JP2015207830A - 平面アンテナ装置 - Google Patents

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一郎 重富
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Abstract

【課題】複数の周波数で動作し、平面方向および厚み方向をともに小型化できるアンテナ装置を提供する。
【解決手段】平板20を高周波小平板部21と低周波小平板部22の2つに分離する。共振回路30a〜30dは、動作周波数fでは、高周波小平板部21と低周波小平板部22とを電気的に分離し、動作周波数fでは、高周波小平板部21と低周波小平板部22とを電気的に接続する。これにより平面アンテナ装置1は、2つの動作周波数f、fで動作する。高周波小平板部21は2つの動作周波数f、fでアンテナ素子となることから、2つの動作周波数f、fに対応したアンテナ素子を別々に平面上に並べるよりも、平面方向を小型化できる。また、平板20を積層していないことから、厚み方向も小型化することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の周波数で動作する平面アンテナ装置に関する。
たとえば特許文献1に記載のアンテナ装置など、複数の周波数で動作するアンテナ装置が知られている。また、特許文献1では、アンテナの近傍に、複数の誘電体板を、それら誘電体板の間に空間を開けて積層している。この構成により、動作周波数別にアンテナを用意する場合に比較して、アンテナ装置を小型化している。
特開2011−244136号公報
特許文献1の技術は、平面方向にアンテナ装置が大型化することは抑制できるが、複数の誘電体板を積層するため、平面に垂直な方向である厚み寸法が大きくなってしまう。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、複数の周波数で動作し、平面方向および厚み方向をともに小型化できるアンテナ装置を提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、発明の更なる有利な具体例を規定する。また、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するための本発明は、地板(40)と、地板に対して間隔を隔てて配置された導電性の平板(20、120)と、地板と平板とを電気的に接続する短絡部(60)と、平板に接続された給電部(50)と、を備えたアンテナ装置(1、100)であって、平板は、絶縁部(23、124、125)を介して互いに分離している複数の小平板部(21、22、122、123)に分かれており、複数の小平板部のうち、給電部および短絡部側の小平板部である給電側小平板部と、その給電側小平板部に隣接しており、その給電側小平板部よりも給電部および短絡部から遠い小平板部である遠方小平板部とを互いに接続する共振回路(30、31)を備え、共振回路は、給電側小平板部の面積により定まる動作周波数では、給電側小平板部と遠方小平板部とを電気的に分離し、給電側小平板部と遠方小平板部の面積により定まる動作周波数では、給電側小平板部と遠方小平板部とを電気的に接続することを特徴とする。
本発明によれば、平板は複数の小平板部に分かれており、共振回路は、給電側小平板部の面積により定まる動作周波数では、給電側小平板部と遠方小平板部とを電気的に分離し、給電側小平板部と遠方小平板部の面積により定まる動作周波数では、給電側小平板部と遠方小平板部とを電気的に接続する。
したがって、この平面アンテナ装置は、給電側小平板部の面積により定まる動作周波数と、給電側小平板部に遠方小平板部を加えた面積により定まる動作周波数で動作する。給電側小平板部は、複数の動作周波数でアンテナ素子となることから、複数の動作周波数に対応したアンテナ素子を別々に平面上に並べるよりも、平面方向を小型化できる。また、平板を積層していないことから、厚み方向も小型化することができる。
第1実施形態の平面アンテナ装置1の斜視図である。 平面アンテナ装置1の平面図である。 図2のIII−III線断面図である。 平面アンテナ装置1の等価回路である。 平面アンテナ装置1のVSWRの周波数特性を示す図である。 従来構造のアンテナ装置の斜視図である。 760MHzにおける平面アンテナ装置1の垂直偏波の水平面放射パターンを示す図である。 1720MHzにおける平面アンテナ装置1の垂直偏波の水平面放射パターンを示す図である。 第2実施形態の平面アンテナ装置100の平面図である。 平面アンテナ装置100の等価回路である。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態となる平面アンテナ装置1の斜視図である。図1に示すように平面アンテナ装置1は、平板状の基板10を備えている。この基板10は、ガラスエポキシ樹脂などの絶縁体製である。
基板10の表面11には、平板20と、共振回路30a〜30dとが固定されている。基板10の裏面12には、図3に示す地板40が貼り付けられている。また、平面アンテナ装置1は、平板20に給電する給電部50、平板20と地板40とを電気的に接続する短絡ピン60も備えている。短絡ピン60は請求項の短絡部に相当する。
図2は、平面アンテナ装置1の平面図である。この図2を用いて、基板10の表面11側の構成を説明する。平板20は、第1実施形態では、高周波小平板部21と低周波小平板部22の2つの小平板部に分かれている。これら高周波小平板部21、低周波小平板部22は、いずれも、同じ導電性材料、たとえば、銅により構成されている。
高周波小平板部21は正方形であり、その重心に短絡ピン60の一端が接続されている。第1実施形態では、この高周波小平板部21が請求項の給電側小平板部に相当する。また、低周波小平板部22が遠方小平板部に相当する。
低周波小平板部22は、高周波小平板部21を囲う四角形の環形状であり、給電部50、短絡ピン60が接続されている高周波小平板部21よりも、それら給電部50、短絡ピン60から遠い位置にある。低周波小平板部22の形状は、より詳しくは、内周縁221、外周縁222ともに正方形状であり、内周縁221の大きさは、高周波小平板部21の外形よりも大きくなっている。
内周縁221と高周波小平板部21との間には、四角環形状のスリット23が形成されている。このスリット23は全周にわたり同じ幅である。スリット23が形成されており、また、基板10は絶縁体であるため、高周波小平板部21と低周波小平板部22との間は電気的に離隔している。したがって、スリット23は請求項の絶縁部に相当する。
共振回路30a〜30dはいずれも同じ構成であり、本実施形態ではLC並列回路を用いる。これら共振回路30a〜30dを区別する必要がない場合には、単に、共振回路30と記載する。共振回路30は、高周波小平板部21と低周波小平板部22との間を接続している。各共振回路30a〜30dは、高周波小平板部21の辺の中点と、内周縁221の各辺の中点とを接続している。
共振回路30a〜30dが正方形状の内周縁221の各辺の中点に位置しているため、それら4つの共振回路30a〜30dから等距離にある点、すなわち4つの共振回路30a〜30dの重心は、高周波小平板部21の重心と重なっている。なお、本明細書において、重心が重なるとは、完全に重なる場合に限られず、実質的に重なっているとみなすことができる場合も含む意味である。
図2のIII−III線断面図である図3に示すように、短絡ピン60は、基板10を貫通しており、一方の端が高周波小平板部21に接続し、他方の端が地板40に接続している。地板40は、銅箔などの導電性であり、平板20よりも大きいサイズである。なお、地板40の大きさを平板20と同じ大きさとしてもよい。また、地板40は平板20と平行である。
<平面アンテナ装置1の等価回路>
図3に示すように、高周波小平板部21や低周波小平板部22と地板40とが、誘電体である基板10を介して対向していることから、高周波小平板部21、低周波小平板部22と地板40との間には静電容量が存在する。また、短絡ピン60にはインダクタンスが存在する。
高周波小平板部21と地板40との間の静電容量をC、低周波小平板部22と地板40との間の静電容量をC、短絡ピン60のインダクタンスをLとすると、平面アンテナ装置1の等価回路は図4に示す回路となる。
静電容量C、インダクタンスLで動作する部分を高周波アンテナ部1aとすると、高周波アンテナ部1aの動作周波数fは、f=1/(2π√LC)となる。短絡ピン60のインダクタンスLが決まっている場合には、高周波アンテナ部1aの動作周波数fを調整するには、静電容量Cを調整することになる。C=εS/dの周知の関係式より、高周波小平板部21の面積を調整することにより静電容量Cは調整することができる。したがって、高周波小平板部21の面積は、高周波アンテナ部1aの動作周波数fが所望の周波数となる面積とされている。
また、共振回路30は、この動作周波数fにおいてハイインピーダンスとなるように定数が設定されている。なお、本実施形態におけるハイインピーダンスとは、高周波小平板部21と低周波小平板部22とが、電気的に分離されているとみなすことができるインピーダンスを意味する。
静電容量C、インダクタンスLに加えて、静電容量Cを加えた部分を低周波アンテナ部1bとする。低周波アンテナ部1bの動作周波数fで共振回路30のインピーダンスが低ければ、低周波アンテナ部1bの動作周波数fは、f=1/(2π√L(C+C))となる。したがって、高周波アンテナ部1aの動作周波数fを所望の周波数とするために静電容量Cを決めた後に、低周波アンテナ部1bの動作周波数fを所望の周波数とするためには、静電容量Cを調整することになる。この静電容量Cは、低周波小平板部22の面積により調整することができる。
共振回路30は、前述したように、動作周波数fにおいてハイインピーダンスとなることに加えて、動作周波数fにおいてローインピーダンスとなるように定数が設定されている。
ここで、高周波アンテナ部1aの動作周波数fと低周波アンテナ部1bの動作周波数fの比と、高周波小平板部21の面積Sと低周波小平板部22の面積Sとの比の関係を説明する。
前述したように、f=1/(2π√LC)、f=1/(2π√L(C+C))である。したがって、下記のように式変形ができる。
:f=1/(2π√LC):1/(2π√L(C+C))
=1/(√LC):1/(√L(C+C))
=√L(C+C):√LC
=√(C+C):√C
さらに、S=εS/dより、
√(C+C):√C=√(ε(S+S)):√εS
=√(S+S):√S
動作周波数f、f、高周波小平板部21の面積が決まった場合、上記関係式より、低周波小平板部22の面積Sが定まる。
<平面アンテナ装置1の特性>
図5に本実施形態の平面アンテナ装置1のVSWRの周波数特性を示す。また、図5には、従来構造のアンテナ装置のVSWRの周波数特性も示している。従来構造とは、図6に示すように、平板20aが2つに分離されておらず、共振回路30を備えていない構造である。
図5に示される例では、平面アンテナ装置1のVSWRは、760MHz付近と、1720MHz付近の2つのピークが存在する。したがって、平面アンテナ装置1は2つの周波数で動作することが分かる。それに対して、従来構造では、760MHz付近に一つのピークが存在するのみである。
図7、図8は、平面アンテナ装置1の垂直偏波の水平面放射パターンであり、図7は760MHz、図8は1720MHzの場合である。これら図7、図8は、平面アンテナ装置1の地板40、平板20が水平になるようにして測定している。
この図7、図8から、平面アンテナ装置1は、2つの動作周波数ともに、水平面内において360度にわたりほぼ等しい利得が得られることが分かる。
さらに、図示していないが、平面アンテナ装置1は、図7、図8の状態において、垂直方向へは電波はほとんど放射されない。その理由を説明する。
短絡ピン60には360度全方向から電流が流れ込む。この短絡ピン60は、平板20の重心に接続されている。平板20の重心は高周波小平板部21の重心でもある。したがって、高周波小平板部21のみがアンテナ素子として動作する動作周波数fにおいて、短絡ピン60に流れこむ電流は、どの方向から流れこむ電流も、短絡ピン60の反対方向から流れ込む電流とほぼ同じ大きさになり、互いに打ち消し合う。短絡ピン60に向かう電流が、反対方向からの電流と互いに打ち消し合うため、平板20に垂直な方向への放射が抑制されるのである。
また、短絡ピン60の位置は平板20の重心でもある。そのため、高周波小平板部21と低周波小平板部22が電気的に結合して、平板20全体がアンテナ素子となる動作周波数fにおいても、短絡ピン60に向かう電流が、反対方向からの電流と互いに打ち消し合い、平板20に垂直な方向への放射が抑制される。
なお、本実施形態とは異なり、共振回路30a〜30dの重心が平板20の重心と重なっていないと、高周波小平板部21および低周波小平板部22が電気的に結合しても、平板20に垂直な方向へ電波が放射されてしまう。
その理由は以下の通りである。たとえば、共振回路30c、30dが、それぞれ、共振回路30a、30bと同じ辺において高周波小平板部21、低周波小平板部22を接続している場合には、低周波小平板部22は、主として、それら共振回路30a〜30dがある2辺が高周波小平板部21と接続されることになる。したがって、共振回路30a〜30dにより高周波小平板部21および低周波小平板部22が結合した平板20の重心は、形状上の重心よりも共振回路30a〜30dが配置されている側にずれる。その結果、短絡ピン60の位置は、高周波小平板部21と低周波小平板部22が結合されて動作しているアンテナ素子の重心ではなくなるので、前述した電流が打ち消し合う程度が減少する。したがって、平板20に垂直な方向への放射が増えてしまうのである。
これに対して、本実施形態では、共振回路30a〜30dの重心が平板20の重心と重なっている。そのため、高周波小平板部21と低周波小平板部22が電気的に結合した場合にも、短絡ピン60は、高周波小平板部21と低周波小平板部22が結合されて動作しているアンテナ素子の重心と重なっている。したがって、本実施系形態では、平板20全体がアンテナ素子として動作する動作周波数fにおいても、平板20に垂直な方向への放射が抑制される。
<第1実施形態の効果>
以上、説明した第1実施形態によれば、平板20が高周波小平板部21と低周波小平板部22の2つに分かれている。そして、共振回路30a〜30dは、高周波小平板部21の面積Sにより定まる動作周波数fでは、高周波小平板部21と低周波小平板部22とを電気的に分離する。一方、高周波小平板部21と低周波小平板部22の面積S+Sにより定まる動作周波数fでは、高周波小平板部21と低周波小平板部22とを電気的に接続する。したがって、第1実施形態の平面アンテナ装置1は、高周波小平板部21の面積Sにより定まる動作周波数fと、高周波小平板部21に低周波小平板部22を加えた面積S+Sにより定まる動作周波数fで動作する。
しかも、高周波小平板部21は2つの動作周波数f、fでアンテナ素子となることから、2つの動作周波数f、fに対応したアンテナ素子を別々に平面上に並べるよりも、平面方向を小型化できる。また、平板20を積層していないことから、厚み方向も小型化することができる。
また、この第1実施形態では、短絡ピン60が平板20の重心に接続されており、4つの共振回路30a〜30dは、それら4つの共振回路30a〜30dの重心が平板20の重心と重なるように配置されている。そのため、2つの動作周波数f、fでともに、平板20に対して垂直な方向への放射が抑制される。その結果として、2つの動作周波数f、fでともに、平板20に対して平行な方向への利得が向上する。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用できる。
図9に第2実施形態の平面アンテナ装置100の平面図を示す。この平面アンテナ装置100は、第1実施形態と同じ基板10の表面11に、平板120と、共振回路30a〜30d、31a〜31dが設けられている。
平板120は、第1実施形態と同じ高周波小平板部21を備える。また、中間周波小平板部122、低周波小平板部123も備える。中間周波小平板部122、低周波小平板部123は、いずれも、四角環形状である。高周波小平板部21と中間周波小平板部122の間、および、中間周波小平板部122と低周波小平板部123の間には、絶縁部として機能するスリット124、125が形成されている。
共振回路30a〜30dは、第1実施形態と同じ構造である。第2実施形態では、これら共振回路30a〜30dは、高周波小平板部21と中間周波小平板部122を接続している。一方、共振回路31a〜31dは、中間周波小平板部122と低周波小平板部123を接続している。
第2実施形態においても、短絡ピン60は平板120の重心に接続されている。また、共振回路30a〜30dは、それら4つの共振回路30a〜30dの重心が、平板120の重心と重なるように配置されている。共振回路31a〜31dも、それら4つの共振回路31a〜31dの重心が、平板120の重心と重なるように配置されている。
小平板部21、122、123を3つ以上備える場合には、共振回路30、31よりも給電部50、短絡ピン60側の小平板部全部が請求項の給電側小平板部である。また、その給電側小平板部に隣接しており、共振回路30、31よりも給電部50、短絡ピン60から遠い小平板部が請求項の遠方小平板部である。
したがって、共振回路30にとっては、高周波小平板部21が給電側小平板部、中間周波小平板部122が遠方小平板部である。一方、共振回路31にとっては、高周波小平板部21、中間周波小平板部122が給電側小平板部であり、低周波小平板部123が遠方小平板部である。
図10に、第2実施形態の平面アンテナ装置100の等価回路を示している。図10において、静電容量Cは中間周波小平板部122と地板40との間の静電容量であり、静電容量CL1は低周波小平板部123と地板40との間の静電容量である。また、中間周波アンテナ部100bは、静電容量C、インダクタンスLに加えて、静電容量Cを加えた部分である。低周波アンテナ部100cは、中間周波アンテナ部100bに静電容量CL1を加えた部分である。
中間周波アンテナ部100bの動作周波数をfとすると、静電容量Cは、f=1/(2π√L(C+C))である。所望の動作周波数fから定まる静電容量Cとなるように、中間周波小平板部122の面積Sが決定されている。
また、低周波アンテナ部100cの動作周波数をfL1とすると、静電容量CL1は、fL1=1/(2π√L(C+C+CL1))である。所望の動作周波数fL1から定まる静電容量CL1となるように、低周波小平板部123の面積SL1が決定されている。
共振回路31は、周波数fでハイインピーダンスとなり、周波数fL1でローインピーダンスとなるように定数が設定されている。なお、第1実施形態と同じ共振回路30は、周波数fでハイインピーダンスとなり、周波数f、fL1でローインピーダンスとなる。
<第2実施形態の効果>
この第2実施形態の平面アンテナ装置100は、平板120を3つの小平板部21、122、123に分離している。そして、高周波小平板部21と中間周波小平板部122の間は、周波数fでハイインピーダンスとなる共振回路30で接続し、中間周波小平板部122と低周波小平板部123の間は、周波数fでハイインピーダンスとなる共振回路31で接続している。
この構成により、平面アンテナ装置100を3つの動作周波数f、f、fL1で動作するようにしており、高周波小平板部21、中間周波小平板部122は複数の動作周波数でアンテナ素子となることから、3つの動作周波数f、f、fL1に対応したアンテナ素子を別々に平面上に並べるよりも、平面方向を小型化できる。また、平板120は積層構造ではないことから、厚み方向も小型化することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の変形例も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
<変形例1>
たとえば、前述の実施形態では、平板20、120は正方形状であったが、この形状に限られない。平板の形状は、正方形以外の四角形でもよいし、また、円形など四角形以外の形状でもよい。
<変形例2、3>
前述の実施形態では、共振回路30、31を4つずつ備えていたが、共振回路30、31の数は4つ以外の数でもよい。たとえば、2つの共振回路30、31を、短絡ピン60を対称点として対称な位置に配置してもよい(変形例2)。また、小平板部が、円形と、その円形の外側に配置された円環形の2つである場合、共振回路を120度間隔で3つ配置してもよい(変形例3)。このように、共振回路の数は奇数でもよい。なお、変形例2、3の場合にも、複数の共振回路の重心は、平板の重心と重なることになる。
<変形例4>
平板に対して垂直な方向への電波の放射が許容できる場合には、共振回路の重心を平板の重心に一致させなくてもよい。この場合には、共振回路は1つでもよい。
<変形例5>
また、平板に対して垂直な方向への電波の放射が許容できる場合には、短絡部を平板の重心に接続せず、平板の縁部などに接続してもよい。
<変形例6>
また、平板に対して垂直な方向への電波の放射が許容できる場合には、遠方小平板部の内側に給電側小平板部を配置しなくてもよい。たとえば、平板を左右に分割し、一方に短絡部と給電部とを設けて給電側小平板部とし、他方を遠方小平板部としてもよい。
1:平面アンテナ装置、 1a:高周波アンテナ部、 1b:低周波アンテナ部、 10:基板、 11:表面、 12:裏面、 20:平板、 21:高周波小平板部、 22:低周波小平板部、 23:スリット、 30:共振回路、 31:共振回路、 40:地板、 50:給電部、 60:短絡ピン、 100:平面アンテナ装置、 100b:中間周波アンテナ部、 100c:低周波アンテナ部、 120:平板、 122:中間周波小平板部、 123:低周波小平板部、 124:スリット、 125:スリット、 221:内周縁、 222:外周縁

Claims (3)

  1. 地板(40)と、
    前記地板に対して間隔を隔てて配置された導電性の平板(20、120)と、
    前記地板と前記平板とを電気的に接続する短絡部(60)と、
    前記平板に接続された給電部(50)と、を備えたアンテナ装置(1、100)であって、
    前記平板は、絶縁部(23、124、125)を介して互いに分離している複数の小平板部(21、22、122、123)に分かれており、
    前記複数の小平板部のうち、前記給電部および前記短絡部側の前記小平板部である給電側小平板部と、その給電側小平板部に隣接しており、その給電側小平板部よりも前記給電部および前記短絡部から遠い前記小平板部である遠方小平板部とを互いに接続する共振回路(30、31)を備え、
    前記共振回路は、前記給電側小平板部の面積により定まる動作周波数では、前記給電側小平板部と前記遠方小平板部とを電気的に分離し、前記給電側小平板部と前記遠方小平板部の面積により定まる動作周波数では、前記給電側小平板部と前記遠方小平板部とを電気的に接続することを特徴とする平面アンテナ装置。
  2. 請求項1において、
    前記遠方小平板部は環状であり、この遠方小平板部の内側に前記給電側小平板部が配置されていることを特徴とする平面アンテナ装置。
  3. 請求項2において、
    前記短絡部は、前記平板の重心に接続されており、
    前記共振回路は、複数備えられており、それら複数の共振回路の重心が前記平板の重心と重なるように、前記複数の共振回路が配置されていることを特徴とする平面アンテナ装置。
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