JP2015207619A - 光電変換装置、光電変換装置の製造方法及び電子機器 - Google Patents

光電変換装置、光電変換装置の製造方法及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】CIGS系膜に剥がれが生じることを抑制できる光電変換装置を提供する。
【解決手段】回路部は、スイッチング素子120と、スイッチング素子を覆う平坦化膜180と、を有し、光電変換部は、スイッチング素子と電気的に接続される第1電極膜210と、第1電極を覆うCIS膜またはCIGS膜で構成される光吸収膜220と、光吸収膜に接続するバッファー膜240と、バッファー膜に接続する半導体膜250と、第1電極膜と、光吸収膜と、バッファー膜と、半導体膜とを覆い、一部が開口して半導体膜を露出させる層間絶縁膜260と、層間絶縁膜から露出させた半導体膜に接続して層間絶縁膜上に設けられた第2電極膜270と、を有し、平坦化膜と光電変換部との間に設けられ、平坦化膜の熱膨張率よりも光吸収膜の熱膨張率に近い熱膨張率を有し、光吸収膜と平坦化膜との熱膨張率差により光吸収膜に生じる応力を緩和する応力緩和層SCを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、光電変換装置、光電変換装置の製造方法及び電子機器に関するものである。
カルコパイライト構造を有する半導体装置を形成する薄膜として、銅(Cu),インジウム(In),セレン(Se)を含む、いわゆるCIS系膜や、銅(Cu),インジウム(In),ガリウム(Ga),セレン(Se)等を含む、いわゆるCIGS系膜が知られている。これらのCIS及びCIGS系膜は、光電変換率に優れていることから太陽電池に多用されている。また、これらCIS及びCIGS系膜は、可視光から近赤外光まで広い波長域に渡って高い光感度を有するため、光電変換素子としてセンサー等への適用が望まれている。
例えば、特許文献1には、フォトリソグラフィー法によって、絶縁膜上に設けられた電極膜(下部電極)を覆う様にCIGS系膜が設けられた光電変換装置が公開されている。
国際公開第2008/093834号明細書
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、絶縁膜上に設けられ、パターニングされた電極膜を覆う様にCIGS系膜が形成されることから、CIGS系膜は、電極膜と接触する部分と絶縁膜と接触する部分が存在することになる。CIGS系膜を形成する際には、電極膜やCIGS系膜が高温に加熱されるため、CIGS系膜が接触する膜の熱膨張率との差が大きい場合には、当該膜との界面において応力が集中し、当該界面において、いわゆる剥がれが生じる虞があった。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、CIGS系膜に剥がれが生じることを抑制できる光電変換装置、光電変換装置の製造方法及び電子機器を提供することが可能となる。
本発明に係るひとつの光電変換装置は、基板と、前記基板上に設けられた回路部と、前記回路部に重ねて設けられた光電変換部と、を備え、前記回路部は、スイッチング素子と、前記スイッチング素子を覆う平坦化膜と、を有し、前記光電変換部は、前記スイッチング素子と電気的に接続される第1電極膜と、前記第1電極を覆って設けられるCIS膜またはCIGS膜で構成される光吸収膜と、前記光吸収膜に接続して設けられたバッファー膜と、前記バッファー膜に接続して設けられた半導体膜と、前記第1電極膜と、前記光吸収膜と、前記バッファー膜と、前記半導体膜とを覆い、一部が開口して前記半導体膜を露出させて設けられた層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜から露出させた前記半導体膜に接続して前記層間絶縁膜上に設けられた第2電極膜と、を有し、前記平坦化膜と前記光電変換部との間に設けられ、前記平坦化膜の熱膨張率よりも前記光吸収膜の熱膨張率に近い熱膨張率を有し、前記光吸収膜と前記平坦化膜との熱膨張率差により前記光吸収膜に生じる応力を緩和する応力緩和層を備えることを特徴とする。
この構成によれば、応力緩和層上に形成された第1電極膜を覆うように光吸収膜を形成した際に、光吸収膜は平坦化膜に接触することなく第1電極膜または応力緩和層に接触することになる。本発明では、応力緩和層が平坦化膜の熱膨張率よりも光吸収膜の熱膨張率に近い熱膨張率を有するため、光吸収膜と平坦化膜との熱膨張率差よりも光吸収膜と応力緩和層との熱膨張率差を小さくすることが可能となる。従って、本発明では、熱膨張率差により光吸収膜に生じる応力を緩和することができ、光吸収膜に剥がれが生じることを抑制することができる。
上記のひとつの光電変換装置において、前記応力緩和層は、第12元素と第16元素の化合物であることが好ましい。
上記のひとつの光電変換装置において、前記第12元素は、ZnまたはCdであることが好ましい。
上記のひとつの光電変換装置において、前記第16元素は、SまたはSeであることが好ましい。
上記のひとつの光電変換装置において、前記スイッチング素子及び前記光電変換部を備えた画素部が複数設けられ、隣り合う前記画素部の間には、前記応力緩和層が非形成となる非形成領域が設けられることが好ましい。
これらの構成によれば、応力緩和層が半導体材料である場合でも、応力緩和層を介して画素部間で電気リークが生じることを防止できる。
上記のひとつの光電変換装置において、前記応力緩和層は、前記平坦化膜と前記第1電極膜との間に設けられることが好ましい。
第1電極膜を覆うように光吸収膜を形成する際に、光吸収膜が平坦化膜に接触することを防止できる。
上記のひとつの光電変換装置において、前記第1電極膜は、MoまたはCrまたはTiで形成されることが好ましい。
この構成によれば、セレン化合物と接触する場合でも耐セレン腐食性を有する高融点の第1電極膜を形成することが可能となる。
上記のひとつの光電変換装置において、前記光吸収膜は、カルコパイライト構造の化合物半導体であることが好ましい。
この構成によれば、光吸収膜としてカルコパイライト構造の化合物半導体を用いた場合においても、熱膨張率差により光吸収膜に生じる応力を緩和することができ、光吸収膜に剥がれが生じることを抑制することができる。
本発明に係るひとつの電子機器は、上記の光電変換装置を備えることを特徴とする。
この構成によれば、光吸収膜に剥がれが生じることを抑制された高品質の電子機器を得ることができる。
本発明に係るひとつの光電変換装置の製造方法は、回路部を形成する回路部形成工程と、前記回路部を形成した後に光電変換部を形成する光電変換部形成工程と、を含み、前記回路部形成工程は、スイッチング素子を形成する工程と、平坦化膜を形成する工程とを含み、前記光電変換部形成工程は、前記スイッチング素子と電気的に接続される第1電極膜を形成する工程と、前記第1電極を覆って設けられるCIS膜またはCIGS膜で構成される光吸収膜を形成する工程と、前記光吸収膜に接続してバッファー膜を形成する工程と、前記バッファー膜に接続する半導体膜を形成する工程と、前記第1電極膜、前記光吸収膜、前記バッファー膜及び前記半導体膜を覆い、前記半導体膜の一部を露出させて層間絶縁膜を形成する工程と、前記露出させた前記半導体膜及び前記層間絶縁膜に接続させて第2電極膜を形成する工程とを含み、前記平坦化膜と前記光電変換部との間に、前記平坦化膜の熱膨張率よりも前記光吸収膜の熱膨張率に近い熱膨張率を有し、前記光吸収膜と前記平坦化膜との熱膨張率差により前記光吸収膜に生じる応力を緩和する応力緩和層を形成する工程を含むことを特徴とする。
この方法によれば、応力緩和層上に形成された第1電極膜を覆うように光吸収膜を形成した際に、光吸収膜は平坦化膜に接触することなく第1電極膜または応力緩和層に接触することになる。これにより、応力緩和層が平坦化膜の熱膨張率よりも光吸収膜の熱膨張率に近い熱膨張率を有するため、光吸収膜と平坦化膜との熱膨張率差よりも光吸収膜と応力緩和層との熱膨張率差を小さくすることが可能となる。従って、本発明では、熱膨張率差により光吸収膜に生じる応力を緩和することができ、光吸収膜に剥がれが生じることを抑制することができる。
本実施形態に係る光電変換装置1の概略構成を示す平面図。 画素部PXを拡大した平面図。 図2におけるA−A線視断面図。 光電素子200の要部詳細を示す断面図。 光電変換装置1の製造工程を示すフローチャート。 光電変換装置1の製造工程を示す図。 光電変換装置1の製造工程を示す図。 本発明の実施形態に係る光電変換装置1を備える電子機器の概略図。
以下、本発明の光電変換装置、光電変換装置の製造方法及び電子機器の実施の形態を、図1ないし図8を参照して説明する。
なお、以下に記載の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
図1は、本実施形態に係る光電変換装置1の概略構成を示す平面図である。図2は、画素部PXを拡大した平面図である。図3は、図2におけるA−A線視断面図である。
[光電変換装置の構造]
図1乃至図3に示す光電変換装置1は、マトリクス状に配列された複数の画素部PXを備えている。画素部PXは、図2に示すように、信号線(ソース電極)31と走査線(ゲート電極)32との交差部に配置されている。
図3に示すように、光電変換装置1は、基板110と、回路部10と、光電変換部20と、を備えている。基板110は、ガラス等の材料を含み形成されている。基板110は、例えば、ホウ珪酸ガラス等が用いられている。
回路部10は、基板110上にスイッチング素子120としての薄膜トランジスターを備えている。また、回路部10は、当該スイッチング素子120を覆う平坦化膜180を備えている。
[回路部の構造]
回路部10は、基板110上にソース・ドレイン電極や、ゲート電極、絶縁膜等から構成されるスイッチング素子120としての薄膜トランジスターが設けられている。本実施形態の各図において、スイッチング素子120は、いわゆるポリシリコン薄膜トランジスターを示している。しかし、これに限定されることなくスイッチング素子120は、アモルファスシリコン薄膜トランジスターを設けても良い。
また、回路部10は、スイッチング素子120を覆い、基板110と重なる様に対応させて平坦化膜180が設けられている。平坦化膜180は、例えば、熱膨張率が約0.5ppm/K(=0.5×10−6/K)の酸化シリコン(SiO)を含み設けられている。
[光電変換部の構造]
光電変換部20は、応力緩和層SCを介して回路部10の平坦化膜180上に設けられた第1電極膜(下部電極)210と、光電素子200と、層間絶縁膜260と、第2電極膜(画素電極)270と、を備えている。
第1電極膜210は、各画素部PX毎に独立して設けられている。第1電極膜210は、コンタクト部33においてゲート電極32を介してスイッチング素子120に電気的に接続される。第1電極膜210は、平坦化膜180に形成された孔部181の内面に成膜された応力緩和層SC上にも成膜され、スイッチング素子120に接続されたゲート電極32と接続されてコンタクト部33を形成する。第1電極膜210は、高融点で耐セレン(Se)腐食性を有する金属として、例えば、熱膨張率が約5.0ppm/K(=5.0×10−6/K)のモリブデン(Mo)等を含み設けられている。なお、モリブデンの他にCr(クロム)やTi(チタン)等の金属を用いてもよい。
図4は、光電素子200の要部詳細を示す断面図である。
光電素子200は、カルコパイライト構造を有する半導体装置であり、光電変換装置1に入射する光を電気信号に変換するものである。光電素子200は、第1電極膜210上に順次設けられた(積層された)光吸収膜220と、n型半導体のバッファー膜240と、半導体膜250と、を備えている。
光吸収膜220は、例えば、カルコパイライト構造を有する化合物半導体である。光吸収膜220は、例えば、Cu(Inx、Ga(1−x))Se(0≦x≦1)で構成された、熱膨張率が約9.0ppm/K(=9.0×10−6/K)のいわゆるCIGS(Cu,In,Ga,Se)系膜である。光吸収膜220はとして、例えば、CIS(Cu,In,Se)系膜であってもよい。
光電素子200が備えるバッファー膜240は、例えば、カドミウム(Cd)及び硫黄(S)等を含み設けられている。また、半導体膜250は、例えば、n型の半導体膜250で酸化亜鉛(ZnO)等を含み設けられている。
光電変換部20の層間絶縁膜260は、平坦化膜180と重なる様に対応させて第1電極膜210と、光電素子200(光吸収膜220、バッファー膜240、半導体膜250)と、応力緩和層SCとを囲む様に設けられている。層間絶縁膜260は、図4に示すように、その一部を開口し半導体膜250を露出させた露出領域251を備える。露出領域251は、換言すると層間絶縁膜260で半導体膜250を覆わない領域である。
第2電極膜270は、光電素子200から電気信号を取り出す電極であって、層間絶縁膜260と重なる様に対応させて設けられている。なお、第2電極膜270は、その一部が光電素子200の半導体膜250と、露出領域251で接続されている。第2電極膜270は、例えば、ITO(Indium tin oxide)等を含み形成されている。
また、第2電極膜270は、図示を省略する信号線(ソース電極)と接続され、光電変換部20で変換された光を電気信号として出力している。
応力緩和層SCは、光吸収膜220を成膜する際に光吸収膜220と平坦化膜180との熱膨張率差によって光吸収膜220に生じる応力を緩和するものである。応力緩和層SCは、光電変換部20と平坦化膜180との間に設けられている。より詳細には、応力緩和層SCは、第1電極膜210と平坦化膜180との間に設けられている。応力緩和層SCは、例えば、第12元素と第16元素の化合物で構成される。応力緩和層SCを構成する第12元素としては、Zn(亜鉛)またはCd(カドミウム)を好適に選択できる。応力緩和層SCを構成する第16元素としては、S(硫黄)またはSe(セレン)を好適に選択できる。本実施形態では、応力緩和層SCは、熱膨張率が約7.0ppm/K(=7.0×10−6/K)のZnSeで形成される。
平坦化膜180上で層間絶縁膜260が設けられた領域については、応力緩和層SCの非形成領域である。すなわち、隣り合う画素部PXの間には応力緩和層SCが形成されない領域が層間絶縁膜260によって形成されている。上記の光電素子200(光吸収膜220、バッファー膜240、半導体膜250)は、応力緩和層SCに積層されるように設けられている。
[光電変換装置の製造方法]
次に、光電変換装置1を製造する各工程について、図5に示すフローチャート、図6及び図7に示す製造工程図を参照して説明する。
図5に示すように、光電変換装置1を製造する工程は、回路部形成工程S100と、応力緩和層形成工程S110と、光電変換部形成工程S200と、を含む。以下、工程順に光電変換装置1の製造工程について説明する。
[回路部形成工程]
回路部形成工程S100は、基板110上に回路部10としてのスイッチング素子120を形成する工程である。
回路部形成工程S100は、公知の半導体装置製造工程を用いて基板110上にスイッチング素子120として薄膜トランジスターを形成する工程である。当該スイッチング素子120を形成する工程は公知の技術であるため説明を省略する。
また、回路部形成工程S100は、スイッチング素子120としての薄膜トンランジスターを覆う平坦化膜180の形成を行う平坦化膜形成工程を含む。
平坦化膜形成工程は、当該回路部形成工程S100で形成されたスイッチング素子120を覆う様に、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)によって酸化シリコン膜(SiO膜)等を平坦化膜180として形成する。
平坦化膜形成工程においては、スイッチング素子120を覆う平坦化膜180が形成された後に、コンタクト部33を形成するための孔部181を形成することを含む。
[応力緩和層形成工程]
応力緩和層形成工程S110は、応力緩和層SCを形成する工程である。
図6(a)は、平坦化膜180上に応力緩和層SCが形成された状態を示している。
応力緩和層SCは、平坦化膜形成工程で形成された平坦化膜180を覆うように、例えば、CVD法(化学的蒸着法、化学気相成長法とも称される)によって、孔部181の内面を含めてZnSe膜を応力緩和層SCとして形成する。
[光電変換部形成工程]
光電変換部形成工程S200は、光電変換部20を形成する工程である。
光電変換部形成工程S200は、第1電極膜形成工程S210、パターニング工程S215、光吸収膜形成工程S220、パターニング工程S230、バッファー膜形成工程S240、半導体膜形成工程S250、層間絶縁膜形成工程S260及び第2電極膜形成工程S270を含む。
光電変換部形成工程S200は、前述の応力緩和層形成工程S110で形成した応力緩和層SCに重ねて光電変換部20を形成する工程である。
[第1電極膜形成工程]
第1電極膜形成工程S210は、前述の応力緩和層形成工程S110で形成された応力緩和層SC上に、モリブデン(Mo)を含む第1電極膜210を形成する工程である。
図6(b)は、応力緩和層SC上に第1電極膜210が形成された状態を示している。第1電極膜形成工程S210は、例えば、スパッタ法を用いてモリブデン(Mo)を含む第1電極膜210を応力緩和層SC上に形成する。
[パターニング工程]
パターニング工程S215は、第1電極膜210を所定の形状に形成する工程である。
図6(c)は、パターニング工程S215によって、第1電極膜210が所定の形状にパターニングされた状態を示している。第1電極膜210を所定の形状にパターニングするパターニング工程S215は、例えば、第1電極膜210上にフォトリソグラフィーにてマスクパターン(不図示)を形成し、ドライエッチング法等によって、マスクパターンが形成されていない領域、即ち、所定の形状として不要な第1電極膜210の除去を行う。
次に、光電素子200を形成する光吸収膜形成工程S220、パターニング工程S230、バッファー膜形成工程S240及び半導体膜形成工程S250について説明する。
[光吸収膜形成工程]
光吸収膜形成工程S220は、第1電極膜210上に銅(Cu)、インジウム(In)、又は銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)等を含む光吸収膜220を形成する工程である。
図6(d)は、光吸収膜形成工程S220によって前述の第1電極膜210を覆う光吸収膜220が形成された状態を示している。
光吸収膜形成工程S220は、例えば銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)の合金221をセレン(Se)雰囲気中で加熱する、いわゆるアニールを行うセレン化工程を含む。合金221は、セレン化工程によってセレン(Se)雰囲気中でアニールすることでセレン化され、CIGS(Cu,In,Ga,Se)系膜として形成される。
本実施形態においてセレン化工程は、そのアニール温度を概ね500℃とした。なお、当該温度は、光吸収膜221の特性(構成)によって適宜変更しても良い。
光吸収膜形成工程S220としては、例えば、スパッタ法(蒸着法)を用いて銅(Cu)と、インジウム(In)、又は銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)等とを含む光吸収膜220を形成することも可能である。
また、合金221として、Cu,Inを用い、セレン化工程を行い、いわゆるCIS(Cu,In,Se)系膜を形成することも可能である。
光吸収膜形成工程S220で形成された光吸収膜220は、図6(d)に示すように、第1電極膜210及び応力緩和層SCに接触して形成される。光吸収膜220は熱膨張率が約9.0ppm/Kであり、第1電極膜210は熱膨張率が約5.0ppm/Kであり、応力緩和層SCは、熱膨張率が約7.0ppm/Kであり、これらの熱膨張率差は微小である。一方、平坦化膜180は熱膨張率が約0.5ppm/Kであり、光吸収膜220のと熱膨張率差が大きいものとなっている。そのため、応力緩和層SCが存在しない状態で光吸収膜220が形成された場合、熱膨張率差が大きい光吸収膜220と平坦化膜180とが接触することになる。光吸収膜220と平坦化膜180とが接触した状態で500℃の温度下でアニールを行うと、熱膨張率差に起因して光吸収膜220に生じる応力集中が大きくなるが、本実施形態では平坦化膜180上に応力緩和層SCが形成されているため、500℃の温度下でアニールを行った場合でも、熱膨張率差に起因して光吸収膜220に生じる応力が緩和される。
[パターニング工程]
パターニング工程S230は、光吸収膜220と第1電極膜210と応力緩和層SCとを所定の形状に形成する工程である。図7(a)は、パターニング工程S230によって、光吸収膜220と第1電極膜210と応力緩和層SCとが所定の形状にパターニングされた状態を示している。光吸収膜220と第1電極膜210と応力緩和層SCとを所定の形状にパターニングするパターニング工程S230は、例えば、光吸収膜220上にフォトリソグラフィーにてマスクパターン(不図示)を形成し、ドライエッチング法等によって、マスクパターンが形成されていない領域、即ち、所定の形状として不要な光吸収膜220、第1電極膜210及び応力緩和層SCの除去を行う。応力緩和層SCは半導体材料で形成されているため、応力緩和層SCが残留していると応力緩和層SCを介して画素部PX間で電流のリークが生じる可能性がある。そのため、応力緩和層SCについても画素部PX毎に独立させるためにパターニングを行う。
[バッファー膜形成工程]
バッファー膜形成工程S240は、前述のパターニング工程S230でパターニングされた光吸収膜220上に、バッファー膜240を形成する工程である。
図7(b)は、当該工程によって光吸収膜220上に、バッファー膜240が形成された状態を示している。
バッファー膜形成工程S240は、例えば、溶液成長(Chemical Bath Deposition)法によって、カドミウム(Cd)及び硫黄(S)等を含むバッファー膜240を形成する。その後、バッファー膜240上にフォトリソグラフィーにてマスクパターン(不図示)を形成し、ドライエッチング法等によって、マスクパターンが形成されていない領域、即ち、所定の形状として不要なバッファー膜240の除去を行う。
[半導体膜形成工程]
半導体膜形成工程S250は、前述のバッファー膜形成工程S240で形成したバッファー膜240上に、半導体膜250を形成する工程である。
図7(c)は、当該工程によってバッファー膜240上に、半導体膜250が形成された状態を示している。
半導体膜形成工程S250は、例えば、スパッタ法によって、酸化亜鉛(ZnO)等を含むn型の半導体膜250を形成する。その後、半導体膜250上にフォトリソグラフィーにてマスクパターン(不図示)を形成し、ドライエッチング法等によって、マスクパターンが形成されていない領域、即ち、所定の形状として不要な半導体膜250の除去を行う。
[層間絶縁膜形成工程]
層間絶縁膜形成工程S260は、平坦化膜180に対応させて第1電極膜210と、光電素子200(光吸収膜220、バッファー膜240、半導体膜250)とを囲む様に層間絶縁膜260を形成する工程である。
図7(d)は、当該工程によって層間絶縁膜260が形成された状態を示している。層間絶縁膜形成工程S260は、例えば、CVD法によって窒化シリコン(SiNx)を含む層間絶縁膜260を平坦化膜180に対応して形成する。また、後述する第2電極膜形成工程S270によって形成する第2電極膜270と半導体膜250とが接続される露出領域251の形成を行う。露出領域251の形成は、例えば、層間絶縁膜260上にフォトリソグラフィー法等によって、露出領域251となる部分が開口したマスクパターン(不図示)を形成する。更に、ドライエッチング法等によって、前述のマスクパターンが開口した部分、即ち、露出領域251となる部分の層間絶縁膜260を除去し、半導体膜250を露出させる。
[第2電極膜形成工程]
第2電極膜形成工程S270は、前述の光電素子200の半導体膜250の露出領域251上と、層間絶縁膜260上と、に第2電極膜270を形成する工程である。
図4は、当該工程によって第2電極膜270が光電素子200の半導体膜250と接続して形成された状態を示している。第2電極膜形成工程S270は、前述の層間絶縁膜形成工程S260で設けられた層間絶縁膜260上、及び露出領域251において露出する半導体膜250上に第2電極膜270を形成する。第2電極膜形成工程S270は、例えば、スパッタ法等によってITOを含む第2電極膜270を形成する。その後、第2電極膜270上にフォトリソグラフィーにてマスクパターン(不図示)を形成し、ウエットエッチング法等によって、マスクパターンが形成されていない領域、即ち、所定の形状として不要な第2電極膜270の除去を行う。第2電極膜形成工程S270が完了することで、光電変換装置1を製造する各工程が終了する。
以上説明したように、本実施形態では、平坦化膜180と光電変換部20との間、より詳細には平坦化膜180と第1電極膜210との間に、平坦化膜180の熱膨張率よりも光吸収膜220の熱膨張率に近い熱膨張率を有する応力緩和層SCが設けられているため、光吸収膜220を形成した際に熱膨張率差に起因して光吸収膜220に生じる応力集中を緩和できる。そのため、本実施形態では、応力集中によって光吸収膜220に剥がれが生じることを抑制可能である。
また、本実施形態では、複数の画素部PXの間に応力緩和層SCの非形成領域が設けられるように、パターニング工程S230で応力緩和層SCを画素部PX毎に独立するようにパターニングしているため、応力緩和層SCを介して画素部PX間で電気リークが生じることを防止することが可能である。
[電子機器]
次いで、本発明の一実施形態に係る光電変換装置1を適用した電子機器の実施例について、図8に基づき説明する。
図8は、本発明の実施形態に係る光電変換装置1を備える電子機器としてのアルコール濃度測定装置1000の概略を示す図である。図8に示すアルコール濃度測定装置1000は、静脈に流れる血液に光を照射し、その反射する光を光電変換装置1で受光して血液中のアルコール濃度を測定する装置である。
この様なアルコール濃度測定装置1000には、指1200に光を照射し、その反射した光を受光する撮像装置1120と、制御装置1140と、を備える。撮像装置1120には、発光部1121と、受光部1122として光電変換装置1を備える。また、指1200を乗せる検出面1160を備える。
制御装置1140には、発光部1121を制御する発光制御部1141と、受光部1122としての光電変換装置1から出力された電気信号を処理する受光処理部1142と、受光処理部1142で処理された信号に基づきアルコール濃度の測定を行う測定部1143と、を備える。
光電変換装置1を備える電子機器としてのアルコール濃度測定装置1000は、受光部1122として本発明の実施形態に係る光電変換装置1が搭載されることで、血液に反射される光の受光の信頼性を高めることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、本発明の実施形態に係る光電変換装置1は、図8のアルコール濃度測定装置1000の他にも、例えば、各種の光センサー、イメージセンサー、生体認証装置、指紋撮像装置や静脈パターン撮像装置、虹彩撮像装置等の固体撮像装置、太陽電池装置等に適用することができる。
また、上記実施形態では、応力緩和層SCが第12元素としてのZnと第16元素としてのSeとの化合物である構成を例示したが、これに限定されるものではなく、第12元素としてCdを用いたり、第16元素としてSを用いる構成を適宜選択可能である。本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において広く適用が可能である。
1…光電変換装置、 10…回路部、 20…光電変換部、 110…基板、 120…スイッチング素子、 180…平坦化膜、 210…第1電極膜(下部電極)、 220…光吸収膜、 240…バッファー膜、 250…半導体膜、 260…層間絶縁膜、 270…第2電極膜(画素電極)、 1000…アルコール濃度測定装置(電子機器)、 PX…画素部、 SC…応力緩和層

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられた回路部と、
    前記回路部に重ねて設けられた光電変換部と、を備え、
    前記回路部は、
    スイッチング素子と、前記スイッチング素子を覆う平坦化膜と、を有し、
    前記光電変換部は、
    前記スイッチング素子と電気的に接続される第1電極膜と、前記第1電極を覆って設けられるCIS膜またはCIGS膜で構成される光吸収膜と、
    前記光吸収膜に接続して設けられたバッファー膜と、
    前記バッファー膜に接続して設けられた半導体膜と、
    前記第1電極膜と、前記光吸収膜と、前記バッファー膜と、前記半導体膜とを覆い、一部が開口して前記半導体膜を露出させて設けられた層間絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜から露出させた前記半導体膜に接続して前記層間絶縁膜上に設けられた
    第2電極膜と、を有し、
    前記平坦化膜と前記光電変換部との間に設けられ、前記平坦化膜の熱膨張率よりも前記光吸収膜の熱膨張率に近い熱膨張率を有し、前記光吸収膜と前記平坦化膜との熱膨張率差により前記光吸収膜に生じる応力を緩和する応力緩和層を備えることを特徴とする光電変換装置。
  2. 前記応力緩和層は、第12元素と第16元素の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記第12元素は、ZnまたはCdであることを特徴とする請求項2に記載の光電変換装置。
  4. 前記第16元素は、SまたはSeであることを特徴とする請求項2または3に記載の光電変換装置。
  5. 前記スイッチング素子及び前記光電変換部を備えた画素部が複数設けられ、
    隣り合う前記画素部の間には、前記応力緩和層が非形成となる非形成領域が設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光電変換装置。
  6. 前記応力緩和層は、前記平坦化膜と前記第1電極膜との間に設けられることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の光電変換装置。
  7. 前記第1電極膜は、MoまたはCrまたはTiで形成されることを特徴とする請求項6項に記載の光電変換装置。
  8. 前記光吸収膜は、カルコパイライト構造の化合物半導体であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の光電変換装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の光電変換装置を備えることを特徴とする電子機器。
  10. 回路部を形成する回路部形成工程と、
    前記回路部を形成した後に光電変換部を形成する光電変換部形成工程と、を含み、
    前記回路部形成工程は、スイッチング素子を形成する工程と、平坦化膜を形成する工程とを含み、
    前記光電変換部形成工程は、前記スイッチング素子と電気的に接続される第1電極膜を形成する工程と、前記第1電極を覆って設けられるCIS膜またはCIGS膜で構成される光吸収膜を形成する工程と、前記光吸収膜に接続してバッファー膜を形成する工程と、前記バッファー膜に接続する半導体膜を形成する工程と、前記第1電極膜、前記光吸収膜、前記バッファー膜及び前記半導体膜を覆い、前記半導体膜の一部を露出させて層間絶縁膜を形成する工程と、前記露出させた前記半導体膜及び前記層間絶縁膜に接続させて第2電極膜を形成する工程とを含み、
    前記平坦化膜と前記光電変換部との間に、前記平坦化膜の熱膨張率よりも前記光吸収膜の熱膨張率に近い熱膨張率を有し、前記光吸収膜と前記平坦化膜との熱膨張率差により前記光吸収膜に生じる応力を緩和する応力緩和層を形成する工程を含むことを特徴とする光電変換装置の製造方法。
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