JP2015201591A - 蓄電モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の蓄電素子X1,X2,X3,X4が電気的に接続された蓄電素子群16を備えた蓄電モジュール10Aであって、複数の蓄電素子X1〜X4に一定時間通電された通電状態において、複数の蓄電素子X1〜X4のうち、一の蓄電素子の温度と他の蓄電素子の温度とを比較して温度の高い蓄電素子の初期蓄電容量が温度の低い蓄電素子の初期蓄電容量よりも大きくなっている。
【選択図】図3
Description
本発明の実施形態1につき、図1ないし図3を参照しつつ説明する。本実施形態に係る蓄電モジュール10Aは、電気自動車、ハイブリッド車、ガソリン車、ディーゼル車等の車両11に搭載される。以下の説明においては、X方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向として説明する。
図1に示すように、車両11の車体12は、エンジン13が収容されたエンジンルーム14と、エンジンルーム14の後方に設けられて乗員が乗る車室15と、を備える。エンジン13は、車両11が走行する状態において熱を発生する車両側熱源とされる。
車室15のうち前端部寄りの位置であって、且つ、車室15の右端部寄りの位置には、蓄電モジュール10Aが配設されている。車室15はエンジンルーム14の後方に位置しているので、蓄電モジュール10Aは車室15のうちエンジンルーム14の近傍の位置に配された状態になっている。蓄電モジュール10Aは、複数(本実施形態では4つ)の蓄電素子X1,X2,X3,X4が電気的に接続された蓄電素子群16を備える。
図2に示すように、本実施形態においては、4つの蓄電素子X1,X2,X3,X4が左右方向に並んで配されており、左から順に、蓄電素子X1,蓄電素子X2,蓄電素子X3,蓄電素子X4とされる。蓄電素子X1〜X4は、直方体形状をなしている。直方体形状とは、直方体を含むと共に、直方体でなくとも、実質的に直方体形状を認められる形状を含む。4つの蓄電素子X1〜X4は、図示しない導電性の接続部材により直列に接続されている。本実施形態において、複数の蓄電素子X1〜X4は同形、同大である。
車室15内の温度分布は、概ね、車室15の内部から外部へ向かうに従って低くなっている。このため、車室15の前端部寄りの位置あって、且つ右端部寄りの位置に、左右方向に並べて配された複数の蓄電素子X1〜X4の温度も、車室15の内部から外部に至るにつれて(図1において左から右に向かうにつれて)低くなっている。
続いて、本発明を蓄電モジュール10Aに適用した実施例1について説明する。実施例1に係る蓄電素子X1〜X4は、ケース17内に、箔状の正極集電体に分極性電極物質を含む正極合剤を塗布してなる正極合板と、箔状の負極集電体に負極活物質を含む負極合剤を塗布してなる負極合板との間に、シート状をなす絶縁性のセパレータを介在させた蓄電要素が収容されてなる。ケース17内には液体状又は固体状の電解質が充填されている。実施例1に係る蓄電素子X1〜X4は、いわゆるリチウムイオンキャパシタである。
実施例1に係る蓄電素子X1〜X4のそれぞれについては、以下のようにして初期静電容量を測定した。25℃において、20mAの電流、3.8Vの電圧で定電流定電圧充電した。充電の終了条件は、15V到達後30分経過した時点とした。その後、20Aの電流で2.2Vまで放電し、3.5Vから2.5Vまでの電圧範囲での放電電荷量から静電容量を算出し、初期静電容量とした。
本実施形態に係る蓄電モジュール10Aについては、以下のようにしてサイクル特性試験を行った。電流20A、電圧15.2Vの定電流定電圧充電を行った。充電終止条件については、電流値が15.2V到達後30分経過した時点とした。その後、電流20A、終止電圧8.8Vの定電流放電を行った。上記充放電サイクルを1サイクルとし、これを1000サイクル連続して実施した。このときの1サイクル目に対する1000サイクル目の蓄電容量の比率を蓄電容量維持率とした。なお、本明細書で用いる「蓄電容量」には、一般的に二次電池に対して用いられる「放電容量」という用語、及び一般的にキャパシタに対して用いられる「静電容量」という用語が含まれるものとする。
比較例1においては、4つの蓄電素子X1〜X4の初期静電容量は、同一(1300F)であるものとした。上記以外の条件については実施例1と同様にして蓄電モジュール10Aを作製し、サイクル特性試験を実施した。
比較例1に係る蓄電モジュール10Aの蓄電容量維持率を100とした場合における、実施例1に係る蓄電モジュール10Aの蓄電維持率の相対値は、103であった。このように実施例1に係る蓄電モジュール10Aの寿命は、比較例1に係る蓄電モジュール10Aに比べて20%も向上した。
次に、本発明の実施形態2について、図4ないし図6を参照しつつ説明する。図4及び図5に示すように、本実施形態においては、蓄電モジュール10Bの右方には、蓄電モジュール10Bに隣接してECU18が配されている。ECU18は、複数の蓄電素子X1〜X4の状態を管理するようになっている。
ECU18は図示しないマイコンを備える。マイコンは、複数の蓄電素子X1〜X4の状態を示す信号を取得し、複数の蓄電素子X1〜X4の状態を判断し、複数の蓄電素子X1〜X4の放電状態及び充電状態を制御する。このようにECU18のマイコンは、複数の蓄電素子X1〜X4に通電されている状態において複数の蓄電素子X1〜X4の状態を管理する処理を実行しており、発熱している。このため、ECU18は、複数の蓄電素子X1〜X4に通電されている状態において発熱する電気的熱源とされる。
複数の蓄電素子X1〜X4に通電している間、ECU18は各蓄電素子X1〜X4の状態を管理するために作動している。このため、複数の蓄電素子X1〜X4に通電しているときにはECU18自体も発熱するので、複数の蓄電素子X1〜X4のうちECU18に最も近い位置に配された蓄電素子X4の温度の温度は、他の蓄電素子X1,X2,X3に比べて最も高くなる。本実施形態においては、蓄電素子群16のうち、右端部に配された蓄電素子X4の温度が最も高くなる。
蓄電モジュール10Bの右方にECU18を配置した以外は実施例2と同様にして蓄電モジュール10Bを作製し、サイクル特性試験を実施した。
比較例2においては、4つの蓄電素子X1〜X4の初期放電容量は同一(1290F)であるものとした。上記以外の条件については実施例2と同様にして蓄電モジュール10B作製し、サイクル特性試験を実施した。
比較例2に係る蓄電モジュール10Bの蓄電容量維持率を100とした場合における、実施例2に係る蓄電モジュール10Bの静電容量維持率の相対値は、102であった。このように実施例2に係る蓄電モジュール10Bの寿命は、比較例2に係る蓄電モジュール10Bに比べて12%も向上した。
次に、本発明の実施形態3について、図7ないし図9を参照しつつ説明する。図7及び図9に示すように、実施形態3においては、複数(本実施形態では4つ)の蓄電素子Y1,Y2,Y3,Y4は、前後方向に並んで配されている。各蓄電素子Y1〜Y4は同形同大に形成されている。
続いて、本発明を蓄電モジュール10Cに適用した実施例3について説明する。実施例3に係る蓄電素子Y1〜Y4は、X方向の長さ寸法が10cmであり、Y方向の長さ寸法が1.5cmであり、Z方向の長さ寸法が12cmとされる。
比較例1においては、4つの蓄電素子Y1〜Y4の初期静電容量は同一(1440F)であるものとした。上記以外の条件については実施例3と同様にして蓄電モジュール10Cを作製し、サイクル特性試験を実施した。
比較例3に係る蓄電モジュール10Cの蓄電容量維持率を100とした場合における、実施例3に係る蓄電モジュール10Cの蓄電容量維持率の相対値は、105であった。このように実施例3に係る蓄電モジュール10Cの寿命は、比較例3に係る蓄電モジュール10Cに比べて30%も向上した。
次に、本発明の実施形態4について、図10ないし図12を参照しつつ説明する。図10及び図11に示すように、本実施形態においては、蓄電モジュール10Dの右方には、蓄電モジュール10Dに隣接してECU18が配されている。ECU18は、複数の蓄電素子Y1〜Y4の状態を管理するようになっている。
ECU18は図示しないマイコンを備える。マイコンは、複数の蓄電素子Y1〜Y4の状態を示す信号を取得し、複数の蓄電素子Y1〜Y4の状態を判断し、複数の蓄電素子Y1〜Y4の放電状態及び充電状態を制御する。このようにECU18のマイコンは、複数の蓄電素子Y1〜Y4に通電されている状態において複数の蓄電素子Y1〜Y4の状態を管理する処理を実行しており、発熱している。このため、ECU18は、複数の蓄電素子Y1〜Y4に通電されている状態において発熱する電気的熱源とされる。
複数の蓄電素子Y1〜Y4に通電している間、ECU18は各蓄電素子Y1〜Y4の状態を管理するために作動している。このため、複数の蓄電素子Y1〜Y4に通電しているときにはECU18自体も発熱するので、複数の蓄電素子Y1〜Y4のうちECU18に最も近い位置に配された蓄電素子Y4の温度の温度は、他の蓄電素子Y1,Y2,Y3に比べて最も高くなる。
蓄電モジュール10Dの右方にECU18を配置した以外は実施例3と同様にして蓄電モジュール10Dを作製し、サイクル特性試験を実施した。各蓄電素子Y1〜Y4の温度と、各蓄電素子Y1〜Y4の初期静電容量について図12にまとめた。実施例4では、蓄電素子Y1が最小蓄電素子とされる。
比較例4においては、4つの蓄電素子Y1〜Y4の初期静電容量は同一(1440F)であるものとした。上記以外の条件については実施例4と同様にして蓄電モジュール10Dを作製し、サイクル特性試験を実施した。
比較例4に係る蓄電モジュール10Dの蓄電容量維持率を100とした場合における、実施例4に係る蓄電モジュール10Dの蓄電容量維持率の相対値は、105であった。このように実施例4に係る蓄電モジュール10Dの寿命は、比較例4に係る蓄電モジュール10Dに比べて30%も向上した。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
11:車両
13:エンジン
16:蓄電素子群
18:ECU
X1、X2、X3、X4、Y1,Y2,Y3,Y4:蓄電素子
Claims (6)
- 複数の蓄電素子が電気的に接続された蓄電素子群を備えた蓄電モジュールであって、
前記複数の蓄電素子に一定時間通電された通電状態において、前記複数の蓄電素子のうち、一の蓄電素子の温度と他の蓄電素子の温度とを比較して温度の高い蓄電素子の初期蓄電容量が温度の低い蓄電素子の初期蓄電容量よりも大きい蓄電モジュール。 - 前記複数の蓄電素子のうち初期蓄電容量が最小であるものを最小蓄電素子とし、前記最小蓄電素子の初期蓄電容量を最小初期蓄電容量としたときに、
(前記複数の蓄電素子に通電された通電状態において、最小蓄電素子と異なる蓄電素子の初期蓄電容量と前記最小初期蓄電容量との差)/{(前記最小蓄電素子と異なる蓄電素子の温度と前記最小蓄電素子の温度との差)×前記最小初期蓄電容量}の値Dが、0.001〜0.1である請求項1に記載の蓄電モジュール。 - 前記蓄電素子群に隣接して、前記通電状態において前記複数の蓄電素子の通電中に発熱する電気的熱源が配されている請求項1または請求項2に記載の蓄電モジュール。
- 前記電気的熱源は前記複数の蓄電素子の状態を管理するECUである請求項3に記載の蓄電モジュール。
- 前記蓄電素子群は車両に搭載されており、前記車両には前記車両の走行中に発熱する車両側熱源が更に搭載されており、
前記蓄電素子群は、前記車両のうち前記車両側熱源の近傍に配されるものである請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の蓄電モジュール。 - 前記車両側熱源はエンジンである請求項5に記載の蓄電モジュール。
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JP2013191396A (ja) * | 2012-03-14 | 2013-09-26 | Hitachi Ltd | 非水電解質二次電池、非水電解質二次電池モジュール |
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