本明細書では、いくつかの実施形態および説明図を例としてマテリアルハンドリング施設内のプロセス管理のシステムおよび方法を説明しているが、当業者によって認識されるように、このマテリアルハンドリング施設内のプロセス管理のシステムおよび方法は、記述された実施形態または図面に限定されない。当然ながら、これらの図面および詳細説明は、本発明のマテリアルハンドリング施設内のプロセス管理のシステムおよび方法を開示された特定の形に限定することを意図したものではなく、その逆に、このマテリアルハンドリング施設内のプロセス管理のシステムおよび方法の趣旨および範囲は添付の請求項によって確定されるものとして、その趣旨および範囲に含まれる、すべての改変、均等物および代替物を包含することが記述の意図するところである。本明細書中の見出しは、構成上の目的でのみ使用されており、本文の説明または請求項の範囲を限定するためのものではない。本願の全体にわたって用いられている「することができる/してもよい(may)」という語は、義務的な意味(〜しなければならないという意味)ではなく、許可的な意味(〜する可能性があるという意味)で用いられている。同様に、「含む(include)」という語は、非限定的に含むということを意味する。
本発明によるマテリアルハンドリング施設内のプロセス管理のシステムおよび方法の各種の実施形態を説明する。図1は、このマテリアルハンドリング施設内のプロセス管理のシステムおよび方法の各種の実施形態におけるマテリアルハンドリング施設100の機能の論理的表現(ビュー)を示す。各種の実施形態において、複数のマテリアルハンドリング施設(各々をマテリアルハンドリング施設100と同様の方法で構成することができる)を含むフルフィルメントネットワークは、電子商取引(「eコマース」)ポータルを通じて行われた注文など、複数の注文の履行について責任を負うものとされる。
各種の実施形態において、マテリアルハンドリング施設は、物品ユニットを処理、保管、および/または分配する1つ以上の施設を含み、これには、倉庫、配送センター、ハブ、フルフィルメントセンター、サプライチェーンネットワーク内のノード、小売店、発送施設、在庫保管施設、その他、物品ユニットを処理するように構成された任意の施設が非限定的に含まれる。たとえば、いくつかの実施形態に従い、製品ディストリビュータの注文フルフィルメントセンターをこの図に含めてもよい。複数の顧客10は、eコマースポータルまたは他の電子市場を通じて製品ディストリビュータに注文20を発注することができ、その各注文20には、その注文を発注した顧客に発送すべき在庫30の中の1つ以上の物品が指定されている。顧客注文20を履行するため、40に示すように、各注文に指定された1つ以上の物品がマテリアルハンドリング施設内の在庫30(在庫ストレージと呼ばれることもある)から取り出される(ピッキング)。ピッキングされた物品は、必要に応じ、個別の注文への仕分け50、梱包60、および最終的な顧客10への発送70を行うマテリアルハンドリング施設内の1つ以上のステーションに運搬または搬送される。各種の実施形態において、ピッキングされた物品はステーションに運ばれ、そこで物品の個別ユニットが組み合わされて特定の搬送容器に収納されたのち、搬送機構に投入される。次に制御システム(たとえば制御システム102)の指示に基づいて、搬送容器が現在処理中の要求(注文)に従った容器内の物品の特定の行き先、たとえば仕分けステーションに送られる。ピッキング、梱包および発送を経た注文に顧客から発注された物品がすべて含まれているとはかぎらない。同時に発送できるように在庫から揃った注文品の一部しか顧客への発送荷物に入っていないということもありえる。
マテリアルハンドリング施設は、1つ以上の搬入元(たとえばベンダー)からのストック(たとえば在庫品のユニット)の荷受けおよび搬入ストックの在庫ストレージ(たとえば在庫30)への移動(「棚入れ」)のための受入れ80機能も備えることができる。この受入れ80機能は、購入品もしくは賃貸品の返品または顧客からの注文を受け取って処理することもできる。通常、これらの物品の少なくとも一部は在庫30に戻される。マテリアルハンドリング施設のさまざまな機能を1つの建物または施設内に配置することができ、あるいは複数の建物または施設に分散または分割してもよい。各種の事例において、当然ながら、マテリアルハンドリング施設100内部に配置された要素、ユニット、物品、プロセス(その他すべて)への言及は、マテリアルハンドリング施設に近接しているがその内部に物理的に配置されていない要素、ユニット、物品、プロセス(その他すべて)を包含するものとして容易に拡張される。たとえば、いくつかの実施形態に従い、各種の要素、ユニット、物品、またはプロセス(その他すべて)をマテリアルハンドリング施設の外部に配備することができる。
各種の実施形態において、発送70にある1つ以上の物品の荷物を1つ以上の運送業者ネットワーク75に移送することができる。各運送業者のネットワークは、物品を保管するための1つ以上の配送施設とともに、その配送施設および/またはマテリアルハンドリング施設(マテリアルハンドリング施設100など)からさまざまな宛先(たとえば顧客指定の宛先)に荷物を搬送するための車両を備える。
図2は、注文フルフィルメント施設(センター)など、マテリアルハンドリング施設の物理的配置例を示す。この中にマテリアルハンドリング施設内の保管エリアからの発送を管理するシステムおよび方法の実施形態が実現される。依頼者からの物品の要求(たとえば注文)は複数のピッカー200に分配され、それらのピッカーが物品を在庫ストレージ30から取り出す。ピッキングされた物品ユニットは、運搬のために搬送容器205(たとえばトートまたはカート)に入れられる。注文はピッカー200全体に細分されるため、1件の注文に対して複数のピッカー200が物品をピッキングすることがありえる。ピッキングされた物品は、インダクションステーション210(複数のインダクションステーション210がありえる)に運ばれる。たとえば、各々に1つ以上の物品ユニットが入っている(おそらくは各々に複数の注文による物品が入っている)搬送容器205(たとえばトート)内のピッキングされた物品が搬送装置(たとえばコンベアベルト)によってインダクションステーション210のいずれかに運ばれる。
インダクションステーション210において、各ユニットが各搬送容器205から個別に引き抜かれる。あるいは、全物品を一般的容器(箱、バスケット、棚など)に「ダンプ」したのち、その一般的容器から個別ユニットを引き抜いてもよい。各種の実施形態において、引き抜かれた各ユニットは、次に単独で搬送容器215(たとえばトートまたはトレイ)に入れられる。このプロセスは物品の単体化と呼ばれる。本明細書で使用される容器には、トート、バスケット、ボックス、トレイのほか、マテリアルハンドリング施設内で個別物品ユニットまたは物品ユニットのグループを受け入れるように構成された任意の類似機構が非限定的に含まれる。搬送容器215を特定の搬送機構に固定する必要はない。
引き抜かれた物品ユニットは、それを収納する特定の搬送容器215と関連づけられる。一実施形態において、物品ユニットと特定の搬送容器215の関連づけは、読取り、走査またはその他の方法により、物品に付けられた物品識別子およびそのユニットを収納する特定の搬送容器215に付けられた搬送容器識別子を入力することによって行われる。その物品識別子および容器識別子が有線および/または無線通信を介してマテリアルハンドリング施設の制御システム102に伝達される。各搬送容器215は、マテリアルハンドリング施設内の特定の搬送容器215を一意に識別する固有の搬送容器識別子を有することができる。その搬送容器識別子は、たとえば、搬送容器215に取り付けられるか、一体化されたバーコード、無線識別子(RFID)装置、その他の走査可能もしくは読取り可能な機構、マーク、またはタグによって示される。
在庫30に搬入される各物品の各ユニットは、物品識別子を有することができる。在庫30内に保持された、ある種類の物品を本明細書では単に物品と呼ぶ。物品識別子という用語は、配送システムの在庫30に搬入される特定の種類の各物品に与えられた一意の識別子を意味する。ユニットという用語は、ある種類の物品の1個を指すものとして使用される。典型的には、ただし必然的ではなく、各ユニットにはタグまたはその他の方法で物品識別子がマーキングされる。たとえば、在庫内の物品の複数ユニットまたは集合に対し、マテリアルハンドリング施設の業務を容易にするために物品識別子として使用できるバーコード、統一商品コード(UPC)、在庫管理単位(SKU)コード、シリアルナンバーおよび/またはその他の記号(企業独自の記号を含む)でマーキングまたはタグづけすることができる。その業務には、棚入れ、詰め替え、ピッキング、仕分け、梱包および発送が非限定的に含まれる。これらの記号またはコードは、物品を種類別に識別することができ、かつ/または物品の1つの種類の中の個別ユニットを識別することができる。
ケース、箱、束、またはその他の物品ユニットの集合に対しても、同様に物品識別子でマーキングまたはタグづけすることができる。集合内の物品ユニットは、たとえば特定の物品の12ユニットという場合のように、すべて同種のこともあり、あるいは複数の異種物品のそれぞれ1個以上のユニットからなる集合ということもある。したがって、注文フルフィルメントプロセスの中で、物品ユニットの集合(たとえば物品の12ユニットが入っているケース、あるいは箱入りまたは束ねた3種類の本のセットのような複数の異種物品のそれぞれ1個以上のユニットからなるセット)を1つの「ユニット」とみなすことができ、あるいはそのように扱うことができる。すなわち、注文フルフィルメントプロセスにおいて、物品ユニットの集合も記号またはコードにより「ユニット」として識別される。そのため、物品の個別ユニットの仕分け以外の各種作業においても、ユニットとして指定された物品ユニットの集合を処理することができる。したがって、本明細書に説明する搬送容器には、物品の個別ユニットだけでなく、ユニットとして指定された物品ユニットの集合も収納される。
マテリアルハンドリング施設は制御システム102を含むことができ、その制御システム102には、1つ以上のコンピュータシステム、1つ以上のデータ記憶装置、1つ以上の有線/無線ネットワーク、制御システムソフトウェア(プログラム、モジュール、ドライバ、ユーザーインタフェースなど)のほか、1つ以上のハンドヘルド/モバイルおよび/または固定の読取装置、スキャナまたは走査装置が非限定的に含まれる。これらの装置は、個別の物品(ユニット)または物品の集合(たとえばケース)に付けられたマークまたはタグ(たとえばバーコード、無線識別(RFID)タグなど)を走査、受信、またはその他の方法で検出することができ、また、制御システムの制御ステーションと通信して、たとえば物品および/または物品種別を判定し、記録することができる。ハンドヘルド/モバイルおよび/または固定の読取装置、スキャナまたは走査装置は、搬送容器に取り付けられ、または一体化されたマークまたはタグ(たとえばバーコード、無線識別(RFID)タグなど)も走査、受信、またはその他の方法で検出することができる。制御システム102で使用することができる例示的コンピュータシステムを図8に示す。
インダクションステーション210では、読取り、走査などの方法により、物品に付けられた物品識別子および搬送容器215に付けられた搬送容器識別子を制御システム102に取り込むことによって、引き抜かれた物品ユニットを特定の搬送容器215と関連づけることができる。これは、手作業(たとえばオペレータまたはエージェントがハンドヘルド型スキャナを使用)、固定スキャナ/読取装置による自動化走査/読取りプロセス、または手作業と自動的走査/読取りの組み合わせによって実行される。たとえば、インダクションステーション210のオペレータは、「ステージング」された搬送容器215への物品ユニットの収納前または収納中に、ハンドヘルド型スキャナを使用してそのユニットからコードを読み取ることができる。一方、自動化読取装置は、オペレータが物品ユニットを収納するために「ステージング」された搬送容器215から搬送容器識別子を読み取ることができる(またはその時点ですでに読取りが完了している)。
引き抜かれた物品ユニットが特定の搬送容器215と関連づけられて収納された後、その搬送容器215を搬送機構(たとえばコンベアベルト、ローラーシステム、またはその他の搬送機構)に投入し、ランダムアクセス保管バッファ220に運ぶことができる。各種の実施形態において、この搬送機構は、何らかの方法により制御システムの制御下で製品を搬送経路から分岐させる機構を含むことができる。そのような分岐機構の例には、スライドシューソーター機構およびポップアップ分岐機構(ポップアップホイールソーター機構など)が非限定的に含まれる。ポップアップホイールソーターは、コンベアから上昇して製品をコンベアから異なる経路または場所に分岐させる動力ホイールを備える。これ以外の種類の機構を各種の実施形態で使用することができる。
搬送容器215は、ユニットが容器215と関連づけられて収納される時点ですでに搬送機構に載せられていてよい。あるいは、搬送容器ストレージ、スタック、またはその他のサプライから搬送容器215が取り出され、ユニットがその容器215と関連づけられて収納され、次に容器215が搬送機構に投入または載置されるという順序でもよい。搬送容器215は、搬送機構に固定されている必要はなく、着脱可能な箱、トレイ、トート、または類似の装置であってよい。有線および/または無線通信を介して、搬送機構をマテリアルハンドリング施設の制御システム102に結合し、制御されるようにすることができる。制御システム102は、搬送機構から入力を受信し、搬送機構にコマンドを送信して、搬送機構の各種動作を指示または制御することができる。
上述のインダクションステーション210の各種態様は、ピッキングされた物品のグループからの物品ユニットの引き抜き、物品および容器215の走査/読取りによる単一の物品ユニットと特定の搬送容器215の関連づけ、ならびに搬送容器215へのユニットの収納の少なくとも一部を人間のオペレータが実行する場合について説明したものである。代替的な実施形態では、人間のオペレータが実行するものとして説明した作業の一部または全部を自動化された機構で実行することができ、その機構をマテリアルハンドリング施設の制御システム102に結合して、その制御下に置くことができる。
搬送容器215内の投入物品は、ランダムアクセス保管バッファ220に送られる。ランダムアクセス保管バッファ220は、各種の実施形態で個別バッファロケーションに複数の搬送容器(各々に物品ユニットが入っている)を格納するように構成することができる。いくつかの実施形態において、ランダムアクセス保管バッファ220は、段と列を有する棚ユニットまたはその他の物理的構造を備えることができる。それらの段と列はアドレス可能なロケーションすなわち「スロット」を規定したものであり、その中に1つ以上の搬送容器215を格納できる。いくつかの実施形態において、ランダムアクセス保管バッファは、投入された搬送容器215を取り込んで、その容器をランダムアクセス保管バッファの各アドレス可能ロケーションに収納する、自動化機構またはロボット機構(たとえば多方向リフトまたはエレベータ)を備えることができる。同様の機構を利用して、ランダムアクセス保管バッファ220から搬送容器(各々に物品が入っている)を取り出すことができる。各種の実施形態において、ランダムアクセス保管バッファを二面構造とし、搬送容器をバッファの一方の側(たとえば入口側)からバッファのアドレス可能ロケーションに収納し、バッファのもう一方の側(たとえば出口側)から取り出すようにすることができる。
物品が入っている搬送容器をランダムアクセス保管バッファ220内に格納しておく時間はさまざまである(たとえば比較的短い期間または比較的長い期間)。場合によっては、同じ荷物のユニットが入っている搬送容器が別々の時間(たとえばピッキングの変動による)にランダムアクセス保管バッファに到着することがある。いくつかの実施形態において、そのようなユニット(典型的には容器1個ごとに1ユニット)が入っている搬送容器は、当該ユニットがすべてバッファ内に揃うまで、ランダムアクセス保管バッファから取り出して「リリース」する条件を満たすことができない。リリースの条件を満たした荷物は、バッファを管理するコンピュータシステムによって指示された時点で、ランダムアクセス保管バッファ220から取り出される。
各種の実施形態において、ランダムアクセス保管バッファ220を制御システム102によって、または専用のバッファ管理コンポーネントによって制御することができる。各種の実施形態において、バッファ管理コンポーネントは、ランダムアクセス保管バッファ220の一部および/または全部の側面を制御することができ、これにはランダムアクセス保管バッファ220との間で出し入れするための搬送容器215の入口および出口を制御する物理的機構(たとえばロボットアーム、リフト、エレベータなど)が非限定的に含まれる。そのようなバッファ管理コンポーネントの一例をバッファ管理コンポーネントに関連して後述する。
各種の実施形態において、ランダムアクセス保管バッファ220からユニットをリリースし、荷物1個単位で梱包ステーション230a〜230n(集合的に梱包ステーション230と呼ぶ)の中のそれぞれ1つに渡すことができる。たとえば、荷物225を構成するユニットが入っている搬送容器がランダムアクセス保管バッファ220からリリースされて、梱包ステーション230aに渡される。各種の実施形態において、梱包ステーションの現在の作業負荷の程度に応じて1つまたは複数の荷物を要求するように各梱包ステーションを構成することができる。
各梱包ステーションにおいて、物品の荷物(たとえば荷物225)は、マテリアルハンドリング施設からの発送のために個別の発送容器(たとえば段ボール箱またはその他の発送容器)に入れて梱包される。準備された荷物は発送70で処理され、各顧客への配送のために運送業者に搬送される。
例示のマテリアルハンドリング施設は、複数のユニットハンドリングプロセスを含むこともできる。一般的には、マテリアルハンドリング施設内の1つの場所から別の場所にユニットを移動するすべてのプロセスをユニットハンドリングプロセスとみなすことができる。たとえば、在庫30から物品ユニットをピッキングして搬送容器205に移す作業はユニットハンドリングプロセスでありえる。インダクションステーション210への搬送容器205の移動もユニットハンドリングプロセスでありえる。同様に、インダクションステーション210からランダムアクセス保管バッファ220への容器215の搬送もユニットハンドリングプロセスとみなされる。ランダムアクセス保管バッファ220から梱包ステーション230への荷物のリリースもユニットハンドリングプロセスとみなされる。各種の実施形態において、これらのユニットハンドリングプロセスのそれぞれが個別のスループットレート(たとえば毎時ユニット数)を持ちえる。
マテリアルハンドリング施設内の保管エリアからの荷物リリースを管理するシステムおよび方法のさまざまな実施形態により、1つ以上のユニットハンドリングプロセスを制御して、マテリアルハンドリング施設の既知の制限を超えることなく、マテリアルハンドリング施設のリソースを効率的に利用することができる。場合によっては、1つ以上のユニットハンドリングプロセスのスループットレートを管理することがこれに含まれる。制限の例には、たとえば、インダクションステーション210またはランダムアクセス保管バッファ220のユニットキャパシティが含まれる。
実施形態には、保管エリア(たとえばランダムアクセス保管バッファ220)から1つ以上の梱包ステーション(たとえば梱包ステーション230)への荷物のリリースを管理するための要素が含まれる。このプロセスには、ワークを必要とする所与の梱包ステーションのために、ランダムアクセス保管バッファ220からリリースする荷物を選択することが含まれる。たとえば、リリースの条件を満たす荷物の優先順位を作成することができる。この優先順位の中でトップに位置する(たとえば同じ荷物に属するユニットのグループ)荷物が梱包ステーションへのリリースのために選択される。この優先順位は、荷物の予定発送期日など、各種の基準に基づいて作成される。後続の図を参照して、このプロセスを以下により詳しく説明する。実施形態には、ある荷物のユニットがリリースされ、かつ/または各梱包ステーションに到着する順序を制御するための要素も含まれてよい。(ただし、いくつかの実施形態でバッファ220がユニットを処理する方法により、複数のユニットがランダムアクセス保管バッファからリリースされる順序と、それらの同一ユニットが各梱包ステーションに到着する順序が同じということも、必ずしもその必要はないが、ありえる)。各種の実施形態において、この順序は、荷物内のユニットの物理的寸法に基づいて確定される。たとえば、一実施形態において、各ユニットの2つの最大寸法(たとえば製品の長さと製品の幅を掛けた結果)からフットプリントが得られる。この例では、ユニットがフットプリントサイズに基づく降順(たとえば最大フットプリントのユニットを最初に渡し、2番目に大きなユニットを次に渡す、など)で梱包ステーションに渡される。以下により詳しく説明するように、このような方法でユニットを梱包ステーションに送ることによって梱包プロセスの速度を上げることができる。
図3は、本発明によるマテリアルハンドリング施設内のプロセス管理のシステムおよび方法の実施形態を実現する例示システムを示す。実施形態には、上述の各種ユニットハンドリングプロセスを制御するように構成されたプロセス制御コンポーネント300が含まれる。各種の実施形態において、プロセスモデル305を生成するようにプロセス制御コンポーネント300を構成することができる。プロセスモデル305には、マテリアルハンドリング施設100のユニットハンドリングプロセスのモデルが含まれる。各種の実施形態において、プロセスモデルは、各ユニットハンドリングプロセスについて、現在のスループット(たとえばリアルタイムまたは準リアルタイムのスループット)またはそのユニットハンドリングプロセスの履歴スループットレートを指定することができる。たとえば、ピッキングプロセスの場合、一定時間にピッキングされたユニットの数量(たとえば1時間にピッキングされたユニット数)をプロセスモデルによって指定することができる。他の例では、インダクションステーション210に搬送された1時間当たりのユニット数、ランダムアクセス保管バッファ220に搬送された1時間当たりのユニット数、および梱包ステーション230に搬送された1時間当たりのユニット数をプロセスモデルによって指定することができる。プロセスモデル305は、梱包ステーション230のアウトプットレートを指定することもできる。
マテリアルハンドリング施設100内部のユニットの別個の集合の各々について、プロセスモデル305は、その集合内のユニット数量を指定することができる。たとえば、在庫30、インダクションステーション210、ランダムアクセス保管バッファ220、および梱包ステーション230に格納されたユニットの集合のように、ユニットの集合がマテリアルハンドリング施設内の各ユニットハンドリングプロセスの中間に位置することがある。プロセスモデル305は、各集合内の特定ユニットを指定することもできる。たとえば、ユニットがそれを収納した搬送容器と関連づけられる。さらに、各搬送容器をマテリアルハンドリング施設の個別ロケーション(たとえば在庫30、インダクションステーション210、ランダムアクセス保管バッファ220、梱包ステーション230)と関連づけることができる。このようにして、プロセスモデル305は、マテリアルハンドリング施設内部のプロセスおよびユニットに関する全体的ビューをプロセス制御コンポーネント300に提供することができる。以下により詳しく説明するように、プロセス制御コンポーネント300は、プロセスモデル305を評価して、マテリアルハンドリング施設100内のユニットの流れを制御することができる。
プロセス制御コンポーネント300は、プロセスモデル305および所望アウトプットレート350を利用して、マテリアルハンドリング施設内部のユニットの処理を制御することができる。各種の実施形態において、所望アウトプットレートには、マテリアルハンドリング施設の梱包ステーションに関して求められる1つ以上のアウトプットレートが指定される。各種の実施形態において、所望アウトプットレートはオペレーション管理インタフェース310から与えられる。たとえば、オペレーション管理インタフェース310はコンピュータシステムであり、そのコンピュータシステムを通じて管理エンティティが1つ以上の所望アウトプットレートを提出し、それがプロセス制御コンポーネントに与えられる。各種の実施形態において、異なる梱包ステーション230を異なる梱包ステーション種別と関連づけることができ、各梱包ステーション種別について別個の所望アウトプットレート350が存在しえる。いくつかの実施形態において、種別の異なる梱包ステーション230が異なる処理能力を有してもよい。たとえば、1つの梱包ステーションは小型荷物のみを処理し、他の梱包ステーションは中型または大型の荷物のみを処理するということがありえる。場合によっては、小型と中型の組み合わせまたは中型と大型の組み合わせなど、一部の梱包ステーションが特定の種類の荷物の組み合わせを処理するようにすることができる。
各種の実施形態において、プロセス制御コンポーネント300は、物品ユニットを搬送容器205に入れるピッキングプロセスの少なくとも一部を制御することによって、マテリアルハンドリング施設のユニットハンドリングプロセスを制御することができる。一実施形態では、所望アウトプットレート350を利用して、マテリアルハンドリング施設内の上流プロセスに関する集合的なアウトプットを判定することができる。たとえば、アウトプットレート350によって指定された集合的アウトプットレートが700UPH(1時間当たりのユニット数)だとすれば、プロセス制御コンポーネントは、1つ以上の上流プロセスに関する目標スループットレートも700UPHにすべきと判断することができる。この計算を順にピッキングプロセスまで適用し、ピッキングプロセスに対しても700UPHという目標スループットレートを割り当てることができる。ピッキングプロセスに関する目標スループットレートは、ピッキングを実行するエージェントが達成すべき目標としての役割を果たす。以下により詳しく説明するように、ピッキングおよびその他のユニットハンドリングプロセスにおける変動は、プロセス制御コンポーネントが経時的に目標スループットレートを調整しなければならない原因になりえる。
ユニットハンドリングプロセスのスループット制御のためにピッキングプラン352を作成するようにプロセス制御コンポーネント300を構成することができる。ピッキングプラン352には、特定スループットレート(たとえば1時間当たりの特定ユニット数量)でユニットをピッキングする1つ以上の指示が含まれる。このスループットレートは、プロセスモデル305および所望アウトプットレート350を評価することによって確定された目標スループットレートと同一であってよい。梱包ステーション230が特定の種類の荷物の梱包に限定されない(たとえば各梱包ステーションが任意の種類の荷物を梱包できる)場合、ピッキングプラン352は、ピッキングのユニットハンドリングプロセスに関する1つの全体的スループットレートを指定することができる。それ以外の場合には、所望アウトプットレート350として、異なる種類の荷物(たとえば小型、中型、大型など)のユニットについて別々のアウトプットレートが指定される。その場合、ピッキングプラン352は、異なるサイズの荷物に属する各ユニットについてピッキングのスループットレートを指定することができる。たとえば、例示ピッキングプラン352により、大型荷物については毎時100ユニット、中型荷物については毎時200ユニット、小型荷物については毎時400ユニットのピッキングを指定することができる。当然ながら、他の実施形態では別の荷物サイズ区分(たとえば特小、特大など)を用いることができる。各種の実施形態において、これらの荷物種別は、一般的に荷物の占有容積と一致し、必ずしも各ユニットそれ自体の寸法と一致しない。たとえば、大型の荷物が多数の小型ユニットからなり、あるいは1個の大型ユニットからなることもある。以下により詳しく説明するように、実施形態には、ピッキングする特定ユニットについて、そのユニットが属する荷物の種類(たとえば小型、中型、大型など)を与えるように構成されたピッキング分類コンポーネント320が含まれる。
ピッキングプラン352に従ってピッキング指示356を作成するようにピッキング管理コンポーネント315を構成することができる。ピッキング指示356には、在庫30からユニットを取り出して搬送容器205に入れるエージェント200への指示が含まれる。1つの例において、ピッキング指示356により、特定物品のユニットを在庫30の特定の在庫場所から取り出すように指定することができる。
各種の注文354の荷物に関するピッキング指示356を作成するようにピッキング管理コンポーネント315を構成することができる。注文354の各荷物について(注文が複数の荷物に分割されることもある)、その荷物の荷物種別をピッキング分類コンポーネント320に問い合わせるようにピッキング管理コンポーネント315を構成することができる。ピッキング管理コンポーネント315は、その情報を利用して、各荷物種別に関する適切なピッキング数量の指示を与えることができる。1つの非限定的な例では、上述のように、ピッキングプラン352によって、大型荷物については毎時100ユニット、中型荷物については毎時200ユニット、小型荷物については毎時400ユニットを取り出すように指定することができる。ピッキング管理コンポーネント315は、ピッキング分類コンポーネントの結果を利用して、ピッキングプランの各荷物種別に関する適切なピッキング数量の指示を与えることができる。この例では、ピッキング分類コンポーネント320から与えられた結果に基づき、ピッキング管理コンポーネント315は、大型荷物に属するユニット100個、中型荷物に属するユニット200個、および小型荷物に属するユニット400個のピッキング指示を与えることができる。
各種の実施形態において、エージェントコンポーネント335は、マテリアルハンドリング施設内で作業を行うエージェントと関連づけられたモバイル通信装置またはその他の電子機器であってよい。いくつかの実施形態では、後述の図8に示すようなコンピュータシステムによってエージェントコンポーネント335が実現される。各種の実施形態において、エージェントコンポーネント335は、マテリアルハンドリング施設内でエージェントが持ち運ぶモバイル装置またはハンドヘルド装置であってよい。エージェントコンポーネント335は、制御システム102と通信して、エージェントが扱うユニットの場所などの情報またはコマンドを送受信することができる。たとえば、各種の実施形態において、1つ以上の識別子(たとえばバーコード、在庫管理単位すなわち「SKU」など)をマテリアルハンドリング施設内部のユニットに組み込むか、またはラベル貼付することができる。これらの識別子は、特定の物品種別(たとえば特定機種のテレビ)に固有であるか、またはその物品種別の特定ユニット(たとえばそのテレビの特定ユニット)に固有のものとされる。光学スキャナ(たとえばバーコード識別子の走査用)または無線識別子(RFID)スキャナを非限定的に含む各種コンポーネントを利用してこれらの識別子を読み取る(または「走査する」)ようにエージェントコンポーネントを構成することができる。
各種の実施形態において、制御システム102(プロセス制御コンポーネント300を含む)は、1つ以上のエージェントコンポーネント335からの入力に基づいて在庫を追跡することができる。たとえば、エージェントがユニットを1つの場所から別の場所に移動させると(受入れ、ピッキングその他の作業時)、そのエージェントが利用するエージェントコンポーネント335によって、その移動が記録される。たとえば、物品を第一の場所から第二の場所に移動させる時、エージェントは、第一の場所および当該ユニットを走査することによって第一の場所からの移送物品を走査することができ、かつ/または第二の場所および当該ユニットを走査することによって第二の場所への移送物品を走査することができる。その走査には、当該ユニットの識別子および当該ユニットの移送元または移送先を電子的に取得することが含まれる。(場合によっては、ユニットの移送元を走査する必要はない。その代わりに、制御システムは、在庫モデル325内に制御システムが記録した当該ユニットの確認済み最終位置に基づいて、ユニットの移送元を判断または推測することができる)。たとえば、その走査には、光学スキャナ(たとえばバーコードスキャナ)またはRFIDスキャナを介して識別子を取得することが含まれる。これに応答して、制御システムは、対応する場所を当該ユニットが離れたことを示す保存データ記録(たとえば在庫モデル325内の記録)を作成することができる。そのユニットを新しい場所に移した時点で、同様のプロセスを実行することができる。たとえば、エージェントは、物品を走査するとともに、その物品が新たに置かれる場所(たとえば特定の搬送容器)を走査することができる。上述のような同様の方法で、制御システムは、当該ユニットが新しい場所に到着したことを示す保存データ記録を作成することができる。このようにして、制御システム102は、各種の実施形態でマテリアルハンドリング施設内におけるユニットのライフサイクル全体(たとえば受入れ80から発送70まで)を通して特定ユニットの場所を追跡することができる。場合によっては、在庫管理コンポーネントによって上述のユニットの追跡を実行することができる。その在庫管理コンポーネントは、制御システム102のコンポーネントまたは制御システム102と通信するように構成された別個のコンポーネントであってよい。
場合によっては、制御システム102は、自動化装置またはシステムを利用してマテリアルハンドリング施設内部の在庫を追跡することができる。これらの要素は、監視コンポーネント330として図示されている。たとえば、マテリアルハンドリング施設内の1つの場所から別の場所(たとえば搬送機構またはカート上)にユニットが移動すると、コンピュータシステムによって制御される光学スキャナまたはRFIDスキャナなどの監視コンポーネントは、その移動中に(たとえば光学識別子またはRFIDタグを走査して)ユニットの識別子を電子的に取得することができる。その情報は、マテリアルハンドリング施設内部の在庫ユニットを追跡するために、制御システム102および/または在庫管理コンポーネントによって収集される。
あるユニットの場所(たとえば在庫場所、搬送容器、またはマテリアルハンドリング施設の別の場所)を在庫モデル325に記録することができ、そのモデルはリアルタイムまたは準リアルタイムで更新される。いくつかの実施形態において、プロセス制御コンポーネント300は、少なくとも部分的に在庫モデル325に基づいてプロセスモデル305を生成することができる。たとえば、ユニットハンドリングプロセスがユニットを処理すると、そのユニットは、マテリアルハンドリング施設内の別の場所(たとえば在庫から搬送容器、搬送容器からインダクションステーション、インダクションステーションからランダムアクセス保管バッファ、ランダムアクセス保管バッファ220から梱包ステーションなど)に移動される。このユニットの移動が在庫モデル325の中で追跡され、プロセス制御コンポーネント300はその在庫モデルに基づいてプロセスモデル305を生成することができる。
ピッキング指示356が制御システム102に与えられ、各エージェントコンポーネント335に送られる。エージェント200は、そのピッキング指示に従ってユニットを取り出し、搬送容器205に入れる。ここから搬送容器はインダクションステーション210に運ばれ、図2の説明に従って処理される。ピッキングに関する1つ以上の目標スループットレートを指定したピッキングプラン352をピッキング管理コンポーネント315に与えることにより、プロセス制御コンポーネント300は、ピッキングプロセスのスループットレートを制御することができる。以下により詳しく説明するように、ピッキングプロセス(およびその後のプロセス)の実スループットレートは、プロセス制御コンポーネントによって指定された目標スループットレートを下回るか、または上回ることがありえる。これは、エージェントの作業が予測よりも速い、または遅いというような、マテリアルハンドリング施設内部の変動によるものである。その他の変動が、たとえばインダクションステーションまたは梱包ステーションの一時的な停滞または閉鎖によって発生しえる。場合によっては、1つのユニットハンドリングプロセスにおける処理の停滞が1つ以上の上流プロセスにまで伝搬する。各ユニットハンドリングプロセスの現在の状態をリアルタイムまたは準リアルタイムでプロセスモデル305に反映させることができる。同様に、プロセス制御コンポーネント300は、リアルタイムまたは準リアルタイムでプロセスモデル305を監視することにより、各ユニットハンドリングプロセスの状態を監視することができる。
上述のように、プロセス制御コンポーネント300は、ピッキングプラン352を介して、マテリアルハンドリング施設で実行されるピッキングプロセスに関する目標スループットレートを与えることができる。各種の実施形態において、マテリアルハンドリング施設内部の変動は、ピッキングプロセスの実スループットレートを目標スループットレートから逸脱させる原因になりえる。ピッキングプロセスの平均スループットレートを元の目標スループットレートにより近づけるため、そのような逸脱を検出したときに目標スループットレートを一時的に変更するようにプロセス制御コンポーネント300を構成することができる。図4を参照し、このプロセスについて以下により詳しく説明する。
図4は、マテリアルハンドリング施設内のピッキングプロセス(たとえばユニットを在庫30から取り出して搬送容器205に入れるプロセス)のスループットレートのプロット例を示す。実施例における直線400は、ピッキングプロセスに関する長期的な目標スループットレートを表す。各種の実施形態において、これは、梱包プロセスの目標アウトプットレートおよびマテリアルハンドリング施設の制限(たとえばランダムアクセス保管バッファなど、一部の項目のキャパシティが固定されている)に基づいて確定される上述の目標スループットレートであってよい。第一の期間にピッキングプロセスの計測スループットレートが長期目標スループットレートから逸脱したことを判定するようにプロセス制御コンポーネントを構成することができる。たとえば、長期目標スループットレートが毎時700ユニットであるのに対し、図4の第一の期間(すなわち0分〜10分)における計測目標スループットレートが毎時600ユニットということがありえる。要員のレベルまたはエージェントの仕事ぶりなど、マテリアルハンドリング施設内部の変動がこの逸脱の原因になりえる。
図の直線410のように、ピッキングプロセスの計測スループットレートは移動平均として示されている。プロセス制御コンポーネントは、計測スループットを長期目標スループットレートに合わせるために選ばれた短期的な目標スループットレートを一時的に使用することにより、ピッキングプロセスの計測スループットレートを是正することができる。各種の実施形態において、ピッキングプロセス(またはマテリアルハンドリング施設の他の任意のユニットハンドリングプロセス)のスループットレートを制御システム102によって計測し(たとえば例示の監視/エージェントコンポーネントからの入力および/または在庫モデル325に基づく)、図のスループットレート364のように、それをプロセス制御コンポーネント300に与えることができる。プロセス制御コンポーネント300は、このフィードバック情報を利用して、ピッキングプラン352を更新する(または新しいピッキングプランを作成する)ことができる。たとえば、実施例において、ピッキングプロセスのスループット(たとえばスループットレート364によって指定されたもの)は長期目標スループットレートよりも毎時100ユニット少ないため、予測される平均スループットが毎時700ユニットに収束するように長期目標スループットレートよりも毎時100ユニット多い短期目標スループットレート420が選ばれる。このようにしてピッキングプロセスを制御するために、プロセス制御コンポーネントは、一時的な期間(たとえば10分〜20分)について有効な新しいピッキングプラン352を発行することができる。そのピッキングプランにより、この期間に適用するための短期的スループットレートが指示される。
実施形態では、短期目標スループットレートに従い、ピッキングプロセスのスループットレートが長期目標スループットレートを一時的に超えることがありえる。直線410が示すように、それによってピッキングプロセスの平均計測スループットが改善され、平均スループットが長期目標スループットレートに収束する(20分の時点)。図ではこの収束が平均計測スループットの線形変化として示されているが、その変化がいかなる場合も線形である必要はない。たとえば、他の場合において、この変化は指数関数的減衰またはその他の形で近似される。この時点で、目標スループットレートを長期的な値(たとえば毎時700ユニット)に戻すことができる。将来的な変動によって計測スループットが長期目標スループットレートから逸脱することがあっても、上述のプロセスを1回または複数回実行すればよい。
各種の実施形態において、マテリアルハンドリング施設のユニットを物理的場所に基づく別個の集合に分類することができる。上述のプロセスモデルは、リアルタイムまたは準リアルタイムでのユニットの各集合およびその集合の組成(たとえばその集合内のユニットの種類および数量など)の表現である保存情報を含むことができる。各種の実施形態において、在庫30のユニットが1つの集合に属し、搬送容器205のユニットが別の集合に属し、ランダムアクセス保管バッファに格納されたユニットがさらに別の集合に属する(以下同様)ということがありえる。各種の実施形態において、各ユニットハンドリングプロセスは、1つのユニットの集合内のユニットを別の集合に移動させることがある。たとえば、ピッキングプロセスにより、在庫内のユニットの集合から搬送容器205の内容によって形成されるユニットの集合にユニットが移動される。各種の実施形態において、ユニットの集合の一部にキャパシティの制限が生じる。たとえば、いくつかの実施形態では、ランダムアクセス保管バッファ220のキャパシティが固定されている。したがって、ランダムアクセス保管バッファに格納されるユニットの集合もキャパシティが固定されることになる。このキャパシティに達した場合(すなわち、バッファが満杯になった場合)、場合によってはユニットハンドリングプロセスのスループットに悪影響を及ぼす。たとえば、ランダムアクセス保管バッファ220がマヒ状態になったとすれば、望ましくない数量のユニットが1つ以上の上流プロセスに蓄積するということが起こりえる。各種の実施形態において、あるユニットの集合が閾値キャパシティに達したことを判断し、1つ以上の目標スループットレートを減少させてそのユニットの集合に対する過重を軽減するようにプロセス制御コンポーネント300を構成することができる。たとえば、ランダムアクセス保管バッファ内のユニットの集合がそのバッファのキャパシティ閾値(たとえばそのバッファのキャパシティの85%)に達するという例では、プロセス制御コンポーネントは、ランダムアクセス保管バッファに送られるユニット数を減らすようにピッキングプロセスの目標スループットレートを減少させることができる。状況により、更新された目標スループットレートは無期限に、または短い時間にのみ有効でありえる。
図3に戻ると、図4で説明したように更新ピッキングプラン352を作成するだけでなく、警告358、勧告360、および視覚的表現362を作成することによってユニットハンドリングプロセスのスループットレートを制御するようにプロセス制御コンポーネントを構成することができる。これらの各要素は、オペレーション管理インタフェース310など、1つ以上のオペレーション管理インタフェースに与えられる。オペレーション管理インタフェースの一例として、視覚的ディスプレイ上に情報を表示したり、スピーカーその他の変換器を通じて音声情報を出力するなどの方法で管理エンティティに情報を与えるように構成されたコンピュータシステムまたはその他の電子機器が考えられる。
各種の実施形態において、プロセスモデル305が最小スループットレートを充足することを目標として各プロセスを監視するようにプロセス制御コンポーネント300を構成することができる。あるユニットハンドリングプロセスがその最小スループットレートに達しなければ、プロセス制御コンポーネントは警告を発生することができ、その警告が1つ以上の管理インタフェースに与えられる。別の場合には、望ましくない数量のユニットがマテリアルハンドリング施設のエリア内に蓄積しているという判定に応答して警告を発生することができる。たとえば、ランダムアクセス保管バッファ220内に格納されたユニット数量が最大許容閾値(たとえばバッファキャパシティの90%)を超えた場合、プロセス制御コンポーネントは、警告を発生してその滞留状況を管理エンティティに通知することができる。
警告またはその代替物に加えて、1つ以上の勧告360を生成するようにプロセス制御コンポーネントを構成することができ、その勧告が1つ以上の管理インタフェースに与えられる。勧告360は上述の警告と同様の方法でトリガーされるが、勧告360では、マテリアルハンドリング施設内部の問題を軽減するために取るべき1つ以上のアクションを指定することもできる。たとえば、ユニットの渋滞が発生するか、またはユニットハンドリングプロセスが要求スループットを充足しない場合、要員レベルの増強(たとえば、エージェントの増員)または在庫からピッキングされる物品数量の一時的低減など、その状況を緩和するための解決策を勧告に含めることができる。
各種の実施形態において、プロセスモデル305の視覚的表現362を生成するようにプロセス制御コンポーネント300を構成することができる。視覚的表現362の一例は、電子ディスプレイ上に生成されるものである。その視覚的表現は、グラフィカルな態様でユニットハンドリングプロセスに関する情報を伝達することができる。非限定的な一例において、各ユニットハンドリングプロセスは、プロセスフローを示す矢印によってグラフィカルに表現される。その視覚的表現には、各種ユニットハンドリングプロセスのフローレートを示すテキストまたは色など、グラフィカルな態様で表現されたユニットハンドリングプロセスに関する各種のメタデータを含めることができる。場合によっては、警告および/または勧告の代わりに、またはそれに加えて、管理エンティティが施設内部の問題または渋滞に関する視覚的表現362を監視し、適切と考えられるアクションを実施することができる。
例示の方法
本発明によるマテリアルハンドリング施設内のプロセス管理のシステムおよび方法の実施形態は、後述の図5〜図7に示すような各種の方法を含むことができる。各種の実施形態において、これらの方法を後述の図8のようなコンピュータシステム上に実現することができる。各種の実施形態において、本明細書に説明する方法を上述のプロセス制御コンポーネント300によって実行することができ、また、後述の図8のようなコンピュータシステム上に実現することもできる。
図5は、マテリアルハンドリング施設内のユニットハンドリングプロセスのモデルを生成し、そのモデルを利用して当該プロセスのスループットを制御する例示の方法を示す。ブロック500に示すように、本方法は、マテリアルハンドリング施設の複数のユニットハンドリングプロセスの保存モデルを生成することを含むことができる。そのようなプロセスの例には上述のユニットハンドリングプロセスがすべて含まれ、これには在庫から物品ユニットを取り出すピッキングプロセス、マテリアルハンドリング施設のロケーション間でユニットを運ぶ搬送プロセス、物品を単体化して、複数のユニットロケーションを含むランダムアクセス保管バッファ内に移動させるインダクションプロセス、およびマテリアルハンドリング施設から発送するユニットの荷物を準備する梱包プロセスが非限定的に含まれる。先にプロセスモデル305に関連して説明したのがそのようなモデルの一例である。
各種の実施形態では、モデル化された各ユニットハンドリングプロセスについて、生成モデルにより、対象ユニットハンドリングプロセスに関するリアルタイム、準リアルタイムおよび/または履歴のスループットレートが示される。場合によっては、一部のユニットハンドリングプロセスが特定の順序(たとえばピッキングの次にインダクション、その次に梱包という順序)に従って実行される。各種の実施形態において、この順序を生成モデルによって指定することができる。
ブロック502に示すように、本方法は、複数のユニットハンドリングプロセスの中の特定ユニットハンドリングプロセス(たとえば梱包プロセス)のアウトプットレートに関する少なくとも1つの目標アウトプットレートに基づき、当該モデルを評価して、対象ユニットハンドリングプロセス以前に実行される特定ユニットハンドリングプロセス(たとえばピッキングプロセス)の個別スループットレートに関する特定の目標スループットレートを生成することを含むことができる。たとえば、上述のように、管理エンティティは、マテリアルハンドリング施設の梱包プロセスに関する目標アウトプットレート(たとえば700UPH)を指定することができる。この目標アウトプットレートに基づいて、本方法は、ピッキングプロセスにまで遡る1つ以上の上流プロセスに関する所望の目標スループットレートを確定することを含むことができる。一実施形態において、各ユニットハンドリングプロセスの目標スループットレートは、管理エンティティによって与えられる目標アウトプットレートに等しいものとして確定される。他の場合には、1つ以上の上流プロセスの目標スループットレートについて、目標アウトプットレートを基本としながらも、その目標アウトプットレートとは異なる値にすることができる。
ブロック504に示すように、本方法は、特定ユニットハンドリングプロセスに関する特定の目標スループットレート(たとえばピッキングプロセスに関する目標スループットレート)に基づき、その特定ユニットハンドリングプロセスによって処理されるユニットの個別スループットレートを制御するための1つ以上の指示を作成することも含むことができる。ピッキングプロセスに関する1つ以上の目標スループットレートを指定できるピッキングプラン352に関連して先に説明したのがそのような指示の一例である。場合によっては、上述のピッキング指示356のようなピッキング指示を直接的に作成することがこの指示の作成に含まれる。
図6は、上述の図4の短期目標スループットレートのように、ユニットハンドリングプロセスの目標スループットレートを少なくとも一時的に変更する例示の方法のフローチャートを示す。いくつかの実施形態において、先に図5について説明した方法の後にこの例示の方法を実行することができる。600に示すように、本方法は、1つ以上の指示(たとえばブロック504に関連して説明した指示)の作成に続く第一の期間について、当該モデルを評価し、その第一の期間における特定ユニットハンドリングプロセス(たとえばピッキングプロセス)の計測スループットレートがそのユニットハンドリングプロセスに関する特定の目標スループットレートから逸脱していることを判定することを含むことができる。そのような逸脱の判定の一例は、ピッキングプロセスの計測スループットレートがそのピッキングプロセスに関する目標スループットレートを下回る(または上回る)という判定である。たとえば、そのような判定には、先に図4の第一の期間(0分〜10分)について説明したように、計測ピッキングプロセスのスループットが目標スループットレートより少ない毎時100ユニットであるというプロセス制御コンポーネントによる判定が含まれる。
ブロック602に示すように、本方法は、ブロック600の判定に応答して、特定ユニットハンドリングプロセスに関する第二の目標スループットレートを生成することも含むことができる。先に図4について説明した短期目標スループットレートと同様、この第二の目標スループットレートを1つ以上の後続期間について利用することができる。たとえば、ユニットハンドリングプロセスの計測スループットレートがそれぞれの目標スループットレートから逸脱する場合など、マテリアルハンドリング内部の過渡的状態を克服するために第二の目標スループットレートを一時的に使用することができる。先に図4の第二の期間(10分〜20分)について説明したのが第二の目標スループットレートをこのように使用する例である。
ブロック604に示すように、本方法は、第二の目標スループットレートに基づき、1つ以上の後続期間に特定ユニットハンドリングプロセスによって処理されるユニットのスループットレートを制御するための1つ以上の追加指示を作成することも含むことができる。たとえば、本方法のこの部分には、1つ以上の後続期間について有効な新しい指示を反映するようにピッキングプラン(たとえばピッキングプラン352)を一時的に変更すること、または1つ以上の後続期間に関するまったく新しいピッキングプランを作成することが含まれる。図4の例では、ピッキングプロセスをこのように制御することにより、平均計測スループットレートが長期目標スループットレートにまで引き上げられ、その後、ピッキングプロセスを制御するための長期目標スループットレートの使用が再開される。
上述のように、各種の実施形態において、マテリアルハンドリング施設のユニットを物理的場所に基づく別個の集合に分類することができる。上述のプロセスモデルは、リアルタイムまたは準リアルタイムでのユニットの各集合およびその集合の組成(たとえばその集合内のユニットの種類および数量など)の表現である保存情報を含むことができる。各種の実施形態において、在庫30のユニットが1つの集合に属し、搬送容器205のユニットがユニットの別の集合に属し、ランダムアクセス保管バッファに格納されたユニットがさらにユニットの別の集合に属する(以下同様)ということがありえる。各種の実施形態において、各ユニットハンドリングプロセスは、1つのユニットの集合内のユニットをユニットの別の集合に移動させることがある。たとえば、ピッキングプロセスにより、在庫内のユニットの集合から搬送容器205の内容によって形成されるユニットの集合にユニットが移動される。各種の実施形態において、ユニットの集合の一部にキャパシティの制限が生じる。たとえば、いくつかの実施形態では、ランダムアクセス保管バッファ220のキャパシティが固定されている。したがって、ランダムアクセス保管バッファに格納されるユニットの集合もキャパシティが固定されることになる。このキャパシティに達した場合(すなわち、バッファが満杯になった場合)、場合によってはユニットハンドリングプロセスのスループットに悪影響を及ぼす。たとえば、ランダムアクセス保管バッファ220がマヒ状態になったとすれば、望ましくない数量のユニットが1つ以上の上流プロセスに蓄積するということが起こりえる。後述の図7の方法など、そのような状況を回避するための方法を実施形態に含めることができる。
図7は、ユニットの集合の閾値キャパシティに達したことに応答して目標スループットレートを調整する例示の方法のフローチャートを示す。ブロック700に示すように、本方法は、当該プロセスモデル(たとえばプロセスモデル305)を評価して、ユニットの集合内のユニット数量が閾値に達したことを判定することを含むことができる。たとえば、ユニットの集合がランダムアクセス保管バッファのユニットの集合である例において、バッファキャパシティの85%(または他の何らかの閾値)など、ランダムアクセス保管バッファ内のユニット数量が閾値レベルに達したことを判定することがこれに該当する。他の例では、下限閾値を利用することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、本方法は、当該プロセスモデル(たとえばプロセスモデル305)を評価して、ランダムアクセス保管バッファ内部のユニット数量がバッファキャパシティの50%を下回ったことを判定することを含むことができる。
ブロック702に示すように、本方法は、ブロック700の判定に応答して特定の目標スループットレートを修正することも含むことができる。たとえば、ランダムアクセス保管バッファに送られるユニット数量を減少させてバッファに対する負担を減らすために、ピッキングプロセスの目標スループットレートを20%またはその他の数量だけ引き下げることができる。当然ながら、他の例では、目標スループットレートを上記以外の割合で引き下げることができる。下限閾値を利用する場合には、特定の目標スループットレートを引き上げることが目標スループットレートの修正に含まれる。
ブロック704に示すように、本方法は、修正済み目標スループットレートに基づき、特定のハンドリングプロセスによって処理されるユニットの個別スループットレートを制御するために1つ以上の追加指示を作成することを含むことができる。上限閾値に達する例では、ある期間にピッキングされるユニット数量(たとえば目標スループットレート)を引き下げるように指定する新しいピッキングプラン352を作成する(または目標スループットレートの引き下げを指示するように既存のピッキングプランを修正する)ことがこれに含まれる。下限閾値に達する例では、ある期間にピッキングされるユニット数量(たとえば目標スループットレート)を引き上げるように指定する新しいピッキングプラン352を作成する(または目標スループットレートの引き上げを指示するように既存のピッキングプランを修正する)ことがこれに含まれる。各種の実施形態において、新しい目標スループットレートを無期限に(たとえば長期目標スループットレートの場合)、または一時的に(たとえば短期目標スループットレートの場合)適用することが可能である。
図7の方法では、主としてユニットの集合が上限閾値に達するという状況を想定しているが、下限閾値に達するユニットの集合に対しても同様の手法を適用することが可能である。1つの例において、ランダムアクセス保管バッファのキャパシティが十分活用されていないという判定に対し、本方法は、ピッキングプロセスに関して利用される目標スループットレートの引き上げを含むことができる。
例示コンピュータシステム
本明細書に説明するマテリアルハンドリング施設内のプロセス管理のシステムおよび方法の各種の実施形態は、他のさまざまな装置との交信が可能な1つ以上のコンピュータシステム上で実行することができる。先に図1〜図7について説明した上述のあらゆるコンポーネント、アクション、または機能は、各種の実施形態により、図8のコンピュータシステム800として構成された1つ以上のコンピュータシステムを介して実現される。図示した実施形態において、コンピュータシステム800は、入出力(I/O)インタフェース830を介してシステムメモリ820に結合された1つ以上のプロセッサ810を備える。コンピュータシステム800は、I/Oインタフェース830に結合されたネットワークインタフェース840とともに、カーソル制御装置860、キーボード870、ディスプレイ880などの1つ以上の入出力装置850をさらに備える。場合によっては、コンピュータシステム800の単一インスタンスを使用して実施形態を実現することが企図されるが、他の実施形態においては、複数のコンピュータシステム800、またはそのシステムを形成する複数ノードを実施形態の別の部分すなわち複数インスタンスのホストとするように構成することができる。たとえば、一実施形態において、コンピュータシステム800の1つ以上のノードを介して一部の要素を実現し、それとは別のノードを介して他の要素を実現することが可能である。
各種の実施形態において、コンピュータシステム800は、プロセッサ810を内蔵するユニプロセッサシステム、または複数のプロセッサ810(たとえば2個、4個、8個などの適切な個数)を内蔵するマルチプロセッサシステムであってよい。プロセッサ810は、命令の実行機能を有する任意の適切なプロセッサであってよい。たとえば、各種の実施形態において、プロセッサ810は、各種の命令セットアーキテクチャ(ISA)のいずれかを実装する汎用または組み込みプロセッサであってよい。これには、x86、PowerPC、SPARC、MIPS ISA、またはその他任意の適切なISAが含まれる。マルチプロセッサシステムでは、必須ではないが、各プロセッサ810に共通して同じISAを実装してもよい。
システムメモリ820は、プロセッサ810によってアクセス可能なプログラム命令822および/またはデータ832を格納するように構成することができる。各種の実施形態において、任意の適切なメモリ技術を使用してシステムメモリ820を実装することができ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、シンクロナスダイナミックRAM(SDRAM)、不揮発性/フラッシュ型メモリ、またはその他任意の種類のメモリがこれに含まれる。図示した実施形態では、プログラム命令822によって動作するプロセス制御コンポーネント300がプログラム命令822の内部に格納された形で示されている。また、プロセスモデル305など、上述の情報またはデータ構造は、いずれもメモリ820のデータ832に保存することができる。いくつかの実施形態において、プログラム命令および/またはデータを送受信することができ、あるいは複数の異なる種類のコンピュータアクセス可能媒体上またはシステムメモリ820もしくはコンピュータシステム800とは別個の類似媒体上に格納することができる。説明ではプロセス制御コンポーネント300の機能がコンピュータシステム800によって実装されているが、そのようなコンピュータシステムにより、上述の任意のコンポーネントまたはシステムを実現することができる。
一実施形態において、プロセッサ810、システムメモリ820、および本装置内の周辺機器(ネットワークインタフェース840のほか、入出力装置850などの周辺機器インタフェースを含む)の相互間のI/Oトラフィックを調整するようにI/Oインタフェース830を構成することができる。いくつかの実施形態において、I/Oインタフェース830は、1つのコンポーネント(たとえばシステムメモリ820)からのデータ信号を別のコンポーネント(たとえばプロセッサ810)による使用に適した形式に変換するため、必要なプロトコル、タイミングまたはその他のデータ変換を実行することができる。いくつかの実施形態において、I/Oインタフェース830は、たとえばPCI(Peripheral Component Interconnect)バス規格またはユニバーサルシリアルバス(USB)規格の変形など、さまざまな種類の周辺バスを介して取り付けられた装置のサポートを含むことができる。いくつかの実施形態において、I/Oインタフェース830の機能をたとえばノースブリッジとサウスブリッジなど、複数の別コンポーネントに分割することができる。また、いくつかの実施形態において、システムメモリ820へのインタフェースなど、I/Oインタフェース830の機能の一部または全部をプロセッサ810に直接組み込むことができる。
コンピュータシステム800とネットワーク885上の(図3の各要素など)その他の装置(たとえば上述の各図に含まれるその他のコンポーネント)の間、またはコンピュータシステム800のノード間でデータを交換できるようにネットワークインタフェース840を構成することができる。ネットワーク885は、各種の実施形態において、ローカルエリアネットワーク(LAN)(たとえばEthernet(登録商標)もしくは企業ネットワーク)、ワイドエリアネットワーク(WAN)(たとえばインターネット)、無線データネットワーク、その他の電子データネットワーク、またはそれらの組み合わせを非限定的に含む1つ以上のネットワークを含むことができる。各種の実施形態において、ネットワークインタフェース840は、たとえば、任意の適切な種類のEthernetネットワークなど、有線または無線の一般的データネットワーク経由、アナログ音声ネットワークまたはデジタルファイバー通信ネットワークなどの電気通信/テレフォニーネットワーク経由、Fibre Channel SANなどの保管エリアネットワーク経由、あるいはその他任意の適切な種類のネットワークおよび/またはプロトコル経由の通信をサポートすることができる。
入出力装置850には、いくつかの実施形態において、1つ以上のディスプレイ端末、キーボード、キーパッド、タッチパッド、走査装置、音声または光学認識装置、またはその他1つ以上のコンピュータシステム800によるデータの入力/アクセスに適した任意の装置が含まれる。複数の入出力装置850をコンピュータシステム800内に存在させることができ、あるいはコンピュータシステム800の各種ノードに分散させてもよい。いくつかの実施形態において、類似の入出力装置をコンピュータシステム800から分離させ、ネットワークインタフェース840経由など有線または無線接続を介して1つ以上のコンピュータシステム800のノードと交信できるようにすることができる。
図8に示すように、メモリ820は、上述の任意の要素またはアクションを実施するように構成されたプログラム命令822を格納することができる。一実施形態において、図5〜図7に示した方法など、上述の方法がそれらのプログラム命令によって実施される。他の実施形態において、異なる要素およびデータを格納することができる。また、データ832には、上述のあらゆるデータまたは情報が含まれる。
当業者によって理解されるように、コンピュータシステム800は単なる例示であり、実施形態の範囲を限定することを意図したものではない。具体的には、本コンピュータシステムおよび装置には、コンピュータ、ネットワーク装置、インターネットアプライアンス、PDA、無線電話、ページャーなど、本明細書に記載の機能を実行できるハードウェアまたはソフトウェアの任意の組み合わせが含まれる。例示されていない他の装置にコンピュータシステム800を接続することもでき、その代わりにスタンドアロン型システムとして動作させてもよい。さらに、いくつかの実施形態において、例示コンポーネントによって提供される機能をより少ないコンポーネントで組み合わせるか、または追加コンポーネントで分散させることができる。同様に、いくつかの実施形態において、一部の例示コンポーネントの機能を除外し、かつ/または他の機能を追加することができる。
同じく当業者によって理解されるように、使用中の各種アイテムがメモリまたは記憶装置に格納されることが例示されているが、メモリ管理およびデータ完全性を目的として、これらのアイテムまたはその一部をメモリおよびその他の記憶装置に転送することができる。あるいは、他の実施形態において、ソフトウェアコンポーネントの一部または全部を別の装置のメモリ内で実行し、コンピュータ間通信を介して例示コンピュータシステムと通信することができる。適切なドライブによって読み取られるコンピュータアクセス可能媒体または可搬物にシステムコンポーネントまたはデータ構造の一部または全部を(たとえば指示または構造化データとして)格納することができ、そのさまざまな例を以下に説明する。いくつかの実施形態において、コンピュータシステム800とは別個のコンピュータアクセス可能媒体に格納された指示を伝送媒体または電気信号、電磁信号、デジタル信号などの信号を介してコンピュータシステム800に送信することができ、それらの信号は、ネットワークおよび/または無線リンクなどの通信媒体を介して伝送される。各種の実施形態にはさらに、上記の説明に従ってコンピュータアクセス可能媒体上に実装された指示および/またはデータの受信、送信または格納が含まれる。一般的に言えば、コンピュータアクセス可能媒体には、磁気または光媒体(たとえばディスクまたはDVD/CD−ROM)、RAM(たとえばSDRAM、DDR、RDRAM、SRAMなど)、ROMなどの揮発性または不揮発性媒体を例とするコンピュータ可読記憶媒体またはメモリ媒体が含まれる。いくつかの実施形態において、コンピュータアクセス可能媒体には、伝送媒体のほか、ネットワークおよび/または無線リンクなどの通信媒体を介して搬送される電気信号、電磁信号、デジタル信号などの信号が含まれる。
各種の実施形態において、荷物のリリースを制御し、また1つの荷物の中の各ユニットを梱包ステーションに渡す順序を制御する上述の機能は、出荷管理コンポーネントによって制御される。図9は、そのような出荷管理コンポーネント(図の出荷管理コンポーネント900)を含むシステム構成例を示す。図9の実施形態では、例示コンポーネントのいずれも、図8のコンピュータシステムなど1つ以上のコンピュータシステムに実装することができる。また、どの例示コンポーネントも1つ以上のネットワーク910経由で通信することができ、ネットワーク910は図8のネットワーク885と同様に構成される。
制御システム102は、前の各図に示したものと同一であってよい。各種の実施形態において、在庫モデル920を作成、維持、および/または更新するように制御システム102を構成することができる。在庫モデル920は、マテリアルハンドリング施設内部の在庫ユニットの場所のリアルタイム表現または準リアルタイム表現を示すことができる。ただし、あるユニットの場所は必ずしも在庫30に限定されない。たとえば、搬送容器、その搬送容器が置かれたマテリアルハンドリング施設内部の場所、搬送システム、ランダムアクセス保管バッファ220、その他マテリアルハンドリング施設のあらゆる場所がユニットの場所になりえる。各種の実施形態において、エージェントがマテリアルハンドリング施設内の各所でユニットを扱う時、エージェントコンポーネント940は、さまざまな場所に出し入れされる物品を走査することができる。たとえば、エージェントコンポーネント940は、エージェントがハンドリング中にユニットの場所を記録するために利用するモバイルおよび/またはハンドヘルド装置であってよい。ユニット識別子、搬送容器識別子、および/またはロケーション識別子(たとえば在庫内、梱包ステーション内などの場所の識別子)を読み取る目的で、エージェントコンポーネントをバーコードまたはRFIDスキャナとともに構成することができる。ユニット識別子および/またはロケーション識別子はエージェントコンポーネント940から制御システム102に送られる。制御システム102は、ユニットを在庫モデル920内の個別の場所と関連づけた記録を保存することができる。監視コンポーネント930は、同様の情報を制御システム102に提供することができる。たとえば、マテリアルハンドリング施設内部のユニットを、場合によっては自動化された態様で追跡する自動化スキャナまたは受信機が監視コンポーネントになりえる。別の例として、マテリアルハンドリング施設内部に戦略的に配置される光学スキャナまたはRFIDスキャナを監視コンポーネントにしてもよい。各種の実施形態に従い、そのような監視コンポーネントから受け取った情報に基づいて在庫モデル920を更新するように制御システムを構成することができる。
上述のように、ワークを必要とする所与の梱包ステーションについて、ランダムアクセス保管バッファ220からリリースする荷物を選択するように出荷管理コンポーネント900を構成することができ、その梱包ステーションへのリリースの条件を満たした荷物の優先順位が選択基準になりえる。各種の実施形態において、リリースされる所与の荷物について、その荷物のユニットが各梱包ステーションに渡される順序を制御するように出荷管理コンポーネント900を構成することもできる。各種の実施形態において、この順序は、ユニットの物理的寸法など、さまざまな基準によって決定される。製品データ980には、マテリアルハンドリング施設の任意のユニットについて、ユニットの寸法情報(たとえば長さ、幅、奥行)、ユニットの重量、壊れやすさの度合(たとえば、非常に壊れやすい、やや壊れやすい、壊れにくい、頑丈など)、またはマテリアルハンドリング施設内部のユニットに関するその他の情報など、対応する製品データを保存することができる。この情報を出荷管理コンポーネント900が利用して、各梱包ステーションに荷物を渡す順序が作成される。
実施形態には、梱包サービスコンポーネント950も含まれる。梱包サービスコンポーネント950は、梱包ステーションの梱包能力(または単純に「能力」)の記録を保持し、必要に応じて、この情報を他のコンポーネント(たとえば出荷管理コンポーネント900)に提供することができる。以下により詳しく説明するように、どの荷物をバッファ220から特定の梱包ステーションにリリースするかを出荷管理コンポーネント900が決定する過程で、梱包サービスコンポーネント950は、その梱包ステーションの能力を示す情報を出荷管理コンポーネントに提供することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、種類の異なる梱包ステーション230が異なる処理能力を有することがある。たとえば、1つの梱包ステーションは小型荷物のみを処理し、他の梱包ステーションは中型荷物のみまたは大型荷物のみを処理するということがありえる。場合によっては、一部の梱包ステーションについて、処理対象が小型と中型の組み合わせまたは中型と大型の組み合わせなど、荷物種別の特定の組み合わせに限定される。当然ながら、他の実施形態では、上記以外の荷物サイズ区分(たとえば特小、特大など)を指定することができる。各種の実施形態において、これらの荷物種別は、一般的に荷物(たとえばユニットの集合)の占有容積と一致し、必ずしも各ユニットそれ自体の寸法と一致しない。たとえば、大型の荷物が多数の小型ユニットからなり、あるいは1個の大型ユニットからなることもある。出荷管理コンポーネント900は、上述の情報を利用して、リリースの対象となる荷物の境界範囲すなわちドメインを制限することができる。このプロセスについては、図11に関連して後でより詳しく説明する。
ランダムアクセス保管バッファ220を制御するようにバッファ管理コンポーネント960を構成することができる。各種の実施形態において、バッファ管理コンポーネント960は、ランダムアクセス保管バッファ220の任意および/またはすべての側面を制御することができ、これには、ランダムアクセス保管バッファ220への出し入れに関して搬送容器215(個々のユニットを収納する)の入口および出口を制御する物理的機構(たとえばロボットアーム、リフト、エレベータなど)が非限定的に含まれる。バッファモデル970を生成、維持および/または更新するようにバッファ管理コンポーネント960を構成することもできる。各種の実施形態において、バッファモデル970は、ランダムアクセス保管バッファが受け入れる各容器について、その容器の場所およびその容器に関する各種メタデータを示す情報を指定するように構成される。各種の実施形態において、このメタデータには、搬送容器と関連づけられた荷物の荷物識別子(または単に「荷物ID」)を指定することができる。たとえば、ランダムアクセス保管バッファに格納された3個のユニットの荷物について、バッファモデル970では、その中の1つのユニットを格納する各搬送容器(たとえばトレイ)がひとまとめに共通の荷物識別子で関連づけられる。このようにして、出荷管理コンポーネントがバッファ管理コンポーネント960に荷物リリース要求(荷物IDを指定する)を送ると、バッファ管理コンポーネントは、メタデータを評価して、その荷物IDと関連づけられたトレイを確認し、それらのトレイをリリースする。各種の実施形態において、バッファモデル970は、所与の荷物IDについて、それらのトレイが梱包ステーションに渡される順序を指定することもできる。図10Aに関してより詳しく説明されているように、この順序は出荷管理コンポーネント900によって作成されて与えられる。各種の実施形態において、ランダムアクセス保管バッファへのユニット投入の時点でこれを実行することができる。
図10Aは、特定の荷物の各ユニットをリリースすべき順序を決定するための例示プロセスのデータ流れ図を示す。本明細書において、この順序は「リリース順序」と呼ばれるが、一般的には荷物の各ユニットを梱包ステーションに渡すべき順序を意味する。図示した実施形態の1000では、搬送容器(たとえば搬送容器215)内のユニットがランダムアクセス保管バッファ220に投入される。この時点で、エージェントコンポーネント940(または代替的に監視コンポーネント930)は、そのユニットの識別子およびそのユニットが位置する搬送容器を走査することができる。図のデータ1010のように、これらの識別子は制御システム102に与えられる。1020では、ユニット/容器のペアが投入された(または投入中である)ことが出荷管理コンポーネント900に通知される。そのユニットが複数ユニットの荷物の一部であり、他のユニットはすでに投入されたか、またはこれから投入される場合について、その荷物のリリース順序を作成するように出荷管理コンポーネントを構成することができる。
各種の実施形態において、出荷管理コンポーネントは、各ユニットの物理的特徴に関係した1つ以上の基準に基づいてリリース順序を作成することができる。たとえば、各種の実施形態において、フットプリントが最大(同じ荷物の他ユニットとの比較)のユニットをその荷物のリリース時に最初に梱包ステーションに渡すようにする。各種の実施形態において、1つのユニットのフットプリントは、そのユニットの最大寸法(たとえばそのユニットの長さ)とそのユニットの2番目に大きな寸法(たとえばそのユニットの幅)を掛けた結果として与えられる。各種の実施形態において、そのフットプリントが他の手法および/または他の基準に従って生成されてもよい。各種の実施形態において、荷物のユニットを評価してリリース順序を決定するための基準には、各ユニットの長さ、各ユニットの幅、各ユニットの奥行、各ユニットの表面積、各ユニットの容積、各ユニットの重量、および/または各ユニットの壊れやすさの度合(たとえば、より壊れにくいユニットを最初に梱包ステーションに渡す)が非限定的に含まれる。この情報を製品データ980に格納することにより、出荷管理コンポーネント900からアクセス可能になる。
1つの例において、出荷管理コンポーネントは、荷物の各ユニットについて、そのユニットの長さにそのユニットの幅を掛け、フットプリント値(たとえば面積)を算出することができる。荷物のユニットを各梱包ステーションに渡す順序をフットプリント値の降順(たとえば、最大面積を1番目、次に大きな面積を2番目に渡す、など)とするリリース順序を生成するように出荷管理コンポーネントを構成することができる。各種の実施形態において、所与のユニットの長さがそのユニットの他の寸法と比較した最大寸法になりえる。所与のユニットの幅がそのユニットの他の寸法と比較した2番目に大きな寸法になりえる。1つの非限定的な例では、ユニットの長さが最大寸法になり、幅が2番目に大きな寸法、奥行が最小寸法になる。
図10Aと図10Bを合わせて参照すると、説明のために収縮包装の「製品ユニット」1090が示されている。この製品ユニットは、梱包ステーション230および/または1つ以上の後続ステーション(たとえば収縮包装ステーション)でまとめられる。この図に示す製品ユニットは、3個の在庫ユニット1082、1084および1086で構成される。図のように、ユニット1086は3個のユニットの中でフットプリントが最大であり、ユニット1084は2番目に大きく、ユニット1082は3個のユニットの中でフットプリントがもっとも小さい。各種の実施形態において、梱包ステーション230のエージェントは、積み上げ方式によって製品ユニット1090を準備することができる。たとえば、所定の位置で最初に支持部材1080(たとえば段ボール平板)を置く。次に、支持部材の上に物品1086を置く。物品1086の上に物品1084を置き、物品1084の上に物品1082を置く。この作業は、エージェントによって、または自動化機械もしくは機構によって実行される。各種の実施形態において、梱包ステーションまたは下流のいずれかのステーションのエージェントは、支持部材およびその上に置かれたユニットをプラスチックのシュリンクラップ1088で包装するか、または別の方法として、支持部材1080およびユニット1082〜1086をひとまとめに固定することができる。実施形態では、最大フットプリントから最小フットプリントというリリース順序(たとえばユニット1086、次にユニット1084、次にユニット1082)に従って梱包ステーションに例示のユニットを渡すことにより、梱包ステーションのエージェントにとって梱包時にユニットを適切な順序に並べかえる負担が軽減される。
各種の実施形態において、リリース順序を作成するために上記のいずれの基準を利用してもよい。たとえば、一実施形態において、出荷管理コンポーネントは、より重いユニットを製品ユニット1090の下側に置く(たとえば、より軽いユニットの前により重いユニットを梱包ステーションに渡す)ように基準を変動させることができる。別の例において、出荷管理コンポーネントは、より壊れやすいユニットを製品ユニット1090の下側に置く(たとえば、より頑丈でない物品の前により頑丈なユニットが梱包ステーションに到着する)ように基準を変動させることができる。一般に、リリース順序を作成するには上記のいずれの基準を利用してもよい。図のデータ1030の読み出しのように、上述に関する任意の関連製品情報を製品データ980から読み出すことができる。
出荷管理コンポーネント900は、図のデータ1040のように、生成したリリース順序および対応する荷物IDをバッファ管理コンポーネント960に与えることができる。データ1040には、投入された搬送容器およびその搬送容器内部のユニットの識別子も指定することができる。バッファ管理コンポーネント960は、図のデータ1050のように、そのいずれの情報もバッファモデル970に保存することができる。1つの例では、ランダムアクセス保管バッファ220に投入された各ユニットについて、対応する荷物IDおよびリリース時にそのユニットが梱包ステーションに渡される順序をバッファモデル970によって指定することができる。たとえば、3個のユニットの荷物において、フットプリントが最大のユニットをバッファモデルの内部で「3個中1番」と指定することができ、フットプリントが2番目に大きい荷物を「3個中2番」などと指定することができる。各種の実施形態において、図11に関して後述するように、特定の荷物をリリースする要求がバッファ管理コンポーネントに送られてくると、バッファモデル970内のその荷物の荷物IDと関連づけられたリリース順序に従って、その荷物が各梱包ステーションに渡される。
いくつかの実施形態において、本明細書に説明するリリース順序は、1つの荷物の中のユニットの順位として表現される。その順位により、その荷物の他ユニットと比較した各ユニットのリリース優先度を指定することができる。1つの非限定的な例において、リリース優先度が「1」であるユニットは、リリース優先度が「2」のユニットよりも前に梱包ステーションに渡されるものと予測される。場合によっては、1つのユニットの順位が他ユニットの順位と重複しないものである必要はない。たとえば、複数のユニットの順位が同一ということがありえる。1つの非限定的な例において、2つのユニットの順位が等しいとき、同じ荷物内の他のより順位が低いユニットよりも前に両方のユニットが梱包ステーションに到着しさえすれば、その2つを任意の順序で梱包ステーションに渡すことができる。
図11の例示プロセスは、梱包ステーションがワーク物品(たとえば梱包する荷物)を必要としていることを判定し、どのワーク物品を梱包ステーションに渡すかを決定して、それらのワーク物品を特定の梱包ステーションに渡す指示を作成するものである。以下により詳しく説明するように、特定のワーク物品の選択は、各種の基準に基づいて行われる。
実施形態において、センサー1100は、各梱包ステーションの作業負荷を監視することができる。たとえば、各梱包ステーションは、ランダムアクセス保管バッファ220からリリースされたユニットが蓄積されるキューまたはバッファを備えることができる。梱包ステーション(および/またはその梱包ステーションのエージェント)が作業を実行すると、そのステーションのキューからユニットが取り出される。センサー1100は、図の1105のように、これらのキューを監視して、梱包ステーションのキュー内のワーク数量が閾値数量(たとえばユニットまたは荷物の特定の個数)を下回っているか判定することができる。特定の梱包ステーションのワークキューがその閾値を下回っているという判定に応答して、センサー1100は、通知1110を生成し、その通知をバッファ管理コンポーネント960に与えることができる。1つの非限定的な例において、所与のセンサー1100はフォトアイアレイであってよい。
バッファ管理コンポーネント960は、通知1110に応答して、図のデータ1120のように、特定の梱包ステーション(たとえば梱包ステーション識別子によって特定される)がワークを必要としていることを梱包サービスコンポーネント950に通知することができる。梱包サービスコンポーネント950は、その梱包ステーションの能力を判定することができる。たとえば、上述のように、種類の異なる梱包ステーション230が異なる処理能力を有することがある。たとえば、1つの梱包ステーションは小型荷物のみを処理し、他の梱包ステーションは中型荷物のみまたは大型荷物のみを処理するということがありえる。各種の実施形態において、梱包サービスコンポーネント950は、各梱包ステーション230の能力を特定した記録を含むデータストアを生成および/または保持することができる。梱包サービスコンポーネントは、そのデータストアを調べて特定の梱包ステーションの能力を確認できる。梱包サービスコンポーネント950は、ワークを必要とする梱包ステーションの識別子とともに、その梱包ステーションの能力を出荷管理コンポーネント900に伝えることができる。1つの非限定的な例において、データ1130には、ワークを必要とする梱包ステーションの識別子とともに、その梱包ステーションが小型および中型サイズの荷物(大型荷物以外)を処理できるという指示情報を入れることができる。当然ながら、他の例において、梱包ステーションが有する能力は1種類に限定されない。
いくつかの実施形態において、梱包ステーションは、一次的および二次的(または付加的)な梱包ステーション能力を有することができる。たとえば、1つの梱包ステーションの一次的な梱包ステーション能力に含まれるのが大型荷物のみということがありえる。しかし、二次的な梱包能力として、同じ梱包ステーションが付加的に中型荷物を処理できるということもある。いくつかの実施形態では、二次的な梱包ステーション能力よりも一次的な梱包ステーション能力の方が優先される。たとえば、複数の種類の荷物を処理できる梱包ステーションであっても、構成上または要員配置上の理由から、1種類の荷物の梱包に適するということがありえる。
出荷管理コンポーネント900は、ランダムアクセス保管バッファ220からリリースすべき荷物を決定し、その荷物の識別子をデータ1140として梱包サービスコンポーネント950に与えるように構成することができる。各種の実施形態において、出荷管理コンポーネントは、評価対象の複数の荷物の境界範囲すなわちドメインを確定することができ、リリースする荷物がそのドメインから選択される。たとえば、1つの非限定的な例において、出荷管理コンポーネント900は、分析対象を集品が完了した荷物に限定することができる。各種の実施形態において、すべてのユニットがランダムアクセス保管バッファ220内に揃っている荷物が完成荷物とされる。たとえば、出荷管理コンポーネントは、ランダムアクセス保管バッファ220内に一部のユニットしか存在しない(たとえば、他のユニットがまだピッキングプロセスの途中であるか、またはその時点でバッファに投入されていない)荷物など、部分的にしか集品が完了していない未完成荷物を除外することができる。各種の実施形態において、出荷管理コンポーネント900は、当該情報をバッファ管理コンポーネント960から受け取ることにより、かつ/または当該情報を制御システム102から受け取ることにより、完成荷物の境界範囲すなわちドメインを確定することができる(たとえばバッファモデル970からバッファの内容が確定され、在庫モデル920からもバッファの内容が確定される)。他の実施形態において、出荷管理コンポーネント900は、ランダムアクセス保管バッファ220内で完成した荷物のリストを確定するために別の手法を利用してもよい。
ランダムアクセス保管バッファ220内で完成した荷物のドメインを確定した後、いくつかの実施形態において、出荷管理コンポーネント900は、梱包ステーション能力に基づいて一部の荷物を検討から除外することにより、荷物のドメインを制限することができる。上述のように、種類の異なる梱包ステーション230が異なる処理能力を有することがある。たとえば、ある梱包ステーションが小型および中型荷物のみを処理するように構成されており、大型荷物を処理するように構成できないということがありえる。出荷管理コンポーネント900は、当該ドメインの荷物をデータ1130に規定された能力と比較し、その規定された能力と整合しない荷物を排除することができる。1つの非限定的な例において、データ1130に規定された梱包ステーションは、小型および中型荷物を処理できるが、大型荷物を処理することはできない。この例において、出荷管理コンポーネント900は、各種の実施形態に従い、梱包サービスコンポーネント950またはシステムの他コンポーネントによって指定されるか、あるいは製品データ980から推測されるものとして、各荷物の荷物サイズを判定することができる。この例では、続いて出荷管理コンポーネント900が小型または中型サイズでないすべての荷物をドメインから取り除くことができる(たとえば、すべての大型荷物を検討から除外する)。上述のプロセスは、ドメインの縮小と呼ばれるものである。
上述のように、場合によっては、梱包ステーションは一次的および二次的(または付加的)な梱包能力を有する。出荷管理コンポーネント900は、評価対象の梱包ステーションの一次的な梱包能力に整合する完成荷物がないと判定される場合、その梱包ステーションの二次的な梱包能力に整合する完成荷物を特定することができる。ここで考察するのは、当該梱包ステーションの一次的な能力が大型荷物の梱包であり、その梱包ステーションの二次的な能力が中型荷物の梱包であるような例である。この非限定的な例において、用意された完成荷物に大型荷物が含まれていない場合、出荷管理コンポーネントは、検討の条件を満たす荷物として、完成した中型荷物を特定することができる。このようにして、出荷管理コンポーネントは、一次的な整合性を有する荷物が用意されていない場合に梱包ステーションの待機状態が続かないようにすることができる。各種の実施形態において、この手法によって全体的な梱包ステーションの利用が増大することにより、全体的な梱包プロセスのスループットが改善される。
評価対象の荷物のドメインを縮小した後、出荷管理コンポーネントは、1つ以上の基準に従って、そのドメインの残りの荷物を順序づけまたは順位づけすることができる。各種の実施形態において、ランダムアクセス保管バッファからリリースし、ワークを必要とする各梱包ステーションに渡すべき荷物として、最高順位の荷物が選択される。
いくつかの実施形態において、出荷管理コンポーネントは、当該ドメインの各荷物を、その荷物の予定発送期日に従って順位づけすることができる。その予定発送期日は、マテリアルハンドリング施設からの発送準備ができると予想される日付および/または時間であってよい。出荷管理コンポーネントは、現時点で期日がより近い荷物の順位を期日の遅い荷物よりも高くするように順位を作成することができる。
いくつかの実施形態において、出荷管理コンポーネントは、当該ドメインの各荷物を、その荷物の優先度値に従って順位づけすることができる。優先度値を利用することにより、サービスレベルの異なる荷物が区別される。たとえば、発注の時点で、顧客から荷物の速達配送および/または至急扱いを依頼されることがある。この種の荷物に対して、基本的サービスレベルの荷物よりも高い優先度値を与えることができる。1つの非限定的な例では、荷物に16種類の優先度値の中の1つが割り当てられる。各種の実施形態において、出荷管理コンポーネントは、優先度値がより高い荷物の順位を優先度値がより低い荷物よりも高くするように順位を作成することができる。
いくつかの実施形態において、出荷管理コンポーネントは、当該ドメインの各荷物を、その荷物内のユニット数量に従って順位づけすることができる。具体的には、ユニット数がより多い荷物の順位をユニット数がより少ない荷物よりも高くするように順位を作成することができる。たとえば、各種の実施形態において、相対的にユニット数が大きい荷物を優先するように順位を変動させることにより、ランダムアクセス保管バッファ220のキャパシティが固定されている場合でも、その内部により大きな空きスペースを生み出すことができる。
いくつかの実施形態において、出荷管理コンポーネントは、当該ドメインの各荷物を、その荷物がランダムアクセス保管バッファに置かれていた時間の長さに従って順位づけすることができる。具体的には、バッファ内により長く置かれていた荷物の順位をバッファ内により短い時間置かれていた荷物よりも高くするように順位を作成することができる。
各種の実施形態において、出荷管理コンポーネントは、上述の基準(たとえば発送期日、優先度レベル、ユニット数量およびバッファ内の保管時間)を階層化またはタイブレーク(同点決着)手法によって適用することができる。たとえば、当該ドメイン内の荷物を第一の基準によって評価し、第一の基準によって評価された荷物のタイブレークにのみ第二の基準を利用することができる。この時点で決定されなければ、タイブレークになるまで逐次的な基準を適用すればよい。たとえば、一実施形態において、利用される第一の基準を上述の予定発送期日とすることができる。2つの荷物の予定発送期日が同じ場合には、上述の優先度レベルなど、第二の基準でその2つの荷物を比較することによってタイブレークするように出荷管理コンポーネントを構成することができる。2つの荷物の優先度レベルも同一だとすれば、出荷管理コンポーネントは、荷物内のユニット数量など、第三の基準で荷物を比較することによってタイブレークすることができる。最後の基準まですべて適用しながら、なおも1つまたは複数の荷物が同点という場合について、それらの荷物の順位をランダムまたは準ランダムに選択するように出荷管理コンポーネントを構成することができる。
いくつかの実施形態において、逐次的な基準に基づいてタイブレークする上述の段階的基準方式の代わりに、各荷物について、その荷物に関する複合スコアを複数のサブスコアに基づいて生成し、その複合スコアに従って荷物を順位づけするように出荷管理コンポーネントを構成することができる。たとえば、1つの荷物について、出荷管理コンポーネントは、各サブスコアが上述の基準の中の1つに対応する複数のサブスコアを生成することができる。たとえば、1つのサブスコアを発送期日に対応させ、別のサブスコアは優先度レベル、別のサブスコアはユニット数量というように、以下順次対応させることができる。所与の荷物について、その荷物の各サブスコアに基づいて複合スコアを生成するように出荷管理コンポーネントを構成することができる。1つの例において、出荷管理コンポーネントは、サブスコアを合計して複合スコアを生成することができる。場合によっては、少なくとも1つのサブスコアを他のサブスコアと異なるように重み付けするという方法により、異なるサブスコアの加重合計として複合スコアを生成するように出荷管理コンポーネントを構成することができる。たとえば、出荷管理コンポーネントは、発送期日サブスコアの重みを他の基準でサブスコアに与えられる重みよりも大きくすることができる。この複合スコアの例では、より複合スコアの大きい荷物の順位を複合スコアの低い荷物よりも高くした、複合スコアに基づく荷物の順位を作成するように出荷管理コンポーネントを構成することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に説明する出荷管理コンポーネントは、経時的に、または特定のイベントに応答して、基準および/または基準の重み付けを動的に変更するように構成することができる。たとえば、一実施形態において、ランダムアクセス保管バッファの利用(たとえばバッファ内に格納されたユニット数量)が閾値に達したことを判定するように出荷管理コンポーネントを構成することができる。その判定に応答して、上述の荷物関連基準の適用方法を調整するように出荷管理コンポーネントを構成することができる。1つの非限定的な例において、出荷管理コンポーネントは、ユニット数量がより大きい荷物に対してユニット数量がより小さい荷物よりも高い優先順位を与えるように基準を変更することができる。このようにして、バッファ利用を減少させ、マテリアルハンドリング施設内部での処理の停滞および/またはマヒ状態を回避することができる。
各種の実施形態において、上述の荷物順位が生成されたのち、ランダムアクセス保管バッファ220からリリースすべき特定の荷物の指示をデータ1140として与えるように出荷管理コンポーネントを構成することができる。その指示は、梱包サービスコンポーネント950に送られる。梱包サービスコンポーネント950は、この情報をデータ1150としてバッファ管理コンポーネント960に渡すことができる。この情報は、ランダムアクセス保管バッファ220から特定の荷物をリリースする指示に相当する。この指示に応答して、バッファ管理コンポーネント960は、バッファが特定の荷物225を梱包ステーション230の中の1つに対してリリースするようにバッファを制御することができる(図の1160)。
上述のように、バッファ管理コンポーネント960は、バッファモデル970内にリリース順序を保存することができる(たとえば、図10Aに従って生成されたリリース順序)。1160においてバッファ管理コンポーネントがランダムアクセス保管バッファ220を制御する際、バッファ管理コンポーネントは、リリース順序に従って各梱包ステーションに荷物225を渡すようにバッファに指示することができる。ただし、いくつかの実施形態におけるバッファ220のユニット処理方法に応じて、ユニットがランダムアクセス保管バッファからリリースされる順序は、必ずしもその必要はないが、それらの同じユニットが各梱包ステーションに到着する順序と同一になりえる。
例示の方法
マテリアルハンドリング施設の保管エリアからの荷物のリリースを管理する本システムおよび方法の実施形態には、後述の図6および図7に示すものなど、さまざまな方法が含まれてよい。各種の実施形態において、これらの方法を後述の図8に示すようなコンピュータシステム上に実装することができる。各種の実施形態において、本明細書に説明する方法が上述の出荷管理コンポーネント900によって実行され、その出荷管理コンポーネント900も後述の図8に示すようなコンピュータシステム上に実装することができる。
図12は、特定の荷物のリリース順序を決定および適用する例示の方法のフローチャートを示す。ブロック1200に示すように、本方法は、複数のユニットを含む荷物が保管エリアからマテリアルハンドリング施設内の梱包ステーションに搬送される見込みと判断することを含むことができる。たとえば、この判断には、荷物がすでにランダムアクセス保管バッファ(たとえばバッファ220)に投入されたか、または荷物がすでにそのバッファ内に置かれているという判断が含まれる。一般に、ランダムアクセス保管バッファで扱われる荷物は、ある時点で各梱包ステーションに対してリリースされる(あるいはバッファから取り除かれる)必要がある。
ブロック1202に示すように、本方法は、上述のリリース順序など、荷物のユニットが梱包ステーションに渡される順序を作成する目的で、ユニットの物理的特徴に関係した1つ以上の基準に従って荷物の個々のユニットを評価することを含むことができる。各種の実施形態において、本方法のこの部分には、図10Aについて先に説明した手法のいずれかを適用することが含まれる。たとえば、フットプリント(たとえば製品の長さに幅を掛けた値)がより大きいユニットをフットプリントがより小さいユニットよりも前に各梱包ステーションに渡すように順序を作成することができる。一般に、本方法のこの部分には、図10Aのリリース順序の作成について先に説明したいずれかの手法を適用することが含まれる。ブロック1204に示すように、本方法は、作成された順序に従って梱包ステーションに荷物のユニットを渡す指示を作成することを含むことができる。そのような指示の例が上述のデータ1040および1150として示したものである。たとえば、その指示には、バッファ管理コンポーネントに与えられるリリース順序の最初の通知および/または実際にその荷物をリリースする後続の指示が含まれる。
図13は、いくつかの実施形態により、保管エリアからリリースすべき特定の荷物を選択する例示の方法のフローチャートを示す。そのような保管エリアの一例が上述のバッファ220などのランダムアクセス保管バッファである。ブロック1300に示すように、本方法は、保管エリアからマテリアルハンドリング施設内の各梱包ステーションに搬送される条件を満たす1つ以上のユニットがそれぞれに入っている複数の荷物を特定することを含むことができる。いくつかの実施形態において、本方法のこの部分には、図11に関する上述の手法など、荷物のドメインまたは縮小されたドメインの確定について先に説明したいずれかの手法を適用することが含まれる。たとえば、ブロック1300には、保管エリア(たとえばランダムアクセス保管バッファ)内で完成した荷物のドメインを確定することが含まれてよい。上述のように、荷物が完成するのは、ランダムアクセス保管バッファ内に荷物の全ユニットが揃った状態である。いくつかの実施形態において、ブロック1300には、荷物を受け入れる梱包ステーションに適合しない荷物を排除することなど、そのようなドメインを縮小することも含まれうる。このドメイン縮小プロセスの例を図11に関してより詳しく説明する。
ブロック1302に示すように、本方法は、1つ以上の荷物関連基準に従って個々の荷物を評価し、複数の荷物の中の少なくとも一部の順位を作成することも含むことができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの荷物関連基準は、所与の荷物に関する予定発送期日に基づくものであってよい。順位を作成するために利用される基準の他の例には、荷物の優先度レベル、荷物のユニット数量、および/または荷物が保管エリア内(たとえばランダムアクセス保管バッファ内)に置かれていた時間の長さが含まれる。一般に、本方法は、荷物の順位を作成するために図11に関して先に説明したいずれかの手法を適用することを含むことができる。
ブロック1304に示すように、本方法は、作成された順位の中で特定の荷物の順位が他の荷物と比較してもっとも高いという判定に応答して、マテリアルハンドリング施設からの発送準備のために、その特定の荷物のユニットを保管エリア(バッファ220など)から各梱包ステーション(梱包ステーション230など)に搬送する指示を作成することを含むことができる。そのような指示の例には、上述のデータ1150および指示1160が含まれる。
図14は、各種の実施形態による、投入時のユニット再振り分けの流れ図を例示したものである。ただし、この図の例は非限定的であり、他の場合において、ユニットを評価するのがマテリアルハンドリング施設内部の別の場所またはマテリアルハンドリング施設の処理シーケンスにおける別の時点であってもよい。
1400では、インダクションステーションの搬送容器(たとえば搬送容器215)にユニットが収納されている。1つの例において、そのユニットは、在庫30からのピッキング後の到着直後ということがありえる。そのユニットおよび容器の識別子がエージェントコンポーネント940(または代替的に監視コンポーネント930)によって走査される。これらの識別子がデータ1410として制御システム102に渡される。制御システムは、自らの在庫モデルを更新することができ、かつ/または図のデータ1420のように出荷管理コンポーネント900に通知することができる。このデータは、特定のユニットがすでに特定の容器内にあってランダムアクセス保管バッファ220に投入されているという通知の役割を果たす。いくつかの実施形態において、そのユニットがバッファの保管場所にまだ到着していない場合も含め、この時点で当該ユニットがバッファ内部に存在するものとみなすことができる。他の実施形態では、そのユニットが実際に(たとえばインダクションステーションからバッファ内の個別の場所への搬送後に)バッファの保管場所に到着するまでの間、当該ユニットがバッファ内に存在するものとみなさないようにすることができる。いずれの場合でも、図のデータ1430のように、出荷管理コンポーネント900は、投入済みユニットが特定の荷物に振り分けられたことを示すように荷物モデル950を更新することができる。各種の実施形態において、この荷物は、当該ユニットを在庫30からピッキングした目的の荷物と同一でありえる。出荷管理コンポーネントは、制御システム102から、またはピッキングプロセスを制御するピッキング管理コンポーネント(図示せず)から、この情報を受け取ることができる。1430と同様の情報をデータ1440としてバッファ管理コンポーネント960に与えることもできる。各種の実施形態において、データ1450によってバッファモデル970を更新するようにバッファ管理コンポーネント960を構成することができる。更新後のバッファモデル970は、投入済みユニットが最初のピッキングにおける目的の荷物に振り分けられたことを示す。
各種の実施形態において、投入されたユニットを、そのユニットの最初のピッキング時の目的だった荷物と異なる新しい荷物に再振り分けするように出荷管理コンポーネント900を構成することができる。たとえば、投入されたユニットと同じ物品ユニットを必要とするランダムアクセス保管バッファ220の未完成荷物(たとえば、バッファ内に全ユニットではなくその一部が格納されている荷物)を特定するように出荷管理コンポーネント900を構成することができる。たとえば、1400で投入されたユニットが特定機種のコーヒーメーカーのユニットだったとすれば、完成荷物にする(たとえば、その荷物の全ユニットをランダムアクセス保管バッファ内に揃える)目的で、その特定機種のコーヒーメーカーのユニットを必要とする未完成荷物を特定するように出荷管理コンポーネント900を構成することができる。他の場合において、この基準を満たす複数の未完成荷物が存在することがありえる。それらの未完成荷物の中の1つを選択するように出荷管理コンポーネントを構成することができ、詳しくは図15a〜図15bに関して後述する。各種の実施形態において、出荷管理コンポーネントは、バッファ管理コンポーネント960から受け取った情報に基づいて上述の分析を実行することができる。たとえば、バッファ管理コンポーネントは、出荷管理コンポーネント900にデータ1460を与えることができる。現在、ランダムアクセス保管バッファ220内に置かれているすべての未完成荷物がこのデータによって特定される。バッファ管理コンポーネントは、バッファモデル970からこのデータを確定することができる。他の場合において、出荷管理コンポーネント900は、同様の情報を荷物モデル950から確定することができる。
特定物品の投入済みユニットが特定されるとともに、その特定物品のユニットを必要とする未完成荷物が特定されたことに応答して、出荷管理コンポーネント900は、その投入済みユニットを再振り分けする指示を作成することができる。これは、当該ユニットがピッキングされた元の荷物から、バッファ管理コンポーネント960の特定された未完成荷物に振り分けし直すものである。いくつかの実施形態において、出荷管理コンポーネント900は、その変更によって未完成荷物が完成荷物に転換される場合にのみ、当該ユニットを再振り分けする指示を作成することができる。未完成荷物を完成荷物にするために投入済みユニット以外に1つ以上のユニットが必要とされる場合には、出荷管理コンポーネントは、現在ランダムアクセス保管バッファ内に格納されている1つ以上の他ユニットを追加的に特定し、未完成荷物を完成荷物に転換するためにそれらのユニットを当該の未完成荷物に再振り分けすることができる。
投入済みユニット(および/または他の任意のユニット)をランダムアクセス保管バッファの未完成荷物に再振り分けする指示を出荷管理コンポーネントが作成する場合、その指示は荷物モデル950に与えられ(データ1435)、かつ/またはバッファ管理コンポーネント960に与えられる(データ1445)。指示1435により、投入済みユニットを元の荷物に振り分けるのではなく、ランダムアクセス保管バッファの特定された未完成荷物に再振り分けするように荷物モデル950が更新される。同様に、指示1445に応答して、バッファ管理コンポーネント960は、データ1455によってバッファモデル970を更新することができる。更新後のバッファモデルは、特定された未完成荷物に投入済みユニットが再振り分けされたことを示す。
ランダムアクセス保管バッファ内でユニットの再振り分け先の荷物が完成すると、出荷管理コンポーネント900は、その荷物がランダムアクセス保管バッファからリリースされてマテリアルハンドリング施設からの発送準備のために各梱包ステーションに渡される条件を満たしたものと指定することができる。
再振り分けの対象として検討されている所与のユニットについて、出荷管理コンポーネントは、そのユニットの再振り分け先の荷物を複数の候補荷物のグループから選択することができる。各種の実施形態において、ランダムアクセス保管バッファ220内の未完成荷物(たとえばバッファ内に全ユニットではなくその一部が格納されている荷物)がこれらの候補荷物になりえる。出荷管理コンポーネントは、荷物モデル(たとえば荷物モデル950)に基づき、またはランダムアクセス保管バッファを管理するコンポーネントから受け取った情報(たとえばバッファ管理コンポーネント960から受け取ったデータ1460)に基づいて、この候補荷物のグループを特定することができる。図15Aは、仕分けされていない候補荷物のグループを視覚的に表現した例である。再振り分けの対象として検討されている所与のユニット(たとえばインダクションステーション210にあるユニット)について、出荷管理コンポーネント900は、候補荷物1502〜1522の中から1つの荷物(そのユニットの再振り分け先)を特定することができる。図15aの実施形態において、候補荷物1502〜1522は、いかなる特定の順序にも仕分けされていない。凡例1500に示すように、各荷物には、ランダムアクセス保管バッファ220内に置かれていないユニット(白の四角で示す)とともに、ランダムアクセス保管バッファ内に置かれているユニット(黒の四角で示す)が含まれる。
各種の実施形態において、例示した候補荷物のグループは、たとえば出荷管理コンポーネント900によって選択されたグループである。いくつかの実施形態において、候補グループの選択時に特定の要件を適用するように出荷管理コンポーネントを構成することができる。この例では、荷物内の少なくとも1つのユニットが現在ランダムアクセス保管バッファ内に置かれていない(たとえば各候補荷物が完成していない)という要件を適用する。いくつかの実施形態では、候補荷物のグループに含まれている1つ以上の荷物について、再振り分けの対象として検討されている特定のユニットがそれらの荷物には必要ないと判定された場合、その判定に応答して、それらの荷物を当該グループから排除するように出荷管理コンポーネントを構成することができる。図15Aの実施例では、上記の手法によって出荷管理コンポーネントが未完成荷物の選択に関する上記の要件をすでに実施し、1つ以上の荷物が排除されているものと仮定している。
図15Bは、同じ候補荷物のグループ1502〜1522が別個の段階に分類され、段階別に仕分けされた後の状態を示す。この分類および仕分けプロセスを出荷管理コンポーネントが利用することにより、上述のユニット(たとえばインダクションステーションにあるユニット)の再振り分け先になる特定の荷物が確定される。
図示のとおり、候補荷物1502〜1522を複数の段階1525、1535および1545に分類するように出荷管理コンポーネント900を構成することができる。各種の実施形態において、出荷管理コンポーネントは、各候補荷物がランダムアクセス保管バッファ220内で完成荷物となるために必要とするユニット数量に基づき、候補荷物のサブセットを候補荷物の個別グループすなわち「段階」に分類することができる。たとえば、段階1525の各候補荷物(荷物1504、1516、1522、1512)は、ランダムアクセス保管バッファ220内で完成荷物となる前に1個の追加ユニットを必要とする。また、段階1535の各候補荷物(荷物1502、1506、1514、1508)は、ランダムアクセス保管バッファ220内で完成荷物となる前に2個の追加ユニットを必要とする。同様に、段階1545の各候補荷物(荷物1520、1510、1518)は、ランダムアクセス保管バッファ220内で完成荷物となる前に3個の追加ユニットを必要とする。また、各段階内の個々の荷物は、1つ以上の基準に基づいて個別の順序に仕分けされる。そのような基準の例には、その荷物の完成時の合計ユニット数量、各荷物に割り当てられた優先度レベル、荷物がランダムアクセス保管バッファ内に置かれていた時間の長さ、および/または各荷物に割り当てられた発送期日が非限定的に含まれる。各種の実施形態において、第二の荷物を特定する個別の順序に従って候補荷物を評価する(たとえば、順序がより上位の荷物をより下位の荷物よりも前に評価する)ように出荷管理コンポーネントを構成することができる。1つの例では、仕分け済み段階1525の評価時に、出荷管理コンポーネントによって最初に荷物1504が評価され、次に(必要に応じて)荷物1516、続いて荷物1522、最後に荷物1512という順序で評価される。
各種の実施形態において、特定ユニットの再振り分け先になる荷物を特定するために、候補荷物の個別グループまたは段階を順次的な方法で評価するように出荷管理コンポーネント900を構成することができる。たとえば、順次的な方法で個別グループを評価するために、出荷管理コンポーネントは、1つの段階(たとえば仕分け済み段階1525)内のすべての候補荷物を評価し、その後で後続の段階(たとえば仕分け済み段階1535)のユニットを評価することができる。
いくつかの実施形態において、特定ユニット(たとえばインダクションステーションに到着したユニット)の再振り分け先になる荷物を見つけるために候補荷物の仕分け済み段階を評価する際、出荷管理コンポーネントは、特定ユニット(および/または必要に応じランダムアクセス保管バッファからの1つ以上のユニット)によって完成する最初の候補を選択すればよい。たとえば、一実施形態において、荷物1504がこれらの基準を満たす。この場合、出荷管理コンポーネントは、特定ユニットを元の荷物(たとえば、ピッキング時に振り分けられた荷物)から荷物1504(その特定ユニットを必要とするものとして最初に見出された荷物)に再振り分けする1つ以上の指示を作成することができる。そのような指示の発行は、たとえば、図14に関する上述の手法によって実行される。他の場合において、出荷管理コンポーネントは、より選択的であってよい。たとえば、候補荷物1502〜1522の中の1つまたは複数を検討から除外するために1つ以上の制限を実施するように出荷管理コンポーネントを構成することができる。それらの制限の例を図16に関して後述する。
例示の方法
マテリアルハンドリング施設内の荷物を対象としたユニットの再振り分けを管理する本システムおよび方法の実施形態には、後述の図16のような各種の方法が含まれる。各種の実施形態において、それらの方法を後述の図8のようなコンピュータシステム上に実装することができる。各種の実施形態において、本明細書に説明する方法を上述の出荷管理コンポーネント900によって実行することができ、出荷管理コンポーネント900も同じく後述の図8のようなコンピュータシステム上に実装することができる。
図16は、第二の荷物を完成させるために第一の荷物から第二の荷物にユニットを再振り分けする例示の方法のフローチャートを示す。ブロック1600に示すように、本方法は、マテリアルハンドリング施設の在庫から取り出されて、第一の荷物に振り分けられた第一のユニット(特定物品のユニット)を特定することを含むことができる。そのようなユニットの例には、上述の図4および図15a〜図15bに関して評価されるユニットが含まれる。たとえば、本方法は、マテリアルハンドリング施設の在庫から取り出された後にインダクションステーションに到着したユニットを特定することを含むことができる。
他の場合において、その特定されたユニットは、規定された保管エリアの内部(たとえばランダムアクセス保管バッファ220内部)など、マテリアルハンドリング施設内の別の場所に置かれていることもある。
ブロック1602に示すように、本方法は、複数の候補荷物(たとえば図15a〜図15bの候補荷物)の中から、完成荷物になるために特定の物品(たとえばブロック1600に関して説明した第一のユニットと同じ種類の物品)の1ユニットを必要とする第二の荷物を特定することを含むことができる。各種の実施形態において、これには、複数の候補荷物(その中から「第二の」荷物が選択される)を特定する目的で、第一のユニットを荷物モデル(たとえば荷物モデル950)または保管エリアモデル(たとえばバッファモデル970)の荷物と比較することが含まれる。上述のように、各候補荷物について、その候補荷物に振り分けられた少なくとも1つのユニットがすでに在庫から取り出され、その後、マテリアルハンドリング施設の規定された保管エリアの内部(たとえばランダムアクセス保管バッファ220内部)に格納されている可能性がある。各種の実施形態において、各候補荷物は未完成荷物でありえる。すなわち、ランダムアクセス保管バッファ220内にその荷物の全ユニットではなくその一部が格納されている場合がある。同じく上述のように、各種の実施形態において所与の荷物が完成荷物になるためには、規定された保管エリアの内部(たとえばランダムアクセス保管バッファ220内部)に、その荷物の全ユニットが揃っていなければならない。各種の実施形態において、このようにして完成する以前の荷物は、ランダムアクセス保管バッファからリリースされる条件を満たすことができない。
各種の実施形態において、本方法は、候補荷物の中の1つまたは複数を検討から除外するために1つ以上の制限を実施することを含むことができる。一実施形態において、本方法は、2つの荷物に与えられた優先度レベルが異なる場合、より優先度レベルの高い荷物から他方の荷物にユニットを再振り分けすることはできない、という制限を実施することを含むことができる。各荷物に対応する注文の特徴に基づき、異なる荷物に対して異なる優先度レベルを与えることができる。たとえば、顧客が発注時に速達配送の支払いを行った場合、それに対応する荷物に対して、速達配送でない通常の発送が指定された荷物よりも高い優先度レベルが与えられる。
一実施形態において、本方法は、ある荷物の全ユニットが規定保管エリア内に揃っている場合、その荷物から別の荷物にユニットを再振り分けすることはできないという制限を実施することを含むことができる。たとえば、ある荷物がランダムアクセス保管バッファ内ですでに完成している場合、本方法は、別の荷物を完成させるためにその荷物が分解されるのを回避することができる。
一実施形態において、本方法は、ある荷物に与えられた発送期日により、現時点から閾値期間内にその荷物を発送することが要求される場合について、その荷物から別の荷物にユニットを再振り分けすることはできないという制限を実施することを含むことができる。たとえば、ある荷物の発送期日(たとえばマテリアルハンドリング施設からの発送準備が整う見込みの日時)が近づいている場合、本方法は、その荷物から他の荷物にユニットが再振り分けされるのを回避することができる。
一実施形態において、本方法は、ある荷物に閾値期間よりも長くランダムアクセス保管バッファ内に置かれている1つ以上の物品が含まれる場合について、その荷物から別の荷物にユニットを再振り分けすることはできないという制限を実施することを含むことができる。たとえば、相当期間、不完全な状態のままだった荷物について、本方法は、その荷物からユニットが取り除かれるのを回避することができる(それにより荷物の完成が容易になる)。これが起こりえるシナリオは、たとえば、未完成荷物が完成するのに1個の小容積ユニットが必要とされ、そのユニットがマテリアルハンドリング施設内に補充されるのを待っているという状況である。
一実施形態において、本方法は、所与のユニットを別のユニットに置き換える時に(2つのユニットは共通物品のユニットとする)、第二のユニットがまだ在庫から取り出されていない場合について、所与のユニットを1つの荷物から別の荷物に振り分けることはできないという制限を実施することを含むことができる。このようにして、本方法は、ある荷物からユニットが再振り分けされる際、いくつかの実施形態において、その荷物のための交換ユニットが必ず用意されているようにすることができる。
ただし、上述の制限は単なる例にすぎず、すべての実施形態に適用できるとはかぎらない。より具体的には、本方法の各種の実施形態において、上述の制限の一部または全部を実施できるか、あるいはいずれも実施できないことがありえる。場合によっては、上述の制限に変更を加えた形(またはまったく新しい制限)を使用することができる。実施形態は本明細書に説明する特定の制限に限定されない。
ブロック1604に示すように、本方法は、ブロック1600および1602に関して説明した第一および第二の荷物が特定されたことに応答して、第二の荷物を未完成荷物から完成荷物に転換するために第一のユニットを第一の荷物から第二の荷物に再振り分けする指示を作成することを含むことができる。上述のように、ランダムアクセス保管バッファ220など、規定保管エリア内に全ユニットが存在する荷物が完成荷物とされる。各種の実施形態において、荷物が完成すると、その荷物はランダムアクセス保管バッファ220からのリリースの条件を満たすものとして、マテリアルハンドリング施設からの発送準備のために梱包ステーション230に渡される。
上述のように、実施形態には、マテリアルハンドリング施設に関するいずれかまたはすべての荷物対ユニットの振り分けについて、その現在の状態を保持する荷物モデル(たとえば荷物モデル950)が含まれる。いくつかの実施形態において、1604で作成される指示は、第一のユニットを第一の荷物に振り分けるのをやめて新たに第二の荷物に振り分けるという内容に荷物モデルを更新する指示でありえる。上述のような保管エリアモデル(たとえばバッファモデル970)を含む実施形態において、1604で作成される指示は、同様の方法でモデルを更新することができる。
各種の実施形態において、本方法は、上述の第二の荷物(たとえばブロック1602〜1604)がランダムアクセス保管バッファ内で完成荷物になるために別の物品(必ずしもブロック1600と同じ種類の物品であるとはかぎらない)のユニットが追加で必要とされるという判定を含むことができる。この場合、本方法は、第二の荷物を完成荷物とするためにユニットを第二の荷物に再振り分けする目的で、そのユニットを取り出す1つ以上の追加荷物を特定することを含むことができる。たとえば、本方法は、完成するために第二の荷物が必要とする物品の特定ユニットが第三の荷物に振り分けられているという判定を含むことができる。前記の決定に応答して、本方法は、第二の荷物を完成荷物に転換するために(第二の荷物への第一のユニットの再振り分けを伴う)、その特定ユニットを第三の荷物から第二の荷物に再振り分けする指示を作成することを含むことができる。1つの非限定的な例において、第一のユニット(ブロック1600)はインダクションステーションにあるユニットであり、上述の特定ユニットはランダムアクセス保管バッファ内に格納されたユニットである。したがって、本方法は、各種の実施形態において、当該ユニットがランダムアクセス保管バッファの内部にあるか外部にあるかに関係なく、それらのユニットを再振り分けすることができる。完成後、第二の荷物はランダムアクセス保管バッファ220からのリリースの条件を満たすものとして、マテリアルハンドリング施設からの発送準備のために梱包ステーション230に渡される。各種の実施形態において、本方法は、上述のように、リリース指示を作成することによって第二の荷物の実際のリリースを開始させることを含むことができる。
各種の実施形態において、コンピュータ実装の方法には、マテリアルハンドリング施設の複数のユニットハンドリングプロセスのモデルをメモリ内に生成することが含まれる。各ユニットハンドリングプロセスについて、そのモデルは、ユニットハンドリングプロセスがユニットを処理する計測スループットレートを示す。また、複数のユニットハンドリングプロセスの少なくとも一部は、マテリアルハンドリング施設から発送されるユニットの荷物を準備するために特定の順序で実行される。本方法は、複数のユニットハンドリングプロセスの中の所与のユニットハンドリングプロセスのアウトプットレートに関する少なくとも1つの目標アウトプットレートに基づき、当該モデルを評価して、そのユニットハンドリングプロセスの前に実行される特定ユニットハンドリングプロセスの個別スループットレートに関する特定の目標スループットレートを生成することも含むことができる。本方法はまた、特定ユニットハンドリングプロセスに関する特定の目標スループットレートに基づき、その特定ユニットハンドリングプロセスによって処理されるユニットの個別スループットレートを制御する1つ以上の指示を作成することも含むことができる。
各種の実施形態において、上記の1つ以上の指示には、1つ以上の後続ユニットハンドリングプロセスによる処理のためにユニットを在庫から取り出すピッキングレートを制御する1つ以上の指示が含まれる。
各種の実施形態において、本方法は、当該モデルを評価して、前記1つ以上の指示の作成に続く最初の期間について、その最初の期間における特定ユニットハンドリングプロセスの計測スループットレートが特定の目標スループットレートから逸脱していることを判定することを含むことができる。各種の実施形態において、本方法は、その判定に対し、最初の期間の後の1つ以上の後続期間に利用される目標スループットレートとして、特定ユニットハンドリングプロセスに関する第二の目標スループットレートを生成することを含むことができ、また、その第二の目標スループットレートに基づき、前記1つ以上の後続期間に特定ユニットハンドリングプロセスによって処理されるユニットのスループットレートを制御する1つ以上の追加指示を作成することを含むことができる。
各種の実施形態において、第二の目標スループットレートは、最初の期間における特定ユニットハンドリングプロセスの計測スループットレートと前記1つ以上の後続期間に利用される第二の目標スループットレートの平均がその特定ユニットハンドリングプロセスに関する特定の目標スループットレートに等しくなるように生成される。
各種の実施形態において、本方法は、1つ以上の後続期間の後、特定ユニットハンドリングプロセスによって処理されるユニットの個別スループットレートを制御する1つ以上の指示を作成するために再び特定の目標スループットレートを利用することを含むことができる。
各種の実施形態において、保存モデルは、ユニットの別個の集合の一部であるユニットをさらに示す。前記ユニットハンドリングプロセスの少なくとも一部は、ユニットの1つの集合からユニットの別の集合に物品を移動させるものである。
各種の実施形態において、本方法は、当該モデルを評価して、前記ユニットの集合の中の1つの集合内のユニット数量が閾値に達したことを判定することを含むことができる。
各種の実施形態において、本方法は、その判定に応答して、特定の目標スループットレートを修正することを含むことができ、また、その修正された目標スループットレートに基づき、特定ユニットハンドリングプロセスによって処理されるユニットの個別スループットレートを制御する1つ以上の追加指示を作成することを含むことができる。
各種の実施形態において、本方法は、当該モデルを評価して、前記ユニットの集合の中の1つの集合内のユニット数量が閾値に達したことを判定することを含むことができ、また、その判定に応答して、閾値に達したことをエージェントに警告する警告メッセージまたはユニットの個別集合内のユニット数量を変更するよう勧告を与える勧告メッセージのいずれかまたは複数を作成することを含むことができる。
各種の実施形態において、この勧告は、前記ユニットハンドリングプロセスの1つまたは複数に配属された労働者数の変更を指示するものである。各種の実施形態において、前記ユニットの集合の中の少なくとも1つの集合のユニットは、複数のユニットロケーションを有するランダムアクセス保管バッファ内に格納されている。
各種の実施形態において、複数のユニットハンドリングプロセスには、1つ以上の在庫場所からユニットを取り出すピッキングプロセス、マテリアルハンドリング施設の1つの場所からマテリアルハンドリング施設の別の場所にユニットを運ぶ搬送プロセス、複数のユニットロケーションを有するランダムアクセス保管バッファ内にユニットを投入するインダクションプロセス、またはランダムアクセス保管バッファから受け取った1つ以上のユニットをマテリアルハンドリング施設から発送するために個別の発送容器に入れて梱包する梱包プロセスの中の1つまたは複数が含まれる。
各種の実施形態において、少なくとも1つの目標アウトプットレートは、マテリアルハンドリング施設から発送される前にユニットが荷物に梱包される予測レートまたは荷物がマテリアルハンドリング施設内で処理される予測レートに基づく。
各種の実施形態において、別の方法には、保管エリアからマテリアルハンドリング施設内の各梱包ステーションに搬送される条件を満たした複数の荷物を特定することが含まれる。当該荷物の各々には1つ以上のユニットが含まれている。また、条件を満たす各荷物の特定には、その荷物が前記各梱包ステーションの1つ以上の梱包能力に整合しているという判定が含まれる。各種の実施形態において、本方法は、1つ以上の荷物関連基準に従って個々の荷物を評価し、複数の荷物の中の少なくとも一部の順位を作成することを含むことができ、また、その順位の中で特定の荷物の順位が他の荷物と比較してもっとも高いという判定に応答して、マテリアルハンドリング施設からの発送準備のために、その特定の荷物のユニットを保管エリアから各梱包ステーションに搬送する指示を作成することを含むことができる。
各種の実施形態において、保管エリアには、ユニットが格納される複数のロケーションを有するランダムアクセス保管バッファが含まれる。各種の実施形態において、条件を満たした荷物とは、前記保管エリア内にすべてのユニットが格納されている荷物のことである。
各種の実施形態において、所与の荷物が各梱包ステーションの梱包能力に整合しているという判定は、各梱包ステーションが1種類以上の特定の荷物サイズの荷物を梱包するように構成されていることを判定すること、および特定された各荷物が前記1つ以上の特定の荷物サイズに整合するサイズでなければならないという制限を実施することを含む。
各種の実施形態において、個々の荷物について、前記1つ以上の荷物関連基準には、各荷物に与えられた優先度レベル、各荷物と関連づけられた発送期日、各荷物の一部であるユニットの数量、各荷物が保管エリア内に置かれていた時間の長さの中の1つまたは複数が含まれる。
各種の実施形態において、本方法は、前記順位を生成するために、前記複数の荷物の少なくとも一部の各々について、複数の荷物関連基準の各々に関するサブスコアを作成すること、および各サブスコアに基づいて複合スコアを作成することを含む。本方法はまた、前記複数の荷物の各複合スコアに従ってそれらの荷物を順位づけすることにより前記順位を作成することも含むことができる。
各種の実施形態において、所与の荷物に関する各複合スコアは、その荷物の各サブスコアの合計として生成される。各種の実施形態において、その各サブスコアの合計は加重合計であり、少なくとも1つのサブスコアに対して加重合計の中の他のサブスコアとは異なる重み付けがなされる。
各種の実施形態において、本方法は、前記保管エリアに格納されたユニット数量が閾値数量に達したことを判定することを含むことができ、また、その判定に応答して、個々の荷物を評価するために利用される荷物関連基準を変更し、前記順位の中でユニット数量がより大きい荷物にユニット数量がより少ない荷物よりも高い位置を与えるようにすることを含むことができる。各種の実施形態において、本方法は、前記保管エリアからのユニットのリリースを制御する作成済みの指示をコンピュータシステムに送ることを含む。
各種の実施形態において、前記順位の作成は、第一の荷物関連基準に従って荷物の暫定的順位を作成すること、および第二の荷物基準を利用して、その暫定的順位の中で同等に順位づけされた複数の荷物をタイブレークすることを含む。
各種の実施形態において、各梱包ステーションは、一次的な梱包ステーション能力および二次的な梱包ステーション能力と関連づけられ、前記複数の荷物の特定は、荷物のグループ内に一次的な梱包ステーション能力に整合した荷物がないという判定に続いて、その荷物のグループから二次的な梱包ステーション能力に整合した1つ以上の荷物を特定することを含む。
別の方法において、実施形態には、複数のユニットを含む荷物が保管エリアからマテリアルハンドリング施設内の梱包ステーションに搬送される見込みと判断すること、ユニットの物理的特徴に関係した1つ以上の基準に従って荷物の各ユニットを評価し、荷物のユニットが梱包ステーションに渡される順序を作成すること、および前記順序に従って荷物のユニットを前記梱包ステーションに渡す指示を作成することが含まれる。
各種の実施形態において、上記の基準には、各ユニットの長さ、各ユニットの幅、各ユニットの奥行、各ユニットの表面積、各ユニットの容積、各ユニットの壊れやすさ、または各ユニットの重量の中の1つまたは複数の尺度が含まれる。
いくつかの実施形態において、上記の評価には、荷物の各ユニットについて、そのユニットの長さにそのユニットの幅を掛けてフットプリント値を算出すること、および荷物のユニットをフットプリント値の降順で梱包ステーションに渡すように前記順序を作成することが含まれる。いくつかの実施形態において、所与のユニットの長さは、そのユニットの他の寸法と比較したそのユニットの最大寸法であり、所与のユニットの幅は、そのユニットの他の寸法と比較したそのユニットの2番目に大きな寸法である。場合により、保管エリアには、ユニットが格納される複数のロケーションを有するランダムアクセス保管バッファが含まれる。
いくつかの実施形態において、マテリアルハンドリング施設は、前記荷物の個々のユニットを個別容器に収納し、各容器を前記保管エリアに搬送するための1つ以上のインダクションステーションを有し、また、本方法は、前記インダクションステーションの1つまたは複数に前記荷物の1つ以上のユニットが到着した時点で前記荷物の順序を作成することを含むことができる。場合によっては、本方法は、前記保管エリアからのユニットの除去を制御する作成済みの指示をコンピュータシステムに与えることを含むことができる。
各種の実施形態において、前記保管エリアからのユニットの除去を制御するコンピュータシステムは、容器の識別子を共通の荷物識別子と関連づける保存記録を保持しており、また、本方法は、作成済みの指示とともにその荷物識別子を与えることにより、作成された順序をどの荷物に適用するかを指定することを含むことができる。
別の方法において、実施形態には、マテリアルハンドリング施設の在庫から取り出されて第一の荷物に振り分けられた特定の物品の第一のユニットを特定することが含まれる。本方法は、複数の候補荷物から、完成荷物になるために前記特定の物品の1ユニットを必要とする第二の荷物を特定することも含むことができる。各候補荷物について、その候補荷物に振り分けられた少なくとも1つのユニットがすでに在庫から取り出され、その後、マテリアルハンドリング施設の規定保管エリア内に格納されている。また、所与の荷物が完成荷物になるためには、その荷物の全ユニットが規定保管エリア内に存在していなければならない。本方法は、第一および第二の荷物が特定されたことに応答して、第二の荷物を未完成荷物から完成荷物に転換するために、その特定物品の第一のユニットを第一の荷物から第二の荷物に再振り分けする指示を作成することも含むことができる。各種の実施形態において、規定保管エリアには、ユニットが格納される複数のロケーションを有するランダムアクセス保管バッファが含まれる。
場合によっては、本方法は、前記規定保管エリア内で第二の荷物が完成荷物になるために他の物品のユニットが追加で必要とされることを判定すること、および前記他の物品の特定ユニットが前記規定保管エリア内に格納されており、その特定ユニットが第三の荷物に振り分けられていることを判定することを含むことができ、また、それらの判定に応答して、第二の荷物を完成荷物に転換するために、その特定ユニットを第三の荷物から第二の荷物に再振り分けする指示を作成することを含むことができる。
場合によっては、本方法は、前記候補荷物の中から第二の荷物を特定する前に、複数の候補荷物の少なくとも一部を検討から除外することを含むことができる。各種の実施形態において、本方法は、前記少なくとも1つの候補荷物が完成荷物になるために前記特定の物品の1ユニットが必要とされないという判定に応答して、少なくとも1つの候補荷物を検討から除外することを含むことができる。
各種の実施形態において、複数の候補荷物の少なくとも一部を検討から除外することは、所与のユニットを1つの荷物からその荷物よりも優先度レベルが高い他の荷物に再振り分けすることはできないという制限、所与の荷物の全ユニットが規定保管エリア内に存在する場合、所与のユニットをその荷物から他の荷物に再振り分けすることはできないという制限、所与の荷物の発送期日に対して現時点からの閾値期間内にその荷物を発送することが必要とされる場合、所与のユニットをその荷物から他の荷物に再振り分けすることはできないという制限、前記規定保管エリアに閾値期間よりも長く置かれていた1つ以上の物品が所与の荷物に含まれている場合、所与のユニットをその荷物から他の荷物に再振り分けすることはできないという制限、または所与のユニットとそれを置き換える第二のユニットが共通物品のユニットであり、その第二のユニットがまだ前記在庫から取り出されていない場合、その所与のユニットを所与の荷物から他の荷物に再振り分けすることはできないという制限のいずれかまたは複数を含む1つ以上の制限を実施することを含む。
各種の実施形態において、本方法は、前記複数の候補荷物のサブセットを、各候補荷物が完成荷物になるために必要とされるユニット数量に基づき、候補荷物の別個のグループに分類することを含むことができる。場合によっては、本方法は、個別グループの中の1つから前記第二の荷物を特定するために、候補荷物の個別グループを順次的な方法で評価することを含むことができる。この順次的な方法による個別グループの評価には、前記個別グループの後続グループを評価する前に、前記個別グループの中の1つに含まれるすべての候補荷物を評価することが含まれる。各種の実施形態において、本方法は、前記候補荷物の個別グループの中の1つを評価する前に、そのグループの候補荷物を1つ以上の基準に基づく個別の順序に仕分けすることを含むことができる。場合によっては、その1つ以上の基準には、各荷物のユニット数量、各荷物が前記規定保管エリア内に置かれていた時間の長さ、各荷物に割り当てられた優先度レベル、または各荷物に割り当てられた発送期日の中の1つまたは複数が含まれる。各種の実施形態において、本方法は、第二の荷物を特定するために個別の順序に従って候補荷物を評価することを含むことができる。
各種の実施形態において、マテリアルハンドリング施設は、前記在庫から取り出されたユニットを受け取り、その後にそれらのユニットを規定保管エリアに渡すための1つ以上のインダクションステーションを備える。本方法は、そのユニットの前記インダクションステーションの中の1つへの到着後、そのユニットが前記規定保管エリア内に格納される前に、前記第一のユニットを特定することを含む。
各種の実施形態において、本方法は、第一のユニットがマテリアルハンドリング施設の前記規定保管エリア内に置かれている間に、前記第一のユニットを特定することを含むことができる。各種の実施形態において、本方法は、マテリアルハンドリング施設によって処理される複数の荷物の中の各荷物について、メモリ内に格納された荷物モデルを更新することを含むことができる。この荷物モデルには、その荷物に振り分けられるユニットを指定する情報が含まれる。前記指示は、第一のユニットが第一の荷物から第二の荷物に再振り分けされたことを示すようにその荷物モデルを更新する指示である。各種の実施形態において、前記規定保管エリア内に格納されたユニットは、メモリ内に格納された保管エリアモデルを更新するように構成された特定コンポーネントによって制御される。前記規定保管エリア内に格納された少なくとも1つのユニットを有する各荷物について、保管エリアモデルには、そのユニットを各荷物と関連づける情報が含まれる。また、前記指示は、前記第一のユニットが前記第二の荷物に振り分けられたことを示すように前記保管エリアモデルを更新する指示である。各種の実施形態において、本方法は、前記第二の荷物が完成荷物になった後、マテリアルハンドリング施設からの発送準備のためにその第二の荷物を規定保管エリアから各梱包ステーションにリリースする指示を作成することを含むことができる。
本明細書に説明する方法は、ソフトウェア、ハードウェア、またはその組み合わせにより、複数の異なる態様で実装することができる。さらに、本方法の各ブロックの順序は変更可能であり、さまざまな要素の追加、順序変更、組み合わせ、省略、修正などを行うことができる。本開示の利益を有する当業者にとって自明であるように、さまざまな修正および変更が可能である。本明細書に説明する各種の実施形態は、限定ではなく、例示を意図したものである。多くの変形、改変、追加、および改善が可能である。したがって、本明細書に単一インスタンスとして説明されたコンポーネントを複数インスタンスにしてもよい。各種のコンポーネント、動作およびデータストアの境界は多少恣意的であり、個別の機能は具体的な例示構成の中で説明されている。その他の機能の割り当てが想定され、それらも下記の請求項の範囲に含まれうる。最後に、例示構成の中で個別コンポーネントとして提示された構造および機能は、構造またはコンポーネントの組み合わせとして実装することができる。上記およびその他の変形、改変、追加、および改善は、下記の請求項に明示された実施形態の範囲に包含されうる。