JP6085879B2 - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は、カルコパイライト構造の化合物半導体層の接合構造を採用した光電変換装置の製造方法に関する。
カルコパイライト型半導体を用いた固体撮像素子が公知である。たとえば、特許文献1は、紫外光帯域から可視光帯域、さらには近赤外帯域までの光を感知する光電変換装置を開示している。
特開2011−151271号公報
特許文献1のようにカルコパイライト型化合物半導体を用いた構造については、当該カルコパイライトの粒径によって当該構造の特性が変化する。たとえば、特許文献1の光電変換装置を例に挙げれば、下部電極層上のカルコパイライト型化合物半導体層の粒径は、できる限り大きい方が好ましい。当該粒径が大きくなればなるほど、光電変換装置に発生する暗電流を低減できるためである。カルコパイライト型化合物半導体の粒径を変更するには、従来は当該化合物半導体の製膜条件を調節する必要があった。たとえば、基板の温度や、化合物半導体を構成する原子の組成比を変更する必要があった。
しかしながら、製膜条件を変更すると、基板上の全ての箇所において膜構造が変化する。そのため、基板上の特定の位置の粒径のみを選択的に変更することは困難である
発明の目的は、カルコパイライト型化合物半導体の製膜条件によらず、当該半導体の粒径を独立して制御することができる光電変換装置の製造方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、暗電流を低減することができる光電変換装置の製造方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、暗電流の低減と画素セル間の境界のばらつき低減を両立することができる光電変換装置の製造方法を提供することである。
上記の目的を達成するための光電変換装置は、基板と、前記基板の表面に配置された下部電極層と、前記下部電極層の表面を覆うように前記基板上に配置されたカルコパイライト構造の化合物半導体層と、前記化合物半導体層上に配置された透明電極層と、少なくとも前記下部電極層の前記表面に形成された微細な凹凸構造とを含む。
この構成によれば、微細な凹凸構造の形状(ピッチ、深さ等)に合わせてカルコパイライト構造の化合物半導体の粒径を変更することができる。そのため、微細な凹凸構造が形成された部分での粒径を、化合物半導体層の製膜条件から独立して制御することができる。この光電変換装置では、少なくとも下部電極層に微細な凹凸構造が形成されているので、粒径をできる限り大きく制御することによって、量子効率を向上できると共に、暗電流を低減することができる。
前記光電変換装置では、前記下部電極層が互いに間隔を空けて複数配列されており、前記微細な凹凸構造は、前記基板の前記表面における前記下部電極層の間の領域に選択的に形成されていてもよい
この構成によれば、微細な凹凸構造が下部電極層の間の領域、つまり互いに隣り合う画素セルの間の領域に形成されているので、粒径をできる限り小さく制御することによって、画素セル間の境界のずれ量を小さくすることができる。よって、画素セル間の境界のばらつきを低減することができる。
前記光電変換装置では、前記微細な凹凸構造のピッチが1000nm以下であることが好ましい。
具体的には、前記下部電極層がWからなる場合、前記微細な凹凸構造のピッチが500nm以上であることが好ましい。これにより、比較的大きな粒径のカルコパイライト型化合物半導体を、下部電極層上に形成することができる。また、前記基板の前記表面がSiOからなる場合、前記微細な凹凸構造のピッチが500nm以下であることが好ましい。これにより、比較的小さな粒径のカルコパイライト型化合物半導体を、下部電極層の間の領域に形成することができる。
記化合物半導体層は、Cu(InGa1−x)Se(0≦y≦1、0≦x≦1)で示されるCIGS系半導体からなることが好ましい。
記光電変換装置は、前記基板に設けられた回路部を含むことが好ましい。回路部と化合物半導体層とを積層配置することによって、基板上の領域のほとんどを光の検出面として有効利用することができる。そのため、検出面積を十分に確保可能な光電変換装置を設計することができるので、素子の感度を向上させることができる。
記回路部は、CMOS電界効果トランジスタを含んでいてもよい。この場合、前記CMOS電界効果トランジスタは、前記基板に選択的に形成されたソース層およびドレイン層と、前記ソース層と前記ドレイン層との間に配置されたゲート電極とを含んでいてもよい。
記透明電極層は、ZnO、ITOからなっていてもよい。
記光電変換装置は、前記化合物半導体層と前記透明電極層との間に配置されたバッファ層を含んでいてもよい。この場合、前記バッファ層は、CdS、ZnS、ZnO、(ZnMg1−z)O(0≦z≦1)、ZnSeまたはInからなっていてもよい。
また、上記の目的を達成するためカルコパイライト型化合物半導体の接合構造は、ベース層と、前記ベース層の表面に配置されたカルコパイライト構造の化合物半導体層と、前記ベース層の前記表面における前記化合物半導体層が配置された領域に形成された微細な凹凸構造とを含む。
この構成によれば、微細な凹凸構造の形状(ピッチ、深さ等)に合わせてカルコパイライト構造の化合物半導体の粒径を変更することができる。そのため、微細な凹凸構造が形成された部分での粒径を、化合物半導体層の製膜条件から独立して制御することができる。
前記カルコパイライト型化合物半導体の接合構造では、前記微細な凹凸構造のピッチが1000nm以下であることが好ましい。
また、上記の目的を達成するための光電変換装置の製造方法は、基板の表面に下部電極層を形成する工程と、前記基板の前記表面側から所定の表面処理を施すことによって、少なくとも前記下部電極層の表面に微細な凹凸構造を形成する工程と、前記微細な凹凸構造の形成後、前記下部電極層の前記表面を覆うようにカルコパイライト構造の化合物半導体層を形成する工程と、前記化合物半導体層上に透明電極層を形成する工程とを含み、前記下部電極層を形成する工程は、複数の下部電極層を互いに間隔を空けて形成する工程を含み、前記微細な凹凸構造を形成する工程は、前記基板の前記表面における前記下部電極層の間の領域に、前記下部電極層の前記表面と同時に前記微細な凹凸を形成する工程を含む。
この方法によれば、微細な凹凸構造の形状(ピッチ、深さ等)に合わせてカルコパイライト構造の化合物半導体の粒径を変更することができる。そのため、微細な凹凸構造が形成された部分での粒径を、化合物半導体層の製膜条件から独立して制御することができる。この光電変換装置では、少なくとも下部電極層に微細な凹凸構造を形成するので、粒径をできる限り大きく制御することによって、量子効率を向上できると共に、暗電流を低減することができる。
また、この方法によれば、微細な凹凸構造が下部電極層の間の領域、つまり互いに隣り合う画素セルの間の領域に形成するので、粒径をできる限り小さく制御することによって、画素セル間の境界のずれ量を小さくすることができる。よって、画素セル間の境界のばらつきを低減することができる。
前記光電変換装置の製造方法では、前記所定の表面処理は、エッチングプロセスまたはリフトオフプロセスであることが好ましい。また、エッチングプロセスを採用する場合、フォトリソグラフィ、電子ビーム描画またはナノインプリントによってパターニングされたマスクを用いてエッチングを行うことが好ましい。これにより、微細な凹凸構造を簡単に形成することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光電変換装置の模式的な平面図である。 図2は、図1の切断面II−IIでの断面図である。 図3は、前記光電変換装置の要部を説明するための断面図である。 図4は、微細な構造の形状の一例を説明するための図である。 図5Aは、第1実施形態の光電変換装置の製造工程の一部を示す図である。 図5Bは、図5Aの次の工程を示す図である。 図5Cは、図5Bの次の工程を示す図である。 図5Dは、図5Cの次の工程を示す図である。 図5Eは、図5Dの次の工程を示す図である。 図5Fは、図5Eの次の工程を示す図である。 図6は、前記微細な凹凸構造によってCIGS粒径を制御できることを証明するための図である。 図7は、前記微細な凹凸構造によって画素セル間の境界のばらつき低減できることを説明するための図である。 図8は、本発明の第2実施形態に係る光電変換装置の要部を説明するための断面図である。 図9は、本発明の第3実施形態に係る光電変換装置の要部を説明するための断面図である。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光電変換装置の模式的な平面図である。
光電変換装置1は、入射された光を検出し、光のエネルギを電気信号に変換するイメージセンサである。
光電変換装置1は、一次元に複数配列することによってラインイメージセンサとして使用してもよいし、二次元に複数配列することによってエリアイメージセンサとして使用してもよい。また、光電変換装置1は、セキュリティカメラ(昼間は可視光をセンシングし、夜間は近赤外光をセンシングするカメラ)、個人認証カメラ(外光の影響を受けない近赤外光で個人認証するためのカメラ)、あるいは車載カメラ(夜間の視覚補助や遠方の視野確保などのために車に搭載されるカメラ)用のイメージセンサ、さらに医療用の近赤外光検出用のイメージセンサ、および幅広い波長帯域における光検出装置(フォトディテクタ)、アバランシェフォトダイオード等に適用可能である。さらに、光電変換装置1は、太陽電池に適用してもよい。
光電変換装置1は、基板2と、複数の画素セル3と、透明電極層4と、金属電極層6と、複数のパッド7とを含む。
基板2は、たとえば、シリコン(Si)からなる。基板2は、たとえば、5mm〜10mm角のサイズを有している。基板2の中央部には受光領域8が形成され、受光領域8を取り囲むように周辺領域9が形成されている、基板2は、たとえば、400μm〜1000μmの厚さを有している。また、光電変換装置1を太陽電池に適用する場合には、基板2は、青板ガラス(SLG)からなっていてもよい。その場合、基板2は、50cm×100cm角、2mm厚のサイズを有していることが好ましい。
複数の画素セル3は、この実施形態では、受光領域8にマトリクス状(行列状)に配列されており、隣り合う画素セル3には境界31が設定されている。各画素セル3には、下部電極層10が1つずつ配置されている。そして、マトリクス状の画素セル3を一括して覆うように、透明電極層4が画素セル3上に配置されている。なお、下部電極層10は、各画素セル3に複数個設けられていてもよい。
金属電極層6は、たとえば、アルミニウム(Al)からなる。金属電極層6は、周辺領域9において、透明電極層4を取り囲む環状に形成されており、透明電極層4の周縁部41を覆っている。これにより、金属電極層6は、透明電極層4の周縁部41に接続されている。
複数のパッド7は、金属電極層6に対して間隔を隔てた領域に互いに間隔をあけて配列されている。この実施形態では、複数のパッド7は、基板2の各辺に沿って直線状に配列されている。複数のパッド7のうちの幾つか(1つであっても、複数であってもよい)は、金属電極層6と一体的に形成されたパッド接続部11を介して金属電極層6に接続されている。パッド接続部11は、当該パッド7と金属電極層6との間に跨って形成されている。
次に、光電変換装置1の断面構造を説明する。図2は、図1の切断面II−IIでの断面図である。
光電変換装置1は、基板2上に順に積層された、下部電極層10、化合物半導体層13、バッファ層14、透明電極層4、金属電極層6および表面保護膜15を含む。
基板2は、回路部12を有している。回路部12は、たとえば、CMOS電界効果トランジスタを含む。図2において、回路部12には、CMOS電界効果トランジスタの一部を構成する複数のnチャネルMOSトランジスタを示している。当該nチャネルMOSトランジスタは、基板2の表面部に選択的に形成されたソース層16およびドレイン層17と、ソース層16とドレイン層17の間に配置されたゲート電極18と、基板2上にゲート電極18を覆うように形成された層間膜19(たとえば、SiO膜)と、層間膜19を貫通するビア電極20とを含む。ゲート電極18と基板2との間には、ゲート絶縁膜21が配置されている。
ビア電極20のうちの幾つか(1つであっても、複数であってもよい)は、下部電極層10とゲート電極18とを接続している。ゲート電極18に下部電極層10(アノード)が接続されるので、化合物半導体層13で検出された光情報(電気信号)は、当該nチャネルMOSトランジスタによって増幅される。ビア電極20の残り(1つであっても、複数であってもよい)は、パッド7とゲート電極18とを接続している。これにより、金属電極層6は、周辺領域9において回路部12に電気的に接続されている。なお、図2に示した回路部12の構成は、一例に過ぎない。たとえば、回路部12は、ガラス基板上の薄膜上に形成されたCMOS構成の薄膜トランジスタであってもよい。
下部電極層10は、層間膜19上に、マトリクス状に複数配列されている。各下部電極層10の厚さは、たとえば1000Å程度である。また、下部電極層10は、たとえば、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)またはタングステン(W)からなる。これらのうち、タングステン(W)が好ましい。タングステン(W)は他の材料に比べて反射率が高いので、化合物半導体層13に入射した光だけでなく、下部電極層10で反射した光も化合物半導体層13で検出することができる。また、タングステン(W)は、LSI製造技術を利用して簡単に加工することができるので、下部電極層10のサイズをコントロールし易い。
化合物半導体層13は、境界31によって複数の画素セル3に区画されている。化合物半導体層13は、0.1μm〜2μmの厚さを有していることが好ましく、具体的には、1.2μm程度の厚さを有していることが好ましい。また、光電変換装置1を太陽電池に適用する場合には、化合物半導体層13は、1.8μm程度の厚さを有していることが好ましい。
化合物半導体層13は、カルコパイライト構造の化合物半導体からなる。カルコパイライト構造の化合物半導体は、黄銅鉱(chalcopyrite)と同じ結晶構造であり、たとえば、組成式I−III−VI、II−IV−Vで示される。ただし、組成式中のローマ数字は、周期表の族番号を示している。たとえば、ローマ数字のIは、IB族元素であり、IIは、IIB族元素である。組成式中、IB族元素は、たとえば、Cu、Ag等を含み、IIIB族元素は、たとえば、Al、Ga、In等を含み、VIB族元素は、たとえば、S、Se、Te等を含む。また、IIB族元素は、たとえば、Zn、Cd等を含み、IVB族元素は、たとえば、Si、Ge、Sn等を含み、VB族元素は、たとえば、P、As、Sb等を含む。とりわけ、カルコパイライト構造の化合物半導体は、I−III−VI2型カルコパイライト構造のものが好ましく、Cu(InGa1−x)Se(0≦y≦1、0≦x≦1)で示されるCIGS系半導体のものがさらに好ましい。CIGS系半導体は、近紫外帯域(波長範囲:300nm〜380nm程度)から可視光帯域(波長範囲:380nm〜780nm程度)を経て近赤外帯域(波長範囲:780nm〜1300nm程度)までの光を良好に吸収することができる。
バッファ層14は、化合物半導体層13の上面のほぼ全域を覆うように形成されている。化合物半導体層13は、その周縁部131がバッファ層14で覆われず、バッファ層14から基板2の表面に沿う横方向に引き出されている。この化合物半導体層13の周縁部131(上面および側面)およびその周囲の層間膜19の上面を覆うように絶縁膜22が形成されている。バッファ層14は、たとえば、100Å〜10000Åの厚さを有している。バッファ層14は、CdS、ZnS、ZnO、(ZnMg1−z)O(0≦z≦1)、ZnSeまたはInからなることが好ましい。
透明電極層4は、バッファ層14の上面の全域を覆うように形成されている。透明電極層4は、たとえば、100Å〜10000Åの厚さを有している。
透明電極層4は、たとえば、100Å〜10000Åの厚さを有している。
金属電極層6は、化合物半導体層13、バッファ層14および透明電極層4の積層構造に乗り上がって形成され、その頂部が透明電極層4の周縁部41(上面および側面)を覆っている。なお、金属電極層6と、化合物半導体層13およびバッファ層14との間は、絶縁膜22によって互いに絶縁されている。金属電極層6の下部は、層間膜19上を基板2の表面に沿う横方向に配置され、パッド接続部11を介してパッド7に接続されている。
表面保護膜15は、たとえば、窒化シリコン(Si)等の絶縁材料からなる。表面保護膜15は、金属電極層6、パッド接続部11およびパッド7を覆うように形成されている。金属電極層6は、露出しないように表面保護膜15で完全に覆われている。また、パッド7の一部は、表面保護膜15に形成された開口から選択的に露出している。
次に、光電変換装置1のさらに要部を説明する。図3は、光電変換装置1の要部を説明するための断面図である。
この第1実施形態において、少なくとも下部電極層10の表面101には、微細な凹凸構造5が形成されている。この実施形態では、微細な凹凸構造5は、基板2の主面に平行な露出面に選択的に形成されている。つまり、微細な凹凸構造5は、下部電極層10の表面101と、下部電極層10の端面102の間の境界31に沿う領域における基板2の表面(具体的には、層間膜19の表面191)とに選択的に形成されている。一方、基板2の主面に交差する面(たとえば、下部電極層10の端面102)や、当該平行面であっても被覆された面(たとえば、下部電極層10で覆われた層間膜19の表面191)は、微細な凹凸構造5が形成されていない平滑面となっている。
微細な凹凸構造5は、たとえば、微細な凸部と凹部とが交互に配列されることによって形成されている。凸部と凹部の配列パターンは、たとえば、ストライプパターンであってもよいし、ドットパターンであってもよい。また、或る平面が露出面および被覆面を有しており、微細な凹凸構造5が当該露出面に選択的に形成されている場合、その微細な凹凸構造5は、凸部の頂部が当該被覆面と同一平面に位置するように形成されている。具体的には、図3に示すように、層間膜19の表面191が、下部電極層10の間に露出した露出面191(A)と、下部電極層10で覆われた被覆面191(B)とを有している場合、微細な凹凸構造5の凸部の頂部は、被覆面191(B)と同一平面に位置している。
また、微細な凹凸構造5の形状は、図4の左から順に示すように、たとえば、断面視が三角形状、台形状、四角形状、半楕円形状であってもよい。なお、図4で示した形状は、微細な凹凸構造5の形状の一例に過ぎず、たとえば、断面視が円形状等、他の形状であってもよい。
また、微細な凹凸構造5の「微細」とは、たとえば、その上に形成される層の表面状態に影響を与えない程度の細かさである。したがって、この実施形態では、微細な凹凸構造5が形成された下部電極層10および層間膜19上に積層された化合物半導体層13の表面131は、微細な凹凸構造5の凹凸パターンを引き継がない平滑面となっている。
具体的には、微細な凹凸構造5のピッチP(凸部と凹部との段差ピッチ)は、1000nm以下であることが好ましい。また、下部電極層10がタングステンからなる場合、微細な凹凸構造5のピッチPは、500nm〜1000nmであることが好ましい。これにより、比較的大きな粒径のカルコパイライト型化合物半導体を、下部電極層10上に形成することができる。一方、基板2の表面が、この実施形態のようにSiOからなる場合、微細な凹凸構造5のピッチPは、500nm以下(たとえば、100nm〜500nm)であることが好ましい。これにより、比較的小さな粒径のカルコパイライト型化合物半導体を、下部電極層10の間の領域に形成することができる。したがって、下部電極層10がタングステンからなり、基板2の表面がSiOからなる場合、ピッチPは、たとえば、375nm〜750nmであることが好ましい。この範囲であれば、下部電極層10上の粒径を大きく制御しつつ、層間膜19上の粒径を小さく制御することができる。また、微細な凹凸構造5の深さD(凹部の深さ)は、たとえば、30nm〜120nmであることが好ましい。
透明電極層4は、バッファ層14を介して化合物半導体層13に電気的に接続されている。透明電極層4は、酸化亜鉛(ZnO)からなることが好ましく、たとえば、この実施形態では、化合物半導体層13に近い側から順に、ノンドープのZnO膜(i−ZnO膜42)およびn型のZnO膜(n−ZnO膜43)が積層されたものである。たとえば、i−ZnO膜42は1500Å程度の厚さであり、n−ZnO膜43は3000Å程度の厚さであることが好ましい。なお、透明電極層4は、酸化インジウムスズ(ITO)であってもよい。
図5A〜図5Fは、第1実施形態の光電変換装置の製造工程の一部を工程順に示す図である。
光電変換装置1の製造工程では、まず、図5Aに示すように、CMOS電界効果トランジスタが形成された基板2の層間膜19を貫通するように、ゲート電極18に達するビア電極20が形成される。
次に、図5Bに示すように、たとえば、スパッタ法によって、タングステン(W)が層間膜19上に堆積させられ、その後、当該タングステンをパターニング(エッチング)することによって、複数の下部電極層10がマトリクス状に形成される。
次に、微細な凹凸構造5を付与する表面処理工程が、層間膜19の表面191側から行われる。当該表面処理工程は、たとえば、エッチングプロセスまたはリフトオフプロセスで行うことができる。エッチングプロセスでは、たとえば、フォトリソグラフィ、電子ビーム描画またはナノインプリントによってパターニングされたマスクを用いてもよい。この表面処理によって、基板2の主面に平行な露出面である下部電極層10の表面101および層間膜19の露出面191(A)に対して、微細な凹凸構造5が選択的に形成される。
次に、図5Cに示すように、たとえば、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法によって、複数の下部電極層10を一括して覆う化合物半導体層13が層間膜19上に積層される。この際、化合物半導体層13の表面131は、微細な凹凸構造5の凹凸パターンを引き継がず、平滑面として形成される。
次に、図5Dに示すように、たとえば、CBD(Chemical Bath Deposition)法によって、バッファ層14が化合物半導体層13上に積層される。
次に、たとえば、スパッタ法によって、図5Eに示すようにi−ZnO膜42がバッファ層14上に積層され、図5Fに示すようにn−ZnO膜43がi−ZnO膜42上に積層される。これにより、透明電極層4が形成される。この後、金属電極層6および表面保護膜15が形成されることによって、図1〜図3の光電変換装置1が得られる。
以上のように、この実施形態によれば、光電変換装置1の微細な凹凸構造5が形成された部分でのカルコパイライト構造の化合物半導体の粒径を、微細な凹凸構造5の形状(図4のピッチP、深さD等)に合わせて変更することができる。すなわち、微細な凹凸構造5が形成された部分での粒径を、化合物半導体層13の製膜条件(この実施形態では、MBE条件)から独立して制御することができる。このような効果は図6を参照して実証できる。
図6は、微細な凹凸構造5によってCIGS粒径を制御できることを証明するための図である。この例では、まず、深さD=60nmの断面視四角形状の微細な凹凸構造5を、ピッチP(段差ピッチ)=0nm(つまり、微細な凹凸構造なし)、1000nm、500nm、250nmおよび100nmと変えて、タングステン(W)およびSiOそれぞれの上に形成したサンプルを作製した。次に、各サンプルの上にCIGS系半導体を成長させ、その粒径を測定した。
図6から、タングステン上のCIGS系半導体の粒径は、1000nm〜500nmの範囲で段差ピッチが細かくなる(段差が多くなる)に伴い、微細な凹凸構造5がない場合(粒径=約200nm)よりも大きくなることがわかった。たとえば、最大で約3倍の600nm程度まで大きく制御できることがわかった。一方、500nm〜250nmの範囲において微細な凹凸構造5がない場合よりも小さくなり、250nm以下では、微細な凹凸構造5がない場合よりも小さな粒径で横ばいであることもわかった。
SiO上のCIGS系半導体の粒径は、1000nm未満で段差ピッチが細かくなる(段差が多くなる)に伴い、微細な凹凸構造5がない場合(粒径=約800nm)よりも小さくなることがわかった。たとえば、最小で約0.25倍の200nm程度まで小さく制御できることがわかった。一方、1000nm以上では、微細な凹凸構造5がない場合よりも大きくなることがわかった。
この図6の結果から、この実施形態では、微細な凹凸構造5の段差ピッチを500nm〜1000nmに設計することによって、下部電極層10上のCIGS系半導体の粒径をできる限り大きく制御できることがわかる。一方、微細な凹凸構造5の段差ピッチを1000nm未満(より具体的には、100nm〜500nm)に設計することによって、層間膜19の露出面191(A)上のCIGS系半導体の粒径をできる限り小さく制御できることがわかる。したがって、下部電極層10上の粒径を大きく制御しつつ、層間膜19上の粒径を小さく制御するには、たとえば、375nm〜750nmであることが好ましい。
たとえば、微細な凹凸構造5がない(段差ピッチ=0nm)場合と、段差ピッチが500nmの微細な凹凸構造5を形成した場合との比較をすると、図7のようになる。図7では、化合物半導体層13中に仕切られた各四角形が大きいほど、その部分でのCIGS系半導体の粒径が大きいことを表している。
つまり、図7(b)の段差ピッチ500nmの例では、図7(a)の段差ピッチ0nmの例に比べて、下部電極層10上でのCIGS系半導体の粒径が数倍になっている。これにより、図7(a)の場合に比べて、量子効率を向上できると共に、暗電流を低減することができる。
一方、層間膜19の露出面191(A)上のCIGS系半導体の粒径は、図7(a)の段差ピッチ0nmの例に比べて、数分の1になっている。これにより、図7(b)に実線で示される本来の画素セル3の境界31(部分)が、破線または一点鎖線で示されるように隣り合う画素セル3側にずれても、そのずれ量Gを、図7(a)のずれ量Gに比べて小さくすることができる。その結果、画素セル3間の境界31のばらつきを低減することができる。
よって、微細な構造5の段差ピッチが500nmの場合には、暗電流の低減と画素セル3間の境界のばらつき低減を両立することができる
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、化合物半導体層13は、複数の下部電極層10を一括して覆うように形成されていたが、図8の光電変換装置81のように、各下部電極層10上に1つずつ複数配置されていてもよい。この場合、互いに隣り合う化合物半導体層13の間には、絶縁材料からなる層間膜23が形成されていてもよい。
また、前述の実施形態では、下部電極層10が層間膜19上に形成された構成を示したが、下部電極層10は、層間膜19に埋め込まれていてもよい。この場合、図9の光電変換装置91のように、下部電極層10は、その上面が層間膜19の表面と同一平面となるように完全に埋め込まれていてもよいし、その一部が層間膜19の表面よりも上方に突出していてもよい。
また、たとえば、基板2上には、CMOS電界効果トランジスタの他、キャパシタ、レジスタ等の各種回路素子が形成されていてもよい。また、これらの回路素子によって、SSI(Small Scale Integration)、MSI(Medium Scale Integration)、LSI(Large Scale Integration)、VLSI(Very Large Scale Integration)、ULSI(Ultra-Very Large Scale Integration)等の集積回路を構成していてもよい。
本発明の微細な凹凸構造は、前述の実施形態に示した光電変換装置に限らず、ベースとなる基材上にカルコパイライト構造の化合物半導体層が積層された接合構造を含む各種アプリケーションに適用することができる。たとえば、電気伝導、熱伝導、表面積の制御が必要なアプリケーションに適用することができる。具体的には、カルコパイライト構造の化合物半導体層が使用された触媒においては、反応物との接触部分に適切な段差ピッチの微細な凹凸構造を形成することによって、できる限り小径なカルコパイライト構造の化合物半導体を成長させることができる。これにより、触媒の表面積を広くすることができ、反応効率を向上させることができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 光電変換装置
2 基板
4 透明電極層
5 微細な凹凸構造
10 下部電極層
12 回路部
13 化合物半導体層
14 バッファ層
16 ソース層
17 ドレイン層
18 ゲート電極
23 溝
42 i−ZnO膜
43 n−ZnO膜
81 光電変換装置
91 光電変換装置
101 (下部電極層の)表面
191(A) (層間膜の)露出面

Claims (3)

  1. 基板の表面に下部電極層を形成する工程と、
    前記基板の前記表面側から所定の表面処理を施すことによって、少なくとも前記下部電極層の表面に微細な凹凸構造を形成する工程と、
    前記微細な凹凸構造の形成後、前記下部電極層の前記表面を覆うようにカルコパイライト構造の化合物半導体層を形成する工程と、
    前記化合物半導体層上に透明電極層を形成する工程とを含み、
    前記下部電極層を形成する工程は、複数の下部電極層を互いに間隔を空けて形成する工程を含み、
    前記微細な凹凸構造を形成する工程は、前記基板の前記表面における前記下部電極層の間の領域に、前記下部電極層の前記表面と同時に前記微細な凹凸を形成する工程を含む、光電変換装置の製造方法。
  2. 前記所定の表面処理は、エッチングプロセスまたはリフトオフプロセスである、請求項に記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記エッチングプロセスは、フォトリソグラフィ、電子ビーム描画またはナノインプリントによってパターニングされたマスクを用いて行われる、請求項に記載の光電変換装置の製造方法。
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