JP2015208827A - ディスクグラインダの円筒面研削用支持装置および円筒面研削用ディスクグラインダ装置 - Google Patents

ディスクグラインダの円筒面研削用支持装置および円筒面研削用ディスクグラインダ装置 Download PDF

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知積 土屋
Tomokazu Tsuchiya
知積 土屋
昇 神田
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昇 神田
保 引口
Tamotsu Hikiguchi
保 引口
翼 川井
Tsubasa Kawai
翼 川井
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Abstract

【課題】従来現場での補修が困難であった機械装置の構成部品の円筒面について、構成部品を機械装置から取り外すことなく、本来の平滑な円筒面に補修することができるディスクグラインダの円筒面研削用支持装置を提供する。
【解決手段】円筒面研削用支持装置3が、ディスクグラインダ2を固定支持するグラインダ支持部25を有する装置本体10と、装置本体10の底部に設けられ、研削対象である外周円筒面C上に当接係合可能な位置決め係合部11とを備えてなり、グラインダ支持部25は、装置本体10に傾動支軸19を介して上下方向へ傾動可能に設けられ、装置本体10が位置決め係合部11を介して円筒面C上に位置決め載置された状態において、ディスクグラインダ2が、円筒面Cに対して研削待機位置Uと研削位置Dとの間で上下方向へ傾動可能とされている。
【選択図】図4

Description

この発明は、ディスクグラインダの円筒面研削用支持装置および円筒面研削用ディスクグラインダ装置に関し、さらに詳細には、印刷機のシリンダのような円柱体ないしは円筒体の外周円筒面を研削するディスクグラインダ技術に関する。
例えば、現在のカラー印刷の主流となっているオフセット印刷は、版胴の表面に、水になじまず油性インクになじむ画線部(印刷される部分)と、水にないじみやすく油性インクのつかない非画線部とからなる版面を形成するとともに、この版面を水で濡らしてから油性インクを塗り、この版面上の上記画線部のインク画像(正画像)を、油性インクになじみやすいゴム製のブランケット胴の表面に一旦転写(反転画像)させてから、このブランケット胴の表面を印刷紙に押し付けて印刷(正画像)する印刷方法である。
上記版胴(Plate Cylinder)およびブランケット胴(Blanket Cylinder)は、圧胴(Inpression Cylinder)および紙渡し胴(Transfer Cylinder)と共にオフセット印刷機の印刷部の主要構成をなす胴装置であり、一般にシリンダと呼ばれている。
これらのシリンダは、印刷部における心臓部ともいえるもので、その外周円筒面(シリンダ円筒面)は高精度な平滑面に仕上げられており、特に金属製のシリンダにおいては、例えば、印刷機が壊れて、その部品であるボルト等の異物が上記シリンダ間に挟まるなどして、これにより上記シリンダ円筒面が陥没し損傷してしまった場合には、この損傷したシリンダの損傷箇所を補修する必要があり、この補修作業には通常、携帯用グラインダの一種であるディスクグラインダによる研削作業を伴う。
このディスクグラインダによる上記外周円筒面の研削作業は、作業者がディスクグラインダを両手で手持ち操作して行う手作業であることに加えて、研削対象が常時研削位置を立体的に移動させなければならない円筒面であることから、作業自体に熟練を要し、しかも、上記シリンダの配置構成が他の装置構成部品等との関係で狭い空間内にあることから、作業空間が非常に狭い。
したがって、ディスクグラインダを用いた現場での精度の高い補修には困難を伴い、これがため、実際には、対象となるシリンダを印刷機から取り外して、広い作業空間で上記損傷箇所に対する補修作業を行うというのが一般的である。
一方、上記シリンダの配置構成は複雑かつ大掛かりであるため、印刷機に対するシリンダの取外し取付け作業には多大な労力と時間を要し、結果として、上記のようなシリンダ円筒面の補修作業は、印刷機の稼働中特に繁忙期には行うことがで傷、印刷機の稼働停止時に行わなければならないという問題があった。
このような環境下、従来は、その次善策として、シリンダ円筒面の損傷箇所について肉盛り補修が現場で応急処置的に行われていた。この応急処置的な補修作業は、金属パテをシリンダ円筒面の陥没等した損傷箇所に肉盛りして、円筒面を回復させるというものであるが、このような補修ではシリンダ円筒面を平滑面に仕上げることが困難であり、しかも、金属パテでは耐摩耗性や耐溶剤性に難点があり、経時的に金属パテが剥がれてしまう危険もあり、あくまで応急処置的な補修として、改めてディスクグラインダを用いた本格的な補修作業を必要としていた。
以上の問題は、上述したオフセット印刷機の印刷部のシリンダに限らず、他の機械装置において同様な条件下にある構成部品(円柱体ないしは円筒体)の外周円筒面の補修作業にも共通するものであった。
なお、本出願人の知る限りにおいて、これら従来技術を開示した特許文献等は存在しない。
なし
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、従来現場での補修が困難であった機械装置の構成部品の外周円筒面について、構成部品を機械装置から取り外すことなく、ディスクグラインダ技術を用いて本来の平滑な円筒面に補修することができるディスクグラインダの円筒面研削用支持装置を提供することにある。
本発明のもう一つの目的とするところは、上記円筒面研削用支持装置を備えた円筒面研削用ディスクグラインダ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のディスクグラインダの円筒面研削用支持装置は、円柱体、円筒体等の外周円筒面をディスクグラインダにより研削する際に、このディスクグラインダを上記外周円筒面上に支持する装置であって、上記ディスクグラインダを固定支持するグラインダ支持部を有する装置本体と、この装置本体の底部に設けられ、上記外周円筒面上に当接係合可能な位置決め係合手段とを備えてなり、上記グラインダ支持部は、上記装置本体に支軸を介して上下方向へ傾動可能に設けられ、上記装置本体が上記位置決め係合手段を介して上記外周円筒面上に位置決め載置された状態において、上記グラインダ支持部に固定支持された上記ディスクグラインダが、上記外周円筒面に対して研削待機位置と研削位置との間で上下方向へ傾動可能とされていることを特徴とする。
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記位置決め係合手段は、上記装置本体の底部前後位置に設けられた一対の当接支持部を備え、これら一対の当接支持部は、上記外周円筒面の異なる母線上にそれぞれ当接係合する構造とされている。
(2)上記一対の当接支持部は、後側当接支持部が上記装置本体の左右方向へ延びる直線棒状の支持バーの形態とされるとともに、前側当接支持部が上記装置本体の左右両側位置に設けられた一対の支持突起の形態とされ、上記支持バーが上記外周円筒面の一つの母線上に線接触状態で当接係合するとともに、上記一対の支持突起が上記外周円筒面の他の一つの母線上に点接触状態で当接係合する配置構成とされている。
(3)上記一対の支持突起間の空間は、上記グラインダ支持部に固定支持された上記ディスクグラインダの刃部先端部位が臨む研削作業空間を形成している。
(4)上記グラインダ支持部に固定支持されたディスクグラインダの上下方向の傾斜角度位置を調整する傾斜角度調整手段を備える。
(5)上記傾斜角度調整手段は、少なくとも、上記グラインダ支持部の支軸に固定される傾動規制板と、上記装置本体に螺進退可能に支持される調整ボルトと、上記傾動規制板を上記調整ボルトに対して離隔方向へ弾発的に付勢する弾発スプリングとを備えてなり、上記傾動規制板が、上記弾発スプリングの弾発付勢力に抗して上記調整ボルト先端に当接係合することにより、上記グラインダ支持部に固定支持された上記ディスクグラインダの上記外周円筒面に対する研削位置が位置決め規制される。
(6)上記傾斜角度調整手段は、上記ディスクグラインダの上下方向の傾斜角度位置を概略調整する補助調整部を備える。
(7)上記補助調整部は、上記グラインダ支持部の支軸に同軸状にかつ自由回転可能に軸支される支持カラーと、この支持カラーを上記支軸に対して固定解除可能に一体固定するクランプレバー機構とを備えてなり、上記支持カラーに上記傾動規制板が取付け固定される構造とされている。
(8)上記ディスクグラインダは上記グラインダ支持部に一体的に取付固定される構造とされている。
(9)上記ディスクグラインダは上記グラインダ支持部に取外し可能に取付固定される構造とされている。
本発明のディスクグラインダ装置は、円柱体、円筒体等の外周円筒面を研削するものであって、ディスクグラインダと、このディスクグラインダを上記外周円筒面上に支持する支持手段とを備えてなり、この支持手段は上記円筒面研削用支持装置から構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ディスクグラインダを固定支持するグラインダ支持部を有する装置本体と、この装置本体の底部に設けられ、研削対象である円柱体、円筒体等の外周円筒面上に当接係合可能な位置決め係合手段とを備えてなり、上記グラインダ支持部は、上記装置本体に支軸を介して上下方向へ傾動可能に設けられ、上記装置本体が上記位置決め係合手段を介して上記外周円筒面上に位置決め載置された状態において、上記グラインダ支持部に固定支持された上記ディスクグラインダが、上記外周円筒面に対して研削待機位置と研削位置との間で上下方向へ傾動可能とされているから、以下に列挙するような特有の効果が得られ、従来現場での補修が困難であった機械装置の構成部品の外周円筒面について、構成部品を機械装置から取り外すことなく、ディスクグラインダ技術を用いて本来の平滑な円筒面に補修することができるディスクグラインダの円筒面研削用支持装置を提供することができる。
(1)装置本体のグラインダ支持部に固定維持されたディスクグラインダは、上記装置本体が位置決め係合手段を介して、研削対象である円柱体、円筒体等の外周円筒面上に位置決め載置された状態において、上記外周円筒面に対して研削待機位置と研削位置との間で上下方向へ傾動可能とされることにより、研削対象である上記外周円筒面の適所に安定して支持された状態で、この外周円筒面に対する研削作業を行うことができる。
すなわち、このような作業環境を確保することにより、比較的狭い作業空間においてもディスクグラインダを安定して操作することができ、例えば印刷機のシリンダのように、その配置構成が他の装置構成部品等との関係で狭い空間内にあって、作業空間が非常に狭く、従来装置設置現場での補修が困難であった機械装置の構成部品の外周円筒面についても、構成部品を機械装置から取り外すことなく現場で補修することができる。
(2)上記のごとく、ディスクグラインダは、研削対象である外周円筒面の適所に安定して支持された状態で、この外周円筒面に対して研削待機位置と研削位置との間で上下方向へ傾動可能とされることにより、研削対象が常時研削位置を立体的に移動させなければならない外周円筒面であるにもかかわらず、砥石の研削面を研削対象面に容易かつ安定して迅速に当てることができ、作業者がディスクグラインダを両手で手持ち操作する従来の手作業に比較して、作業自体に熟練を要することなく、外周円筒面に対する研削作業を安定してかつ精度良く行うことができ、ディスクグラインダを用いた現場での精度の高い補修作業が容易かつ確実に実施可能である。
(3)上記(1)および(2)の効果が有効に発揮される結果として、装置本体に対する補修対象のシリンダの取外し取付け作業が不要となり、大幅な労力削減と時間短縮が可能となり、延いては補修作業コストの大幅低減化を図ることができる。
また、シリンダ円筒面の補修作業を、装置の稼働中においても装置の運転を一時停止するだけで行うことができ、装置稼働停止に伴う稼働率低下を有効に防止することができる。
(4)上記(1)および(2)の効果が有効に発揮される結果として、例えば、従来の印刷機の設置現場おいて応急処置的に行われていたシリンダ円筒面の損傷箇所についての肉盛り補修作業が不要となり、この点においても補修作業コストの大幅低減化を図ることができる。
(5)上記グラインダ支持部に固定支持されたディスクグラインダの上下方向の傾斜角度位置を調整する傾斜角度調整手段を備えることにより、上記ディスクグラインダの研削対象である外周円筒面に対する研削位置が正確に位置決め規制され、その結果、上記(2)の効果に加えて、さらに砥石による過度な研削等も熟練を要することなく有効に防止されて、砥石の研削対象面に対する適切な距離を常時安定して確保することができ、外周円筒面に対する研削作業がさらに安定してかつ精度良く行うことができる。
(6)上記傾斜角度調整手段が、上記ディスクグラインダの上下方向の傾斜角度位置を概略調整する補助調整部を備えることにより、この補助調整部による操作で上記傾斜角度位置を概略調整した後、傾斜角度調整手段の本来の調整により、最終段階の微調整を容易迅速にかつ正確に行うことができる。
換言すれば、上記傾斜角度調整手段の本来の調整作業の前段階作業として、上記補助調整部を操作することにより、上記傾斜角度を予備的に設定することで、傾斜角度調整手段の本来の調整による上記傾斜角度位置の最終設定調整が迅速かつ正確に行える。
本発明の実施形態1である円筒面研削用ディスクグラインダ装置を示す斜視図である。 同じく同ディスクグラインダ装置の使用状態を示す側面図である。 同じく同ディスクグラインダ装置の底面図である。 同じく同ディスクグラインダ装置の使用状態を図3のIV−IV線に沿って示す側面断面図である。 同じく同ディスクグラインダ装置における傾斜角度調整装置を示す拡大側面図である。 同傾斜角度調整装置を示し、図6(a)は背面図、図6(b)は一部切開して示す図6(a)のB−Bに沿った断面図である。 同傾斜角度調整装置の補助調整部の内部構造を示す拡大断面図である。 同傾斜角度調整装置によるディスクグラインダの傾斜角度調整方法を示す側面図である。 同ディスクグラインダ装置の使用状態を示す斜視図である。 図3(a)〜(d)は同ディスクグラインダ装置による研削作業工程を説明するための斜視図である。 本発明の実施形態2である円筒面研削用ディスクグラインダ装置を示す斜視図であって、図11(a)はディスクグラインダを円筒面研削用支持装置に一体結合した状態を示し、図11(b)はディスクグラインダを円筒面研削用支持装置から取り外した状態を示す。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面全体にわたって同一の符号は同一の構成部材または要素を示している。
実施形態1
本発明に係るディスクグラインダ装置が図1〜図10に示されており、このディスクグラインダ装置1は、具体的には、オフセット印刷機の印刷部のシリンダ(版胴(Plate Cylinder)、ブランケット胴(Blanket Cylinder)、圧胴(Inpression Cylinder)および紙渡し胴(Transfer Cylinder)など)のような円柱体ないしは円筒体の外周円筒面Cを研削するものである。
ディスクグラインダ装置1は、ディスクグラインダ2と、このディスクグラインダ2を上記外周円筒面C上に支持する支持手段としての円筒面研削用支持装置3とを備えてなる。
ディスクグラインダ2は、従来公知の基本構造を備えた手持ち操作可能な携帯用グラインダで、手指H(図9および図10(c)参照)にて把持可能なグラインダ本体5の先端部に、回転スピンドル6が下向きに回転駆動可能に軸支され、この回転スピンドル6に、先端工具としてのオフセット研削砥石7が取外し交換可能に取り付けられてなる。8はオフセット研削砥石7の後半部外周を被覆保護するホイールカバーを示している。
上記グラインダ本体5は、手指Hにて把持可能な略円筒形状の外観形態とされ、具体的には図示しないが、その内部には、上記回転スピンドル6を回転駆動する駆動源としての電動モータが内蔵されるとともに、この電動モータの回転軸に上記回転スピンドル6が歯車機構を介して駆動連結され、その外側後端部には、上記電動モータの駆動スイッチが設けられている。
円筒面研削用支持装置3は、装置本体10、位置決め係合部(位置決め係合手段)11および傾斜角度調整部(傾斜角度調整手段)12を主要部として備えてなる。
装置本体10は、中央部位に上記ディスクグラインダ2が配置保持される平面視矩形状の枠体の形態とされている。この装置本体10の具体的構造は、左右両側の側部フレーム15、16が3本の連結バー17、18および19により連結されて枠組み形成されてなる。
上記側部フレーム15、16は、図2に示すように、略L字形の側面形状を有する厚板金属の形態とされ、これら両側部フレーム15、16の前後両端部が上記2本の連結バー17、18により連結されるとともに、略L字形の角部が残りの連結バー19により連結されている。
上記2本の連結バー17、18は、いずれも円柱状の金属棒の形態とされ、その両端が上記両側部フレーム15、16の内側面に当接されるとともに、両側部フレーム15、16の外側から締付ボルト20、20により締付け固定されている。これら両連結バー17、18のうち後側の連結バー18は、後述する位置決め係合部11の一部を構成している。
また、上記連結バー19は、両側部フレーム15、16の連結組立手段としての機能に加えて、後述するグラインダ支持部25の傾動支軸としても機能するもので、この目的のため、上記両側部フレーム15、16に軸受21、21を介して回転可能に軸支されている。
上記装置本体10は、上記のごとく、ディスクグラインダ2を固定支持するグラインダ支持部25を備える。このグラインダ支持部25は、上記装置本体10に上記傾動支軸(支軸)19を介して上下方向へ傾動可能に設けられている。
具体的には、上記グラインダ支持部25は、図1、図3および図4に示すように、ディスクグラインダ2を固定支持する支持部本体26が、取付けブラケット27を介して、上記傾動支軸(支軸)19の長さ方向中央位置つまり装置本体10の幅方向中央位置に取付ボルト28、28により取付け固定されている(図4)。これにより、グラインダ支持部25は、装置本体10に傾動支軸19を介して上下方向へ傾動可能に設けられている。
ディスクグラインダ2は上記グラインダ支持部25の支持部本体26上に位置決め載置されるとともに、取付ボルト29、29により一体的に取付固定される構造とされている(図3、図4)。
位置決め係合部(位置決め係合手段)11は、装置本体10延いてはこの装置本体10に支持されたディスクグラインダ2を研削対象となる外周円筒面C上に安定的に位置決め支持するためのものである。この位置決め係合部11は上記装置本体10の底部に設けられており、上記外周円筒面C上に当接係合可能な構造を備えてなる。
上記位置決め係合部11は、具体的には、上記装置本体10の底部前後位置に設けられた一対の当接支持部30、31を備えてなり、これら一対の当接支持部30、31は、上記外周円筒面Cの異なる母線上にそれぞれ当接係合する構造とされている。
後側の当接支持部(後側当接支持部)30は、上記装置本体10の左右方向へ延びる直線棒状の支持バーの形態とされ、図示の実施形態においては、前述した連結バー18がこの後ろ側の当接支持部30としての機能を兼備しており、この目的のため、連結バー18の円筒表面が外周円筒面Cを傷付けない材料、例えば硬質ゴム製の皮膜層により形成されている。
前側の当接支持部(前側当接支持部)31は、上記装置本体10の左右両側位置に設けられた一対の支持突起31a、31bの形態とされ、図示の実施形態においては、これら一対の支持突起31a、231bは、装置本体10の左右両側の側部フレーム15、16の底面にそれぞれ設けられ、その下端面つまり当接係合面を球面に形成された短円柱状の支持部材35、35が、上記側部フレーム15、16の底面に対して下向きに螺合固定されている。
上記支持バー30の軸線X30と、上記一対の支持突起31a、31bの当接係合面の中心を通る直線X31とが平行になるように設定され、これにより、上記支持バー18が上記外周円筒面Cの一つの母線上に線接触状態で当接係合するとともに、上記一対の支持突起31a、31bが上記外周円筒面Cの他の一つの母線上に点接触状態で当接係合する配置構成とされている。
また、上記一対の支持突起31a、31b間の空間32は、上記グラインダ支持部25に固定支持されたディスクグラインダ2の刃部先端部位が臨む研削作業空間を形成している。
そして、上記装置本体10が上記位置決め係合部11(30、31)を介して上記外周円筒面C上に位置決め載置された状態において、つまり、上記のごとく支持バー18が外周円筒面Cの一つの母線上に線接触状態で当接係合するとともに、一対の支持突起31a、31bが外周円筒面Cの他の一つの母線上に点接触状態で当接係合した状態において、上記グラインダ支持部25に固定支持された上記ディスクグラインダ2は、上記外周円筒面Cに対して研削待機位置Uと研削位置Dとの間で上下方向へ傾動可能とされている。
なお、上記研削待機位置Uは、後述するように、固定的ないしは普遍的なものではなく、上記研削位置Dに対する高さ位置として便宜上定められるものである。つまり、上記研削位置Dは、ディスクグラインダ2が上記外周円筒面Cを研削できる予め設定された高さ位置であるのに対して、上記研削待機位置Uは、ディスクグラインダ2のオフセット研削砥石7の先端研削部7a(後述)が上記外周円筒面Cに接触せず研削できない典型的な高さ位置を示している。したがって、ここにいう「ディスクグラインダ2が研削待機位置Uと研削位置Dとの間で上下方向へ傾動可能」とは、ディスクグラインダ2が上記外周円筒面Cから離隔して研削できない任意の高さ位置である研削待機位置U(図示の実施形態においては、実際には、図示される研削待機位置Uよりもさらに上方への傾動が可能ということになる。)と、ディスクグラインダ2が上記外周円筒面Cを研削できる予め設定された固定的な高さ位置である研削位置Dとの間で上下方向へ傾動可能であることを意味する。
傾斜角度調整部(傾斜角度調整手段)12は、上記グラインダ支持部25に固定支持されたディスクグラインダ2の上下方向の傾斜角度位置を調整するもので、具体的には、上記外周円筒面Cに対する研削待機位置Uと研削位置Dを規定する(図2および図4)。
上記傾斜角度調整部12は、少なくとも、図2、図3、図5および図6に示すように、上記グラインダ支持部25の傾動支軸19に取付け固定される傾動規制板35と、上記装置本体10に螺進退可能に支持される調整ボルト36と、上記傾動規制板35を上記調整ボルト36の先端36aに対して離隔方向へ弾発的に付勢する弾発スプリング37とを備えてなる。
上記調整ボルト36の基端には、この調整ボルト36を回転操作する調整ダイヤル38が一体的に設けられるとともに、装置本体10の側部フレーム16には、この調整ダイヤル38の回転位置を規制する規制部39が設けられている。
具体的には、図5および図6(a)に示すように、上記調整ダイヤル38の外周部に外周歯車38aが形成されるとともに、上記規制部39は、弾性金属板からなる規制バネ部材の形態とされ、この規制バネ部材39の先端部位に先端係合部39aが形成されている。そして、この規制バネ部材39の先端係合部39aが上記調整ダイヤル38の外周歯車38aの歯溝に弾発的に係合することにより、調整ダイヤル38の回転動作が弾発的に係合停止される。なお、調整ダイヤル38の外周歯車38aは、回転操作用の滑止めグリップとしても機能する。
そして、上記傾動規制板35が、上記弾発スプリング37の弾発付勢力に抗して上記調整ボルト36の先端36aに当接係合することにより、上記グラインダ支持部25に固定支持された上記ディスクグラインダ2の上記外周円筒面Cに対する研削位置Dが位置決め規制される。この場合の研削位置Dの設定調整は、調整ダイヤル38を規制バネ部材39による弾発係合力に抗して回転操作して、調整ボルト36を上記装置本体10に対して螺進退させることにより行う。
一方、上記傾動規制板35が、上記弾発スプリング37の弾発付勢力により調整ボルト36の先端36aから離隔された状態が上記ディスクグラインダ2の上記外周円筒面Cに対する研削待機位置Uとなる。
上記傾斜角度調整部12は、好適には、図示の実施形態のように、さらに上記ディスクグラインダ2の上下方向の傾斜角度位置(研削待機位置U、研削位置D)を概略調整する補助調整部40を備え、上記傾斜角度位置の調整が迅速かつ正確に行える構成とされている。
すなわち、上記調整ダイヤル38の回転操作によるディスクグラインダ2のオフセット研削砥石7の先端研削部7aの上下方向の高さ位置変化量は、例えば、調整ダイヤル38の1目盛(外周歯車38aの1ピッチ)当り0.01〜0.04mm(図示の実施形態においては0.02mm)と非常に小さい値に設定されているため、調整ダイヤル38の回転操作のみで上記ディスクグラインダ2の上下方向の傾斜角度位置を調整しようとすると、調整ダイヤル38を不必要に多く回転操作しなければならず、迅速な調整作業が行えない。
換言すれば、ディスクグラインダ2による外周円筒面Cの研削作業には微小な仕上り寸法が要求されることから、調整ダイヤル38による上記傾斜角度位置の可能調整量も微小であることが要求される。したがって、上記傾斜角度調整部12の基本構成が上記調整ダイヤル38による調整構造のみでは、調整ダイヤル38の回転操作量が不必要に多くなり、ディスクグラインダ2の上下方向の傾斜角度位置の調整作業に多くの時間と労力を要し迅速に行えない。
これに対して、本実施形態のように、傾斜角度調整部12が調整ダイヤル38による基本調整構造に加えて、補助調整部40を備えることにより、まず、この補助調整部40のみの操作で上記傾斜角度位置を概略調整した後、調整ダイヤル38の回転操作により最終段階の微調整を容易迅速にかつ正確に行うことができる。
図示の実施形態の傾斜角度調整部12の具体的構成が図5〜図7に示されており、上記補助調整部40は、上記グラインダ支持部25の傾動支軸19上に設けられる支持カラー41と、この支持カラー41を上記傾動支軸19に対して固定解除可能に一体固定するクランプレバー機構42とを備えてなり、上記支持カラー41に上記傾動規制板35が取付け固定される構造とされている。
上記支持カラー41は円筒形状のもので、図6(a)、(b)に示すように、上記傾動支軸19の一端部において、この傾動支軸19上に同軸状にかつ自由回転可能に軸支されている。支持カラー41の外周面部位には、上記傾動規制板35の上端部が取付ボルト43、43により取付け固定されて、傾動規制板35が支持カラー41と一体回転するように構成されている。
クランプレバー機構42は、図7に示すように、くさび部材43、クランプボルト44およびクランプレバー45を主要部として備えてなる。
くさび部材43は、支持カラー41に設けられた摺動孔46内に上下方向へ摺動可能に設けられている。上記摺動孔46は、図示のごとく、その上端が上記支持カラー41の外周面41aに開口するとともに、その下端側部が上記支持カラー41の内周面41bに開口して傾動支軸19の外周面19aに臨んでいる。これに対応して、上記くさび部材43の下部には、上記傾動支軸19の外周面19aに対応した円筒面からなるくさび面43aが設けられ、くさび部材43が下降して、上記くさび面43aが上記外周面19aに圧接係合することで、支持カラー41と傾動支軸19が一体的に係合固定されるようにされている。
クランプボルト44は、上記くさび部材43の挿通孔43bを挿通して、支持カラー41の雌ねじ部47に螺進退可能に螺合されている。この雌ねじ部47は、上記摺動孔46と同軸上に設けられ、その上端が上記摺動孔46の底部に開口して臨むとともに、その下端が支持カラー41の外周面41aに開口して臨んでいる。
上記クランプボルト44の係止肩部44aは、上記くさび部材43の上端面43cに軸方向に当接係合する構成とされ、これによりクランプボルト44を支持カラー41に対して螺進操作することにより、クサビ部材43を下方へ移動させて、くさび部材43をくさび動作させる(上記くさび面43aを上記外周面19aに圧接係合させる)。
クランプレバー45は、上記クランプボルト44を回転操作するためのもので、図1および図7(b)のクランプ位置Aと図1および図7(a)のクランプ解除位置Bとの間で回動操作される。
具体的には図示しないが、本実施形態においては、内蔵された弾発スプリングを介して、クランプレバー45がクランプボルト44に対してスプライン結合されており、これにより、クランプレバー45とクランプボルト44は常態においては弾発スプリングの弾発付勢力により上記スプラン結合状態が保たれて、両者44、45は回転方向に一体的に結合される一方、クランプレバー45を上記弾発スプリングの弾発付勢力に抗して上方へ引っ張ることにより、クランプレバー45はクランプボルト44に対して相対的に回転可能になる。
これにより、クランプレバー45のクランプボルト44に対するスプライン結合とその解除を繰り返すことにより、クランプレバー45による小刻みなクランプボルト44の回転操作が可能になる。このようなクランプレバー機構42の構成は、例えば、クランプレバー45の回転操作範囲内に、クランプレバー45の回動操作を妨げる障害物等が存在する場合などに特に有効に作用する。
次に、この傾斜角度調整部12による上記ディスクグラインダ2の上下方向の傾斜角度位置の初期設定(外周円筒面Cの研削作業の事前準備)方法について説明する(図8参照)。
(I) 初期設定作業の事前準備として、クランプレバー機構42を操作して、傾斜支軸19に対する支持カラー41の固定状態を解除するとともに、調整ダイヤル38をその回転操作基準位置近傍、つまり、調整ダイヤル38の左右回転操作方向の中心位置付近に回転操作しておく(例えば、調整ダイヤル38の回転操作可能範囲(調整ボルト36の最大移動範囲(量))が、調整ダイヤル38の2回転分であれば、調整ダイヤル38の左右回転端から1回転位置が中心となる。)。
(II) このように事前準備されたディスクグラインダ装置1を、研削対象となる外周円筒面Cの上に位置決め載置する。
具体的には、ディスクグラインダ装置1を上記外周円筒面C上にガタツキがないように置くことにより、支持装置3の位置決め係合部11の支持バー18が外周円筒面Cの一つの母線上に線接触状態で当接係合するとともに、一対の支持突起31a、31bが外周円筒面Cの他の一つの母線上に点接触状態で当接係合して位置決めされ(広い意味での3点支持状態による位置決め作用効果)、これにより、支持装置3のグラインダ支持部25に固定支持されたディスクグラインダ2は、上記外周円筒面C上に安定的に位置決め載置(位置決め支持)される。
このディスクグラインダ装置1が上記外周円筒面C上に位置決め載置された状態において、ディスクグラインダ2は上記外周円筒面Cに対して上下方向へ傾動可能となる。
(III) この位置決め載置の状態で、ディスクグラインダ2を手指Hにて把持して下方向へ傾動させ(傾動支軸19が傾動回転)、ディスクグラインダ2の歯先つまりオフセット研削砥石7の先端研削部7aが研削しようとする外周円筒面Cに軽く当たる高さ位置を見つける(図8(a))。
このディスクグラインダ2の歯先7aが外周円筒面Cに軽く当たる図8(a)の状態において、傾斜角度調整部12における傾動規制板35と調整ボルト36の先端36aは通常離隔した状態にある(図8(a)の一点鎖線円内参照)。
(IV) ディスクグラインダ2の歯先7aが外周円筒面Cに軽く当たった状態を維持しながら、傾動規制板35を支持カラー41と共に調整ボルト36の方向へ傾動回転させて、この調整ボルト36の先端36aに当接係合させ(図8(b)の一点鎖線円内参照)、この当接係合状態において、クランプレバー機構42の操作により、支持カラー41を傾斜支軸19に対して固定状態とする(図8(b)の二点鎖線参照)。これにより、傾動規制板35は支持カラー41および傾動支軸19を介してディスクグラインダ2と一体固定化して、上記ディスクグラインダ2の上記外周円筒面Cに対する研削位置Dが予備的に設定される。
(V) このディスクグラインダ2の研削位置Uが予備的に設定された状態において、調整ダイヤル38を右方向へわずかに回転操作して、ディスクグラインダ2の歯先7aが外周円筒面Cよりわずかに浮いた状態となるのを確認する(図示の実施形態の場合、調整ダイヤル38を例えば3目盛ほど回転操作することにより、ディスクグラインダ2の歯先7aは上記外周円筒面Cより約0.06mmほど浮いた状態となる。)。
以上の操作により、ディスクグラインダ2の歯先7aは外周円筒面Cのわずか上方近傍位置(図示の実施形態においては、外周円筒面Cより約0.06mmほど浮いた状態位置)にあり、かつ、傾動規制板35が調整ボルト36の先端36aに当接係合しているため、ディスクグラインダ2を手指Hにより下方へ傾斜させようとしても、これ以上ディスクグラインダ2が下方へ傾動して歯先7aが下降することはない。
一方、上記傾斜規制板35は、弾発スプリング37により常時上記調整ボルト36の先端36aに対して離隔方向へ弾発的に付勢されているため、ディスクグラインダ2から手指Hを放すことにより、ディスクグラインダ2は研削位置Dの上方近傍位置から研削待機位置U(図2および図4参照)まで自動的に上昇復帰する。
なお、この研削待機位置Uは、前述したように、上記研削位置Dに対する高さ位置として便宜上定められたもので、固定的ないしは普遍的なものではない。図示の実施形態においては、上記のとおり、弾発スプリング37の弾発力によりディスクグラインダ2が上昇復帰する最大高さ位置を研削待機位置Uとしている。したがって、図示の実施形態においては、ディスクグラインダ2は、実際には、弾発スプリング37の弾発力により規定される図示の研削待機位置Uよりも、手動によりさらに上方の任意の研削待機位置への傾動が可能である。
また、上記歯先7aの高さ位置つまり研削位置Dは、調整ダイヤル38が左右回転方向にそれぞれ1回転分の調整範囲(調整シロ)を有する状態にあることから、この調整可能範囲内でディスクグラインダ2の上下方向の傾斜角度位置(歯先7aの高さ位置)を適宜設定調整し得る初期設定状態にセットされたことになる。
このようにして、ディスクグラインダ装置1におけるディスクグラインダ2の上下方向の傾斜角度位置の初期設定が完了したら、この初期設定状態から、調整ダイヤル38を回転操作して上記傾斜角度位置を適宜調整しながら、少しずつ外周円筒面Cを研削していく。
しかして、以上のように構成されたディスクグラインダ装置1を用いて、例えば、図10(a)に示すように、オフセット印刷機の印刷部のシリンダの外周円筒面Cが一部陥没したり、傷が付くなどして損傷してしまった場合に、この損傷箇所DPを補修する作業工程を以下に説明する。
(i)シリンダの外周円筒面C上の損傷箇所DP(図10(a)参照)の傷の深さ寸法を測定した後、この損傷箇所DPにアーク溶接等による肉盛溶接を施して、外周円筒面Cの損傷を受けていない有効面よりも高く肉盛100する(図10(b)参照)。
(ii)この損傷箇所DPの肉盛100を上記ディスクグラインダ装置1を使用して、外周円筒面Cより少し低くなる程度(例えば図示の実施形態においては、−0.1mm以内の寸法)まで研削する(図10(c)参照)。
この研削作業は、上述したように、ディスクグラインダ装置1におけるディスクグラインダ2の上下方向の傾斜角度位置の初期設定をした後、この初期設定状態から、調整ダイヤル38を回転操作して上記傾斜角度位置を適宜調整しながら、少しずつ外周円筒面Cの肉盛を研削していく。
(iii)上記研削部分を適宜クリーニング処理した後、メッキ101を塗装する(図10(d)参照)。
この塗装方法は、目的に応じて適宜選択して実行され、例えば、銅メッキを塗装した後(この段階で、研削部分はまだ外周円筒面Cよりも少し低い状態にある。)、仕上段階として、ディスクグラインダ2により研削補修された上記損傷箇所DPの表面の高さを外周円筒面Cと高さと合わせる(連続する面一の円筒面にする)とともに、外周円筒面Cのコーティングの作用を兼ねてニッケルメッキ(あるいはクロムメッキ)を塗装する。
以上の補修作業の結果、損傷箇所DPは他の外周円筒面Cと区別がつかない状態まで修復される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、ディスクグラインダ2の円筒面研削用支持装置3は、ディスクグラインダ2を固定支持するグラインダ支持部25を有する装置本体10と、この装置本体10の底部に設けられ、研削対象である円柱体、円筒体等の外周円筒面C上に当接係合可能な位置決め係合部11(30、31)とを備えてなり、上記グラインダ支持部25は、上記装置本体10に傾動支軸19を介して上下方向へ傾動可能に設けられ、上記装置本体10が上記位置決め係合部11(30、31)を介して上記外周円筒面C上に位置決め載置された状態において、上記ディスクグラインダ2が、上記研削対象である外周円筒面Cに対して研削待機位置Uと研削位置Dとの間で上下方向へ傾動可能とされているから、以下に列挙するような特有の効果が得られ、従来現場での補修が困難であった機械装置の構成部品の外周円筒面Cについて、構成部品を機械装置から取り外すことなく、ディスクグラインダ技術を用いて本来の平滑な外周円筒面Cに補修することができるディスクグラインダ2の円筒面研削用支持装置3を提供することができる。
(1)装置本体10のグラインダ支持部25に固定維持されたディスクグラインダ2は、上記装置本体10が位置決め係合部11(30、31)を介して、研削対象である上記外周円筒面C上に位置決め載置された状態において、上記外周円筒面Cに対して研削待機位置Uと研削位置Dとの間で上下方向へ傾動可能とされることにより、研削対象である上記外周円筒面Cの適所に安定して支持された状態で、この外周円筒面Cに対する研削作業を行うことができる。
すなわち、このような作業環境を確保することにより、比較的狭い作業空間においてもディスクグラインダ2を安定して操作することができ、研削対象が上述した印刷機のシリンダのように、その配置構成が他の装置構成部品等との関係で狭い空間内にあって、作業空間が非常に狭く、従来装置設置現場での補修が困難であった機械装置の構成部品の外周円筒面Cについても、構成部品を機械装置から取り外すことなく現場で補修することができる。
(2)上記のごとく、ディスクグラインダは、研削対象である外周円筒面Cの適所に安定して支持された状態で、この外周円筒面Cに対して研削待機位置Uと研削位置Dとの間で上下方向へ傾動可能とされることにより、研削対象が常時研削位置を立体的に移動させなければならない外周円筒面Cであるにもかかわらず、オフセット研削砥石7の研削面より具体的には先端研削部7aを研削対象面Cに容易かつ安定して迅速に当てることができ、作業者がディスクグラインダ2を両手で手持ち操作する従来の手作業に比較して、作業自体に熟練を要することなく、外周円筒面Cに対する研削作業を安定してかつ精度良く行うことができ、ディスクグラインダ2を用いた現場での精度の高い補修作業が容易かつ確実に実施可能である。
(3)上記(1)および(2)の効果が有効に発揮される結果として、装置本体10に対する補修対象のシリンダの取外し取付け作業が不要となり、大幅な労力削減と時間短縮が可能となり、延いては補修作業コストの大幅低減化を図ることができる。
また、シリンダ円筒面Cの補修作業を、装置の稼働中においても装置の運転を一時停止するだけで行うことができ、装置稼働停止に伴う稼働率低下を有効に防止することができる。
(4)上記(1)および(2)の効果が有効に発揮される結果として、例えば、従来の印刷機の設置現場おいて応急処置的に行われていたシリンダ円筒面Cの損傷箇所DPについての肉盛り補修作業が不要となり、この点においても補修作業コストの大幅低減化を図ることができる。
(5)上記グラインダ支持部25に固定支持されたディスクグラインダ2の上下方向の傾斜角度位置を調整する傾斜角度調整部12を備えることにより、上記ディスクグラインダ2の研削対象である外周円筒面Cに対する研削位置Uが正確に位置決め規制される。
その結果、上記(2)の効果に加えて、さらにオフセット研削砥石7による過度な研削等も熟練を要することなく有効に防止されて、オフセット研削砥石7の研削対象面に対する適切な距離を常時安定して確保することができ、外周円筒面Cに対する研削作業がさらに安定してかつ精度良く行うことができる。
(6)上記傾斜角度調整部12が、ディスクグラインダ2の上下方向の傾斜角度位置を概略調整する補助調整部40を備えることにより、まず、この補助調整部40のみの操作で上記傾斜角度位置を概略調整した後、傾斜角度調整部12の調整ダイヤル38の回転操作による本来の調整により、最終段階の微調整を容易迅速にかつ正確に行うことができる。
換言すれば、上記傾斜角度調整部12の本来の調整作業の前段階作業として、上記補助調整部40を操作することにより、上記傾斜角度を予備的に設定することで、傾斜角度調整部12の本来の調整による上記傾斜角度位置の最終設定調整が迅速かつ正確に行える。
実施形態2
本実施形態は図11に示されており、ディスクグラインダ2を支持する支持装置3の構造が若干改変されたものである。
すなわち、実施形態1のディスクグラインダ装置1においては、ディスクグラインダ2が支持装置3のグラインダ支持部25に一体的に取付固定される構造とされているが、本実施形態においては、ディスクグラインダ2が上記グラインダ支持部25に取外し可能に取付固定される構造とされている。
具体的には、図11(b)に示すように、グラインダ支持部25の支持部本体26の左右両側縁に、位置決め保持部26a、26bが起立状に折曲形成されて、ディスクグラインダ2のグラインダ本体5左右側部を係合支持可能な構造とされるとともに、これら位置決め保持部26a、26bの外側面に締付固定ベルト50が取り付けられている。
この締付固定ベルト50は左右一対のベルト片50a、50bからなり、これら両ベルト片50a、50bは、締付け固定手段51により締結長さ調整可能に締結される構造とされている。図示の実施形態の締付け固定手段51は、ワンタッチ操作が可能な面ファスナ51a、51bから構成されているが、バックル等の他の締結構造も採用可能である。
しかして、以上のように構成されたディスクグラインダ装置1においては、ディスクグラインダ2が円筒面研削用支持装置3から取外し可能であることから、ディスクグラインダ2を円筒面研削用支持装置3から取り外すことにより、ディスクグラインダ2単独での使用も可能であり、外周円筒面C以外の他の箇所の研削用として使用することも可能であり、また、専用のディスクグラインダ2の他、一般市販の汎用ディスクグラインダも上記円筒面研削用支持装置3に取付けて使用することも可能であり、汎用性に富む。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
なお、上述した実施形態1および2はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲において種々の設計変更が可能である。
例えば、実施形態1および2においては、位置決め係合部11を構成する前後一対の当接支持部30、31は、後側の当接支持部30が直線棒状の支持バーの形態とされるとともに、前側の当接支持部31が左右一対の支持突起31a、31bの形態とされて、広い意味での3点支持状態による位置決め作用効果が発揮され得る構造とされているが、前側の当接支持部31が後側の当接支持部30と同様な直線棒状の支持バー131の形態(図3の二点鎖線参照)とされても良い。
この場合は、上記両支持バー30、131の軸線X30、X131が平行になるように設定される。これにより、ディスクグラインダ装置1を外周円筒面C上にガタツキがないように置くことで、支持装置3の位置決め係合部11の後側の支持バー30が外周円筒面Cの一つの母線上に線接触状態で当接係合するとともに、前側の支持バー131が外周円筒面Cの他の一つの母線上に線接触状態で当接係合して位置決めされ、これにより、支持装置3のグラインダ支持部25に固定支持されたディスクグラインダ2は、上記外周円筒面C上に安定的に位置決め載置(位置決め支持)される。
また、この構造では、前側の支持バー131がディスクグラインダ2のオフセット研削砥石7と干渉しないように、側部フレーム15、16が前方へ延長されるなどの改変がなされる。
また、実施形態1および2は、オフセット印刷機の印刷部のシリンダを研削対象として説明したが、本発明のディスクグラインダ技術は、他の機械装置において同様な条件下にある構成部品(円柱体ないしは円筒体)の外周円筒面の補修作業にも適用可能である。
さらに、実施形態1および2における位置決め係合部11の構成から、つまり装置本体10の底部前後位置に設けられた一対の当接支持部30、31が外周円筒面Cの異なる母線上にそれぞれ当接係合する構造とされていることから、ディスクグラインダ装置1は、実施形態1および2における円柱体ないしは円筒体の外周円筒面C上に安定して支持される他、平坦面上にも安定して支持されることはもちろんである。
したがって、本発明に係るディスクグラインダ装置1は、本来的研削対象である外周円筒面Cの他、一般的な平坦面の研削作業にも適用可能であり、この場合も、作業者がディスクグラインダ2を両手で手持ち操作する従来の手作業に比較して、作業自体に熟練を要することなく、平坦面に対する研削作業を安定してかつ精度良く行うことができるという効果が有効に発揮される。
また、ディスクグラインダ装置1の他の構成部の具体的構造も、実施形態1および2の構成部と同様な作用をなす限りにおいて、他の構造が採用可能である。
1 ディスクグラインダ装置
2 ディスクグラインダ
3 支持手段(円筒面研削用支持装置)
5 グラインダ本体
7 オフセット研削砥石
7a オフセット研削砥石の先端研削部
10 装置本体
11 位置決め係合部(位置決め係合手段)
12 傾斜角度調整部(傾斜角度調整手段)
15、16 側部フレーム
17、18、19 連結バー
18 支持バー
19 傾動支軸(支軸)
25 グラインダ支持部
26 支持部本体
26a、26b 位置決め保持部
27 取付けブラケット
30、31 当接支持部
31a、31b 支持突起
32 研削作業空間
35 傾動規制板
36 調整ボルト
36a 調整ボルトの先端
37 弾発スプリング
38 調整ダイヤル
38a 外周歯車
39 規制バネ部材
40 補助調整部
41 支持カラー
42 クランプレバー機構
43 くさび部材
44 クランプボルト
45 クランプレバー
50 締付固定ベルト
50a、50b 締付固定ベルトのベルト片
51 締付け固定手段
51a、51b 面ファスナ
100 肉盛溶接
101 メッキ
131 支持バー
C 研削対象となる外周円筒面
DP 損傷箇所
U オフセット研削砥石の研削待機位置
D オフセット研削砥石の研削位置
X30 支持バーの軸線
X31 支持突起の当接係合面の中心を通る直線、支持バーの軸線
X131 支持バーの軸線

Claims (11)

  1. 円柱体、円筒体等の外周円筒面をディスクグラインダにより研削する際に、このディスクグラインダを前記外周円筒面上に支持する装置であって、
    前記ディスクグラインダを固定支持するグラインダ支持部を有する装置本体と、
    この装置本体の底部に設けられ、前記外周円筒面上に当接係合可能な位置決め係合手段とを備えてなり、
    前記グラインダ支持部は、前記装置本体に支軸を介して上下方向へ傾動可能に設けられ、
    前記装置本体が前記位置決め係合手段を介して前記外周円筒面上に位置決め載置された状態において、前記グラインダ支持部に固定支持された前記ディスクグラインダが、前記外周円筒面に対して研削待機位置と研削位置との間で上下方向へ傾動可能とされている
    ことを特徴とするディスクグラインダの円筒面研削用支持装置。
  2. 前記位置決め係合手段は、前記装置本体の底部前後位置に設けられた一対の当接支持部を備え、
    これら一対の当接支持部は、前記外周円筒面の異なる母線上にそれぞれ当接係合する構造とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載のディスクグラインダの円筒面研削用支持装置。
  3. 前記一対の当接支持部は、後側当接支持部が前記装置本体の左右方向へ延びる直線棒状の支持バーの形態とされるとともに、前側当接支持部が前記装置本体の左右両側位置に設けられた一対の支持突起の形態とされ、
    前記支持バーが前記外周円筒面の一つの母線上に線接触状態で当接係合するとともに、前記一対の支持突起が前記外周円筒面の他の一つの母線上に点接触状態で当接係合する配置構成とされている
    ことを特徴とする請求項2に記載のディスクグラインダの円筒面研削用支持装置。
  4. 前記一対の支持突起間の空間は、前記グラインダ支持部に固定支持された前記ディスクグラインダの刃部先端部位が臨む研削作業空間を形成している
    ことを特徴とする請求項3に記載のディスクグラインダの円筒面研削用支持装置。
  5. 前記グラインダ支持部に固定支持されたディスクグラインダの上下方向の傾斜角度位置を調整する傾斜角度調整手段を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のディスクグラインダの円筒面研削用支持装置。
  6. 前記傾斜角度調整手段は、少なくとも、前記グラインダ支持部の支軸に固定される傾動規制板と、前記装置本体に螺進退可能に支持される調整ボルトと、前記傾動規制板を前記調整ボルトに対して離隔方向へ弾発的付勢する弾発スプリングとを備えてなり、
    前記傾動規制板が、前記弾発スプリングの弾発付勢力に抗して前記調整ボルト先端に当接係合することにより、前記グラインダ支持部に固定支持された前記ディスクグラインダの前記外周円筒面に対する研削位置が位置決め規制される
    ことを特徴とする請求項5に記載のディスクグラインダの円筒面研削用支持装置。
  7. 前記傾斜角度調整手段は、前記ディスクグラインダの上下方向の傾斜角度位置を概略調整する補助調整部を備える
    ことを特徴とする請求項6に記載のディスクグラインダの円筒面研削用支持装置。
  8. 前記補助調整部は、前記グラインダ支持部の支軸に同軸状にかつ自由回転可能に軸支される支持カラーと、この支持カラーを前記支軸に対して固定解除可能に一体固定するクランプレバー機構とを備えてなり、
    前記支持カラーに前記傾動規制板が取付け固定される構造とされている
    ことを特徴とする請求項7に記載のディスクグラインダの円筒面研削用支持装置。
  9. 前記ディスクグラインダは前記グラインダ支持部に一体的に取付固定される構造とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載のディスクグラインダの円筒面研削用支持装置。
  10. 前記ディスクグラインダは前記グラインダ支持部に取外し可能に取付固定される構造とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載のディスクグラインダの円筒面研削用支持装置。
  11. 円柱体、円筒体等の外周円筒面を研削するディスクグラインダ装置であって、
    ディスクグラインダと、このディスクグラインダを前記外周円筒面上に支持する支持手段とを備えてなり、
    この支持手段は、請求項1から10のいずれか一つに記載の円筒面研削用支持装置から構成されている
    ことを特徴とするディスクグラインダ装置。
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