以下、本発明の実施の形態による建設機械について、油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1ないし図5は、本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、1は土砂の掘削作業等に用いられる建設機械の代表例としての油圧ショベルである。この油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に設けられ該下部走行体2と共に車体(本体)を構成する上部旋回体3と、該上部旋回体3の前,後方向の前側に回動可能(俯仰動可能)に取付けられた後述の作業装置11とにより構成されている。油圧ショベル1は、作業装置11を用いて土砂の掘削作業等を行う。
ここで、下部走行体2は、トラックフレーム2Aと、該トラックフレーム2Aの左,右両側に設けられた駆動輪2Bと、トラックフレーム2Aの左,右両側で駆動輪2Bと前,後方向の反対側に設けられた遊動輪2Cと、駆動輪2Bと遊動輪2Cに巻回された履帯2D(いずれも左側のみ図示)とにより構成されている。左,右の駆動輪2Bは、油圧モータ等からなる左,右の走行モータ(図示せず)によって回転駆動される。
一方、上部旋回体3は、油圧モータ等からなる旋回装置(図示せず)を介して下部走行体2に取付けられ、旋回装置によって下部走行体2に対して旋回駆動する。上部旋回体3は、支持構造体をなし前,後方向の前側に作業装置11が取付けられた基体としての旋回フレーム4と、該旋回フレーム4の左前側に搭載され運転室を形成するキャブ5と、該キャブ5の後側に位置して旋回フレーム4に搭載された後述のエンジン22、油圧ポンプ23、ブーム用方向制御弁25等(図2参照)を収容する建屋カバー6と、旋回フレーム4の後部に取付けられ作業装置11との重量バランスをとるカウンタウエイト7とを含んで構成されている。
ここで、キャブ5の内部には、オペレータが着座する運転席(図示せず)が設けられ、該運転席の左,右方向の両側には、操作手段としての左,右の操作レバー装置(以下、作業用操作レバー8A,8B(図2参照)という)が設けられている。これら左,右の作業用操作レバー8A,8Bは、上部旋回体3の旋回操作と作業装置11の回動操作(俯仰動操作)を行うためのものである。また、キャブ5の内部には、運転席の前側に位置して左,右の走行用レバー・ペダル(図示せず)が設けられている。これら左,右の走行用レバー・ペダルは、下部走行体2の走行操作を行うためのものである。
図2に示すように、左,右の作業用操作レバー8A,8Bのうちの一方の作業用操作レバー8Aは、後述のブーム用方向制御弁25を操作(切換え操作)するものである。オペレータが一方の作業用操作レバー8Aを操作すると、この操作に基づいてブーム用方向制御弁25が切換わり、後述のブームシリンダ15,16が駆動、即ち、伸縮(伸長,縮小)する。これにより、後述のブーム12を回動(俯仰動)させることができる。さらに、キャブ5内には、例えば運転席の下側で背もたれよりも後側に位置して後述のコントローラ45(図2参照)が設けられている。
一方、図1に示すように、作業装置11は、旋回フレーム4の前部に回動可能(俯仰動可能)にピン結合により取付けられた(連結された)ブーム12と、該ブーム12の先端側に回動可能(俯仰動可能)にピン結合により取付けられた(連結された)アーム13と、該アーム13の先端側に回動可能にピン結合により取付けられた(連結された)バケット14とを備えている。これらブーム12、アーム13、バケット14には、それぞれが油圧シリンダとしての左,右のブームシリンダ15,16、アームシリンダ17、バケットシリンダ18が取付けられている。左,右のブームシリンダ15,16は、旋回フレーム4に対してブーム12を回動(俯仰動)するもので、アームシリンダ17は、ブーム12に対してアーム13を回動(俯仰動)するもので、バケットシリンダ18は、アーム13に対してバケット14を回動するものである。
これらブームシリンダ15,16、アームシリンダ17、バケットシリンダ18は、後述の油圧ポンプ23からの圧油に基づいて伸長,縮小することにより、作業装置11の姿勢を変化させるものである。即ち、土砂等の掘削作業時には、作業用操作レバー8A,8Bの操作に基づいて、油圧シリンダ(ブームシリンダ15,16、アームシリンダ17、バケットシリンダ18)を伸長,縮小させ、ブーム12およびアーム13を回動(俯仰動)させつつ、バケット14を回動させる。これにより、バケット14の先端側で土砂等を掘削することができる。
ここで、図2に示すように、左,右のブームシリンダ15,16は、チューブ15A,16Aと、該チューブ15A,16A内に摺動可能に挿嵌され、チューブ15A,16A内をボトム側油室15C,16Cとロッド側油室15D,16Dとに画成するピストン15B,16Bと、基端側がピストン15B,16Bに固着され、先端側がチューブ15A,16A外に突出したロッド15E,16Eとにより構成されている。なお、ボトム側油室は、ヘッド側油室と呼ぶこともあるが、以下の説明は、ボトム側油室として述べる。
次に、ブームシリンダ15,16を駆動するための油圧回路21について図2を参照しつつ説明する。
油圧回路21は、ブームシリンダ15,16を駆動するためのものである。この油圧回路21は、前述の作業用操作レバー8A、ブームシリンダ15,16に加え、後述のエンジン22、油圧ポンプ23、作動油タンク24、ブーム用方向制御弁25等を含んで構成されている。
エンジン22は、キャブ5とカウンタウエイト7との間に位置して旋回フレーム4上に設けられている。エンジン22は、例えばディーゼルエンジンにより構成され、後述の油圧ポンプ23、パイロットポンプ(図示せず)等を回転駆動するための原動機(回転源)となるものである。なお、油圧ショベル1をハイブリッド式の油圧ショベルとして構成した場合には、油圧ポンプ23等に加えてアシスト発電モータも、エンジン22により回転駆動される。
油圧ポンプ23は、エンジン22によって駆動されるもので、該油圧ポンプ23は、作動油タンク24と共に油圧源を構成するものである。油圧ポンプ23は、作業装置11のブームシリンダ15,16、アームシリンダ17、バケットシリンダ18に加えて、下部走行体2の走行用の油圧モータ、上部旋回体3の旋回用の油圧モータ等を駆動するための動力源となるものである。油圧ポンプ23は、作動油タンク24内の作動油(油)を昇圧してコントロールバルブに向けて吐出する。なお、図2では、コントロールバルブを構成する複数の方向制御弁のうち、ブームシリンダ15,16に対する圧油の供給,排出を制御するブーム用方向制御弁25のみを示している。
油圧ポンプ23は、例えば、斜板式、ラジアルピストン式または斜軸式の可変容量型油圧ポンプとして構成されている。即ち、油圧ポンプ23は、斜板または斜軸等からなる容量可変部23Aと、該容量可変部23Aを駆動(傾転駆動)する容量可変機構23Bとを有している。容量可変機構23Bは、後述のコントローラ45の指令に基づいて容量可変部23Aを駆動(傾転駆動)する。これにより、容量可変部23A(の傾転角)が変化し、油圧ポンプ23のポンプ容量(押しのけ容積)を増減することができる(圧油の吐出流量を傾転角に応じて増減させることができる)。
ブーム用方向制御弁25は、油圧ポンプ23とブームシリンダ15,16との間に設けられ、該ブーム用方向制御弁25は、本発明による方向制御弁を構成している。ブーム用方向制御弁25は、ブームシリンダ15,16に対する圧油の供給,排出を制御するものである。ブーム用方向制御弁25は、図示しない各種の方向制御弁と共に、コントロールバルブ(制御弁群)を構成するものである。即ち、ブーム用方向制御弁25は、アームシリンダ17に対する圧油の供給,排出を制御するアーム用方向制御弁、バケットシリンダ18に対する圧油の供給,排出を制御するバケット用方向制御弁、走行用の油圧モータに対する圧油の供給,排出を制御する走行用方向制御弁、旋回用の油圧モータに対する圧油の供給,排出を制御する旋回用方向制御弁(いずれも図示せず)等と共に、コントロールバルブを構成している。
ブーム用方向制御弁25は、例えば6ポート3位置の油圧パイロット式方向制御弁により構成されている。ブーム用方向制御弁25は、吐出管路26を介して油圧ポンプ23と接続され、センタバイパス管路27、戻り管路28を介して作動油タンク24と接続されている。また、ブーム用方向制御弁25は、ボトム側管路29を介してブームシリンダ15,16のボトム側油室15C,16Cと接続され、ロッド側管路30を介してブームシリンダ15,16のロッド側油室15D,16Dと接続されている。なお、ボトム側管路は、ヘッド側管路と呼ぶこともあるが、以下の説明は、ボトム側管路として述べる。
ブーム用方向制御弁25は、操作手段としての作業用操作レバー8Aにより操作(切換え操作)される。このために、ブーム用方向制御弁25の両端側には、一対の油圧パイロット部25A,25Bが設けられている。油圧パイロット部25A,25Bには、作業用操作レバー8Aの操作に基づくパイロット圧(切換信号)が供給される。
例えば、図2に示すように、作業用操作レバー8Aの操作に基づいて、その操作量に比例したパイロット圧(切換信号)が、一方のパイロット管路(切換信号線)31を介して一方の油圧パイロット部25Aに供給されると、ブーム用方向制御弁25は、中立位置(C)から切換位置(A)に切換えられる。この場合は、吐出管路26がボトム側管路29と接続され、ロッド側管路30が戻り管路28と接続される。これにより、油圧ポンプ23から吐出される圧油が、吐出管路26、ボトム側管路29を介してブームシリンダ15,16のボトム側油室15C,16Cに供給され、ロッド側油室15D,16Dの作動油が、ロッド側管路30、戻り管路28を介して作動油タンク24に戻り油として排出される。この結果、ブームシリンダ15,16が伸長する(ロッド15E,16Eのチューブ15A,16Aからの突出量が大きくなる)。
一方、作業用操作レバー8Aの操作に基づいて、その操作量に比例したパイロット圧(切換信号)が、他方のパイロット管路(切換信号線)32を介して他方の油圧パイロット部25Bに供給されると、ブーム用方向制御弁25は、中立位置(C)から切換位置(B)に切換えられる。この場合は、吐出管路26がロッド側管路30と接続され、ボトム側管路29が戻り管路28と接続される。これにより、油圧ポンプ23から吐出される圧油が、吐出管路26、ロッド側管路30を介してブームシリンダ15,16のロッド側油室15D,16Dに供給され、ボトム側油室15C,16Cの作動油が、ボトム側管路29、戻り管路28を介して作動油タンク24に戻り油として排出される。この結果、ブームシリンダ15,16が縮小する(ロッド15E,16Eのチューブ15A,16Aからの突出量が小さくなる)。
さらに、作業用操作レバー8Aが中立位置のときは、油圧パイロット部25A,25Bにパイロット圧が供給されないため、ブーム用方向制御弁25は中立位置(C)となる。この場合は、吐出管路26がセンタバイパス管路27と接続され、油圧ポンプ23から吐出される圧油は、作動油タンク24に排出される。このとき、ボトム側管路29およびロッド側管路30は、吐出管路26および戻り管路28に対する接続が遮断され、ブームシリンダ15,16の動き(伸長、縮小)が止まる。
ところで、図1では、腕体となるブーム12、アーム13、バケット14等を含んで構成される作業装置11の一部が地面と接している(接地している)。これに対し、図示は省略するが、作業装置11が浮いている(接地していない)ときは、ブームシリンダ15,16には、作業装置11の自重がブームシリンダ15,16を縮小させる方向に加わる。このため、ブームシリンダ15,16のボトム側油室15C,16Cには、作業装置11をその浮いた位置に保持するための保持圧が作用する。
ここで、ブームシリンダ15,16により作業装置11を上,下方向に回動させる(ブーム12を俯仰動させる)ときに、急激な操作を行う(ブームシリンダ15,16を急動作させる)と、ブームシリンダ15,16のボトム側油室15C,16C内の作動油の圧力が振動的になり易い。例えば、図5の二点鎖線の特性線51は、作業装置11の一部が接地した状態から急激なブーム上げ動作(ブーム12を反自重方向となる上方に回動させる動作)を行ったときのボトム側油室15C,16Cの圧力挙動を誇張して示している。
二点鎖線の特性線51から明らかなように、ボトム側油室15C,16Cの圧力は、振動を伴って保持圧に収束しており、その振動が減衰されるまで(保持圧に収束するまで)に時間を要する。このような圧力振動は、作業装置11(ブーム12)の回動速度を変動させ(不安定にし)、操作性を低下させることに加えて、ボトム側油室15C,16Cと連通した油圧ポンプ23の負荷が振動的となり、該油圧ポンプ23を駆動するエンジン22の燃費の低下を招くおそれがある。
これに対し、前述の特許文献1に記載された構成は、ブーム下げ動作のときに回生モータの容量を制御することにより、油圧シリンダの急動作等に基づく圧力振動の抑制を図っている。具体的には、ブームシリンダのボトム側の油室から排出される油の振動成分、即ち、ボトム側圧から作業装置の自重等によって加わる保持圧を除外した振動成分に、ゲインを乗じた補正流量を、ブーム下げ操作量に応じたブームシリンダの目標排出流量に加算し、その合計流量から回生モータの容量を制御する構成となっている。しかし、特許文献1に記載された構成は、作業装置のブームを反自重方向へ移動させる動作、即ち、ブームを上方に回動させるブーム上げ動作は対象としていない。このため、そのままでは、ブーム上げ動作のときに油圧回路に発生する圧力振動を抑制することができない。
一方、特許文献1の回生モータの容量制御を、油圧ポンプの容量制御に適用することにより、ブーム上げ動作のときに油圧回路に発生する圧力振動の抑制(減衰)を図ることが考えられる。例えば、ボトム側油室の圧力(ボトム側圧)から作業装置の自重等によって加わる保持圧を除外した振動成分に、ゲインを乗じた補正流量を、ブーム上げ操作量に応じたブームシリンダの目標供給流量に加算し、その合計流量から油圧ポンプの容量を制御することが考えられる。
この場合は、振動成分にゲインを乗じた補正流量が、ボトム側油室に圧油を供給する油圧ポンプの容量にフィードバックされる。即ち、ボトム側圧が保持圧よりも大きいときは、油圧ポンプの容量制御に負の補正流量が加味されることにより吐出流量が減少し、これとは逆に、ボトム側圧が保持圧よりも小さいときは、油圧ポンプの容量制御に正の補正流量が加味されることにより吐出容量が上昇する。これにより、ブーム上げ動作のときの圧力振動の抑制を図ることができると考えられる。しかし、ブーム上げ動作の開始直後は、ブームシリンダの推力を保持圧相当推力よりも大きくしないと、作業装置の慣性等の影響によりブームが回動しない、もしくは、ブームの動作初期の回動速度(初速)が遅くなるおそれがある。このため、上述のような保持圧からの変動成分をフィードバックする構成の場合は、保持圧相当推力以上の推力が除去されることにより、作業装置(ブーム)が回動しにくくなるおそれがある。
これに対し、第1の実施の形態では、ブームシリンダ15,16の推力の変動速度が負の場合に、ブームシリンダ15,16の推力を補うための補正流量を加味して油圧ポンプ23の容量を制御する構成としている。そこで、次に、このような油圧ポンプ23の容量を制御するための構成について説明する。
回転センサ33は、エンジン22の回転数(回転速度)を検出するもので、該回転センサ33は、本発明による回転数検出手段(回転速度検出手段)を構成している。回転センサ33は、信号線34を介して後述のコントローラ45と接続されており、回転センサ33は、検出した回転数に対応する検出信号を、コントローラ45に出力する。コントローラ45は、例えば、エンジン22の回転数と油圧ポンプ23の容量との積から該油圧ポンプ23の吐出流量を算出することができる。
この場合、油圧ポンプ23の吐出流量は、ブームシリンダ15,16の伸縮速度(伸長速度,縮小速度)を決定する。即ち、油圧ポンプ23の吐出流量が大きい程、ブームシリンダ15,16の伸長,伸縮が速くなり、油圧ポンプの吐出流量が小さい程、ブームシリンダの伸長,伸縮が遅くなる。後述するように、コントローラ45は、油圧ポンプ23から吐出すべき流量となる吐出流量(後述の最終流量Q3)を算出すると共に、その吐出流量をエンジン22の回転数で除することにより、油圧ポンプ23の目標容量を算出する。
圧力センサ35は、ブームシリンダ15,16を動作させるための作業用操作レバー8Aの操作量、即ち、ブーム用方向制御弁25の操作量(切換信号量)を検出するもので、該圧力センサ35は、本発明による操作量検出手段を構成している。より具体的には、圧力センサ35は、ブーム上げ操作量、即ち、ブーム12を反自重方向となる上方に回動させるための操作の程度(度合い)を検出するものである。このために、圧力センサ35は、ブーム用方向制御弁25を切換位置(A)に切換えるための一方の油圧パイロット部25Aにパイロット圧(切換信号)を供給する一方のパイロット管路31に設けられている。
圧力センサ35は、一方のパイロット管路31のパイロット圧を、ブーム上げ操作量C1として検出する。圧力センサ35は、信号線36を介してコントローラ45に接続されており、圧力センサ35は、検出したパイロット圧(ブーム上げ操作量)に対応する検出信号を、コントローラ45に出力する。コントローラ45は、後述するように、ブーム上げ操作量(パイロット圧)C1に基づいて、ブームシリンダ15,16が操作されているか否かを判定すると共に(後述する図3のステップ3)、油圧ポンプ23の目標基準流量Q1を算出する(図3のステップ4)。
ボトム側圧力センサ37は、ボトム側管路29に設けられ、該ボトム側圧力センサ37は、本発明による圧力検出手段を構成している。ロッド側圧力センサ38は、ロッド側管路30に設けられ、該ロッド側圧力センサ38は、本発明による圧力検出手段を構成している。ボトム側圧力センサ37は、ボトム側管路29の圧力を検出することにより、ブームシリンダ15,16のボトム側油室15C,16Cの圧力、即ち、ボトム側圧力を検出する。なお、ボトム側圧力はヘッド側圧力と呼ぶこともあるため、ボトム側圧力センサはヘッド側圧力センサとも呼ぶこともできるが、以下の説明は、ボトム側圧力センサとして述べる。一方、ロッド側圧力センサ38は、ロッド側管路30の圧力を検出することにより、ブームシリンダ15,16のロッド側油室15D,16Dの圧力、即ち、ロッド側圧力を検出する。
ボトム側圧力センサ37は、信号線39を介してコントローラ45に接続されており、ボトム側圧力センサ37は、検出したボトム側圧(ボトム側圧力)に対応する検出信号を、コントローラ45に出力する。ロッド側圧力センサ38は、信号線40を介してコントローラ45に接続されており、ロッド側圧力センサ38は、検出したロッド側圧(ロッド側圧力)に対応する検出信号を、コントローラ45に出力する。後述するように、コントローラ45は、ボトム側圧とロッド側圧とに基づいて、ブームシリンダ15,16の推力Fを算出すると共に(図3のステップ8)、ブームシリンダ15,16の推力Fの変動速度Vを算出する(図3のステップ9)。
圧力センサ41,42は、ブームシリンダ15,16以外の油圧アクチュエータ(例えば、アームシリンダ17、バケットシリンダ18、図示しない旋回用の油圧モータ等)を動作させるための作業用操作レバー8Aの操作量を検出するものであり、該圧力センサ41,42は、作業用操作レバー8Aの操作量を検出する操作量検出センサの一例である。即ち、圧力センサ41,42は、ブームシリンダ15,16以外の油圧アクチュエータに対する圧油の供給と排出を制御する方向制御弁(例えば、図示しないアーム用方向制御弁、バケット用方向制御弁、旋回用方向制御弁等)の操作量を検出するものである。
これら圧力センサ41,42も、圧力センサ35と同様に、信号線43,44を介してコントローラ45に接続されており、圧力センサ41,42は、検出した操作量(例えばパイロット圧)に対応する検出信号を、コントローラ45に出力する。コントローラ45は、後述するように、操作量(パイロット圧)C2に基づいて、ブームシリンダ15,16以外の油圧アクチュエータが操作されているか否かを判定する(図3のステップ6)。
なお、図2では、図面の複雑化を避けるために、ブーム用方向制御弁25と作業用操作レバー8A,8B以外の方向制御弁およびこれを操作する操作手段(例えば走行用方向制御弁およびこれを操作する走行用レバー・ペダル等)の図示を省略している。ただし、コントローラ45には、ブームシリンダ15,16以外の油圧アクチュエータが操作されたか否かを判定できるように、図示しない操作手段(例えば走行用レバー・ペダル等)の操作量を検出する操作量検出手段(例えば走行用方向制御弁の操作量を検出する操作量検出センサ等)も接続されている。
コントローラ45は油圧ポンプ23の容量制御を行う、より具体的には、油圧ポンプ23の容量可変機構23Bを制御することにより油圧ポンプ23の容量を調整するものである。コントローラ45は、例えばマイクロコンピュータ等を含んで構成され、その入力側は、回転センサ33、圧力センサ35,37,38,41,42等に接続されている。コントローラ45の出力側は、油圧ポンプ23の容量可変機構23Bに接続されている。コントローラ45は、ROM,RAM等からなる記憶部(図示せず)を有し、この記憶部には、後述の図3に示す容量制御用の処理プログラム、後述の図4に示すブーム上げ操作量C1に応じて目標基準流量Q1を決定するためのテーブル、マップ等が格納(記憶)されている。
ここで、コントローラ45は、目標基準流量算出手段(図3のステップ4)と、推力変動速度算出手段(図3のステップ9)と、目標容量算出手段(図3のステップ10,11,12,13)とを有している。図3のステップ4に対応する目標基準流量算出手段は、一方の作業用操作レバー8Aの操作量(ブーム用方向制御弁25の操作量)を検出する圧力センサ35の検出値、即ち、ブーム上げ操作量C1に応じて、油圧ポンプ23の目標基準流量Q1を算出するものである。この場合、目標基準流量Q1は、例えば図4に示すブーム上げ操作量C1と目標基準流量Q1との関係に基づいて算出することができる。
図3のステップ9に対応する推力変動速度算出手段は、ブームシリンダ15,16のボトム側圧力(ボトム側圧)を検出するボトム側圧力センサ37とロッド側圧力(ロッド側圧)を検出するロッド側圧力センサ38の検出値に基づいて、ブームシリンダ15,16の推力Fの変動速度Vを算出するものである。ここで、ブームシリンダ15,16の推力Fは、ボトム側の受圧面積をAbとし、ロッド側の受圧面積をArとし、ロッド15E,16Eが伸びる方向を正とした場合に、下記の数1式により算出することができる。
この場合、Ab、Arは既知の値として予め設定しておくことができる。そして、ブームシリンダ15,16の推力Fの変動速度Vは、例えば推力Fの時間微分等により算出することができる。この場合、変動速度Vは、推力Fが減少する方向が負となるように正負(符号)を予め設定しておく。なお、ロッド側圧を無視できる場合は、推力Fをボトム側圧とすることができ、この場合の推力Fの変動速度Vは、ボトム側圧の変動速度とすることができる。
図3のステップ10,11,12,13に対応する目標容量算出手段は、推力Fの変動速度Vが負の場合に、該変動速度Vに比例した補正流量Q2を算出し、該補正流量Q2と、目標基準流量算出手段により算出された目標基準流量Q1と、回転センサ33の検出値(エンジン22の回転数)とに基づいて、油圧ポンプ23の目標容量を算出するものである。この場合、目標容量算出手段は、目標基準流量Q1と補正流量Q2とを加算した合計流量となる最終流量Q3と、回転センサ33により検出されるエンジン22の回転数とに基づいて、より具体的には、最終流量Q3を回転数で除することにより、油圧ポンプ23の目標容量を算出する。コントローラ45は、目標容量算出手段により算出された目標容量となるように、油圧ポンプ23の容量可変機構23Bを制御する。
ここで、補正流量Q2は、目標基準流量Q1に対してブームシリンダ15,16の推力Fを補う(不足する推力Fを補う)ためのものである。そして、ブームシリンダ15,16の推力Fの変動速度Vが負の場合に、油圧ポンプ23の容量(目標容量)は、目標基準流量Q1に補正流量Q2が加味されたものとなる。これにより、ブームシリンダ15,16が急動作したときのボトム側圧の振動を抑制(減衰)することができる。このようなコントローラ45で行われる油圧ポンプ23の容量の制御処理に関しては、後で詳しく述べる。
第1の実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
まず、オペレータは、キャブ5に搭乗し、左,右の走行レバー・ペダル(図示せず)を操作することにより、下部走行体2を前進または後退させることができる。一方、キャブ5内のオペレータは、左,右の作業用操作レバー8A,8Bを操作することにより、作業装置11を回動(俯仰動)させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
この場合に、例えば、作業装置11の一部が接地した状態から急激なブーム上げ動作(ブーム12を上方に回動させる動作)を行うと、図5に二点鎖線の特性線51で示すように、ブームシリンダ15,16のボトム側油室15C,16C内の作動油の圧力が振動的になる。そこで、第1の実施の形態では、コントローラ45により、ブームシリンダ15,16の推力Fの変動速度Vが負の場合に、ブームシリンダ15,16の推力Fを補うための補正流量Q2を加味して油圧ポンプ23の容量制御を行う。このようなコントローラ45で行われる油圧ポンプ23の制御処理について、図3を参照しつつ説明する。なお、図3の処理は、例えば、コントローラ45に通電している間、所定の制御周期で繰り返し実行される。
エンジン22の始動等により図3の処理動作がスタートすると、ステップ1では、回転センサ33によりエンジン22の回転数(=エンジン回転数)を検出する。続くステップ2では、ブーム上げ操作量C1を検出する。このブーム上げ操作量C1の検出は、例えば、ブーム用方向制御弁25の操作量(切換信号量)、より具体的には、ブーム用方向制御弁25を切換位置(A)に切換えるためのパイロット圧(切換信号)を圧力センサ35で検出することにより行うことができる。
続くステップ3では、ブーム上げ操作量C1がON、即ち、ブーム上げ操作量C1が零よりも大きい(C1>0)か否かを判定する。ステップ3で、「NO」、即ち、ブーム上げ操作量C1が零である(C1=0)と判定された場合は、ブーム上げ操作が行われていないと判定できる。この場合には、リターンを介してスタートに戻り、ステップ1以降の処理を繰り返す。
一方、ステップ3で、「YES」、即ち、ブーム上げ操作量C1が零よりも大きい(C1>0)と判定された場合は、ブーム上げ操作が行われていると判定できる。この場合は、ステップ4に進み、ブーム上げ操作量C1から目標基準流量Q1を算出する。具体的には、予め設定した図4に示すテーブル(マップ)、即ち、ブーム上げ操作量C1と目標基準流量Q1との関係を参照し、そのときのブーム上げ操作量C1に基づいて目標基準流量Q1を求める(算出する)ことができる。
ステップ4に続くステップ5では、ブームシリンダ15,16以外の油圧アクチュエータ(例えば、アームシリンダ17、バケットシリンダ18、図示しない旋回用の油圧モータ等)の操作量C2を検出する。ブームシリンダ15,16以外の油圧アクチュエータの操作量C2は、例えば、作業用操作レバー8Aの操作量を検出する圧力センサ41,42、その他、図示を省略した走行用レバー・ペダル等の操作量を検出する操作量検出センサ等により検出することができる。
続くステップ6では、ブームシリンダ15,16以外の油圧アクチュエータの操作量C2がOFFであるか否か、例えば、操作量C2が零である(C2=0)か否かを判定する。ステップ6で、「NO」、即ち、操作量C2がON(例えば、C2>0)であると判定された場合は、ブームシリンダ15,16以外の油圧アクチュエータの操作が行われていると判定できる。この場合には、リターンを介してスタートに戻り、ステップ1以降の処理を繰り返す。
一方、ステップ6で、「YES」、即ち、操作量C2がOFF(例えば、C2=0)であると判定された場合は、ブームシリンダ15,16以外の油圧アクチュエータの操作が行われていないと判定できる。この場合、ステップ7に進み、ブームシリンダ15,16のボトム側圧とロッド側圧を検出する。この検出は、ボトム側圧力センサ37とロッド側圧力センサ38とにより行うことができる。
ステップ7に続くステップ8では、ブームシリンダ15,16のボトム側圧とロッド側圧に基づいて、ブームシリンダ15,16の推力Fを算出する。推力Fは、上述の数1式により算出することができる。なお、ロッド側圧を無視できる場合は、推力Fをボトム側圧とすることができる。
ステップ8で推力Fを算出したら、ステップ9で、ブームシリンダ15,16の推力Fの変動速度V(=推力変動速度V)を算出する。推力変動速度Vは、推力Fを時間微分等することにより算出することができる。この場合、推力変動速度Vは、推力Fが減少する方向が負となるように正負(符号)を予め設定しておく。なお、ロッド側圧を無視できる場合は、推力変動速度Vをボトム側圧の変動速度とすることができる。
ステップ9で推力変動速度Vを算出したら、ステップ10で、推力変動速度Vが負である(V<0)か否かを判定する。ステップ10で、「YES」、即ち、推力変動速度Vが負である(V<0)と判定された場合は、ステップ11に進み、補正流量Q2の算出を行う。このように、第1の実施の形態では、推力Fが減少する場合、即ち、推力変動速度Vが負になる場合にのみ、油圧ポンプ23の吐出流量の補正をすることから、ステップ10で「YES」と判定された場合に、目標基準流量Q1に対する補正流量Q2の算出(演算)に移行する。
補正流量Q2の算出は、予め設定した一定量のゲインiに推力変動速度Vを乗じた計算式で行うことができる。このときの推力変動速度Vは負であるため、マイナス符号を乗じる必要がある。即ち、補正流量Q2は、下記の数2式より算出することができる。
ステップ11で補正流量Q2を算出したら、続くステップ12で、油圧ポンプ23で吐出すべき流量(目標吐出流量)となる最終流量Q3を算出する。最終流量Q3は、ステップ4で求めた目標基準流量Q1にステップ11で算出した補正流量Q2を加算することにより算出することができる。即ち、最終流量Q3は下記の数3式により算出することができる。
ステップ12で最終流量Q3を算出したら、続くステップ13で、油圧ポンプ23の目標容量を算出する。油圧ポンプ23の目標容量は、最終流量Q3をステップ1で検出したエンジン回転数で除することにより算出することができる。コントローラ45は、ステップ13で算出された目標容量となるように、油圧ポンプ23の容量可変機構23Bを制御する。そして、リターンを介してスタートに戻り、ステップ1以降の処理を繰り返す。
一方、ステップ10で、「NO」、即ち、推力変動速度Vが負でない(V≧0)と判定された場合は、リターンを介してスタートに戻り、ステップ1以降の処理を繰り返す。即ち、この場合は、油圧ポンプ23の容量の補正は行わず、例えば、コントローラ45は、油圧ポンプ23の容量を目標基準流量Q1(とエンジン22の回転数と)に基づいて算出し、この算出された容量となるように油圧ポンプ23の容量可変機構23Bを制御する。この理由は、例えば、推力変動速度Vが正のときに、ブームシリンダ15,16の圧力振動を抑制すべく、ブームシリンダ15,16の推力Fを減少させるような補正を行うと、即ち、推力Fを減少させる補正流量を加味して油圧ポンプ23の容量を制御すると、ブーム12が回動しない、もしくは、ブーム12の初速が遅くなるおそれがあるためである。
かくして、第1の実施の形態によれば、ブームシリンダ15,16の急動作に伴うボトム側圧の振動を抑制することと作業装置11のブーム12の動作初期の速度(初速)を確保することとを両立でき、作業装置11(ブーム12)の操作性を向上することができる。特に、作業装置11の一部が接地した状態(保持圧が零の状態)からブーム12の上げ動作(ブーム12を反自重方向となる上方に回動させる動作)を行ったときに、ブーム12の振動の抑制と回動初速の確保との両立を高い水準で行うことができる。
即ち、油圧ポンプ23の容量可変機構23Bを制御するコントローラ45は、ステップ10の処理により、ブームシリンダ15,16の推力変動速度Vが負と判定された場合は、ステップ11,12,13の処理により、油圧ポンプ23の目標容量の算出を、目標基準流量Q1だけでなく、ブームシリンダ15,16の推力変動速度Vに比例した補正流量Q2も用いて行う。これにより、ブームシリンダ15,16の推力変動速度Vが負の場合は、油圧ポンプ23の容量の制御を、目標基準流量Q1に対してブームシリンダ15,16の推力Fを補う(不足する推力Fを補う)ための補正流量Q2を加味したものにできる。
即ち、図5に示すように、ブーム12の上げ動作中に、推力変動速度Vが負(=dF/dt<0)になる場合にのみ、目標基準流量Q1に補正流量Q2が加えられることにより、ブームシリンダ15,16の推力Fの不足を補うことができる。この結果、図5に実線の特性線52で示すように、ブームシリンダ15,16が急動作したときのボトム側圧の振動を抑制(減衰)することができる。即ち、流量の補正を行わない構成と比較して、ボトム側圧をより早く保持圧に収束させることができる。
しかも、ボトム側圧の振動を抑制するための補正流量Q2は、ブームシリンダ15,16の推力変動速度Vが負(V<0)の場合は加味されるが、推力変動速度Vが正(変動速度>0)の場合は加味されない。即ち、油圧ポンプ23の容量の制御に、ブームシリンダ15,16の推力Fを減少させるための補正流量が加味されることがない(補正流量は0となる)。要するに、推力変動速度Vが正(変動速度>0)の場合は、油圧ポンプの吐出流量を減少させる作用は生じないため、ブーム上げ動作開始直後においては、保持圧以上のボトム側圧を確保することができる。これにより、作業装置11のブーム12の動作初期にブームシリンダ15,16の推力Fが低下することを抑制することができ、作業装置11(ブーム12)の初速(回動初速)を確保することができる。例えば、ボトム側圧と作業装置の自重等によって加わる保持圧との偏差に応じた補正流量を加味して油圧ポンプの容量を制御する(保持推力と現推力の偏差でフィードバックする)構成と比較して、作業装置11の初速を向上することができる。
第1の実施の形態によれば、油圧ポンプ23の目標容量を、目標基準流量Q1と補正流量Q2とを加算した合計流量(最終流量Q3)を用いて算出する。これにより、1の油圧ポンプ23により構成される油圧システム(油圧回路21)で、ブームシリンダ15,16の振動の抑制と作業装置11(ブーム12)の初速の確保とを両立できる。
第1の実施の形態によれば、ステップ10によりブームシリンダ15,16の推力変動速度Vが負と判定された場合に、ステップ11で補正流量Q2を算出する構成としている。これにより、補正流量Q2を常に算出する構成、例えば、ステップ10の前にステップ11(ないしステップ13)を設ける構成と比較して、コントローラ45の処理の軽減化を図ることができる。
なお、第1の実施の形態では、図3のステップ4の処理が本発明の構成要件である目標基準流量算出手段の具体例を示し、図3のステップ9の処理が本発明の構成要件である推力変動速度算出手段の具体例を示し、図3のステップ10ないしステップ13の処理が本発明の構成要件である目標容量算出手段の具体例を示している。
次に、図6および図7は本発明の第2の実施の形態を示している。第2の実施の形態の特徴は、油圧シリンダ(ブームシリンダ)を2つの油圧ポンプと2つの方向制御弁(ブーム用方向制御弁)により駆動(伸長,縮小)する構成としたことにある。即ち、上述した第1の実施の形態が、1つの油圧ポンプと1つの方向制御弁(ブーム用方向制御弁)とを備えた構成としているのに対して、第2の実施の形態では、2つの油圧ポンプと2つの方向制御弁(ブーム用方向制御弁)とを備えた構成としている。なお、第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図6において、第2の油圧ポンプ61は、第1の油圧ポンプとしての油圧ポンプ23に追加して油圧回路21に設けられたものである。第2の油圧ポンプ61は、作動油タンク24内の作動油(油)を昇圧して第2のブーム用方向制御弁62に向けて吐出するものである。なお、図6も、図2と同様に、ブーム用方向制御弁25以外の方向制御弁を省略して示している。
第2の油圧ポンプ61は、油圧ポンプ23と同様に、斜板式、ラジアルピストン式または斜軸式の可変容量型油圧ポンプとして構成され、容量可変部61Aと、容量可変機構61Bとを有している。容量可変機構61Bは、後述のコントローラ70の指令に基づいて容量可変部61Aを駆動(傾転駆動)する。第2の実施の形態では、油圧ポンプ23によりブーム上げ動作を積極的に行い、第2の油圧ポンプ61により少流量または最低流量でブームシリンダ15,16のボトム側油室15C,16Cに圧油を供給する構成となっている。この場合、目標基準流量Q1の制御を油圧ポンプ23で行い、補正流量Q2の制御を第2の油圧ポンプ61で行う(目標基準流量Q1と補正流量Q2の制御を並列に行う)。
第2のブーム用方向制御弁62は、第1の方向制御弁としてのブーム用方向制御弁25に追加して油圧回路21に設けられたもので、該第2のブーム用方向制御弁62は、本発明の第2の方向制御弁を構成している。第2のブーム用方向制御弁62は、第2の油圧ポンプ61とブームシリンダ15,16との間に設けられている。第2のブーム用方向制御弁62は、ブーム用方向制御弁25と同様に、ブームシリンダ15,16に対する圧油の供給,排出を制御するもので、例えば6ポート3位置の油圧パイロット式方向制御弁により構成されている。第2のブーム用方向制御弁62は、吐出管路63を介して第2の油圧ポンプ61と接続され、センタバイパス管路64、戻り管路65を介して作動油タンク24と接続されている。
また、第2のブーム用方向制御弁62は、ボトム側管路29にボトム側接続管路66を介して接続されている。また、第2のブーム用方向制御弁62は、ロッド側管路30にロッド側接続管路67を介して接続されている。
第2のブーム用方向制御弁62も、ブーム用方向制御弁25と同様に、操作手段としての作業用操作レバー8Aにより操作(切換え操作)される。このために、第2のブーム用方向制御弁62の両端側には、一対の油圧パイロット部62A,62Bが設けられている。油圧パイロット部62A,62Bは、それぞれパイロット接続管路68,69を介してパイロット管路31,32に接続されており、作業用操作レバー8Aの操作に基づくパイロット圧(切換信号)が供給される。
コントローラ70は、油圧ポンプ23および第2の油圧ポンプ61の容量制御を行う、より具体的には、油圧ポンプ23の容量可変機構23Bおよび第2の油圧ポンプ61の容量可変機構61Bを制御することにより油圧ポンプ23および第2の油圧ポンプ61の容量を調整するものである。コントローラ70は、第1の実施の形態のコントローラ45と同様に、例えばマイクロコンピュータ等を含んで構成され、その入力側は、回転センサ33、圧力センサ35,37,38,41,42等に接続されている。一方、コントローラ70の出力側は、油圧ポンプ23の容量可変機構23Bに加えて、第2の油圧ポンプ61の容量可変機構61Bにも接続されている。
コントローラ70は、第1の実施の形態のコントローラ45と同様に、目標基準流量Q1を算出する目標基準流量算出手段(図7のステップ24)と、ブームシリンダ15,16の推力Fの変動速度V(=推力変動速度V)を算出する推力変動速度算出手段(図7のステップ30)と、油圧ポンプ23および第2の油圧ポンプ61の目標容量を算出する目標容量算出手段(図7のステップ25,31,32,33)とを有している。この場合に、目標容量算出手段は、目標基準流量Q1と、回転センサ33の検出値(エンジン22の回転数)とに基づいて、油圧ポンプ23の目標容量を算出する第1の目標容量算出手段(図7のステップ25)と、推力変動速度Vに比例した補正流量Q2と、回転センサ33により検出されたエンジン22の回転数とに基づいて、第2の油圧ポンプ61の目標容量を算出する第2の目標容量算出手段(図7のステップ31,32,33)とを有している。コントローラ70は、第1の目標容量算出手段により算出された目標容量となるように、油圧ポンプ23の容量可変機構23Bを制御し、第2の目標容量算出手段により算出された目標容量となるように、第2の油圧ポンプ61の容量可変機構61Bを制御する。
コントローラ70で行われる油圧ポンプ23および第2の油圧ポンプ61の制御処理について、図7を参照しつつ説明する。図7のステップ21からステップ23の処理は、図3のステップ1からステップ3の処理と同様である。
ステップ23で、「YES」、即ち、ブーム上げ操作量C1が零よりも大きい(C1>0)と判定された場合は、ステップ24およびステップ26に進む。ステップ24では、図3のステップ4と同様に、ブーム上げ操作量C1から例えば図4のテーブル(マップ)を用いて目標基準流量Q1を求める。ステップ24に続くステップ25では、油圧ポンプ23の目標容量を算出する。この場合、油圧ポンプ23の目標容量は、例えば、目標基準流量Q1をステップ21で検出したエンジン回転数で除することにより算出することができる。コントローラ70は、ステップ25で算出された目標容量となるように、油圧ポンプ23の容量可変機構23Bを制御する。そして、リターンを介してスタートに戻り、ステップ21以降の処理を繰り返す。
一方、ステップ26では、図3のステップ5と同様に、ブームシリンダ15,16以外の油圧アクチュエータの操作量C2を検出する。ステップ26からステップ32までの処理は、図3のステップ5からステップ11の処理と同様である。ステップ32で補正流量Q2を算出したら、ステップ33で第2の油圧ポンプ61の目標容量を算出する。この場合、第2の油圧ポンプ61の目標容量は、例えば、補正流量Q2をステップ21で検出したエンジン回転数で除することにより算出することができる。コントローラ70は、ステップ33で算出された目標容量となるように、第2の油圧ポンプ61の容量可変機構61Bを制御する。そして、リターンを介してスタートに戻り、ステップ21以降の処理を繰り返す。
第2の実施の形態は、上述の如きコントローラ70により油圧ポンプ23と第2の油圧ポンプ61の容量制御を行うもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
特に、第2の実施の形態は、油圧ポンプ23の容量を目標基準流量Q1に応じたものにでき、第2の油圧ポンプ61の容量を補正流量Q2に応じたものにできる。これにより、2つの油圧ポンプ23,61により構成される油圧システム(油圧回路21)で、ブームシリンダ15,16の振動の抑制と作業装置11(ブーム12)の初速の確保とを両立できる。
なお、第2の実施の形態では、図7のステップ24の処理が本発明の構成要件である目標基準流量算出手段の具体例を示し、図7のステップ30の処理が本発明の構成要件である推力変動速度算出手段の具体例を示し、図7のステップ25,31,32,33の処理が本発明の構成要件である目標容量算出手段の具体例を示している。この場合に、図7のステップ25の処理が本発明の構成要件である第1の目標容量算出手段の具体例を示し、図7のステップ31,32,33の処理が本発明の構成要件である第2の目標容量算出手段の具体例を示している。
次に、図8ないし図11は本発明の第3の実施の形態を示している。第3の実施の形態の特徴は、油圧シリンダのストローク量に基づいて補正流量を調整する構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図8において、ストロークセンサ71は、ブームシリンダ15のストローク量を検出するもので、該ストロークセンサ71は、本発明によるストローク検出手段を構成している。ストロークセンサ71は、信号線72を介して後述のコントローラ73と接続されており、ストロークセンサ71は、検出したブームシリンダ15のストローク量に対応する検出信号を、コントローラ73に出力する。コントローラ73は、例えば、ブームシリンダ15のストローク量(=ブームシリンダ16のストローク量)に基づいて、補正流量Q2を調整する。
なお、左,右のブームシリンダ15,16のストローク量は互いに対応するため、図8では、一方のブームシリンダ15のストローク量を検出する構成としている。図示は省略するが、左,右のブームシリンダ15,16の両方のストローク量を検出する構成としてもよい。
コントローラ73は、油圧ポンプ23の容量制御を行う(容量可変機構23Bを制御する)ものである。コントローラ73は、第1の実施の形態のコントローラ45と同様に、例えばマイクロコンピュータ等を含んで構成されている。コントローラ73の入力側は、回転センサ33、圧力センサ35,37,38,41,42に加え、ストロークセンサ71に接続されている。一方、コントローラ70の出力側は、油圧ポンプ23の容量可変機構23Bに接続されている。
コントローラ73は、第1の実施の形態のコントローラ45と同様に、目標基準流量Q1を算出する目標基準流量算出手段(図9のステップ44)と、ブームシリンダ15,16の推力Fの変動速度V(=推力変動速度V)を算出する推力変動速度算出手段(図9のステップ49)と、油圧ポンプ23の目標容量を算出する目標容量算出手段(図9のステップ50〜56)とを有している。この場合に、目標容量算出手段は、補正流量Q2をブームシリンダ15(16)のストローク量xに基づいて調整する構成としている(図9のステップ51〜54)。
より具体的には、目標容量算出手段は、ストロークセンサ71の検出値に基づいて油圧ポンプ23からブームシリンダ15,16のボトム側油室15C,16C内までの作動油の体積を算出する(図9のステップ52)。これに加えて、目標容量算出手段は、その体積と対応する(相関関係を有する)ブームシリンダ15(16)のストローク量xに基づいて、補正流量Q2を調整する(図9のステップ54)。
即ち、第3の実施の形態は、第1の実施の形態でのゲインiを、油圧ポンプ23とボトム側油室15C,16Cの間における油(作動油)の体積(に対応するストローク量x)で補正する構成としている。ここで、油圧ポンプ23とボトム側油室15C,16Cの間における作動油の体積、油圧ポンプ23の吐出流量、ブームシリンダ15,16の推力等の関係について、図10を参照しつつ説明する。
図10は、時刻t=nにおけるブームシリンダ15(16)のストローク量x(n)と、ブームシリンダ15(16)の伸縮速度(変位速度)vx(n)と、ブームシリンダ15(16)の推力F(n)を示している。ここで、時刻t=nにおけるブームシリンダ15(16)の推力F(n)と、時刻t=n−Δtにおける推力F(n−Δt)との関係は、下記の数4式として表せる。この場合、ブームシリンダ15(16)のボトム側受圧面積をAbとし、時刻t=nにおけるボトム側圧をPb(n)としている。また、ロッド側圧は零とし、Δtが微小であるとする。
ここで、「dPb(n)/dt×Δt」は、時刻t=n−Δtからt=nの間に変動したボトム側圧を近似的に表している。この場合、作動油の体積弾性係数をKとし、ブームシリンダ15(16)の最縮小状態での油圧ポンプ23とボトム側油室15C(16C)の間における作動油の体積をV0とし、時刻t=nにおける油圧ポンプ23の吐出流量をQp(n)とすると、「dPb(n)/dt」は、下記の数5式で求めることができる。
数5式における「V0+x(n)×Ab」は、時刻t=nにおける油圧ポンプ23とボトム側油室15C(16C)間の体積を示しており、「Qp(n)−Ab×vx(n)」は、油圧ポンプ23の吐出流量とボトム側油室15C(16C)の流入流量の差を示している。
そして、数4式と数5式により、「dPb(n)/dt」を消去して、時刻t=n−Δtからt=nの間における推力変動速度「{F(n)−F(n−Δt)}/Δt」について整理すると、下記の数6式となる。
数6式より、「V0+x(n)×Ab」が大きい程、即ち、ブームシリンダ15(16)のストローク量x(n)が大きい(伸びる)程、推力変動速度Vは小さくなることが分かる。これは、油圧回路外からの影響、例えば、車体慣性等の影響によりブームシリンダ15(16)の推力Fが振動した場合、ストローク量x(n)が大きい程、振動の抑制効果が低くなることを意味する。
そこで、第3の実施の形態では、「V0+x(n)×Ab」、即ち、油圧ポンプ23とボトム側油室15C,16Cとの間における油(作動油)の体積を考慮して、補正流量Q2を調整(補正)する。この場合、補正流量Q2を調整は、補正流量Q2に補正係数ivを新たに乗じることで行う。具体的には、補正流量Q2は、下記の数7式により算出する。
次に、コントローラ73で行われる油圧ポンプ23の制御処理について、図9を参照しつつ説明する。図9のステップ41からステップ50の処理は、図3のステップ1からステップ10の処理の同様である。
ステップ50で、「YES」、即ち、推力変動速度Vが負である(V<0)と判定された場合は、ステップ51に進み、ストロークセンサ71により、ブームシリンダ15(16)のストローク量xを検出する。続く、ステップ52では、ストロークセンサ71の検出値に基づいて、油圧ポンプ23からブームシリンダ15,16のボトム側油室15C,16C内までの作動油の体積を算出する。具体的には、ストロークセンサ71により検出されたストローク量xと、最縮小状態での油圧ポンプ23とボトム側油室15C(16C)の間における作動油の体積V0と、ボトム側受圧面積をAbとに基づいて、現時点の油圧ポンプ23からブームシリンダ15,16のボトム側油室15C,16C内までの作動油の体積、即ち、「V0+x×Ab」を算出する。
続くステップ53では、ステップ52で算出した作動油の体積(より具体的には、体積と対応するストローク量x)に基づいて、補正流量Q2を調整するための補正係数ivを算出する。具体的には、予め設定した図11に示すテーブル(マップ)、即ち、ブームシリンダ15(16)のストローク量xと補正係数ivとの関係を参照し、そのときの体積「V0+x×Ab」に対応するストローク量xに基づいて、補正係数ivを求める(算出する)。
この場合、例えば、次のステップ54で補正流量Q2を算出するためのゲインiを、ブームシリンダ15(16)の最縮小状態で決定した場合、そのゲインiの補正係数ivは、「(V0+x×Ab)/V0」として算出することができる。そして、図11に示すように、横軸をストローク量x、縦軸を補正係数iv、即ち、「(V0+x×Ab)/V0」としたマップを予め作成しておくことで、ストローク量xに基づいて補正係数ivを求めることができる。なお、このようなストローク量xと補正係数ivとの関係から補正係数ivを求める場合は、体積の算出を省略してもよい(ステップ52を省略してもよい)。
ステップ53に続くステップ54では、補正流量Q2の算出を行う。補正流量Q2の算出(演算)は、上述の数7式より算出することができる。この場合に、補正流量Q2は、補正係数ivにより調整される。これにより、補正流量Q2を、油圧ポンプ23からブームシリンダ15,16のボトム側油室15C,16C内までの作動油の体積「V0+x×Ab」に応じた振動の抑制効果を加味したものとすることができる。
ステップ54で補正流量Q2の算出をしたら、続くステップ55では、図3のステップ12と同様に、油圧ポンプ12で吐出すべき流量(目標吐出流量)となる最終流量Q3を算出する。ステップ55で最終流量Q3を算出したら、続くステップ56では、図3のステップ13と同様に、油圧ポンプ23の目標容量を算出する。コントローラ73は、ステップ56で算出された目標容量となるように、油圧ポンプ23の容量可変機構23Bを制御する。そして、リターンを介してスタートに戻り、ステップ41以降の処理を繰り返す。
第3の実施の形態は、上述の如きコントローラ73により油圧ポンプ23の容量制御を行うもので、その基本的作用については、上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
特に、第3の実施の形態は、油圧ポンプ23からブームシリンダ15,16のボトム側油室15C,16C内までの油の体積に対応するブームシリンダ15(16)のストローク量xに基づいて補正流量Q2を調整するため、作動油の圧縮性に基づく推力応答性の低下を加味して油圧ポンプ23の容量を制御することができる。これにより、ブームシリンダ15(16)のストローク量xに拘わらず(ストローク量xが小さくても大きくても)、ブームシリンダ15,16の振動の抑制と作業装置11(ブーム12)の初速の確保との両立を高い水準で行うことができる。
第3の実施の形態では、ステップ50によりブームシリンダ15,16の推力変動速度Vが負と判定された場合に、ステップ51〜53で補正係数ivを求める構成としている。これにより、補正係数ivを常に算出する構成、例えば、ステップ50の前にステップ51〜53を設ける構成と比較して、コントローラ73の処理の軽減化を図ることができる。
なお、第3の実施の形態では、図9のステップ44の処理が本発明の構成要件である目標基準流量算出手段の具体例を示し、図9のステップ49の処理が本発明の構成要件である推力変動速度算出手段の具体例を示し、図9のステップ50〜56の処理が本発明の構成要件である目標容量算出手段の具体例を示している。
第3の実施の形態では、図11に示すように、ストローク量xと補正係数ivとの関係が比例関係(線形)の場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、図12に示す変形例のように、ストローク量xと補正係数ivとの関係を特性線Aのような曲線(非線形)とし、ブームシリンダ15,16のストローク量xに対して補正係数ivを意図的に微調整するようにしてもよい。
第1の実施の形態では、ブームシリンダ15,16の推力Fを前述の数1式に基づいて算出すると共に、その推力Fに基づいて推力変動速度Vを算出する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、ブームシリンダのロッド側圧を無視できる場合は、推力Fをボトム側圧とすると共に、推力変動速度Vをボトム側圧の変動速度としてもよい。このことは、第2の実施の形態、第3の実施の形態、変形例についても同様である。
第1の実施の形態では、ブーム用方向制御弁25の油圧パイロット部25A,25Bに作業用操作レバー8Aの操作に基づくパイロット圧が供給される構成とし、かつ、該パイロット圧を検出する圧力センサ35により作業用操作レバー8Aの操作量(ブーム用方向制御弁25の操作量)を検出する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、操作レバーの操作量を直接検出するレバーセンサ(変位センサ)により操作量検出手段を構成することもできる。即ち、操作量検出手段は、作業用操作レバーの操作量ないしブーム用方向制御弁の操作量(切換量)を検出できるものであれば、各種のセンサを用いることができる。
より詳しく説明すると、操作量検出手段は、作業用操作レバーの操作量ないしブーム用方向制御弁の操作量(切換量、切換信号量)を検出できるものであればよく、操作手段の構成やブーム用方向制御弁の構成に応じて、各種のセンサ、スイッチ等の検出器を用いることができる。また、検出器を用いなくても、例えば、操作手段やブーム用方向制御弁からその操作量に応じた信号がコントローラに入出力される構成の場合は、コントローラによりその信号から操作量を算出(検出)する構成とすることもできる。換言すれば、コントローラが操作量検出手段を兼ねた構成とすることもできる。このことは、例えば、ブームシリンダ15,16以外の油圧アクチュエータ(例えば、アームシリンダ17、バケットシリンダ18、図示しない旋回用の油圧モータ等)を動作させるための作業用操作レバー8Aの操作量を検出する圧力センサ41,42についても同様である。
各実施の形態および変形例は、ブームシリンダ15,16の推力変動速度Vに応じて該ブームシリンダ15,16に圧油を供給する油圧ポンプ23(ないし第2の油圧ポンプ61)の容量を制御する構成とした場合を例に挙げて説明した。即ち、各実施の形態は、油圧シリンダとしてのブームシリンダ15,16のボトム側圧の振動の抑制を図る構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、アームシリンダ、バケットシリンダ等のブームシリンダ以外の油圧シリンダに適用してもよい。
各実施の形態および変形例では、原動機としてのエンジン22により油圧ポンプ23を駆動する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、電動モータ(電動機)により油圧ポンプを駆動する構成としてもよい。
各実施の形態および変形例では、建設機械として、クローラ式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、ホイール式の油圧ショベルに適用してもよい。それ以外にも、油圧クレーン、ホイールローダ、フォークリフト等、各種の建設機械に広く適用することができる。