JP2015202385A - 車椅子 - Google Patents

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益男 片田
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益男 片田
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Abstract

【課題】車椅子に乗る際足元の前輪が不用意に移動せず、後輪の大径のタイヤを痛めず、車輪のロック及びロック解除操作機構も簡単で、保守も簡単な車椅子を提供する。【解決手段】一対の大径の後輪2と一対の双輪キャスター3の前輪とを備えた車椅子1であって、双輪キャスターの前輪にはロック及びロック解除を行うロック機構4を設け、車椅子の後部の把持部124に前輪の双輪キャスターを一括して同時にロック及びロック解除操作を行う操作レバー51を有するロック及びロック解除操作機構を設け、操作機構の操作レバーを把持したときにキャスターのロックを解除するようにした車椅子。【選択図】図1

Description

本発明は、介護者等が座ったまま移動できる車椅子に関するものである。
従来より、通常、歩行困難な者の為に座ったまま移動可能な車輪を付した車椅子が多数開示され提案されており、例えば、特許文献1に開示されている車椅子は、一対の大径の後輪と一対の双輪キャスターの前輪とを備え、大径の後輪にブレーキ機構を設けたものである。
これらの車椅子は、後輪の左右のキャスターのタイヤの表面をブレーキ部材で押圧してブレーキをかけるものが開示され、この装置で、車椅子及び歩行器はブレーキレバーを把持した時にキャスターは制動状態になり、通常は非制動状態にある。必要に応じて、ブレーキレバーを把持しない時は、別途にタイヤの表面をブレーキ部材で押圧してロックしている。
特開2012125545号公報
ところで、前記特許文献1に開示される「車椅子」は、駆動用の大径の後車輪をロックするため、接地面積が大きく制動力も大きく、後車輪の位置は動かないが、後輪を中心として、使用者が車椅子に乗る時、及び、車椅子から降りる時に、使用者の足元の前輪キャスターが動くことがある。
また、タイヤの表面を度々押圧するため、タイヤを痛めることがあり、これを是正するためディスクブレーキ機構を用いることもあるが、機構が複雑となるばかりか制作費が高くなるといった問題点があった。
本発明の課題は、車椅子に乗る際足元の前輪が不用意に移動せず、後輪の大径のタイヤを痛めず、車輪のロック及びロック解除操作機構も簡単で、保守も簡単な車椅子を提供しようとするものであり、更に、使用者や看護師の負担が軽減されるように、一括して同時にロック及びロック解除操作をすることができる車椅子を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、一対の大径の後輪と一対の双輪キャスターの前輪とを備えた車椅子であって、
双輪キャスターの前輪にはロック及びロック解除を行うロック機構を設け、車椅子の後部の把持部に前輪の双輪キャスターを一括して同時にロック及びロック解除操作を行う操作レバーを有するロック及びロック解除操作機構を設けたことを特徴とする車椅子である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の車椅子において、前記キャスターのロック及びロック解除操作機構の操作レバーは、後方の車椅子の把持部の一方に設けたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の車椅子において、前記キャスターのロック及びロック解除操作機構は、該操作機構のハンドルを把持したときにキャスターのロックを解除するようにしたことを特徴とする。
請求項1及び2の車椅子の発明によれば、前輪の双輪キャスターにロック及びロック解除を行うロック機構を設けたので、従来のように後輪の大径のタイヤを痛めることがなく、また、使用者の足元の近傍に位置する前輪の双輪キャスターにロック及びロック解除を行うロック機構を設けたので、車椅子は使用者の足元で確実に固定されるので、使用者の乗り降りが容易になる。
また、前輪の双輪キャスターを一括して同時にロック及びロック解除操作を行うキャスター操作レバーを設けたので、使用者や看護師の操作の負担が軽減され、前輪の双輪キャスターをロック及びロック解除を行うので、構造が簡単で保守も容易となる。
請求項3の車椅子の発明によれば、前記キャスターのロック及びロック解除操作機構は、該操作機構のハンドルを把持したときにキャスターのロックを解除するようにしたので、来客用の椅子として使用できるように、通常はロック状態であり誤って動くこともなく、通常の歩行器や車椅子は常時は簡単に移動するようにできる。
本発明の車椅子の右側方からの外観斜視図、 本発明の実施例のキャスターの操作部5の説明図で、図2(a)は図1での車椅子の固定状態にしキャスターをロック状態にしたキャスター操作レバーの内部機構の側面からの断面説明図、図2(b)はキャスター操作レバーを手で操作する途中の側面からの断面説明図、図2(c)はキャスター操作レバーを挙げて双輪キャスターのロックを解除した状態を説明するキャスター操作レバーの内部機構の側面からの断面説明図、 操作伝達機構の全体の構成図 図4(a)は図3のレバー連結ワイヤー一方の末端部の拡大分解図、図4(b)はA部のレバー連結ワイヤーの拡大分解図、 図5(a)は図3のB部の分岐ワイヤーの拡大分解側面図、図5(b)は図3の他の末端部の分岐ワイヤーの拡大分解図、 双輪キャスターの概略の外観斜視図、 双輪キャスターの一方の車輪部の図で、図7(a)はその正面図、図7(b)はその側面図、 車輪ロック状態の双輪キャスターの内部の図で、図8(a)はノック部材が上昇し、歯部442が内歯車35に嵌合した状態の正面透視図、図8(b)は、そのノック部材の側面透視図、 図8の(a)-(a)線での断面図、 図10(a)は、双輪キャスターの車輪ロックの解除状態の正面透視図、図10(b)は、そのノック部材の側面透視図、 図10(a)のキャスター取付金具の上方からの平面図、 車輪歯噛合ロック部44の基部441の斜視図、 スライダーカムの図で、図13(a)は正面図、図13(b)は側面図、図13(c)は上面図である。
本発明の車椅子の実施例を図面に沿って説明する。
図1は、実施例の車椅子1の全体の右側方からの外観斜視図であるが、中央から折り畳める座部11は、両側の一対のパイプ状枠体12の座部支持枠121に連なっており、このパイプ状枠体12の座部支持枠121の後端は背部支持枠122によって背面部13を支持し、その背部支持枠122の上端部123は後方に折れて把持部124を構成している。
そして、座部支持枠121の前方は下方に折れた前輪支持枠125が設けられ、前輪の双輪キャスター3及び足載板126が設けられており、座部支持枠121の両外側部127には大径の大径後輪2が配置されている。
一対の前輪の双輪キャスター3はロック及びロック解除を行うロック機構4が設けられ、これらロック機構4は前記上端部123の一方の把持部124の近傍に設けられたキャスター操作部5によって操作され、その間は同軸ケーブルの操作伝達機構6によって伝達されている。
次に、これらの構成・機構を、キャスター操作部5、同軸ケーブルの操作伝達機構6、キャスター3及びロック機構4の順に具体的に具体的に説明する。
[キャスター操作部5]
先ず、キャスター操作部5の操作構造の詳細を説明する。
図1は、キャスター操作部5で左右の双輪キャスター3をロック状態にした外観斜視図であるが、図2a〜cはこのロック状態からロック解除状態までを説明するキャスター操作部5の部分断面図である。
先ず、図2aからcは、2個の双輪キャスター3のロック状態からロックを解除した状態を示すもので、その機構概略を示す図2(a)〜(c),図8,図9も参照して説明すると、キャスター操作部5は主に操作レバー51、回動軸52、ワイヤー末端(球)係止部53、ワイヤー案内プーリ54、ワイヤー被覆(外周)係止部55、回転ストパー57、キャスターロック解除保持レバー(図示せず)、及びケース58から構成されている。
キャスター操作部5の作動は、キャスターロック状態の図2(a)において、キャスター操作レバー51が回動軸52を中心に回動し、キャスター操作レバー51と一体にワイヤー末端(球)係止部53と回転ストパー係止部511とロック保持係止部512も回動する。通常は、キャスターロック機構のバネ力によって、各分岐ワイヤー63(図3)を介して、レバー連結ワイヤー61(操作伝達ワイヤー60)のインナーワイヤー612も常時引っ張られている(図2(a)で左側)。
これに伴い、キャスター操作レバー51は、インナーワイヤー612の末端部611がワイヤー末端(球)係止部53に係止されているので、ワイヤー案内プーリ54で引っ張り方向を変更した後に、斜め上方に引き上げられ、その結果、操作レバー51は反時計回りに回動して下げられた状態(図2(a))になり、通常は、車輪ロック機構4のバネによりロックし固定されている。
なお、過度にキャスター操作レバー51が回動し過ぎないように、回転ストパー係止部511がケース58側に固定されている回転ストパー57を係止してしいる。
看護師や患者が、車椅子1移動する場合は、図2(c)、その作動途中の図2(b)に示すように、操作レバー51を上方に挙げることにより行われる。
図2(c)において、キャスター操作部5のキャスター操作レバー51を挙げると、操作レバー51はキャスターロック機構のバネの力に抗して、ワイヤー分岐盤62、各分岐ワイヤー63を介してレバー連結ワイヤー61を図で上向に引っ張り、キャスター操作レバー51を図2(c)の状態まで挙げる。その結果、操作レバー51は時計回りに回動した図7(c)の状態になり、車輪ロック機構4のバネに抗してロックを解除する。
この状態で、車椅子1は移動可能であるが、キャスター操作レバー51を手で挙げていなければならいので、移動可能状態を長時間維持する場合には、キャスターロック解除保持レバー(図示せず)を引いてロック保持係止部(図示せず)にロック部を係止して、手を離しても、キャスター操作レバー51が挙がった状態(図2c)を保持し、移動が終了すればキャスターロック解除保持レバーを戻せば、キャスター操作レバー51の元の状態(図2(a))になり、車輪ロック機構4のバネによりロックし固定されるようにしてもよい。
[操作伝達機構6]
次に、操作伝達機構6の操作構造の詳細を説明する。
操作伝達機構6は、図1の点線に示すように、キャスター操作部5から左右の双輪キャスター3までは操作伝達機構6の同軸ワイヤーである操作伝達ワイヤー60が連結され、キャスター操作レバー51を操作することによって、左右の双輪キャスター3を一括して同時にロック及びロック解除操作を行うように構成されている。
操作伝達機構6は、芯を形成するインナーワイヤーと同軸で被覆部でもあるアウターワイヤーとからなる同軸の所謂ロックワイヤーを用いたもので、図3に示すように、主に、操作伝達ワイヤ60とワイヤー分岐盤62とから構成され、この操作伝達ワイヤ60はレバー連結ワイヤー61と2本の分岐ワイヤー63(63a,63b)とから構成される。
前述したキャスター操作部5に取り付けられるレバー連結ワイヤー61は、その末端部の拡大図Aの図4(b)に示すように、芯のインナーワイヤー612、それを覆うアウターワイヤーである被覆部613とからなり、インナーワイヤー612の先端には球状の末端部611が設けられ、被覆部613の先端には取付固定部614が設けられ、インナーワイヤー612が取付固定部614に対して、末端部611aが進退可能に構成され、他方の末端部611b(図4(a)参照)はワイヤー分岐盤62に接続される。レバー連結ワイヤー61の反対側の末端部611bは、図4(a)に示すように円筒状で、ワイヤー分岐盤62のスライダー622の嵌合部6221(図3点線を参照)に接続する。
一方、ワイヤー分岐盤62のスライダー622には分岐ワイヤー63の嵌合部6222が設けられ、分岐ワイヤー63は車輪ロック機構4に接続される。
この分岐ワイヤー63(63a,63b)は、図5に示すようなもので、その1本について図3での符号Bの拡大図である図5に示すように、芯のインナーワイヤー632、それを覆う被覆部633からなり、ワイヤー632の先端には中心に係合孔を有する末端部631が設けられ、被覆部633の先端には取付固定部634が設けられ、インナーワイヤー632が取付固定部634に対して、末端部631が進退可能に構成される。
このように、一方の末端部631aがレバー連結ワイヤー61の末端部631bと同じで円筒形であり、左右の双輪キャスター3(3a,3b)に連結する末端部611bは、ロック機構枠体41に連結するために嵌合孔が設けられていることが異なるだけであるので、他の説明は省略する。
このように、前記1本のレバー連結ワイヤー61を側板623aの取付固定部614を取り付け、レバー連結ワイヤー61のインナーワイヤー612の末端部611bはスライダー622の嵌合部6221に嵌合している。同様に、前記2本の分岐ワイヤー63の取付固定部634も、側板623bに取り付けられ、分岐ワイヤー33(33a,33b)の一方の末端部631aも嵌合部6222に嵌合している。
このような構成であるので、レバー連結ワイヤー61の末端部611bが引っ張られると、スライダー622が側板623a側に移動(図8:右方向)するが、スライダー322に嵌合される2個の末端部631aも一括して側板623bから離れるように移動(図3:右方向)する。
このように、レバー連結ワイヤー61の進退移動がワイヤー分岐盤62を介して2本の分岐ワイヤー63に伝達される。また、操作伝達に同軸ワイヤーを用いたので、車椅子1のパイプ状枠体12の下面に左右の双輪キャスター3(3a,3b)の位置を自由に設定でき、また、リンク機構の組み合わせや、テーブル全体を浮かせるための接地部材とは異なり、構造も簡単で製作費も安価で、保守も容易になる。更に、基本的にレバー連結ワイヤー61の1本から2本の分岐ワイヤー63(63a,63b)に分岐して用いているので、極めて簡単な構成で2個のキャスターを同時に正確にロック状態及びロック解除状態にできる。
[キャスター3及びキャスターロック機構4]
次に、キャスター3及びキャスターロック機構4の操作構造の詳細を説明する。
(双輪キャスターの配置)
前述した分岐ワイヤー63は、前述した前輪の一対の双輪キャスター3(3a,3b)が取り付けられ、これらの双輪キャスター3の外観概略は、図6に示すようなもので、双輪キャスター3の構成の詳細は後述するが、キャスター操作機構である車輪ロック機構4のロック機構枠体41の両側に一対の車輪31A、31Bがそれぞれ回転可能に軸支されており、ロック機構枠体41の上面には、キャスター3が取付枠に対して旋回可能に軸支するための旋回支持部42が設けられ、旋回支持部42の軸心Xと同軸に、上下動するノック部材431が設けられており、ノック部材431を押圧バネ443により押し上げられると双輪キャスター3がロックされ車輪部31は回転することができない。逆に、ノック部材431の押し上げを解除して下方に押し下げると、双輪キャスター3の内歯車35への歯部442が離反しロックが解除され、双輪が自由に回転することができる。
ところで、本実施例で使用する双輪キャスター3(3a,3b)は、双輪の巾が単輪よりも広いので、単輪キャスターに比べて走行安定性があり、また、双輪の回転をロックすると進行方向は勿論のこと、双輪の巾が広いことから旋回阻止できる。
(キャスターの車輪部)
上述した双輪キャスター3の車輪部31を説明するが、図6に示すように、2個のそれぞれの双輪キャスター3の両側に1個ずつ車輪部31(31A,31B:車輪)が配置され、その内の片方の車輪部31は、図7に示すように、車輪軸32は、車輪ロック機構4(図8参照)の車輪軸受部411に回転自在に軸支され、車輪部31の車輪軸固定部33に軸支される(車輪軸固定部33は、車輪を回転自在に軸支する構成でもよい。)。車輪部31の外輪34はゴム製で振動を吸収し走行を滑らかにし雑音を軽減するとともに、床へのグリップを強くしている。
また、双輪キャスター3の車輪部31の内側の外輪34近傍には、車輪軸32と同軸心の内歯車35が形成され、後述するロック歯部442が押圧バネ443により上昇した際には、内歯車35に歯部442が噛み合い車輪部31の回転を阻止する。
(キャスターの車輪ロック機構)
本実施例のキャスターは、図6でも説明したように、車輪ロック機構4のロック機構枠体41を挟んで、所定の間隔を持った車輪31A,31Bの双輪キャスター3であり、移動時には単輪キャスターに比べて走行に安定性がある。また、車輪部31(31A,31B)の両車輪(双輪)がロックすると走行が出来なくなり、キャスターの旋回も制限されて、更に、本実施例のように、車椅子1の両側の双輪キャスター3a,3bが固定されると、双輪キャスター3自体の旋回を固定しなくても、車輪の回転の固定だけで車椅子1は、ほぼ完全に固定されることを見出し、この知見を基礎とするものである。
先ず、上記の車椅子1の裏面に配置する双輪キャスター3(3a,3b)の車輪ロック機構4について、図8〜図10に沿って更に詳しく説明する。
図8は、キャスターロック状態の図で、ノック部材431が、分岐ワイヤー63が弛緩し、コイルバネ467によりスライダーカム46が図で左側に移動し、ノック部43が上方に上がった状態の図であり、図11(a)は車輪ロック機構4の横断面図で、図8(b)は図8(a)の側断面図である。また、図9は、図8(a)のa−a線での断面図であり、歯部442が双輪キャスター3の内歯車35に嵌合してロックした状態の図である。
図10は、歯部442を内歯車35から離反させて、双輪キャスター3のロック解除状態の図で、ノック部材431が分岐ワイヤー63により引っ張られ、コイルバネ467の引張力に抗してスライダーカム46が図で右側に移動し、また、キャスター内部の押圧バネ443に抗して、歯部442が下った状態の図、即ち、キャスターのロック解除状態の図である。
図8(a)(b)は、車椅子1の通常の状態、すなわち、図1で操作レバー51を下げた状態で、双輪キャスター3をロック状態にした図で、車輪ロック機構4の枠体41内には、キャスター取付金具45に対して双輪キャスター3が旋回可能なように旋回支持部42が軸支され、旋回支持部42の内側に上下動するノック部43が設けられ、ノック部43に続いて車輪歯噛合ロック部44が押圧バネ443を介して連結されている。車輪歯噛合ロック部44は、ノック部材431を上下動させるスライダーカム46のカム面461によって、歯部442が押圧バネ443の押圧力によってノック部43が上昇している状態では、歯部442も上昇していて、この歯部442が車輪部31の内側の内歯車35に嵌合して、車輪31A,31Bの回転を阻止し、双輪キャスター3をロック状態となる。
ここで、各部の構成を更に詳細に説明するが、先ず、ロック機構枠体41はプラスチックで成型されたもので、図8に示すように、中心に車輪軸受部411が設けられ、枠体41の左側には、旋回支持部42(ノック部43)を挿入する円筒型の嵌合部412と収納部413が配置され、嵌合部412のキャスター取付金具45に近接する部分は双輪キャスター3の旋回をスムーズにするために突出輪414が設けられ、前記車輪軸受部411の上側には上下動する車輪歯噛合ロック部44及び押圧バネ443を収納する収納部415が配置されている。この収納部415を含めた双輪キャスター3の嵌合部412と旋回支持部42とを回動自在に強固に支持するが、旋回支持部42はキャスター取付金具45側に強固に固着している。
また、収納部413は下側面及び片側面が開放口となっており(必要に応じて、防塵のための蓋部を設けてもよい。)、これは組み立て作業で、キャスター取付金具45に固着される旋回支持部42を嵌合部412に回動自在に、旋回補助ワッシャー423及び止め金具(固定スナップリング)424を取り付ける際のためのものである。
旋回支持部42を嵌合部412に挿入した後、旋回支持部42の下部末端には、旋回補助ワッシャー423を挿入し、旋回支持部42の下端に設けられた止め金具(固定スナップリング)424用のスナップリング用の固定円周溝425に、旋回支持部42を固定するためスナップリング424を係止して、旋回支持部42からロック機構枠体41が抜け落ちないようにしている。
更に、ノック部43のノック部材431の下端部に車輪歯噛合ロック部44の基部441を取り付けるが、この基部441を図8に示すが、車輪軸32を囲むようにコの字状(或いは、反対側から見れば逆コの字状)であり、下部水平部4411と上部水平部4412とこれを連結する連結部4413とから構成され、下部水平部4411の上面はノック部材431の下部先端部433により押圧され、又は解除(図10では解除)される受圧部を有し、上部水平部4412は歯部442が固着されるとともに、外方に拡がるように押圧するバネ443の上端部に係合する上部バネ係合部444を有する。 なお、押圧バネ443の下端部はロック機構枠体41側に設けた下部バネ係合部445に係合し、常に、上部水平部4412の下面の上部バネ係合部444を上方に押圧している。
(旋回支持部及びノック部)
次に、図8での嵌合部412と旋回支持部42とノック部材431について説明する。
旋回支持部42の固定支持筒部材421は金属製の円筒(パイプ)で、その上端部を金属のキャスター取付金具45の底板454に取付縁部422の上端を溶接等で固着する。ここで、双輪キャスター3の旋回とは、図6に示されるように、通常の双輪キャスター3の接地箇所X2の垂直線とノック部材431の軸心の接地箇所X1とが偏芯することによって、車椅子1を移動させる際に、自動的に双輪キャスター3の進行方向が移動方向に向くようにしたものであるが、当然、双輪キャスター3がロック状態では、双輪キャスター3が回動しないことによって旋回は阻止されるが、逆に、車椅子1の移動時のロック状態で無い場合には自由に旋回させなければならない。そのため、旋回支持部42とキャスター取付金具45の底板454との間に突出輪414を介在させて、ロック機構枠体41の上面での旋回をスムーズにさせるようにしてある。
旋回支持部42は、キャスターの旋回軸を構成するとともに、ノック部材431を嵌合して収納するが、このノック部43は旋回支持部42の同心上の嵌合部412に上下動が自在に嵌合されている。
(車輪歯噛合ロック部44)
基部441は、図10に示すように、基部441の断面コの字状(反対側からは、逆コの字状)の上部水平部4412の下面の(図8での)中央部分には、押圧バネ443の上端を係止する上部バネ係合部444を設け、さらに、双輪キャスター3の一対の車輪部31の各内歯車35に嵌合するように左右に一対の2本の歯部442a,bが固着してあり、外側に拡がるような押圧する押圧バネ443で、常に上方に押し上げる構成になっている。
したがって、車輪歯噛合ロック部44の歯部442a,bは、図7、図8に示すように、ノック部材431の規制がなければ、常に、押圧バネ443によって上側に押圧され上昇するようになっており、車椅子1をベッド近傍に設置した通常の場合は、歯部442a,bは押圧バネ443によって各双輪キャスター3の内歯車35に嵌合して、双輪キャスター3の回転を阻止し、ロック状態になり車椅子1の移動を不可能にしている。
なお、車輪歯噛合ロック部44の上下動は、ロック機構枠体41に設けた車輪歯噛合ロック部44の収納部415の案内溝416の側壁に沿って降下・上昇する。
また、双輪キャスター3の車輪部31の内側の外輪34近傍には、車輪軸32に同心の内歯車35が形成され、歯部442a,bが上昇した際には、内歯車35に歯部442が噛み合い車輪部31の回転を阻止する。
(キャスター取付金具とスライダーカム)
図10乃至図13におけるキャスター取付金具45とノック部材431を操作するスライダーカム46について説明する。
キャスター操作部5のキャスター操作レバー51(図2を参照)を上方に挙げる操作によって、レバー連結ワイヤー61が引っ張られ、ワイヤー分岐盤62によって2本の分岐ワイヤー63も引っ張られる。更に、この各分岐ワイヤー63a,63bのインナーワイヤー632が引っ張られるが、これをノック部43の動きに変換するのがキャスター取付金具45に装着されたスライダー状のカム機構を有したスライダーカム46である。
このスライダーカム46は、主に、図13に示すように、全体形状は扁平で下面が傾斜するカム面461が設けられ、スライダーカム46が移動する方向の一端には分岐ワイヤー43の末端部431を接続し、キャスター取付金具45の前板451(図11参照)に取付固定部634を装着し、レバー連結ワイヤー61及び分岐ワイヤー61(63a,63b:図8,13を参照)に引っ張られることにより、全体として水平移動するようにしている。図10、図11、図13に示すように、中心部にはスライダーカム46の水平上面463に平行して案内長孔464が設けられ、この案内長孔464にはキャスター取付金具45の両側板452に固定された案内軸465が嵌合している。
係止部462とは反対側の係止部466には縮む方向のコイルバネ467の一端が係止され、コイルバネ467の他端はキャスター取付金具45の背板453の係止部468に係止され、このコイルバネ467はレバー連結ワイヤー61及び分岐ワイヤー63が弛緩された状態では、スライダーカム46を図9の位置に戻すようにしている。 また、図11に示すように、案内軸465の軸線はノック部材431の上部先端部432の軸線と交わるようにしている。なお、図11において、キャスター取付金具45の両側板452には枠体取付部455が設けられ、パイプ状枠体12に、ボルト孔456にボルト(図示せず)等を挿入して固着する。
したがって、スライダーカム46のカム面461にノック部材431の上部先端部432が接触するようになっているが、分岐ワイヤー33が引っ張られているロック解除状態では、図10、図13に示すように、カム面461は左側から右側にかけて移動するようになっているので、最も下の位置である最下点4611にあり、ノック部材431を下方に押し下げた状態になる。
逆に、図8、図9に示すように、通常でのレバー連結ワイヤー61及び分岐ワイヤー63が弛緩された状態では、コイルバネ467により、スライダーカム46は、図8、図9のように左側に移動し、カム面461は最も高い位置である最上点4612にあり、歯部442の押圧バネ443の作用により、ノック部材431の上部先端部432も上昇し、歯部442も上昇して、双輪キャスター3の内歯車35に嵌合し、双輪キャスター3をロック状態に維持する。
この扁平のスライダーカム46は、カム面461の最下点4611から最上点4612がノック部材431の上部先端部432を移動するように作動するが、スライダーカム46の分岐ワイヤー63の末端部631の移動距離Z(図8参照)は、カム面461の最下点4611から最上点4612の距離Y(図13参照)とほぼ同じとなる。
したがって、カム面461の傾斜角度により、最下点4611から最上点4612の距離が変えられるので、キャスター取付金具45の高さを低くしたままで、分岐ワイヤー63の移動距離(ストローク)に合わせることができる。
(キャスターのロック及びロック解除の作動)
本実施例の車椅子1を固定する末端操作装置は、以上のような構成であるので、大凡、次のように作動する。
車椅子1に設けたキャスター3のロック解除のキャスター操作レバー51(テーブル昇降操作兼用)は、図1に示すように、通常の設置状態では、キャスター3がロックされ、車椅子1を移動する際には、解除維持のための操作レバー51を上方に持ち上げ、キャスター3のロックを解除する。
車椅子1のキャスター3を元のロック状態にするには、操作レバー51を手から離せば、キャスター3内のロック機構4によるワイヤーの引張力のバネにより、自然に操作レバー51は下降するとともに双輪キャスター3はロック状態になる。
[双輪キャスターのロック状態]
双輪キャスター3のロック状態は図8に示したような状態である。
車椅子1を病室の適所やベッドの近傍に配置した通常の状態で、操作レバー51が自動的に下方に位置する(図2参照)。
分岐ワイヤー63は結果的にキャスター内の押圧バネ443によって歯部442をキャスターの内歯車35に嵌合させるとともに、押圧バネ443にノック部材431も上方にあり、分岐ワイヤー63も弛緩状態にある。この場合の状態は長時間に亘るが、操作レバー51がレバー連結ワイヤー61を常に引っ張る状態に維持する必要がないので、各ワイヤーは緊張状態にはなく(弛緩状態)、経年でワイヤーが伸びるようなことがなく、装置の保守も容易になる。
[双輪キャスターのロック解除状態]
双輪キャスターのロック解除状態は図10に示したような状態である。
この場合には、車椅子1を移動する状態で、キャスター操作レバー51を挙げて、レバー連結ワイヤー61を引っ張り上げて緊張状態にし、分岐ワイヤー63によってノック部材431を下方に押し下げ、結果的にキャスター内の押圧バネ443に抗し、歯部442をキャスターの内歯車35から開放する。したがって、操作レバー51が挙がっている状態では、双輪キャスターのロック解除状態にあり、車椅子1は移動可能となる。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、上記の実施例に限定されるものでないことは勿論である。
1・・車椅子
11・・座部、12・・パイプ状枠体、121・・座部支持枠
122・・背部支持枠、123・・上端部、124・・把持部
125・・前輪支持枠、126・・足載板、127・・外側部
13・・背面部、
2・・大径後輪、
3(3a,3b)・・双輪キャスター、31・・車輪部、31A,31B・・車輪、
32・・車輪軸、33・・車輪軸固定部、34・・外輪、35・・内歯車、
4・・車輪ロック機構、
41・・ロック機構枠体、411・・車輪軸受部、412・・嵌合部、
413,415・・収納部、414・・突出輪、416・・案内溝、
42・・旋回支持部、
421・・固定支持筒部材、422・・取付縁部、
423・・旋回補助ワッシャー、424・・止め金具(固定スナップリング)、
425・・スナップリング用の固定円周溝、
43・・ノック部、431・・ノック部材、432・・上部先端部、433・・下部先端部、
44・・車輪歯噛合ロック部、441・・基部、
4411・・下部水平部、4412・・上部水平部、
4413・・連結部、442,442a,442b・・歯部、443・・押圧バネ、
444・・上部バネ係合部、445・・下部バネ係合部
45・・キャスター取付金具、451・・前板、452・・側板(側部)、
453・・背板、454・・底板、455・・枠体取付部、456・・ボルト孔、
46・・スライダーカム、461・・カム面、4611・・最下点、4612・・最上点、
462,466,468・・係止部、463・・水平上面、464・・案内長孔、
465・・案内軸、467・・コイルバネ、
5・・キャスター操作部、
51・・(キャスター)操作レバー、511・・回転ストパー係止部、
52・・回動軸、53・・ワイヤー末端(球)係止部、54・・ワイヤー案内プーリ、
55・・ワイヤー被覆(外周)係止部、57・・回転ストパー、58・・ケース、
6・・操作伝達機構、60(61,62,63)・・操作伝達ワイヤー、
61・・レバー連結ワイヤー、611a,611b・・末端部、
612・・インナーワイヤー、613・・被覆部(アウターワイヤー)、
614・・取付固定部、
62・・ワイヤー分岐盤、
622・・スライダー、6221,6222・・嵌合部、623a,623b・・側板、
63(63a,63b,63c,63d)・・分岐ワイヤー、
631,631a,631b・・末端部、632・・インナーワイヤー、
633・・被覆部(アウターワイヤー)、634・・取付固定部、

Claims (3)

  1. 一対の大径の後輪と一対の双輪キャスターの前輪とを備えた車椅子であって、
    双輪キャスターの前輪にはロック及びロック解除を行うロック機構を設け、
    車椅子の後部の把持部に前輪の双輪キャスターを一括して同時にロック及びロック解除操作を行う操作レバーを有するロック及びロック解除操作機構を設けたことを特徴とする車椅子。
  2. 前記キャスターのロック及びロック解除操作機構の操作レバーは、後方の車椅子の把持部の一方に設けたことを特徴とする請求項1に記載の車椅子。
  3. 前記キャスターのロック及びロック解除操作機構は、該操作機構の操作レバーを把持したときにキャスターのロックを解除するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車椅子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4035642A1 (de) * 2021-01-28 2022-08-03 Dietz GmbH Fahrgestell oder rollator mit schwenkrollen

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