JP2015207080A - 文書作成支援装置、その制御方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 ユーザの文書作成負荷を軽減することを目的とする。【解決手段】 病状の説明文書を生成する文書作成支援装置は、診療記録から、疾患になりうる異常を表現する異常表現を検出する異常表現検出手段と、該異常の存在する部位を表現する部位表現に対応する人体構造上の部位範囲を特定する部位範囲特定手段と、複数の画像から、該特定された部位範囲が含まれる画像を注目画像として抽出する注目画像抽出手段と、該検出された異常表現に基づいて、該抽出された注目画像と対比可能なシェーマを生成するシェーマ生成手段とからなる。【選択図】 図2
Description
本発明は、文書作成支援装置、その制御方法及びプログラムに関する。
近年、医療分野をはじめ、各分野で説明責任が求められる機会が増えて説明文書等の文書作成の需要が増えつつあり、文書の作成負荷が問題になってきている。例えば医療においては、インフォームドコンセントの重要性が強調されている。このようなインフォームドコンセントにおいて使用される資料においては、素人である患者にも理解できるものであることが重要である。例えば、CT(Computed Tomography)画像等の医用画像(撮像画像)を用いて説明する場合、そのままの画像ではどこをどのように見ればよいのか、患者は分からない。このような場合、画像を模式的に表現したシェーマ(身体部位の模式図)などによる説明が必要となり、その作成負荷が問題となる。一方で、文書の電子化が進み、多様な情報が電子的に取得でき、コンピュータで処理できるようになりつつある。
このような状況において、文書作成負荷をIT技術で軽減したいという要望が高まりつつある。この要望に対して種々の手法が提案されてきた。特許文献1には、このような視点からの、文書作成自動化の一例が開示されている。特許文献1の技術によれば医師等の文書作成者が撮像画像上の部位を指定すれば、該当するシェーマのテンプレート(背景)が自動的に選択され出力される。文書作成者は、このシェーマテンプレート(シェーマ背景とも呼称する)に疾患部を示す簡単な図形を描画する等の加工を行えばよく、シェーマ作成負荷が軽減される。例えば、特許文献1の技術によれば、撮像画像上の胸部の部位を指定することで胸部のシェーマテンプレートが選択される。
特許文献1の技術は、文書作成の一部であるシェーマ作成の負荷軽減の一例であり、基本的な考え方としては撮像画像の部位を指定することで数多くのシェーマテンプレートの中から適切なものを自動的に選択するというものである。この方法では、数多くの撮像画像の中から疾患と認定した部位を探し出し、明示的に画像上で指示する必要がある。診断過程においては画像を見ながら診断しているわけでこのような行為も納得できるが、インフォームドコンセント文書作成中の行為としては無理がある。インフォームドコンセントの資料作成をする段階では、診断が終了して電子カルテ(診療録)上に病変の位置が記載されているにもかかわらず、撮像画像をもう一度取り出して位置を指定させるのは、文書作成者に余計な手間を強いるものである。このように、特許文献1の技術は、インフォームドコンセントの資料作成の際には、負荷の軽減が十分ではないという問題がある。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、インフォームドコンセントの資料作成を行う際の文書作成負荷を軽減することを目的とする。
上記課題を解決するため、
本発明は、病状の説明文書を生成する文書作成支援装置であって、診療記録から、疾患になりうる異常を表現する異常表現を検出する異常表現検出手段と、該異常の存在する部位を表現する部位表現に対応する人体構造上の部位範囲を特定する部位範囲特定手段と、複数の画像から、該特定された部位範囲が含まれる画像を注目画像として抽出する注目画像抽出手段と、該検出された異常表現に基づいて、該抽出された注目画像と対比可能なシェーマを生成するシェーマ生成手段とからなる文書作成支援装置を提供する。
本発明は、病状の説明文書を生成する文書作成支援装置であって、診療記録から、疾患になりうる異常を表現する異常表現を検出する異常表現検出手段と、該異常の存在する部位を表現する部位表現に対応する人体構造上の部位範囲を特定する部位範囲特定手段と、複数の画像から、該特定された部位範囲が含まれる画像を注目画像として抽出する注目画像抽出手段と、該検出された異常表現に基づいて、該抽出された注目画像と対比可能なシェーマを生成するシェーマ生成手段とからなる文書作成支援装置を提供する。
本発明によれば、インフォームドコンセントの資料作成を行う際の文書作成負荷を軽減することができる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
<実施例1>
図1は文書作成支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
CPU101はマイクロプロセッサであり、診療録編集処理、画面遷移処理、印刷処理、インフォームドコンセント文書作成処理等のための演算、論理判断等を行い、バスに接続された各デバイスを制御する。入力部102はボタン、タッチパネル等であり、オペレータが各種の指示を行う。表示部103は液晶ディスプレイ等であり、必要に応じて情報を提示する画面等が表示される。印刷部104はプリンタ等であり、指示されたデータを各種制御言語或いは画像データに変換して出力する。BUS105はバスであり、CPU101の制御対象である各デバイスを指示するアドレス信号、コントロール信号を転送する。また、BUS105は各デバイス間のデータ転送を行う。
図1は文書作成支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
CPU101はマイクロプロセッサであり、診療録編集処理、画面遷移処理、印刷処理、インフォームドコンセント文書作成処理等のための演算、論理判断等を行い、バスに接続された各デバイスを制御する。入力部102はボタン、タッチパネル等であり、オペレータが各種の指示を行う。表示部103は液晶ディスプレイ等であり、必要に応じて情報を提示する画面等が表示される。印刷部104はプリンタ等であり、指示されたデータを各種制御言語或いは画像データに変換して出力する。BUS105はバスであり、CPU101の制御対象である各デバイスを指示するアドレス信号、コントロール信号を転送する。また、BUS105は各デバイス間のデータ転送を行う。
ROM106は読出専用の不揮発性メモリである。ROM106はCPU101によるブートプログラム、システムの制御プログラム、各種処理で参照される各種初期データ等を記憶する。後述する異常表現辞書、部位表現辞書もROM106に格納される。CPU101はブートプログラムに基づきシステム起動時に初期データをRAM107にロードする。その後、CPU101は制御プログラムに基づき処理を実行する。CPU101が制御プログラムに基づき処理を実行することによって、後述する文書作成支援装置の機能及び後述するフローチャートの処理が実現される。
RAM107は読み書き可能なランダムアクセスメモリであって、主記憶として各デバイスからの各種データの一時記憶に用いられる。RAM107には処理に必要なデータを記憶する各種ワーク領域、各種バッファ領域、処理中に必要なスタック、処理中に値変更が行われる各種データが格納される。
DISK108は大容量記憶装置であり、大量のデータを変更可能に記憶する。DISK108は例えばハードディスク等で構成される。後述する診療録データベース、医用画像データベース、シェーマテンプレートデータベース、疾病説明データベース、言い換えデータベース等はDISK108に格納され、必要に応じて随時内容が変更される。なお、以下の説明において、各データベースは「DB」と略記する。また、CPU101により実行される制御プログラムや各種初期データをDISK108に格納する構成とすることもできる。その場合、制御プログラムや各種初期データは、必要に応じてRAM107に示す主記憶にロードされ、実行或いは参照されることになる。このようにすることでプログラムや初期データを固定化せず途中で修正可能に構成することができ、柔軟なシステムを実現することができる。
このようなデバイスからなる文書作成支援装置は、入力部102等からの各種イベントに応じて作動するものである。入力部102等からのインタラプトが供給されるとインタラプト信号がCPU101に送られる。それに伴ってイベントが発生し、イベントに応じてCPU101がROM106又はRAM107内に記憶されている各種命令を読み出し、CPU101の実行によって各種の制御が行われる。
なお、実施例1の文書作成支援装置のCPU101はプログラムを実行することで各種の手段として機能する。CPU101と協調して動作するASIC等の制御回路がこれらの手段として機能してもよい。また、CPU101と制御回路との協調によってこれらの手段が実現されてもよい。また、CPUは単一のものである必要はなく、複数であってもよい。この場合、複数のCPUは分散して処理を実行する。また、複数のCPUは単一のコンピュータに配置されていてもよいし、物理的に異なる複数のコンピュータに配置されていてもよい。なお、CPU101がソフトウェアを実行することで実現する手段が専用の回路によって実現されてもよい。
図2は、文書作成支援装置において、診療録と撮像画像から医用文書生成を行う処理例を示した図である。ここでは、病状を説明する説明文書(例えばインフォームドコンセント用の文書)を生成している。このような医用文書を自動生成することで医用文書作成支援を実行している。
診療録DB201(電子カルテとも呼ばれる)は、医師の診察あるいは検査結果の状況を診療日ごとに記載した診療記録である。撮像画像202は、CT、MRI(Magnetic resonance imaging)などの各種医用画像撮像機器が撮像した医用画像である。例えばCT画像であれば、所定間隔ごとにスライスして撮像した画像になる。これらの情報に対応してインフォームドコンセント文書203が生成される。インフォームドコンセント文書203は、撮像面シェーマ(断面シェーマ)205、撮像画像204、撮像画像シェーマ(注目シェーマ)206、テキスト207が含まれる。このうち、撮像面シェーマ205と撮像画像シェーマ206がシェーマになる。撮像画像204は、撮像された医用画像のうち、病変を最も端的に撮像した注目画像が自動的に選択されている。撮像面シェーマ205は、その撮像画像204が撮像された撮像面の位置が分かる模式図が生成されている。撮像画像シェーマ206は、撮像画像204に対応してそれが模式的に描画され、また、観測された病変の位置がプロットされている。テキスト207は、このような撮像画像204の病変、及び診断結果を患者に分かるように説明した説明文である。
図3は診療録DBから異常表現(疾患の原因となりうる異常の表現)と部位表現を抽出する処理例を示した図である。まず、診療録301から医用画像について記述した部分を抽出する(302)。次に異常表現(ここでは「T2延長」)を検出する(303)。次に部位表現(ここでは「右側頭〜後頭葉」等)を検出し、抽出する(304)。
図4は、撮像されたスライス画像群から部位表現に基づいて注目画像を抽出し、その注目画像の撮像断面と注目箇所が分かるシェーマ(模式図)が生成される処理例を示した図である。注目画像の撮像断面が分かるシェーマは「断面シェーマ」、注目画像の注目箇所が分かるシェーマは「注目シェーマ」と呼称する。
図4(a)は撮像されたスライス画像群を示す。図4(b)では、抽出された部位表現(例えば「右側頭〜後頭葉」)に従って部位表現の存在するスライス画像を特定し、注目画像として抽出する。この処理は部位表現から人体モデル上での位置座標を推定し、他方、撮像画像群の撮像パラメータからその位置座標がどのスライス画像に撮像されているかを推定することにより行う。図4(c)では、シェーマテンプレートDBから、その注目画像の撮像断面が分かるシェーマテンプレート、及び注目画像を模式的に表現できるシェーマテンプレートを選定する。図4(d)は、撮像断面が分かるシェーマテンプレートに対し、注目画像の撮像断面を図示(描画)して断面シェーマ生成を行い、また、撮像画像のシェーマテンプレートに対して部位表現の位置をプロットして注目シェーマを生成する。これらを注目画像と対比する。
図5は、診療録DBの記述に基づいて、注目画像の病変、診断名、診断された疾病の解説を記述する説明文を生成する処理例を示した図である。図5(a)はもとの診療録DBの記述である。図5(b)は、これに対して異常表現、及び診断の表現を検出する。図5(c)は、異常表現に対して、部位表現を含む一連の記述(異常記述)を抽出する。図5(d)は診断の表現に対し、診断された疾病名を含む一連の記述(診断記述)を抽出する。図5(e)は、抽出された疾病名に従って、各疾病の説明資料を疾病説明DBから抽出する。図5(f)は、各説明資料を一部修正して統合し、インフォームドコンセント用資料とする。修正内容としては、異常記述から部位表現の削除(代わりにシェーマ上にプロットするので)、異常記述及び診断記述中の専門用語を、一般人が理解できるように、言い換えDBを参照して言い換える、などが考えられる。言い換えの具体例は、専門的すぎる表現を上位概念の用語に変換、頭字語・省略語をスペルアウトした表現、あるいは日本語訳等に変換、などがある。その一例を図7に示す。
図6は異常表現辞書と部位表現辞書の構成の一例を示した図である。図6(a)は異常表現辞書である。医用画像において、疾病の原因となりうる異常の表現の候補を記憶している。診療録に対してこの辞書に登録されている表現を検索することで、異常表現検出ができる。
図6(b)は部位表現辞書である。人体構造上の部位、あるいは部位の部分の表現を登録している。診療録に対してこの辞書に登録されている表現を検索することで、部位表現抽出ができる。各部位表現に対して、その部位表現が表す人体構造上の範囲(部位範囲)も合わせて登録している。部位範囲の記憶方法は、例えば、標準的な人体モデルに対して直方体を想定し、その直方体の座標で表現することが考えられる。直方体で表現することで処理方法がシンプルになる。あるいは別の実現方法としては、中心+半径等の球で表現することが考えられる。人体には眼球などの球状の組織も多く、球で表現することでこのような球状の組織の範囲を的確に表現することができる。また、1つの直方体、あるいは球で表現できない範囲の部位に対しては、いくつかの直方体や球の集合で表現することも考えられる。このように集合で表現することにより複雑な部位範囲を表現することができる。このように部位範囲を登録しておくことにより、診療録中に記述された部位表現から部位範囲特定を行うことができる。
上述の動作を以下、図8〜図14のフローチャートに従って説明する。なお、以下の処理はCPU101により実行される。
図8は文書作成支援処理の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS801において、CPU101は各種パラメータの初期化や初期画面の表示等、システムの初期化を行う。ステップS802において、CPU101はタッチパネル等の入力部102を介して何らかのイベントが発生したか否かを判定する。イベントが発生しない場合にはイベントが発生するのを待機し、イベントが発生した場合にはステップS803に進む。ステップS803において、CPU101は発生したイベントを判別する。
ステップS804において、CPU101は判別したイベントの種類に応じて各種のイベント対応処理を実行する。なお、イベント対応処理には、図9で詳述するインフォームドコンセント文書生成処理が含まれる。その他のイベント対応処理の詳細は省略するが、例えば診療録編集処理、画面遷移処理、印刷処理等の通常広く行われる処理が含まれる。
ステップS805において、CPU101は上述した各処理の処理結果や処理終了を通知し、各処理の指示に従って表示部103に画面を表示する。ステップS805の処理は、正常な処理が行われた場合の画面表示への反映等、通常広く行われる処理である。
図9はステップS804の一部であるインフォームドコンセント文書生成処理の一例を示すフローチャートである。インフォームドコンセント文書生成処理は、診療録DBに基づいて、患者に撮像画像の病変、その結果診断される疾病、疾病の解説を説明する文章を生成する処理である。
ステップS901において、CPU101は診療録の記述から疾病の原因となりうる異常が顕著に認められる注目画像(群)を抽出する、注目画像抽出処理(図10に詳述)を行う。ステップS902において、CPU101は注目画像(群)に対して、1枚の注目画像を特定して注目箇所が分かる模式図(注目シェーマ)を生成する、注目シェーマ生成処理(図12に詳述)を行う。ステップS903において、CPU101は注目画像の撮像位置(撮像断面)が分かる模式図(断面シェーマ)を生成する、断面シェーマ生成処理(図13に詳述)を行う。ステップS904において、CPU101は注目画像からどのように病変を認め、どのように診断し、また、診断した疾病がどのようなものであるかを記述した説明文を生成する、説明文生成処理(図14に詳述)を行う。ステップS905において、CPU101は生成された注目シェーマ、断面シェーマ、及び注目画像を対比可能に配置し、説明文も結合して、インフォームドコンセント文書とする。
図10はステップS901の注目画像抽出処理を詳細に記述したフローチャートである。注目画像抽出処理は、診療録の記述から疾病の原因となりうる異常が顕著に認められる注目画像を抽出する。必ずしも1枚の画像に特定されるわけではなく、CT、MRIのように複数のスライス画像からなる画像群の場合もありうる。
ステップS1001において、CPU101は診療録DBに記載されている複数の疾病候補から現在問題となっている疾病を特定する、疾病特定処理(図11に詳述)を行う。
ステップS1002において、CPU101は特定された疾病の記述に対して異常表現を検出する。検出の際には異常表現辞書を参照する。ステップS1003において、CPU101は記述に対して係り受け解析を行うことにより、検出された異常表現と係り受け関係にある部位表現を抽出する。並立構造になっている場合には部位表現が複数検出されることになり、このような場合はすべて抽出する。
ステップS1004において、CPU101は部位表現が検出できたかどうかを判定し、検出できた場合はステップS1006にスキップする。上記解析によって部位表現が検出できなかった場合はステップS1005に進み、記述上で最も近傍にある部位表現を抽出する。このように近傍にある部位表現を抽出することにより、“Well−formed”でないような(例えば、単語を羅列しただけ)記述に対しても部位表現を抽出することができる。複数の部位表現が検出されればすべて抽出する。ステップS1003、S1005のどちらの場合も、抽出された表現に省略があれば、省略を補正する。また「〜」などのように、範囲を指定する範囲表現となっている場合は範囲の情報として抽出する。ステップS1006において、CPU101は部位表現辞書を参照することにより、部位表現の表す範囲を抽出する。範囲表現となっている場合は、その範囲を囲う範囲として抽出する。
ステップS1007において、CPU101は異常表現の記述に対して関連する画像の撮像日の記載があるかどうかを判定する。CPU101が撮像日の記載があると判定した場合は、ステップS1009に進み、CPU101は記載された撮像日の画像を取得し、リターンする。ステップS1007において、CPU101が撮像日の記載がないと判定した場合は、ステップS1008に進み、CPU101は異常表現の記述日以前で最も直近に撮像された画像を取得し、リターンする。
図11は、ステップS1001の疾病特定処理を詳細化したフローチャートである。
ステップS1101において、CPU101は診療録DBに複数の疾病が記載されているかどうかを判定し、1つの疾病しかない場合はそのままリターンする。複数の疾病があるとCPU101が判定した場合は、ステップS1102に進み、CPU101は診療録DBの記述を疾病ごとに分割する。ステップS1103において、CPU101は複数の疾病のうち、最も直近に記述されている疾病を選択し、その記述を抽出してリターンする。
ステップS1101において、CPU101は診療録DBに複数の疾病が記載されているかどうかを判定し、1つの疾病しかない場合はそのままリターンする。複数の疾病があるとCPU101が判定した場合は、ステップS1102に進み、CPU101は診療録DBの記述を疾病ごとに分割する。ステップS1103において、CPU101は複数の疾病のうち、最も直近に記述されている疾病を選択し、その記述を抽出してリターンする。
図12はステップS902の注目シェーマ生成処理を詳細化したフローチャートである。注目シェーマ生成処理は、注目画像(群)に対して、1枚の注目画像を特定して注目箇所が分かる模式図(注目シェーマ)を生成する。
ステップS1201において、CPU101は抽出されたのが注目画像群、すなわちスライス画像群であるかどうかを判定する。スライス画像群でない1枚の画像であればS12010に分岐する。スライス画像群であればステップS1202に進む。ステップS1202において、CPU101はスライス画像群からスライス画像を1枚取得する。ステップS1203において、CPU101はすべてのスライス画像の処理が終了しているかどうかを判定する。処理が終了しているときはステップS1208に分岐し、未処理のスライス画像があるときはステップS1204に進む。
ステップS1204において、CPU101はスライス画像の撮像時のパラメータに基づいてスライス画像の撮像位置や角度を推定する。ステップS1205において、CPU101は撮像位置と角度で決まる撮像範囲に部位範囲が含まれるかどうかを判定する。ステップS1206において、CPU101はステップS1205の判定の結果、撮像範囲に部位範囲が含まれない場合はステップS1202にループする。一方、含まれる場合はステップS1207に進み、ステップS1207において該当スライス画像を注目画像の候補を記憶したリストに登録する。
ステップS1208において、CPU101は注目画像の候補が記憶されたリストに複数のスライス画像が存在するかどうか判定し、判定の結果、1枚のスライス画像のみであればステップS12010にスキップする。複数存在されているときはステップS1209に進み、最適なスライス画像を選択する。最適なスライス画像の選択方式にはいくつかの実現方法が考えられるが、例えば、候補となったスライス画像群の中で最も中心に近いスライス画像を選択すると好都合である。このように実現した場合は、最適なスライス画像の選択処理が簡単になり、選択処理の実行時間を短縮できるという特徴がある。
ステップS12010において、CPU101は特定された1枚の画像に対して最適なシェーマテンプレート(シェーマ背景)をシェーマテンプレートDBから選択する。具体的には、予め、多数の位置と方向のバリエーションを持ったシェーマテンプレート群をシェーマテンプレートDBとして用意しておき、該シェーマテンプレートDBから、ステップS1209で選択されたスライス画像と人体上の位置が最も近いものを選択する。また、位置が近いシェーマテンプレートが複数ある場合には、方向が最も近いものを優先的に選択する。ステップS12011において、CPU101は選択されたシェーマテンプレートに対して抽出された部位範囲の位置をプロットしてリターンする。
図13は、ステップS903の断面シェーマ生成処理を詳細化したフローチャートである。断面シェーマ生成処理は、注目画像の撮像位置(撮像断面)が分かる模式図(断面シェーマ)を生成する。
ステップS1301において、CPU101は抽出された注目画像の側面となるシェーマテンプレートをシェーマテンプレートDBから選択する。具体的には、予め、人体のあらゆる側面図を人体上での相対位置と方向の情報と共に、シェーマテンプレートDBとして備えておき、スライス画像の部位と位置の情報から人体上での位置を推定する。その位置に近い側面図をシェーマテンプレートDBから候補として抽出する。これらの候補となる側面図群の中からスライス画像の方向に最も直行する側面図を抽出し、これをシェーマテンプレートとして選択する。ステップS1302において、CPU101は注目画像の撮像位置、撮像の角度から撮像の断面を求める。ステップS1303において、CPU101はシェーマテンプレートに求められた撮像断面を記入し、断面シェーマの生成を終了してリターンする。
図14は、ステップS904の説明文生成処理を詳細化したフローチャートである。説明文生成処理は、注目画像からどのように病変を認め、どのように診断し、また、診断した疾病がどのようなものであるかを記述した説明文を生成する。
ステップS1401において、CPU101は診療録DBから異常表現のある一連の記述を分離・抽出する。ステップS1402において、CPU101は異常表現のある一連の記述から部位を表現している記述を分離する。ステップS1403において、CPU101は診療録DBを参照して診断の記述をしている箇所を検出して分離する。ステップS1404において、CPU101は部位を表現した記述を省略する。
ステップS1405において、CPU101は言い換えDBを参照して詳細すぎる用語をより一般的な上位用語に変換する。ステップS1406において、CPU101は言い換えDBを参照して専門用語、頭字語、省略語をスペルアウトした語、標準的な用語、あるいは、一般用語に変換する。ステップS1407において、CPU101は診断の記述から疾病名を抽出し、疾病名の解説資料を疾病説明DBから抽出する。これらの処理によりインフォームドコンセント文書に入る説明文を生成する。
実施例1によれば、インフォームドコンセント文書を生成する際に、診療録DBにある情報を基にして、数多くの用意されたシェーマテンプレートから最適のテンプレートが自動的に選択され生成されるので、文書作成者の負荷を軽減できる。
<実施例2>
実施例1の文書作成支援装置においては、最適なスライス画像を選択する際に、候補となった複数のスライス画像群の中から最も中心に近いスライス画像を選択するという方式であった。最も中心に近いスライス画像を選ぶのは、患部の中心にある画像を選ぶことになり、実現方法が簡単であるわりに現実的に効果がある方式といえる。しかし、常に最適な画像になるとは限らず、説明のためには別の画像を選んだほうがよい場合もある。実施例2では、別のスライス画像の選び方を提示する。
実施例1の文書作成支援装置においては、最適なスライス画像を選択する際に、候補となった複数のスライス画像群の中から最も中心に近いスライス画像を選択するという方式であった。最も中心に近いスライス画像を選ぶのは、患部の中心にある画像を選ぶことになり、実現方法が簡単であるわりに現実的に効果がある方式といえる。しかし、常に最適な画像になるとは限らず、説明のためには別の画像を選んだほうがよい場合もある。実施例2では、別のスライス画像の選び方を提示する。
実施例2においては、ある情報(例えば、症例)をクエリとして、類似する症例を検索し、その類似する症例で説明画像として使用された画像の位置に最も近い画像を注目画像として採用する。この場合、実際に他の症例で説明画像として採用されたのであるから、より分かりやすい位置にある画像である可能性が高く、患者にとってより分かりやすい資料が生成できる。
また別の実現方法としては、予めシェーマテンプレートを、素人に分かりやすいかどうかという観点でランキングしておき、「素人への分かりやすさ」という尺度の最も高いテンプレートを採用する。この場合も、患者にとってより分かりやすい資料が生成できる。
また別の実現方法としては、病変の箇所を画像認識によって検出できるのであれば、最も端的な病変が検出できるスライス画像を注目画像として抽出し、それに対応するシェーマテンプレートを選択する。この場合、最も端的な病変を説明することになり、患者にとってより分かりやすい資料が生成できる。
このように、実施例2によれば、複数のスライス画像があったときに、より患者にとって分かりやすい注目画像を選択することができ、より患者に分かりやすい文書を生成できる。
<実施例3>
実施例1の文書作成支援装置においては、シェーマテンプレートの生成方法は、シェーマテンプレートDBから選択するという方式であった。しかし、その方式では予め大量のテンプレートを用意しておかないと、自由な位置と角度で撮像した画像に対しては、テンプレートが微妙に一致しないことになってしまう。この問題を避けるために、実施例3では、テンプレートのために人体を3次元モデル化しておき、撮像位置と角度から任意の断面の2次元のシェーマテンプレートをレンダリングして生成する「シェーマテンプレート生成」という方式を採用する。この方式によれば、どのような断面の画像に対しても自由な切り口のテンプレートを生成することができ、患者にとってより分かりやすい資料が生成できる。また、断面シェーマのテンプレートについても同様に「シェーマテンプレート生成」方式を採用しても良い。
実施例1の文書作成支援装置においては、シェーマテンプレートの生成方法は、シェーマテンプレートDBから選択するという方式であった。しかし、その方式では予め大量のテンプレートを用意しておかないと、自由な位置と角度で撮像した画像に対しては、テンプレートが微妙に一致しないことになってしまう。この問題を避けるために、実施例3では、テンプレートのために人体を3次元モデル化しておき、撮像位置と角度から任意の断面の2次元のシェーマテンプレートをレンダリングして生成する「シェーマテンプレート生成」という方式を採用する。この方式によれば、どのような断面の画像に対しても自由な切り口のテンプレートを生成することができ、患者にとってより分かりやすい資料が生成できる。また、断面シェーマのテンプレートについても同様に「シェーマテンプレート生成」方式を採用しても良い。
このように、実施例3によれば、自由な切り口の撮像画像に対しても、それに適合したシェーマテンプレートを生成することができ、患者により分かりやすい文書を生成できる。
<その他の実施例>
また、本発明は、以下の方式によっても実現される。すなわち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して文書作成支援装置に供給し、その文書作成支援装置のコンピュータ(CPU等)がプログラムを読み出して実行する方式である。
また、本発明は、以下の方式によっても実現される。すなわち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して文書作成支援装置に供給し、その文書作成支援装置のコンピュータ(CPU等)がプログラムを読み出して実行する方式である。
このように、上述した各実施例によれば、患者に対して病状を説明するインフォームドコンセント用の文書を自動的に生成することができ、ユーザの文書作成負荷を軽減することができる。なお、本発明は上述した特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
101:CPU
102:入力部
103:表示部
108:DISK
102:入力部
103:表示部
108:DISK
Claims (8)
- 文書作成支援装置であって、
診療記録から、身体の異常を表現する異常表現を検出する異常表現検出手段と、
前記異常表現に基づいて該異常の存在する部位を表現する部位表現を検出する部位表現検出手段と、
前記部位表現に対応する人体構造上の部位範囲を特定する部位範囲特定手段と、
該特定された部位範囲が含まれる画像を注目画像として抽出する注目画像抽出手段と、
該検出された部位表現に基づいて、該抽出された注目画像と対比可能なシェーマを取得するシェーマ取得手段と、
からなることを特徴とする文書作成支援装置。 - 該注目画像の撮像断面を描画する断面シェーマを生成する断面シェーマ生成手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の文書作成装置。
- 前記注目画像抽出手段は、該部位範囲が存在する画像が複数存在する場合に、該部位範囲の中心に近い位置にある画像を採用することを特徴とする請求項1記載の文書作成支援装置。
- 該注目画像抽出手段は、該異常表現の近傍に画像を特定する記述がなく、かつ撮像日の異なる複数の画像が存在する場合に、該異常表現の記述日以前で最も直近に撮像された画像を注目画像として抽出することを特徴とする請求項1記載の文書作成支援装置。
- 該異常表現検出手段は、複数の疾病について疾患となりうる異常の記述がある場合に、最も直近に診断された疾病についての異常表現を検出することを特徴とする請求項1記載の文書作成支援装置。
- 人体が模式的に3次元モデル化されたシェーマテンプレートが記憶されたシェーマテンプレートデータベースと、
該シェーマテンプレートデータベースから人体の任意の断面のシェーマテンプレートを生成するシェーマテンプレート生成手段とを更に有し、
該シェーマ生成手段は、該注目画像の撮像断面に応じてシェーマテンプレートをレンダリングして生成することを特徴とする請求項1記載の医用文書作成支援装置。 - 病状の説明文書を生成する文書作成支援装置の制御方法であって、
診療記録から、疾患となりうる異常を表現する異常表現を検出する異常表現検出ステップと、
該異常の存在する部位を表現する部位表現に対応する人体構造上の部位範囲を特定する部位範囲特定ステップと、
複数の画像から、該特定された部位範囲が含まれる画像を注目画像として抽出する注目画像抽出ステップと、
該検出された異常表現に基づいて、該抽出された注目画像と対比可能なシェーマを生成する注目シェーマ生成ステップと、
からなることを特徴とする文書作成支援方法。 - 請求項7記載の文書作成支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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