JP2015207892A - 広帯域光伝送信号の波長分散補償方法及び波長分散補償装置 - Google Patents

広帯域光伝送信号の波長分散補償方法及び波長分散補償装置 Download PDF

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Abstract

【課題】広帯域光伝送信号の波長分散補償方法及び装置において、波長分散の測定と組み合わせて実時間で実施可能なものを提供する。【解決手段】広帯域光伝送信号の波長分散補償方法は、往復ステップ(S2)、差分取得ステップ(S3)および補償ステップ(S4〜S6)を備える。往復ステップ(S2)では、広帯域光伝送信号LWの伝送帯域に重ならない波長の、第1光信号L1および第2光信号L2を、長距離伝送ファイバ9内で往復させる。差分取得ステップ(S3)では、第1光信号L1の位相遅延と、第2光信号L2の位相遅延との差分を取得する。補償ステップ(S4〜S6)では、差分に基づいて、広帯域光伝送信号LWの波長分散補償を行う。【選択図】図3

Description

この発明は、広帯域光伝送信号の波長分散補償方法及び波長分散補償装置に関し、とくに2光波ラウンドトリップ方式によるものに係る。
光通信は日本のデータ通信の根幹を担っており、より高速・広帯域化が求められている。光信号伝送を実現するための公知技術として、例えば本発明者による特許文献1及び特許文献2に記載の構成がある。
100Gbpsを超える超高安定高周波マイクロ波信号(正弦波信号)の発生・ファイバ伝送では、コヒーレントな2つの光信号の差信号として発生・伝送が可能で、原子周波数標準信号の伝送を目的とした場合、位相安定度(Allan分散位相安定度評価法)は10-14オーダを実現している。
ファイバを用いた広帯域光信号伝送では、ファイバの受ける外力により広帯域光伝送信号伝送にとり重大な弊害となる様々な効果が生じる。これらは波長分散・偏波分散などである。
波長分散は、光信号が伝送路を通過する際の伝搬速度の波長による差と定義され、屈折率の波長依存やその変化は圧力、振動、音、曲げ、捻れ、温度変化などファイバに対するさまざまな外圧が原因となり生じる。
また、安定な環境に置いたファイバにおいてもこれらの効果は一定なものでなく、ファイバ内において波長や時間により変動が生じる。図7は、AT&T LabsのMisha Brodsky, Peter Magill, Nicholas J. Frigoによって、地下埋設の光ファイバを用いて測定されたDGD: differential group delayの変化を示したもので、横軸は時間、縦軸は波長を示している。本発明者は、この図において0.1nm(=140GHz)から1nm以下の通信信号帯域幅で見てみると、もし広帯域光伝送信号の帯域の外側の光波長で分散量が測定できれば、内挿近似または外挿近似で波長分散変化量を補償できる可能性があるという点に気付いた。より高速な通信時の補正には高次の近似による波長分散補償が望まれる。また、実際のケーブルは安定な環境には無いことが多く、時間方向の変動はより大きいものと思われる。
波長分散の測定方法として、例えば非特許文献1に記載のものが公知である。
さらに、従来の測定手法として、波長可変光源からの出力光に強度変調を加えファイバ通過後の波長依存性をマイクロ波ネットワークアナライザ等で測定する変調位相シフト法や、波長可変光源の波長を掃引し干渉計で測定(干渉計の2経路をそれぞれ参照経路と測定ファイバ経路とする)する波長掃引干渉法などがある。
また、波長分散の測定結果に基づく補償技術として、例えば非特許文献2及び非特許文献3に記載のものが公知である。さらに、従来の補償技術として、次のようなものが公知であり、多岐に渡っているが波長分散制御手段に相当するものがほとんどである。
‐波長分散補償フィルタ:入力信号に対し夫々異なった増幅率と遅延量をもつフィルタ(タップ)を用い、最終的にこれらを合算し伝送による波長分散を補償する。タップ数を増やすことで補償量は大きくなるが演算量が増える。
‐伝送路と逆の分散・位相共役などを用いた分散保証型ファイバ:ファイバそのものに手を加えるタイプであり、分散の少ないファイバや反対の分散を加え相殺するもの。
‐チャープ型FBG(Fiber Bragg Grating)を複数個組み合わせて波長毎に補償(FBGを歪み、熱で制御)する。
特許第4849683号公報 特許第5291143号公報
Agilent Technologies, 「CD(波長分散)測定」[平成26年4月2日検索]、インターネット<URL:http://www.home.agilent.com/agilent/editorial.jspx?ckey=803437&id=803437&lc=jpn&cc=JP> Ghang-Ho Lee, 「Optical dispersion compensator with >4000-ps/nm tuning range using a virtually imaged phased array (VIPA) and spatial light modulator (SLM)」, 2006年9月1日、IEEE Photonics Technology Letters, vol.18, no.17, pp. 1819-1821 Mino, S.; Seno, K.; Suzuki, K.; Watanabe, K.; Ooba, N.; Ishii, M., 「Novel channel-by-channel tunable optical dispersion compensator using AWG and liquid crystal」, 2008年10月14〜16日、Proceedings of COIN2008, IEICE 08 SB 0064
しかしながら、従来の技術では、広帯域光伝送信号の波長分散について、波長分散の測定と補償とを組み合わせて実時間(リアルタイム)で実施することは困難であるという問題があった。
例えば、従来の測定方法(非特許文献1に記載の測定方法、変調位相シフト法、波長掃引干渉法など)では、光通信信号の伝送中に波長分散を測定することは難しい。
また実際には、光ファイバ入力パワーに依存した自己位相変調効果による非線形光学効果の影響もあり、時間変化を考慮しなければならずリアルタイムで直接伝送信号系を測定することは重要である。従来技術には、ラウンドトリップ等伝送と同時にファイバ特性を実測する方式はない。
分散補償を行う方式の研究は非常に盛んであるが、ラウンドトリップ実測データなどから直接リアルタイムで補償を行う方式は例がない。
波長分散は、上述のように圧力、振動、音、曲げ、捻れ、温度変化などファイバに対するさまざまな外圧が原因となり生じる。これらはファイバが風で揺れても生じてしまうため、今後さらに進展するであろう高速な通信を行うにあたり実時間での補償技術の確立が重要である。
この発明はこのような問題点を解消するためになされたものであり、波長分散の測定と組み合わせて実時間で実施可能な波長分散補償方法及び波長分散補償装置を提供することを目的とする。
この発明に係る広帯域光伝送信号の波長分散補償方法は、
前記広帯域光伝送信号の伝送帯域に重ならない波長の、第1光信号および第2光信号を、前記広帯域光伝送信号の光伝送経路内で往復させる、往復ステップと、
前記第1光信号の位相遅延と、前記第2光信号の位相遅延との差分を取得する、差分取得ステップと、
前記差分に基づいて、前記広帯域光伝送信号の波長分散補償を行う、補償ステップと
を備える。
前記補償ステップは、前記差分の絶対値がより小さくなるように、波長に応じて位相を制御するステップであってもよい。
前記補償ステップは、前記差分がゼロとなるように、波長に応じて位相を制御するステップであってもよい。
前記補償ステップは、さらに、
前記差分に基づいて、前記第1光信号の移相量および前記第2光信号の移相量を決定するステップと、
前記第1光信号の移相量および前記第2光信号の移相量に基づき、内挿または外挿によって、前記広帯域光伝送信号の移相量を算出するステップと
を含んでもよい。
また、この発明に係る広帯域光伝送信号の波長分散補償装置は、
前記広帯域光伝送信号と、前記広帯域光伝送信号の伝送帯域に重ならない波長の第1光信号および第2光信号とを、前記広帯域光伝送信号の光伝送経路に送信する、光信号送信手段と、
前記第1光信号の戻り光および前記第2光信号の戻り光を、前記光伝送経路から受信する、光信号受信手段と、
前記第1光信号の戻り光および前記第2光信号の戻り光に基づき、前記第1光信号の位相遅延と、前記第2光信号の位相遅延との差分を取得する、差分取得手段と、
前記差分に基づいて、前記広帯域光伝送信号に含まれる波長について、前記広帯域光伝送信号の波長分散補償を行う、波長分散補償手段と
を備える。
前記第1光信号および前記第2光信号と、前記広帯域光伝送信号とを分離する、波長分離手段と、
前記第1光信号および前記第2光信号を反射する、反射手段と
をさらに備えてもよい。
本発明に係る波長分散補償方法及び波長分散補償装置によれば、波長分散の測定と組み合わせて実時間で波長分散を補償することが可能となる。
例えば、既存の高速広帯域光信号伝送の技術に波長分散測定の原理を組み合わせることにより、従来に比べてより広帯域(例えば100Gbps以上)の周波数の利用効率が向上する。また、波長分散補償に実時間測定の技術を組み合わせることにより、例えば広帯域信号での実時間波長分散補償を実現することができる。さらに本発明によれば、例えば高周波マイクロ波信号(高位相安定信号)のネットワークノードへの配信も同時に可能である。
本発明の実施の形態1に係る高周波マイクロ波信号の2つの光信号に挟まれた広帯域光伝送信号を示す図である。 1本の光ファイバ中をラウンドトリップする2つの光信号信号を示す図である。 本発明により2光波の波長分散を補償し、同時に広帯域光伝送信号の波長分散も補償する方式の原理を示す図である。 実施の形態1に係る波長分散補償装置の構成の例を示す図である。 図4の波長分散補償装置の動作の流れの例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る高周波マイクロ波信号の2つの光信号及び広帯域光伝送信号を示す図である。 波長に応じた波長分散の、時間に伴う変化を示す図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1について説明する。
<実施の形態1の概要及び測定原理>
本発明は、高周波マイクロ波信号を利用するものである。高周波マイクロ波信号は、2つのコヒーレント光信号の差信号として発生・伝送することができる。広帯域光伝送信号に高周波マイクロ波信号を混合し、高周波マイクロ波信号としての2つの光信号のラウンドトリップ位相から広帯域光伝送信号の波長分散量を内挿により求める。このような構成により、波長分散制御手段を高精度に実時間での制御を可能にする2光波ラウンドトリップ方式による広帯域信号波長分散補償方法が実現される。
ファイバ伝送補償量は2つの光信号において独立に行われるラウンドトリップ法の2重差として求められ、光移相器を用いて2光波の位相差補償が行なわれる方式で、2光波の差としての精密な伝送遅延量を求めることが可能である。
ここで、この高周波マイクロ波信号の2つの光信号に挟まれた広帯域光伝送信号を考えてみることにする(図1)。高周波マイクロ波信号Mを構成する2つの光信号を、第1光信号L1及び第2光信号L2とする。第1光信号L1の波長はλ1、周波数はf1であり、第2光信号の波長はλ2、周波数はf2であるとする。ここではλ1>λ2であり、すなわちf1<f2であるものとする。
なお、第1光信号L1または第2光信号L2の波長が広がりを持つ場合であっても、当業者は単一の波長値を適宜決定可能である。例えば図1に示すように、第1光信号L1の強度がピークとなる波長λ1をもって第1光信号L1の波長とすることができる。
また広帯域光伝送信号LWに含まれる信号のうち、最も波長が長いものの波長はλa、周波数はfaであり、最も波長が短いものの波長はλb、周波数はfbであるとする。ただしλ1>λa>λb>λ2であり、すなわちf1<fa<fb<f2である。
広帯域光伝送信号のファイバより受ける位相変化量(波長分散量)は、その両側に配置された高周波マイクロ波信号の2つの光信号の差としてラウンドトリップ法で実測された位相変化量と深い関連がある。広帯域光伝送信号が波形変形を生じるのは、帯域内の波長分散量に差が生じるためで、光周波数領域で広帯域光伝送信号の帯域の外側に配置された2つの光信号の差としてラウンドトリップ法で実測された位相変化量より推測可能と考えられる。
手法としては、2つの光信号の差としてラウンドトリップ法で実測された位相変化量がより小さくなるように(例えば最小になるように)波長分散制御手段(例えばVIPA: Virtually Imaged Phased Array、 FBG: Fiber Bragg Gratingなど)を制御する。これにより、その内側または外側の帯域を用いている広帯域光伝送信号についても、帯域内位相変化量はより小さくなる(例えば最小になる)。これが本方式の基本原理である。
これにより、波長分散制御手段に精密な実測した波長分散量を与えることが可能となる。また、本方式の波長分散量測定は、元々高周波マイクロ波信号の伝送を可能にする技術であるため、広帯域光伝送信号波長分散補償と高安定な高周波マイクロ波信号(基準信号)伝送を同時に行うことが可能である。高周波マイクロ波信号(基準信号)は、今後高速化が見込まれる通信において同期性を確保するなど優位性を保つ重要な要素になる。
<ラウンドトリップ法>
ギガヘルツ以上の広帯域光伝送信号を長距離の同軸ケーブルで伝送することは出来ない。一方、光ファイバでの伝送では、光の波長分散により群遅延誤差が生じる。
ここでは、光をラウンドトリップさせ伝送系の遅延を補正する際の具体的な方式を示す。光でのマイクロ波信号伝送時は、波長の異なるコヒーレントな2光を用いて行われる。この2光として、例えば図1に示す第1光信号L1及び第2光信号L2を用いる。
その2光の周波数(位相)差が伝送したい高周波マイクロ波信号Mとなる。この時、この高周波マイクロ波信号周波数は、伝送したい広帯域光伝送信号のクロック周波数より高いものとする。すなわち、伝送したい広帯域光伝送信号の帯域幅をfb−faとして、f2−f1>fb−faとする。この高安定高周波マイクロ波信号(2光の差位相として伝送されるマイクロ波正弦波)をラウンドトリップさせ伝送系の位相遅延を2光独立に測定する。これらの位相差は伝送による遅延位相量の差であり、この測定を行うことで伝送系の波長分散量の測定を行っていることとなる。
図2は、1本の光ファイバ中をラウンドトリップする第1光信号L1及び第2光信号L2を示している。広帯域光伝送信号LWはこれらの中間に相当する。図2にはパルス光の波長分散のイメージも合わせて表示している。広帯域光伝送信号LWは、光パルスと同様に伝搬速度の波長による差により伝送先で広がってしまうので、補償を行わなければ正確なデータ伝送が妨げられる。
左端が光の送信端であり、右端が伝送先(受信端)である。この時、2光の差周波数に相当するのが高周波マイクロ波信号周波数である。この差は、右端の伝送先で光検出器(例えばフォトミキサ)によりマイクロ波として取り出される。両者のラウンドトリップする長さを変えて記述しているのは、波長分散で2光夫々の見かけの伝送遅延量が異なることを表している。この様に、光ファイバ伝送では波長分散により波長毎に遅延量が異なり補正が不可欠である。
図2において、光ファイバの左端から入力される第1光信号L1及び第2光信号L2の夫々の初期位相を0と仮定する。波長分散制御手段(例えばVIPA: Virtually Imaged Phased Array、FBG: Fiber Bragg Gratingなど)により、第1光信号L1と第2光信号L2の光の位相差(移相量Φ)を制御できるものとする。第1光信号L1がラウンドトリップして戻って来た位相を(2πm+φ)とし、第2光信号L2がラウンドトリップして戻って来た位相を(2πn+φ+2Φ)とする。ここで、一本のファイバを光が往復するので、右端の伝送先がラウンドトリップの中点にあると考えられる。そこでの光位相は、第1光信号L1の波長λ1においてmが偶数の時(φ/2)、mが奇数の時(π+(φ/2))となる。また、第2光信号L2の波長λ2においてnが偶数の時((φ/2)+Φ)、nが奇数の時(π+(φ/2)+Φ)となる。伝送先(右端)では、光の位相差としてマイクロ波が検出される。マイクロ波位相は、(φ/2)−((φ/2)+Φ)もしくは(φ/2)−((φ/2)+Φ)+πとなる。
もし2波のラウンドトリップ位相を同位相(φ=φ+2Φ)となるように制御すると、伝送する信号は、第1光信号L1と第2光信号L2との位相の差として送られるため、長距離光ファイバの右端の伝送先での伝送信号位相は、左端の送信端での信号位相と同一、もしくは丁度πだけずれた信号となる。
(φ=φ+2Φ)となるように制御すれば、光ファイバの影響を気にせず、安定して高周波信号長距離伝送が可能となる。この時、ファイバでの伝送中に外部から共通ノイズとして与えられる影響は、第1光信号L1、第2光信号L2及び広帯域光伝送信号LWで共通となるため、右端の伝送先で相殺される。
もしここで図1のように、第1光信号L1と第2光信号L2とに挟まれた広帯域光伝送信号LWがあった場合はどうであろうか。
ここで、コヒーレントな2光(高安定高周波信号:ビート信号として伝送される)に挟まれる形の広帯域光伝送信号は光領域では僅かな波長差であるため、図7よりほぼ同様な変動(もしくは緩やかな傾きを持った変動)をする。広帯域光伝送信号LW内のDGDや屈折率の変化は2光の差より内挿が可能である。広帯域光伝送信号の伝送速度が100Gbpsレベルになると、波長分散の高次項までの補償が好ましい。このような場合、高安定高周波信号の周波数差を変化させ位相2πのアンビギュイティを除去することで詳細な波長分散を測定し、その後高安定高周波信号周波数を固定しリアルタイムで測定を行うことが可能である。
波長分散補償での波長分散制御手段はラウンドトリップする高周波マイクロ波信号Mの位相のみの位相をシフトするのではなく、広帯域光伝送信号を含めて位相量を変化させる波長分散制御手段(例えばVIPA、FBGなど)であり、この位相変化によりラウンドトリップする高周波マイクロ波信号M(第1光信号L1及び第2光信号L2)の位相差をゼロになるように制御することで、広帯域光伝送信号LWを含めた伝送信号の波長分散除去を高精度に実時間で行うことが可能となる。
広帯域光伝送信号LWの波長分散補償では、通信帯域全体に渡りDGD及び波長分散を制御する必要がある。現在入手し得る波長分散制御手段としては、VIPAやFBG波長分散補償器などがあげられる。内挿する位相を1次近似とするのか、高次(例えば2次あるいは3次)とするかは波長分散制御手段に何を用いるかによって決定される。何れの場合においても、2光波の位相差をゼロになるように制御するだけで、実時間で2光波の位相を基準にした広帯域光伝送信号波長分散量に対する内挿近似を行うことが可能となる。波長分散制御手段だけではファイバそのものの波長分散を測定することはできないため、何らかの別の手段で求めた補償すべき波長分散量が必要となる。本方式はこの測定手段を実時間で高精度に与えるものであり、広帯域光伝送信号LWの外側に配置した第1光信号L1及び第2光信号L2の位相差を検出し、位相同期制御することで2光波の波長分散を補償し、同時に広帯域光伝送信号の波長分散も補償する方式を実現できる(図3)。
<実施形態の特徴>
本発明の実施の形態1では、光周波数軸上で広帯域光伝送信号を挟む形で配置した2つの光信号(第1光信号L1及び第2光信号L2、または高周波マイクロ波信号M)を伝送ファイバ内で往復させ、実測される位相量を用いて広帯域光伝送信号LWの波長分散補償を行う。すなわち、本発明は、ラウンドトリップ方式の波長分散補償方法に係るものである。
ファイバ伝送補償量は2つの光信号で独立に行われるラウンドトリップ法の2重差として求められ、波長分散補償を行うことが可能である。ここで、この高周波マイクロ波信号M(例えば第1光信号L1及び第2光信号L2)に挟まれた広帯域光伝送信号LWを考えてみることにする。広帯域光伝送信号のファイバより受ける位相変化量(波長分散量)は、その外側に配置された高周波マイクロ波信号Mの2つの光信号の差としてラウンドトリップ法で実測された位相変化量より内挿が可能と考えられる。広帯域光伝送信号が波形変形を生じるのは、帯域内の波長分散が生じるためである。この量は光周波数領域で外側に配置された2つの光信号の差としてラウンドトリップ法で実測された位相変化量より小さい(内挿可能)と考えられる。
手法としては、2つの光信号の差としてラウンドトリップ法で実測された位相変化量が、より小さくなるように(例えば最小になるように)群遅延量を制御するというものである。このような制御によれば、その内側の帯域の広帯域光伝送信号についても、帯域内位相変化量がより小さくなる(例えば最小になる)。
<実施例>
実施の形態1に係る波長分散補償装置の実施例について、以下に説明する。波長分散補償装置の構成の例を図4に示し、動作の流れの例を図5に示す。図4では、光信号の伝搬経路を実線で示し、マイクロ波信号の伝搬経路を破線で示し、制御情報の伝搬経路を一点鎖線で示している。この波長分散補償装置は、上述の実施形態に従い、以下に記載される方法を実施することにより、広帯域光伝送信号の波長分散補償を実現する。
波長分散補償装置は、マイケルソン干渉計の原理でラウンドトリップ測定を行う。まず、波長分散補償装置は、図1〜図3に示す構成を有する第1光信号L1及び第2光信号L2を生成する(図5のステップS1)。ステップS1は、例えば、以下のようにして実行される。
狭線幅レーザ発振手段1から出力されるレーザ光に対し、周波数標準出力手段3(シンセサイザと周波数標準)から出力される信号を用いて、光変調器2で変調を掛け、2光波を作成する。この2光波は、伝送対象となる広帯域光伝送信号LWに対し、図1〜図3に示す第1光信号L1及び第2光信号L2に該当する条件を満たすものとして作成される。
次に、波長分散補償装置は、第1光信号L1及び第2光信号L2を、広帯域光伝送信号LWの光伝送経路内で往復させる(ステップS2、往復ステップ)。ステップS2は、例えば、以下のようにして実行される。
ステップS1において生成された第1光信号L1及び第2光信号L2は、いずれも、光分配手段4で2経路に分配される。第1の経路4aの光は送受分離手段5へと送られ、第2の経路4bの光は光分配手段14へと送られる。第1の経路4aの第1光信号L1及び第2光信号L2は、送受分離手段5を通過した後に波長多重手段6に入力され、波長多重手段6において広帯域光伝送信号7と波長合成される(この広帯域光伝送信号7は、図1〜図3に示す広帯域光伝送信号LWの送信端における形態である)。波長合成された信号(第1光信号L1、第2光信号L2及び広帯域光伝送信号LWを含む)は、波長分散制御手段8、長距離伝送ファイバ9を通過して伝送先(受信端)へ伝送される。
このように、波長分散制御手段8は、広帯域光伝送信号LWの送信端において、第1光信号L1、第2光信号L2及び広帯域光伝送信号LWを、長距離伝送ファイバ9に送信する、光信号送信手段として機能する。なお、光信号送信手段は波長多重手段6を含んでもよい。また、長距離伝送ファイバ9は、広帯域光伝送信号LWの光伝送経路として機能する。
伝送先では、波長分離手段10で広帯域光伝送信号11を分離し(この広帯域光伝送信号11は、図1〜図3に示す広帯域光伝送信号LWの受信端における形態である)、第1光信号L1及び第2光信号L2のみをラウンドトリップさせる。
このように、波長分離手段10は、広帯域光伝送信号LWの伝送先において、第1光信号L1及び第2光信号L2と、広帯域光伝送信号LWとを分離する機能を有する。
ラウンドトリップの処理は、ファイバ周波数シフタ12及び反射器13を用いて行われる。この時、ファイバ周波数シフタ12で戻り光の周波数をわずかに(例えば50MHz程度)シフトさせる。これはファイバの途中で反射してしまう不要波との分離のためである。
このように、反射器13は、広帯域光伝送信号LWの伝送先において、第1光信号L1及び第2光信号L2を反射する、反射手段として機能する。なお反射手段はファイバ周波数シフタ12を含んでもよい。
次に、波長分散補償装置は、第1光信号L1の位相遅延と、第2光信号L2の位相遅延との差分を取得する(ステップS3、差分取得ステップ)。ここでいう「位相遅延」とは、広帯域光伝送信号LWの光伝送経路内を光信号がラウンドトリップした場合に発生する位相遅延を意味する。ステップS3は、例えば、以下のようにして実行される。
第1光信号L1及び第2光信号L2の戻り光は、長距離伝送ファイバ9、波長分散制御手段8、波長多重手段6を通過し、送受分離手段5から光分配手段14へと送られる。
このように、波長分散制御手段8は、広帯域光伝送信号LWの送信端において、第1光信号L1の戻り光及び第2光信号L2の戻り光を、長距離伝送ファイバ9から受信する、光信号受信手段として機能する。なお、波長分散制御手段8の一部または波長分散制御手段8とは異なる構成要素が光信号受信手段として構成されてもよく、また、光信号受信手段は、送受分離手段5、波長多重手段6または光分配手段14を含んでもよい。
光分配手段14では、光分配手段4からの第2の経路4bを介して送られる光と、送受分離手段5から送られる光とが混合される。第1光信号L1の送信光と、第1光信号L1の戻り光とは、周波数がファイバ周波数シフタ12で与えられた周波数(例えば50MHz)の2倍だけずれている。同様に、第2光信号L2の送信光と、第2光信号L2の戻り光も、周波数がファイバ周波数シフタ12で与えられた周波数(例えば50MHz)の2倍だけずれている。
光分配手段14の出力は、光フィルタ15を用いて分離される。第1の経路15aには、第1光信号L1の送信光及び戻り光が送られる。第2の経路15bには、第2光信号L2の送信光及び戻り光が送られる。光検出手段16は、第1の経路15aから送られる2光波に基づき、高周波マイクロ波信号を検出する。同様に、光検出手段17は、第2の経路15bから送られる2光波に基づき、高周波マイクロ波信号を検出する。光検出手段16,17で検出される周波数はファイバ周波数シフタ12で与えられた周波数(例えば50MHz)の2倍である。位相比較手段18において、光検出手段16によって検出された高周波マイクロ波信号と、光検出手段17によって検出された高周波マイクロ波信号の位相差を検出する。検出された位相差は、第1光信号L1のラウンドトリップ位相遅延と、第2光信号L2のラウンドトリップ位相遅延との差分を反映しており、図2ではφ−φに相当する。また、第1光信号L1及び第2光信号L2に対してファイバ周波数シフタ12で与えられた周波数は共通であるため、ファイバ周波数シフタ12の周波数の不安定性は相殺される。
このように、位相比較手段18は、広帯域光伝送信号LWの送信端において、第1光信号L1の戻り光及び第2光信号L2の戻り光に基づき、これらの位相遅延の差分を取得する、差分取得手段として機能する。
次に、波長分散補償装置は、ステップS3で求められた差分に基づいて、広帯域光伝送信号LWの波長分散補償を行う(補償ステップ)。このステップは、さらに、差分に基づいて、第1光信号L1の移相量及び第2光信号L2の移相量を決定するステップ(ステップS4)と、第1光信号L1の移相量及び第2光信号L2の移相量に基づき、内挿によって、広帯域光伝送信号LWの移相量を算出するステップ(ステップS5)と、算出された広帯域光伝送信号LWの移相量に基づき、広帯域光伝送信号LWの位相を制御するステップ(ステップS6)とを含む。
ステップS4は、例えば、以下のようにして実行される。
波長分散補償装置は、求められた差分の絶対値がより小さくなるように(例えばゼロとなるように)、波長に応じて移相量を決定する。例えば、第1光信号L1の移相量θ1をθ1=0とし、第2光信号L2の移相量θ2=Φをθ2=Φ=(φ−φ)/2とするように制御する。これにより波長分散の2波の差が最小になる。
また、ステップS5は、例えば、以下のようにして実行される。
波長分散補償装置は、第1光信号L1の周波数f1及び移相量θ1と、第2光信号L2の周波数f2及び移相量θ2とに基づき、広帯域光伝送信号LWの各周波数fxにおける移相量θxを、次の式により求める。
θx={(f2−fx)・θ1+(fx−f1)・θ2}/(f2−f1)
なお、上式は線形の内挿操作を表すが、高次(例えば2次または3次)の内挿操作を表す具体的な数式は、当業者であれば公知技術に基づいて適宜決定可能である。
ステップS4及びS5の処理は、例えばコンピュータを用いて実行可能である。このコンピュータは、マイクロプロセッサ等の演算装置と、半導体メモリ等の記憶装置とを備える。このコンピュータは、例えば位相比較手段18の一部として構成されてもよく、別途の構成要素として設けられてもよい。このコンピュータは、広帯域光伝送信号LWの送信端において、広帯域光伝送信号LWに含まれる波長について、移相量を決定する、移相量決定手段として機能する。
ステップS6は、例えば、以下のようにして実行される。
広帯域光伝送信号LWの位相の制御は、波長分散制御手段8を介して実現される。波長分散制御手段8で第1光信号L1、第2光信号L2及び広帯域光伝送信号7に与えられる遅延量は周波数ごとに異なる。この波長分散制御手段8で各周波数に与えられる移相量は、第1光信号L1と第2光信号L2とのラウンドトリップ位相差がゼロになるようにすることで波長分散量に等価となり、波長分散補償を高精度にかつ実時間で行える。
このように、波長分散制御手段8は、広帯域光伝送信号LWの送信端において、広帯域光伝送信号LWに含まれる波長について、移相量に基づき補償を実行する機能を有する。また、移相量決定手段(例えば上述のコンピュータ)と、波長分散制御手段8とは、広帯域光伝送信号LWの波長分散補償を行う波長分散補償手段を構成する。
図5の処理は、定期的に、または所定の条件に応じて、繰り返し実行される。このようにすると、時間の経過に伴う波長分散の変動にも実時間で対応可能である。
なお、2波での位相差だけでは2πの不確定性が生じる可能性がある。すなわち、位相差をφ−φ+2πx(ただしxは整数)と表したときのxの値を一意に特定できない場合がある。しかしながら、この不確定性は、2光波を発生させる光変調器2において2光波の周波数差を変え、周波数差ごとに測定を行うことにより除去が可能である。例えば、第1光信号L1の周波数をf1としてラウンドトリップの位相遅延を測定した後、第1光信号L1の周波数をf1’に変更してラウンドトリップの位相遅延を測定し、これらの位相遅延に基づいてラウンドトリップの群遅延を算出することができ、この群遅延に基づいてxの値を確定させることができる。
とくに、このラウンドトリップ位相測定は原理的に周波数に制約がないので、2πの不確定性を除去するために、上述のように2光波の周波数差を変えて測定するという方法を採用することが可能である。
この方式の実際のネットワークへの応用において同時に達成されるフォトニック伝送網への高安定高周波信号伝送は、ネットワークノードへの高周波基準信号クロックの伝送と等価であり、高安定基準信号クロック配信で、系の同期管理も容易となる。
<実施例の効果>
100Gbpsを超える広帯域光伝送信号LWが伝送路を通過する際、外圧等による時間変化を伴う伝搬速度の波長による差(波長分散)が生じ、高速伝送に重大な弊害が生じる。高周波マイクロ波信号は、2つのコヒーレント光信号の差信号として発生・伝送することができる。光周波数軸上で広帯域光伝送信号LWを挟む形で配置した2つの光信号(第1光信号L1及び第2光信号L2、または高周波マイクロ波信号M)を伝送ファイバ内で往復させ実測される位相量を用いて広帯域光伝送信号LWの波長分散補償を行うことが可能となる。ラウンドトリップ法は周波数制限が無いため、今後より広帯域化が見込まれる高速光通信にも応用が可能であると思われる。
本方式は元々高周波マイクロ波信号伝送用の技術であるため、広帯域光伝送信号伝送補償と高安定な高周波マイクロ波信号(基準信号、クロック信号)伝送を同時に行うことが可能である。高周波マイクロ波信号は、今後高速化が見込まれる通信においてネットワークの同期性を確保するなど優位性を保つ重要な要素になると思われる。
また、既存の広帯域光伝送信号伝送の技術に波長分散測定の原理を組み合わせることにより、従来に比べてより広帯域(100Gbps以上)周波数について利用効率が向上する。
また、本方式は、伝送補償を送信端で行う手法であり、伝送先にはラウンドトリップのための簡単な装置を置くだけですむので、伝送先の構成を比較的簡素なまま維持することができる。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1において、第1光信号L1、第2光信号L2及び広帯域光伝送信号LWの間の波長の関係を変更または拡張するものである。以下、実施の形態1との相違点を説明する。
図6に、実施の形態2における高周波マイクロ波信号と広帯域光伝送信号LWとの関係を示す。実施の形態1とは異なり、高周波マイクロ波信号(第1光信号L3及び第2光信号L4)は、周波数軸上で広帯域光伝送信号LWの片側のみに配置される。第1光信号L3の波長(例えばピーク波長)はλ3、周波数はf3であり、第2光信号L4の波長(例えばピーク波長)はλ4、周波数はf4であるとする。λa>λb>λ3>λ4であり、すなわちfa<fb<f3<f4である。
実施の形態2においても、実施の形態1と同様にして波長分散の補償が可能である。すなわち、図4の構成及び図5の処理により、広帯域光伝送信号LWの波長分散を補償することができる。第1光信号L3の移相量をθ3とし、第2光信号L4の移相量をθ4とすると、広帯域光伝送信号LWの各周波数fxにおけるける移相量θxは、次の式により求めることができる。
θx={(f4−fx)・θ3+(fx−f3)・θ4}/(f4−f3)
なお、実施の形態2では、この式は内挿ではなく外挿を表すことになる。
本実施形態では、λa及びλbにおける移相量が、λ3及びλ4に依存して算出されることになる。したがって、λa,λb,λ3,λ4の関係は、λa及びλbにおける移相量が、分散補償として適切な値である範囲に留まるよう決定することが好ましい。例えば、周波数(fa,fb,f3,f4)で見たときに、f3及びf4がいずれもfa及びfbの近傍にあることが好ましい。
「f3及びf4がfa及びfbの近傍にある」という表現について、例えば、これら4値のうち最も隔たった2値の差(図6の例ではf4−fa)が2THz程度までは1次近似が有効であるため、1次特性の波長分散制御手段を選択することが有効である可能性があり、一方、この差がより離れた場合は高次特性の波長分散制御手段を選択することが必要となる可能性がある。このため外挿可能範囲は波長分散制御手段に依存するが、一例として、広帯域光伝送信号LWの帯域幅(図6の例ではfb−fa)に対して数倍程度以内であってもよい。数倍程度以内とは、例えば10倍以内であることを意味してもよく、9倍以内であることを意味してもよく、8倍以内であることを意味してもよく、7倍以内であることを意味してもよく、6倍以内であることを意味してもよく、5倍以内であることを意味してもよく、4倍以内であることを意味してもよく、3倍以内であることを意味してもよく、2倍以内であることを意味してもよい。なお、実施の形態1におけるf1及びf2についても、同様の考え方が適用可能である。
実施の形態1と実施の形態2とを組み合わせてもよい。
例えば、広帯域光伝送信号が、2つの分離した帯域の信号からなり、低周波数側の信号LW1と、高周波数側の信号LW2を持つ場合を考える。信号LW1及び信号LW2は、共通する周波数を含まず、また、信号LW1の上限周波数と信号LW2の下限周波数との間には、広帯域光伝送信号を表す信号は含まれない(例えばガードバンドが配置されるものとする)。
このような場合には、周波数軸上において、信号LW1よりも低周波数側、信号LW1とLW2との間隙、信号LW2よりも高周波数側、の3箇所から、任意の2箇所(重複しても良いが、内挿または外挿の精度を考慮すると重複しないほうが好ましい)を選択して第1光信号及び第2光信号L2を配置することができる。すなわち、第1光信号及び第2光信号の波長は、広帯域光伝送信号の伝送帯域に重ならない値であれば、任意に選択可能である。また、同様に、広帯域光伝送信号が3つ以上の分離した帯域の信号からなる場合にも応用が可能である。
本発明は、例えば、超高速光信号伝送分野や、伝送遅延を問題にする分野への応用が可能である。
8 波長分散制御手段(光信号送信手段、光信号受信手段、波長分散補償手段)、9 長距離伝送ファイバ(広帯域光伝送信号の光伝送経路)、10 波長分離手段、13 反射器(反射手段)、18 位相比較手段(差分取得手段、波長分散補償手段)、
L1,L3 第1光信号、L2,L4 第2光信号、LW,LW1,LW2 広帯域光伝送信号、
S2 往復ステップ、S3 差分取得ステップ、 S4,S5,S6 補償ステップ、θ1,θ3 第1光信号の移相量、θ2,θ4 第2光信号の移相量、θx 広帯域光伝送信号の移相量。
この発明に係る広帯域光伝送信号の波長分散補償方法は、
前記広帯域光伝送信号の伝送帯域に重ならない波長の、第1光信号および第2光信号を、前記広帯域光伝送信号の光伝送経路内で往復させる、往復ステップと、
前記第1光信号の位相遅延と、前記第2光信号の位相遅延との差分を取得する、差分取得ステップと、
前記差分に基づいて、前記広帯域光伝送信号の波長分散補償を行う、補償ステップと
を備え
前記第1光信号および前記第2光信号は互いにコヒーレントであり、
前記第1光信号の波長は前記広帯域光伝送信号より長く、
前記第2光信号の波長は前記広帯域光伝送信号より短い
前記補償ステップは、前記差分の絶対値がより小さくなるように、波長に応じて位相を制御するステップであってもよい。
前記補償ステップは、前記差分がゼロとなるように、波長に応じて位相を制御するステップであってもよい。
前記補償ステップは、さらに、
前記差分に基づいて、前記第1光信号の移相量および前記第2光信号の移相量を決定するステップと、
前記第1光信号の移相量および前記第2光信号の移相量に基づき、内挿によって、前記広帯域光伝送信号の移相量を算出するステップと
を含んでもよい。
また、この発明に係る広帯域光伝送信号の波長分散補償装置は、
前記広帯域光伝送信号と、前記広帯域光伝送信号の伝送帯域に重ならない波長の第1光信号および第2光信号とを、前記広帯域光伝送信号の光伝送経路に送信する、光信号送信手段と、
前記第1光信号の戻り光および前記第2光信号の戻り光を、前記光伝送経路から受信する、光信号受信手段と、
前記第1光信号の戻り光および前記第2光信号の戻り光に基づき、前記第1光信号の位相遅延と、前記第2光信号の位相遅延との差分を取得する、差分取得手段と、
前記差分に基づいて、前記広帯域光伝送信号に含まれる波長について、前記広帯域光伝送信号の波長分散補償を行う、波長分散補償手段と
を備え
前記第1光信号および前記第2光信号は互いにコヒーレントであり、
前記第1光信号の波長は前記広帯域光伝送信号より長く、
前記第2光信号の波長は前記広帯域光伝送信号より短い

Claims (6)

  1. 広帯域光伝送信号の波長分散補償方法であって、
    前記広帯域光伝送信号の伝送帯域に重ならない波長の、第1光信号および第2光信号を、前記広帯域光伝送信号の光伝送経路内で往復させる、往復ステップと、
    前記第1光信号の位相遅延と、前記第2光信号の位相遅延との差分を取得する、差分取得ステップと、
    前記差分に基づいて、前記広帯域光伝送信号の波長分散補償を行う、補償ステップと
    を備える、広帯域光伝送信号の波長分散補償方法。
  2. 前記補償ステップは、前記差分の絶対値がより小さくなるように、波長に応じて位相を制御するステップである、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記補償ステップは、前記差分がゼロとなるように、波長に応じて位相を制御するステップである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記補償ステップは、さらに、
    前記差分に基づいて、前記第1光信号の移相量および前記第2光信号の移相量を決定するステップと、
    前記第1光信号の移相量および前記第2光信号の移相量に基づき、内挿または外挿によって、前記広帯域光伝送信号の移相量を算出するステップと
    を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 広帯域光伝送信号の波長分散補償装置であって、
    前記広帯域光伝送信号と、前記広帯域光伝送信号の伝送帯域に重ならない波長の第1光信号および第2光信号とを、前記広帯域光伝送信号の光伝送経路に送信する、光信号送信手段と、
    前記第1光信号の戻り光および前記第2光信号の戻り光を、前記光伝送経路から受信する、光信号受信手段と、
    前記第1光信号の戻り光および前記第2光信号の戻り光に基づき、前記第1光信号の位相遅延と、前記第2光信号の位相遅延との差分を取得する、差分取得手段と、
    前記差分に基づいて、前記広帯域光伝送信号に含まれる波長について、前記広帯域光伝送信号の波長分散補償を行う、波長分散補償手段と
    を備える、広帯域光伝送信号の波長分散補償装置。
  6. 前記第1光信号および前記第2光信号と、前記広帯域光伝送信号とを分離する、波長分離手段と、
    前記第1光信号および前記第2光信号を反射する、反射手段と
    をさらに備える、請求項5に記載の装置。
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