JP2015202790A - ハイブリッド自動車 - Google Patents
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Abstract
【課題】シフトポジションが後進走行用ポジションから前進走行用ポジションに変更されたときに、運転者に違和感を与えるのを抑制する。【解決手段】シフトポジションSPがDポジション,Rポジションのときにそれぞれ所定回転数Nm11,Nm12(Nm11<Nm12)をモータの上限回転数Nm1maxに設定し、モータの回転数Nm1が上限回転数Nm1maxに接近したときにモータの回転数Nm1の増加が抑制されるようモータを制御する回転数増加抑制制御を実行する。そして、シフトポジションSPのRポジションからDポジションへの変更(RD変更)が行なわれたときには、モータの動作点がRポジションのときの動作点からDポジションのときの動作点に移行するのに要する時間より長い時間を掛けて上限回転数Nm1maxを所定回転数Nm12から所定回転数Nm11に変化させる。【選択図】図2
Description
本発明は、ハイブリッド自動車に関し、詳しくは、エンジンと、第1モータと、車軸に連結された駆動軸とエンジンの出力軸と第1モータの回転軸とに3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、駆動軸に回転軸が接続された第2モータと、第1モータおよび第2モータと電力をやりとりするバッテリと、を備えるハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、エンジンと、第1モータと、車軸に連結された駆動軸とエンジンと第1モータとにリングギヤとキャリアとサンギヤとが接続されたプラネタリギヤと、駆動軸に接続された第2モータと、第1モータや第2モータと電力をやりとりするバッテリとを備えるハイブリッド自動車において、シフトポジションが後進走行用ポジションのときには、前進走行用ポジションのときの動作ラインより目標回転数が大きくなると共に目標トルクが小さくなる動作ラインとエンジン指令パワーとを用いてエンジンの運転ポイント(目標回転数および目標トルク)を設定してエンジンを制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、シフトポジションが後進走行用ポジションのときに、このようにして前進走行用ポジションのときより高回転数低トルク側の運転ポイントでエンジンを運転することにより、エンジンからプラネタリギヤを介して駆動軸に作用する前進方向のトルクを小さくして、後進方向の駆動トルクが小さくなるのを抑制している。
上述のハイブリッド自動車では、シフトポジションが後進走行用ポジションのときには、前進走行用ポジションのときより高回転数低トルク側の運転ポイントでエンジンを運転するから、エンジンや第1モータの回転数が大きくなりやすい。このため、第1モータの上限回転数を、後進走行用ポジションのときに、前進走行用ポジションのときより高い回転数とすることが考えられている。また、第1モータの回転数がシフトポジションに応じた上限回転数に近づいたときには、その回転数が上限回転数を超えるのを抑制するために、その回転数の増加を抑制する制御(回転数増加抑制制御)が行なわれるが、シフトポジションが後進走行用ポジションから前進走行用ポジションに変更されたときに、上限回転数の変更(低下)によって第1モータの回転数が上限回転数に接近してこの回転数増加抑制制御が行なわれてしまうと、運転者に違和感を与えることがある。
本発明のハイブリッド自動車は、シフトポジションが後進走行用ポジションから前進走行用ポジションに変更されたときに、運転者に違和感を与えるのを抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
エンジンと、第1モータと、車軸に連結された駆動軸と前記エンジンの出力軸と前記第1モータの回転軸とに3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、前記駆動軸に回転軸が接続された第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力をやりとりするバッテリと、シフトポジションが後進走行用ポジションのときに、前進走行用ポジションのときより高回転数低トルク側の動作点で前記エンジンが運転されながら走行するよう前記エンジンと前記第1モータと前記第2モータとを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御手段は、シフトポジションが後進走行用ポジションのときに前進走行用ポジションのときより高い回転数を前記第1モータの上限回転数に設定し、前記第1モータの回転数が前記上限回転数に接近したときには、前記第1モータの回転数の増加が抑制されるように該第1モータを制御する回転数増加抑制制御を実行する手段であり、
更に、前記制御手段は、シフトポジションが後進走行用ポジションから前進走行用ポジションに変更されたときには、前記第1モータの動作点がシフトポジションが後進走行用ポジションのときの動作点から前進走行用ポジションのときの動作点に移行するのに要する時間より長い時間を掛けて、前記第1モータの上限回転数をシフトポジションが後進走行用ポジションのときの回転数から前進走行用ポジションのときの回転数に変化させる手段である、
ことを特徴とする。
エンジンと、第1モータと、車軸に連結された駆動軸と前記エンジンの出力軸と前記第1モータの回転軸とに3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、前記駆動軸に回転軸が接続された第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力をやりとりするバッテリと、シフトポジションが後進走行用ポジションのときに、前進走行用ポジションのときより高回転数低トルク側の動作点で前記エンジンが運転されながら走行するよう前記エンジンと前記第1モータと前記第2モータとを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御手段は、シフトポジションが後進走行用ポジションのときに前進走行用ポジションのときより高い回転数を前記第1モータの上限回転数に設定し、前記第1モータの回転数が前記上限回転数に接近したときには、前記第1モータの回転数の増加が抑制されるように該第1モータを制御する回転数増加抑制制御を実行する手段であり、
更に、前記制御手段は、シフトポジションが後進走行用ポジションから前進走行用ポジションに変更されたときには、前記第1モータの動作点がシフトポジションが後進走行用ポジションのときの動作点から前進走行用ポジションのときの動作点に移行するのに要する時間より長い時間を掛けて、前記第1モータの上限回転数をシフトポジションが後進走行用ポジションのときの回転数から前進走行用ポジションのときの回転数に変化させる手段である、
ことを特徴とする。
この本発明のハイブリッド自動車では、シフトポジションが後進走行用ポジションのときには、前進走行用ポジションのときより高回転数低トルク側の動作点でエンジンが運転されながら走行するようエンジンと第1モータと第2モータとを制御する。そして、シフトポジションが後進走行用ポジションのときに前進走行用ポジションのときより高い回転数を第1モータの上限回転数に設定し、第1モータの回転数が上限回転数に接近したときには、第1モータの回転数の増加が抑制されるように第1モータを制御する回転数増加抑制制御を実行する。そして、シフトポジションが後進走行用ポジションから前進走行用ポジションに変更されたときには、第1モータの動作点がシフトポジションが後進走行用ポジションのときの動作点から前進走行用ポジションのときの動作点に移行するのに要する時間より長い時間を掛けて、第1モータの上限回転数をシフトポジションが後進走行用ポジションのときの回転数から前進走行用ポジションのときの回転数に変化させる。これにより、シフトポジションが後進走行用ポジションから前進走行用ポジションに変更されたときに、第1モータの回転数が上限回転数に近づく(回転数増加抑制制御の実行領域に入ってしまう)のを抑制することができ、上限回転数の変化に起因して回転数増加抑制制御が実行されるのを抑制することができる。この結果、この回転数増加抑制制御の実行によって運転者に違和感を与えるのを抑制することができる。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子(回転軸)がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子(回転軸)が駆動軸36に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子をスイッチング制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されてインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52と、車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。
エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力されており、エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための種々の制御信号が出力されている。エンジンECU24は、エンジン22のクランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてエンジン22の回転数Neを演算している。
モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号が入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力されている。モータECU40は、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサからのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力されている。バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、図示しない電流センサにより検出されたバッテリ50の充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算している。
HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力されている。HVECU70は、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信可能に接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。なお、実施例のハイブリッド自動車20では、シフトレバー81の操作位置(シフトポジションセンサ82により検出されるシフトポジションSP)としては、駐車時に用いる駐車ポジション(Pポジション),後進走行用のリバースポジション(Rポジション),中立のニュートラルポジション(Nポジション),前進走行用のドライブポジション(Dポジション)などがある。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、エンジン22の運転を伴って走行するハイブリッド走行モード(HV走行モード)やエンジン22の運転を停止して走行する電動走行モード(EV走行モード)で走行する。
HV走行モードでの走行時には、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される要求トルクTr*を設定し、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算し、計算した走行用パワーPdrv*からバッテリ50の蓄電割合SOCに基づく充放電要求パワーPb*を減じて車両に要求される要求パワーPe*を設定する。
そして、シフトポジションSPと要求パワーPe*とに基づいてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*を設定する。実施例では、シフトポジションSPがDポジションのときには、要求パワーPe*とエンジン22を効率よく動作させる動作ライン(例えば、燃費最適動作ラインなど)とに基づく回転数およびトルク(以下、この動作点を「燃費動作点」という)をエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*に設定するものとした。これは、エンジン22を効率よく運転するためである。また、シフトポジションSPがRポジションのときには、要求パワーPe*に基づいて燃費動作点より高回転数低トルク側の回転数およびトルク(以下、この動作点を「高回転数動作点」という)をエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*に設定するものとした。これは、バッテリ50の蓄電割合SOCの過度の低下を抑制すると共に、エンジン22からプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルク(車両が必要とする後進走行用のトルクとは反対方向のトルク、以下、「エンジン直達トルク」という)を小さくする(例えば、後進走行での登坂時の登坂性能を確保する)ためである。
次に、エンジン22の目標トルクTe*とプラネタリギヤ30のギヤ比ρ(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)とエンジン22の目標回転数Ne*と回転数Neとを用いて次式(1)によりモータMG1のトルク指令Tm1*の仮の値としての仮トルクTm1tmpを設定し、設定した仮トルクTm1tmpを上下限トルクTm1max,Tm1minで制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する。ここで、式(1)は、エンジン22を目標回転数Ne*で回転させるための回転数フィードバック制御における関係式であり、式(1)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。そして、式(2)に示すように、モータMG1から出力されてプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルク(−Tm1*/ρ)を要求トルクTr*から減じてモータMG2のトルク指令Tm2*の仮の値としての仮トルクTm2tmpを設定し、設定した仮トルクTm2tmpを上下限トルクTm2max,Tm2minで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する。なお、実施例では、モータMG1の下限トルクTm1minは、負側の定格トルク(−Tm1lim)を設定するものとし、モータMG2の上下限トルクTm2max,Tm2minは、正側,負側の定格トルクTm2lim,−Tm2limを設定するものとした。また、モータMG1の上限トルクTm1maxは、詳細は後述するが、基本的には正側の定格トルクTm1limを設定し、モータMG1の回転数Nm1がシフトポジションSPに応じた上限回転数Nm1maxに接近したときには定格トルクTm1limより小さなトルクを設定するものとした。
Tm1tmp=-ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Ne*-Ne)+k2∫(Ne*-Ne)dt (1)
Tm2tmp=Tr*+Tm1*/ρ (2)
Tm2tmp=Tr*+Tm1*/ρ (2)
そして、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*についてはエンジンECU24に送信し、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに基づいてエンジン22が運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
このHV走行モードでの走行時には、バッテリ50の蓄電割合SOCがバッテリ50の強制充電を必要とする閾値Sch(例えば40%など)より大きく要求パワーPe*が停止用閾値Pstop(例えば数kWなど)未満に至ったときなどに、エンジン22の停止条件が成立したと判定して、エンジン22の運転を停止してEV走行モードでの走行に移行する。
EV走行モードでの走行時には、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定し、値0をモータMG1の仮トルクTm1tmpに設定すると共に設定した仮トルクTm1tmpを上下限トルクTm1max,Tm1minで制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定し、上述の式(2)によりモータMG2の仮トルクTm2tmpを設定すると共に設定した仮トルクTm2tmpを上下限トルクTm2max,Tm2minで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
このEV走行モードでの走行時には、バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Sch以下のときや、ハイブリッド走行モードでの走行時と同様に計算した要求パワーPe*が停止用閾値Pstopよりマージンだけ大きな始動用閾値Pstart以上に至ったときなどに、エンジン22の始動条件が成立したと判定して、エンジン22を始動してHV走行モードでの走行に移行する。
ここで、モータMG1の上限トルクTm1maxの設定について説明する。まず、モータMG1の上限回転数Nm1maxについて説明し、その後、上限トルクTm1maxについて説明する。モータMG1の上限回転数Nm1maxは、シフトポジションSPがDポジションのときには、所定回転数Nm11(例えば、11800rpmや12000rpm,12200rpmなど)が設定され、シフトポジションSPがRポジションのときには、所定回転数Nm11より大きな所定回転数Nm12(例えば、12300rpmや12500rpm,12700rpmなど)が設定される。これは以下の理由による。実施例では、上述したように、シフトポジションSPがRポジションのときには、バッテリ50の蓄電割合SOCの過度の低下を抑制すると共にエンジン直達トルクを小さくする(例えば、後進走行での登坂時の登坂性能を確保する)ために、高回転数動作点をエンジン22の目標動作点に設定する。このため、シフトポジションSPがDポジションのときよりモータMG1の回転数Nm1が大きくなりやすい。一方、HV走行モードでの後進時に、登坂路を長距離(長時間)に亘って走行する(要求パワーPe*が長時間に亘って継続して大きくこれによりエンジン22やモータMG1の回転数Ne,Nm1が長時間に亘って大きい)ことは希であると考えられる。これらを踏まえて、実施例では、シフトポジションSPがRポジションのときには、Dポジションのときより上限回転数Nm1maxを大きくするものとした。これにより、HV走行モードで後進走行する際に、エンジン22やモータMG1の回転数Ne,Nm1がより大きくなるのを許容するから、エンジン22の出力パワーの低下を抑制することができ、バッテリ50の蓄電割合SOCの過度な低下を抑制することができ、登坂性能をより向上させる(登坂可能な距離をより長くする)ことができる。
次に、モータMG1の上限トルクTm1maxについて説明する。上限トルクTm1maxは、モータMG1の回転数Nm1がシフトポジションSPに応じた上限回転数Nm1max(所定回転数Nm11や所定回転数Nm12)より所定回転数α1(例えば、400rpmや500rpm,600rpmなど)だけ小さな回転数(Nm1max−α1)以下の領域では、モータMG1の正側の定格トルクTm1limが設定され、モータMG1の回転数Nm1が回転数(Nm1max−α1)より大きな領域では、回転数Nm1が大きいほど定格トルクTm1limから小さくなる傾向に設定される。特に、モータMG1の回転数Nm1が回転数(Nm1max−α1)と上限回転数Nm1maxとの間の回転数(Nm1max−α2)より大きい領域では、上限トルクTm1maxに負の値が設定される。実施例では、上述したように、この上限トルクTm1maxと負側の定格トルク(−Tm1lim)が設定された下限トルクTm1minとによって仮トルクTm1tmpを制限してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定するから、モータMG1のトルク指令Tm1*は、回転数Nm1が回転数(Nm1max−α2)より大きいときに、上限トルクTm1maxによって負の値に制限されることになる。このようにしてモータMG1から負のトルク(回転数Nm1を小さくする方向のトルク)を出力させることにより、モータMG1の回転数Nm1の増加を抑制する(上限回転数Nm1maxを超過するのを抑制する)ことができる。以下、この制御を回転数増加抑制制御という。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、後進走行中にシフトポジションSPのRポジションからDポジションへの変更(以下、「RD変更」という)が行なわれたときにモータMG1の上限回転数Nm1maxを所定回転数Nm12から所定回転数Nm11に変更する際の動作について説明する。実施例では、シフトポジションSPのRD変更が行なわれたときには、モータMG1の上限回転数Nm1maxを所定回転数Nm12から所定回転数Nm11に比較的小さいレートRnで(緩やかに)変化させるものとした。上述したように、HV走行モード時において、エンジン22は、シフトポジションSPがDポジション,Rポジションのときにそれぞれ燃費動作点,高回転数動作点で運転されるから、モータMG1は、燃費動作点に応じた燃費対応動作点または高回転数動作点に応じた高回転数対応動作点で駆動される。したがって、レートRnは、シフトポジションSPのRD変更に応じてモータMG1の動作点が高回転数対応動作点から燃費対応動作点に変化するのに要する時間より若干長い時間として予め定められた時間(例えば、500msecや700msecなど)を掛けて上限回転数Nm1maxを所定回転数Nm12から所定回転数Nm11に変化させる値が設定されるものとした。これにより、シフトポジションSPのRD変更に応じた上限回転数Nm1maxの変更(低下)によって回転数Nm1が上限回転数Nm1maxに接近する(回転数(Nm1max−α2)より大きくなる)のを抑制することができ、上限回転数Nm1maxの変化に起因して回転数増加抑制制御が行なわれるのを抑制することができる。この結果、回転数増加制御の実行によってエンジン22やモータMG1のトルクや回転数の運転者の予期しない変化が生じて運転者に違和感を与えてしまうのを抑制することができる。
図2は、シフトポジションSPのRD変更が行なわれたときのモータMG1の回転数Nm1とトルクTm1との時間変化の様子の一例を示す説明図である。ここで、比較例としては、シフトポジションSPのRD変更が行なわれたときにモータMG1の上限回転数Nm1maxを直ちに所定回転数Nm12から所定回転数Nm11に変更する場合を考えるものとした。比較例では、時刻t1にシフトポジションSPのRD変更が行なわれると、直ちに上限回転数Nm1maxを所定回転数Nm12から所定回転数Nm11に変更するから、モータMG1の動作点を高回転数対応動作点から燃費対応動作点に移行させる際に、モータMG1の回転数Nm1が回転数増加抑制制御の実行領域(回転数(Nm1max−α2)より大きい領域)に入ってしまい、回転数増加抑制制御が行なわれることによって、エンジン22やモータMG1の回転数やトルクの運転者の予期しない変化によって運転者に違和感を与えてしまう場合がある。これに対して、実施例では、時刻t1後に、モータMG1の動作点が高回転数対応動作点から燃費対応動作点に移行するのに要する時間より長い時間として予め定められた時間(例えば、500msecや700msecなど)を掛けて上限回転数Nm1maxを所定回転数Nm12から所定回転数Nm11に変化させるから、上限回転数Nm1maxの変更によって回転数Nm1が回転数増加抑制制御の実行領域に入って回転数増加制御が行なわれるのを抑制することができ、これに起因する不都合が生じるのを抑制することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20では、シフトポジションSPがDポジション,Rポジションのときにそれぞれ所定回転数Nm11,Nm12(Nm11<Nm12)をモータMG1の上限回転数Nm1maxに設定し、モータMG1の回転数Nm1が上限回転数Nm1maxに接近したときにモータMG1の回転数Nm1の増加が抑制されるようモータMG1を制御する回転数増加抑制制御を実行する。そして、シフトポジションSPのRポジションからDポジションへの変更(RD変更)が行なわれたときには、モータMG1の動作点がRポジションのときの高回転数対応動作点からDポジションのときの燃費対応動作点に移行するのに要する時間より長い時間を掛けて上限回転数Nm1maxを所定回転数Nm12から所定回転数Nm11に変化させる。これにより、シフトポジションSPのRD変更が行なわれたときに、上限回転数Nm1maxの変更によってモータMG1の回転数Nm1が回転数増加抑制制御の実行領域に入って回転数増加制御が行なわれるのを抑制することができ、これに起因する不都合が生じるのを抑制することができる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG1が「第1モータ」に相当し、プラネタリギヤ30が「プラネタリギヤ」に相当し、モータMG2が「第2モータ」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40とが「制御手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ。
Claims (1)
- エンジンと、第1モータと、車軸に連結された駆動軸と前記エンジンの出力軸と前記第1モータの回転軸とに3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、前記駆動軸に回転軸が接続された第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力をやりとりするバッテリと、シフトポジションが後進走行用ポジションのときに、前進走行用ポジションのときより高回転数低トルク側の動作点で前記エンジンが運転されながら走行するよう前記エンジンと前記第1モータと前記第2モータとを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御手段は、シフトポジションが後進走行用ポジションのときに前進走行用ポジションのときより高い回転数を前記第1モータの上限回転数に設定し、前記第1モータの回転数が前記上限回転数に接近したときには、前記第1モータの回転数の増加が抑制されるように該第1モータを制御する回転数増加抑制制御を実行する手段であり、
更に、前記制御手段は、シフトポジションが後進走行用ポジションから前進走行用ポジションに変更されたときには、前記第1モータの動作点がシフトポジションが後進走行用ポジションのときの動作点から前進走行用ポジションのときの動作点に移行するのに要する時間より長い時間を掛けて、前記第1モータの上限回転数をシフトポジションが後進走行用ポジションのときの回転数から前進走行用ポジションのときの回転数に変化させる手段である、
ことを特徴とするハイブリッド自動車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014083298A JP2015202790A (ja) | 2014-04-15 | 2014-04-15 | ハイブリッド自動車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014083298A JP2015202790A (ja) | 2014-04-15 | 2014-04-15 | ハイブリッド自動車 |
Publications (1)
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