JP2015203816A - 定着部材及び画像形成装置 - Google Patents

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中山 敏則
Toshinori Nakayama
敏則 中山
政行 玉木
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政行 玉木
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Abstract

【課題】簡易な構成(省スペース、安価)で定着ベルトの破損時の昇温速度を遅らせて、給電停止が可能となる。
【解決手段】定着ベルトの回転軸方向の抵抗値と、回転方向の抵抗値に異方性を持たせる。通常時に電流の通電方向と直行する方向の抵抗値が高い。
【選択図】図12

Description

本発明は、記録材上に画像を加熱定着させるための定着装置で用いられる定着部材と、それを用いた画像形成装置に関するものである。
電子写真装置、静電記録装置などの画像形成装置においては、シート上にトナー画像を形成し、これを加熱、加圧して定着させることにより画像を形成している。このような定着装置として、内部にヒータを有する定着ローラに加圧ローラを圧接して定着ニップを形成し、定着を行うローラ定着方式が従来採用されている。
さらに、別の方式の定着装置として、特許文献1および特許文献2では定着部材自体に発熱抵抗体を設け、該発熱抵抗体に通電して直接定着部材を発熱させることで、熱を無駄なく定着部材に伝える方法が提案されている。
しかし、特許文献1および特許文献2に開示された定着装置では、発熱定着ベルトの破損等によって、発熱定着ベルトの一部が破損した場合に、破損部の周辺で温度が所定の値よりも高くなってしまう恐れがある。所定値よりも高温(異常昇温)になると、トナーがホットオフセットしてしまうなどの画像不良が発生してしまう。
この異常昇温を防止するために特許文献3の方法では、発熱体から導電性部材に流れる電流を検知した際に発熱体への電流供給を遮断すると、部分的な異常発熱を防止する。
特開2007−272223号公報 特開2009−109998号公報 特開2011−248098号公報
しかしながら、異常昇温の発熱量が多くなると温度上昇が早いため、異常を検知してから電流供給を遮断する前に温度が上がってしまい、定着部材の熱変形などの異常を引き起こす恐れがある。
従って本発明の目的は、定着部材に導電層を設け導電層に通電させる方式の像定着装置において、発熱定着ベルトが破損した場合でも、異常を検知して電流供給を遮断する事が可能とすることを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明に係る像定着装置の構成は、
回転体であって電流を流すことによって発熱する抵抗発熱体層を有する抵抗発熱回転体であって、
前記抵抗発熱回転体を加熱部材とする像定着装置において、
前記抵抗発熱回転体は、電流を流すための給電手段によって加熱され、
前記抵抗発熱回転体の、電流が流れる方向のシート抵抗値をRs1とし、
前記電流が流れる方向に直行する方向のシート抵抗値をRs2としたときに
Rs2/Rs1>10
の関係を有することを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明に係る像定着装置の他の構成は、
回転体であって電流を流すことによって発熱する抵抗発熱体層を有する抵抗発熱回転体であって、
前記抵抗発熱回転体を加熱部材とする像定着装置において、
前記抵抗発熱回転体は、電流を流すための給電手段によって加熱され、
前記抵抗発熱の、電流が流れる方向の長さをL1、シート抵抗値をRs1とし、
前記電流が流れる方向に直行する方向の長さをL2、単位長さあたりの抵抗値をRs2としたときに
Rs2/Rs1>2.5×(L1/L2)
の関係を有することを特徴とする。
本発明によれば、定着部材に破損時にも電源供給を遮断する像定着装置の提供を実現できる。
本発明に係る定着装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。 本発明に係る画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。 本発明に係る定着装置の概略構成を模式的に示す横断面図である。 本発明に係る定着装置の定着ベルトの構成を示す縦断面図である。 本発明に係る加圧ローラの縦断面図を示す図である。 本発明に係る定着装置の概略構成を模式的に示す図である。 本発明に定着ベルト破損部と迂回電流を示す図である。 本発明に定着ベルト破損状態の電流密度をシュミレーションした図である。 本発明のフィラー形状を示す図である。 シート抵抗測定状態を示す図である。 本発明の定着ベルトの製造方法を示す図である。 本発明の効果を示す図である。 本発明の効果を示す図である。 本発明の効果を示す図である。 定着ベルトの迂回電流を示す図である 定着ベルトの迂回電流を示す図である。
以下、発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
●画像形成装置
図2は、本実施形態の画像形成装置の一例であるカラー電子写真プリンタの断面図であり、記録材Pの搬送方向に沿った断面図である。本実施形態では、カラー電子写真プリンタを単に「プリンタ」という。
記録材Pは、トナー像が形成されるものである。記録材Pの具体例として、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製の記録材P状のもの、厚紙、オーバーヘッドプロジェクター用などがある。
図2に示すプリンタは、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色の画像形成部10を備えている。感光ドラム11は、帯電器12によってあらかじめ帯電される。その後、感光ドラム11は、レーザスキャナ13によって、潜像を形成されている。潜像は、現像器14によってトナー像になる。感光ドラム11のトナー像は、一次転写ブレード17によって、像担持体である例えば中間転写ベルト31に順次転写される。転写後、感光ドラム11に残ったトナーは、クリーナ15によって除去される。この結果、感光ドラム11の表面は、清浄になり、次の画像形成に備える。
一方、記録材Pは、給紙カセット20、又はマルチ給紙トレイ25から、1枚ずつ送り出されてレジストローラ対23に送り込まれる。レジストローラ対23は、記録材Pを一旦受け止めて、記録材Pが斜行している場合、真っ直ぐに直す。そして、レジストローラ対23は、中間転写ベルト31上のトナー像と同期を取って、記録材Pを中間転写ベルト31と二次転写ローラ35との間に送り込む。中間転写ベルト上のカラーのトナー像は、転写体である例えば二次転写ローラ35によって記録材Pに転写される。その後、記録材Pのトナー像Tは、記録材Pが定着器40によって、加熱加圧されることで記録材Pに定着される。
記録材Pの片面だけにトナー像Tを形成する場合、切り換えフラッパ61の切り換えにより記録材Pを排紙ローラ63を介して記録材Pを画像形成装置1の側面に配置されている排紙トレイ64に排出するか、画像形成装置1の上面に配置されている排紙トレイ65に排出される。切り換えフラッパ61が破線の位置にある場合には、記録材Pはフェイスアップ(トナー像Tが上側)で排紙トレイ64上に排出され、切り換えフラッパ61が実線の位置にある場合には、記録材Pは、フェイスダウン(トナー像Tが下側)で排紙トレイ65に排出される。
記録材Pの両面にトナー像Tを形成する場合、定着器40によってトナー像Tを定着された記録材Pは、実線の位置にいるフラッパ61によって上方へ案内されて、後端が反転ポイントRに達したとき、搬送路73によってスイッチバック搬送されて表裏反転される。その後、記録材Pは、両面搬送路70を搬送されて、片面画像形成と同様の過程をへて他方の面にトナー像Tを形成されて、排紙トレイ64または排紙トレイ65上に排出される。フラッパ61、スイッチバック搬送路73等で構成される部分は、反転手段の一例である。
●トナー
次に、本実施の形態で使用される二成分現像剤について説明する。二成分現像剤は、非磁性トナーと低磁化高抵抗キャリアとを主成分として構成されている。
非磁性トナーは、スチレン系樹脂やポリエステル樹脂等の結着樹脂、カーボンブラックや染料、顔料等の着色剤、ワックス等の離型剤、荷電制御剤等を適当量用いることにより構成される。このような非磁性トナーは、粉砕法や重合法などの方法により製造することができる。
尚、非磁性トナー(負帯電特性)は、摩擦帯電量が−1×10−2〜−5.0×10−2C/kg程度のものであることが好ましい。非磁性トナーの摩擦帯電量が上記範囲を外れると、磁性キャリアに発生するカウンターチャージ量が大きくなり白抜けレベルが低下することとなり、画像不良を生じることがある。非磁性トナーの摩擦帯電量は、用いられる材料の種類等により調整しても良いし、外添剤の添加によって調整しても良い。
また、前記非磁性トナーの粒径は、特に限定する必要はないが、粒状性や階調性の良好な画像を得るという観点から4μm以上8μm以下であることが好ましい。
本実施例の画像形成装置における非磁性トナーの定着適正温度は150〜180℃であった。定着適正温度とは高温での定着ローラオフセット温度の上限温度、低温での転写材に対するトナーの定着性を満たすための下限温度を定着ローラの表面温度で表したものである。定着性は、定着後の記録材上のトナー像を50g/cm2の加重をかけたシルボン紙で往復5回摺擦して摺擦前後のトナー像の反射濃度低下率を測定することで評価し、20%を定着適正温度の下限温度とした。
又、磁性キャリアとしては、従来公知のものを使用することができるが、例えば、樹脂中に磁性材料としてマグネタイトを分散し、導電化、及び抵抗調整のためにカーボンブラックを分散して形成した樹脂キャリア、又は、フェライト等のマグネタイト単体表面を酸化、還元処理して抵抗調整を行ったもの、又は、フェライト等のマグネタイト単体表面樹脂でコーティングし抵抗調整を行ったものなども用いられる。これら磁性キャリアの製造方法は特に制限されない。
尚、磁性キャリアは、0.1Tの磁界において3.0×10A/m〜2.0×10A/mの磁化を有することが好ましい。磁性キャリアの磁化量を小さくすると、磁気ブラシによるスキャベジングを抑制する効果があるが、磁界発生手段による非磁性円筒体への付着が困難となり、感光体ドラムへの磁性キャリア付着等の画像不良やはき寄せ等の画像不良を生じることがある。又、磁性キャリアの磁化が上記範囲よりも大きいと、上述したように磁気ブラシの圧力により画像不良を生じることがある。更に、磁性キャリアの体積抵抗率は、リークや現像性を考慮して10〜1014Ωcmのものを用いるのが好ましい。
●定着装置
次に、定着装置について説明する。図1は定着装置40の記録材搬送方向と直交する方向の概略構成図、図3は定着装置40の記録材搬送方向の概略構成図である。
100は発熱体を備えた円筒状の定着ベルト(エンドレスベルト)である。定着ベルトの形状は、直径24mm、長さ約300mmの円筒状エンドレスベルトである。
110は定着ベルトとの間で定着ニップを形成する加圧ローラである。111は定着ベルト100の長手方向移動および周方向の形状を規制する規制部材としての左右の定着フランジである。112は定着ベルト100内部に配置された支持ステーであり、定着ベルト100を加圧ローラ110方向へ加圧付勢するバックアップ部材113を支持する。
そして、左右の定着フランジ111と加圧アーム114との間に加圧バネ115を縮設する。これにより、左右の定着フランジ111、支持ステー112、バックアップ部材113を介して定着ベルト100が加圧ローラ110の上面に対して所定の押圧力で加圧され、所定幅の定着ニップNが形成される。本実施例に於ける加圧力は一端側が156.8N、総加圧力が313.6N(32kgf)である。
支持ステー112は高い圧力を掛けられても撓みにくい材質であることが望ましく、本実施例においてはSUS304を用いている。
113はニップ形成部材である。113は導電部材113aと保持部材113bからなっている。このニップ形成部材113bは図面に垂直方向を長手とする耐熱性樹脂等の断熱性部材である。省エネルギーの観点から支持ステー112への熱伝導の少ない材料を用いるのが望ましく、例えば、耐熱ガラスや、ポリカーボネート、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂が用いられる。本実施例では住友化学(株)製のスミカスーパーE5204Lを用いた。113aは導電性の材料であれば良く、鉄、銅、ステンレス、炭素、などから選ばれる単一材料、または、これらを含有または積層などによる複合材料を用いることができる。
図6は定着ベルトに電力を共有する給電方法を示した図である。給電電極部105は、電源供給部79と電気的に接続される給電部材81(クレームの給電手段に対応)と接触する。給電部材81はステンレスの板ばね形状の部材であり、給電部材81を給電電極部105に押圧することで電気的接続も良好に維持される。定着ベルト110の内部に設置されたサーミスタ118の検知温度に応じて、制御回路部121が電源供給部79により通電制御する。また、制御回路部150はモータMの回転制御を所定の条件で行う。
●定着ベルト
次に定着ベルト100(請求項1の抵抗発熱回転体に対応)の構成について説明する。図4は定着ベルト100の積層構造を示す部分断面図である。同図は定着ベルト100の軸方向の一方の端部に着目したものであるが、他方の端部においても定着ベルト100は同様の構成を備えている。
定着ベルト100は、絶縁層101上に抵抗発熱体層102、弾性層106、表層104を順次積層して構成されている。弾性層106の外周側(軸方向端部)には電極105が抵抗発熱体層102上に形成されている。
絶縁層101は、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の耐熱性樹脂で形成されている。
弾性層106は、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性及び耐熱性を有する材料からなる。
オフセット防止や記録材の分離性の確保のために表層104にはPTFE、PFA、FEP、ETFE、CTFE、PVDF等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂が混合ないし単独で被覆され離型性層(離型層)が形成される。本実施例では、表層は、PTFE及びPFAを少なくとも含む材料で構成している。ここで、PTFEは、ポリテトラフルオロエチレンであり、PFAは、テトラフルオロエチレン パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体であり、FEPは、テトラフルオロエチレン ヘキサフルオロプロピレン共重合体である。また、ETFEは、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体であり、CTFEは、ポリクロロトリフルオロエチレンであり、PVDFは、ポリビニリデンフルオライドである。被覆の方法としては、定着ベルト100の外面をエッチング処理した後に離型性層をディッピングするか、粉体スプレー等の塗布であってもよい。あるいは、チューブ状に形成された樹脂を定着ベルト100の表面に被せる方式であってもよい。又は、定着ベルト100の外面をブラスト処理した後に、接着剤であるプライマ層を塗布し、離型性層を被覆する方法であってもよい。
抵抗発熱体層102は、電極105(請求項1の給電手段に対応する構成)から給電され、ジュール熱を発生するものであり、ベースとなる樹脂材料に導電性フィラーを分散させることにより所定の電気抵抗率に調整されている。上記樹脂材料としてはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の耐熱樹脂を用いることが望ましい。また、導電性フィラーとしては後述するカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、カーボンマイクロコイル等の針状フィラーが好ましく、これらのうち2種以上を混合して分散させても良い。これらの針状フィラーを用いると、定着ベルトの抵抗値に異方性を持たせる事が出来る。
発熱抵抗体層102の抵抗値は定着装置40として必要な発熱量によって適宜決定すればよく、導電性フィラーの添加量により適宜調整することができる。
本実施例では、電圧100V印加時に電力1000Wを発熱させるために、抵抗値としては10Ω程度となるように導電性フィラーの添加量を調整した。
本実施例における定着ベルトは上述したように4層構造となっており、絶縁層101は厚さ20μmのポリイミド樹脂、発熱抵抗層102は厚さ100μmのポリイミド樹脂に導電性フィラーを添加したもの、弾性層として厚さ200μmのシリコーンゴム、さらにその外周面に表層50として厚さ30μmのPFAチューブを重ねる構成になっている。
電極105は金属等の導電性を有する材料からなり、定着ベルト100の軸方向における両端部において、それぞれ抵抗発熱体層102上の全周にわたって積層されている。このような形状にすることで、電極52に通電する際、抵抗発熱体層102全体を均一に発熱させることが可能となる。電極52に積層方法としては、メッキもしくは金属箔を導電性接着剤を用いて接着する方法などが望ましい。電極の材料としては、例えばステンレス、アルミニウム、ニッケル、銅、銀等の金属を用いることができる。
上記のような構成において、定着ベルト100が周回駆動されつつ、給電部108から電極105を介して抵抗発熱体層102に電力が供給されると、電気抵抗としては電極105のほうが抵抗発熱体層102よりもはるかに小さいため、電流は電極105からその直下にある抵抗発熱体層102へと厚み方向に流れ込むのではなく、まず電極105における周方向と、軸方向の他方の電極へと向かう方向に流れる。そして、電極105の軸方向端部に達した電流は、そこから厚み方向、すなわち抵抗発熱体層102に向かって流れ込む。したがって、抵抗発熱体層102において、上面に電極105が積層された部分では、電流がほとんど流れず、発熱しない。
<針状フィラー>
針状フィラー123(クレームの熱伝導異方性を有するフィラーに対応)としては、図9で示す様に、直径Dに対する長さLの比が大きい、すなわちアスペクト比が高い材料が使用できる。針状フィラー底面の形状は円状でも角状でも構わず、配向する材料で有れば適用可能である。
このような材料として、ピッチ系炭素繊維が挙げられる。熱伝導率λが500W/(m・K)以上であるピッチ系炭素繊維を含有することにより、本発明の電子写真用部材としての特徴を好適に実施できる。更にこのピッチ系炭素繊維が針状であることにより、より好適に本発明の電子写真用部材の特徴が現れる。針状のピッチ系炭素繊維は、より具体的な形状として、図9において直径Dが0.01〜11μm(平均直径)でありかつ長さL(平均長さ)が0.1μm以上1000μm以下程度のものが例示でき、工業的に入手容易である。
針状フィラーとしては他の例としては、チタン酸カリウム、ウォラストナイト、セピオライト、針状酸化スズ、針状水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
<製造方法>
図11に本発明の定着ベルトの製造方法の一例を示す。1101はポリイミド樹脂のワニスに、ピッチ系の針状フィラーを分散させた前駆体溶液である。前駆体溶液1101に、円筒形金属金型1102を浸し、矢印A方向に引き上げるデッピング法によって製造した。ポリイミドの膜厚は、溶液の溶融粘度および、円筒形金属金型1102と規制部材1103の間のギャップによって制御可能である。
針状フィラーは、規制部材と金属金型のズリ応力によって引き上げ方向に配向し、そのため定着ベルトの回転軸方向の抵抗値が、回転方向に比べて低くなる。
引き上げた後の円筒形金属金型1102を焼成し、その後脱型、両端部カットする事によって定着ベルト基材を得る。
円筒状定着ベルトを切り開き、回転軸方向の単位長さ当たりの抵抗値R1と、回転方向の単位長さ当たりの抵抗値R2を測定した結果、R2はR1の約10倍高い値であった。
R2とR1の比は、針状フィラーのアスペクト比を上げる、金属金型の引き上げ速度を上げる、ズリ応力を上げる等の方法によって制御可能である。
図10は定着ベルトのシート抵抗の測定を示す図である。1000は定着ベルトを切り出したサンプルであり、図の矢印は通常時に電流を流す方向を示している。サンプル1000の矢印に対して幅方向の長さをWとし、電流の通電の長さをLとする。電流の通電方向の抵抗値を測定する場合(図の矢印方向の抵抗値)には、矢印方向の両端面であるA面とB面に銀ペーストや金属板などの電力を設置し、その両端の抵抗値Rを測定する。シート抵抗Rsは
R=Rs(L/W)
の関係から計算される値である。LとWを何種類か準備して測定する。電流の通電方向と直行する方向の抵抗値は、電極の位置を90°直行する方につけることで、同じようにシート抵抗値を測定可能である。
サンプルとして10mm×10mm、15mm×15mm、20×20mmと3種準備してシート抵抗を測定したところ、通電方向のシート抵抗Rs1は約2.5Ωであった。
一方で、電流の通電方向と直行する方向のシート抵抗Rs2は、約50Ωであり、抵抗値の比Rs2/Rs1は20倍程度であった。
●加圧ローラ
図5に加圧ローラ110構成の縦断面図を示す。加圧ローラ110は、SUS、SUM(硫黄及び硫黄複合快削鋼鋼材)、Al等の金属製芯金150の外側に、弾性ソリッドゴム層、弾性スポンジゴム層、あるいは弾性気泡ゴム層等の弾性層151からなる弾性ローラである。ここで、弾性ソリッドゴム層は、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムで形成したものである。また、弾性スポンジゴム層は、より断熱効果を持たせるためにシリコーンゴムを発泡して形成したものである。また、弾性気泡ゴム層は、シリコーンゴム層内に中空のフィラー(マイクロバルーン等)を分散させ、硬化物内に気体部分を持たせて断熱効果を高めたものである。この上にパーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)等の離型性層を形成してあってもよい。
なお、本実施例では、芯金150、弾性層151、離型性層いずれも導電性の材料とし、外径25mmのものを使用している。
●定着装置の駆動
加圧ローラ110は芯金150の端部に設けられた不図示の駆動ギアにより、図1の矢印の方向に回転する駆動力を得る。駆動力は制御手段を統制するCPUからの指令に従い、不図示のモータより伝達される。この加圧ローラ15の回転駆動に伴って、定着ベルト100は加圧ローラ110との摩擦力により従動回転(移動)する。このとき、定着ベルト100は、定着ニップ部材(ニップパッド)113aに対して摺動する。定着ベルト100と定着ニップ部材(ニップパッド)113aとの間には、フッ素系やシリコーン系の耐熱性グリース等の潤滑材を介在させることにより、摩擦抵抗を低く抑え、滑らかに定着ベルト100が回転可能(移動可能)となる。
定着ベルト100内の発熱抵抗体層102の温度制御は定着装置40内に設けられた温度検出手段118の信号に応じ、CPUが発熱抵抗体層102に印加する電圧のデューティー比や波数等を決定し適切に制御することで、定着ニップ部内の温度を所望の定着設定温度に保つ。
未定着トナー画像を保持した記録材Pは所定のタイミングに、不図示の供給手段によって適宜供給され、定着ニップ部Nで挟持搬送され加熱定着が行われる。定着ニップ部Nより排出された記録材Pは排紙ローラに案内されて、不図示の排紙トレイに排出される。なお、本実施例では、加圧ローラ110の周速を150mm/sとした。
●定着ベルト破損時
次に、定着ベルトの破損時の昇温について説明する。図7は定着ベルト破損時の電流状態を示す図である。図中の亀裂は、定着ベルトが周方向に破れて破損した状態を示している。亀裂部は定着ベルトが断裂しているので、矢印で示される電流が亀裂部を迂回して流れる。その結果、亀裂の端部(亀裂端部)では電流が集中するので、通常部よりもジュール発熱量が多くなる。
図8は定着ベルトと同じ円筒形の10Ωの発熱ベルトに、破損部を模した□型の穴をあけた場合の、電流の密度をシミュレーションした画像である。電流の向きは、三角の方向で示されており、色の濃さが電流の密度を示している。中央部の四角形状は穴部で、電流が四角部を避けて迂回している事が判る。また、その両端部では電流が集中し、電流密度が高くなっていることが判る。
本発明では、定着ベルトに対して円筒体の回転軸方向に対して電流を流しているため、その電流に直行する方向にベルトが破損する場合に(図7の方向と同じ周方向)亀裂の端部で異常昇温が発生する。一方、電流の方向にベルトが破損しても(回転軸方向)ほとんど異常昇温は発生しない。
図12は定着温調時に、定着ニップに異物が混入し、定着ベルトが破損した事を想定した時の、所定時間経過後の定着ベルトの亀裂端部の温度上昇状態を示した図である。所定時間は、定着ベルトの温度分布や光学センサーなどの従来の定着ベルトが破れ検知によって、定着ベルトの亀裂を検知するために必要な時間であって、1〜2sec程度の値である。
横軸は定着ベルトの亀裂の長さを示す破れ量(mm)であり、破線は従来の定着ベルトである、回転軸方向と周方向の電気抵抗が同じ場合(等方性抵抗値)の温度を示しており、実線は本発明における結果であり、回転軸方向と周方向の電気抵抗値が20倍の場合の結果を示している。
従来の等方性定着ベルトでは、破れ量が大きくなるにつれて、亀裂端部の温度が高くなる。本実施例では、定着ベルト周方向の抵抗値が高いので、亀裂部を迂回するときには見かけの抵抗値が高くなるので、迂回電流が減少する。そのため、異方性定着ベルトでは、同じ破れ量の場合に発熱する温度が低く抑えられると考えられる。
この抵抗値の上昇は、破れ量が大きくなる場合や、定着ベルト長手の長さが長くなる場合や、抵抗値の異方性の度合いが大きくなるほど大きくなる。
図13は針状フィラーのアスペクト比や定着ベルトの製造条件を調整して、抵抗値の異方性の度合いを変えた場合の、定着ベルト所定時間経過後の定着ベルトの亀裂端部の温度上昇状態を示した図である。図の凡例の数字1〜20は抵抗値の異方性の度合いを示しており、回転軸方向の抵抗値(以下R1)と、周方向の抵抗値(以下R2)の比R2/R1である。
表層104の耐熱が300度程度であることを考慮すると、図13から、特開2009−109998(特許文献2)に記載のR2/R1比が2倍程度ではほとんど効果がなく、等方性の場合と同じ温度になってしまう事が判る。またR2/R1が5倍程度でもあまり効果が無い。有効な効果を得るためには、R2/R1は10倍以上が望ましく、より効果的には20倍以上が望ましい。
その為に定着ベルトの針状フィラーのアスペクト比は10倍以上が望ましく、また針状フィラーを配向させるように引き上げ速度を高め、ズリ応力を制御する事が望ましい。
本実施例では定着ベルトとしてA4縦送り機を想定して、定着ベルトの形状が、直径24mm、長さ約210mmの物を用いた。サンプルとして10mm×10mm、15mm×15mm、20×20mmと3種準備してシート抵抗を測定したところ、通電方向のシート抵抗Rs1は約4.5Ωであった。
図14は本実施例において、R2/R1比を変えた場合の、定着ベルトの破れ幅と定着ベルトの亀裂端部の温度上昇状態を示した図である。
本実施例においても実施例1と同じく、特開2009−109998(特許文献2)に記載のR2/R1比が2倍程度ではほとんど効果がなく、等方性の場合と同じ温度になってしまう事が判る。またR2/R1が5倍程度でもあまり効果が無い。有効な効果を得るためには、R2/R1は10倍以上が望ましく、より効果的には20倍以上が望ましい。
ただし定着ベルトの長さが短いため、同じ破れ幅であったときの効果は大きくなる。これは同じ破れ幅に対して電流が迂回し難いので、電流は抵抗値が高く感じている事に対応している。
図15及び図16の概念図を用いて、定着ベルトの長手長さが変わった場合の、電流状態の変化を説明する。図15は実施例1の模式図であり、図16は実施例2の模式図である。
どちらの図も、定着ベルトの直径は同じであり、中央部に同じ長さの破れ部が存在している状態を示しており、破線は破れ部を迂回して流れる迂回電流、実線は通常部に流れる電流を示している。
迂回電流は通常部に比べて斜めに経路があり、かつ本発明によると周方向の抵抗値が高い(図の上下方向)ために、迂回電流は通常部に比べて見かけ抵抗値が高くなる。その結果、並列に接続されている通常部に流れる電流に対して、迂回電流の量が少なくなるために、亀裂端部での発熱量が少なくなる。
また図15と図16を比べて、図16の迂回電流の方がより迂回する角度が大きい事が判る。図15も図16も、通常状態では発熱量1000Wであるので、両端抵抗値は10Ωであるから、迂回する角度が大きいということは、それだけ相対的に抵抗値が高くなる事になる。その結果、図16の迂回電流の方が少なくなるので、亀裂端部での発熱量が少なくなる。
結果的に定着ベルトの電流の通電方向の長さ(本実施例では回転軸方向)をL1、電流の通電方向に直行する方向(本実施例では周方向)をL2とした場合に、亀裂端部での発熱量を抑える効果を実施例1でR2/R1比が10倍と同程度得るためには、
R2/R1>2.5×(L1/L2)
である事が判った。
更に好ましく、実施例1でR2/R1比が20倍と同程度得るためには、
R2/R1>5×(L1/L2)
である事が判った。
40 定着装置、79 電源供給部、81 給電部、100 定着ベルト、
102 抵抗発熱体層、105 電極、110 加圧ローラ、
113a 定着ニップ部材(ニップパッド)

Claims (2)

  1. 回転体であって電流を流すことによって発熱する抵抗発熱体層を有する抵抗発熱回転体であって、
    前記抵抗発熱回転体を加熱部材とする像定着装置において、
    前記抵抗発熱回転体は、電流を流すための給電手段によって加熱され、
    前記抵抗発熱回転体の、電流が流れる方向のシート抵抗値をRs1とし、
    前記電流が流れる方向に直行する方向のシート抵抗値をRs2としたときに
    Rs2/Rs1>10
    の関係を有することを特徴とする抵抗発熱回転体および像定着装置。
  2. 回転体であって電流を流すことによって発熱する抵抗発熱体層を有する抵抗発熱回転体であって、
    前記抵抗発熱回転体を加熱部材とする像定着装置において、
    前記抵抗発熱回転体は、電流を流すための給電手段によって加熱され、
    前記抵抗発熱の、電流が流れる方向の長さをL1、シート抵抗値をRs1とし、
    前記電流が流れる方向に直行する方向の長さをL2、単位長さあたりの抵抗値をRs2としたときに
    Rs2/Rs1>2.5×(L1/L2)
    の関係を有することを特徴とする像定着装置。
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