JP6085879B2 - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents
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また、本発明の他の目的は、暗電流を低減することができる光電変換装置の製造方法を提供することである。
この構成によれば、微細な凹凸構造が下部電極層の間の領域、つまり互いに隣り合う画素セルの間の領域に形成されているので、粒径をできる限り小さく制御することによって、画素セル間の境界のずれ量を小さくすることができる。よって、画素セル間の境界のばらつきを低減することができる。
具体的には、前記下部電極層がWからなる場合、前記微細な凹凸構造のピッチが500nm以上であることが好ましい。これにより、比較的大きな粒径のカルコパイライト型化合物半導体を、下部電極層上に形成することができる。また、前記基板の前記表面がSiO2からなる場合、前記微細な凹凸構造のピッチが500nm以下であることが好ましい。これにより、比較的小さな粒径のカルコパイライト型化合物半導体を、下部電極層の間の領域に形成することができる。
前記光電変換装置は、前記基板に設けられた回路部を含むことが好ましい。回路部と化合物半導体層とを積層配置することによって、基板上の領域のほとんどを光の検出面として有効利用することができる。そのため、検出面積を十分に確保可能な光電変換装置を設計することができるので、素子の感度を向上させることができる。
前記透明電極層は、ZnO、ITOからなっていてもよい。
また、上記の目的を達成するためカルコパイライト型化合物半導体の接合構造は、ベース層と、前記ベース層の表面に配置されたカルコパイライト構造の化合物半導体層と、前記ベース層の前記表面における前記化合物半導体層が配置された領域に形成された微細な凹凸構造とを含む。
前記カルコパイライト型化合物半導体の接合構造では、前記微細な凹凸構造のピッチが1000nm以下であることが好ましい。
また、この方法によれば、微細な凹凸構造が下部電極層の間の領域、つまり互いに隣り合う画素セルの間の領域に形成するので、粒径をできる限り小さく制御することによって、画素セル間の境界のずれ量を小さくすることができる。よって、画素セル間の境界のばらつきを低減することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光電変換装置の模式的な平面図である。
光電変換装置1は、入射された光を検出し、光のエネルギを電気信号に変換するイメージセンサである。
光電変換装置1は、一次元に複数配列することによってラインイメージセンサとして使用してもよいし、二次元に複数配列することによってエリアイメージセンサとして使用してもよい。また、光電変換装置1は、セキュリティカメラ(昼間は可視光をセンシングし、夜間は近赤外光をセンシングするカメラ)、個人認証カメラ(外光の影響を受けない近赤外光で個人認証するためのカメラ)、あるいは車載カメラ(夜間の視覚補助や遠方の視野確保などのために車に搭載されるカメラ)用のイメージセンサ、さらに医療用の近赤外光検出用のイメージセンサ、および幅広い波長帯域における光検出装置(フォトディテクタ)、アバランシェフォトダイオード等に適用可能である。さらに、光電変換装置1は、太陽電池に適用してもよい。
基板2は、たとえば、シリコン(Si)からなる。基板2は、たとえば、5mm〜10mm角のサイズを有している。基板2の中央部には受光領域8が形成され、受光領域8を取り囲むように周辺領域9が形成されている、基板2は、たとえば、400μm〜1000μmの厚さを有している。また、光電変換装置1を太陽電池に適用する場合には、基板2は、青板ガラス(SLG)からなっていてもよい。その場合、基板2は、50cm×100cm角、2mm厚のサイズを有していることが好ましい。
複数のパッド7は、金属電極層6に対して間隔を隔てた領域に互いに間隔をあけて配列されている。この実施形態では、複数のパッド7は、基板2の各辺に沿って直線状に配列されている。複数のパッド7のうちの幾つか(1つであっても、複数であってもよい)は、金属電極層6と一体的に形成されたパッド接続部11を介して金属電極層6に接続されている。パッド接続部11は、当該パッド7と金属電極層6との間に跨って形成されている。
光電変換装置1は、基板2上に順に積層された、下部電極層10、化合物半導体層13、バッファ層14、透明電極層4、金属電極層6および表面保護膜15を含む。
基板2は、回路部12を有している。回路部12は、たとえば、CMOS電界効果トランジスタを含む。図2において、回路部12には、CMOS電界効果トランジスタの一部を構成する複数のnチャネルMOSトランジスタを示している。当該nチャネルMOSトランジスタは、基板2の表面部に選択的に形成されたソース層16およびドレイン層17と、ソース層16とドレイン層17の間に配置されたゲート電極18と、基板2上にゲート電極18を覆うように形成された層間膜19(たとえば、SiO2膜)と、層間膜19を貫通するビア電極20とを含む。ゲート電極18と基板2との間には、ゲート絶縁膜21が配置されている。
透明電極層4は、たとえば、100Å〜10000Åの厚さを有している。
金属電極層6は、化合物半導体層13、バッファ層14および透明電極層4の積層構造に乗り上がって形成され、その頂部が透明電極層4の周縁部41(上面および側面)を覆っている。なお、金属電極層6と、化合物半導体層13およびバッファ層14との間は、絶縁膜22によって互いに絶縁されている。金属電極層6の下部は、層間膜19上を基板2の表面に沿う横方向に配置され、パッド接続部11を介してパッド7に接続されている。
次に、光電変換装置1のさらに要部を説明する。図3は、光電変換装置1の要部を説明するための断面図である。
また、微細な凹凸構造5の「微細」とは、たとえば、その上に形成される層の表面状態に影響を与えない程度の細かさである。したがって、この実施形態では、微細な凹凸構造5が形成された下部電極層10および層間膜19上に積層された化合物半導体層13の表面131は、微細な凹凸構造5の凹凸パターンを引き継がない平滑面となっている。
光電変換装置1の製造工程では、まず、図5Aに示すように、CMOS電界効果トランジスタが形成された基板2の層間膜19を貫通するように、ゲート電極18に達するビア電極20が形成される。
次に、微細な凹凸構造5を付与する表面処理工程が、層間膜19の表面191側から行われる。当該表面処理工程は、たとえば、エッチングプロセスまたはリフトオフプロセスで行うことができる。エッチングプロセスでは、たとえば、フォトリソグラフィ、電子ビーム描画またはナノインプリントによってパターニングされたマスクを用いてもよい。この表面処理によって、基板2の主面に平行な露出面である下部電極層10の表面101および層間膜19の露出面191(A)に対して、微細な凹凸構造5が選択的に形成される。
次に、図5Dに示すように、たとえば、CBD(Chemical Bath Deposition)法によって、バッファ層14が化合物半導体層13上に積層される。
以上のように、この実施形態によれば、光電変換装置1の微細な凹凸構造5が形成された部分でのカルコパイライト構造の化合物半導体の粒径を、微細な凹凸構造5の形状(図4のピッチP1、深さD1等)に合わせて変更することができる。すなわち、微細な凹凸構造5が形成された部分での粒径を、化合物半導体層13の製膜条件(この実施形態では、MBE条件)から独立して制御することができる。このような効果は図6を参照して実証できる。
つまり、図7(b)の段差ピッチ500nmの例では、図7(a)の段差ピッチ0nmの例に比べて、下部電極層10上でのCIGS系半導体の粒径が数倍になっている。これにより、図7(a)の場合に比べて、量子効率を向上できると共に、暗電流を低減することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、化合物半導体層13は、複数の下部電極層10を一括して覆うように形成されていたが、図8の光電変換装置81のように、各下部電極層10上に1つずつ複数配置されていてもよい。この場合、互いに隣り合う化合物半導体層13の間には、絶縁材料からなる層間膜23が形成されていてもよい。
2 基板
4 透明電極層
5 微細な凹凸構造
10 下部電極層
12 回路部
13 化合物半導体層
14 バッファ層
16 ソース層
17 ドレイン層
18 ゲート電極
23 溝
42 i−ZnO膜
43 n−ZnO膜
81 光電変換装置
91 光電変換装置
101 (下部電極層の)表面
191(A) (層間膜の)露出面
Claims (3)
- 基板の表面に下部電極層を形成する工程と、
前記基板の前記表面側から所定の表面処理を施すことによって、少なくとも前記下部電極層の表面に微細な凹凸構造を形成する工程と、
前記微細な凹凸構造の形成後、前記下部電極層の前記表面を覆うようにカルコパイライト構造の化合物半導体層を形成する工程と、
前記化合物半導体層上に透明電極層を形成する工程とを含み、
前記下部電極層を形成する工程は、複数の下部電極層を互いに間隔を空けて形成する工程を含み、
前記微細な凹凸構造を形成する工程は、前記基板の前記表面における前記下部電極層の間の領域に、前記下部電極層の前記表面と同時に前記微細な凹凸を形成する工程を含む、光電変換装置の製造方法。 - 前記所定の表面処理は、エッチングプロセスまたはリフトオフプロセスである、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
- 前記エッチングプロセスは、フォトリソグラフィ、電子ビーム描画またはナノインプリントによってパターニングされたマスクを用いて行われる、請求項2に記載の光電変換装置の製造方法。
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