JP2015199335A - 水分選択透過性フィルター及びそれを備えたセンサー - Google Patents

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康史 松村
靖 榎本
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靖 榎本
龍三 新田
Ryuzo Nitta
龍三 新田
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Abstract

【課題】 高い水蒸気透過率を有し、薄く、しかも十分な強度と油分に対する優れた遮断機能を有する水分選択透過性フィルターを提供する。
【解決手段】 水分選択透過性フィルター100は、多数の細孔(図示省略)を有する多孔質体10と、この多孔質体10の細孔を塞ぐ水分選択透過層20と、を備えている。水分選択透過層20は、水分を透過し、油分、炭化水素などを透過しない水分透過性材料を、多孔質体10にコーティング、含浸等させることにより形成されている。水分透過性材料としては、例えば、樹脂、フッ素化合物、シリコーン化合物、アルミニウム塩、ガラスなどの材質を使用できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばセンサーなどに利用可能な水分選択透過性フィルター及びそれを備えたセンサーに関する。
近年、電子情報社会の発展に伴い、さまざまな電子デバイスが利用されている。電子デバイスを製造する過程や利用する過程では、電子回路など電子部品をショートさせる原因となる水分が大きな問題となっている。そして、電子デバイスの使用環境を確認するために、例えば湿度センサー、結露センサーなどが使用されている。これらのセンサー類では、設置される雰囲気中の蒸気、ガス、液体等にセンサー材料が暴露されることによって、センサー材料が経時的に劣化し、または汚染され、センシング機能が低下する懸念がある。そのため、例えば湿度センサーでは、検出対象である水分は透過するが、油分などはブロックする水分選択透過性フィルターを配備してセンサー類を保護することが望ましい。
上記センサー類において、保護材料として水分選択透過性フィルターを設ける場合、高い水蒸気透過率を確保するとともに、装置を小型化するために、フィルターの厚みを極力薄く形成することが求められる。その一方で、膜厚を薄くしすぎると、強度が低下して自立膜として成立し得ず、耐久性やハンドリング性が低下したり、本来の性能である油分などの遮断機能が低下したりする、という問題があった。
本発明の目的は、高い水蒸気透過率を有し、薄く、しかも十分な強度と油分に対する優れた遮断機能を有する水分選択透過性フィルターを提供することにある。
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意研究を行った結果、多数の細孔を有する多孔質体に、水分透過性材料を複合化して多孔質体の細孔を塞ぐ水分選択透過層を形成することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の水分選択透過性フィルターは、多数の細孔を有する多孔質体と、前記多孔質体の前記細孔を塞ぐ水分選択透過層と、を備えている。
本発明の水分選択透過性フィルターは、前記水分選択透過層が、樹脂、フッ素化合物から選ばれる1種又は2種以上の水分透過性材料を含有していてもよい。
本発明の水分選択透過性フィルターは、前記樹脂が、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂、PMMA、ポリビニルアセテートよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であってもよい。
本発明の水分選択透過性フィルターは、前記水分選択透過層が、前記多孔質体の表面にコーティングされた前記水分透過性材料により形成されていてもよい。
本発明の水分選択透過性フィルターは、前記水分選択透過層が、前記多孔質体の内部に含浸された前記水分透過性材料により形成されていてもよい。
本発明の水分選択透過性フィルターにおいて、前記水分選択透過層は、前記水分透過性材料が前記多孔質体の表面にコーティングされている部分と、前記水分透過性材料が前記多孔質体に含浸されている部分とを含んでいてもよい。
本発明の水分選択透過性フィルターにおいて、前記水分透過性材料は、厚さ25μmのフィルムの状態で、25℃、90%RHの条件により測定した場合の水蒸気透過率が1.0g/m・24h以上であってもよい。
本発明の水分選択透過性フィルターの製造方法は、多数の細孔を有する多孔質体と、前記多孔質体の前記細孔を塞ぐ水分選択透過層と、を備えた水分選択透過性フィルターの製造方法である。そして、本発明の水分選択透過性フィルターの製造方法は、前記多孔質体に水分透過性材料を含む塗布液を塗布し、乾燥させて前記水分選択透過層を形成する工程と、前記水分選択透過層が形成された前記多孔質体を、前記水分透過性材料の軟化点よりも高い温度で加熱処理する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のセンサーは、上記いずれかの水分選択透過性フィルターを備えている。
本発明のセンサーは、局在型表面プラズモン共鳴センサー、湿度センサー、結露センサー、バイオセンサー、ケミカルセンサー、屈折率センサー、QCM(水晶発振子マイクロバランス)及びガスセンサーよりなる群から選ばれるものであってもよい。
本発明の水分選択透過性フィルターは、多孔質体を基材として用い、そこに、水分を透過し、油分、炭化水素などを透過しない水分選択透過層を設けたことによって、高い水蒸気透過率と薄膜化を両立させている。すなわち、本発明の水分選択透過性フィルターでは、多孔質体によって、水分選択透過性フィルターに自立膜として必要な強度を与え、全体の厚みを極力薄くしながら、水分選択透過層によって油分などの遮断機能を確保している。従って、本発明の水分選択透過性フィルターは、例えば局在型表面プラズモン共鳴センサー、湿度センサー、結露センサー、バイオセンサー、ケミカルセンサー、屈折率センサー、QCM(水晶発振子マイクロバランス)、ガスセンサー等のセンサーや計測装置類において、例えばセンシング性能を維持し、耐久性を高めるための保護膜などの目的で好ましく適用できる。
本発明の一実施の形態に係る水分選択透過性フィルターの部分断面図である。 本発明の別の実施の形態に係る水分選択透過性フィルターの部分断面図である。 本発明のさらに別の実施の形態に係る水分選択透過性フィルターの部分断面図である。 本発明の水分選択透過性フィルターを適用したLSPRセンサーの概略構成を説明する図面である。 応答速度の評価方法を説明する図面である。 再現性の評価方法を説明する図面である。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[水分選択透過性フィルター]
図1〜図3は、本発明の実施の形態に係る水分選択透過性フィルター100の概略構成例を説明する断面図である。水分選択透過性フィルター100は、多数の細孔(図示省略)を有する多孔質体10と、この多孔質体10の細孔を塞ぐ水分選択透過層20と、を備えている。
<多孔質体>
多孔質体10は、多数の細孔を有するシート状の部材である。多孔質体10を構成する材料としては、例えば、ポリエステル、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、植物性繊維、動物性繊維等の有機材料、ガラス、アルミナ、金属等の無機材料であって、かつ多孔質であるものが挙げられる。ここで多孔質の形態例としては、不織布、織物、メッシュ、メンブランフィルター、粒子の焼結体、発泡シート、非孔質基板にドリル、パンチング、プラズマ等の物理エッチングや化学エッチング等により貫通孔を形成したものが挙げられる。多孔質体10の好ましい具体例として、ろ紙、ポリエステル製の不織布、ガラス繊維ろ紙、PTFE製メンブランフィルター、ポーラスアルミナメンブランフィルターなどを挙げることができる。これらの中でも、水分選択透過性フィルター100を自立膜として成立させるために必要な強度を与えるとともに、センシング対象である蒸気、ガス、液体等の媒質との反応性が低く、かつ細孔径や気孔率の制御が容易である、という理由から、ポーラスアルミナメンブランフィルターを用いることが最も好ましい。
水分選択透過性フィルター100を例えば光反射系センサーに使用する場合、多孔質体10は、光源やセンサーの種類に応じて、特定の波長の光を反射できるものであればよい。例えば、水分選択透過性フィルター100を局在型表面プラズモン共鳴センサーに適用する場合、多孔質体10は、局在型表面プラズモン共鳴波長(例えば金属微粒子が金または銀で形成されている場合は300〜900nmの範囲内)で反射するものを使用することができる。この場合、例えば、波長590nmにおける光反射率が大気中で10%以上であることが好ましく、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上である。多孔質体10がこのような光反射率であると、水分選択透過性フィルター100を局在型表面プラズモン共鳴センサーにおける光反射部材として好ましく利用できる。多孔質体10の光反射率が10%未満の場合は、局在型表面プラズモン共鳴センサーにおける光反射部材として使用する場合に、受光部に光が十分到達せず、センサーとしての感度が低くなる傾向にある。ただし、波長は590nmに限定されるものではなく、使用する波長に合わせて反射率が上記範囲に入るものであればよい。また、水分選択透過性フィルター100を局在型表面プラズモン共鳴センサー以外の光反射系センサーに使用する場合も、多孔質体10は、使用する波長に合わせて上記反射率と同程度の反射率を有するものであればよい。
水分選択透過性フィルター100を例えばセンサー類に使用する場合、多孔質体10は、センシング対象である蒸気、ガス、液体等の媒質の導入口の役割を担うことができる。その観点では、多孔質体10は、膜厚に応じて、前記媒質を効率良く透過させることが可能な空隙率を有すること好ましい。また、多孔質体10は、フィルターの役割を担い、前記媒質によるセンサー自体の汚染を抑制する作用も有しており、そのような観点では、前記媒質中の不純物を除去できることが好ましい。以上の理由から、多孔質体10の膜厚T1は、例えば1000μm以下であることが好ましく、10〜1000μmの範囲内であることがより好ましい。
また、多孔質体10の膜厚T1が比較的小さい場合は、多孔質体10の空隙率は比較的小さくても良い。一方で、膜厚T1が比較的大きい場合は、空隙率も比較的大きくする必要がある。そのため、多孔質体10の膜厚T1(μm)に対する多孔質体10の空隙率(%)の比の値、つまり、多孔質体10の空隙率(%)をその膜厚T1(μm)で割った値は、例えば0.025(%/μm)以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜2.00(%/μm)の範囲内である。多孔質体10の空隙率(%)を膜厚T1(μm)で割った値が0.025(%/μm)より小さい場合は、媒質の透過速度が低下し、媒質のセンシングの感度や応答速度が低下する傾向にある。
また、多孔質体10の好ましい平均孔径は、例えば1nm〜1μmの範囲内である。平均孔径が1nm未満の場合は、媒質の導入速度が低下し、媒質のセンシングの感度や応答速度が低下する傾向にある。一方、平均孔径が1μmを超えると、前記媒質中の不純物の除去効率が低下する傾向にある。ここで、平均孔径は、例えば水銀圧入法により測定することができる。
<水分選択透過層>
水分選択透過層20は、水分を透過し、油分、炭化水素などを透過しない材料(以下、「水分透過性材料」と記すことがある)を多孔質体10にコーティングすることによって形成してもよいし、含浸させることによって形成してもよいし、両者の組み合わせでもよい。図1、図2、図3は、それぞれ、水分選択透過性フィルター100における水分選択透過層20の異なる態様を示している。なお、図1〜3では、シート状の多孔質体10の片面側に水分選択透過層20を設けたが、多孔質体10の両面に水分選択透過層20を設けてもよい。
図1は、コーティングによる水分選択透過層20を有する水分選択透過性フィルター100の概略構成を説明する図面である。図1に示す形態では、水分選択透過層20は、多孔質体10の表面にコーティングされている。この場合、水分選択透過性フィルター100の全体厚みは、多孔質体10の厚みT1と水分選択透過層20の厚みT2との合計となる。緻密な水分選択透過層20によって、多孔質体10の細孔は外部に露出せず封止されるため、水分の透過は許容されるが、水分以外の油分などは水分選択透過層20を透過できない。従って、図1の水分選択透過性フィルター100は、厚み方向に水分の選択透過性を発揮する。なお、コーティングによる水分選択透過層20は、複数の異なる材料の層を積層して形成したものでもよい。
図2は、含浸による水分選択透過層20を有する水分選択透過性フィルター100の概略構成を説明する図面である。図2に示す形態では、水分選択透過層20は、多孔質体10の表面から内側に入り込むように、厚みT2の含浸層として形成されている。この場合、水分選択透過性フィルター100の全体厚みは、多孔質体10の厚みT1と等しい。図2に示す態様では、水分選択透過層20内の細孔は、水分透過性材料が埋まって封止されるため、水分の透過は許容されるが、水分以外の油分などは水分選択透過層20を透過できない。従って、図2の水分選択透過性フィルター100は、厚み方向に水分の選択透過性を発揮する。なお、含浸による水分選択透過層20は、複数の異なる材料による含浸層の組み合わせでもよい。
図3は、コーティングと含浸による水分選択透過層20を有する水分選択透過性フィルター100の概略構成を説明する図面である。図3に示す形態では、水分選択透過層20は、多孔質体10の表面に形成されたにコーティング層20Aと、該表面から内側に入り込むように形成された含浸層20Bとを有している。図3に示す態様では、水分選択透過層20の厚みT2は、コーティング層20Aの厚みT3と含浸層20Bの厚みT4との合計である。この場合、水分選択透過性フィルター100の全体厚みは、多孔質体10の厚みT1とコーティング層20Aの厚みT3との合計となる。図3に示す態様では、緻密なコーティング層20Aによって、多孔質体10の表面の細孔は外部に露出せず封止されるとともに、多孔質体10の内部の含浸層20Bにおける細孔には水分透過性材料が埋まって封止されるため、水分以外は水分選択透過層20を透過できない。従って、図3の水分選択透過性フィルター100は、厚み方向に水分の選択透過性を発揮する。なお、コーティング層20Aは、複数の異なる材料の層を積層して形成したものでもよい。また、含浸層20Bは、複数の異なる材料による含浸層の組み合わせでもよい。さらに、コーティング層20Aと含浸層20Bの材料が異なっていてもよい。
水分選択透過層20を構成する材料は、水分を透過し、油分、炭化水素などを透過しない材料であれば特に制限なく用いることができる。ここで、水分透過性材料は、例えば厚さ25μmのフィルムの状態で、25℃、90%RHの条件により測定した場合の水蒸気透過率が1.0g/m・24h以上であることを一つの基準として選択することができる。
水分選択透過層20に使用可能な水分透過性材料としては、例えば、樹脂、フッ素化合物、などの材質を使用できる。これらは2種以上を組み合わせて使用できる。ここで、樹脂としては、公知の合成樹脂及び天然樹脂が用いられる。これらの樹脂の中でも、水分透過性能(つまり、水を速やかに透過させる性能)と水分選択的透過性能(つまり、油分、炭化水素などをブロックする性能)を両立できるという理由から、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂(アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等)、ポリビニルアセテート等のビニル樹脂、ポリイミド、シリコーンポリイミド等のポリイミド樹脂、PET、PEN等のポリエステル樹脂が好ましい。より好ましくは、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂、PMMA、ポリビニルアセテート、ポリイミド、シリコーンポリイミドなどを用いることができる。これらの樹脂は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの樹脂の中でも、優れた水分透過性能(つまり、水を速やかに透過させる性能)と優れた水分選択的透過性能(つまり、油分、炭化水素などをブロックする性能)を両立できるという理由から、より好ましくは、前記樹脂が、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂、PMMA、ポリビニルアセテートであり、さらにポリスチレンを用いることが最も好ましい。
また、水分透過性材料として樹脂を用いる場合の重量平均分子量は、その材質に応じて適切な範囲を選択すればよい。例えば、樹脂としてポリスチレンを用いる場合は、水分の透過を許容しつつ、油分や炭化水素を確実にブロックするために、30,000〜500,000の範囲内とすることが好ましい。
水分選択透過層20として使用可能な水分透過性材料の具体例として、例えば、ポリスチレン(平均分子量38万、東洋スチレン社製)、耐熱性ポリスチレン(平均分子量22万、東洋スチレン社製)、ポリビニルアルコール500(関東化学社製)、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業社製)、PMMA(平均分子量12万、シグマアルドリッチ社製)、ポリビニルアセテート(平均分子量5万、Alfa Aesar社製)、フッ素系コーティング剤(FS1010TH−0.5、フロロテクノロジー社製)、などの市販品を挙げることができる。これらは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、上記以外の水分透過性材料の具体例として、ポリアミド酸樹脂、エポキシ樹脂等も挙げられる。これらは市販のものや、重合して準備したものなどを使用することが可能である。
水分選択透過層20の厚みT2は、水分の透過を許容しつつ、油分や炭化水素を確実にブロックするために、その材質や用途に応じて適切な範囲を選択することができる。
例えば、水分透過性材料が、多孔質体10の表面にコーティングされる材質の場合、図1に例示する態様となるため、厚みT2は、0.1〜5μmの範囲内が好ましく、0.1〜3μmの範囲内がより好ましい。
また、水分透過性材料が、多孔質体10の内部に含浸される材質(例えば、ポリスチレンなど)の場合、図2に例示する態様となるため、厚みT2は5〜80μmの範囲内が好ましく、5〜30μmの範囲内がより好ましい。
また、水分透過性材料が、多孔質体10の表面にコーティングされるとともに、内部に含浸される材質の場合は、図3に例示する態様となるため、厚みT2は厚みT3と厚みT4の合計となる。この場合、厚みT3は0.1〜5μmの範囲内が好ましく、0.1〜3μmの範囲内がより好ましく、厚みT4は5〜80μmの範囲内が好ましく、5〜30μmの範囲内がより好ましい。
水分選択透過性フィルター100は、多孔質体10及び水分選択透過層20のほかに、発明の効果を損なわない範囲で、任意の層を有していてもよい。
水分選択透過性フィルター100の全体厚みは、その材質や用途に応じて、適切な範囲を選択することができる。
また、水分選択透過性フィルター100の全体の水蒸気透過率は、その材質や用途に応じて、適切な範囲を選択することができる。
以上のように構成される水分選択透過性フィルター100は、多孔質体10に、水分を透過し、油分、炭化水素などを透過しない水分選択透過層20を設けたことによって、高い水蒸気透過率と薄膜化を両立させている。すなわち、水分選択透過性フィルター100では、多孔質体10によって、水分選択透過性フィルター100に自立膜として必要な強度を与え、全体の厚みを極力薄くしながら、水分選択透過層20によって油分などの遮断機能を確保している。従って、水分選択透過性フィルター100は、例えば局在型表面プラズモン共鳴センサー、湿度センサー、結露センサー、バイオセンサー、ケミカルセンサー、屈折率センサー、ガスセンサー、QCM等のセンサー類や計測装置類に好ましく適用できる。例えば、水分選択透過性フィルター100は、それを備えたセンサー類において、高い水蒸気透過率を維持しながら、薄く、しかも十分な強度と油分に対する優れた遮断機能を発揮する保護膜として利用できる。従って、水分選択透過性フィルター100を適用することによって、上記センサー類において、簡易な構成で、装置の大型化を回避しながら、センシング機能の低下を防ぎ、耐久性とセンサーとしての信頼性を向上させることができる。また、水分選択透過性フィルター100は、センサー類の他にも、例えば、各種の検査キットや、マトリックスを担体とする金属触媒、ガス浄化フィルター、水等の液体浄化フィルターなどへの適用が可能である。
[水分選択透過性フィルターの製造]
水分選択透過性フィルター100は、多孔質体10に水分透過性材料を含む塗布液を塗布し、乾燥させ、コーティング層及び/又は含浸層を有する水分選択透過層20を形成することによって製造することができる。水分透過性材料を多孔質体10上に塗布する方法としては特に制限されず、例えばコンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて塗布することが可能である。塗布液には、水分透過性材料の材質に応じて、例えば、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶媒、有機酸、有機アミン、イオン性液体などを含有していてもよい。また、水分選択透過層20を多層に形成したり、複数種類の材料によって形成したりする場合は、水分透過性材料を含む塗布液の塗布と、乾燥とを繰り返すことが好ましい。
<加熱処理>
水分選択透過性フィルター100を光学センサーに適用した場合に、再現性をより向上させるために、上記のように水分選択透過層20を形成した後で、加熱処理することが好ましい。その理由は定かではないが、加熱処理により水分選択透過層20がより緻密になると推測される。その結果、水分透過性を維持しつつ、水分以外を透過させないという選択性が向上すると考えられる。加熱温度は、水分透過性材料の軟化温度より高温で、分解温度よりも低温であることが好ましい。また、加熱処理の時間は、多孔質体10及び水分透過性材料の材質及び構造により適宜決定されるが、水分透過性材料が軟化して流動し、より緻密な構造になるために十分な時間であることが望ましい。例えば多孔質体10がポーラスアルミナであって、水分透過性材料がポリスチレンである場合は、加熱温度は110℃〜150℃が好ましく、加熱処理の時間は10分〜120分であることが好ましい。
[光学センサー]
次に、本発明の水分選択透過性フィルター100を光学センサーに適用した例について、説明する。ここでは、光学センサーの一形態として、局在型表面プラズモン共鳴(Localized Surface Plasmon Resonance:LSPR)センサー(以下、「LSPRセンサー」と記すことがある)について説明する。
図4は、LSPRセンサーの構成例を示している。このLSPRセンサー1000は、ナノコンポジット層1001と、このナノコンポジット層1001の片側に積層された光反射部材1002と、この光反射部材1002とは反対側でナノコンポジット層1001に積層された透明ガラス基板1003と、を有する複合基板1004を備えている。また、LSPRセンサー1000は、複合基板1004の積層方向に対して角度を変化させて光線を照射できる光源1005と、この光源1005から複合基板1004へ向けて照射された光線の反射光を検出する光検出器1006と、を備えている。光源1005は、透明ガラス基板1003に向けて光線を照射する。LSPRセンサー1000は、光反射部材1002の表面(ナノコンポジット層1001が積層されている面とは反対側の面)に沿って検体となる気体又は液体が流れるように構成されている。検体中の無機物質又は有機物質は、多孔質の光反射部材1002の細孔を通過してナノコンポジット層1001に到達する。
ナノコンポジット層1001は、局在型表面プラズモン共鳴を生じさせる金属微粒子分散複合体により構成される。粒子径が数nm〜100nm程度のサイズの金属微粒子は、微粒子中の電子が、特定の波長の光と相互作用を生じて共鳴する局在型表面プラズモン共鳴を生じる。この局在型表面プラズモン共鳴は、金属微粒子の周辺媒質の誘電率ε(λ)(=(n(λ)))(nはその屈折率)の変化に敏感である為、金属微粒子の周辺媒質の誘電率(屈折率)の変化に応じて共鳴する波長が変化する、という特徴を持っている。このような金属微粒子分散複合体としては、公知のものを利用でき、例えば、後記実施例に示すように、ベーマイトなどからなる固体骨格部及び該固体骨格部が形成する空隙を有するマトリックスと、該固体骨格部に固定された金属微粒子と、を有するものを挙げることができる。
以上の構成を有するLSPRセンサー1000では、LSPRによる散乱スペクトルの変化、散乱スペクトル強度の変化又は散乱光強度の変化をもとに、気体もしくは液体に存在する無機物質又は有機物質を検出することができる。
図4に示したようなLSPRセンサー1000は、例えば雰囲気中の油分、炭化水素などの汚染物がナノコンポジット層1001に吸着すると、そのセンシング感度が低下し、センシングの応答性や再現性が低下する。そのため、光反射部材1002として、水分を透過させながら、油分、炭化水素などをブロックできる本発明の水分選択透過性フィルター100を適用することによって、ナノコンポジット層1001の汚染を防止し、LSPRセンサー1000における応答性とセンシングの再現性を維持できる。LSPRセンサー1000では、光反射部材1002として、図1〜図3に例示した水分選択透過性フィルター100を用いることができる。具体的には、LSPRセンサー1000において、多孔質体10がナノコンポジット層1001に向き合い、水分選択透過層20が外側(検体の入出側)に露出するように、図1〜3の水分選択透過性フィルター100を配置することにより、光反射部材1002として用いることができる。この場合、多孔質体10として、上記のように、使用する波長に合わせて所定の光反射率を有するものを用いることが好ましい。
LSPRセンサー1000において、水分選択透過性フィルター100は、光反射部材1002としての役割に加え、これがセンシング対象である蒸気、ガス、液体等の媒質の導入口の役割も担う。そのため、水分選択透過性フィルター100を使用することにより、光学センサーの構造設計のバリエーションが増えて、光学センサーの小型化、軽量化等に効果がある。さらに、水分選択透過性フィルター100を用いることによって、媒質によって光学系が暴露しないような装置の設計を容易にできる。また、媒質によるナノコンポジット層1001自体の汚染を抑制することができる。特に、水分選択透過性フィルター100を光反射部材1002として利用することによって、ナノコンポジット層1001に水分のみが到達するため、LSPRセンサー1000は、例えば湿度センサー、結露センサーなどの水分を検出対象とするセンサーに好ましく利用できる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。以下の実施例、比較例において特にことわりのない限り、各種測定、評価は下記によるものである。
<金属微粒子の平均粒子径の測定>
金属微粒子の平均粒子径の測定は、試料を砕いてエタノールに分散させたのち、得られた分散液をカーボン支持膜付き金属性メッシュへ滴下して作成した基板を、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子社製、JEM−2000EX)により観測した。また、金属微粒子の平均粒子径は面積平均径とした。
<金属微粒子分散層の空隙率の測定>
金属微粒子分散層の空隙率は、金属微粒子分散層の面積、厚み及び重量より算出した見掛け密度(嵩密度)と、マトリックスの固体骨格部を形成する材料及び金属微粒子の固有の密度および組成比率より算出した空隙を含まない密度(真密度)を用いて、下記式(A)にしたがって空隙率を算出した。
空隙率(%)=(1−嵩密度/真密度)×100 …(A)
<透過吸収スペクトルの測定>
ナノコンポジット試料の透過吸収スペクトルは、瞬間マルチ測光システム(大塚電子社製、MCPD−3700)を用いて測定した。
<LSPRセンサー>
ナノコンポジット層1001として金属金微粒子分散層(以下、「金属金微粒子分散層1001」と記すことがある)を形成した以外は、図4に記載したものと同様の構成のLSPRセンサーを作成した。すなわち、このLSPRセンサー1000は、金属金微粒子分散層1001と、この金属金微粒子分散層1001の片側に積層された光反射部材1002と、この光反射部材1002とは反対側で金属金微粒子分散層1001に積層された透明ガラス基板1003と、を有する複合基板1004を備えている。また、LSPRセンサー1000は、複合基板1004の積層方向に対して角度を変化させて光線を照射できる光源1005と、この光源1005から複合基板1004へ向けて照射された光線の反射光を検出する光検出器1006と、を備えている。
<ナノコンポジットの作製(1)>
18gのベーマイト粉末(大明化学工業社製、商品名;C−01、平均一次粒子径;20nm、平均二次粒子径;0.1μm、粒子形状;キュービック状)に、78.72gの水と3.28gの酢酸を加え、機械撹拌(回転数400rpm、3時間)を行い、18wt%のベーマイト分散液1を調製した。次に、4.5gの18wt%ベーマイト分散液1に対して、3.567gのエタノール、2.531gのポリビニルアルコール(平均分子量22000、重合度500、ケン化度88%)の20wt%水溶液、0.081gの3−アミノプロピルトリエトキシシラン、及び0.081gの塩化金酸・四水和物を加え、金錯体含有スラリーを調製した。なお、前記金錯体含有スラリーの調製に際しては、各試薬をそれぞれ加えるたびに、撹拌子による撹拌(回転数1000rpm、5分間)を行った。
次に、透明ガラス基板1003(厚み0.7mm)に、前記金錯体含有スラリーをスピンコーター(ミカサ株式会社製、商品名;SPINCOATER 1H−DX2)を用いて塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥し、さらに280℃、10分間および500℃、1時間加熱処理することによって、赤色に呈色した金属金微粒子分散層1001(厚さ1.52μm)を形成した。金属金微粒子分散層1001中に形成した金属金微粒子は、該金属金微粒子分散層1001の表層部から厚さ方向に至るまでの領域内で、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。この金属金微粒子分散層1001の特徴は、次のとおりであった。
1)金属金微粒子分散層1001の空隙率;60.1%
2)金属金微粒子の形状;ほぼ球状、平均粒子径;24.9nm、最小粒子径;12.5nm、最大粒子径;40.3nm、粒子径1nm〜100nmの範囲内にある粒子の割合;100%
3)金属金微粒子分散層1001に対する金属金微粒子の体積分率;1.8%、同重量分率;22.6wt%
また、金属金微粒子分散層1001の金属金微粒子によるLSPRの空気中における透過吸収スペクトルは、ピークトップが521nm、波長590nmにおける吸光度が0.224の吸収ピークが観測され、水中における吸収スペクトルは、ピークトップが536nm、波長590nmにおける吸光度が0.587の吸収ピークが観測された。観測された吸収ピークの単位屈折率変化に対するピーク波長変化量及び波長590nmにおける吸光度変化量は、それぞれ46.5nm及び1.15であった。
[実施例1]
<水分選択透過フィルターの作製>
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、ポリスチレン(平均分子量38万、東洋スチレン社製)を5wt%の濃度で溶解したトルエン溶液を30μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターE1を作成した。
<水分選択透過フィルター積層複合基板の作製>
水分選択透過フィルターE1を金属金微粒子分散層1001の上に積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E1を形成した。
<湿度応答性評価>
光源としてハロゲンランプの可視光光源、光検出器として瞬間マルチ測光システム(大塚電子社製、MCPD−3700)、および投光受光同軸のY型光ファイバーを用いて、水分選択透過フィルター積層複合基板E1の透明ガラス基板1003面側から垂直方向で光を入射し、反射光を検出することにより反射率の測定を行った。反射率は、金属金微粒子分散層1001の無い透明ガラス基板1003と光反射部材1002のみの積層体をリファレンスに用い、波長580nmにおける相対反射率を測定した。検体としては、温度30℃において相対湿度を10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%と段階的に可変制御した空気を用い、水分選択透過フィルター積層複合基板E1周辺の相対湿度を変化させた。湿度環境は、設定条件に達してから10分ホールドした。
図5は、応答速度の評価方法を説明する図面であり、反射率と相対湿度の時間変化のモデルを示している。湿度変化に対する応答速度は、市販の湿度センサー(HP23、ロトロニック社製)で測定した結果の10%RHから20%RHに変化するまでの時間(変化時間;2分)を基準にし、その値と比較することにより判断した(図5参照)。測定結果は、1点/1分の条件でデータをロギングした。そして、応答性の評価は、変化時間が4分以内であるものを可(△)とし、好ましくは3分以内(○)、より好ましくは2分以内(◎)と判定した。変化時間が4分を超えるものは、不可(×)と判定した。
また、再現性の確認は、10%RHでの値の変動率で判断した。図6は、再現性の評価方法を説明する図面であり、反射率の測定を複数回繰り返した場合の変動モデルを示している。変動率は、図6に示すように、1回目と3回目の測定における590nmにおける反射率のベースラインの変化量Aと、3回目の測定におけるピーク高さBとから、下式に従い算出した。
変動率(%)=(A/B)×100
そして、再現性の評価は、変動率が±5%以内であるものを可(△)とし、好ましくは±2%以内(○)、より好ましくは±1%以内(◎)と判定した。変動率が±5%を超えるものは不可(×)と判定した。
また、総合評価では、応答性の評価結果にかかわらず、再現性の評価結果が○及び◎であるものを「可」とし、再現性の評価結果が△及び×である場合は「不可」と評価した。
上記湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E1を評価した結果、湿度変化に対する応答時間は2分であり、応答性は◎と判断した。また、再現性評価結果は、変動率1.0%であり、再現性は◎と判断した。総合評価は「可」であった。
[実施例2]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、ポリスチレン(平均分子量38万、東洋スチレン社製)を1wt%の濃度で溶解したトルエン溶液を20μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターE2を作成した。
水分選択透過フィルターE2を金属金微粒子分散層1001の上に積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E2を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E2を評価した。
[実施例3]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、ポリスチレン(平均分子量38万、東洋スチレン社製)を1wt%の濃度で溶解したトルエン溶液を30μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターE3を作成した。
水分選択透過フィルターE3を金属金微粒子分散層1001の上に積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E3を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E3を評価した。
[実施例4]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、ポリスチレン(平均分子量38万、東洋スチレン社製)を1wt%の濃度で溶解したトルエン溶液を50μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターE4を作成した。
水分選択透過フィルターE4を金属金微粒子分散層1001の上に積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E4を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E4を評価した。
[実施例5]
水分選択透過フィルターE3を金属金微粒子分散層1001の上に2枚重ねて積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E5を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E5を評価した。
[実施例6]
水分選択透過フィルターE1とE3を金属金微粒子分散層1001の上に重ねて積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E6を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E6を評価した。
[実施例7]
水分選択透過フィルターE1を金属金微粒子分散層1001の上に2枚重ねて積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E7を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E7を評価した。
[比較例1]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、フッ素系コーティング剤(FS1010TH−0.5、フロロテクノロジー社製)を40μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターC1を作成した。
水分選択透過フィルターC1を金属金微粒子分散層1001の上に積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板C1を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板C1を評価した。
[比較例2]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、フッ素系コーティング剤(FG5080F130−0.1、フロロテクノロジー社製)を40μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターC2を作成した。
水分選択透過フィルターC2を金属金微粒子分散層1001の上に積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板C2を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板C2を評価した。
[比較例3]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、シリコンコーティング剤(KR251、信越化学工業社製)を5wt%の濃度に希釈したトルエン溶液を40μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターC3を作成した。
水分選択透過フィルターC3を金属金微粒子分散層1001の上に2枚積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板C3を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板C3を評価した。
[比較例4]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、コーティング剤(TN−7000、ジェイ・エス・ピー社製)を5wt%の濃度で溶解したイソプロピルアルコール(IPA)溶液を30μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターC4を作成した。
水分選択透過フィルターC4を金属金微粒子分散層1001の上に2枚積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板C4を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板C4を評価した。
[比較例5]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、1.3wt%のPEDOT/PSS(シグマアルドリッチ社製)を30μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターC5を作成した。
水分選択透過フィルターC5を金属金微粒子分散層1001の上に2枚積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板C5を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板C5を評価した。
[比較例6]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、シリコンコーティング剤(X12−2226、信越化学工業社製)を30μl塗布した後、100℃、3分乾燥することで水分選択透過フィルターC6を作成した。
水分選択透過フィルターC6を金属金微粒子分散層1001の上に積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板C6を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板C6を評価した。
[比較例7]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、高塩基性塩化アルミニウム(アルファイン83、大明化学社製)を30μl塗布した後、100℃、3分乾燥することで水分選択透過フィルターC7を作成した。
水分選択透過フィルターC7を金属金微粒子分散層1001の上に積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板C7を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板C7を評価した。
[実施例8]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、ポリビニルアルコール500(関東化学社製)を5wt%の濃度で溶解した水溶液を60μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターE8を作成した。
水分選択透過フィルターE8を金属金微粒子分散層1001の上に2枚積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E8を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E8を評価した。
[実施例9]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、ポリビニルアルコール500(関東化学社製)を5wt%の濃度で溶解した水溶液を30μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターE9を作成した。
水分選択透過フィルターE9を金属金微粒子分散層1001の上に2枚積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E9を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E9を評価した。
[実施例10]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業社製)を5wt%の濃度で溶解したトルエン溶液を20μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターE10を作成した。
水分選択透過フィルターE10を金属金微粒子分散層1001の上に2枚積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E10を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E10を評価した。
[実施例11]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、PMMA(平均分子量12万、シグマアルドリッチ社製)を5wt%の濃度で溶解したトルエン溶液を20μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターE11を作成した。
水分選択透過フィルターE11を金属金微粒子分散層1001の上に2枚積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E11を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E11を評価した。
[実施例12]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、ポリビニルアセテート(平均分子量5万、Alfa Aesar社製)を5wt%の濃度で溶解したトルエン溶液を20μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターE12を作成した。
水分選択透過フィルターE12を金属金微粒子分散層1001の上に2枚積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E12を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E12を評価した。
[実施例13]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、ポリビニルアセテート(平均分子量5万、Alfa Aesar社製)を1wt%の濃度で溶解したトルエン溶液を30μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターE13を作成した。
水分選択透過フィルターE13を金属金微粒子分散層1001の上に2枚積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E13を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E13を評価した。
[実施例14]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業社製)を0.2wt%の濃度で溶解したトルエン溶液を30μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターE14を作成した。
水分選択透過フィルターE14を金属金微粒子分散層1001の上に2枚積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E14を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E14を評価した。
[実施例15]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業社製)を1.0wt%の濃度で溶解したトルエン溶液を30μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターE15を作成した。
水分選択透過フィルターE15を金属金微粒子分散層1001の上に2枚積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E15を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E15を評価した。
[比較例8]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、シリコンコーティング剤(KR251、信越化学工業社製)を1.0wt%の濃度で溶解したトルエン溶液を30μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターC8を作成した。
水分選択透過フィルターC8を金属金微粒子分散層1001の上に2枚積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板C8を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板C8を評価した。
[比較例9]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、ポリカーボネート(A1700、出光興産社製)を1.0wt%の濃度で溶解したトルエン溶液を30μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターC9を作成した。
水分選択透過フィルターC9を金属金微粒子分散層1001の上に2枚積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板C9を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板C9を評価した。
[実施例16]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、耐熱性ポリスチレン(平均分子量22万、東洋スチレン社製)を1.0wt%の濃度で溶解したトルエン溶液を30μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターE16を作成した。
水分選択透過フィルターE16を金属金微粒子分散層1001の上に2枚積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E16を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E16を評価した。
[実施例17]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、PMMA(平均分子量12万、シグマアルドリッチ社製)を1.0wt%の濃度で溶解したトルエン溶液を30μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターE17を作成した。
水分選択透過フィルターE17を金属金微粒子分散層1001の上に2枚積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E17を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E17を評価した。
[実施例18]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、ポリスチレン(平均分子量38万、東洋スチレン社製)を1.0wt%の濃度で溶解したトルエン溶液を30μl塗布した後、乾燥した後、フッ素系コーティング剤(FS1010TH−0.5、フロロサーフ社製)を40μl塗布し乾燥することで水分選択透過フィルターE18を作成した。
水分選択透過フィルターE18を金属金微粒子分散層1001の上に1枚積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E18を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E18を評価した。
[比較例10]
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、常温安定ガラス(モクテックカメムラ社製)を30μl塗布した後、100℃、3分乾燥することで水分選択透過フィルターC10を作成した。
水分選択透過フィルターC10と未処理のポーラスアルミナメンブランフィルターを金属金微粒子分散層1001の上に積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板C10を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板C10を評価した。
[比較例11]
無処理のポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)を金属金微粒子分散層1001の上に積層し、比較用積層複合基板1を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、比較用積層複合基板1を評価した。
[比較例12]
無処理のポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)を金属金微粒子分散層1001の上に2枚重ねて積層し、比較用積層複合基板2を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、比較用積層複合基板2を評価した。
<ナノコンポジットの作製(2)>
36gのベーマイト粉末(大明化学工業社製、商品名;C−01、平均一次粒子径;20nm、平均二次粒子径;0.1μm、粒子形状;キュービック状)に、80gの水、3.36gの酢酸、112.5gのポリビニルアルコール(平均分子量22000、重合度500、ケン化度88%)の20wt%水溶液を加え、機械撹拌(回転数400rpm、3時間)を行い、16wt%のベーマイト分散液2を調製した。次に、3.3gの16wt%ベーマイト分散液2に対して、2.43gの1−プロパノール及び0.81gの塩化金酸・四水和物を加え、金錯体含有スラリーを調製した。なお、前記金錯体含有スラリーの調製に際しては、各試薬をそれぞれ加えるたびに、撹拌子による撹拌(回転数1000rpm、5分間)を行った。
次に、透明ガラス基板1003(厚み0.7mm)に、前記金錯体含有スラリーをスピンコーター(ミカサ株式会社製、商品名;SPINCOATER 1H−DX2)を用いて塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥し、さらに280℃、10分間および500℃、1時間加熱処理することによって、赤色に呈色した金属金微粒子分散層1001(厚さ0.80μm)を形成した。金属金微粒子分散層1001中に形成した金属金微粒子は、該金属金微粒子分散層1001の表層部から厚さ方向に至るまでの領域内で、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。この金属金微粒子分散層1001の特徴は、次のとおりであった。
1)金属金微粒子分散層1001の空隙率;60%
2)金属金微粒子の形状;ほぼ球状、平均粒子径;22.0nm、最小粒子径;8.0nm、最大粒子径;45.8nm、粒子径1nm〜100nmの範囲内にある粒子の割合;100%
3)金属金微粒子分散層1001に対する金属金微粒子の体積分率;4.44%、同重量分率;43.15wt%
また、金属金微粒子分散層1001の金属金微粒子によるLSPRの空気中における透過吸収スペクトルは、ピークトップが523nm、波長590nmにおける吸光度が0.330の吸収ピークが観測され、水中における吸収スペクトルは、ピークトップが535nm、波長590nmにおける吸光度が0.717の吸収ピークが観測された。観測された吸収ピークの単位屈折率変化に対するピーク波長変化量及び波長590nmにおける吸光度変化量は、それぞれ41.1nm及び1.43であった。
[実施例19]
<水分選択透過フィルターの作製>
ポーラスアルミナメンブランフィルター(孔径0.02μm、空隙率25%、厚み67μm、波長590nmにおける反射率58%、13mmφ、ワットマン社製)の表面に、ポリスチレン(平均分子量38万、東洋スチレン社製)を1wt%の濃度で溶解したトルエン溶液を30μl塗布した後、乾燥することで水分選択透過フィルターE19Aを作製した。
水分選択透過フィルターE19Aをさらに大気中125℃で1時間加熱することで水分選択透過フィルターE19Bを作製した。
<水分選択透過フィルター積層複合基板の作製>
水分選択透過フィルターE19Bを金属金微粒子分散層1001の上に積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E19を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E19を評価した。水分選択透過フィルター積層複合基板E19は、変動率が0に近く、再現性が極めて良好であった。
[実施例20]
水分選択透過フィルターE19Bを金属金微粒子分散層1001の上に2枚重ねて積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E20を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E20を評価した。水分選択透過フィルター積層複合基板E20は、変動率が0に近く、再現性が極めて良好であった。
[実施例21]
水分選択透過フィルターE19Aを金属金微粒子分散層1001の上に1枚重ねて積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E21を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E21を評価した。
[実施例22]
水分選択透過フィルターE19Aを金属金微粒子分散層1001の上に2枚重ねて積層し、水分選択透過フィルター積層複合基板E22を形成した。そして、湿度応答性評価方法に従い、水分選択透過フィルター積層複合基板E22を評価した。
以上の実施例、比較例の結果を、表1〜9にまとめて示した。
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以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはない。
10…多孔質体、20…水分選択透過層、20A…コーティング層、20B…含浸層、100…水分選択透過性フィルター、1000…局在型表面プラズモン共鳴センサー(LSPRセンサー)、1001…ナノコンポジット層、1002…光反射部材、1003…透明ガラス基板、1004…複合基板、1005…光源、1006…光検出器

Claims (10)

  1. 多数の細孔を有する多孔質体と、前記多孔質体の前記細孔を塞ぐ水分選択透過層と、を備えた水分選択透過性フィルター。
  2. 前記水分選択透過層が、樹脂、フッ素化合物から選ばれる1種又は2種以上の水分透過性材料を含有している請求項1に記載の水分選択透過性フィルター。
  3. 前記樹脂が、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂、PMMA、ポリビニルアセテートよりなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項2に記載の水分選択透過性フィルター。
  4. 前記水分選択透過層が、前記多孔質体の表面にコーティングされた前記水分透過性材料により形成されている請求項2又は3に記載の水分選択透過性フィルター。
  5. 前記水分選択透過層が、前記多孔質体の内部に含浸された前記水分透過性材料により形成されている請求項2又は3に記載の水分選択透過性フィルター。
  6. 前記水分選択透過層は、前記水分透過性材料が前記多孔質体の表面にコーティングされている部分と、前記水分透過性材料が前記多孔質体に含浸されている部分とを含んでいる請求項2又は3に記載の水分選択透過性フィルター。
  7. 前記水分透過性材料は、厚さ25μmのフィルムの状態で、25℃、90%RHの条件により測定した場合の水蒸気透過率が1.0g/m・24h以上である請求項2から6のいずれか1項に記載の水分選択透過性フィルター。
  8. 多数の細孔を有する多孔質体と、前記多孔質体の前記細孔を塞ぐ水分選択透過層と、を備えた水分選択透過性フィルターの製造方法であって、
    前記多孔質体に水分透過性材料を含む塗布液を塗布し、乾燥させて前記水分選択透過層を形成する工程と、
    前記水分選択透過層が形成された前記多孔質体を、前記水分透過性材料の軟化点よりも高い温度で加熱処理する工程と、
    を含むことを特徴とする水分選択透過性フィルターの製造方法。
  9. 請求項1から7のいずれか1項に記載の水分選択透過性フィルターを備えたセンサー。
  10. 局在型表面プラズモン共鳴センサー、湿度センサー、結露センサー、バイオセンサー、ケミカルセンサー、屈折率センサー、QCM(水晶発振子マイクロバランス)及びガスセンサーよりなる群から選ばれるものである請求項9に記載のセンサー。
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