JP2015204403A - 有機el素子の有機層の折曲性向上方法、および有機el素子 - Google Patents

有機el素子の有機層の折曲性向上方法、および有機el素子 Download PDF

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Abstract

【課題】有機EL素子の有機層の折曲性を向上させる方法などを提案する。【解決手段】陽極3と陰極5との間に配置される有機層4を構成する複数の有機薄膜(41,42)のうち、最も延性の低い低延性有機薄膜41を、この低延性有機薄膜41に隣接し低延性有機薄膜41よりも延性が高い高延性有機薄膜42と混合した混合薄膜4Mに置き換えた構成とする、有機EL素子1の有機層4の折曲性向上方法とした。このとき、混合薄膜4Mの、高延性有機薄膜42と接する側と反対側に、低延性有機薄膜41と同一材料を用いてバッファー薄膜4Bを形成する、有機EL素子1の有機層4の折曲性向上方法とすることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL素子の有機層の折曲性向上方法、および有機EL素子に関する。
物質に電界を印加した時に電子帯構造に応じた波長の光を放出する現象をエレクトロルミネッサンス(Electroluminescence)と呼ぶ。この現象を利用した発光素子がエレクトロルミネッサンス発光素子(以降、EL素子と呼ぶ)である。
このEL素子として、発光材料に無機物を用いたいわゆる無機EL素子の他、発光材料に有機物を用いたいわゆる有機EL素子もある。このような有機EL素子は、対向する一対の電極間にAlqやPPV等の有機発光材料を含んだ発光層を設け、この発光層に一対の電極それぞれからホールと電子を注入し、発光層内部で再結合させて励起子を生成し、有機発光材料のHOMO−LUMOギャップに応じた波長の光を放出して発光する。
有機ELの基本構造は、例えば、ガラス基板の上に陽極(透明電極)、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極(金属電極)が積層されているものがある。陰極と陽極の間に直流電圧を印加すると、イオン・電子が発光層で再結合し、その時の再結合エネルギーが光として放射される。簡単に述べると、陽極と陰極の間に有機層(有機薄膜)を挟みこんだ構造であり、直流電圧を印加させて発光させるものである。
そして、有機EL素子には、薄型化および小型化の要求だけでなく、電子ペーパー用途など、折り曲げたり丸めたりすることができる性質(フレキシビリティー、折曲性、柔軟性、可撓性)が求められており、有機EL素子に折曲性を付与し、さらには折曲性を向上させるべく研究開発が行われている。
このような目的のもと、基板については、従来の硬質なガラス基板に替えて、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂フィルムを用いることによって折曲性を付与する技術が知られている。
また、電極材料については、透明電極として一般的に用いられるITOが2%程度の引っ張り歪で割れるのであるが、60%の歪を与えても割れないとの報告があるPDOT:PSSなどの導電性高分子材料や、ITOよりも延性の優れるZnS/Ag/WOなどの無機多層膜が検討されている他、多くの延性向上方法が報告されている。
例えば、下記特許文献1には「厚さが5〜50μmの光透過性の絶縁フィルムと、この絶縁フィルム片面の全面或いは所定の箇所に、導電粉を分散した柔軟性を有する光透過性樹脂を印刷して形成された光透過性電極層と、光透過性電極層上に順次重ねて印刷形成された発光体層及び誘電体層、背面電極層からなる分散型エレクトロルミネッセンス素子。」が記載され、これによって、「本発明によれば、可撓性に優れたEL素子と良好な操作感触を有する照光ユニットを得ることができるという有利な効果が得られる。」とある。
特開平11‐219791
このように、折曲性を向上させるため、基板材料や電極材料(陽極材料、陰極材料)に着目したアプローチは従来からなされてきた。しかし、陽極と陰極の間の有機層(複数の有機薄膜で構成されている)を高延性化して折曲性を向上させる手法については系統的な検討は見当たらなかった。これは、基板や電極と比較して、有機物からなる有機層は折曲性に富むと一般的に考えられてきたことによると思われる。
しかし、前述したように近年、基板や電極の柔軟性が大幅に改善されたことから、本願発明者は、今後、陽極と陰極の間の有機層を高延性化することが重要になってくると思考したのである。特に、有機層を構成する有機薄膜には延性に乏しいものもあることを本願発明者が発見したという事情もある。
本発明は、陽極と陰極の間の有機層に着目したものであり、有機EL素子の有機層の折曲性を向上させる方法、および折曲性が向上した有機層を備える有機EL素子を提案することを目的とする。
上記課題を解決するために、陽極と陰極との間に配置される有機層を構成する複数の有機薄膜のうち、最も延性の低い低延性有機薄膜を、この低延性有機薄膜に隣接し低延性有機薄膜よりも延性が高い高延性有機薄膜と混合した混合薄膜に置き換えた構成とする、有機EL素子の有機層の折曲性向上方法とした。
この方法は、複数の有機層のうち最も延性の低い低延性有機薄膜を、上記高延性有機薄膜と混合した混合薄膜(低延性有機薄膜の構成材料と高延性有機薄膜の構成材料とを混合した材料で構成される混合薄膜)に置き換えた構成とすることで、有機薄膜の延性を高めて有機EL素子の有機層の折曲性を向上させることができる。
そして、基板や電極も高延性で柔軟性に富むものを使用すれば、有機EL素子としての折曲性を向上させることができる。基板としては、従来の硬質ガラス基板に換えて、薄くて折曲性が付与された特殊ガラス基板の他、高延性の樹脂フィルム(PET,PEN,PIなどのフィルム)などを用いることができる。また、電極としてはITOよりも高延性のPDOT:PSSなどの導電性高分子材料や、ITOよりも延性の優れるZnS/Ag/WOなどの無機多層膜などを用いることができる。
ここで、混合薄膜の、高延性有機薄膜と接する側と反対側に、低延性有機薄膜と同一材料を用いてバッファー薄膜を形成する、有機EL素子の有機層の折曲性向上方法とすることができる。
低延性有機薄膜を混合薄膜に置き換えると、延性が向上して折曲性が向上するものの、有機EL素子の電気的特性が劣化する場合があった。そこで、バッファー薄膜を所定の位置に形成することによって、電気的特性の劣化の少ない、有機EL素子の有機層の折曲性向上方法を実現できる。
このとき、バッファー薄膜の厚みを15nm以下とする、有機EL素子の有機層の折曲性向上方法とすることが好ましい。また、バッファー薄膜を、多数の島状に形成して、不均一な薄膜とする、有機EL素子の有機層の折曲性向上方法とすることも好ましい。
バッファー薄膜の厚みを15nm以下としたり、バッファー薄膜を多数の島状に形成して不均一な薄膜とすることで、バッファー薄膜の折曲性が向上した有機EL素子の有機層の折曲性向上方法を実現できる。
またここで、陽極と陰極との間に配置される有機層は、α‐NPDからなる有機薄膜と、これと隣接するAlqからなる有機薄膜を含み、α‐NPDからなる有機薄膜が低延性有機薄膜であり、Alqからなる有機薄膜が高延性有機薄膜である、有機EL素子の有機層の折曲性向上方法とすることもできる。最も延性の低い低延性有機薄膜(α‐NPDからなる有機薄膜)を、この低延性有機薄膜に隣接し低延性有機薄膜よりも延性が高い高延性有機薄膜(Alqからなる有機薄膜)と混合した混合薄膜(Alqとα‐NPDの混合薄膜)に置き換えた構成とするのである。
α‐NPDは低延性で折曲性に乏しいが、高延性で折曲性に優れたAlqと混合した混合薄膜とすることで、折曲性を向上させることができる。Alqとα‐NPDの比率は、延性と電気的特性のバランスから、体積比で8:2〜5:5の範囲内とすることが好ましい。Alqとα‐NPDの比率は、体積比で8:2〜6:4の範囲内とすることが、より好ましい。
前記何れか記載の有機EL素子の有機層の折曲性向上方法を用いた(用いて設計した)有機層を備える有機EL素子は、折曲性が向上したものである。この有機EL素子は、有機層の折曲性が向上する設計方法を用いて設計される。
また、上記課題は、陽極と陰極の間に配置される有機層を構成する複数の有機薄膜を備え、前記複数の有機薄膜は、前記陽極側に位置する第一の有機薄膜がα‐NPDからなるバッファー薄膜であり、この第一の有機薄膜と隣接する第二の有機薄膜がAlqとα‐NPDからなる混合薄膜であり、この第二の有機薄膜と隣接する第三の有機薄膜がAlqからなり、この第三の有機薄膜側に前記陰極が形成されており、前記第一の有機薄膜は、その厚みが15nm以下であり、前記第二の有機薄膜は、Alqとα‐NPDの比率が体積比で8:2〜5:5の範囲内である、有機EL素子によっても解決される。
この有機EL素子は、折曲性と電気的特性のバランスがとれたものであり実用的価値が高い。Alqとα‐NPDの比率は、より好ましくは、体積比で8:2〜6:4の範囲内である。
このとき、第二の有機薄膜の厚みが、概ね30〜40nmであり、第三の有機薄膜の厚みが、概ね45〜55nmである、有機EL素子とすることが好ましい。
また、バッファー薄膜が、多数の島状に形成され、不均一な薄膜となっている、有機EL素子とすることも好ましい。
本発明により、有機EL素子の折曲性を向上させる方法および折曲性が向上した有機EL素子を提案することができる。
第一実施形態の有機EL素子を例示説明するための図である。 第二実施形態の有機EL素子を例示説明するための図である。 有機薄膜の延性の評価方法を説明するための図である。 有機薄膜の割れの評価結果を示すグラフである。 バッファー薄膜を設けた効果を説明するためのグラフである。 発光性能(発光効率)の評価方法を説明するための図である。
以下、有機EL素子の有機層の折曲性向上方法、および有機EL素子を例示説明する。有機EL素子の有機層の折曲性向上方法は、有機層を構成する複数の有機薄膜のうち、最も延性の低い低延性有機薄膜を、この低延性有機薄膜に隣接し低延性有機薄膜よりも延性が高い高延性有機薄膜と混合した混合薄膜に置き換えた構成とするものである。複数の有機薄膜には、有機物からなる発光層、ホール輸送層、電子輸送層などが含まれる
この方法を実施するためには、複数の有機薄膜のうち最も延性の低い低延性有機薄膜を特定することが必要である。そこで、最初に、有機薄膜の延性を評価する方法を説明する。
1.有機薄膜の延性を評価する方法
有機EL素子の複数の有機薄膜それぞれの延性を評価する方法としては、種々考えられる。今回は、図1(a)に示す従来の有機EL素子1を想定し、各有機薄膜41,42の延性を評価する方法を以下に例示説明する。
なお、図1および図2において、便宜上、各層の厚みが等しいように表示してあるが、実際には各層の厚みが異なっている場合が多い。特に図2(b)のバッファー薄膜4Bは後述するように、他の層と比較して薄くなる。また、図1(a)に示す従来の有機EL素子1では、便宜上、陽極3に隣接して低延性有機薄膜41を表示してあるが、陽極3と低延性有機薄膜41の間に、例えば、MoO(無機物)をホール注入層として介在させてもよい。
[試験片]
複数の有機薄膜(本実施形態では、α‐NPDからなる有機薄膜41と、Alqからなる有機薄膜42)それぞれについて延性を評価するため、樹脂フィルム上に各材料を成膜し、所定の幅にカットしたものを試験片として用いた。
具体的には、α‐NPDとAlqのそれぞれについて、厚さ250μmのPENフィルム基板上に、有機薄膜用真空蒸着装置を用いて、200nmの厚みで成膜し、これを幅4mmに切断して試験片とした。
[試験方法]
これら試験片に引張歪を与えながら顕微鏡で皮膜の割れ発生状況を観察する。ここで、試験片に引張歪を与えるために引張試験装置を用いた。引張試験装置は試験片をクランプして、デジタル式マイクロメータで引っ張り歪を付与する方式で、標点間距離は20mmとした。
また、高分子材料は粘弾性特性を有し、歪速度依存性が大きい場合があるため、本試験では引張速度は0.05mm/secで一定とした。また、後述するような理由から透過型の光学顕微鏡で皮膜の割れを観察したため、引張試験装置は、試験片の下側部分が開口あるいは透明アクリル部材で構成されたものを用いた。
[皮膜の割れの評価]
上記引張試験装置を用いて試験片に引張歪を与えながら、顕微鏡で皮膜(有機薄膜)の割れ発生状況を観察した。今回、対物レンズ側から光を入れる反射方式では皮膜の割れを観察し難かったため、図3に示すように、下方から光を照射する透過方式を採用した。
また、このようにしても、光学顕微鏡では割れが観察し難い試験片があったため、レーザー顕微鏡(KEYENCE製、VK-9710),フィールドエミッション型の電子顕微鏡(JOEL製FE-SEM,JSM−6700F)を併用して割れの有無、割れの形態を観察した。なお、フィールドエミッション型の電子顕微鏡を用いての観察では、皮膜及び基板が高抵抗なため、チャージアップを防止する観点から、金を約3nm蒸着して観察した。
評価結果を図4に示す。α‐NPDはAlqよりも割れやすく、延性が低いことがわかる。この結果から、図1(a)に示す従来の有機EL素子の有機層4においては、α‐NPDからなる有機薄膜が最も低延性であることがわかった(低延性有機薄膜41)。そして、Alqからなる有機薄膜は、この低延性有機薄膜41(α‐NPDからなる有機薄膜)に隣接し低延性有機薄膜よりも延性が高いことがわかった(高延性有機薄膜42)。
2.混合薄膜の採用
そこで、低延性有機薄膜41の構成材料であるα‐NPDと、高延性有機薄膜42の構成材料であるAlqとを混合した混合薄膜の延性を評価した。
[混合薄膜の延性]
具体的には、α‐NPDとAlqを体積比5:5の割合で、厚さ250μmのPEN基板上に、200nmの厚みで成膜させ、これを幅4mmに切断して試験片とした。
この試験片を用いて前述した引張試験装置を用いて、皮膜割れを評価した。その結果も図4に示してある。混合薄膜4M(Alq+α‐NPD)は、低延性有機薄膜41(α‐NPD)よりも割れにくく、延性が向上していることがわかる。
この試験結果から、図1に示すように、最も延性の低い低延性有機薄膜41(α‐NPD)を、この低延性有機薄膜41に隣接し低延性有機薄膜41よりも延性が高い高延性有機薄膜42(Alq)と混合した混合薄膜4M(Alq+α‐NPD)に置き換えた構成とすることで、有機層4の折曲性が向上することが考察される。
また、このような有機層4の折曲性向上方法を用いた有機層4を備えた有機EL素子1は、有機層4の折曲性が向上しており、基板2の材料や電極(陽極3と陰極5)の材料に高延性のものを用いることで、優れた折曲性を有する有機EL素子1となる。
[混合薄膜のデメリット]
このように、低延性有機薄膜41(α‐NPD)を、混合薄膜4M(Alq+α‐NPD)に置き換えた構成とすることで、有機層4の折曲性が向上するというメリットが得られるものの、その一方で、電気的特性(発光効率)が犠牲になりがちであった。そこで、この課題を解決するための方法を検討したので以下に例示説明する。
3.バッファー薄膜の採用
上記課題は、図2(b)に示すようなバッファー薄膜4Bを設けることによって解決される。バッファー薄膜4Bは、混合薄膜4Mの、高延性有機薄膜42と接する側と反対側に、低延性有機薄膜41と同一材料を用いて設ける。
[バッファー薄膜の形成]
具体的には、図2に示すように、混合薄膜4M(Alq+α‐NPD)の、高延性有機薄膜42(Alq)と接する側と反対側に、低延性有機薄膜41(α‐NPD)と同一材料を用いてバッファー薄膜4Bを形成するのである。バッファー層は真空蒸着によって形成することができる。
ここで、有機層4の折曲性低下を少なくするため、バッファー薄膜4Bの厚みは薄くする。具体的には、バッファー薄膜4Bの厚みを15nm以下とすることが好ましい。バッファー薄膜4Bの厚みは、より好ましくは5〜10nmである。
また、有機層4の折曲性低下を少なくするため、バッファー薄膜4Bを、多数の島状に形成して、不均一な薄膜とすることが好ましい。即ち、バッファー薄膜4Bを挟み込むように隣接する二層(図2(b)では、陽極3と混合薄膜4M)が、部分的に接触していることが好ましい。例えば、バッファー薄膜4Bと隣接する二層の界面において、任意の領域(例えば、50μm角、好ましくは30μm角、最も好ましくは10μm角)を選択したときに、バッファー薄膜4Bが形成されている領域と、形成されていない領域とが必ず含まれるように、バッファー薄膜4Bを全面に亘って均一に、多数の島状に形成することが好ましい。
なお、膜厚の測定は、水晶発信式の膜厚モニターを使用した。この測定方法は、水晶振動子に付着した膜の重さによって発振周波数が低くなる現象を利用したものであり、発振周波数を正確に測定することによって、得られる膜の重さから膜厚を求める測定方法である。
[バッファー薄膜の効果]
図5に、バッファー薄膜4Bを設けた効果を示す。低延性有機薄膜41(α‐NPD)を、混合薄膜4M(Alq+α‐NPD)に置き換えた有機EL素子(グラフ中のMixed)は発光効率が低くなっていたが、混合薄膜4M(Alq+α‐NPD)に置き換えた有機EL素子にバッファー薄膜4Bを設けると(グラフ中のMixed+Interfacial)ほぼ同等の発光効率まで戻っていることがわかる。
なお、測定を行った各有機EL素子において、有機層以外(基板、陽極、陰極、およびホール注入層)は同一材料を用いてあり、各有機EL素子はカバーガラスに封入されたものを用いた。また、発光効率は以下のようにして求めた。
[発光効率の評価方法]
図6に示す装置を用いて発光性を評価した。この装置は、輝度計,マルチチャンネル分光測定器,回転ステージ,制御システムなどで構成されている。そして、有機EL素子の正面位置に輝度計を設置して、電圧を上げ、電流・輝度との関係を取得し、電圧-電流密度、電流密度-正面輝度効率、輝度-正面輝度効率を整理した。
そして、発光効率については、一般に、有機EL素子を完全拡散面光源と仮定し、素子から放出される全光束[1m/W]を投入電力[W]で除した電力効率ηe[1m/W]が用いられるため、以下の式(1)によりηe[1m/W]を求めた。
ここで、L[cd/m]は輝度計で実測した輝度であり、Pi[W/m]は素子に投入した電力密度である。なお,1カンデラ[cd]の光源から立体角1ステラジアン[sr]内に放射される光束が1ルーメン[lm]である。すなわち、1[lm]=1[cd・sr]である。なお、測定に用いた素子の寸法は2.0mm×2.0mmである。
[バッファー薄膜を備えた有機EL素子]
図2(b)は、バッファー薄膜を備えた有機EL素子1である。具体的には、有機EL素子1は、陽極3と陰極5の間に配置される有機層4を構成する複数の有機薄膜42,4M,4Bを備え、前記複数の有機薄膜42,4M,4Bは、前記陽極3側に位置する第一の有機薄膜がα‐NPDからなるバッファー薄膜4Bであり、この第一の有機薄膜と隣接する第二の有機薄膜がAlqとα‐NPDからなる混合薄膜4Mであり、この第二の有機薄膜と隣接する第三の有機薄膜がAlqからなり(高延性有機薄膜42)、この第三の有機薄膜側に前記陰極5が形成されており、前記第一の有機薄膜(バッファー薄膜4B)は、その厚みが15nm以下であり、前記第二の有機薄膜(混合薄膜4M)は、Alqとα‐NPDの比率が体積比で5:5(8:2〜5:5の範囲内)である。このとき、第二の有機薄膜の厚みが、概ね30〜40nmであり、第三の有機薄膜の厚みが、概ね45〜55nmであることが好ましい。なお、第一の有機薄膜であるα‐NPDからなるバッファー薄膜4Bを備えていない構成としてもよい。
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
1 有機EL素子
2 基板
3 陽極
4 有機層
41 低延性有機薄膜
42 高延性有機薄膜
4M 混合薄膜
4B バッファー薄膜
5 陰極

Claims (7)

  1. 陽極と陰極との間に配置される有機層を構成する複数の有機薄膜のうち、最も延性の低い低延性有機薄膜を、この低延性有機薄膜に隣接し低延性有機薄膜よりも延性が高い高延性有機薄膜と混合した混合薄膜に置き換えた構成とする、有機EL素子の有機層の折曲性向上方法。
  2. 混合薄膜の、高延性有機薄膜と接する側と反対側に、低延性有機薄膜と同一材料を用いてバッファー薄膜を形成する、
    請求項1記載の有機EL素子の有機層の折曲性向上方法。
  3. バッファー薄膜の厚みを15nm以下とする、
    請求項2記載の有機EL素子の有機層の折曲性向上方法。
  4. バッファー薄膜を、多数の島状に形成して、不均一な薄膜とする、
    請求項2又は請求項3記載の有機EL素子の有機層の折曲性向上方法。
  5. 陽極と陰極との間に配置される有機層は、α‐NPDからなる有機薄膜と、これと隣接するAlqからなる有機薄膜を含み、
    α‐NPDからなる有機薄膜が低延性有機薄膜であり、Alqからなる有機薄膜が高延性有機薄膜である、
    請求項1〜4いずれか記載の、有機EL素子の有機層の折曲性向上方法。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の有機EL素子の有機層の折曲性向上方法を用いた有機層を備えた、有機EL素子。
  7. 陽極と陰極の間に配置される有機層を構成する複数の有機薄膜を備え、
    前記複数の有機薄膜は、
    前記陽極側に位置する第一の有機薄膜がα‐NPDからなるバッファー薄膜であり、
    この第一の有機薄膜と隣接する第二の有機薄膜がAlqとα‐NPDからなる混合薄膜であり、
    この第二の有機薄膜と隣接する第三の有機薄膜がAlqからなり、
    この第三の有機薄膜側に前記陰極が形成されており、
    前記第一の有機薄膜は、その厚みが15nm以下であり、
    前記第二の有機薄膜は、Alqとα‐NPDの比率が体積比で8:2〜5:5の範囲内である、有機EL素子。
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