JP2015208721A - 急速連続分離脱臭装置 - Google Patents

Abstract

【課題】有害ガス成分および悪臭を、静圧の高い送風機で排出口側より吸引し、処理用水および吸着剤フィルター、充填剤との接触時間を長くすることで、効果的かつ連続的に脱臭効率を上げることが可能となる脱臭装置を提供する。
【解決手段】流入口に、有害ガス成分および悪臭を静圧の高い送風機(４)で排出口側より吸引し、処理用水(６)および吸着剤フィルター(５)、充填剤(７)と接触させ、清浄化した空気を排出口(９)から大気へ放出する。
【選択図】図１

Description

本発明は産業汚染有害ガス成分および悪臭に対し、処理用水と吸着剤フィルター、充填剤を用いて、有害ガス成分を除去し、連続脱臭を行う脱臭装置に関する。

公害対策基本法は「国民の健康で文化的な生活を確保する」として、公害対策の総合的な推進を図ってきた。その中でも特に大気や悪臭に対しては、多くの有機化合物質が規制の対象となっている。
ヒトの嗅覚は鋭敏であり、「不快」の数値化は難しく個人差が大きい。とはいえ、単に「臭い」と言うだけではなく「健康に有害ではないのか」と、日常生活環境にかかわる不安を大きくしている。そのため、特定の地域一帯に悪臭をもたらすものは公害とみなされ、対応策が講じられる必要がある。

その産業汚染有害ガス成分および悪臭を除去する方法は各種あり、近年の臭気対策技術の開発により、悪臭に対する苦情は減少したと言われている。だがその脱臭化には多大な工程数と費用を要し、処理中に発生する中和生成物の結晶化および粉塵の堆積化による再処理のため、さらなる経費を余儀なくされているのが現実である。
そこで、小型で運転経費が安く、保守および取り扱いが簡略で、長時間作動しても稼働効率を低下させない装置を開発し、臭気被害を減少させ生活環境を保護したいと考えた。

現在採用されている脱臭方法は、オゾン酸化乾式法、燃焼脱臭法、消臭剤スプレー法、セラミック触媒法、微生物法などが中心である。どの方法にも長所短所があり、すべての脱臭に効果的なものはない。

その他、イオン分解、鉱石、粘土多孔質、珪酸塩白土、など家庭用小規模脱臭などが行われているが、大規模な産業汚染臭気には適していない。産業汚染に対応させるには、いずれも設備投資や設置面積に経費がかかりすぎ、脱臭処理の能力が持続せず、改善が望まれている。

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株式会社カルモア「サービス・製品紹介」ホームページ 札幌たのしい授業研究サークル用レポート 「製紙工場から出る臭い分子たち」 2008.1.26 株式会社三貴製作所 小型スクラバー 「ミニウエットクリーン」カタログ

汎用化されているスクラバー装置は、有害ガス成分および悪臭を送風機で吸入して洗浄塔に誘導し、外部へは自然解放している。処理用水および吸着剤フィルター、充填剤に接触し排ガスを大気放散する際に通過時間を調節することなく排出させている。そのため、反応時間が短く脱臭効率が悪いので無駄が生じるという課題がある。

設備の設計を見直し、送風機を排出口側に配して吸引を行うことで風量を調節し、急速かつ連続して脱臭する装置を、従来設備よりも小型化し提供する。

上記課題を解決するために、脱臭塔に産業汚染有害ガス成分および悪臭を流入する際、静圧の高い送風機で排出口側より吸引する。洗浄塔および配管内を負圧にすることで、産業汚染有害ガス成分および悪臭の流れを安定させ、一定量を一定時間でゆっくり通過させることができる。送風機の能力により通過時間を調節し、処理用水および吸着剤フィルター、充填剤との接触時間を長くすることで、脱臭効率を上げることが可能となる。

本発明によれば、多量の産業汚染有害ガス成分および悪臭を一定時間に効率良く、かつ連続的に清浄化することができ、大気汚染環境を改善し、健康で文化的な生活を確保することに資するものである。

図１は脱臭装置の概略構成図である。

本発明の脱臭装置は、縦筒状の洗浄塔(１)に充填材(７)を配装して、洗浄塔(１)の頂部中央に上部通気空間を画成する。さらに上部通気空間内に充填材(７)に散水する散水管(６)を配装し、有害ガス成分および悪臭を散水管(６)からの散水とともに充填材(７)を下向きに通過させて有害ガス成分および悪臭を除去する。下部通気空間に流下した空気を、排出口側に設置した送風機(４)で吸入する。通過時に吸着剤フィルター(５)で吸着除去し、排気(９)の次行程ラインに移行させる。また散水した洗浄液は循環タンク(２)に貯留され、循環ポンプ(３)により再利用させた形態である。

本発明を実施例により詳細に説明するがその方式を越えない限り、これらに限定されることはない。また有害ガス成分および悪臭の種類、程度により、処理用水および吸着剤フィルター、充填剤は多種多様に応用できるものである。実際に、製紙工場、ごみ焼却炉、食品の腐敗臭、し尿処理場、麺・パン類の製造工場等の実施例がある。

一例として、製紙工場の有毒ガス成分除去および脱臭について説明する。まず、工場から排出された有害ガス成分および悪臭を供給口(８)から縦筒状の洗浄塔(１)に流入させる。

流入された有害ガス成分および悪臭は、縦筒状の洗浄塔(１)内の充填材(７)に接触しながら、洗浄塔(１)内で滞留する。

洗浄塔(１)内で滞留した有害ガス成分および悪臭は、静圧の大きい送風機(４)により吸入され、上部散水管(５)からの散水を受け通過する。

さらに、散水による処理水で除去できない有害ガス成分および悪臭を、排出口側に設置した静圧の大きい送風機(４)により吸入時に、吸着剤フィルター(５)を通過させ吸着除去する。

なお処理水の種類による除去効率は、処理水HOで硫化水素(HS)、アンモニア(NH)、塩化水素(HCI)、弗化水素(HF)は90％以上であり、処理水NaOHで二酸化硫黄は95％以上である。除去効率は各種単体ガス発生率50ppmを基準とする。

小型化することで設置面積を少なくし、狭いスペースでも応用が可能である。２４時間継続的に脱臭することで、町工場のような小企業から排出される有害ガス成分および悪臭の脱臭に適応でき、また大企業であっても、複数台設置することで、処理能力を向上拡大し調節は自在に可能である。

１ 洗浄塔本体
２ 循環タンク
３ 循環ポンプ
４ 送風機
５ 吸着剤フィルター
６ 散水管
７ 充填材
８ 流入口（有害ガス成分・悪臭）
９ 排出口（清浄空気）

Claims (1)

1. 本発明は、有害ガス成分および悪臭を流入口側から押し込むのではなく排出口側から吸い込みながら、洗浄塔および配管内を負圧にすることで空気の流れを安定させ、一定量を一定時間でゆっくり通過させることができる、脱臭装置である。
   そのため、有害ガス成分および悪臭を洗浄塔本体に流入させる際の送風機の位置を、流入口側ではなく、排出口側に設置している事を特徴とする脱臭装置である。