JP2012234697A - 電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 第2組電池に充電電流(特に、過大な電流)が流れるのを阻止するとともに、第2組電池の放電だけを許容する。
【解決手段】 電池システムは、充放電を行う第1組電池(10)および第2組電池(20)と、ダイオード(32)とを有する。第1組電池は、第2組電池よりも大きな電流で充放電が可能であり、第2組電池は、第1組電池よりも蓄電容量が大きい。第1組電池および第2組電池は、並列接続されているとともに、負荷と接続されている。ダイオードは、第2組電池と直列接続されるとともに、第2組電池とともに第1組電池と並列接続される。ダイオードは、第2組電池の放電電流を流す。
【選択図】 図1
【解決手段】 電池システムは、充放電を行う第1組電池(10)および第2組電池(20)と、ダイオード(32)とを有する。第1組電池は、第2組電池よりも大きな電流で充放電が可能であり、第2組電池は、第1組電池よりも蓄電容量が大きい。第1組電池および第2組電池は、並列接続されているとともに、負荷と接続されている。ダイオードは、第2組電池と直列接続されるとともに、第2組電池とともに第1組電池と並列接続される。ダイオードは、第2組電池の放電電流を流す。
【選択図】 図1
Description
本発明は、いわゆる高出力型組電池および高容量型組電池が電気的に並列に接続された電池システムに関する。
高出力型組電池および高容量型組電池を電気的に並列に接続した電池システムが提案されている。高出力型組電池は、高容量型組電池よりも大きな電流で充放電を行うことができ、高容量型組電池は、高出力型組電池よりも大きな蓄電容量を有している。
高容量型組電池は、高出力型組電池よりも小さい電流で充放電が行われることになるため、高容量型組電池に入力される電流値によっては、高容量型組電池に不具合が発生するおそれがある。例えば、高容量型組電池に入力される電流値が、高容量型組電池の許容電流値に到達してしまうおそれがある。
本発明である電池システムは、充放電を行う第1組電池および第2組電池と、ダイオードとを有する。第1組電池は、第2組電池よりも大きな電流で充放電が可能であり、第2組電池は、第1組電池よりも蓄電容量が大きい。第1組電池および第2組電池は、並列接続されているとともに、負荷と接続されている。ダイオードは、第2組電池と直列接続されるとともに、第2組電池とともに第1組電池と並列接続される。また、ダイオードは、第2組電池の放電電流を流す。ダイオードは、第2組電池の正極端子および負極端子のうち、少なくとも一方と接続することができる。
第2組電池には、充電器を接続することができる。ダイオードを設けることにより、第2組電池は、放電だけが許容されることになるため、放電によって第2組電池のSOC(State Of Charge、充電状態)が低下したときには、充電器を用いて、第2組電池を充電することができる。充電器は、外部電源からの電力を第2組電池に入力させることができる。第1組電池および第2組電池は、並列接続されているため、第2組電池を充電すれば、第2組電池から第1組電池に充電電流を流すことができ、第1組電池の充電を行うこともできる。
本発明の電池システムには、第1リレーおよび第2リレーを設けることができる。第1リレーは、第1組電池の充放電を許容状態および禁止状態の間で切り替える。第2リレーは、第2組電池の放電を許容状態および禁止状態の間で切り替える。ここで、ダイオードのカソードは、第2リレーに接続することができる。
負荷としては、モータ・ジェネレータを用いることができる。モータ・ジェネレータは、第1組電池および第2組電池の少なくとも一方からの電力を受けて運動エネルギを生成するとともに、入力された運動エネルギから電気エネルギを生成することができる。具体的には、モータ・ジェネレータは、車両の走行に用いられる運動エネルギを生成するとともに、車両の制動時に発生する運動エネルギを電気エネルギに変換することができる。モータ・ジェネレータによって生成された電気エネルギは、第1組電池だけに蓄えられることになる。
第2組電池には、並列接続された複数の単電池を含めることができる。また、直列接続された複数の電池ブロックによって、第2組電池を構成し、各電池ブロックを、並列接続された複数の単電池で構成することができる。一方、並列接続された複数の電池ブロックによって、第2組電池を構成し、各電池ブロックを、直列接続された複数の単電池で構成することができる。また、第1組電池は、直列接続された複数の単電池で構成することができる。
本発明によれば、ダイオードを設けることにより、第2組電池に充電電流(特に、過大な電流)が流れるのを阻止することができる。また、第2組電池の放電だけを許容することができ、第2組電池に蓄えられた電気エネルギを効率良く利用することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
本発明の実施例1である電池システムについて説明する。図1は、本実施例の電池システムの構成を示す回路図である。本実施例の電池システムは、車両に搭載することができる。
本実施例の電池システムは、高出力型組電池(第1組電池に相当する)10および高容量型組電池(第2組電池に相当する)20を備えており、高出力型組電池10および高容量型組電池20は、電気的に並列に接続されている。高出力型組電池10は、高容量型組電池20よりも大きな電流で充放電を行うことができる電池である。高容量型組電池20は、高出力型組電池10よりも大きな蓄電容量を有する電池である。
高出力型組電池10は、電気的に直列に接続された複数の単電池11を有する。単電池11としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池を用いることができる。また、単電池11としては、いわゆる円筒型の電池や、いわゆる角型の電池を用いることができる。円筒型の電池は、外形が円筒に沿った形状を有する電池である。角型の電池は、外形が直方体に沿った形状を有する電池である。
高容量型組電池20は、電気的に直列に接続された複数の電池ブロック21を有する。各電池ブロック21は、電気的に並列に接続された複数の単電池22を有する。単電池22としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池を用いることができる。また、単電池22としては、円筒型や角型の電池を用いることができる。
図1に示す高容量型組電池20では、複数の電池ブロック21を電気的に直列に接続しているが、これに限るものではない。例えば、図2に示すように、高容量型組電池20を構成することができる。図2に示す高容量型組電池20では、複数の電池ブロック21が電気的に並列に接続されており、各電池ブロック21では、複数の単電池22が電気的に直列に接続されている。図2に示す構成でも、電池ブロック21や単電池22の数は、適宜設定することができる。
高容量型組電池20を構成する単電池22の数は、高出力型組電池10を構成する単電池11の数よりも多い。また、電池ブロック21を構成する単電池22の数は、すべての電池ブロック21において等しい。ここで、電池ブロック21の数や、電池ブロック21を構成する単電池22の数は、高容量型組電池20の特性(容量など)に基づいて、適宜設定することができる。本実施例では、高出力型組電池10および高容量型組電池20の総電圧を略等しくしているが、互いに異ならせることもできる。
単電池11,22として、リチウムイオン電池を用いるとき、例えば、単電池11の負極活物質として、ハードカーボン(難黒鉛化炭素材料)を用い、単電池11の正極活物質として、リチウム・マンガン系複合酸化物を用いることができる。また、単電池22の負極活物質として、グラファイト(黒鉛)を用い、単電池21の正極活物質として、リチウム・ニッケル系複合酸化物を用いることができる。
高出力型組電池10の単電池11および高容量型組電池20の単電池22は、互いに比較したときに、以下の表1に示す関係を有する。
表1において、単電池11,22の出力は、例えば、単電池の単位質量当たりの電力(単位[W/kg])や、単電池の単位体積当たりの電力(単位[W/L])として表すことができる。単電池の出力に関して、単電池11(高出力型組電池10)は、単電池22(高容量型組電池20)よりも高い。ここで、単電池11,22の質量又は体積を等しくしたとき、単電池11の出力[W]は、単電池22の出力[W]よりも高くなる。
単電池11,22の容量は、例えば、単電池の単位質量当たりの容量(単位[Wh/kg])や、単電池の単位体積当たりの容量(単位[Wh/L])として表すことができる。単電池の容量に関して、単電池22は、単電池11よりも大きい。ここで、単電池11,22の質量又は体積を等しくしたとき、単電池22の容量[Wh]は、単電池11の容量[Wh]よりも大きくなる。
表1において、単電池11,22の電極の出力は、例えば、電極の単位面積当たりの電流値(単位[mA/cm^2])として表すことができる。電極の出力に関して、単電池11は、単電池22よりも高い。ここで、電極の面積が等しいとき、単電池11の電極に流れる電流値は、単電池22の電極に流れる電流値よりも大きくなる。
単電池11,22の電極の容量は、例えば、電極の単位質量当たりの容量(単位[mAh/g])や、電極の単位体積当たりの容量(単位[mAh/cc])として表すことができる。電極の容量に関して、単電池22は、単電池11よりも大きい。ここで、電極の質量又は体積が等しいとき、単電池22の電極の容量は、単電池11の電極の容量よりも大きくなる。
高出力型組電池10の正極端子には、システムメインリレー(第1リレーに相当する)SMR−B1が接続されており、システムメインリレーSMR−B1のオン/オフは、コントローラ50からの制御信号によって切り替えられる。システムメインリレーSMR−B1がオン状態であるとき、高出力型組電池10の充放電が許容される。また、システムメインリレーSMR−B1がオフ状態であるとき、高出力型組電池10の充放電が禁止される。
高容量型組電池20の正極端子には、システムメインリレー(第2リレーに相当する)SMR−B2が接続されており、システムメインリレーSMR−B2のオン/オフは、コントローラ50からの制御信号によって切り替えられる。システムメインリレーSMR−B2がオン状態であるとき、高容量型組電池20の放電が許容される。また、システムメインリレーSMR−B2がオフ状態であるとき、高容量型組電池20の放電が禁止される。
高出力型組電池10の負極端子および高容量型組電池20の負極端子には、システムメインリレーSMR−G,SMR−Pが接続されている。システムメインリレーSMR−G,SMR−Pのオン/オフは、コントローラ50からの制御信号によって切り替えられる。システムメインリレーSMR−Pには、プリチャージ抵抗31が直列に接続されている。また、システムメインリレーSMR−Pおよびプリチャージ抵抗31は、システムメインリレーSMR−Gに対して並列に接続されている。
高出力型組電池10および高容量型組電池20は、システムメインリレーSMR−B1,SMR−B2,SMR−G,SMR−Pを介して、負荷40と接続されている。負荷40としては、モータ・ジェネレータを用いることができる。
モータ・ジェネレータ40は、高出力型組電池10および高容量型組電池20からの電力を受けることにより、車両を走行させるための運動エネルギを生成する。また、車両を減速させたり、停止させたりするとき、モータ・ジェネレータ40は、制動時に発生する運動エネルギを電気エネルギに変換する。モータ・ジェネレータ40で生成された電気エネルギは、回生電力として、高出力型組電池10に供給され、高出力型組電池10は、回生電力を蓄えることができる。
高出力型組電池10および高容量型組電池20と、モータ・ジェネレータ40との間の電流経路には、昇圧回路やインバータを配置することができる。昇圧回路を用いれば、高出力型組電池10や高容量型組電池20の出力を昇圧処理した後に、モータ・ジェネレータ40に供給したり、モータ・ジェネレータ40の出力を降圧処理した後に、高出力型組電池10に供給したりすることができる。一方、インバータを用いれば、モータ・ジェネレータ40として、交流モータを用いることができる。
システムメインリレーSMR−B2と、高容量型組電池20の正極端子との間には、ダイオード32が設けられている。具体的には、ダイオード32のカソードは、システムメインリレーSMR−B2と接続されている。言い換えれば、ダイオード32のカソードは、高出力型組電池10の正極端子および負荷を接続するラインと接続されている。また、ダイオード32のアノードは、高容量型組電池20の正極端子と接続されている。
本実施例では、ダイオード32のカソードがシステムメインリレーSMR−B2と接続し、ダイオード32のアノードが高容量型組電池20の正極端子と接続されているが、これに限るものではない。具体的には、ダイオード32のカソードが高容量型組電池20の負極端子と接続され、ダイオード32のアノードがシステムメインリレーSMR−G,SMR−Pと接続されていてもよい。
すなわち、ダイオード32および高容量型組電池20を直列に接続し、直列に接続されたダイオード32および高容量型組電池20を、高出力型組電池10に対して並列に接続すればよい。ここで、後述するように、ダイオード32は、高容量型組電池20の放電を許容するとともに、負荷40や高出力型組電池10からの充電電流が高容量型組電池20に流れるのを阻止する機能を有する。この機能を果たすように、ダイオード32を配置すればよい。ダイオード32は、高容量型組電池20の負極端子および正極端子のうち、少なくとも一方に配置すればよい。
高容量型組電池20には、充電器41が並列に接続されている。具体的には、高容量型組電池20の正極端子およびダイオード32のアノードを接続するラインと、高容量型組電池20の負極端子とに対して、充電器41が接続されている。
ここで、ダイオード32を高容量型組電池20の負極端子と接続するときには、ダイオード32のカソードおよび高容量型組電池20の負極端子を接続するラインに対して、充電器41を接続する必要がある。言い換えれば、ダイオード32は、高容量型組電池20および充電器41と直列に接続されている。また、ダイオード32は、高容量型組電池20および充電器41とともに、高出力型組電池10に対して並列に接続されている。
充電器41を用いることにより、高容量型組電池20を充電することができる。充電器41は、外部電源からの電力を、高容量型組電池20に供給する。外部電源としては、例えば、家庭用電源を用いることができる。家庭用電源を用いたとき、充電器41は、家庭用電源から供給された交流電力を直流電力に変換して、高容量型組電池20に供給する。
高容量型組電池20の充電によって、高容量型組電池20の総電圧(OCV)が高出力型組電池10の総電圧(OCV)よりも高くなれば、高容量型組電池20から高出力型組電池10に充電電流を流すことができる。これにより、高容量型組電池20の充電によって、高出力型組電池10の充電も行うことができる。
本実施例では、電池システムの一部として、充電器41が設けられているが、電池システムの外部に充電器を設けることもできる。この場合には、電池システムが充電器と接続されることにより、高容量型組電池20の充電を行うことができる。
高出力型組電池10および負荷40を電気的に接続するとき、コントローラ50は、まず、システムメインリレーSMR−B1,SMR−Pをオフ状態からオン状態に切り替える。ここで、コントローラ50は、システムメインリレーSMR−Gをオフ状態のままとしている。システムメインリレーSMR−Pをオン状態とすることにより、プリチャージ抵抗31に電流が流れる。
所定時間が経過すると、コントローラ50は、システムメインリレーSMR−Gをオフ状態からオン状態に切り替えるとともに、システムメインリレーSMR−Pをオン状態からオフ状態に切り替える。これにより、高出力型組電池10および負荷40の接続が完了する。ここで、システムメインリレーSMR−B1,SMR−Gをオン状態からオフ状態に切り替えれば、高出力型組電池10および負荷40の電気的な接続を遮断することができる。
高容量型組電池20および負荷40を接続するとき、コントローラ50は、まず、システムメインリレーSMR−B2,SMR−Pをオフ状態からオン状態に切り替える。ここで、コントローラ50は、システムメインリレーSMR−Gをオフ状態のままとしている。システムメインリレーSMR−Pをオン状態とすることにより、プリチャージ抵抗31に電流が流れる。
所定時間が経過すると、コントローラ50は、システムメインリレーSMR−Gをオフ状態からオン状態に切り替えるとともに、システムメインリレーSMR−Pをオン状態からオフ状態に切り替える。これにより、高容量型組電池20および負荷40の接続が完了する。ここで、システムメインリレーSMR−B2,SMR−Gをオン状態からオフ状態に切り替えれば、高容量型組電池20および負荷40の電気的な接続を遮断することができる。
高容量型組電池20は、例えば、EV走行モードで車両を走行させるときに用いることができる。EV走行モードは、高容量型組電池20から出力された電気エネルギを用いて、車両を走行させるモードである。EV走行モードは、車両を走行させる動力源として、少なくとも高出力型組電池10および高容量型組電池20を備えた車両において、設定される。この車両としては、具体的には、車両の動力源として、組電池10,20だけを備えた電気自動車や、車両の動力源として、組電池10,20の他に、内燃機関を備えたハイブリッド自動車がある。
EV走行モードでは、例えば、高容量型組電池20の電力を積極的に用い、車両の要求出力によっては、高出力型組電池10の電力を併用して車両を走行させることができる。ここで、高容量型組電池20では、定電流放電に沿った放電を行うことができる。
EV走行モードでは、高容量型組電池20のSOC(State Of Charge、充電状態)が、予め定めた下限値に到達するまで、高容量型組電池20を放電することができる。高容量型組電池20のSOCが下限値に到達したときには、充電器41を用いることにより、高容量型組電池20のSOCが、予め定めた上限値に到達するまで、高容量型組電池20を充電することができる。
ここで、高容量型組電池20の充放電制御におけるSOCの上限値は、高出力型組電池10の充放電制御におけるSOCの上限値よりも高くすることができる。また、高容量型組電池20の充放電制御におけるSOCの下限値は、高出力型組電池10の充放電制御におけるSOCの下限値よりも低くすることができる。高容量型組電池20に関して、SOCの上限値を100%のSOC(満充電状態)に近づけたり、SOCの下限値を0%のSOCに近づけたりすることにより、SOCの使用範囲を広げることができ、高容量型組電池20に蓄えられたエネルギを効率良く利用することができる。
高容量型組電池20のSOCが下限値に到達したときには、高容量型組電池20の充放電は行われないことになる。このとき、コントローラ50は、システムメインリレーSMR−B2をオン状態からオフ状態に切り替えることができる。
一方、高出力型組電池10は、例えば、HV走行モードで車両を走行させるときに用いることができる。HV走行モードは、車両を走行させる動力源として、高出力型組電池10や高容量型組電池20の他に、内燃機関を備えた車両において、設定される。
HV走行モードは、高出力型組電池10から出力された電気エネルギと、内燃機関で生成された運動エネルギとを用いながら、車両を走行させるモードである。HV走行モードでは、高出力型組電池10のSOCが、予め定められた基準SOCに沿って変位するように、高出力型組電池10の充放電を制御することができる。
高出力型組電池10および高容量型組電池20を単純に並列接続した構成において、高出力型組電池10および高容量型組電池20を、EV走行モードにおける走行等の負荷に応じて充放電すると、図3に示すように、高容量型組電池20のSOCが高出力型組電池10のSOCよりも高くなる。この理由について、以下に説明する。
高出力型組電池10および高容量型組電池20は、並列接続されているため、高出力型組電池10および高容量型組電池20のCCV(閉回路電圧)は、互いに等しい。一方、高出力型組電池10は、高容量型組電池20よりも内部抵抗Rが小さくなるため、IR成分(I:電流値)についても、高容量型組電池20よりも高出力型組電池10が小さくなる。
高出力型組電池10および高容量型組電池20のOCV(開回路電圧)は、放電時において、下記式(1)で表される。
|CCV|=|OCV|−|IR| ・・・(1)
式(1)によれば、IR成分の小さい高出力型組電池10では、高容量型組電池20と比べて、OCVの値も小さくなる。OCVおよびSOCは、対応関係にあるため、高出力型組電池10のSOCは、高容量型組電池20のSOCよりも低くなってしまう。言い換えれば、高容量型組電池20のSOCは、高出力型組電池10のSOCよりも高くなってしまう。このような状況では、高容量型組電池20のSOCを低下させにくくなり、高容量型組電池20に蓄積されたエネルギを効率良く使用することはできなくなってしまう。具体的には、EV走行モードにおいて、高容量型組電池20に蓄積されたエネルギを効率良く利用することができなくなってしまう。
本実施例では、上述したように、ダイオード32を設けることにより、高容量型組電池20に充電電流が流れないようにしている。すなわち、回生動作のときに、高出力型組電池10には充電電流が流れるが、高容量型組電池20には充電電流が流れないことになる。言い換えれば、高容量型組電池20では、放電だけが積極的に行われるようにしている。これにより、高容量型組電池20の充電に伴う分極成分がなくなり、高容量型組電池20の放電時における分極(IR成分)を小さくできる。IR成分を小さくできることにより、高容量型組電池20のSOCが低下しやすくなり、高容量型組電池20に蓄積されたエネルギを使用しやすくなる。
また、高出力型組電池10の総電圧が下限電圧に到達したり、高出力型組電池10のSOCが下限SOCに到達したりすると、EV走行モードからHV走行モードに移行することができる。ここで、下限電圧とは、高出力型組電池10の充放電制御で用いられる電圧の下限値である。
HV走行モードに移行した後において、例えば、要求出力に応じた大電流での放電を行うときには、高出力型組電池10のCCVが高容量型組電池20のOCVよりも低くなることがある。このとき、HV走行モードでは、高容量型組電池20を放電させて、車両を走行させることができる。例えば、高出力型組電池10のCCVが高容量型組電池20のOCVと等しくなるまで、高容量型組電池20を放電させて、高容量型組電池20に蓄えられた電気エネルギを、車両を走行させるためのエネルギとして利用することができる。
一方、システムメインリレーSMR−B1,SMR−B2がオン状態であるとき、高容量型組電池20の総電圧が高出力型組電池10の総電圧よりも低くなると、高出力型組電池10から高容量型組電池20に電流(循環電流)が流れることがある。このとき、高容量型組電池20に入力される電流値が、高容量型組電池20の許容電流値に到達してしまうおそれもある。
また、回生電力を高容量型組電池20に入力させようとすると、入力される電流値が高容量型組電池20の許容電流値に到達してしまうおそれもある。ここで、高出力型組電池10では、高容量型組電池20よりも大きな電流値で充放電を行うことができるため、回生電力を高出力型組電池10に入力させることはできる。
本実施例では、ダイオード32を設けることにより、過大な電流が高容量型組電池20に流れるのを阻止することができる。ここで、回生動作を行うときには、高出力型組電池10だけに対して回生電力を入力させることになる。
一方、高容量型組電池20では、複数の単電池22が電気的に並列に接続されているため、並列接続された複数の単電池22において、温度のバラツキが発生していると、温度が高い側の単電池22に対して電流が流れやすくなってしまう。ここで、高容量型組電池20を構成する単電池22の数は、高出力型組電池10を構成する単電池11の数よりも多いため、複数の単電池22の配置状態などに基づいて、複数の単電池22の温度にバラツキが発生しやすいことがある。
一般的には、単電池22の温度が上昇すると、単電池22の内部抵抗が低下するため、内部抵抗が低下した単電池22には、電流が流れやすくなってしまう。そして、電流が流れやすくなると、発熱量は電流の二乗に比例するため、単電池22の温度が更に上昇してしまう。特に、過大な電流が単電池22に流れてしまうと、単電池22の温度も過度に上昇してしまう。
このように、並列接続された複数の単電池22において、温度のバラツキが発生しているときに、高容量型組電池20に充電電流が流れると、複数の単電池22における温度のバラツキが広がりやすくなってしまう。また、単電池22の温度が上昇してしまうと、単電池22が劣化しやすくなってしまう。
本実施例では、上述したように、ダイオード32を設けて、高容量型組電池20に充電電流が流れるのを阻止することにより、高容量型組電池20の一部の単電池22に電流が集中して流れてしまうのを防止することができる。したがって、高容量型組電池20では、複数の単電池22における温度のバラツキが広がるのを抑制することができる。また、温度上昇に伴う単電池22の劣化も抑制することができる。
一方、各単電池22の温度を監視し、各単電池22の冷却を効率良く行うようにすれば、複数の単電池22における温度のバラツキが発生するのを抑制することができる。しかし、この場合には、複数の単電池22の温度調節を行うための構造や制御が複雑になってしまう。本実施例では、高容量型組電池20の充電を制限して、複数の単電池22における温度のバラツキを抑制しているため、単電池22の温度調節を行うための構造や制御を簡素化することができる。
10:高出力型組電池(第1組電池)
11:単電池
20:高容量型組電池(第2組電池)
21:電池ブロック
22:単電池
31:プリチャージ抵抗
32:ダイオード
40:負荷
41:充電器
50:コントローラ
11:単電池
20:高容量型組電池(第2組電池)
21:電池ブロック
22:単電池
31:プリチャージ抵抗
32:ダイオード
40:負荷
41:充電器
50:コントローラ
Claims (10)
- 並列接続された状態で負荷と接続され、充放電を行う第1組電池および第2組電池と、
前記第2組電池と直列接続されるとともに、前記第2組電池とともに前記第1組電池と並列接続されており、前記第2組電池の放電電流を流すダイオードと、を有し、
前記第1組電池は、前記第2組電池よりも大きな電流で充放電が可能であり、前記第2組電池は、前記第1組電池よりも蓄電容量が大きいことを特徴とする電池システム。 - 前記第2組電池と接続され、外部電源からの電力を受けて前記第2組電池の充電を行う充電器を有することを特徴とする請求項1に記載の電池システム。
- 前記第1組電池の充放電を許容状態および禁止状態の間で切り替える第1リレーと、
前記第2組電池の放電を許容状態および禁止状態の間で切り替える第2リレーと、
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電池システム。 - 前記ダイオードのカソードは、前記第2リレーと接続されていることを特徴とする請求項3に記載の電池システム。
- 前記負荷は、モータ・ジェネレータであり、
前記モータ・ジェネレータは、前記第1組電池および前記第2組電池の少なくとも一方からの電力を受けて運動エネルギを生成するとともに、入力された運動エネルギから電気エネルギを生成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の電池システム。 - 前記モータ・ジェネレータは、車両の走行に用いられる運動エネルギを生成するとともに、車両の制動時に発生する運動エネルギを電気エネルギに変換することを特徴とする請求項5に記載の電池システム。
- 前記第2組電池は、並列接続された複数の単電池を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の電池システム。
- 前記第2組電池は、直列接続された複数の電池ブロックで構成されており、
前記各電池ブロックは、並列接続された複数の単電池で構成されていることを特徴とする請求項7に記載の電池システム。 - 前記第2組電池は、並列接続された複数の電池ブロックで構成されており、
前記各電池ブロックは、直列接続された複数の単電池で構成されていることを特徴とする請求項7に記載の電池システム。 - 前記第1組電池は、直列接続された複数の単電池で構成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の電池システム。
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