JP2015201946A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の電力変換器のスイッチング駆動を行う場合に、スイッチング駆動による電磁騒音を低減するとともに、絶縁抵抗の低下の検出精度を向上させる。
【解決手段】複数の電力変換器(昇圧コンバータ15及びインバータ16,17)におけるキャリア周波数f0,f1,f2同士の差分を変化させるように、各電力変換器におけるキャリア周波数f0,f1,f2をランダムに変化させるランダムキャリア制御を行う。このランダムキャリア制御によって、各電力変換器のスイッチング駆動による電磁騒音の周波数特性のピーク値を低減することができるとともに、絶縁抵抗Riの低下の検出に影響を与えるコモンモードノイズの発生を抑制することができる。
【選択図】図5
【解決手段】複数の電力変換器(昇圧コンバータ15及びインバータ16,17)におけるキャリア周波数f0,f1,f2同士の差分を変化させるように、各電力変換器におけるキャリア周波数f0,f1,f2をランダムに変化させるランダムキャリア制御を行う。このランダムキャリア制御によって、各電力変換器のスイッチング駆動による電磁騒音の周波数特性のピーク値を低減することができるとともに、絶縁抵抗Riの低下の検出に影響を与えるコモンモードノイズの発生を抑制することができる。
【選択図】図5
Description
本発明は、電力変換装置に関し、特に、複数の電力変換器のスイッチング駆動を行う電力変換装置に関する。
下記特許文献1のPWMインバータ装置では、PWMパルスの周波数を決めるキャリア周波数を任意のキャリア周波数を中心として所定周波数範囲だけ変動させることで、スイッチング損失を増加させることなく、スイッチング駆動による電磁騒音を聴感上低減している。また、下記特許文献2では、電力変換器(インバータ)を含む高電圧系統にパルス信号を印加して高電圧系統とアース(車体)間の絶縁抵抗の低下を検出している。
同じ高電圧系統に接続された複数の電力変換器のスイッチング駆動を行う場合に、スイッチング駆動による電磁騒音を低減するために、各電力変換器におけるキャリア周波数を特許文献1のように変動させると、複数の電力変換器におけるキャリア周波数同士の差分に相当する周波数成分のノイズが、高電圧系統とアース間の電圧(コモンモード電圧)に重畳することがある。特許文献2のように絶縁抵抗の低下を検出する場合に、このノイズがコモンモード電圧に重畳すると、絶縁抵抗の低下の検出精度が低下しやすくなる。
本発明は、複数の電力変換器のスイッチング駆動を行う場合に、スイッチング駆動による電磁騒音を低減するとともに、絶縁抵抗の低下の検出精度を向上させることを目的とする。
本発明に係る電力変換装置は、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る電力変換装置は、スイッチング素子のスイッチング駆動により電力変換を行う複数の電力変換器を含む高電圧系統と、所定周波数の検出信号を高電圧系統に印加して高電圧系統とアース間の絶縁抵抗の低下を検出する絶縁低下検出装置と、各電力変換器毎に、電圧指令信号とキャリア信号との比較に基づいてスイッチング素子のスイッチング駆動を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、複数の電力変換器におけるキャリア信号同士の周波数差を変化させるように、各電力変換器におけるキャリア信号の周波数を変化させることを要旨とする。
本発明によれば、複数の電力変換器におけるキャリア信号同士の周波数差を変化させるように、各電力変換器におけるキャリア信号の周波数を変化させることで、各電力変換器のスイッチング駆動による電磁騒音を低減することができるとともに、絶縁抵抗の低下の検出に影響を与えるノイズの発生を抑制することができ、絶縁抵抗の低下の検出精度を向上させることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電力変換装置を備える電動機駆動システムの構成例を示す図である。本実施形態に係る電動機駆動システムは、例えば車両の駆動システムに用いることができ、二次電池12とコンデンサ14と昇圧コンバータ(DC−DCコンバータ)15とインバータ16,17とモータジェネレータ(回転電機)18,19を含む高電圧系統10と、高電圧系統10と車体(アース)20間の絶縁抵抗Riの低下を検出する絶縁低下検出装置30と、昇圧コンバータ15及びインバータ16,17の駆動を制御する制御装置50と、を備える。
高電圧系統10において、二次電池12は、充放電可能な直流電源として設けられている。電力変換器としての昇圧コンバータ15は、スイッチング素子と、スイッチング素子に対し逆並列接続されたダイオード(整流素子)とを備える公知の構成により実現可能であり、スイッチング素子をオンオフするスイッチング駆動により、二次電池12からの直流電圧を昇圧する電力変換を行ってインバータ16,17へ出力することが可能である。インバータ16,17の正側ライン(電源ライン)PLと負側ライン(グランドライン)SL間にはコンデンサ14が設けられており、昇圧コンバータ15からの出力電力はコンデンサ14に蓄えられる。一方、昇圧コンバータ15のスイッチング素子のスイッチング駆動により、コンデンサ14に蓄えられた電力を用いて二次電池12の充電を行うことも可能である。
電力変換器としてのインバータ16は、三相のスイッチング素子と、スイッチング素子に対し逆並列接続されたダイオード(整流素子)とを備える公知の構成により実現可能であり、三相のスイッチング素子をオンオフするスイッチング駆動により、昇圧コンバータ15からの直流電圧を120°ずつ位相が異なる三相交流に変換する電力変換を行ってモータジェネレータ18の三相コイルへ供給することが可能である。モータジェネレータ18は、インバータ16からの交流電力を受けて回転駆動可能である。一方、インバータ16のスイッチング素子のスイッチング駆動により、モータジェネレータ18の三相コイルの交流電圧を直流に変換する電力変換を行って昇圧コンバータ15へ供給することも可能である。
同様に、電力変換器としてのインバータ17も、三相のスイッチング素子と、スイッチング素子に対し逆並列接続されたダイオード(整流素子)とを備える公知の構成により実現可能であり、三相のスイッチング素子をオンオフするスイッチング駆動により、昇圧コンバータ15からの直流電圧を120°ずつ位相が異なる三相交流に変換する電力変換を行ってモータジェネレータ19の三相コイルへ供給することが可能である。モータジェネレータ19は、インバータ17からの交流電力を受けて回転駆動可能である。一方、インバータ17のスイッチング素子のスイッチング駆動により、モータジェネレータ19の三相コイルの交流電圧を直流に変換する電力変換を行って昇圧コンバータ15へ供給することも可能である。このように、同じ高電圧系統10に複数の電力変換器(昇圧コンバータ15及びインバータ16,17)が互いに接続されている。なお、高電圧系統10に接続される電力変換器の数については、複数であれば任意である。
絶縁低下検出装置30において、パルス発生器41は、所定周波数のパルス信号(検出信号)を発生する。パルス発生器41は、検出抵抗42及びカップリングコンデンサ43を介して高電圧系統10(負側ラインSL)に接続されており、パルス発生器41が発生するパルス信号は、検出抵抗42及びカップリングコンデンサ43を介して高電圧系統10(負側ラインSL)に印加される。バンドパスフィルタ44は、検出抵抗42とカップリングコンデンサ43の接続点45に接続されている。パルス発生器41の発生する所定周波数のパルス信号がバンドパスフィルタ44を通過するように、バンドパスフィルタ44の通過帯域が設計されている。絶縁抵抗Riは、図1に例示するように、高電圧系統10(負側ラインSL)と車体20間の抵抗値で等価的に示される。
絶縁低下検出装置30により高電圧系統10と車体20間の絶縁抵抗Riの低下を検出する場合は、パルス発生器41からパルス信号を出力する。出力されたパルス信号は、検出抵抗42とカップリングコンデンサ43と絶縁抵抗Riを含んで構成される直列回路に印加される。その際に、検出抵抗42とカップリングコンデンサ43の接続点45には、絶縁抵抗Ri及び検出抵抗42(抵抗値Rd)の分圧比Ri/(Rd+Ri)とパルス信号の振幅との積を波高値とするパルス電圧が発生し、バンドパスフィルタ44を通過することでパルス電圧以外の周波数成分が除去される。絶縁抵抗Riが低下すると、検出抵抗42とカップリングコンデンサ43の接続点45におけるパルス電圧の波高値が低下するため、バンドパスフィルタ44を通過したパルス電圧Vdの波高値を検出することで、絶縁抵抗Riの低下(漏電)を検出することが可能である。例えばバンドパスフィルタ44を通過したパルス電圧Vdの波高値が閾値より小さい場合は、絶縁抵抗Riが低下していると判定することが可能である。
制御装置50において、電圧指令信号生成部52は、昇圧コンバータ15の電圧指令信号V0、インバータ16の三相電圧指令信号U1,V1,W1、及びインバータ17の三相電圧指令信号U2,V2,W2を生成する。電圧指令信号V0の値は昇圧コンバータ15の昇圧比(電圧変換比)に対応し、三相電圧指令信号U1,V1,W1の周波数はモータジェネレータ18の回転速度に対応し、三相電圧指令信号U2,V2,W2の周波数はモータジェネレータ19の回転速度に対応する。キャリア信号生成部55は、昇圧コンバータ15のスイッチング制御(PWM制御)を行うための三角波キャリア信号C0、インバータ16のPWM制御を行うための三角波キャリア信号C1、及びインバータ17のPWM制御を行うための三角波キャリア信号C2を生成する。
スイッチング駆動部56は、昇圧コンバータ15の電圧指令信号V0と三角波キャリア信号C0との比較に基づいて、昇圧コンバータ15のスイッチング素子のスイッチング駆動(PWM駆動)を制御する。その際には、電圧指令信号V0の値と三角波キャリア信号C0の値が一致するタイミングを昇圧コンバータ15のスイッチング素子のオンオフを切り替えるスイッチングタイミングとし、例えば、電圧指令信号V0の値が三角波キャリア信号C0の値より大きい期間でスイッチング素子をオンとし、電圧指令信号V0の値が三角波キャリア信号C0の値より小さい期間でスイッチング素子をオフとする。さらに、スイッチング駆動部56は、インバータ16の三相電圧指令信号U1,V1,W1と三角波キャリア信号C1との比較に基づいて、インバータ16の三相スイッチング素子のスイッチング駆動(PWM駆動)を制御し、インバータ17の三相電圧指令信号U2,V2,W2と三角波キャリア信号C2との比較に基づいて、インバータ17の三相スイッチング素子のスイッチング駆動(PWM駆動)を制御する。例えばU相電圧指令信号U1の値と三角波キャリア信号C1の値が一致するタイミングをインバータ16のU相スイッチング素子のスイッチングタイミングとし、V相電圧指令信号V2の値と三角波キャリア信号C2の値が一致するタイミングをインバータ17のV相スイッチング素子のスイッチングタイミングとする。このように、各電力変換器毎に、電圧指令信号とキャリア信号との比較に基づいてスイッチング素子のスイッチング駆動が制御される。
昇圧コンバータ15のスイッチング駆動時には、スイッチング周波数に応じた周波数の電磁騒音が発生する。これに対してキャリア信号生成部55は、昇圧コンバータ15の三角波キャリア信号C0の周波数(キャリア周波数)f0を設定周期T毎にランダム(不規則)に変化させるランダムキャリア制御を行うことで、昇圧コンバータ15のスイッチング周波数をランダムに変化させる。例えば図2,3に示すように、基準周波数fs0を中心とした設定周波数範囲内でキャリア周波数f0を設定周期T毎にランダムに変動させる。これによって、昇圧コンバータ15の電磁騒音の周波数を広帯域に分散させ、電磁騒音の周波数特性のピーク値を低減することができる。同様に、インバータ16,17のスイッチング駆動時にも、スイッチング周波数に応じた周波数の電磁騒音が発生するが、キャリア信号生成部55は、インバータ16,17の三角波キャリア信号C1,C2の周波数(キャリア周波数)f1,f2を設定周期T毎にランダムに変化させるランダムキャリア制御を行うことで、インバータ16,17の電磁騒音の周波数を広帯域に分散させ、電磁騒音の周波数特性のピーク値を低減することができる。ここでの設定周期Tは、三角波キャリア信号C0,C1,C2の周期と比べて十分長い時間に設定される。
ただし、例えばインバータ16のキャリア周波数f1とインバータ17のキャリア周波数f2に関して、N1×f1=N2×f2を満たす整数N1、N2が存在せず、周波数差Δf21=N1×f1−N2×f2がある場合は、インバータ16,17のスイッチング駆動時に、高電圧系統10と車体20間のコモンモード電圧が周波数Δf21で変動することによるコモンモードノイズが発生する。同様に、昇圧コンバータ15のキャリア周波数f0とインバータ16のキャリア周波数f1に関して周波数差Δf10=(N0×f0−N1×f1)(N0は整数)がある場合も、昇圧コンバータ15及びインバータ16のスイッチング駆動時に、コモンモード電圧が周波数Δf10で変動することによるコモンモードノイズが発生し、昇圧コンバータ15のキャリア周波数f0とインバータ17のキャリア周波数f2に関して周波数差Δf20=(N0×f0−N2×f2)がある場合も、昇圧コンバータ15及びインバータ17のスイッチング駆動時に、コモンモード電圧が周波数Δf20で変動することによるコモンモードノイズが発生する。
高電圧系統10と車体20間の絶縁抵抗Riの低下を検出するために、絶縁低下検出装置30のパルス発生器41から出力されるパルス信号の周波数fdは、通常キャリア周波数f0,f1,f2と比較して十分小さい値である。そのため、周波数f0やf1やf2のコモンモードノイズが高電圧系統10(負側ラインSL)に重畳したとしても、バンドパスフィルタ44で除去されることで、絶縁抵抗Riの低下の検出に影響を与えない。しかし、周波数差Δf21やΔf10やΔf20がパルス信号の周波数fdに近いと、高電圧系統10(負側ラインSL)に重畳した周波数Δf21やΔf10やΔf20のコモンモードノイズ成分がバンドパスフィルタ44を通過することで、例えば図4に示すように、バンドパスフィルタ44を通過したパルス電圧Vdの波高値が変動する。その場合は、絶縁抵抗Riの低下を精度よく検出することが困難となる。
そこで、本実施形態では、キャリア信号生成部55は、複数の電力変換器(昇圧コンバータ15及びインバータ16,17)における三角波キャリア信号C0,C1,C2同士の周波数差を変化させるように、各電力変換器における三角波キャリア信号C0,C1,C2の周波数f0,f1,f2をランダムに変化させるランダムキャリア制御を行う。以下の説明では、ランダムキャリア制御におけるインバータ16のキャリア周波数f1とインバータ17のキャリア周波数f2との関係について説明するが、昇圧コンバータ15のキャリア周波数f0とインバータ16のキャリア周波数f1との関係、及び昇圧コンバータ15のキャリア周波数f0とインバータ17のキャリア周波数f2との関係についても同様である。
インバータ16,17におけるキャリア周波数f1,f2の時間変化の一例を図5に示す。図5の例では、基準周波数fs1を中心とした設定周波数範囲内でキャリア周波数f1(t)(tは時間)を設定周期T毎にランダムに変動させるとともに、基準周波数fs2を中心とした設定周波数範囲内でキャリア周波数f2(t)を設定周期T毎にランダムに変動させている。つまり、キャリア周波数の各切替時刻tn(nは自然数)において、キャリア周波数f1の変動幅Δf1(tn)≠0、且つキャリア周波数f2の変動幅Δf2(tn)≠0が成立する。さらに、キャリア周波数の各切替時刻tnにおいて、キャリア周波数f1の変動幅Δf1(tn)がキャリア周波数f2の変動幅Δf2(tn)と異なる(Δf1(tn)≠Δf2(tn)が成立する)ように、変動幅Δf1(tn),Δf2(tn)をランダムに設定することで、同時刻tにおけるキャリア周波数f1(t),f2(t)の差分が一定値にならないようランダムに変動させる。これによって、キャリア周波数f1(t),f2(t)の周波数差Δf21に対応する周波数成分が広帯域に拡散し、高電圧系統10に重畳するコモンモードノイズの周波数成分が広帯域に拡散するため、バンドパスフィルタ44を通過する周波数fd近傍のコモンモードノイズ成分のレベルが低減する。その結果、例えば図6に示すように、周波数差Δf21のコモンモードノイズ成分によるパルス電圧Vdの波高値の変動を抑制することができ、絶縁抵抗Riの低下を精度よく検出することができる。
インバータ16,17におけるキャリア周波数f1,f2の時間変化の他の例を図7に示す。図7の例では、キャリア周波数f1,f2を設定周期T毎にランダムに切り替え、さらに、キャリア周波数f1の各切替時刻tanに対してキャリア周波数f2の各切替時刻tbnをずらしている。図7の例では、キャリア周波数f1,f2の切替時刻tan,tbnの時間差ΔtabをT/2としているが、T/2以外の時間差Δtabにすることも可能である。図7の例のように、ランダムに切り替えるキャリア周波数f1,f2の切替時刻tan,tbnに時間差Δtabを設けることによっても、同時刻tにおけるキャリア周波数f1(t),f2(t)の差分が一定値にならないようランダムに変動させることができる。その結果、高電圧系統10に重畳するコモンモードノイズの周波数成分が広帯域に拡散し、バンドパスフィルタ44を通過する周波数fd近傍のコモンモードノイズ成分のレベルが低減する。
インバータ16,17におけるキャリア周波数f1,f2の時間変化の他の例を図8に示す。図8の例では、キャリア周波数f1,f2を設定周期T毎にランダムに切り替え、さらに、所定周期Tp毎にキャリア周波数f1の変動幅Δf1をキャリア周波数f2の変動幅Δf2と異ならせることでキャリア周波数f1,f2の差分Δf21を変動させる。ここでの所定周期Tpは、設定周期TのNa(Naは2以上の整数)倍に設定され、さらに、バンドパスフィルタ44を通過する周波数fdの逆数より短い周期に設定される。図8の例では、所定周期Tpを設定周期Tの4倍(Na=4)としているが、4倍以外の周期にすることも可能である。図8の例のように、キャリア周波数f1,f2の差分Δf21が一定値にならないよう所定周期Tp毎に変動させることによっても、高電圧系統10に重畳するコモンモードノイズの周波数成分が広帯域に拡散し、バンドパスフィルタ44を通過する周波数fd近傍のコモンモードノイズ成分のレベルが低減する。
以上説明した本実施形態によれば、複数の電力変換器(昇圧コンバータ15及びインバータ16,17)におけるキャリア周波数f0,f1,f2同士の差分を変化させるように、各電力変換器におけるキャリア周波数f0,f1,f2をランダムに変化させるランダムキャリア制御を行う。このランダムキャリア制御によって、各電力変換器のスイッチング駆動による電磁騒音の周波数特性のピーク値を低減することができる。それとともに、絶縁抵抗Riの低下の検出に影響を与えるコモンモードノイズの発生を抑制することができるので、コモンモードノイズによるパルス電圧Vdの波高値の変動を抑制することができ、絶縁抵抗Riの低下の検出精度を向上させることができる。
本実施形態では、図9のフローチャートに従ってランダムキャリア制御を行うことも可能である。ステップS101では、各電力変換器のスイッチング駆動による電磁騒音が発生する周波数条件であるか否かが判定される。例えばキャリア周波数f1,f2が可聴周波数帯域内である場合は、ステップS101の判定結果はYESとなり、ステップS104に進む。一方、キャリア周波数f1,f2が可聴周波数帯域外である場合は、ステップS101の判定結果はNOとなり、ステップS102に進む。
ステップS102では、各電力変換器のスイッチング駆動による低周波ノイズが絶縁低下検出装置30に重畳する周波数条件であるか否かが判定される。例えばキャリア周波数f1,f2の周波数差Δf21がバンドパスフィルタ44の通過帯域内である場合は、ステップS102の判定結果はYESとなり、ステップS104に進む。一方、キャリア周波数f1,f2の周波数差Δf21がバンドパスフィルタ44の通過帯域外である場合は、ステップS102の判定結果はNOとなり、ステップS103に進む。
ステップS103では、各電力変換器におけるキャリア周波数を固定する通常制御が行われる。一方、ステップS104では、前述のランダムキャリア制御が行われる。そして、ステップS105では、絶縁低下検出装置30による漏電(絶縁抵抗Riの低下)の検出が行われる。
図9のフローチャートによれば、各電力変換器のスイッチング駆動による電磁騒音が発生する(各キャリア周波数が可聴周波数帯域内である)周波数条件である場合は、ランダムキャリア制御を行う。さらに、スイッチング駆動による電磁騒音が発生しない(各キャリア周波数が可聴周波数帯域外である)周波数条件であっても、絶縁低下検出装置30に低周波ノイズが重畳する(キャリア周波数同士の差がバンドパスフィルタ44の通過帯域内である)周波数条件である場合は、ランダムキャリア制御を行う。これによって、漏電(絶縁抵抗Riの低下)の検出を正確に行うことが可能となる。一方、スイッチング駆動による電磁騒音が発生せず、且つ絶縁低下検出装置30に低周波ノイズが重畳しない(キャリア周波数同士の差がバンドパスフィルタ44の通過帯域外である)周波数条件である場合は、ランダムキャリア制御を行わず、各電力変換器におけるキャリア周波数を固定する通常制御を行う。これによって、キャリア周波数の切り替えに伴う応答性の変化等を最小限に抑えることができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
10 高電圧系統、12 二次電池、14 コンデンサ、15 昇圧コンバータ、16,17 インバータ、18,19 モータジェネレータ、20 車体、30 絶縁低下検出装置、41 パルス発生器、42 検出抵抗、43 カップリングコンデンサ、44 バンドパスフィルタ、50 制御装置、52 電圧指令信号生成部、55 キャリア信号生成部、56 スイッチング駆動部。
Claims (1)
- スイッチング素子のスイッチング駆動により電力変換を行う複数の電力変換器を含む高電圧系統と、
所定周波数の検出信号を高電圧系統に印加して高電圧系統とアース間の絶縁抵抗の低下を検出する絶縁低下検出装置と、
各電力変換器毎に、電圧指令信号とキャリア信号との比較に基づいてスイッチング素子のスイッチング駆動を制御する制御装置と、
を備え、
制御装置は、複数の電力変換器におけるキャリア信号同士の周波数差を変化させるように、各電力変換器におけるキャリア信号の周波数を変化させる、電力変換装置。
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