を有するポリマーは、それぞれ2種以上用いても良い。
オニウム塩、または4級アンモニウム塩の添加量は特に制限はないが、好ましくは、オ
ニウム塩/(ポリカーボネート樹脂および側鎖にエステル結合を有するポリマーの総量)、4級アンモニウム塩/(ポリカーボネート樹脂および側鎖にエステル結合を有するポリマーの総量)が2/100〜1/1000である。この質量比の範囲とすることで、透明性の高い樹脂を得ることができる。
本発明の多層樹脂シートを構成する各樹脂組成物には、無機充填剤を含有しても良い。
無機充填剤としては、たとえば、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、シリカ、アルミナ、酸化チタン、硫酸カルシウム粉体、石膏、石膏ウィスカー、硫酸バリウム、タルク、マイカ、珪酸カルシウム、カーボンブラック、グラファイト、鉄粉、銅粉、二硫化モリブデン、炭化珪素、窒化珪素、黄銅繊維、ステンレス繊維、チタン酸カリウム繊維等が挙げられる。これらの中でも、ガラス繊維状充填剤、ガラスの粉状充填剤、ガラスのフレーク状充填剤、ガラスビーズが樹脂シートの透明性を発現する点から好ましい。
これらの無機充填剤は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いても良い。無機充填剤の形状は特に限定されないが、充填性及び金型摩耗性の点から球形が好ましい。
無機充填剤としては、たとえば、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、シリカ、アルミナ、酸化チタン、硫酸カルシウム粉体、石膏、石膏ウィスカー、硫酸バリウム、タルク、マイカ、珪酸カルシウム、カーボンブラック、グラファイト、鉄粉、銅粉、二硫化モリブデン、炭化珪素、窒化珪素、黄銅繊維、ステンレス繊維、チタン酸カリウム繊維等が挙げられる。これらの中でも、ガラス繊維状充填剤、ガラスの粉状充填剤、ガラスのフレーク状充填剤、ガラスビーズが樹脂シートの透明性を発現する点から好ましい。
これらの無機充填剤は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いても良い。無機充填剤の形状は特に限定されないが、充填性及び金型摩耗性の点から球形が好ましい。
さらに、本発明の目的を損なわない範囲で、樹脂組成物に通常用いられる核剤、難燃剤、衝撃改良剤、帯電防止剤、安定剤、染料、耐光安定剤、離型剤、酸化防止剤、着色剤等の添加剤を、本発明の多層樹脂シートを構成する各樹脂組成物に含んでも差し支えない。
本発明の実施形態において、前記無機充填剤および前記添加剤の混合方法は特に限定されない。
本発明の実施形態において、前記無機充填剤および前記添加剤の混合方法は特に限定されない。
本発明の多層樹脂シートは前記ポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)および、ポリカーボネート樹脂と側鎖にエステル結合を有するポリマーとを含有する樹脂層(B)が積層された構成である。
前記ポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)においては、本発明の目的を損なわない範囲で、他の樹脂や成分も含んでいても問題ない。
前記多層樹脂シートの厚みは、特に制限されるものではないが、好ましくは300μm以上10000μm以下、より好ましくは、500μm以上8000μm以下、さらに好ましくは800μm以上5000μm以上である。前記下限値未満の場合、多層樹脂シートの剛性が低下し、例えば液晶部材等他の部材との接触が発生し好ましくない。また前記上限値を超える場合多層樹脂シートの重量が過剰であり、それを用いる機器、部材の取り扱い性が低下するおそれがあり好ましくない。
前記ポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)においては、本発明の目的を損なわない範囲で、他の樹脂や成分も含んでいても問題ない。
前記多層樹脂シートの厚みは、特に制限されるものではないが、好ましくは300μm以上10000μm以下、より好ましくは、500μm以上8000μm以下、さらに好ましくは800μm以上5000μm以上である。前記下限値未満の場合、多層樹脂シートの剛性が低下し、例えば液晶部材等他の部材との接触が発生し好ましくない。また前記上限値を超える場合多層樹脂シートの重量が過剰であり、それを用いる機器、部材の取り扱い性が低下するおそれがあり好ましくない。
本発明の多層樹脂シートを構成するポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)の厚さおよび、ポリカーボネート樹脂と側鎖にエステル結合を有するポリマーとを含有する樹脂層(B)の厚さの厚さ比率[(B)/(A)]は0.03以上0.3以下である。より好ましくは、0.04以上0.25以下であり、さらに好ましくは、0.05以上0.2以下である。前記下限値未満であると表面硬度が低下するため好ましくない。また前記上限値を超えると耐面衝撃性が低下するため好ましくない。
本発明の多層樹脂シートは、溶融混練された各樹脂層を積層することにより得られる。積層方法としては、特に制限されるものではないが、各樹脂層をそれぞれシート状に加工したものを得たのちに熱圧プレス等で積層してもよいし、フィードブロックやマルチマニホールドダイスを用いて、溶融状態の樹脂を積層したものをシート状に加工してもよい。
なお、本発明の多層樹脂シートは、切断、切削、打ち抜き加工等の従来の技術を用い、本発明の液晶保護シート、建築基材用窓材、産業機械用窓材、および商品陳列什器用窓材に加工することにより作製したものである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示す構成の多層樹脂シートを、ポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)を50mmφ単軸押出機(L/D=28)にて溶融混練し、ポリカーボネート樹脂と側鎖にエステル結合を有するポリマーとを含有する樹脂層(B)を15mmφ同方向二軸押出機(L/D=55)にて溶融混練し、フィードブロック方式のTダイを用いシート状に成形した。前記樹脂層(A)にはポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製 商品名ユーピロン E−2000 重量平均分子量28000)を用いた。前記樹脂層(B)としては、ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製 商品名ユーピロン E−2000 重量平均分子量28000)を60質量部、側鎖にエステル結合を有するポリマーとしてポリメタクリル酸メチル(住友化学株式会社製 商品名スミペックス EX)を40質量部、オニウム塩としてテトラフェニルホスホニウム4,4‘−スルホニルジフェノラートを1質量部との混合品を用いた。多層樹脂シートの樹脂層(A)の厚さは、500μm、樹脂層(B)の厚さは、25μmとした。厚さの比率[(B)/(A)]は0.05であった。得られた多層樹脂シートを用いて、下記の通り評価を行った。評価結果を表1に示した。
(実施例1)
表1に示す構成の多層樹脂シートを、ポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)を50mmφ単軸押出機(L/D=28)にて溶融混練し、ポリカーボネート樹脂と側鎖にエステル結合を有するポリマーとを含有する樹脂層(B)を15mmφ同方向二軸押出機(L/D=55)にて溶融混練し、フィードブロック方式のTダイを用いシート状に成形した。前記樹脂層(A)にはポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製 商品名ユーピロン E−2000 重量平均分子量28000)を用いた。前記樹脂層(B)としては、ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製 商品名ユーピロン E−2000 重量平均分子量28000)を60質量部、側鎖にエステル結合を有するポリマーとしてポリメタクリル酸メチル(住友化学株式会社製 商品名スミペックス EX)を40質量部、オニウム塩としてテトラフェニルホスホニウム4,4‘−スルホニルジフェノラートを1質量部との混合品を用いた。多層樹脂シートの樹脂層(A)の厚さは、500μm、樹脂層(B)の厚さは、25μmとした。厚さの比率[(B)/(A)]は0.05であった。得られた多層樹脂シートを用いて、下記の通り評価を行った。評価結果を表1に示した。
(実施例2〜6)
実施例1における多層樹脂シートの樹脂層(A)の厚さおよび樹脂層(B)の厚さを表1に記載の厚さに変更した以外は、実施例1と同様に多層樹脂シートを作製し、評価した。
(実施例7)
実施例1におけるオニウム塩に代わり、4級アンモニウム塩として硝酸テトラブチルアンモニウム1質量部を前記樹脂層(B)の樹脂に添加し、実施例1と同様に多層樹脂シートを成形した。
(実施例8)
実施例1における樹脂層(A)のポリカーボネートを三菱エンジニアリングプラスチックス社製 商品名ユーピロン E−2000 (重量平均分子量28000)に代わり、三菱エンジニアリングプラスチックス社製 商品名ユーピロン S−2000 (重量平均分子量25000)を用いて、実施例1と同様に多層樹脂シートを成形した。
実施例1における多層樹脂シートの樹脂層(A)の厚さおよび樹脂層(B)の厚さを表1に記載の厚さに変更した以外は、実施例1と同様に多層樹脂シートを作製し、評価した。
(実施例7)
実施例1におけるオニウム塩に代わり、4級アンモニウム塩として硝酸テトラブチルアンモニウム1質量部を前記樹脂層(B)の樹脂に添加し、実施例1と同様に多層樹脂シートを成形した。
(実施例8)
実施例1における樹脂層(A)のポリカーボネートを三菱エンジニアリングプラスチックス社製 商品名ユーピロン E−2000 (重量平均分子量28000)に代わり、三菱エンジニアリングプラスチックス社製 商品名ユーピロン S−2000 (重量平均分子量25000)を用いて、実施例1と同様に多層樹脂シートを成形した。
(比較例1〜8)
実施例1における多層樹脂シートの樹脂層(A)の厚さおよび樹脂層(B)の厚さを表1に記載の厚さに変更した以外は、実施例1と同様に多層樹脂シートを作製し、評価した。
(比較例9)
ポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)の代わりにPMMA層として、住友化学社製
商品名スミペックス EXを用いて、樹脂層(B)は実施例1に記載の三菱エンジニアリングプラスチックス社製 商品名ユーピロン E−2000を用いて、多層樹脂シートを作製し、実施例1と同様に評価した。
(比較例10)
樹脂層(B)に用いる樹脂をポリメタクリル酸メチル(住友化学社製 商品名スミペックス EX)のみとし、オニウム塩または4級アンモニウム塩を使用せずに、実施例1と同様に多層樹脂シートを作製し、評価した。
実施例1における多層樹脂シートの樹脂層(A)の厚さおよび樹脂層(B)の厚さを表1に記載の厚さに変更した以外は、実施例1と同様に多層樹脂シートを作製し、評価した。
(比較例9)
ポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)の代わりにPMMA層として、住友化学社製
商品名スミペックス EXを用いて、樹脂層(B)は実施例1に記載の三菱エンジニアリングプラスチックス社製 商品名ユーピロン E−2000を用いて、多層樹脂シートを作製し、実施例1と同様に評価した。
(比較例10)
樹脂層(B)に用いる樹脂をポリメタクリル酸メチル(住友化学社製 商品名スミペックス EX)のみとし、オニウム塩または4級アンモニウム塩を使用せずに、実施例1と同様に多層樹脂シートを作製し、評価した。
<曇度測定>
各実施例および比較例において得られた多層樹脂シートを、日本電色製NDH4000を用いて、JISK7136に準拠し測定した。
<湿度による反り>
各実施例および比較例において得られた多層樹脂シートについて、150mm角に裁断し、恒温恒湿試験機(エスペック製 PL−2J)を用いて60℃×95%RH%条件下で240時間静置後に取り出し、23℃×50%雰囲気下で平滑な常盤に静置し10分後の多層樹脂シート四隅浮き量を金尺で測定した。1mm以下を良好とした。
<表面硬度測定>
各実施例および比較例において得られた多層樹脂シートについて、鉛筆硬度計(トライボステーション TYPE32 新東科学製)を用いて鉛筆硬度を測定した。JIS−K5600−5−4に準拠して測定を行った。HB以上を良好とした。
<高エネルギー衝撃試験>
各実施例および比較例において得られた多層樹脂シートについて、樹脂層(B)の面が落錘を受ける面となるようにして、高エネルギー衝撃試験機(DYNATUP8250 Instron社製)を用いて、荷重12.8kg、衝突速度6m/sにて10mm半球状落錘を衝突させた。その際、シートが延性破壊にて落錘が抜けたものを「○」、脆性破壊して落錘が抜けたものを「×」とした。
各実施例および比較例において得られた多層樹脂シートを、日本電色製NDH4000を用いて、JISK7136に準拠し測定した。
<湿度による反り>
各実施例および比較例において得られた多層樹脂シートについて、150mm角に裁断し、恒温恒湿試験機(エスペック製 PL−2J)を用いて60℃×95%RH%条件下で240時間静置後に取り出し、23℃×50%雰囲気下で平滑な常盤に静置し10分後の多層樹脂シート四隅浮き量を金尺で測定した。1mm以下を良好とした。
<表面硬度測定>
各実施例および比較例において得られた多層樹脂シートについて、鉛筆硬度計(トライボステーション TYPE32 新東科学製)を用いて鉛筆硬度を測定した。JIS−K5600−5−4に準拠して測定を行った。HB以上を良好とした。
<高エネルギー衝撃試験>
各実施例および比較例において得られた多層樹脂シートについて、樹脂層(B)の面が落錘を受ける面となるようにして、高エネルギー衝撃試験機(DYNATUP8250 Instron社製)を用いて、荷重12.8kg、衝突速度6m/sにて10mm半球状落錘を衝突させた。その際、シートが延性破壊にて落錘が抜けたものを「○」、脆性破壊して落錘が抜けたものを「×」とした。
実施例1〜8は、透明性と表面硬度、湿度による反り変化、高エネルギー衝撃性に優れていた。
比較例1〜10においては、透明性と表面硬度、湿度による反り変化、高エネルギー衝撃性のすべての特性を満足する結果は得られなかった。
比較例1〜10においては、透明性と表面硬度、湿度による反り変化、高エネルギー衝撃性のすべての特性を満足する結果は得られなかった。
本発明の多層樹脂シートは、表面硬度、透明性、湿度による反り変化に優れるものであり、電気電子OA機器、光メディア、自動車部品、建築部材等の成形体に利用することができる。具体的には、ディスプレイ保護シート、建築基材用窓材、産業機械用窓材、および商品陳列什器用窓材などに利用できる。
Claims (9)
- ポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)および、ポリカーボネート樹脂と側鎖にエステル結合を有するポリマーとを含有する樹脂層(B)が積層された多層樹脂シートのポリカーボネート樹脂を含む樹脂層(A)の厚さと、ポリカーボネート樹脂と側鎖にエステル結合を有するポリマーとを含有する樹脂層(B)の厚さの厚み比率[(B)/(A)]が、0.03以上0.3以下である多層樹脂シート。
- 前記樹脂層(A)の厚さが、20μm以上2500μm以下である請求項1に記載の多層樹脂シート。
- 前記ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が、20000以上30000以下である請求項1または2に記載の多層樹脂シート。
- 前記ポリカーボネート樹脂が、ビスフェノールAと、ホスゲンまたはジフェニルカーボネートを反応させたものである請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の多層樹脂シート。
- 前記側鎖にエステル結合を有するポリマーが、ポリ(メタ)アクリル酸メチルである請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の多層樹脂シート。
- 前記樹脂層(B)が、下記式(1)〜(3)で表わされる化合物から選ばれる少なくとも1種のオニウム塩を含有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の多層樹脂シート。
を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中X1は、基Y1及びY2と結合する有機基である。式中X2は、基Y3及びY4と結合する有機基である。Y1及びY2は、プロトン供与性基がプロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基Y1及びY2が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。Y3及びY4はプロトン供与性基がプロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基Y3及びY4が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。X1及びX2は互いに同一であっても異なっていてもよく、Y1、Y2、Y3及びY4は互いに同一であっても異なっていてもよい。Z1は芳香環又は複素環を有する有機基、あるいは脂肪族基である。)
- 前記樹脂層(B)が、4級アンモニウム塩を含有する請求項1ないし6のいずれか1項
に記載の多層樹脂シート。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の多層樹脂シートを用いて作製された液晶保護シート。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の多層樹脂シートを用いて作製された建築基材用窓材、産業機械用窓材、または商品陳列什器用窓材。
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---|---|---|---|---|
JP2009256408A (ja) * | 2008-04-12 | 2009-11-05 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | アクリル樹脂組成物及びそれを用いた成形物 |
WO2013125500A1 (ja) * | 2012-02-22 | 2013-08-29 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 合成樹脂積層体 |
WO2014061817A1 (ja) * | 2012-10-15 | 2014-04-24 | 帝人株式会社 | 積層体 |
-
2014
- 2014-04-28 JP JP2014093001A patent/JP2015208962A/ja active Pending
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WO2013125500A1 (ja) * | 2012-02-22 | 2013-08-29 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 合成樹脂積層体 |
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