JP2015207570A - 集光型太陽光発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 集光型太陽光発電装置において光の過度な集中による光電変換素子の長期信頼性の低下や発電効率の低下を改善し、さらに、異なる吸収波長を有する複数の光電変換層を積層した多接合型の光電変換素子を用いた集光型太陽光発電装置において、色収差による発電効率の低下を改善する。【解決手段】 集光レンズと、該集光レンズにより集光された光を受光する光電変換素子を備える集光式太陽光発電装置であって、前記集光レンズは、第1の半径値から第2の半径値までの領域が第1レンズ部からなり、前記第1レンズ部は、前記光電変換素子の光電変換波長範囲における最短波長近傍の第1の波長の光に対して、前記集光レンズの対称中心からの半径値に応じた焦点距離を有し、かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも短く、さらに、前記光電変換素子の受光面に内接する円周上に照射することを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、集光レンズで集光した光を光電変換素子に照射する集光型太陽光発電装置に関する。
太陽エネルギーを電力に変換する太陽光発電装置が実用化されているが、低コスト化を実現し、変換効率(発電効率)をさらに改善して大電力を得るために、非特許文献1には、安価な集光レンズで集光した太陽光を、小面積の太陽電池セルに照射して発電する集光型太陽光発電装置が示されている。
集光型太陽光発電装置は、太陽光を集光レンズで集光することから、太陽電池セルとしては、集光レンズの受光面積より小さいサイズの太陽電池セルで良い。すなわち太陽電池セルのサイズを縮小できるので、太陽光発電装置において最も高価な構成物である太陽電池セルの割合を減らすことによりコストを低減することが可能となる。このような利点から集光型太陽光発電装置は、広大な面積を利用して発電可能な地域での電力供給用などに利用されつつある。
非特許文献1では、発電効率向上の方法として、太陽電池セルにInGaP/InGaAs/Ge3接合太陽電池セルを用いることが示されている。図41は、非特許文献1に記載のInGaP/InGaAs/Ge3接合太陽電池セルの断面構造及びエネルギー変換する波長域を示したものである。InGaP/InGaAs/Ge3接合太陽電池セルは、InGaPトップセル、InGaAsミドルセル及びGeボトムセルの3つの光電変換層(以降「サブセル」とも称する)を積層した構造であり、3つのサブセルはトンネル接合を介して直列に接続されている。そして、InGaPトップセルは300〜660nm、InGaAsミドルセルは660〜890nm、Geボトムセルは890〜2000nmの波長領域の光を吸収することでエネルギー変換する。よって、InGaP/InGaAs/Ge3接合太陽電池セルは太陽光に含まれる色々な波長の光を3つのサブセルのそれぞれで吸収して発電する為、発電効率を向上させることが可能である。
「集光型化合物太陽電池」、シャープ技報第93号、2005年12月、 49頁〜53頁
ここで、非特許文献1を例に従来の集光レンズの光学設計について説明する。図42は従来の集光式太陽光発電装置の一例を示す説明図であり、光学設計波長の光の集光経路に着目した図を示す。
従来の集光型太陽光発電装置911は、集光レンズ921及び光電変換素子903からなる。
光電変換素子903は集光レンズ921と対向している。集光レンズ921の光軸902上に光電変換素子903の中心が配置されるよう保持される。
集光レンズ921は、光電変換素子903の中央上部に搭載され、集光レンズ921で太陽光である入射光Liを屈折させて出射光Loを光電変換素子903に照射させる。この際の光学設計としては、設計波長を例えば500nmに設定した場合、光軸902にほぼ平行に集光レンズ921に入射した500nmの光が、いずれの領域においても屈折されて、光電変換素子903の中心に集光するように設計される。
しかしながら、図42に示した光学設計の場合、集光レンズ921のいずれの位置に照射した光も光電変換素子903の中心に集光されるため、受光光量が中央に集中したものとなる。その結果、変換される電流や温度の分布が素子中心で特に高い不均一なものとなる。このように光が過度に集中した場合、光電変換素子903の長期信頼性の低下や、集光型太陽電池の電気的特性のうち、曲線因子FF(Fill Factor)の低下を招くという課題があった。
さらに、図43には、図42の光学系において光学設計波長よりも長波長、短波長の光の集光経路に着目した図を示す。図43から明らかなように、色収差によって光学設計波長よりも短い波長の光は屈折角が大きく焦点距離が短く、長い波長の光は屈折角が小さく焦点距離が長くなるため、太陽電池セルに照射される光の強度分布が波長によって異なる。非特許文献1のように、異なる吸収波長を有する複数の光電変換層を積層した多接合型の光電変換素子を用いた集光型太陽電池にこのような従来光学系を用いた場合、光の強度分布が波長により大きく異なるため、太陽電池セルの各サブセルにおける発生電流の分布にも大きな差が生じる。その一方で、太陽電池の各サブセルは電気的に直列に接続されているため、太陽電池セル全体での発生電流は最も発生電流の少ないサブセルでの発生電流に依存することになる。よって、各サブセルにおいて光の強度分布に差があると曲線因子FF(Fill Factor)の低下を招くという問題があった。
本発明は、集光型太陽光発電装置において光の過度な集中による光電変換素子の長期信頼性の低下や発電効率の低下を改善し、さらに、異なる吸収波長を有する複数の光電変換層を積層した多接合型の光電変換素子を用いた集光型太陽光発電装置において、色収差による発電効率の低下を改善することを目的とする。
本発明に係る集光型太陽光発電装置は、集光レンズと、該集光レンズにより集光された光を受光する光電変換素子を備える集光式太陽光発電装置であって、前記集光レンズは、第1の半径値から第2の半径値までの領域が第1レンズ部からなり、前記第1レンズ部は、前記光電変換素子の光電変換波長範囲における最短波長近傍の第1の波長の光に対して、前記集光レンズの対称中心からの半径値に応じた焦点距離を有し、かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも短く、さらに、前記光電変換素子の受光面に内接する円周上に照射することを特徴としている。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記集光レンズは、第3の半径値から第4の半径値までの領域が第2レンズ部からなり、前記第3の半径値は前記第2の半径値と実質的に等しく、前記第2レンズ部は、前記光電変換素子の光電変換波長範囲における、前記第1の波長よりも長い第2の波長の光に対して、前記集光レンズの対称中心からの半径値に応じた焦点距離を有し、かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも長く、さらに、前記光電変換素子の受光面に内接する円周上に照射することが好ましい。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記集光レンズは、第5の半径値から第6の半径値までの領域が第3レンズ部からなり、前記集光レンズは、前記光電変換素子と相似形状であり、前記第2の半径値および前記第5の半径値は、前記集光レンズの内接円の半径値と実質的に等しく、第3レンズ部は、前記第1の波長の光に対して、前記集光レンズの対称中心からの半径値rに応じた焦点距離を有し、かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも短く、さらに、前記集光レンズの内接円の半径値をR、前記光電変換素子の受光面の内接円の半径値をPとした時に、前記半径値rに入射した光が、前記光電変換素子の受光面において(r/R)×Pの円周上に照射することが好ましい。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記集光レンズは、第7の半径値から第8の半径値までの領域が第4レンズ部からなり、前記第7の半径値は前記第6の半径値と実質的に等しく、前記第4レンズ部は、前記光電変換素子の光電変換波長範囲における、前記第1の波長よりも長い第2の波長の光に対して、前記集光レンズの対称中心からの半径値rに応じた焦点距離を有し、かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも長く、さらに、前記半径値rに入射した光が、前記光電変換素子の受光面において(r/R)×Pの円周上に照射することが好ましい。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記集光レンズは、第7の半径値から第8の半径値までの領域が第4レンズ部からなり、前記集光レンズは、前記光電変換素子と相似形状であり、前記第4の半径値および前記第7の半径値は、前記集光レンズの内接円の半径値と実質的に等しく、前記第4レンズ部は、前記光電変換素子の光電変換波長範囲における、前記第1の波長よりも長い第3の波長の光に対して、前記集光レンズの対称中心からの半径値rに応じた焦点距離を有し、かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも長く、さらに、前記集光レンズの内接円の半径値をR、前記光電変換素子の受光面の内接円の半径値をPとした時に、前記半径値rに入射した光が、前記光電変換素子の受光面において(r/R)×Pの円周上に照射することが好ましい。
本発明に係る集光型太陽光発電装置は、集光レンズと、該集光レンズにより集光された光を受光する光電変換素子を備える集光式太陽光発電装置であって、前記集光レンズは、第3の半径値から第4の半径値までの領域が第2レンズ部からなり、前記第2レンズ部は、前記光電変換素子の光電変換波長範囲における、第2の波長の光に対して、前記集光レンズの対称中心からの半径値に応じた焦点距離を有し、かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも長く、さらに、前記光電変換素子の受光面に内接する円周上に照射することを特徴としている。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記集光レンズは、第1の半径値から第2の半径値までの領域が第1レンズ部からなり、前記第1の半径値は前記第4の半径値と実質的に等しく、前記第1レンズ部は、前記光電変換素子の光電変換波長範囲における最短波長近傍であり、前記第2の波長よりも短い第1の波長の光に対して、前記集光レンズの対称中心からの半径値に応じた焦点距離を有し、かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも短く、さらに、前記光電変換素子の受光面に内接する円周上に照射することが好ましい。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記光電変換素子は、前記第1の波長の光を受光して発電する第1の光電変換層を含むことが好ましい。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記第1の光電変換層はInGaPを含み、前記第1の波長の光の波長は380nm〜410nmであることが好ましい。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記光電変換素子は、前記第1の波長の光を受光して発電する第1の光電変換層と、前記第2の波長の光を受光して発電する第2の光電変換層と、を含む複数の光電変換層を積層した構造を有することが好ましい。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記第1の光電変換層はInGaPを含み、前記第2の光電変換層はInGaAsを含み、前記第1の波長の光の波長は380nm〜410nmであり、前記第2の波長の光の波長は800nm〜950nmであることが好ましい。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記集光レンズは、複数のリング状のプリズムおよび/または複数のリングの一部分の形状を有するプリズムと、を略同心円状に配置したものであることが好ましい。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、集光レンズの対称中心に、平坦部もしくは穴からなる透過部を備えることが好ましい。
本発明によれば、集光型太陽光発電装置において光の過度な集中による光電変換素子の長期信頼性の低下や発電効率の低下を改善し、さらに、異なる吸収波長を有する複数の光電変換層を積層した多接合型の光電変換素子を用いた集光型太陽光発電装置において、色収差による発電効率の低下を改善することが可能となる。
本発明の実施形態1に係る集光型太陽光発電装置の構成を説明する概要図であり、太陽光の入射面側から見た平面図である。 図1のA−A’線断面図であり、本発明の実施形態1に係る第1レンズ部から出射した第1の波長の光の集光経路を示す図である。 本発明の実施形態1に係る第1レンズ部による第1の波長の光の照射箇所を模式的に示す、太陽光の入射面側から見た平面図であり、(a)は第1レンズ部へ光が入射した領域を示し、(b)は(a)で入射した光が光電変換素子に照射する領域を示す。 実施形態1における実施例1の集光型太陽電池において、光電変換素子に集光された光による電流密度分布を3次元的に示す説明図である。 実施形態1における比較例1の集光型太陽電池において、光電変換素子に集光された光による電流密度分布を3次元的に示す説明図である。 実施形態1における実施例1と比較例1のシミュレーション結果を示す図表である。 実施形態1における実施例2の集光型太陽電池において、光電変換素子に集光された光による電流密度分布を3次元的に示す説明図である。 実施形態1における比較例2の集光型太陽電池において、光電変換素子に集光された光による電流密度分布を3次元的に示す説明図である。 実施形態1における実施例2と比較例2のシミュレーション結果を示す図表である。 本発明の実施形態2に係る集光型太陽光発電装置の構成を説明する概要図であり、太陽光の入射面側から見た平面図である。 図10のB−B’線断面図であり、本発明の実施形態2に係る透過部から出射した第2の波長の光の経路を示す図である。 図10のB−B’線断面図であり、本発明の実施形態2に係る第2レンズ部から出射した第2の波長の光の集光経路を示す図である。 本発明の実施形態2に係る透過部および第2レンズ部による第2の波長の光の照射箇所を模式的に示す、太陽光の入射面側から見た平面図であり、(a)は第2レンズ部へ光が入射した領域を示し、(b)は(a)で入射した光が光電変換素子に照射する領域を示す。 実施形態2における実施例3の集光型太陽電池において、光電変換素子に集光された光による電流密度分布を3次元的に示す説明図である。 実施形態2における実施例3と比較例1のシミュレーション結果を示す図表である。 本発明の実施形態3に係る集光型太陽光発電装置の構成を説明する概要図であり、太陽光の入射面側から見た平面図である。 図16のC−C’線断面図であり、本発明の実施形態3に係る第1レンズ部から出射した第1の波長の光の集光経路を示す図である。 図16のC−C’線断面図であり、本発明の実施形態3に係る第2レンズ部から出射した第2の波長の光の集光経路を示す図である。 本発明の実施形態3に係る第1レンズ部および第2レンズ部による光の照射箇所を模式的に示す、太陽光の入射面側から見た平面図であり、(a)は第1レンズ部および第2レンズ部へ光が入射した領域を示し、(b)は(a)で入射した光が光電変換素子に照射する領域を示す。 実施形態3における実施例4の集光型太陽電池において、光電変換素子に集光された光による電流密度分布を3次元的に示す説明図である。 実施形態3における比較例3の集光型太陽電池において、光電変換素子に集光された光による電流密度分布を3次元的に示す説明図である。 実施形態3における実施例4と比較例3のシミュレーション結果を示す図表である。 本発明の実施形態4に係る集光型太陽光発電装置の構成を説明する概要図であり、太陽光の入射面側から見た平面図である。 図23のD−D’線断面図であり、本発明の実施形態4に係る透過部から出射した第1の波長の光の集光経路を示す図である。 図23のD−D’線断面図であり、本発明の実施形態4に係る第1レンズ部から出射した第1の波長の光の集光経路を示す図である。 本発明の実施形態4に係る透過部および第1レンズ部による光の照射箇所を模式的に示す、太陽光の入射面側から見た平面図であり、(a)は透過部および第1レンズ部へ光が入射した領域を示し、(b)は(a)で入射した光が光電変換素子に照射する領域を示す。 本発明の実施形態5に係る集光型太陽光発電装置の構成を説明する概要図であり、太陽光の入射面側から見た平面図である。 図27のE−E’線断面図であり、本発明の実施形態5に係る第1レンズ部から出射した第1の波長の光の集光経路を示す図である。 図27のE−E’線断面図であり、本発明の実施形態5に係る第3レンズ部から出射した第1の波長の光の集光経路を示す図である。 本発明の実施形態5に係る第3レンズ部による第1の波長の光の照射箇所を模式的に示す、太陽光の入射面側から見た平面図であり、(a)は第3レンズ部へ光が入射した領域を示し、(b)は(a)で入射した光が光電変換素子に照射する領域を示す。 実施形態5における実施例6の集光型太陽電池において、光電変換素子に集光された光による電流密度分布を3次元的に示す説明図である。 実施形態5における比較例4の集光型太陽電池において、光電変換素子に集光された光による電流密度分布を3次元的に示す説明図である。 実施形態5における実施例6と比較例4のシミュレーション結果を示す図表である。 本発明の実施形態6に係る集光型太陽光発電装置の構成を説明する概要図であり、太陽光の入射面側から見た平面図である。 図34のF−F’線断面図であり、本発明の実施形態6に係る第3レンズ部から出射した第1の波長の光の集光経路を示す図である。 図34のF−F’線断面図であり、本発明の実施形態6に係る第4レンズ部から出射した第2の波長の光の集光経路を示す図である。 本発明の実施形態6に係る第4レンズ部による第2の波長の光の照射箇所を模式的に示す、太陽光の入射面側から見た平面図であり、(a)は第4レンズ部へ光が入射した領域を示し、(b)は(a)で入射した光が光電変換素子に照射する領域を示す。 実施形態6における実施例7の集光型太陽電池において、光電変換素子に集光された光による電流密度分布を3次元的に示す説明図である。 実施形態6における比較例5の集光型太陽電池において、光電変換素子に集光された光による電流密度分布を3次元的に示す説明図である。 実施形態6における実施例7と比較例5のシミュレーション結果を示す図表である。 従来技術を示すものであって、複数の光電変換層を積層した多接合型の光電変換素子と、その吸収波長帯の一例を示す図である。 従来技術を示すものであって、集光レンズから出射した設計波長の光の集光経路を示す図である。 従来技術を示すものであって、集光レンズから出射した設計波長よりも長波長、短波長の光の集光経路を示す図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1について、図面を参照し説明すれば以下の通りである。
図1及び図2は、本発明の集光型太陽光発電装置の構成を説明する概要図であり、図1に太陽光の入射面側から見た平面図、図2に図1のA−A’線断面図を示す。
まず、図1に基づいて実施形態1の概要を説明する。
集光型太陽光発電装置11は、集光レンズ21及び光電変換素子3からなり、大きさは数十mmから数百mmである。
光電変換素子3は、レシーバ基板(図示しない)に搭載されている。保持プレート(図示しない)は、レシーバ基板を保持し、集光レンズ21と対向している。モジュールフレーム(図示しない)は、集光レンズ21の光軸2上に光電変換素子3が配置されるように、集光レンズ21と保持プレートとを保持している。これにより、光電変換素子3の受光面の中心における法線が集光の光軸2に一致している。
集光レンズ21は、光電変換素子3の中央上部に搭載され、集光レンズ21で太陽光を屈折させて光電変換素子3に照射させる。
本実施形態1では、集光レンズ21は、薄肉化による軽量化及び材料コストの低減、集光倍率の向上、ならびに成型の加工性を考慮して、複数のリング状のプリズムを略同心円状に配置したフレネルレンズとしている。この集光レンズ21を直径2R21の円形に形成するとともにモジュールフレームに保持させている。
集光レンズ21の材料としては、例えば、シリコーンが用いられる。ただし、集光レンズ21の材料には様々な透光性材料を用いることが可能であり、具体的には、たとえば、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)などのアクリル樹脂や、ポリカーボネート、ガラスなどを用いることができるし、複数の材料を組み合わせて用いることもできる。例えば平板なガラス板にシリコーンからなるプリズムを形成すれば、ガラス板により機械的強度や平面性、耐久性、耐候性を確保した上で、加工の容易なシリコーンを用いることで安価で自由度の高いレンズを実現することができる。
本発明の集光レンズの光学設計は、集光レンズ中心に対して対称であり、共通の半径値において共通の光学設計がなされる。さらに、同様の指針に基づき光学設計がなされる領域をまとめてレンズ部と呼び、半径値の範囲で区分することができる。つまり集光レンズの光学設計指針がひとつの場合はその全域がひとつのレンズ部であるし、複数の光学設計指針を有する場合は半径値に応じた複数のレンズ部からなる。
本実施形態1では、集光レンズ21の全域が本発明特有の光学設計に基づく第1レンズ部31によって構成されている。第1の半径値から第2の半径値までの領域が集光レンズ21により構成されており、図1に示す実施形態1では第1の半径値が0(対称中心)、第2の半径値がR21(集光レンズ21の半径)である例を示す。
光電変換素子3としては、例えば、Si、GaAs、CuInGaSe、CdTe等からなる無機光電変換素子や、色素増感型光電変換素子等の有機光電変換素子が用いられる。また、光電変換素子の構造は、単一接合型セルや、モノリシック多接合型セルや、感度領域の異なる種々光電変換素子を繋げたメカニカルスタックセル等が用いられる。なお、集光型太陽光発電装置としては、高効率性が特に求められることから、多接合型の光電変換素子や、メカニカルスタックセルの使用が好ましい。
光電変換素子3の外形サイズは、集光型太陽電池のひとつの目的である、光電変換素子に使用する材料の削減の観点から、できるだけ小さくする必要があり、数mmから20mm程度のものが使用される。形状は、円形、正方形、長方形、六角形など特に問わないが、製造効率の観点から、正方形、長方形などの角型がよく用いられる。本実施形態1では、光電変換素子3は、図1に示すように正方形とし、外形サイズすなわち一辺の長さが2Pのものを用いている。その受光面も2P角である。次に、集光レンズ21について、図面を参照して更に詳しく説明する。
図2は本発明の実施形態1において、集光レンズ21の第1レンズ部31に入射した第1の波長の光が第1レンズ部31を経て光電変換素子3に照射する経路を示す図である。この図に基づいて本実施形態1の光学設計を説明する。光学設計の基準となる第1の波長は、光電変換素子3の吸収波長、つまり光電変換可能な波長の範囲に基づいて設定される。吸収波長範囲のうち最短波長近傍であることが好ましい。その理由については後述する。
第1レンズ部31の各リング状プリズムに入射した第1の波長の入射光Li1は、第1レンズ部31により屈折し、第1レンズ部31の出射光Lo1として出射する。そして、第1レンズ部31の出射光Lo1は、光軸2上の集光レンズ21と光電変換素子3との間に焦点を有し、かつ光電変換素子3の受光面に内接する円周上(リング状)に照射する。
図3は、実施形態1の第1レンズ部31による第1の波長の光の照射箇所を模式的に示す図である。(a)は第1レンズ部31へ第1の波長の光が入射した領域を示し、(b)は(a)で入射した第1の波長の光が光電変換素子3に照射する領域を示す。いずれも太陽光の入射面側から見た平面図である。実際には集光レンズ21の全領域に全太陽光、つまり太陽光に含まれるすべての波長の光が入射するが、ここでは、光学設計の説明のために、設計波長である第1の波長の光に着目し、第1レンズ部31の一領域に入射した場合に、その光が光電変換素子3のどの領域に照射するかを示している。
すでに図2で説明した、A−A’線断面における第1の波長の光の照射状況は、図3に示す直線状の入射領域31aと点状の照射領域31a’に相当する。つまり、第1レンズ部31の入射領域31aに入射した入射光Li1が、出射光Lo1として第1レンズ部31から出射し、いずれも光電変換素子3の照射領域31a’に照射することに相当する。集光レンズ21の光学機能は中心に対して回転対称なので、扇形状の入射領域31bへの入射光Li1は出射光Lo1となって円弧状の照射領域31b’に照射する。これらを第1レンズ部31全面に適用すると、第1レンズ部31への入射光Li1が第1レンズ部31にて屈折され、出射光Lo1がいずれも光軸2上の集光レンズ21と光電変換素子3との間に焦点を有し、光電変換素子3の受光面に内接する円周上(リング状)に照射することが明らかである。
ここで、このように設計することによって得られる効果と第1の波長の設定について説明する。
まず、理解のために設計波長の光だけに着目して考察する。図42に示した従来技術の光学設計の場合、設計波長の光は集光レンズ921のいずれの位置に照射した光も光電変換素子903の中心に集光されるため、受光光量が中央に集中したものとなる。これに対し、本実施形態1では、設計波長である第1の波長の光は光電変換素子3の受光面の周辺部となる内接円の円周上(リング状)に照射するため、光電変換素子3の受光面での受光光量が、中央に集中した従来技術に比べると平面方向に平均化されたものとなる。
実際には、太陽光は設計波長以外の波長全域(ただし光電変換素子3の吸収波長範囲内)を総合的に考慮して設計する必要があり、そのためには設計波長の設定が重要となる。本実施形態1では、設計波長である第1の波長を光電変換素子3の吸収波長範囲のうち最短波長近傍に設定することにより、光の利用効率を向上することができる。その理由を説明する。
集光レンズ21に用いる光学材料はいずれも屈折率に分散を有することが一般に知られている。すなわちレンズ材料の屈折率が波長によって異なることにより色収差が発生し、その結果、光電変換素子3の照射位置もその波長によって変化する。具体的には、設計波長よりも短波長の光の場合、屈折率が高いため、より屈折角が大きい方向に照射する。逆に長波長の光の場合、屈折率が低いため、より屈折角が小さい方向に照射する。本実施形態1では集光レンズ21の材料にシリコーンを用いているが、シリコーンも分散を有し、上記傾向を示す。
つまり、本実施形態1の光学設計の場合、設計波長の光は、光電変換素子3の受光面に内接する円周上(リング状)に照射するため、設計波長よりも短い波長の光は、より屈折角が大きい方向、つまり内接円よりも外側に照射する。従って、それらの光は、光電変換素子3の受光面の外側に出てしまう場合がある。特に内接円と受光面の接点付近では、内接円の外側が受光面の外側となり光の損失となる。これに対して設計波長よりも長い波長の光は内接円よりも内側に照射するため損失にはならない。そこで、設計波長を第1の波長、すなわち光電変換素子3の吸収波長範囲の最短波長近傍に設定することにより、光電変換素子3で変換できる波長範囲内の光を、受光面の外に損失することなく概ね受光できることになる。つまり、光電変換素子3で利用できる波長範囲内の光を受光面に無駄なく照射し、かつ平面方向に平均化して受光できることになる。
太陽光波長全域を考慮した本実施形態1の設計波長の設定について上述したが、従来技術における設計波長の設定は次のようになる。従来技術では図43で示したように、設計波長以外の光はその波長が離れるにつれ、色収差によって受光面中心よりも外側にずれていく。短波長側は屈折角の大きい方向に、長波長側は屈折角の小さい方向に、受光面中心から互いに逆方向にずれていくため、長短両側の波長の光を無駄なく、できる限り受光面内に照射させるために、一般的に設計波長は光電変換素子3の吸収波長範囲の両端を避けた中央域に設定される。
太陽光波長全域を考慮した従来技術と本実施形態1の光学設計は以上に説明した通りである。いずれの技術においても色収差による各波長の照射位置のずれは避けられないが、設計波長の照射位置を基準に生じるものであって、設計波長の光が受光面中心に集光する従来技術に比べて、上述のように受光面内接円周上に照射する本実施形態1の方が、受光面中心の光の過度の集中を抑制し、平面方向に平均化して受光できることは明らかである。
以下に、具体的な実施例をもとにその効果を具体的に説明する。
実際の光電変換素子3に照射した光量分布や変換される電流を3接合型素子の各光電変換層(サブセル)において測定することは困難であるため、各光学特性を用いたシミュレーション計算を行い、各実施例の効果を検証した。
実施形態1に基づいた例を実施例1として示す。
最初に、計算に用いた条件について説明する。
入射光はAM(エアマス)1.5の太陽光をシミュレートし、集光レンズ21は、波長500nmにおける屈折率が約1.41のシリコーンを用いたフレネルレンズとした。各波長における屈折率についても実際のシリコーン材料の屈折率を用いた。集光レンズ21は円形で、その直径2R21は170mmとした。光電変換素子3の受光面は一辺8mmの正方形、集光レンズと光電変換素子3の間の距離を250mmとした。光電変換素子3の受光面は正方形であるため、対角線の交点をその中心とした。
光電変換素子3はSi単結晶からなる単一接合型光電変換素子を使用し、その吸収波長や屈折率などの各光学定数を用いた。具体的な吸収波長範囲は、300〜1200nm程度である。設計波長として第1の波長は上記吸収波長範囲を考慮して390nmとした。集光レンズ21は、半径値r=0〜85mmまでの全域が第1レンズ部31である。つまり、第1の半径値が0mm、第2の半径値が85mmである。光学設計は第1レンズ部31に入射した第1の波長の光が光電変換素子3の受光面の中心を中心とする直径7mmの円周上つまりリング状に照射するものとした。この照射領域は、光電変換素子3の受光面の内接円と同心円となる。照射領域を光電変換素子3の内接円(直径8mm)よりも若干小さくした理由は、素子受光面の極最縁部では機能や寸法精度などの理由により素子の受光機能が低下する場合があること、素子の寸法精度、レンズ光軸の設計精度・調整精度などの理由により照射領域が受光面から外れてしまう場合があること、などからマージンを考慮したものである。この時のマージンは半径値で0.5mmとしたが、素子のサイズや品質によって数mmまで適宜自由に設計してもよい。光電変換素子3の受光面が受ける光の平面均一性の観点からは、半径が大きい、つまりマージンが小さい方が望ましく、光電変換素子3の機能や寸法精度、レンズ光軸の設計精度・調整精度の観点からは、半径が小さい、つまりマージンが大きい方が望ましい。両方の観点を考慮して設計すればよい。
第1レンズ部31の設計波長を390nmとした理由は、実施例1の構成において最もよい特性を示す波長を選んだものである。具体的には光電変換素子3の光電変換効率が高く、かつ光強度の面内分布がより均一な条件である。
以上の条件で、集光レンズ21に入射した太陽光が設計通りに屈折され、光電変換素子3に照射された状態をシミュレーションした。加えて、光学定数を考慮して光電変換素子3の各平面座標に対する光強度分布を算出し、それをもとに光電変換された電流密度を算出した。
〔比較例1〕
比較例1については、集光レンズ21と同サイズの円形状の集光レンズ921について、従来技術として図42に示した光学設計とした。具体的には設計波長を600nmとし、集光レンズ921の全域に入射した600nmの光がすべて光電変換素子3の受光面の中心に集光するよう設計した。つまり、集光レンズ921のr=0〜85mmまで、つまり全域において600nmの光の焦点距離が250mmである。集光レンズ921以外については実施例1と共通の構成とした。
集光レンズ921の設計波長を600nmとした理由は、従来の光学設計において最もよい特性を示す波長を選んだものである。具体的には、実施例1の場合と同じく、光電変換素子3の光電変換効率が高く、かつ光強度の面内分布がより均一な条件である。
以上の条件で計算した結果をもとに実施例1および比較例1を比較する。
図4に、実施例1の集光型太陽電池における、光電変換素子3上に集光された光による電流密度分布を示す。図5に同じく比較例1の結果を示す。さらに図6には、これらの計算結果から光電変換の重要な特性値である、光電変換素子3の短絡電流値Isc、受光面内で電流密度が最も高くなる値(すなわち最大電流密度)を示す。短絡電流値は、光電変換素子3の電流密度の総計である。光電変換素子3を短絡することで得られる電流値であり、光電変換により発生した発生電流を抵抗損失なく観測したことに相当する。本願説明において短絡電流と発生電流とは、その着目点や表現が異なるものの、本質的には同じものを示す。
また、理解のために各レンズ部とその集光レンズにおける半径値、設計波長、その照射位置も併せて示す。なお、照射位置「奥側」とは、第1レンズ部31に入射した第1の波長390nmの光は光軸2上の焦点を通過して光電変換素子3の内接円上に、第1レンズ部31上の入射点から見て奥側の位置に照射されることを示している。つまり、第1レンズ部31上の入射点から見て、光軸2に対して奥側の内接円上に照射することを示している。従来レンズの場合は、その全域において設計波長600nmの光を光電変換素子3の中心に集光するため、照射位置は中央となる。
図6の結果を比較することで、次のことが言える。短絡電流Iscについては実施例1では3.96[A]、比較例1では4.02[A]と、ほぼ同じ値の短絡電流Iscが得られるよう設計できている。一方最大電流密度については実施例1では37.10[A/cm]、比較例1では45.49[A/cm]と実施例1の方が低い値になっている。つまり光電変換素子3の光強度分布において、比較例1では中心に光の過度の集中を招いているのに対し、実施例1では比較的均一に近い面内分布が得られていることが分かる。その様子は図4、図5を比較しても明らかである。
つまり、実施例1では、光電変換素子3の光強度分布において、中心への光の過度の集中を抑制し、比較的均一に近い面内分布を得ることで、変換される電流や温度の分布をより均一とし、光電変換素子3の長期信頼性の向上や、曲線因子FF(Fill Factor)の向上を実現できる。
実施形態1に基づき、3接合型光電変換素子を使用した例を実施例2として示す。
実施例1では、光電変換素子3にSi単結晶からなる単一接合型光電変換素子を使用したが、これに対し、実施例2では3接合型光電変換素子を使用している。
実施例2の光電変換素子3は図41に示した非特許文献1と同様の各光電変換層を積層し、各層間をトンネル接合した、InGaP/InGaAs/Geから構成される3接合型光電変換素子を使用し、その吸収波長や屈折率などの各光学定数を用いた。具体的な各サブセルの吸収波長範囲は、InGaPトップセルは300〜660nm、InGaAsミドルセルは660〜890nm、Geボトムセルは890nm〜2000nmである。
実施例2においては、第1レンズ部31の設計波長を400nmとした。光電変換素子3に3接合型光電変換素子を用いる点と、それに伴い第1レンズ部31の設計波長が異なる点以外は実施例1と同様である。
第1レンズ部31の設計波長を400nmとした理由は、実施例2の構成において最もよい特性を示す波長を選んだものである。以下に具体的に説明する。実施例2では光電変換素子3に3接合型光電変換素子を使用している。すでに説明したように、各サブセルは電気的に直列に接続されているため、太陽電池セル全体での発生電流は最も発生電流の少ないサブセルでの発生電流に依存する、つまり制限されることになる。従って、3接合型光電変換素子の光電変換素子3で高い光電変換効率を得るためには、最も発生電流の少ないサブセルでの発生電流を最大化する必要がある。上記を鑑みて、実施例2では各サブセルのうち、最も発生電流の少ないサブセルでの発生電流を最大化するように波長を設定した。
以上の条件で、集光レンズ21に入射した太陽光が設計通りに屈折され、光電変換素子3に照射された状態をシミュレーションした。加えて、各サブセルの吸収波長と光学定数を考慮して、光電変換素子3の各サブセルにおいて各平面座標に対する光強度分布を算出し、それをもとに光電変換された電流密度を算出した。
〔比較例2〕
比較例2については、光電変換素子3に実施例2と同じ3接合型光電変換素子を使用し、集光レンズ921は集光レンズ21と同サイズの円形状とし、従来技術として図42に示した光学設計とした。具体的には設計波長を550nmとし、集光レンズ921の全域に入射した550nmの光がすべて光電変換素子3の受光面の中心に集光するよう設計した。つまり、集光レンズ921のr=0〜85mmまで、つまり全域において550nmの光の焦点距離が250mmである。集光レンズ921以外については実施例2と共通の構成とした。
集光レンズ921の設計波長を550nmとした理由は、従来の光学設計において最もよい特性を示す波長を選んだものである。具体的には、実施例2と同様に各サブセルのうち、最も発生電流の少ないサブセルでの発生電流を最大化するように波長を設定した。
以上の条件で計算した結果をもとに実施例2および比較例2を比較する。
図7に、実施例2の集光型太陽電池における、光電変換素子3上に集光された光による電流密度分布を示す。(a)にトップセルの、(b)にミドルセルの、(c)にボトムセルの結果を示す。図8に同じく比較例2の結果を示す。さらに図9には、これらの計算結果から光電変換の重要な特性値である、光電変換素子3の各セルの短絡電流値Isc、受光面内で電流密度が最も高くなる値(すなわち最大電流密度)、および光電変換素子3全体としてのIscを示す。その他については実施例1と同様である。電流密度が高いということはその位置を多くの電流が流れているということなので、電流密度分布が面内位置での電流の流れやすさを示し、全域における電流密度の総和が短絡電流と解釈できる。
図9の結果を比較することで、次のことが言える。
セル全体の短絡電流Iscについては実施例2ではトップセルが2.34[A]、ミドルセルが2.46[A]、ボトムセルが3.63[A]であり、太陽電池セル全体での短絡電流は最も短絡電流の少ないサブセルでの短絡電流に依存するため、2.34[A]である。比較例2では同じくトップセルが2.35[A]、ミドルセルが2.47[A]、ボトムセルが3.51[A]であり、太陽電池セル全体での短絡電流は最も短絡電流の少ないサブセルでの短絡電流に依存するため、2.35[A]である。すなわち、実施例2と比較例2では、ほぼ同じ値の短絡電流Iscが得られるよう設計できている。一方最大電流密度については実施例2ではトップセルが17.71[A/cm]、ミドルセルが25.80[A/cm]、ボトムセルが30.91[A/cm]、比較例2ではトップセルが34.22[A/cm]、ミドルセルが25.13[A/cm]、ボトムセルが15.63[A/cm]となっている。このことから、比較例2においては、各セル間の最大電流密度の差異が大きいのに対し、実施例2においては各セル間の最大電流密度の差異が小さい。さらに、光電変換素子3の各セルでの電流密度分布を図7、図8の各セルの分布形状をもとに比較すると、比較例2では各セルでの分布の差異が大きいのに対して、実施例2では比較的各セル間で分布の差異が小さいことが分かる。
各サブセルは電気的に直列に接続されているため、太陽電池セル全体での発生電流が最も発生電流の少ないサブセルの発生電流に依存するため、各サブセルのうち、最も発生電流の少ないサブセルでの発生電流を最大化することが発電効率の向上につながることを上述した。電流密度の面内分布においても同様のことが言えるので以下に説明する。各サブセルで発電されて得られた電流は、各サブセル内もしくはサブセル間の領域内で平面に流れるよりも、各サブセルを直列方向に貫いて流れる方が効率がよい。つまり、各サブセルの平面座標を同じくする1点に着目した場合、サブセル全体で最も発生電流の少ないサブセルでの発生電流密度を、他のサブセルでの発生電流密度が上回っていれば、各セルを直列方向に貫く電流の損失が少なくなり効率的になる。
以下に具体的に説明する。実施例2においても比較例2においても、最も発生電流の少ないサブセルはトップセルである。実施例2ではミドルセル、ボトムセルともに、トップセルの電流密度の面内分布形状に近く、さらに電流密度の値も大きいので、概ねどの面内位置でもトップセルの発生電流を直列方向に貫いて流すことができ効率的である。つまり発電効率が高い。これに対し比較例2ではミドルセル、ボトムセルともに、電流密度分布形状がトップセルと異なっており、最大電流密度もトップセルよりも低い値である。このためトップセルで発生した電流が、ミドルセル、ボトムセルで直列方向に流し切れず、電流が周囲に迂回することになり、低効率となり、結果として発電効率が低下する。
つまり、実施例2では、光電変換素子3の光強度分布において、中心への光の過度の集中を抑制し、さらに各セルで比較的近い面内分布を得ることで、変換される電流や温度の分布をより均一とし、光電変換素子3の長期信頼性の向上や、曲線因子FF(Fill Factor)の向上を実現できる。
〔実施形態2〕
以下、本発明の実施形態2について、図面を参照し説明すれば以下の通りである。
図10、図11及び図12は、本発明の集光型太陽光発電装置の構成を説明する概要図であり、図10に太陽光の入射面側から見た平面図、図11および図12に図10のB−B’線断面図を示す。
まず、図10に基づいて実施形態2の概要を説明する。
集光型太陽光発電装置12は、集光レンズ22及び光電変換素子3からなる。実施形態1の集光レンズ21の代わりに集光レンズ22を有している。それ以外の構成は実施形態1と同様であり、実施形態1中と同様の要素には同一の符号を付している。
本実施形態2では、集光レンズ22を集光レンズ21と同様に、複数のリング状のプリズムを略同心円状に配置したフレネルレンズとしている。この集光レンズ22を直径2R22の円形に形成するとともにモジュールフレームに保持させている。また、集光レンズ22は、集光形態の異なる、中心部の透過部35と、透過部35の周囲に形成された第2レンズ部32とで構成されている。対称中心から第3の半径値までの領域が透過部35で、第3の半径値から第4の半径値までの領域が第2レンズ部32で構成されている。図10に示す実施形態2では第3の半径値が光電変換素子3の内接円の半径、第4の半径値がR22(集光レンズ22の半径)である例を示す。
次に、集光レンズ22について、図面を参照して更に詳しく説明する。
図11は本発明の実施形態2において、集光レンズ22の透過部35に入射した光が透過部35を経て光電変換素子3に照射する経路を示す図である。光電変換素子3の内接円より内側の直上に相当する集光レンズ22の領域については透過部35、つまり、特に屈折を行わない単純透過となる構成とした。図11に示すように、透過部35に入射した光はその直下の光電変換素子3の内接円より内側の領域に照射する。
図12は本発明の実施形態2において、集光レンズ22の第2レンズ部32に入射した第2の波長の光が第2レンズ部32を経て光電変換素子3に照射する経路を示す図である。この図に基づいて本実施形態2の光学設計を説明する。光学設計の基準となる第2の波長は、光電変換素子3の吸収波長、つまり光電変換可能な波長の範囲に基づいて設定される。吸収波長範囲のうち実施形態1で説明した第1の波長よりも長いことが好ましい。その理由については後述する。
第2レンズ部32の各リング状プリズムに入射した第2の波長の入射光Li2は、第2レンズ部32により屈折し、第2レンズ部32の出射光Lo2として出射する。そして、第2レンズ部32の出射光Lo2は、集光レンズ22から見て光軸2上の光電変換素子3よりも遠くに焦点を有し、かつ光電変換素子3の受光面に内接する円周上(リング状)に照射する。
図13は、実施形態2の透過部35および第2レンズ部32による第2の波長の光の照射箇所を模式的に示す図である。(a)は透過部35および第2レンズ部32へ光が入射した領域を示し、(b)は(a)で入射した光が光電変換素子3に照射する領域を示す。いずれも太陽光の入射面側から見た平面図である。実際には集光レンズ22の全領域に全太陽光、つまり太陽光に含まれるすべての波長の光が入射するが、ここでは、光学設計の説明のために、第2レンズ部32の設計波長である第2の波長の光に着目し、透過部35および第2レンズ部32のそれぞれの一領域に入射した場合に、その光が光電変換素子3のどの領域に照射するかを示している。
図11で説明した透過部35については、入射領域35aに入射された全波長の光が単純透過し、照射領域35a’に照射される。
図12で説明した、B−B’線断面における第2の波長の光の照射状況は、図13に示す直線状の入射領域32aと点状の照射領域32a’に相当する。つまり、第2レンズ部32の入射領域32aに入射した入射光Li2が、出射光Lo2として第2レンズ部32から出射し、いずれも光電変換素子3の照射領域32a’に照射することに相当する。集光レンズ22の光学機能は中心に対して回転対称なので、扇形状の入射領域32bへの入射光Li2は出射光Lo2となって円弧状の照射領域32b’に照射する。これらを第2レンズ部32全面に適用すると、第2レンズ部32への入射光Li2が第2レンズ部32にて屈折され、出射光Lo2がいずれも集光レンズ22から見て光軸2上の光電変換素子3よりも遠くに焦点を有し、かつ光電変換素子3の受光面に内接する円周上(リング状)に照射することが明らかである。
ここで、このように設計することによって得られる効果と第2の波長の設定について説明する。
図42に示した従来技術の光学設計の場合、集光レンズ921のいずれの位置に照射した光も光電変換素子903の中心に集光されるため、受光光量が中央に集中したものとなる。これに対し、本実施の形態2では、光電変換素子3の受光面に内接する円周上(リング状)に照射するため、光電変換素子3の受光面での受光光量が、中央に集中した従来技術に比べると平面方向に平均化されたものとなる。
次に、設計波長である第2の波長を光電変換素子3の吸収波長範囲のうち実施形態1で説明した第1の波長よりも長い波長に設定することにより、光の利用効率を向上することができる。その理由を説明する。
実施形態1で説明したように、集光レンズ22に用いる光学材料の屈折率の波長分散により、設計波長よりも短波長の光の場合、屈折率が高いため、より屈折角が大きい方向に照射する。逆に長波長の光の場合、屈折率が低いため、より屈折角が小さい方向に照射する。
つまり、本実施形態2の光学設計の場合、光電変換素子3の受光面に内接する円周上(リング状)に照射するため、設計波長よりも長い波長の光は、より屈折角が小さい方向、つまり内接円よりも外側に照射する。従って、それらの光は、光電変換素子3の受光面の外側に出てしまう場合がある。特に内接円と受光面の接点付近では、内接円の外側が受光面の外側となる。そこで、設計波長を第2の波長、すなわち光電変換素子3の吸収波長範囲内で比較的長くに設定することにより、光電変換素子3で変換できる波長範囲内の光を、受光面の外に損失することなく概ね受光できることになる。つまり、光電変換素子3で利用できる波長範囲内の光を受光面に無駄なく照射し、かつ平面方向に平均化して受光できることになる。
また、本実施形態2において、光電変換素子3の内接円より内側の直上に相当する集光レンズ22の領域については透過部35、つまり、特に屈折を行わない単純透過となる構成とした。もしこの領域も第2レンズ部32として第2の波長の光を光電変換素子3内接円上に照射する設計にした場合は、凹レンズとなってしまうので、第2の波長より短い波長の光が光電変換素子3の外側に照射されてしまい、光を損失するからである。
透過部35は単純透過のため色収差もなく、この領域に入射した全波長の光が光電変換素子3の面内に均一に照射されるため、強度分布が均一となり好ましい。透過部35の具体的な構成としては、平坦部や穴などの形状を用いることができる。対称中心を平坦部や穴とすることにより、次の効果を得ることができる。例えば、レンズ中心の視認が容易になるのでレンズとセルとの位置合わせに利用することができる。また、レンズの対称中心近傍では通常リング状プリズムの高い加工精度が要求されるが、単純透過とすればその必要がない。また成形が容易になる。特に穴の場合、成形時の空気抜き穴とすることもできるので、より好ましい。
透過部35の代わりに実施例1で用いた第1レンズ部31を用いてもよい。その場合、すでに実施形態1にて説明した第1レンズ部31の効果も得られる。
以下に、具体的な実施例をもとにその効果を具体的に説明する。
実施形態2に基づいた例を実施例3として示す。
実施例3では、実施例1の集光レンズ21の代わりに集光レンズ22を用いた。それ以外の構成は実施例1と同様である。集光レンズ22は円形で、その直径2R22は170mmとした。光電変換素子3は実施例1と同様にSi単結晶からなる単一接合型光電変換素子を使用し、その吸収波長範囲は、300〜1200nm程度である。設計波長として第2の波長は上記吸収波長範囲を考慮して1200nmとした。集光レンズ22の半径値r=0〜85mmまでのうち、r=0〜3.5mmまでが透過部35であり、r=3.5〜85mmまでが第2レンズ部32である。つまり、第3の半径値が3.5mm、第4の半径値が85mmである。第2レンズ部32では、第2の波長の光が光電変換素子3の受光面の中心を中心とする直径7mmの円周上つまりリング状に照射するものとした。この照射領域は、光電変換素子3の受光面の内接円と同心円となる。
第2レンズ部32の設計波長を1200nmとした理由は、実施例3の構成において最もよい特性を示す波長を選んだものである。具体的には光電変換素子3の光電変換効率が高く、かつ光強度の面内分布がより均一な条件である。
以上の条件で、光電変換素子3の各平面座標に対する光強度分布を算出し、それをもとに光電変換された電流密度を算出した。
結果をもとに実施形態1で説明した比較例1と実施例3を比較する。
図14に、実施例3の集光型太陽電池における、光電変換素子3上に集光された光による電流密度分布を示す。さらに図15には、実施例1と同様に各特性値を示す。照射位置「手前側」とは、第2レンズ部32に入射した第2の波長1200nmの光は光電変換素子3の内接円上に、第2レンズ部32上の入射点から見て手前側の位置に照射されることを示している。つまり、第2レンズ部32上の入射点から見て、光軸2に対して手前側の内接円上に照射することを示している。
図15の結果を比較することで、次のことが言える。短絡電流Iscについては実施例3では4.03[A]、比較例1では4.02[A]と、ほぼ同じ値の短絡電流Iscが得られるよう設計できている。一方最大電流密度については実施例3では19.59[A/cm]、比較例1では45.49[A/cm]と実施例3の方が低い値になっている。つまり光電変換素子3の光強度分布において、比較例1では中心に光の過度の集中を招いているのに対し、実施例3では比較的均一に近い面内分布が得られていることが分かる。その様子は図14と図5を比較しても明らかである。
つまり、実施例3では、光電変換素子3の光強度分布において、中心への光の過度の集中を抑制し、比較的均一に近い面内分布を得ることで、変換される電流や温度の分布をより均一とし、光電変換素子3の長期信頼性の向上や、曲線因子FF(FillFactor)の向上を実現できる。
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、図面を参照し説明すれば以下の通りである。
図16及び図17、図18は、本発明の集光型太陽光発電装置の構成を説明する概要図であり、図16に太陽光の入射面側から見た平面図、図17、図18に図16のC−C’線断面図を示す。
まず、図16に基づいて実施形態3の概要を説明する。
本実施形態3の集光型太陽光発電装置13は、実施形態1の集光レンズ21の代わりに集光レンズ23を有している。それ以外の構成は実施形態1と同様であり、実施形態1中と同様の要素には同一の符号を付している。
本実施形態3では、集光レンズ23を集光レンズ21と同様に、複数のリング状のプリズムを略同心円状に配置したフレネルレンズとしている。この集光レンズ23を直径2R23の円形に形成するとともにモジュールフレームに保持させている。また、集光レンズ23は、集光形態の異なる、中心部の第1レンズ部31と、第1レンズ部31の周囲に形成された第2レンズ部32とで構成されている。第1の半径値から第2の半径値までの領域が第1レンズ部31で、第3の半径値から第4の半径値までの領域が第2レンズ部32で構成されている。図16に示す実施形態3では第1の半径値が0(対称中心)、第2の半径値と第3の半径値が実質的に等しく、第4の半径値がR23(集光レンズ23の半径)である例を示す。
次に、集光レンズ23について、図面を参照して更に詳しく説明する。
図17は本発明の実施形態3に係る、集光レンズ23の第1レンズ部31に入射した第1の波長の光が第1レンズ部31を経て光電変換素子3に照射する経路を示す図である。また、図18は本発明の実施形態3に係る、集光レンズ23の第2レンズ部32に入射した第2の波長の光が第2レンズ部32を経て光電変換素子3に照射する経路を示す図である。これらの図に基づいて本実施形態3の光学設計を説明する。
第1レンズ部31の光学設計および第1の波長の設定については、実施形態1と同様である。すなわち、光学設計の基準となる第1の波長は、光電変換素子3の吸収波長、つまり光電変換可能な波長の範囲に基づいて設定される。吸収波長範囲のうち最短波長近傍であることが望ましい。
図17に示すように、第1レンズ部31の各リング状プリズムに入射した第1の波長の入射光Li1は、第1レンズ部31により屈折し、出射光Lo1として出射する。そして、第1レンズ部31の出射光Lo1は、光軸2上の集光レンズ23と光電変換素子3との間に焦点を有し、かつ光電変換素子3の受光面に内接する円周上(リング状)に照射する。
一方、第2レンズ部32の光学設計の基準となる第2の波長は、光電変換素子3の吸収波長、つまり光電変換可能な波長の範囲に基づいて設定される。吸収波長範囲のうち第1の波長よりも長いことが望ましい。
図18に示すように、第2レンズ部32の各リング状プリズムに入射した第2の波長の入射光Li2は、第2レンズ部32により屈折し、出射光Lo2として出射する。そして、第2レンズ部32の出射光Lo2は、集光レンズ23から見て光軸2上の光電変換素子3よりも遠くに焦点を有し、かつ光電変換素子3の受光面に内接する円周上(リング状)に照射する。
図19は、実施形態3の第1レンズ部31による第1の波長の光の照射箇所および第2レンズ部32による第2の波長の光の照射箇所を模式的に示す図である。(a)は集光レンズ23へ各光が入射した領域を示し、(b)は(a)で入射した各光が光電変換素子3に照射する領域を示す。いずれも太陽光の入射面側から見た平面図である。第1レンズ部31については、設計波長である第1の波長の光に着目し、第1レンズ部31の一領域に入射した場合に、その光が光電変換素子3のどの領域に照射するかを示している。第2レンズ部32については、設計波長である第2の波長の光に着目し、第2レンズ部32の一領域に入射した場合に、その光が光電変換素子3のどの領域に照射するかを示している。
すでに図17で説明した、C−C’線断面における第1の波長の光の照射状況は、図19に示す直線状の入射領域31cと点状の照射領域31c’に相当し、同じく図18で説明した、C−C’線断面における第2の波長の光の照射状況は、直線状の入射領域32cと点状の照射領域32c’に相当する。つまり、第1レンズ部31の入射領域31cに入射した第1の波長の入射光Li1が、出射光Lo1として第1レンズ部31から出射し、いずれも光電変換素子3の照射領域31c’に照射することに相当し、第2レンズ部32の入射領域32cに入射した第2の波長の入射光Li2が、出射光Lo2として第2レンズ部32から出射し、いずれも光電変換素子3の照射領域32c’に照射することに相当する。集光レンズ23の光学機能は中心に対して回転対称なので、同様に入射領域31dへ入射した第1の波長の入射光Li1が照射領域31d’に照射し、入射領域32dへ入射した第2の波長の入射光Li2が照射領域32d’に照射する。
これらの光学設計を集光レンズ23全面に適用すると、第1レンズ部31では第1の波長の入射光Li1が屈折され、出射光Lo1がいずれも光軸2上の集光レンズ23と光電変換素子3との間に焦点を有し、光電変換素子3の受光面に内接する円周上(リング状)に照射する。また、第2レンズ部32では第2の波長の入射光Li2が屈折され、出射光Lo2がいずれも集光レンズ23から見て光軸2上の光電変換素子3よりも遠くに焦点を有し、かつ光電変換素子3の受光面に内接する円周上(リング状)に照射することが明らかである。
第1の波長と第2の波長の設定は実施形態1と実施形態2と同様に、発電効率を考慮して最適となるよう設定することができる。
本実施形態3では所定の半径値(実質的に等しい第2の半径値および第3の半径値、)で第1レンズ部31と第2レンズ部32を切替えている。実施形態1や実施形態2のように、集光レンズのほぼ全面を第1レンズ部31、あるいは第2レンズ部32で設計する場合と比べて得られる効果について以下に説明する。
すでに述べたように、集光レンズはその材料の光学波長分散によって色収差が発生し、集光レンズの同じ場所に入射した光でも、光の波長によって照射する光電変換素子3上の位置に差が生じる。この現象は屈折角が小さい集光レンズ中心付近ではほとんど無視できるほどに小さいが、屈折角が大きくなる、つまり集光レンズの半径値が大きくなるほど顕著となる。そのため、集光レンズの半径値が大きくなると、短波長である第1の波長の光と長波長である第2の波長の光の照射位置の距離が、本実施形態3で光学設計基準としている光電変換素子3の照射範囲(つまり内接円の直径2P)を超えてしまう場合がある。この半径値以上では、第1の波長から第2の波長までの光のすべてを光電変換素子3内に照射することはできず、第1の波長より短い光もしくは第2の波長より長い光のいずれかを損失することになる。この半径値は、集光レンズおよび光電変換素子3のサイズや集光レンズの材料の光学定数とその波長分散、光電変換素子3の吸収波長範囲により決まる所定の値となる。
例えば、集光レンズ中心からこの所定の半径値を超えて全面に第1レンズ部31を設けた場合には、この所定の半径値以上で第2の波長以上の波長を持つ光の一部が光電変換素子3外に照射されてしまう。集光レンズ中心付近からこの所定の半径値を超えて全面に第2レンズ部32を設けた場合には、この所定の半径値以上で第1の波長以下の波長を持つ光の一部が光電変換素子3外に照射されてしまう。この結果、例えば光電変換素子3に3接合型素子のように各サブセルの発生電流のバランスを取る必要がある素子を用いた場合には、特定のサブセルの発電効率が低下して、トータルの発電効率が低下することになる。
これに対し、本実施形態3の集光レンズ23のように、この所定の半径値を境界として第1レンズ部31と第2レンズ部32を設ければ、第1レンズ部31で第1の波長の光について発電効率の高い設計にしているので、第2レンズ部32において第1の波長付近の短波長の光をある程度損失してでも、第2の波長の光の発電効率を高くすることで、全波長でのトータルでの発電効率を向上することが可能である。実際には、これらの損失を考慮した上で、トータルの発電効率が最適となるよう第1と第2の波長を設定すればよい。
実施形態3に基づき、3接合型光電変換素子を使用した例を実施例4として示す。
実施例4の光電変換素子3は実施形態1の実施例2と同様のものを用いた。
実施例4では、実施例2の集光レンズ21の代わりに集光レンズ23を用いた。それ以外の構成は実施例2と同様である。集光レンズ23は円形で、その直径2R23は240mmとした。
集光レンズ23の半径値r=0〜120mmまでのうち、r=0〜93mmまでが第1レンズ部31であり、r=93〜120mmまでが第2レンズ部32である。つまり第1の半径値が0mm、第2の半径値が93mm、第3の半径値が93mm、第4の半径値が120mmである。第1レンズ部31および第2レンズ部32は、実施形態1、2で説明したものと同じ役割を果たし、第1レンズ部31の設計波長である第1の波長は400nm、第2レンズ部32の設計波長である第2の波長は880nmとし、それぞれ、光電変換素子3の受光面の中心を中心とする直径7mmの円周上つまりリング状に照射するものとした。
それぞれの設計波長を設定した理由は、実施例4の構成において最もよい特性を示す波長を選んだものであり、判断基準とその理由は実施例2と同様である。
以上の条件で、光電変換素子3の各平面座標に対する光強度分布を算出し、それをもとに光電変換された電流密度を算出した。
〔比較例3〕
比較例3については、光電変換素子3に実施例4と同じ3接合型光電変換素子を使用し、集光レンズ921は集光レンズ23と同サイズの円形状で図42に示した従来技術による光学設計とした。具体的には設計波長を550nmとし、集光レンズ921の全域に入射した550nmの光がすべて光電変換素子3の受光面の中心に集光するよう設計した。つまり、集光レンズ921のr=0〜120mmまで、つまり全域において550nmの光の焦点距離が250mmである。集光レンズ921以外については実施例4と共通の構成とした。
集光レンズ921の設計波長を550nmとした理由は、従来の光学設計において最もよい特性を示す波長を選んだものである。具体的には、実施例4と同様に各サブセルのうち、最も発生電流の少ないサブセルでの発生電流を最大化するように波長を設定した。
以上の条件で計算した結果をもとに実施例4および比較例3を比較する。
図20に、実施例4の集光型太陽電池における、光電変換素子3上に集光された光による電流密度分布を示す。(a)にトップセルの、(b)にミドルセルの、(c)にボトムセルの結果を示す。図21に同じく比較例3の結果を示す。さらに図22には、実施例2と同様に各特性値を示す。
図22の結果を比較することで、次のことが言える。
セル全体の短絡電流Iscについては実施例4ではトップセルが4.40[A]、ミドルセルが4.51[A]、ボトムセルが5.17[A]であり、太陽電池セル全体での短絡電流は最も短絡電流の少ないサブセルでの短絡電流に依存するため、4.40[A]である。比較例3では同じくトップセルが4.51[A]、ミドルセルが4.45[A]、ボトムセルが5.26[A]であり、太陽電池セル全体での短絡電流は最も短絡電流の少ないサブセルでの短絡電流に依存するため、4.45[A]である。すなわち、実施例4と比較例3では、ほぼ同じ値の短絡電流Iscが得られるよう設計できている。一方最大電流密度については実施例4ではトップセルが35.04[A/cm]、ミドルセルが32.70[A/cm]、ボトムセルが31.51[A/cm]、比較例3ではトップセルが53.72[A/cm]、ミドルセルが32.90[A/cm]、ボトムセルが15.57[A/cm]となっている。このことから、比較例3においては、各セル間の最大電流密度の差異が大きいのに対し、実施例4においては各セル間の最大電流密度の差異が小さい。さらに、光電変換素子3の各セルでの電流密度分布を図20、図21の各セルの分布形状をもとに比較すると、比較例3では各セルでの分布の差異が大きいのに対して、実施例4では比較的各セル間で分布の差異が小さいことが分かる。さらに言えば、実施例2に比べても、より各セル間で分布の差異を小さくできていることが分かる。
実施形態1でも説明したように、各サブセルの平面座標を同じくする1点に着目した場合、サブセル全体で最も発生電流の少ないサブセルでの発生電流密度を、他のサブセルでの発生電流密度が上回っていれば、各セルを直列方向に貫く電流の損失が少なくなり効率的になる。
最も発生電流の少ないサブセルは、実施例4においてトップセルであり、比較例3においてミドルセルである。実施例4ではミドルセル、ボトムセルともに、トップセルの電流密度の面内分布形状に近いので、概ねどの面内位置でもトップセルの発生電流を損失少なく直列方向に貫いて流すことができ効率的である。つまり発電効率が高い。これに対し比較例3ではトップセル、ボトムセルともに、電流密度分布形状がミドルセルと異なっている。このためミドルセルで発生した電流が、トップセル、ボトムセルで直列方向に流し切れず、電流が周囲に迂回することになり、低効率となり、結果として発電効率が低下する。
つまり、実施例4では、光電変換素子3の光強度分布において、中心への光の過度の集中を抑制し、さらに各セルで比較的近い面内分布を得ることで、変換される電流や温度の分布をより均一とし、光電変換素子3の長期信頼性の向上や、曲線因子FF(FillFactor)の向上を実現できる。
なお、本実施形態3において、集光レンズ23の内周側を第1レンズ部31、外周側を第2レンズ部32とする例を示した。これを光学設計の観点から説明すると、光学設計の基準波長を、集光レンズ23の内周側で第1の波長とし、外周側で第2の波長に切り替えたことに相当する。しかしながら、集光レンズ23および光電変換素子3などのサイズや位置関係によっては、他の形態が好ましい場合もある。具体的には光学設計の基準波長を集光レンズ23の内周側で第2の波長とし、外周側で第1の波長に切り替えた方が全波長でのトータルでの発電効率が向上する場合も有りうる。その場合は、例えば、集光レンズ23の内周側を第2レンズ部32とし、外周側を第1レンズ部31とする形態が適用できる。このように、全波長でのトータルでの発電効率が向上するよう適宜設計することができる。
なお、実施形態1から実施形態3まで説明してきた集光レンズ21〜23については、いずれも円形のものを用いたが、実際の形状は円形に限るものではない。例えば集光型太陽光発電装置を平面方向に効率良く配置するために、長方形や正方形、六角形など、平面に敷き詰められる形状であっても構わない。その場合は、集光レンズ21〜23の外縁部を適宜切り落として長方形や正方形、六角形などに加工してもよいし、当初から上記形状で形成してもよい。集光レンズとして有効な部分の光学設計が実施形態1から実施形態3で示した設計思想に基づいていれば各実施形態の効果を得ることができる。
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4について、図面を参照し説明すれば以下の通りである。
図23及び図24、図25は、本発明の集光型太陽光発電装置の構成を説明する概要図であり、図23に太陽光の入射面側から見た平面図、図24、図25に図23のD−D’線断面図を示す。
まず、図23に基づいて実施形態4の概要を説明する。
本実施形態4の集光型太陽光発電装置14は、実施形態3の集光レンズ23の代わりに集光レンズ24を有している。それ以外の構成は実施形態3と同様であり、実施形態3中と同様の要素には同一の符号を付している。
本実施形態4では、集光レンズ24を集光レンズ23と同様に、複数のリング状のプリズムを略同心円状に配置したフレネルレンズとしている。この集光レンズ24を直径2R24の円形に形成するとともにモジュールフレームに保持させている。また、集光レンズ24は、集光形態の異なる、中心部の透過部35と、透過部35の周囲に形成された第1レンズ部31と、第1レンズ部31の周囲に形成された第2レンズ部32とで構成されている。対称中心から第1の半径値までの領域が透過部35で、第1の半径値から第2の半径値までの領域が第1レンズ部31で、第3の半径値から第4の半径値までの領域が第2レンズ部32で構成されている。図23に示す実施形態4では第1の半径値が光電変換素子3の内接円の半径、第2の半径値と第3の半径値が実質的に等しく、第4の半径値がR24(集光レンズ24の半径)である例を示す。
次に、集光レンズ24について、図面を参照して更に詳しく説明する。
図24は本発明の実施形態4において、集光レンズ24の透過部35に入射した光が透過部35を経て光電変換素子3に照射する経路を示す図である。光電変換素子3の内接円より内側の直上に相当する集光レンズ24の領域については透過部35、つまり、特に屈折を行わない単純透過となる構成とした。図24に示すように、透過部35に入射した光はその直下の光電変換素子3の内接円より内側の領域に照射する。図24からも分かるように実施形態4の透過部35は実施形態2の透過部35と同様である。
図25は本発明の実施形態4に係る、集光レンズ24の第1レンズ部31に入射した第1の波長の光が第1レンズ部31を経て光電変換素子3に照射する経路を示す図である。図25からも分かるように実施形態4の第1レンズ部31は実施形態1および実施形態3の第1レンズ部31と同様である。
図26は、実施形態4の透過部35および第1レンズ部31による第1の波長の光の照射箇所を模式的に示す図である。(a)は集光レンズ24へ各光が入射した領域を示し、(b)は(a)で入射した各光が光電変換素子3に照射する領域を示す。いずれも太陽光の入射面側から見た平面図である。第1レンズ部31の設計波長である第1の波長の光に着目し、透過部35および第1レンズ部31のそれぞれの一領域に入射した場合に、その光が光電変換素子3のどの領域に照射するかを示している。
図24で説明した透過部35については実施形態2と同様に、入射領域35bに入射された全波長の光が単純透過し、照射領域35b’に照射される。
図25で説明した、D−D’線断面における第1の波長の光の照射状況は、図26に示す直線状の入射領域31eと点状の照射領域31e’に相当する。同様に入射領域31fに入射した第1の波長の光は照射領域31f’に照射される。
図24および図25、図26から明らかなように、実施形態3の集光レンズ23の第1の半径値が対称中心だったのに対し、本実施形態4の集光レンズ24の第1の半径値は光電変換素子3の内接円の半径となっており、対称中心から第1の半径値までが透過部35となっている構成である。それ以外については実施形態3の集光レンズ23と同様である。実施形態4の第2レンズ部32については実施形態3と同様であるため図示および説明を省略する。
本実施形態4では実施形態3の集光レンズ23の中心部に透過部35を設けた構成について説明したが、透過部35は実施形態3だけでなく、実施形態1にも適用できるし、以降に説明する実施形態5および実施形態6にも適宜適用することができる。透過部35は単純透過のため色収差もなく、この領域に入射した全波長の光が光電変換素子3の面内に均一に照射されるため、強度分布が均一となり好ましい。透過部35の具体的な構成としては、平坦部や穴などの形状を用いることができる。対称中心を平坦部や穴とすることにより、次の効果を得ることができる。例えば、レンズ中心の視認が容易になるのでレンズとセルとの位置合わせに利用することができる。また、レンズの対称中心近傍では通常リング状プリズムの高い加工精度が要求されるが、単純透過とすればその必要がない。また成形が容易になる。特に穴の場合、成形時の空気抜き穴とすることもできるので、より好ましい。
実施形態4に基づき、3接合型光電変換素子を使用した例を実施例5として示す。
実施例5の光電変換素子3は実施形態3の実施例4と同様のものを用いた。
実施例5では、実施例4の集光レンズ23の代わりに集光レンズ24を用いた。それ以外の構成は実施例4と同様である。集光レンズ24は円形で、その直径2R24は240mmとした。
集光レンズ24の半径値r=0〜120mmまでのうち、r=0〜3.5mmまでが透過部35であり、r=3.5〜93mmまでが第1レンズ部31であり、r=93〜120mmまでが第2レンズ部32である。つまり第1の半径値が3.5mm、第2の半径値が93mm、第3の半径値が93mm、第4の半径値が120mmである。透過部35、第1レンズ部31および第2レンズ部32は、これまでの実施形態で説明したものと同じ役割を果たし、第1レンズ部31の設計波長である第1の波長は400nm、第2レンズ部32の設計波長である第2の波長は880nmとし、それぞれ、光電変換素子3の受光面の中心を中心とする直径7mmの円周上つまりリング状に照射するものとした。
それぞれの設計波長を設定した理由は、実施例5の構成において最もよい特性を示す波長を選んだものであり、判断基準とその理由は実施例4と同様である。
実施例5において集光型太陽電池の各特性値を計算したところ、実施例4とほぼ同様の特性を得ることができた。すなわち、透過部35を設けることにより、集光型太陽電池としての特性を大きく損なうことなく、上述の透過部35の効果を得ることができる。
〔実施形態5〕
本発明の実施形態5について、図面を参照し説明すれば以下の通りである。
図27及び図28、図29は、本発明の集光型太陽光発電装置の構成を説明する概要図であり、図27に太陽光の入射面側から見た平面図、図28、図29に図27のE−E’線断面図を示す。
まず、図27に基づいて実施形態5の概要を説明する。
本実施形態5の集光型太陽光発電装置15は、実施形態1の集光レンズ21の代わりに集光レンズ25を有している。それ以外の構成は実施形態1と同様であり、実施形態1中と同様の要素には同一の符号を付している。
本実施形態5では、集光レンズ25を集光レンズ21と同様にフレネルレンズとしている。ただし、実施形態1から4で用いた円形の集光レンズと異なり、集光レンズ25は一辺2R25の正方形に形成しているため、その内接円より内側は複数のリング状のプリズム、内接円より外側は複数のリングの一部分の形状を有するプリズムが略同心円状に配置したフレネルレンズとしている。集光レンズ25は正方形であり、その光軸2において、同じく正方形である光電変換素子3と中心を一致させて相似形に配置している。
さらに、集光レンズ25は、集光形態の異なる、中心部の第1レンズ部31と、第1レンズ部31の周囲に形成された第3レンズ部33とで構成されており、その境界は集光レンズ25の内接円と一致している。第1の半径値から第2の半径値までの領域が第1レンズ部31で、第5の半径値から第6の半径値までの領域が第3レンズ部33で構成されている。図27に示す実施形態5では第1の半径値が0(対称中心)、第2の半径値と第5の半径値が実質的に等しく集光レンズ25の内接円の半径R25であり、第6の半径値が√2×R25である例を示す。
次に、集光レンズ25について、図面を参照して更に詳しく説明する。なお、実施形態1から4での説明と異なり、集光レンズ25が正方形であるため、集光レンズ25と光電変換素子3の対角線を含むE−E’断面を用いて説明する。
図28は本発明の実施形態5に係る、集光レンズ25の第1レンズ部31に入射した第1の波長の光が第1レンズ部31を経て光電変換素子3に照射する経路を示す図である。また、図29は本発明の実施形態5に係る、集光レンズ25の第3レンズ部33に入射した第1の波長の光が第3レンズ部33を経て光電変換素子3に照射する経路を示す図である。
これらの図に基づいて本実施形態5の光学設計を説明する。
第1レンズ部31の光学設計および第1の波長の設定については、実施形態1や実施形態3などと同様である。すなわち、光学設計の基準となる第1の波長は、光電変換素子3の吸収波長、つまり光電変換可能な波長の範囲に基づいて設定される。吸収波長範囲のうち最短波長近傍であることが望ましい。
図28に示すように、第1レンズ部31の各リング状プリズムに入射した第1の波長の入射光Li1は、第1レンズ部31により屈折し、出射光Lo1として出射する。そして、第1レンズ部31の出射光Lo1は、光軸2上の集光レンズ25と光電変換素子3との間に焦点を有し、かつ光電変換素子3の受光面に内接する円周上(リング状)に照射する。これについても実施形態1および3と同様である。ただし集光レンズ25のE−E’断面を図示したものであるため、光電変換素子3の断面も対角線を表しており、長さが√2Pとなっているのに対し、第1レンズ部31の第1の波長の光の照射箇所は光電変換素子3の幅であるPの位置となる。
一方、第3レンズ部33も第1の波長の光に基づいて光学設計されている。図29に示すように、第3レンズ部33へ入射した第1の波長の入射光Li3が第3レンズ部33にて屈折され、出射光Lo3が光軸2に対して光電変換素子3の奥側に照射される。この時、入射光Li3が入射した集光レンズ25上の半径値をrとすると、光電変換素子3の中心から(r/R25)×Pの位置に照射するように設計されている。なお、光軸2に対して奥側に照射されるために、光軸2上の集光レンズ25と光電変換素子3との間に焦点を有している点は第1レンズ部31と同様である。
例えば、集光レンズ25の内接円上、つまりr=R25に入射した第1の波長の光は、光軸2に対して奥側のPの位置、光電変換素子3の内接円上に照射する。集光レンズ25の角、つまりr=√2R25に入射した第1の波長の光は、光軸2に対して奥側の√2Pの位置、光電変換素子3の角に照射する。
図30は、実施形態5の第3レンズ部33による第1の波長の光の照射箇所を模式的に示す図である。第1レンズ部31については実施形態1や3などと同様であるため説明を省略する。(a)は集光レンズ25へ各光が入射した領域を示し、(b)は(a)で入射した各光が光電変換素子3に照射する領域を示す。いずれも太陽光の入射面側から見た平面図である。第3レンズ部33については、設計波長である第1の波長の光に着目し、第3レンズ部33の一領域に入射した場合に、その光が光電変換素子3のどの領域に照射するかを示している。
すでに図29で説明した、E−E’線断面における第1の波長の光の照射状況は、図30に示す直線状の入射領域33aと同じく直線状の照射領域33a’に相当する。つまり、第3レンズ部33の入射領域33aに入射した第1の波長の入射光Li3が、出射光Lo3として第3レンズ部33から出射し、いずれも光電変換素子3の照射領域33a’に照射することに相当する。集光レンズ25の光学機能は中心に対して回転対称なので、円弧状の入射領域33bへ入射した第1の波長の入射光Li3が同じく円弧状の照射領域33b’に照射する。
これらの光学設計を集光レンズ25全面に適用すると、第1レンズ部31では第1の波長の入射光Li1が屈折され、出射光Lo1がいずれも光軸2上の集光レンズ25と光電変換素子3との間に焦点を有し、光電変換素子3の受光面に内接する円周上(リング状)に照射する。また、第3レンズ部33では半径値rに入射した第1の波長の入射光Li3が屈折され、出射光Lo3がいずれも光軸2上の集光レンズ25と光電変換素子3との間に焦点を有し、光電変換素子3の受光面の中心から(r/R25)×Pの位置に照射することが明らかである。
つまり、本実施形態5の集光レンズ25の光学設計を別の言葉で表現すると下記のようになる。すなわち、集光レンズ25の内接円、およびそれよりも内側に入射した光は、そのうちの第1の波長の光が、すべて光軸2を通過した上で光電変換素子3の内接円上に照射するように設計されている。そして、集光レンズ25の内接円より外側かつ正方形内に照射した光は、そのうちの第1の波長の光が、光軸2を通過した上で、集光レンズ25上の入射位置に対応する光電変換素子3での相似点(ただし、光軸2を通過してから奥側に照射するので、中心に対して点対称の相似点)に照射するように設計されている。
ここで、第3レンズ部33をこのように設計することによって得られる効果について説明する。
例えば、実施形態1の技術思想を適用して、集光レンズ25の全面を第1レンズ部31にすることも可能である。具体的には例えば直径2√2R25の円形状から4辺を切り落として一辺2R25の正方形とすればよい。これによって第1の波長の光は光電変換素子3受光面の内接円上に照射されるため実施形態1と同様の効果が得られる。これに対し、本実施形態5の集光レンズ25はその形状が正方形、つまり光電変換素子3と相似形状であることから、この相似形状を利用することで、光電変換素子3受光面の内接円よりも外側の、正方形四隅の受光領域を活用することが可能である。具体的に示すと、図30で示した入射領域33bに対応する照射領域33b’からも分かるように、第3レンズ部33に入射した入射光Li3が光電変換素子3の内接円よりも外側の、正方形四隅の受光領域に照射されていることが分かる。もし照射領域33b’よりも外周側に照射するように設計すると、円弧状両端が光電変換素子3の受光面から外れてしまってその分の光量を損失するし、逆に照射領域33b’よりも内周側に照射するように設計すると照射領域が光電変換素子3の中心に近付くため、光量が受光面中心へ集中することになる上に、色収差による照射位置ずれの許容範囲が狭くなって一部の波長の光が受光面外に照射されてしまい、結果的に光量の損失となる。つまり、第1の波長の光の光電変換素子3への照射位置を、光損失の少ない範囲で内接円よりもできる限り外側にする、具体的には光電変換素子3の受光面の中心から(r/R25)×Pの位置に照射することで、光の中央部への過度の集中をさらに抑制し、より均一な光分布が実現できる。
もし集光レンズ25が光電変換素子3と相似形状ではない場合に第3レンズ部33を設けた場合、第1の波長の光の一部が光電変換素子3の受光面外に照射されてしまう場合もあるため、光を損失してしまう。つまり、本実施形態5のように集光レンズ25が光電変換素子3と相似形状である場合に第3レンズ部33を設けることが望ましい。
実施形態5に基づき、3接合型光電変換素子を使用した例を実施例6として示す。
実施例6の光電変換素子3は実施形態1の実施例2と同様のものを用いた。
実施例6では、実施例2の集光レンズ21の代わりに集光レンズ25を用いた。それ以外の構成は実施例2と同様である。集光レンズ25は正方形で、その一辺2R25は120mmとした。
集光レンズ25の半径値rは内接円までが0〜60mm、内接円より外側が60〜85mmであり、そのうちr=0〜60mmまでが第1レンズ部31であり、r=60〜85mmまでが第3レンズ部33である。つまり第1の半径値が0mm、第2の半径値が60mm、第5の半径値が60mm、第6の半径値が85mmである。第1レンズ部31および第3レンズ部33は、設計波長がいずれも第1の波長350nmであり、第1レンズ部31は光電変換素子3の受光面の中心を中心とする直径7mmの円周上つまりリング状に照射し、第3レンズ部33はその半径値rにおいて、受光面の光電変換素子3の中心から(r/R25)×Pつまり(60/3.5)×rの奥側の位置に照射するものとした。
それぞれの設計波長を設定した理由は、実施例6の構成において最もよい特性を示す波長を選んだものであり、判断基準は実施例2と同様である。
以上の条件で、光電変換素子3の各平面座標に対する光強度分布を算出し、それをもとに光電変換された電流密度を算出した。
〔比較例4〕
比較例4については、光電変換素子3に実施例2と同じ3接合型光電変換素子を使用し、集光レンズ921は集光レンズ25と同サイズの正方形状で図42に示した従来技術による光学設計とした。具体的には設計波長を700nmとし、集光レンズ921の全域に入射した700nmの光がすべて光電変換素子3の受光面の中心に集光するよう設計した。つまり、集光レンズ921のr=0〜85mmまで、つまり全域において700nmの光の焦点距離が250mmである。集光レンズ921以外については実施例6と共通の構成とした。
集光レンズ921の設計波長を700nmとした理由は、従来の光学設計において最もよい特性を示す波長を選んだものである。具体的には、実施例6と同様に各サブセルのうち、最も発生電流の少ないサブセルでの発生電流を最大化するように波長を設定した。
以上の条件で計算した結果をもとに実施例6および比較例4を比較する。
図31に、実施例6の集光型太陽電池における、光電変換素子3上に集光された光による電流密度分布を示す。(a)にトップセルの、(b)にミドルセルの、(c)にボトムセルの結果を示す。図32に同じく比較例4の結果を示す。さらに図33には、実施例2と同様に各特性値を示す。
図33の結果を比較することで、次のことが言える。
セル全体の短絡電流Iscについては実施例6ではトップセルが1.52[A]、ミドルセルが1.58[A]、ボトムセルが2.36[A]であり、太陽電池セル全体での短絡電流は最も短絡電流の少ないサブセルでの短絡電流に依存するため、1.52[A]である。比較例4では同じくトップセルが1.51[A]、ミドルセルが1.58[A]、ボトムセルが2.37[A]であり、太陽電池セル全体での短絡電流は最も短絡電流の少ないサブセルでの短絡電流に依存するため、1.51[A]である。すなわち、実施例6と比較例4では、ほぼ同じ値の短絡電流Iscが得られるよう設計できている。一方最大電流密度については実施例6ではトップセルが15.96[A/cm]、ミドルセルが16.23[A/cm]、ボトムセルが18.98[A/cm]、比較例4ではトップセルが25.30[A/cm]、ミドルセルが26.48[A/cm]、ボトムセルが29.42[A/cm]となっている。光電変換素子3の各セルでの電流密度分布を図31、図32の各セルの分布形状をもとに比較すると、比較例4では各セルでの分布の差異が大きいのに対して、実施例6では比較的各セル間で分布の差異が小さいことが分かる。
実施形態1でも説明したように、各サブセルの平面座標を同じくする1点に着目した場合、サブセル全体で最も発生電流の少ないサブセルでの発生電流密度を、他のサブセルでの発生電流密度が上回っていれば、各セルを直列方向に貫く電流の損失が少なくなり効率的になる。
実施例6においても比較例4においても、最も発生電流の少ないサブセルはトップセルである。実施例6ではミドルセル、ボトムセルともに、トップセルの電流密度の面内分布形状に近く、さらに電流密度の値も大きいので、概ねどの面内位置でもトップセルの発生電流を直列方向に貫いて流すことができ効率的である。つまり発電効率が高い。これに対し比較例4ではミドルセル、ボトムセルともに、電流密度分布形状がトップセルと異なっている。このためトップセルで発生した電流が、ミドルセル、ボトムセルで直列方向に流し切れず、電流が周囲に迂回することになり、低効率となり、結果として発電効率が低下する。
つまり、実施例6では、光電変換素子3の光強度分布において、中心への光の過度の集中を抑制し、さらに各セルで比較的近い面内分布を得ることで、変換される電流や温度の分布をより均一とし、光電変換素子3の長期信頼性の向上や、曲線因子FF(FillFactor)の向上を実現できる。
なお、本実施形態5では、第3レンズ部33の設計波長を、第1レンズ部31の設計波長である第1の波長とした。すなわち入射光Li3の波長を入射光Li1の波長と共通とした。しかしながら第3レンズ部33の設計波長は、光電変換素子3の吸収波長範囲のうち最短波長近傍であれば本発明の効果を得ることができるので、第1レンズ部31の設計波長と必ずしも一致する必要はなく、独自の波長としてもよい。
〔実施形態6〕
本発明の実施形態6について、図面を参照し説明すれば以下の通りである。
図34及び図35、図36は、本発明の集光型太陽光発電装置の構成を説明する概要図であり、図34に太陽光の入射面側から見た平面図、図35、図36に図34のF−F’線断面図を示す。
まず、図34に基づいて実施形態6の概要を説明する。
本実施形態6の集光型太陽光発電装置16は、実施形態5の集光レンズ25の代わりに集光レンズ26を有している。それ以外の構成は実施形態5と同様であり、実施形態5中と同様の要素には同一の符号を付している。
本実施形態6では、集光レンズ26を集光レンズ25と同様に正方形に形成しているため、その内接円より内側は複数のリング状のプリズム、内接円より外側は複数のリングの一部分の形状を有するプリズムが略同心円状に配置したフレネルレンズとしている。集光レンズ25と同様にその光軸2において、同じく正方形である光電変換素子3と中心を一致させて相似形に配置している。なお、集光レンズ26の一辺は2R26である。
さらに、集光レンズ26は、集光形態の異なる、中心部の第1レンズ部31と、第1レンズ部31の周囲に形成された第3レンズ部33と、第3レンズ部33の周囲に形成された第4レンズ部34とで構成されており、第1レンズ部31と第3レンズ部33の境界は集光レンズ26の内接円と一致している。第1の半径値から第2の半径値までの領域が第1レンズ部31で、第5の半径値から第6の半径値までの領域が第3レンズ部33で、第7の半径値から第8の半径値までの領域が第4レンズ部34で構成されている。図34に示す実施形態6では第1の半径値が0(対称中心)、第2の半径値と第5の半径値が実質的に等しく集光レンズ26の内接円の半径R26であり、第6の半径値と第7の半径値が実質的に等しく、第8の半径値が√2×R26である例を示す。
次に、集光レンズ26について、図面を参照して更に詳しく説明する。なお、実施形態5と同様に、集光レンズ26が正方形であるため、集光レンズ26と光電変換素子3の対角線を含むF−F’断面を用いて説明する。
図35は本発明の実施形態6に係る、集光レンズ26の第3レンズ部33に入射した第1の波長の光が第3レンズ部33を経て光電変換素子3に照射する経路を示す図である。また、図36は本発明の実施形態6に係る、集光レンズ26の第4レンズ部34に入射した第2の波長の光が第4レンズ部34を経て光電変換素子3に照射する経路を示す図である。なお、第1レンズ部31については、実施形態5と同様であるため説明を省略する。
これらの図に基づいて本実施形態6の光学設計を説明する。
第1レンズ部31および第3レンズ部33の光学設計およびその設計波長である第1の波長の設定については、実施形態5と同様である。すなわち、光学設計の基準となる第1の波長は、光電変換素子3の吸収波長、つまり光電変換可能な波長の範囲に基づいて設定される。吸収波長範囲のうち最短波長近傍であることが望ましい。
図35に示すように、第3レンズ部33へ入射した第1の波長の入射光Li3が第3レンズ部33にて屈折され、出射光Lo3が光軸2に対して光電変換素子3の奥側に照射される。この時、入射光Li3が入射した集光レンズ26上の半径値をrとすると、光電変換素子3の中心から(r/R26)×Pの位置に照射するように設計されている。なお、光軸2に対して奥側に照射されるために、光軸2上の集光レンズ26と光電変換素子3との間に焦点を有している。これらは実施形態5の第3レンズ部33と同様である。
一方、第4レンズ部34は第2の波長の光に基づいて光学設計されている。図36に示すように、第4レンズ部34へ入射した第2の波長の入射光Li4が第4レンズ部34にて屈折され、出射光Lo4が光軸2に対して光電変換素子3の手前側に照射される。この時、入射光Li4が入射した集光レンズ26上の半径値をrとすると、光電変換素子3の中心から(r/R26)×Pの位置に照射するように設計されている。なお、光軸2に対して手前側に照射されるために、出射光Lo4がいずれも集光レンズ26から見て光軸2上の光電変換素子3よりも遠くに焦点を有している点は第2レンズ部32と同様である。また、光電変換素子3の中心から(r/R26)×Pの位置に照射するように設計されている点は第3レンズ部33と同様である。
例えば、集光レンズ26の角、つまりr=√2R26に入射した第2の波長の光は、光軸2に対して手前側の√2Pの位置、光電変換素子3の角に照射する。
図37は、実施形態6の第4レンズ部34による第2の波長の光の照射箇所を模式的に示す図である。第1レンズ部31および第3レンズ部33については実施形態5と同様であるため説明を省略する。(a)は集光レンズ26へ各光が入射した領域を示し、(b)は(a)で入射した各光が光電変換素子3に照射する領域を示す。いずれも太陽光の入射面側から見た平面図である。第4レンズ部34については、設計波長である第2の波長の光に着目し、第4レンズ部34の一領域に入射した場合に、その光が光電変換素子3のどの領域に照射するかを示している。
すでに図36で説明した、F−F’線断面における第2の波長の光の照射状況は、図37に示す直線状の入射領域34aと同じく直線状の照射領域34a’に相当する。つまり、第4レンズ部34の入射領域34aに入射した第2の波長の入射光Li4が、出射光Lo4として第4レンズ部34から出射し、いずれも光電変換素子3の照射領域34a’に照射することに相当する。集光レンズ26の光学機能は中心に対して回転対称なので、曲線状の入射領域34bへ入射した第2の波長の入射光Li4が同じく曲線状の照射領域34b’に照射する。
これらの光学設計を集光レンズ26全面に適用すると、第1レンズ部31では第1の波長の入射光Li1が屈折され、出射光Lo1がいずれも光軸2上の集光レンズ26と光電変換素子3との間に焦点を有し、光電変換素子3の受光面に内接する円周上(リング状)に照射する。また、第3レンズ部33では半径値rに入射した第1の波長の入射光Li3が屈折され、出射光Lo3がいずれも光軸2上の集光レンズ26と光電変換素子3との間に焦点を有し、光電変換素子3の受光面の中心から(r/R26)×Pの位置に照射する。さらに、第4レンズ部34では半径値rに入射した第2の波長の入射光Li4が屈折され、出射光Lo4がいずれも集光レンズ26から見て光軸2上の光電変換素子3よりも遠くに焦点を有し、光電変換素子3の受光面の中心から(r/R26)×Pの位置に照射することが明らかである。なお、第1の波長と第2の波長の設定は実施形態3と実施形態4と同様に、発電効率を考慮して最適となるよう設定することができる。
ここで、第4レンズ部34をこのように設計することによって得られる効果について説明する。
すでに実施形態3において説明したように、集光レンズはその材料の光学波長分散によって色収差が発生し、集光レンズの同じ場所に入射した光でも、光の波長によって照射する光電変換素子3上の位置に差が生じる。この現象は屈折角が小さい集光レンズ中心付近ではほとんど無視できるほどに小さいが、屈折角が大きくなる、つまり集光レンズの半径値が大きくなるほど顕著となる。そのため、集光レンズの半径値が大きくなると、短波長である第1の波長の光と長波長である第2の波長の光の照射位置の距離が、本実施形態6で光学設計基準としている光電変換素子3の照射範囲(r/R26)×2Pを超えてしまう場合がある。この半径値r以上では、第1の波長から第2の波長までの光のすべてを光電変換素子3内に照射することはできず、第1の波長より短い光もしくは第2の波長より長い光のいずれかを損失することになる。この半径値は、集光レンズおよび光電変換素子3のサイズや集光レンズの材料の光学定数とその波長分散、光電変換素子3の吸収波長範囲により決まる所定の値となる。
例えば、r>R26からこの所定の半径値を超えて第3レンズ部33を設けた場合には、この所定の半径値以上で第2の波長以上の波長を持つ光の一部が光電変換素子3外に照射されてしまう。r>R26からこの所定の半径値を超えて第4レンズ部34を設けた場合には、この所定の半径値以上で第1の波長以下の波長を持つ光の一部が光電変換素子3外に照射されてしまう。この結果、例えば光電変換素子3に3接合型素子のように各サブセルの発生電流のバランスを取る必要がある素子を用いた場合には、特定のサブセルの発電効率が低下して、トータルの発電効率が低下することになる。
これに対し、本実施形態6の集光レンズ26のように、この所定の半径値を境界として第3レンズ部33と第4レンズ部34を設ければ、第1レンズ部31および第3レンズ部33で第1の波長の光について発電効率の高い設計にしているので、第4レンズ部34において第1の波長付近の短波長の光をある程度損失してでも、第2の波長の光の発電効率を高くすることで、全波長でのトータルでの発電効率を向上することが可能である。実際には、これらの損失を考慮した上で、トータルの発電効率が最適となるよう第1と第2の波長を設定すればよい。
なお、実施形態3や実施形態4では光電変換素子3の照射範囲を内接円(直径2P)に設計したが、本実施形態6のr>R26においては照射範囲を内接円よりも外側の(r/R26)×Pの位置に設計しているため、上記色収差による光損失を生じる半径値が大きくなる。この点以外については、第3レンズ部33と第4レンズ部34の関係およびその両方を設けることによる効果は第1レンズ部31と第2レンズ部32の場合と同様である。
また、集光レンズ26の形状が正方形、つまり光電変換素子3と相似形状であることを活用することで、光を損失することなく照射位置を光電変換素子3の内接円よりも外周部としていることおよびその効果については実施形態5と同様である。
実施形態6に基づき、3接合型光電変換素子を使用した例を実施例7として示す。
実施例7の光電変換素子3は実施形態1の実施例2と同様のものを用いた。
実施例7では、実施例6の集光レンズ25の代わりに集光レンズ26を用いた。それ以外の構成は実施例4や実施例6と同様である。集光レンズ26は正方形で、その一辺2R26は170mmとした。
集光レンズ26の半径値rは内接円までが0〜85mm、内接円より外側が85〜120mmであり、そのうちr=0〜85mmまでが第1レンズ部31であり、r=85〜105mmまでが第3レンズ部33であり、r=105〜120mmまでが第4レンズ部34である。つまり第1の半径値が0mm、第2の半径値が85mm、第5の半径値が85mm、第6の半径値が105mm、第7の半径値が105mm、第8の半径値が120mm、である。第1レンズ部31および第3レンズ部33は、設計波長がいずれも第1の波長400nmであり、第1レンズ部31は光電変換素子3の受光面の中心を中心とする直径7mmの円周上つまりリング状に照射し、第3レンズ部33はその半径値rにおいて、受光面の光電変換素子3の中心から(r/R26)×Pつまり(85/3.5)×rの奥側の位置に照射するものとした。第4レンズ部34は設計波長が第2の波長880nmであり、その半径値rにおいて、受光面の光電変換素子3の中心から(r/R26)×Pつまり(85/3.5)×rの手前側の位置に照射するものとした。
それぞれの設計波長を設定した理由は、実施例7の構成において最もよい特性を示す波長を選んだものであり、判断基準は実施例4と同様である。なお、実施例7では第1の波長が380nm〜410nmの範囲内で良好な特性が得られた。この範囲の波長の光はInGaPを含むトップセルにより吸収されるため、InGaPを含む光電変換層を有する場合には第1の波長が380nm〜410nmの範囲内であることが好ましい。また、第2の波長が800nm〜950nmの範囲内で良好な特性が得られた。この範囲の波長の光はInGaAsを含むミドルセルにより吸収されるため、InGaAsを含む光電変換層を有する場合には第2の波長が800nm〜950nmの範囲内であることが好ましい。
以上の条件で、光電変換素子3の各平面座標に対する光強度分布を算出し、それをもとに光電変換された電流密度を算出した。
〔比較例5〕
比較例5については、光電変換素子3に実施例2と同じ3接合型光電変換素子を使用し、集光レンズ921は集光レンズ26と同サイズの正方形状で図42に示した従来技術による光学設計とした。具体的には設計波長を500nmとし、集光レンズ921の全域に入射した500nmの光がすべて光電変換素子3の受光面の中心に集光するよう設計した。つまり、集光レンズ921のr=0〜120mmまで、つまり全域において500nmの光の焦点距離が250mmである。集光レンズ921以外については実施例7と共通の構成とした。
集光レンズ921の設計波長を500nmとした理由は、従来の光学設計において最もよい特性を示す波長を選んだものである。具体的には、実施例7と同様に各サブセルのうち、最も発生電流の少ないサブセルでの発生電流を最大化するように波長を設定した。
以上の条件で計算した結果をもとに実施例7および比較例5を比較する。
図38に、実施例7の集光型太陽電池における、光電変換素子3上に集光された光による電流密度分布を示す。(a)にトップセルの、(b)にミドルセルの、(c)にボトムセルの結果を示す。図39に同じく比較例5の結果を示す。さらに図40には、実施例2と同様に各特性値を示す。
図40の結果を比較することで、次のことが言える。
セル全体の短絡電流Iscについては実施例7ではトップセルが2.97[A]、ミドルセルが3.07[A]、ボトムセルが4.23[A]であり、太陽電池セル全体での短絡電流は最も短絡電流の少ないサブセルでの短絡電流に依存するため、2.97[A]である。比較例5では同じくトップセルが3.00[A]、ミドルセルが2.97[A]、ボトムセルが3.83[A]であり、太陽電池セル全体での短絡電流は最も短絡電流の少ないサブセルでの短絡電流に依存するため、2.97[A]である。すなわち、実施例7と比較例5では、ほぼ同じ値の短絡電流Iscが得られるよう設計できている。一方最大電流密度については実施例7ではトップセルが24.94[A/cm]、ミドルセルが26.87[A/cm]、ボトムセルが30.25[A/cm]、比較例5ではトップセルが35.01[A/cm]、ミドルセルが14.95[A/cm]、ボトムセルが11.39[A/cm]となっている。このことから、比較例5においては、各セル間の最大電流密度の差異が大きいのに対し、実施例7においては各セル間の最大電流密度の差異が小さい。さらに、光電変換素子3の各セルでの電流密度分布を図38、図39の各セルの分布形状をもとに比較すると、比較例5では各セルでの分布の差異が大きいのに対して、実施例7では比較的各セル間で分布の差異が小さいことが分かる。
実施形態1でも説明したように、各サブセルの平面座標を同じくする1点に着目した場合、サブセル全体で最も発生電流の少ないサブセルでの発生電流密度を、他のサブセルでの発生電流密度が上回っていれば、各セルを直列方向に貫く電流の損失が少なくなり効率的になる。
最も発生電流の少ないサブセルは、実施例7においてトップセルであり、比較例5においてミドルセルである。実施例7ではミドルセル、ボトムセルともに、トップセルの電流密度の面内分布形状に近く、さらに電流密度の値も大きいので、概ねどの面内位置でもトップセルの発生電流を直列方向に貫いて流すことができ効率的である。つまり発電効率が高い。これに対し比較例5ではトップセル、ボトムセルともに、電流密度分布形状がミドルセルと異なっている。このためミドルセルで発生した電流が、トップセル、ボトムセルで直列方向に流し切れず、電流が周囲に迂回することになり、低効率となり、結果として発電効率が低下する。
つまり、実施例7では、光電変換素子3の光強度分布において、中心への光の過度の集中を抑制し、さらに各セルで比較的近い面内分布を得ることで、変換される電流や温度の分布をより均一とし、光電変換素子3の長期信頼性の向上や、曲線因子FF(FillFactor)の向上を実現できる。
なお、実施形態5および実施形態6で説明してきた集光レンズ25、26については、いずれも正方形のものを用いたため、効率よく平面に敷き詰めることができ、スペースの有効活用が可能である。集光レンズ25、26を光電変換素子3の形を正方形に限らず、長方形、六角形などにすることでもスペースの有効活用が可能である。
なお、本実施形態6では、第3レンズ部33の設計波長を、第1レンズ部31の設計波長である第1の波長とした。しかしながら、実施形態5と同様に、第3レンズ部33の設計波長は、光電変換素子3の吸収波長範囲のうち最短波長近傍であれば本発明の効果を得ることができるので、第1レンズ部31の設計波長と必ずしも一致する必要はなく、独自の波長としてもよい。
なお、本実施形態6において、集光レンズ26の内接円内を第1レンズ部31、内接円外を内周側から第3レンズ部33、第4レンズ部34とする例を示した。これを光学設計の観点から説明すると、光学設計の基準波長を第1の波長から第2の波長に切り替える半径値、つまり第3レンズ部33と第4レンズ部34の境界が集光レンズ26の内接円の外側にあることに相当する。しかしながら、集光レンズ26および光電変換素子3などのサイズや位置関係によっては、他の形態が好ましい場合もある。具体的には光学設計の基準波長を第1の波長から第2の波長に切り替える半径値が、集光レンズ26の内接円の内側とした方が全波長でのトータルでの発電効率が向上する場合も有りうる。その場合は、例えば、集光レンズ26の内接円内を実施形態3で説明したように内周側から第1レンズ部31、第2レンズ部32とし、内接円外を第4レンズ部34とする形態が適用できる。このように、全波長でのトータルでの発電効率が向上するよう適宜設計することができる。
これまでの説明をまとめると下記の通りである。
本発明に係る集光型太陽光発電装置は、集光レンズと、該集光レンズにより集光された光を受光する光電変換素子を備える集光式太陽光発電装置であって、前記集光レンズは、第1の半径値から第2の半径値までの領域が第1レンズ部からなり、前記第1レンズ部は、前記光電変換素子の光電変換波長範囲における最短波長近傍の第1の波長の光に対して、前記集光レンズの対称中心からの半径値に応じた焦点距離を有し、かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも短く、さらに、前記光電変換素子の受光面に内接する円周上に照射することを特徴としている。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記集光レンズは、第3の半径値から第4の半径値までの領域が第2レンズ部からなり、前記第3の半径値は前記第2の半径値と実質的に等しく、前記第2レンズ部は、前記光電変換素子の光電変換波長範囲における、前記第1の波長よりも長い第2の波長の光に対して、前記集光レンズの対称中心からの半径値に応じた焦点距離を有し、かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも長く、さらに、前記光電変換素子の受光面に内接する円周上に照射することが好ましい。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記集光レンズは、第5の半径値から第6の半径値までの領域が第3レンズ部からなり、前記集光レンズは、前記光電変換素子と相似形状であり、前記第2の半径値および前記第5の半径値は、前記集光レンズの内接円の半径値と実質的に等しく、第3レンズ部は、前記第1の波長の光に対して、前記集光レンズの対称中心からの半径値rに応じた焦点距離を有し、かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも短く、さらに、前記集光レンズの内接円の半径値をR、前記光電変換素子の受光面の内接円の半径値をPとした時に、前記半径値rに入射した光が、前記光電変換素子の受光面において(r/R)×Pの円周上に照射することが好ましい。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記集光レンズは、第7の半径値から第8の半径値までの領域が第4レンズ部からなり、前記第7の半径値は前記第6の半径値と実質的に等しく、前記第4レンズ部は、前記光電変換素子の光電変換波長範囲における、前記第1の波長よりも長い第2の波長の光に対して、前記集光レンズの対称中心からの半径値rに応じた焦点距離を有し、かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも長く、さらに、前記半径値rに入射した光が、前記光電変換素子の受光面において(r/R)×Pの円周上に照射することが好ましい。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記集光レンズは、第7の半径値から第8の半径値までの領域が第4レンズ部からなり、前記集光レンズは、前記光電変換素子と相似形状であり、前記第4の半径値および前記第7の半径値は、前記集光レンズの内接円の半径値と実質的に等しく、前記第4レンズ部は、前記光電変換素子の光電変換波長範囲における、前記第1の波長よりも長い第3の波長の光に対して、前記集光レンズの対称中心からの半径値rに応じた焦点距離を有し、かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも長く、さらに、前記集光レンズの内接円の半径値をR、前記光電変換素子の受光面の内接円の半径値をPとした時に、前記半径値rに入射した光が、前記光電変換素子の受光面において(r/R)×Pの円周上に照射することが好ましい。
本発明に係る集光型太陽光発電装置は、集光レンズと、該集光レンズにより集光された光を受光する光電変換素子を備える集光式太陽光発電装置であって、前記集光レンズは、第3の半径値から第4の半径値までの領域が第2レンズ部からなり、前記第2レンズ部は、前記光電変換素子の光電変換波長範囲における、第2の波長の光に対して、前記集光レンズの対称中心からの半径値に応じた焦点距離を有し、かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも長く、さらに、前記光電変換素子の受光面に内接する円周上に照射することを特徴としている。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記集光レンズは、第1の半径値から第2の半径値までの領域が第1レンズ部からなり、前記第1の半径値は前記第4の半径値と実質的に等しく、前記第1レンズ部は、前記光電変換素子の光電変換波長範囲における最短波長近傍であり、前記第2の波長よりも短い第1の波長の光に対して、前記集光レンズの対称中心からの半径値に応じた焦点距離を有し、かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも短く、さらに、前記光電変換素子の受光面に内接する円周上に照射することが好ましい。
上記構成によれば、光電変換素子3の光強度分布において、中心への光の過度の集中を抑制し、比較的均一に近い面内分布を得ることで、変換される電流や温度の分布をより均一とし、光電変換素子3の長期信頼性の向上や、曲線因子FF(FillFactor)の向上を実現できるという効果を奏する。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記光電変換素子は、前記第1の波長の光を受光して発電する第1の光電変換層を含むことが好ましい。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記第1の光電変換層はInGaPを含み、前記第1の波長の光の波長は380nm〜410nmであることが好ましい。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記光電変換素子は、前記第1の波長の光を受光して発電する第1の光電変換層と、前記第2の波長の光を受光して発電する第2の光電変換層と、を含む複数の光電変換層を積層した構造を有することが好ましい。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記第1の光電変換層はInGaPを含み、前記第2の光電変換層はInGaAsを含み、前記第1の波長の光の波長は380nm〜410nmであり、前記第2の波長の光の波長は800nm〜950nmであることが好ましい。
上記構成によれば、太陽光に含まれる色々な波長の光を複数のサブセルのそれぞれで吸収して発電する為、発電効率を向上させることが可能である。加えて、光電変換素子3の光強度分布において、中心への光の過度の集中を抑制し、さらに各セルで比較的近い面内分布を得ることで、変換される電流や温度の分布をより均一とし、光電変換素子3の長期信頼性の向上や、曲線因子FF(FillFactor)の向上を実現できるという効果を奏する。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、前記集光レンズは、複数のリング状のプリズムおよび/または複数のリングの一部分の形状を有するプリズムと、を略同心円状に配置したものであることが好ましい。
上記構成によれば、薄肉化による軽量化及び材料コストの低減、集光倍率の向上、ならびに成型の加工性が高いという効果を奏する。
また、本発明の集光型太陽光発電装置において、集光レンズの対称中心に、平坦部もしくは穴からなる透過部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、透過部に入射した全波長の光が光電変換素子の受光面内に均一に照射されるため、強度分布が均一となる。また、レンズ中心の視認が容易になるのでレンズとセルとの位置合わせが容易となる。また、レンズの対称中心近傍では通常リング状プリズムの高い加工精度が要求されるが、その必要がない。また成形が容易になる。特に穴の場合、成形時の空気抜き穴とすることもできるという効果を奏する。
本発明に係る集光型太陽光発電装置は、集光レンズで集光した光を光電変換素子に照射する集光型太陽光発電装置として使用する用途全般に広く適用することができる。
2 光軸
3 光電変換素子
11、12、13、14、15、16 集光型太陽光発電装置
21、22、23、24、25、26 集光レンズ
31 第1レンズ部
31a、31b、31c、31d、31e、31f 入射領域
31a’、31b’、31c’、31d’、31e’、31f’ 照射領域
32 第2レンズ部
32a、32b、32c、32d 入射領域
32a’、32b’、32c’、32d’ 照射領域
33 第3レンズ部
33a、33b 入射領域
33a’、33b’ 照射領域
34 第4レンズ部
34a、34b 入射領域
34a’、34b’ 照射領域
35 透過部
35a、35b 入射領域
35a’、35b’ 照射領域
Li1、Li2、Li3、Li4 入射光
Lo1、Lo2、Lo3、Lo4 出射光

Claims (5)

  1. 集光レンズと、該集光レンズにより集光された光を受光する光電変換素子を備える集光式太陽光発電装置であって、
    前記集光レンズは、第1の半径値から第2の半径値までの領域が第1レンズ部からなり、
    前記第1レンズ部は、
    前記光電変換素子の光電変換波長範囲における最短波長近傍の第1の波長の光に対して、
    前記集光レンズの対称中心からの半径値に応じた焦点距離を有し、
    かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも短く、
    さらに、前記光電変換素子の受光面に内接する円周上に照射することを特徴とする集光式太陽光発電装置。
  2. 前記集光レンズは、第3の半径値から第4の半径値までの領域が第2レンズ部からなり、前記第3の半径値は前記第2の半径値と実質的に等しく、
    前記第2レンズ部は、
    前記光電変換素子の光電変換波長範囲における、前記第1の波長よりも長い第2の波長の光に対して、
    前記集光レンズの対称中心からの半径値に応じた焦点距離を有し、
    かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも長く、
    さらに、前記光電変換素子の受光面に内接する円周上に照射することを特徴とする請求項1に記載の集光式太陽光発電装置。
  3. 前記集光レンズは、第5の半径値から第6の半径値までの領域が第3レンズ部からなり、
    前記集光レンズは、前記光電変換素子と相似形状であり、前記第2の半径値および前記第5の半径値は、前記集光レンズの内接円の半径値と実質的に等しく、
    第3レンズ部は、前記第1の波長の光に対して、
    前記集光レンズの対称中心からの半径値rに応じた焦点距離を有し、
    かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも短く、
    さらに、前記集光レンズの内接円の半径値をR、前記光電変換素子の受光面の内接円の半径値をPとした時に、前記半径値rに入射した光が、前記光電変換素子の受光面において
    (r/R)×P
    の円周上に照射することを特徴とする請求項1に記載の集光式太陽光発電装置。
  4. 前記集光レンズは、第7の半径値から第8の半径値までの領域が第4レンズ部からなり、前記第7の半径値は前記第6の半径値と実質的に等しく、
    前記第4レンズ部は、
    前記光電変換素子の光電変換波長範囲における、前記第1の波長よりも長い第2の波長の光に対して、
    前記集光レンズの対称中心からの半径値rに応じた焦点距離を有し、
    かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも長く、
    さらに、前記半径値rに入射した光が、前記光電変換素子の受光面において
    (r/R)×P
    の円周上に照射することを特徴とする請求項3に記載の集光式太陽光発電装置。
  5. 集光レンズと、該集光レンズにより集光された光を受光する光電変換素子を備える集光式太陽光発電装置であって、
    前記集光レンズは、第3の半径値から第4の半径値までの領域が第2レンズ部からなり、
    前記第2レンズ部は、
    前記光電変換素子の光電変換波長範囲における、第2の波長の光に対して、
    前記集光レンズの対称中心からの半径値に応じた焦点距離を有し、
    かつ、前記焦点距離はいずれも前記集光レンズと前記光電変換素子の間の距離よりも長く、
    さらに、前記光電変換素子の受光面に内接する円周上に照射することを特徴とする集光式太陽光発電装置。
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