JP2015207392A - 電池用添加剤 - Google Patents

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史行 田邊
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Abstract

【課題】電極上特に正極上で良好なSEIを形成することができ、かつ該SEIが過剰に形成しないことにより、電池の常用温度でのサイクル特性および低温でのサイクル特性を改善することが可能な電池用添加剤を提供する。【解決手段】下記一般式(1)で表される有機基を有する化合物(A)を含有する電池用添加剤(B)。[式(1)中、A1〜A3は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基であり少なくとも2つは水素原子である。mは1〜3の整数である。]【選択図】なし

Description

本発明は電池用添加剤、該電池用添加剤を含有する電極および電解液ならびに該電極および電解液のうち少なくとも一方を有するリチウムイオン電池に関する。
リチウムイオン電池などの非水電解液二次電池は、高電圧、高エネルギー密度という特徴を持つことから、携帯情報機器分野などにおいて広く利用され、携帯電話、ノート型パソコンを始めとする携帯端末用標準電池としての地位が確立されている。その用途は拡大する一方で、従来用途に加えてハイブリット自動車や電気自動車などへの適用も検討されており一部では既に実用化されている。これらの更なる普及のためにも二次電池の高性能化が求められており様々な技術の適用が試みられている。
リチウムイオン電池の性能を向上させるためにSEI(Solid Electrolyte Interface、固体電解質界面)を形成させる添加剤を電解液に添加する技術が知られている。例えばビニレンカーボネート(VC)やフルオロエチレンカーボネート(FEC)は負極上でSEIを形成させることが知られており(例えば特許文献1、2)、ビニルエーテル系化合物は正極上でSEIを形成させることが知られている(特許文献3)。また、発明者らは重合性不飽和結合を有する化合物がSEIの形成に有効であることを見出している(特許文献4)。
SEIの存在により電池特性が大きく変化するため、これらSEIの制御は電池性能を左右する上で非常に重要な技術であるといえる。
特開2005−174867号公報 特開2013−16517号公報 特開2013−26180号公報 WO2014/006845号パンフレット
しかしVCやFECは負極ではSEIを形成するものの正極では良好なSEIを形成することができない。また上記ビニルエーテル系化合物はカチオン重合性であるため正極でSEIを形成するがイオン伝導性の低いSEIが過剰に形成するため抵抗が上昇し、出力特性や低温での電池特性に劣るという問題点があった。本発明はこれらの課題をかんがみてなされたものである。
すなわち本発明の目的は電極上、とくに正極上で良好なSEIを形成することができ、かつ該SEIが過剰に形成しないことによって、電池の常用温度でのサイクル特性(以下単にサイクル特性という)および低温でのサイクル特性を改善することが可能な電池用添加剤を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。すなわち本発明は下記一般式(1)で表される有機基を有する化合物(A)を含有する電池用添加剤(B);該電池用添加剤(B)を含有する電極;該電池用添加剤(B)を含有する電解液;該電極および該電解液のうち少なくとも一方を有するリチウムイオン電池である。
Figure 2015207392
[式(1)中、A〜Aは水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基であり少なくとも2つは水素原子である。mは1〜3の整数である。]
本発明の電池用添加剤(B)を含有する電極または電解液を使用することで、電池のサイクル特性および低温でのサイクル特性を改善することができる。
本発明の電池用添加剤(B)は上記一般式(1)で表される有機基を有する化合物(A)を含有する。
式(1)中、A〜Aは水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基であり少なくとも2つは水素原子である。アルキル基が2つ以上存在すると低温サイクル特性の観点から好ましくない。
炭素数1〜3のアルキル基として好ましいものはメチル基、エチル基、n−プロピル基およびイソプロピル基があげられる。これらのうち電池特性の観点からメチル基およびエチル基が好ましく用いられる。
mは1〜3の整数であり、好ましくは1または2である。mが4以上となると電池特性の観点から好ましくない。
さらに、一般式(1)においてmが1または2であり、かつA〜Aのうち1つがメチル基またはエチル基である場合がさらに好ましい。
本発明で用いられる化合物(A)は下記一般式(2)で表されるものが好ましく用いられる。
Figure 2015207392
[式(2)中、Rはポリイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基であり(n+k)価の基である。Xは一般式(1)で表される基であり、Yは炭素数1〜20の有機基である。nは1〜4の整数であり、kは0〜3の整数である。]
式(2)中、Rはポリイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた(n+k)価の残基である。nは1〜4の整数であり、kは0〜3の整数である。ポリイソシアネート化合物の具体例としては炭素数2〜20のモノイソシアネート化合物(例えばエチルイソシアネート、ブチルイソシアネート、オクチルイソシアネート、ドデシルイソシアネートなど)、炭素数4〜20のジイソシアネート化合物(例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートなど)、炭素数6〜30のトリイソシアネート化合物(例えばヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット変性物、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性物など)があげられる。
式(2)中、Xは一般式(1)で表される基であり、Yは炭素数1〜20の有機基である。炭素数1〜20の有機基の具体例としては炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基およびオクタデシル基など)、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(たとえばベンジル基およびシンナミル基など)、炭素数1〜20のフルオロアルキル基(たとえばトリフルオロメチル基、パーフルオロシクロヘキシルメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基および1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル基など)、カルボキシル基またはスルホ基のアルカリ金属塩の基で置換された炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基(たとえばグリコール酸リチウムから水酸基を除いた残基、乳酸リチウムから水酸基を除いた残基およびイセチオン酸リチウムから水酸基を除いた残基など)およびポリアルキレングリコール鎖から水酸基を一つ除いた残基(たとえばエチレングリコールから一つの水酸基を除いた残基、ジエチレングリコールから一つの水酸基を除いた残基、テトラエチレングリコールから一つの水酸基を除いた残基およびこれらのモノアルキルエーテル化物またはアセチル化物)などがあげられる。これらのうち炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基および炭素数1〜20のカルボキシル基またはスルホ基のアルカリ金属塩の基で置換された炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基が好ましく用いられる。
化合物(A)を製造する方法としては対応するポリイソシアネート化合物(a1)と対応するアルコール化合物(a2)を反応させる方法があげられる。反応は公知のウレタン化の手法により行うことが出来る。
(a2)は一般式(1)で表される基を誘導する不飽和結合含有アルコール(a21)とその他のアルコール(a22)とに分けられ、(a21)は必須成分として反応に用いられる。
ポリイソシアネート化合物(a1)の具体例としては炭素数2〜20のモノイソシアネート化合物(例えばエチルイソシアネート、ブチルイソシアネート、オクチルイソシアネート、ドデシルイソシアネートなど)、炭素数4〜20のジイソシアネート化合物(例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートなど)、炭素数6〜30のトリイソシアネート化合物(例えばヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット変性物、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性物など)があげられる。
一般式(1)で表される基を誘導する不飽和結合含有アルコール(a21)の具体例としては2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オールおよび3−メチル−3−ブテン−1−オールなどがあげられる。
その他のアルコール(a22)の具体例としては炭素数1〜20の脂肪族アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール、ドデカノールおよびオクタデカノールなど)、炭素数6〜20の芳香族アルコール基(たとえばベンジルアルコールおよびシンナミルアルコールなど)、炭素数1〜20のフルオロアルコール(たとえばトリフルオロメタノール、パーフルオロシクロヘキシルメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプタノールなど)、カルボキシル基またはスルホ基のアルカリ金属塩の基で置換された炭素数1〜20の脂肪族アルコール(たとえばグリコール酸リチウム、乳酸リチウムおよびイセチオン酸リチウムなど)およびポリアルキレングリコール(たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびこれらのモノアルキルエーテル化物またはアセチル化物)などがあげられる。
本発明の電池用添加剤(B)は化合物(A)を必須成分として含有し、他の化合物を含有することができるが、他の化合物は含有しないほうが好ましい。(B)が含有していてもよい化合物としてはビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、プロパンスルトンおよびα−ブロモ−γ−ブチロラクトンなどがあげられる。
(B)中における(A)の含有量は、(B)の重量を基準として、10〜100重量%であることが好ましく、更に好ましくは50〜100重量%であり、特に好ましいのは100重量%である。
本発明において、電池とはリチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ、鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム電池およびニッケル水素電池などの電気化学デバイスを含むものとする。
本発明の電極は電池用添加剤(B)、活物質(D)、結着剤(E)を含有する。必要に応じて導電助剤(F)を含有していても良い。
本発明の電極は(B)、(D)、(E)および必要に応じて(F)を溶媒に分散させてスラリーを得、該スラリーを集電体上に塗工して有機溶媒を乾燥させることでえることができる。
活物質(D)としては負極活物質(D1)を用いることによりリチウムイオン電池用の負極が得られ、(D1)にリチウムをドーピングすることによりリチウムイオンキャパシタ用負極が得られる。また、正極用の(D)としてはリチウムイオン電池用正極活物質(D2)およびリチウムイオンキャパシタ用正極活物質(D3)が挙げられる。
(D1)としては、黒鉛、アモルファス炭素、高分子化合物焼成体(例えばフェノール樹脂およびフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークスおよび石油コークス)、炭素繊維、導電性高分子(例えばポリアセチレンおよびポリピロール)、スズ、シリコン、および金属合金(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−シリコン合金、リチウム−アルミニウム合金およびリチウム−アルミニウム−マンガン合金等)等が挙げられる。
(D2)としてはリチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2およびLiMn24)、遷移金属酸化物(例えばMnO2およびV25)、遷移金属硫化物(例えばMoS2およびTiS2)、および導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリフッ化ビニリデン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレンおよびポリカルバゾール)等が挙げられる。
(D3)としては活性炭、炭素繊維および導電性高分子(例えばポリアセチレンおよびポリピロール)等が挙げられる。
結着剤(E)としてはデンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレンおよびポリプロピレン等の高分子化合物が挙げられる。
本発明の電極が任意成分として含有する導電助剤(F)としてはカーボンブラック類(例えばカーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック及びサーマルブラック)及び金属粉末(例えばアルミニウム粉及びニッケル粉)、導電性金属酸化物(例えば酸化亜鉛及び酸化チタン)等が挙げられる。
本発明の電極を調製する際に用いる溶媒としては水、N−メチルピロリドン、アセトンおよびトルエンなどがあげられる。
本発明の電極における活物質(D)、結着剤(E)、電池用添加剤(B)の合計重量に基づく(D)、(E)、(B)、(F)のそれぞれの好ましい含有量は以下の通りである。
活物質(D)の含有量は、電池容量の観点から好ましくは70〜98重量%であり、更に好ましくは90〜98重量%である。
結着剤(E)の含有量は、電池容量の観点から好ましくは0.5〜29重量%であり、更に好ましくは1〜10重量%である。
(B)の含有量は、充放電サイクル特性、電池容量および高温貯蔵特性の観点から、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.05〜1重量%である。
導電助剤(F)の含有量は、電池出力の観点から、好ましくは0〜29重量%であり、更に好ましくは1〜10重量%である。
本発明の電解液は電池用添加剤(B)、電解質(G)及び非水溶媒(H)を含有する。
本発明の電解液は(B)および(G)を(H)に溶解させることによりえることができる。
電解質(G)としては、通常の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6及びLiClO4等の無機酸のリチウム塩、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22及びLiC(CF3SO23等の有機酸のリチウム塩が挙げられる。これらの内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのはLiPF6である。
非水溶媒(H)としては、通常の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、ラクトン化合物、環状又は鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン等及びこれらの混合物を用いることができる。
非水溶媒(H)の内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのは環状又は鎖状炭酸エステルである。
環状炭酸エステルの具体例としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート及びブチレンカーボネート等が挙げられる。
鎖状炭酸エステルの具体例としては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート及びジ−n−プロピルカーボネート等が挙げられる。
本発明の電解液における電池用添加剤(B)、電解質(G)および非水溶媒(H)の合計重量に基づく電池用添加剤(B)、電解質(G)および非水溶媒(H)のそれぞれ好ましい含有量は以下の通りである。
(B)の含有量は、充放電サイクル特性、電池容量及び高温貯蔵特性の観点から、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.05〜1重量%である。
電解液中の電解質(G)の含有量は、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましくは0.1〜30重量%であり、更に好ましくは0.5〜20重量%である。
非水溶媒(H)の含有量は、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましくは60〜99重量%であり、更に好ましくは85〜95重量%である。
本発明の電解液は、更に過充電防止剤、脱水剤及び容量安定化剤等の添加剤を含有してもよい。以下の添加剤各成分の含有量は、電池用添加剤(B)、電解質(G)および非水溶媒(H)の合計重量に基づくものである。
過充電防止剤としては、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン及びt−アミルベンゼン等の芳香族化合物等が挙げられる。過充電防止剤の使用量は、通常0〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。
脱水剤としては、ゼオライト、シリカゲル及び酸化カルシウム等が挙げられる。脱水剤の使用量は、電解液の全重量に基づいて、通常0〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。
容量安定化剤としては、フルオロエチレンカーボネート、無水コハク酸、1−メチル−2−ピペリドン、ヘプタン及びフルオロベンゼン等が挙げられる。容量安定化剤の使用量は、電解液の全重量に基づいて、通常0〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。
本発明のリチウムイオン電池は、正極、負極及びセパレータを収納した電池缶内に電解液を注入して電池缶を密封する際に、正極または負極として本発明の電極を用いるか、電解液に本発明の電解液を用いるか、又はこれらの併用により得られる。
リチウムイオン電池におけるセパレータとしては、ポリエチレン又はポリプロピレン製フィルムの微多孔膜、多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンとの多層フィルム、ポリエステル繊維、アラミド繊維及びガラス繊維等からなる不織布並びにこれらの表面にシリカ、アルミナ及びチタニア等のセラミック微粒子を付着させたものが挙げられる。
リチウムイオン電池における電池缶としては、ステンレススチール、鉄、アルミニウム及びニッケルメッキスチール等の金属材料を用いることができるが、電池用途に応じてプラスチック材料を用いることもできる。また電池缶は、用途に応じて円筒型、コイン型、角型又はその他任意の形状にすることができる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
<実施例1>
化合物(A−1)の合成
撹拌機、温度計及び冷却管を取り付けたフラスコに、2−プロペン−1−オール3.6部、ブチルイソシアネート5.8部、トルエン100部およびトリス(2−エチルヘキサン酸)ビスマス0.1部仕込み80℃で8時間加熱した。トルエンを減圧(1.3kPa)下に除去し、下記化学式(3)で示される(A−1)9.2部を得た。(A−1)を電池用添加剤(B−1)とした。
Figure 2015207392
<実施例2>
化合物(A−2)の合成
ブチルイソシアネート5.8部のかわりにヘキサメチレンジイソシアネート4.9部を用いた以外は実施例1と同様にして行い下記化学式(4)で示される(A−2)10.2部を得た。(A−2)を電池用添加剤(B−2)とした。
Figure 2015207392
<実施例3>
化合物(A−3)の合成
ブチルイソシアネート5.8部のかわりにヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット変性物9.7部を用いた以外は実施例1と同様にして行い下記化学式(5)で示される(A−3)14.5部を得た。(A−3)を電池用添加剤(B−3)とした。
Figure 2015207392
<実施例4>
化合物(A−4)の合成
2−プロペン−1−オール3.6部のかわりに3−ブテン−1−オール4.4部を用いた以外は実施例1と同様にして行い下記化学式(6)で示される(A−4)9.5部を得た。(A−4)を電池用添加剤(B−4)とした。
Figure 2015207392
<実施例5>
化合物(A−5)の合成
2−プロペン−1−オール3.6部のかわりに4−ペンテン−1−オール5.3部を用いた以外は実施例1と同様にして行い下記化学式(7)で示される(A−5)10.1部を得た。(A−5)を電池用添加剤(B−5)とした。
Figure 2015207392
<実施例6>
化合物(A−6)の合成
2−プロペン−1−オール3.6部のかわりに3−メチル−3−ブテン−1−オール5.3部を用いた以外は実施例1と同様にして行い下記化学式(8)で示される(A−6)9.8部を得た。(A−6)を電池用添加剤(B−6)とした。
Figure 2015207392
<実施例7>
化合物(A−6)の合成
2−プロペン−1−オール3.6部のかわりに2−プロペン−1−オール3.4部およびメタノール1.9部、ブチルイソシアネート5.8部のかわりにヘキサメチレンジイソシアネート9.8部を用いた以外は実施例1と同様にして行い下記化学式(9)で示される(A−7)14.1部を得た。(A−7)を電池用添加剤(B−7)とした。
Figure 2015207392
<実施例8>
化合物(A−8)の合成
2−プロペン−1−オール3.6部のかわりに2−プロペン−1−オール3.4部およびイセチオン酸リチウム7.7部、ブチルイソシアネート5.8部のかわりにヘキサメチレンジイソシアネート9.8部を用いた以外は実施例1と同様にして行い下記化学式(10)で示される(A−8)16.7部を得た。(A−8)を電池用添加剤(B−8)とした。
Figure 2015207392
<比較例1>
2−プロペン−1−オール3.6部のかわりに5−ヘキセン−1−オール5.8部を用いた以外は実施例1と同様にして行い下記化学式(11)で示される(A’−1)9.6部を得た。(A’−1)を比較用添加剤(B’−1)とした。
Figure 2015207392
<比較例2>
2−プロペン−1−オール3.6部のかわりに3−メチル−2−ブテン−1−オール5.3部を用いた以外は実施例1と同様にして行い下記化学式(12)で示される(A’−2)11.0部を得た。(A’−2)を比較用添加剤(B’−2)とした。
Figure 2015207392
<比較例3>
シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルを(A’−3)とした。(A’−3)を比較用添加剤(B’−3)とした。
<比較例4>
ビニレンカーボネートを(A’−4)とした。(A’−4)を比較用添加剤(B’−4)とした。
<比較例5>
2−プロペン−1−オール3.6部のかわりにヒドロキシエチルアクリレート7.1部、ブチルイソシアネート5.8部のかわりにヘキサメチレンジイソシアネート4.9部を用いた以外は実施例1と同様にして行い下記化学式(13)で示される(A’−5)10.5部を得た。(A’−5)を電池用添加剤(B’−5)とした。
Figure 2015207392
実施例の電池用添加剤(B)および比較例の比較用添加剤(B’)を表1にまとめる。
Figure 2015207392
<実施例9〜26、比較例6〜16>
リチウムイオン電池、電極、電解液の評価
上記電池用添加剤(B)または比較用添加剤(B’)を表2に示した配合部数で含有するリチウムイオン電池用電極を下記の方法で作製し、該電極を使用して下記の方法でリチウムイオン電池を作製した。
以下の方法で充放電サイクル特性および低温充放電サイクル特性を評価した結果を表2に示した。
Figure 2015207392
[リチウムイオン電池用正極の作製]
LiCoO2粉末90.0部、ケチェンブラック[シグマアルドリッチ(株)製]5部、ポリフッ化ビニリデン[シグマアルドリッチ(株)製]5部および表2に示した部数の(B)または(B’)を乳鉢で充分に混合した後、1−メチル−2−ピロリドン[東京化成工業(株)製]70.0部を添加し、更に乳鉢で充分に混合してスラリーを得た。得られたスラリーを、大気中でワイヤーバーを用いて厚さ20μmのアルミニウム電解箔上の片面に塗布し、80℃で1時間乾燥させた後、更に減圧下(1.3kPa)、80℃で2時間乾燥して、15.95mmφに打ち抜き、実施例9〜26および比較例6〜16のリチウムイオン電池用正極を作製した。
[リチウムイオン電池用負極の作製]
平均粒子径約8〜12μmの黒鉛粉末92.5部、ポリフッ化ビニリデン7.5部、1−メチル−2−ピロリドン[東京化成工業(株)製]200部および表2に示した部数の(B)を乳鉢で充分に混合しスラリーを得た。得られたスラリーを、大気中でワイヤーバーを用いて厚さ20μmの銅箔の片面に塗布し、80℃で1時間乾燥させた後、更に減圧下(1.3kPa)、80℃で2時間乾燥して、16.15mmφに打ち抜き、プレス機で厚さ30μmにして実施例9〜26および比較例6〜16のリチウムイオン電池用負極を作製した。
[リチウムイオン電池用電解液の調製]
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒(体積比率1:1)87.5部に、表2に示した部数で(B)または(B’)を配合し、そこに12重量%となるように電解質としてのLiPFを溶解させ、実施例9〜26および比較例6〜16の電解液を調製した。
[リチウムイオン電池の作製]
2032型コインセル内の両端に、実施例7〜20および比較例6〜16の正極および負極をそれぞれの塗布面が向き合うように配置して、電極間にセパレータ(ポリプロピレン製不織布)を挿入し、リチウムイオン電池用セルを作製した。エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒(体積比率1:1)に、LiPFを12重量%の割合で溶解させた電解液を作製したセルに注液密封した。以下の方法で充放電サイクル特性および低温充放電サイクル特性を評価した。
<充放電サイクル特性の評価>
室温のもと、充放電測定装置「バッテリーアナライザー1470型」[東陽テクニカ(株)製]を用いて、0.1Cの電流で電圧4.3Vまで充電し、10分間の休止後、0.1Cの電流で電池電圧を3.5Vまで放電し、この充放電を繰り返した。この時の初回充電時の電池容量と50サイクル目充電時の電池容量を測定し、下記式から充放電サイクル特性を算出した。数値が大きい程、充放電サイクル特性が良好であることを示す。
充放電サイクル特性(%)=(50サイクル目充電時の電池容量/初回充電時の電池容量)×100
<低温充放電サイクル特性の評価>
0℃のもと、充放電測定装置「バッテリーアナライザー1470型」[東陽テクニカ(株)製]を用いて、0.1Cの電流で電圧4.3Vまで充電し、10分間の休止後、0.1Cの電流で電池電圧を3.5Vまで放電し、この充放電を繰り返した。この時の初回充電時の電池容量と20サイクル目充電時の電池容量を測定し、下記式から低温充放電サイクル特性を算出した。数値が大きい程、低温充放電サイクル特性が良好であることを示す。
低温充放電サイクル特性(%)=(20サイクル目充電時の電池容量/初回充電時の電池容量)
上記実施例9〜26および比較例6〜16より本発明の電池用添加剤(B)を含有する電極および/または電解液を備えるリチウムイオン電池は充放電サイクル特性および低温充放電サイクル特性に優れていることが判った。これは充放電にともない良好なSEIが電極表面上に形成されるためであると考えられる。
mが1〜3である添加剤(A−1)、(A−4)、(A−5)はmが4である比較用添加剤(B’−1)よりも優れた特性を示した。これはカルバメート結合から近傍にあるほど該結合との電子的相互作用により優れたSEIを形成するようになるが、mが4以上となるとそのような作用がなくなりSEIを形成しなくなるものと考えられる。
メチル基で二つ置換された不飽和結合を有する比較用添加剤(B’−2)ではメチル基の電子供与効果により反応性が向上しSEIの膜厚が大きくなってしまったため、低温でのサイクル特性が悪化したものと考えられる。(B’−3)についても同様に酸素原子の電子供与効果のため特性が悪化したと考えられる。
本発明の電池用添加剤(B)を使用した電極および電解液は、リチウムイオン電池およびチウムイオンキャパシタなどの電気化学デバイス用に有用であり、特に電気自動車用リチウムイオン電池およびリチウムイオンキャパシタに好適である。また、本発明において開示した以外の電気化学デバイス(電気二重層キャパシタ、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、空気電池、アルカリ電池等)についても適用可能である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される有機基を有する化合物(A)を含有する電池用添加剤(B)。
    Figure 2015207392
    [式(1)中、A〜Aは水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基であり少なくとも2つは水素原子である。mは1〜3の整数である。]
  2. 一般式(1)においてmが1または2であり、かつA〜Aのうち1つがメチル基またはエチル基である請求項1に記載の電池用添加剤(B)。
  3. 化合物(A)が下記一般式(2)で表される請求項1または2に記載の電池用添加剤(B)。
    Figure 2015207392
    [式(2)中、Rはポリイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基であり(n+k)価の基である。Xは一般式(1)で表される基であり、Yは炭素数1〜20の有機基である。nは1〜4の整数であり、kは0〜3の整数である。]
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電池用添加剤(B)を含有する電極。
  5. 請求項1〜3いずれか1項に記載の電池用添加剤(B)を含有する電解液。
  6. 請求項4に記載の電極および請求項5に記載の電解液のうち少なくとも一方を有するリチウムイオン電池。
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