JP2015199317A - 積層体 - Google Patents

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基希 拝師
直樹 津野
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直樹 津野
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和人 細川
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Abstract

【課題】圧電素子としての機能を有する積層体であって、脂肪族ポリエステル系フィルムを圧電材料として用いながらも、水分劣化が防止された積層体を提供すること。【解決手段】本発明の積層体は、脂肪族ポリエステル系樹脂から形成されるフィルム(A)と、該フィルム(A)の片側または両側に配置された透明導電性フィルム(B)とを含み、該透明導電性フィルム(B)の温度40℃、湿度90%RHにおける、水蒸気透過度が、45g/m2・dayより小さい。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体に関する。より詳細には、圧電材料としての脂肪族ポリエステル系樹脂から形成されるフィルムと、透明導電性フィルムとの積層体に関する。
近年、圧電材料として、ポリ乳酸等に代表される脂肪族ポリエステル系フィルムを用いることが行われている(例えば、特許文献1)。脂肪族ポリエステル系フィルムは、煩雑な処理(例えば、従来のセラミックス材料に施されるポーリング処理)を要さずに、延伸処理のみで圧電性が発現するという利点がある。また、脂肪族ポリエステル系フィルムは、圧電特性に優れ、経時的な圧電性の低下が生じにくいという利点もある。
しかしながら、上記フィルムを構成する脂肪族ポリエステル系樹脂は、加水分解性を有するという特徴がある。このような樹脂から構成されるフィルムを圧電材料として圧電素子に適用した場合、該圧電素子には、大気中の水分により劣化しやすく十分な信頼性が確保できないという問題が生じる。
特許第5259026号
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、圧電素子としての機能を有する積層体であって、脂肪族ポリエステル系フィルムを圧電材料として用いながらも、水分劣化が防止された積層体を提供することにある。
本発明の積層体は、脂肪族ポリエステル系樹脂から形成されるフィルム(A)と、該フィルム(A)の片側または両側に配置された透明導電性フィルム(B)とを含み、該透明導電性フィルム(B)の温度40℃、湿度90%RHにおける、水蒸気透過度が、45g/m・dayより小さい。
1つの実施形態においては、上記透明導電性フィルム(B)が、透明基材と、該透明基材の片側に配置された透明導電層とを含み、該透明基材が、シクロオレフィン系樹脂を含む。
1つの実施形態においては、上記透明導電性フィルム(B)が、防湿層をさらに含む。
1つの実施形態においては、上記防湿層が、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物またはケイ素酸窒化物から形成される。
1つの実施形態においては、上記ケイ素酸化物が、SiOx(xは0より大きく2以下)である。
1つの実施形態においては、上記透明導電性フィルム(B)において、上記透明基材と、前記防湿層と、前記透明導電層とがこの順に配置されている。
1つの実施形態においては、上記透明導電性フィルム(B)が、上記透明導電層を上記フィルム(A)側にして配置されている。
1つの実施形態においては、上記透明導電層が、金属ナノワイヤまたは金属メッシュを含む。
1つの実施形態においては、上記透明導電層が、金属酸化物または導電性ポリマーを含む。
1つの実施形態においては、上記透明導電層が、パターン化されている。
1つの実施形態においては、上記フィルム(A)が、ポリ乳酸系樹脂から形成される。
1つの実施形態においては、上記フィルム(A)と、上記透明導電性フィルム(B)とが、粘着剤層または接着剤層を介して積層されている。
1つの実施形態においては、上記透明導電層の厚さが50nm以下である。
1つの実施形態においては、上記積層体は、圧電素子として用いられる。
本発明によれば、水蒸気透過度が特定値以下の透明導電性フィルムを備えることにより、脂肪族ポリエステル系フィルムを圧電材料として用いながらも、水分劣化が防止された積層体を得ることができる。
本発明の1つの実施形態による積層体の概略断面図である。 本発明の別の実施形態による積層体の概略断面図である。 本発明のさらに別の実施形態による積層体の概略断面図である。
A.積層体の全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による積層体の概略断面図である。この積層体100は、脂肪族ポリエステル系樹脂から形成されるフィルム(A)10と、該フィルム(A)10の片側または両側(図示例では両側)に配置された透明導電性フィルム(B)20とを含む。本発明の積層体は、圧電素子として好適に用いられ得る。本発明の積層体が、圧電素子として用いられる場合、上記フィルム(A)は圧電体として機能し得、フィルム(A)を変形させることにより、電場が生じる。また、上記透明導電性フィルム(B)は電極として機能し得る。なお、図1においては、フィルム(A)10の両側に、透明導電性フィルム(B)を配置する形態を図示しているが、本発明の積層体は、フィルム(A)10の片側にのみ透明導電性フィルム(B)を有していてもよい。この場合、該積層体と別の透明導電性フィルムとを組み合わせて、より詳細には、該積層体のフィルム(A)の透明導電性フィルム(B)とは反対側の面に別の透明導電性フィルムを配置して、圧電素子が形成され得る。以下、本明細書において、脂肪族ポリエステル系樹脂から形成されるフィルム(A)を単に、脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)ともいう。
上記透明導電性フィルム(B)は、温度40℃、湿度90%RHにおける、水蒸気透過度が、45g/m・dayより小さい(詳細は後述)。このような特性を有する透明導電性フィルム(B)を用いることにより、加水分解性を有する脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)を用いても、積層体全体として優れた耐湿性を有する積層体を得ることができる。また、耐湿性向上のための添加剤を添加することなく形成された脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)を用いることができるため、脂肪族ポリエステル系樹脂が本来有する圧電性を阻害することなく、耐湿性に優れた積層体を得ることができる。なお、上記積層体が圧電素子として用いられる場合、透明導電性フィルム(B)は、少なくとも、圧電体(フィルム(A))を基準に該積層体に力が加えられる側(すなわち、該積層体を備える装置(例えば、タッチパネル付き表示装置)の視認側(操作側))に配置されることが好ましい。このような配置であれば、耐湿性に優れるという本発明の効果が顕著となる。なお、本発明の積層体が備えられたタッチパネル付きの表示装置において、該タッチパネルは、該積層体よりも視認側(操作側)に配置されることが好ましい。したがって、本発明の積層体が備えられたタッチパネル付きの表示装置においては、視認側(操作側)から順に、タッチパネル/透明導電性フィルム(B)/フィルム(A)/透明導電性フィルム(B)または別の透明導電性フィルムという構成であることが好ましい。
好ましくは、透明導電性フィルム(B)20は、透明基材21と、透明基材21の片側に配置された透明導電層22とを含む。フィルム(A)の両側に透明導電性フィルム(B)が配置される場合、2枚の透明導電性フィルム(B)は、同じ構成であってもよく、異なる構成であってもよい。
好ましくは、透明導電性フィルム(B)20は、透明導電層22を脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)10側にして配置される。このような配置とすれば、透明基材21が、脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)10に悪影響を与えるガス、水分等を発する場合にも、脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)10の劣化を防止することができる。
図2は、本発明の別の実施形態による積層体の概略断面図である。この積層体200において、透明導電性フィルム(B)20’は、防湿層23をさらに含む。好ましくは、図示例のように、透明導電性フィルム(B)20’において、前記透明基材21と、前記防湿層23と、前記透明導電層22とがこの順に配置される。
透明樹脂フィルム(B)20’が、防湿層23を含む場合もまた、該透明樹脂フィルム(B)20’は、透明導電層22を脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)10側にして配置されることが好ましい。
図3は、本発明のさらに別の実施形態による積層体の概略断面図である。この積層体300は、脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)10と、透明導電性フィルム(B)20とが、粘着剤層30または接着剤層を介して積層されている。なお、図示していないが、この実施形態においても、透明導電性フィルム(B)が防湿層を有していてもよい。
B.脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)
上記脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)を形成する脂肪族ポリエステル系樹脂としては、圧電性を有する限りにおいて、任意の適切な樹脂が用いられ得る。好ましくは、該脂肪族ポリエステル系樹脂として、光学活性を有する脂肪族ポリエステル系樹脂が用いられる。より好ましくは、分子構造が螺旋構造であり、光学活性を有する脂肪族ポリエステル系樹脂(すなわち、ヘリカルキラル構造を有する脂肪族ポリエステル系樹脂)が用いられる。このような脂肪族ポリエステル系樹脂は、螺旋軸方向に存在するC=O結合の永久双極子に起因して、好ましい圧電性を発現する。このような脂肪族ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリ乳酸系樹脂、ポリ(β−ヒドロキシ酪酸)等が挙げられる。
好ましくは、上記脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)を形成する脂肪族ポリエステル系樹脂として、ポリ乳酸系樹脂が用いられる。より好ましくは、L−乳酸のホモポリマー(PLLA)またはD−乳酸のホモポリマー(PDLA)が用いられる。
上記ポリ乳酸系樹脂は、乳酸(L体またはD体)と重合可能なモノマー由来の構成単位を含むコポリマーであってもよい。該モノマーとしては、例えば、ヒドロキシルカルボン酸、環状エステル、多価カルボン酸、多価アルコール、多糖類、アミノカルボン酸等が挙げられる。該モノマー由来の構成単位の割合は、乳酸由来の構成単位と該モノマー由来の構成単位の合計に対して、20mol%以下であることが好ましく、10mol%以下であることがより好ましい。
上記ポリ乳酸系樹脂として市販品を用いてもよい。市販品のポリ乳酸系樹脂としては、例えば、PURAC社製の商品名「PURASORB」、三井化学社製の商品名「LACEA H−100」、「LACEA H−400」等が挙げられる。
上記脂肪族ポリエステル系樹脂の重量平均分子量は、好ましくは50000〜1000000であり、より好ましくは100000〜800000であり、さらに好ましくは200000〜300000である。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定される値である。脂肪族ポリエステル系樹脂の重量平均分子量は、該GPCにおいて、溶媒としてクロロホルムを用いて測定された値である。
上記脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)において、脂肪族ポリエステル系樹脂の含有割合は、脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)の全重量に対して、好ましくは80重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上であり、さらに好ましくは95重量%〜100重量%であり、特に好ましくは99重量%〜100重量%である。本発明の積層体においては、上記透明導電性フィルムの存在により耐湿性が付与されているため、上記脂肪族ポリエステル系樹脂の含有割合を多くすることができる(すなわち、耐湿性向上のための添加剤の添加量を少なくする(あるいはゼロにする))ことができる。脂肪族ポリエステル系樹脂の含有割合が多い脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)を用いれば、圧電性に優れる積層体を得ることができる。
なお、脂肪族ポリエステル系樹脂およびポリ乳酸の詳細は、例えば、特許第5259026号、特開2011−243606号公報等に記載されており、その記載は本明細書に参考として援用される。
上記脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)は、任意の適切な製造方法により製造され得る。脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)は、例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂(例えば、ポリ乳酸のD体またはL体)を含む樹脂組成物(a)をシート状に成形し、得られたシート状成形体を延伸することにより得ることができる。シート状成形体の成形方法としては、例えば、押し出し成形法が挙げられる。
上記シート状成形体を延伸することにより、圧電性を有する脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)を得ることができる。該延伸は、一軸延伸であってもよく、二軸延伸であってもよい。一軸延伸を行う場合、機械方向(MD)に延伸してもよく、MDと垂直な方向(TD)に延伸してもよい。一軸延伸を行う場合、延伸倍率は、好ましくは1.1倍〜10倍であり、より好ましくは1.1倍〜7倍である。二軸延伸を行う場合、MD延伸倍率は、好ましくは1.1倍〜10倍であり、より好ましくは1.1倍〜7倍であり、さらに好ましくは1.1〜6倍であり、特に好ましくは1.1〜4.5倍である。また、TD延伸倍率は、好ましくは1.1倍〜10倍であり、より好ましくは1.1倍〜7倍であり、さらに好ましくは1.1〜5.5倍であり、特に好ましくは1.1〜4.5倍である。延伸温度は、用いる脂肪族ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)以上(Tg+80℃)以下であることが好ましい。
上記のように延伸した後、必要に応じて、熱処理を行ってもよい。熱処理は、用いる脂肪族ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)未満の温度であることが好ましい。例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂としてポリ乳酸を用いる場合、熱処理温度は、好ましくは50℃〜160℃である。熱処理時間は、例えば、1秒〜120秒である。
上記脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)は、任意の適切な表面処理が施されていてもよい。該表面処理としては、例えば、プラズマ処理、アミン処理、コロナ処理等が挙げられる。
上記脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)は、単層構成であってもよく、複層構成であってもよい。複層構成の脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)として、例えば、L−ポリ乳酸を主成分とする層と、D−ポリ乳酸を主成分とする層とからなるフィルム(A)が挙げられる。
上記脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)の厚みは、好ましくは20μm〜15000μmであり、より好ましくは20μm〜1000μmである。
上記脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)は、任意の適切な添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、蛍光蒼白剤、可塑剤、架橋剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。使用される添加剤の種類および量は、目的に応じて適宜設定され得る。
C.透明導電性フィルム(B)
上記透明導電性フィルム(B)の水蒸気透過度は、好ましくは45g/m・dayより小さく、より好ましくは40g/m・dayより小さく、さらに好ましくは0.01g/m・day〜35g/m・dayであり、特に好ましくは0.1g/m・day〜35g/m・dayである。透明導電性フィルム(B)の水蒸気透過度がこのような範囲であれば、上記脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)の水分劣化を防止して、信頼性に優れる積層体を得ることができる。より具体的には、本発明の積層体は圧電素子として用いられ得、該圧電素子においては、脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)を用いることにより圧電性に優れ、かつ、加水分解性を有する該フィルム(A)の水分劣化が防止されて耐久性に優れる。なお、本明細書において、水蒸気透過度は、JIS K 7129Bに準拠したMOCON測定法(温度:40℃、湿度:90%RH、ガス流量:10.0±0.5cc/min、測定時間:20時間)により測定される。
上記透明導電性フィルム(B)の厚みは、好ましくは10μm〜530μmであり、より好ましくは20μm〜280μmであり、さらに好ましくは20μm〜180μmであり、特に好ましくは20μm〜130μmである。このような範囲であれば、水蒸気透過度の小さい透明導電性フィルム(B)を得ることができる。また、上記積層体用いて、押圧力の伝達性に優れる圧電素子を得ることができる。すなわち、透明導電性フィルム(B)の厚みが上記範囲であれば、圧電材料としての脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)の耐湿性と、押圧力の伝達性とが両立された圧電素子を得ることができる。
上記透明導電性フィルム(B)の全光線透過率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、特に好ましくは90%以上である。このような範囲であれば、タッチパネルと組み合わせて用いられる圧電素子用の積層体として好適な積層体を得ることができる。
上記透明導電性フィルム(B)の表面抵抗値は、好ましくは0.01Ω/□〜1000Ω/□であり、より好ましくは0.05Ω/□〜500Ω/□であり、特に好ましくは0.1Ω/□〜250Ω/□である。
1つの実施形態においては、上記透明導電性フィルム(B)は、図1〜3に示すように、透明基材と、該透明基材の片側に配置された透明導電層とを含む。また、透明導電性フィルム(B)は、防湿層をさらに含み得る。
C−1.透明基材
上記透明基材は、透明導電性フィルム(B)に水分バリア性を付与し得る層である。上記透明導電性フィルム(B)における高い水分バリア性が、透明基材の存在により発現することにより、透明導電層を種々の形態とすることができる。具体的には、透湿性の高い透明導電層(例えば、後述のように、金属ナノワイヤまたは金属メッシュを含む透明導電層)を形成しても、透明導電性フィルム(B)としては、上記のように優れた水蒸気透過度を有し得る。上記透明基材の水蒸気透過度は、好ましくは45g/m・dayより小さく、より好ましくは40g/m・dayより小さく、さらに好ましくは0.01g/m・day〜35g/m・dayであり、特に好ましくは0.1g/m・day〜35g/m・dayである。
上記透明基材の厚みは、好ましくは5μm〜500μmであり、より好ましくは10μm〜250μmであり、さらに好ましくは20μm〜150μmであり、特に好ましくは20μm〜100μmである。このような範囲であれば、水蒸気透過度の小さい透明導電性フィルム(B)を得ることができる。また、上記積層体用いて、押圧力の伝達性に優れる圧電素子を得ることができる。
1つの実施形態においては、本発明の積層体が、脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)の両側に透明導電性フィルム(B)を備える場合、一方の透明導電性フィルム(B)に含まれる透明基材の弾性率(ヤング率)と、他方の透明導電性フィルム(B)に含まれる透明基材の弾性率(ヤング率)とは異なっていてもよい。このような透明基材を有する積層体を圧電素子として用い、低弾性率な透明基材を有する透明導電性フィルム(B)を押圧される側、高弾性率な透明基材を有する透明導電性フィルム(B)を押圧される側とは反対側に配置すれば、押圧力の伝達性に優れ、かつ、圧電材料としての脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)が変形しやすい圧電素子を得ることができる。
別の実施形態においては、本発明の積層体が、脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)の両側に透明導電性フィルム(B)を備える場合、2枚の透明導電性フィルム(B)における透明基材は同一の樹脂または同一の特性(例えば、弾性率)を有する樹脂で構成され得る。この場合、それぞれの透明基材の厚みは、実質的に同一であることが好ましい。したがって。最も好ましくは、それぞれの透明基材は、同一の樹脂(または、同一の特性を有する樹脂)で同一の厚みとなるように構成される。このような構成であれば、反りの生じ難い積層体を得ることができる。
上記透明基材の全光線透過率は、好ましくは82%以上であり、より好ましくは85%以上であり、特に好ましくは90%以上であり、最も好ましくは95%以上である。このような範囲であれば、タッチパネルと組み合わせて用いられる圧電素子用の積層体として好適な積層体を得ることができる。
上記透明基材を構成する樹脂としては、本発明の効果が得られる限り、任意の適切な樹脂が用いられ得る。透明基材を構成する樹脂としては、例えば、シクロオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂等が挙げられる。好ましくは、シクロオレフィン系樹脂である。シクロオレフィン系樹脂を用いれば、高い水分バリア性を有する透明基材を安価に得ることができる。
上記シクロオレフィン系樹脂として、例えば、ポリノルボルネンが好ましく用いられ得る。ポリノルボルネンとは、出発原料(モノマー)の一部または全部に、ノルボルネン環を有するノルボルネン系モノマーを用いて得られる(共)重合体をいう。
上記シクロオレフィン系樹脂のフィルムとしては、種々の製品が市販されている。具体例としては、日本ゼオン社製の商品名「ゼオネックス」、「ゼオノア」、JSR社製の商品名「アートン(Arton)」、TICONA社製の商品名「トーパス」、三井化学社製の商品名「APEL」が挙げられる。
上記透明基材を構成する樹脂のガラス転移温度は、好ましくは50℃〜200℃であり、より好ましくは60℃〜180℃であり、さらに好ましくは70℃〜160℃である。このような範囲のガラス転移温度を有する透明基材であれば、透明導電層を形成する際の劣化が防止され得る。
上記透明基材は、必要に応じて任意の適切な添加剤をさらに含み得る。添加剤の具体例としては、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、相溶化剤、架橋剤、および増粘剤等が挙げられる。使用される添加剤の種類および量は、目的に応じて適宜設定され得る。
上記透明基材を得る方法としては、任意の適切な成形加工法が用いられ、例えば、圧縮成形法、トランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、粉末成形法、FRP成形法、およびソルベントキャスティング法等から適宜、適切なものが選択され得る。これらの製法の中でも好ましくは、押出成形法またはソルベントキャスティング法が用いられる。得られる透明基材の平滑性を高め、良好な光学的均一性を得ることができるからである。成形条件は、使用される樹脂の組成や種類等に応じて適宜設定され得る。
必要に応じて、上記透明基材に対して各種表面処理を行ってもよい。表面処理は目的に応じて任意の適切な方法が採用される。例えば、低圧プラズマ処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理が挙げられる。1つの実施形態においては、透明基材を表面処理して、透明基材表面を親水化させる。透明基材を親水化させれば、水系溶媒により調製された透明導電層形成用組成物(後述)を塗工する際の加工性が優れる。また、透明基材と透明導電層との密着性に優れる透明導電性フィルム(B)を得ることができる。
C−2.透明導電層
上記透明導電層は、圧電素子に備えられる電極に所望される導電性(例えば、上記範囲の表面抵抗率)を有することが好ましい。1つの実施形態においては、上記透明導電層は、金属ナノワイヤまたは金属メッシュを含む。本発明の積層体に用いる透明導電性フィルム(B)においては、上記透明基材が高い水分バリア性を有するため、透明導電層に水分バリア性を付加する必要はなく、そのため、金属ナノワイヤまたは金属メッシュを含む透明導電層を採用することができる。金属ナノワイヤまたは金属メッシュを含む透明導電層を形成すれば、光透過率に優れる透明導電性フィルム(B)を得ることができる。別の実施形態においては、上記透明導電層は、金属酸化物または導電性高分子を含む。
1つの実施形態においては、上記透明導電層はパターン化されている。パターン化の方法としては、透明導電層の形態に応じて、任意の適切な方法が採用され得る。本発明の積層体に用いる透明導電性フィルム(B)においては、上記透明基材が高い水分バリア性を有するため、パターン化により透明導電層の水分バリア性が低下しても、透明導電性フィルム(B)自体の水分バリア性の低下は抑制される。透明導電層のパターンの形状は、用途に応じて任意の適切な形状であり得る。例えば、特表2011−511357号公報、特開2010−164938号公報、特開2008−310550号公報、特表2003−511799号公報、特表2010−541109号公報に記載のパターンが挙げられる。透明導電層は透明基材上に形成された後、透明導電層の形態に応じて、任意の適切な方法を用いてパターン化することができる。
上記透明導電層は、その形態に応じて適切な厚みとされ得る。光透過性の観点から、上記透明導電層の厚みは、所望の導電性が得られる限りにおいて、薄いほど好ましい。上記透明導電層の厚みは、例えば、50nm以下である。このような厚みの透明導電層であれば、導電性と光透過率とが高度に両立され得る。
上記透明導電層の全光線透過率は、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは95%以上である。
(金属ナノワイヤを含む透明導電層)
金属ナノワイヤとは、材質が金属であり、形状が針状または糸状であり、径がナノメートルサイズの導電性物質をいう。金属ナノワイヤは直線状であってもよく、曲線状であってもよい。金属ナノワイヤで構成された透明導電層を用いれば、金属ナノワイヤが網の目状となることにより、少量の金属ナノワイヤであっても良好な電気伝導経路を形成することができ、電気抵抗の小さい透明導電性フィルム(B)を得ることができる。さらに、金属ナノワイヤが網の目状となることにより、網の目の隙間に開口部を形成して、光透過率の高い透明導電性フィルムを得ることができる。
上記金属ナノワイヤの太さdと長さLとの比(アスペクト比:L/d)は、好ましくは10〜100,000であり、より好ましくは50〜100,000であり、特に好ましくは100〜10,000である。このようにアスペクト比の大きい金属ナノワイヤを用いれば、金属ナノワイヤが良好に交差して、少量の金属ナノワイヤにより高い導電性を発現させることができる。その結果、光透過率の高い透明導電性フィルムを得ることができる。なお、本明細書において、「金属ナノワイヤの太さ」とは、金属ナノワイヤの断面が円状である場合はその直径を意味し、楕円状である場合はその短径を意味し、多角形である場合は最も長い対角線を意味する。金属ナノワイヤの太さおよび長さは、走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡によって確認することができる。
上記金属ナノワイヤの太さは、好ましくは500nm未満であり、より好ましくは200nm未満であり、特に好ましくは10nm〜100nmであり、最も好ましくは10nm〜50nmである。このような範囲であれば、光透過率の高い透明導電層を形成することができる。
上記金属ナノワイヤの長さは、好ましくは2.5μm〜1000μmであり、より好ましくは10μm〜500μmであり、特に好ましくは20μm〜100μmである。このような範囲であれば、導電性の高い透明導電性フィルム(B)を得ることができる。
上記金属ナノワイヤを構成する金属としては、導電性の高い金属である限り、任意の適切な金属が用いられ得る。上記金属ナノワイヤを構成する金属としては、例えば、銀、金、銅、ニッケル等が挙げられる。また、これらの金属にメッキ処理(例えば、金メッキ処理)を行った材料を用いてもよい。なかでも好ましくは、導電性の観点から、銀、銅または金であり、より好ましくは銀である。
上記金属ナノワイヤの製造方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば溶液中で硝酸銀を還元する方法、前駆体表面にプローブの先端部から印可電圧又は電流を作用させ、プローブ先端部で金属ナノワイヤを引き出し、該金属ナノワイヤを連続的に形成する方法等が挙げられる。溶液中で硝酸銀を還元する方法においては、エチレングリコール等のポリオール、およびポリビニルピロリドンの存在下で、硝酸銀等の銀塩の液相還元することによりにより、銀ナノワイヤが合成され得る。均一サイズの銀ナノワイヤは、例えば、Xia, Y.etal., Chem.Mater.(2002)、14、4736−4745、Xia, Y.etal., Nano letters(2003)3(7)、955−960に記載される方法に準じて、大量生産が可能である。
上記金属ナノワイヤを含む透明導電層は、上記透明基材(または、防湿層)上に、上記金属ナノワイヤを含む透明導電層形成用組成物を塗工することにより形成することができる。より具体的には、溶媒中に上記金属ナノワイヤを分散させた分散液(透明導電層形成用組成物)を、上記透明基材上に塗布した後、塗布層を乾燥させて、透明導電層を形成することができる。
上記溶媒としては、水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒等が挙げられる。環境負荷低減の観点から、水を用いることが好ましい。
上記金属ナノワイヤを含む透明導電層形成用組成物中の金属ナノワイヤの分散濃度は、好ましくは0.1重量%〜1重量%である。このような範囲であれば、導電性および光透過性に優れる透明導電層を形成することができる。
上記金属ナノワイヤを含む透明導電層形成用組成物は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。上記添加剤としては、例えば、金属ナノワイヤの腐食を防止する腐食防止材、金属ナノワイヤの凝集を防止する界面活性剤等が挙げられる。使用される添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。また、該透明導電層形成用組成物は、本発明の効果が得られる限り、必要に応じて、任意の適切なバインダー樹脂を含み得る。
上記金属ナノワイヤを含む透明導電層形成用組成物の塗布方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。塗布方法としては、例えば、スプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、スクリーンコート、ディップコート、凸版印刷法、凹版印刷法、グラビア印刷法等が挙げられる。塗布層の乾燥方法としては、任意の適切な乾燥方法(例えば、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥)が採用され得る。例えば、加熱乾燥の場合には、乾燥温度は代表的には100℃〜200℃であり、乾燥時間は代表的には1〜10分である。
上記透明導電層が金属ナノワイヤを含む場合、該透明導電層の厚みは、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは3μm以下であり、さらに好ましくは1μm以下であり、特に好ましくは50nm以下であり、最も好ましくは35nm以下である。このような範囲であれば、光透過性に優れる透明導電性フィルム(B)を得ることができる。上記透明導電層が金属ナノワイヤを含む場合、該透明導電層の厚みの下限は、例えば、10nmである。
上記透明導電層における金属ナノワイヤの含有割合は、透明導電層の全重量に対して、好ましくは80重量%〜100重量%であり、より好ましくは85重量%〜99重量%である。このような範囲であれば、導電性および光透過性に優れる透明導電性フィルムを得ることができる。
上記金属ナノワイヤが銀ナノワイヤである場合、透明導電層の密度は、好ましくは1.3g/cm〜10.5g/cmであり、より好ましくは1.5g/cm〜3.0g/cmである。このような範囲であれば、導電性および光透過性に優れる透明導電性フィルムを得ることができる。
(金属メッシュを含む透明導電層)
金属メッシュを含む透明導電層は、上記透明基材(または、防湿層)上に、金属細線が格子状のパターンに形成されてなる。金属メッシュを含む透明導電層は、任意の適切な方法により形成させることができる。該透明導電層は、例えば、銀塩を含む感光性組成物(透明導電層形成用組成物)を上記透明基材上に塗布し、その後、露光処理および現像処理を行い、金属細線を所定のパターンに形成することにより得ることができる。また、該透明導電層は、金属微粒子を含むペースト(透明導電層形成用組成物)を所定のパターンに印刷して得ることもできる。このような透明導電層およびその形成方法の詳細は、例えば、特開2012−18634号公報に記載されており、その記載は本明細書に参考として援用される。また、金属メッシュから構成される透明導電層およびその形成方法の別の例としては、特開2003−331654号公報に記載の透明導電層およびその形成方法が挙げられる。
上記透明導電層が金属メッシュを含む場合、該透明導電層の厚みは、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは3μm以下であり、特に好ましくは500nm以下であり、最も好ましくは300nm以下である。このような範囲であれば、光透過性に優れる透明導電性フィルム(B)を得ることができる。上記透明導電層が金属メッシュを含む場合、該透明導電層の厚みの下限は、例えば、10nmである。
上記透明導電層が金属メッシュを含む場合、該透明導電層の透過率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。
(金属酸化物を含む透明導電層)
金属酸化物を含む透明導電層は、任意の適切な成膜方法(例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法等)により、透明基材(または、防湿層)上に金属酸化物膜を成膜して形成され得る。金属酸化物を含む透明導電層は、エッチング法等によりパターン化され得る。
上記金属酸化物としては、例えば、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、インジウム−スズ複合酸化物、スズ−アンチモン複合酸化物、亜鉛−アルミニウム複合酸化物、インジウム−亜鉛複合酸化物などが挙げられる。なかでも好ましくは、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)である。
上記透明導電層が金属酸化物を含む場合、該透明導電層の厚みは、好ましくは50nm以下であり、より好ましくは35nm以下である。このような範囲であれば、光透過性に優れる透明導電性フィルム(B)を得ることができる。上記透明導電層が金属酸化物を含む場合、該透明導電層の厚みの下限は、好ましくは10nmである。
(導電性ポリマーを含む透明導電層)
導電性ポリマーを含む透明導電層は、上記透明基材(または、防湿層)上に、導電性ポリマーを含む導電性組成物を塗工することにより形成させることができる。
導電性ポリマーとしては、例えば、ポリチオフェン系ポリマー、ポリアセチレン系ポリマー、ポリパラフェニレン系ポリマー、ポリアニリン系ポリマー、ポリパラフェニレンビニレン系ポリマー、ポリピロール系ポリマー、ポリフェニレン系ポリマー、アクリル系ポリマーで変性されたポリエステル系ポリマー等が挙げられる。好ましくは、透明導電層は、ポリチオフェン系ポリマー、ポリアセチレン系ポリマー、ポリパラフェニレン系ポリマー、ポリアニリン系ポリマー、ポリパラフェニレンビニレン系ポリマーおよびポリピロール系ポリマーからなる群より選ばれた1種以上のポリマーを含む。
より好ましくは、上記導電性ポリマーとしてポリチオフェン系ポリマーが用いられる。ポリチオフェン系ポリマーを用いれば、透明性および化学的安定性に優れる透明導電層を形成することができる。ポリチオフェン系ポリマーの具体例としては、ポリチオフェン;ポリ(3−ヘキシルチオフェン)等のポリ(3−C1−8アルキル−チオフェン);ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ[3,4−(1,2−シクロヘキシレン)ジオキシチオフェン]等のポリ(3,4−(シクロ)アルキレンジオキシチオフェン);ポリチエニレンビニレン等が挙げられる。
好ましくは、上記導電性ポリマーは、アニオン性ポリマーの存在下で重合される。例えば、ポリチオフェン系ポリマーは、アニオン性ポリマーの存在下で酸化重合させることが好ましい。アニオン性ポリマーとしては、カルボキシル基、スルホン酸基および/またはその塩を有する重合体が挙げられる。好ましくは、ポリスチレンスルホン酸等のスルホン酸基を有するアニオン性ポリマーが用いられる。
上記導電性ポリマー、該導電性ポリマーから構成される透明導電層、および該透明導電層の形成方法は、例えば、特開2011−175601号公報に記載されており、その記載は本明細書に参考として援用される。
上記透明導電層が導電性ポリマーから構成される場合、該透明導電層の厚みは、好ましくは1μm以下であり、より好ましくは0.5μm以下であり、さらに好ましくは0.3μm以下であり、特に好ましくは50nm以下であり、最も好ましくは35nm以下である。このような範囲であれば、光透過性に優れる透明導電性フィルム(B)を得ることができる。上記透明導電層が導電性ポリマーを含む場合、該透明導電層の厚みの下限は、好ましくは10nmであり、より好ましくは30nmである。
C−3.防湿層
1つの実施形態においては、上記透明導電性フィルム(B)は、防湿層をさらに含む。防湿層を形成することにより、透明導電性フィルム(B)の水分バリア性をさらに向上させることができる。
上記防湿層を構成する材料としては、例えば、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素酸窒化物等が挙げられる。ケイ素酸化物としては、SiOx(xは0より大きく2以下)が挙げられる。
上記防湿層は、任意の適切な方法により形成させることができる。上記防湿層は、例えば、任意の適切な成膜方法(例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法等)により形成され得る。なお、上記透明導電性フィルム(B)が防湿層を含む場合、透明導電層は、防湿層上に形成されることが好ましい。
上記防湿層の厚みは、好ましくは20nm〜200nmであり、より好ましくは20nm〜100nmである。
D.粘着剤層、接着剤層
本発明の積層体において、脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)と透明導電性フィルム(B)とが、粘着剤層または接着剤層を介して積層されていてもよい。
一般に、圧電素子は、圧電材料に直接(例えば蒸着法により)、導電層を形成して製造されるが、該形成時には加熱を要することが多い。圧電材料としてポリ乳酸等の脂肪族ポリエステル系樹脂を用いる場合には、該加熱による該樹脂の劣化が問題となる。一方、本発明においては、上記のとおり、上記透明導電性フィルム(B)が、透明基材上に透明導電層を形成して得られ得るため、あらかじめ作製した該透明導電性フィルム(B)を粘着剤層または接着剤層を介して貼着し、脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)に対して過度の加熱をせずに、透明導電層を有する積層体を得ることができる。なお、本発明の積層体が、粘着剤層または接着剤層を有さない場合、脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)と透明導電性フィルム(B)とは、例えば、任意の適切なスペーサを介して積層され得る。該スペーサは、両フィルムの端部において、脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)と透明導電性フィルム(B)との間に配置され得る。また、該スペーサは、粘着性または接着性を有していてもよい。
上記粘着剤層を構成する材料としては、アクリル系粘着剤等が挙げられる。上記接着剤層を構成する材料としては、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等が挙げられる。
上記粘着剤層または接着剤層の厚みは、好ましくは1μm〜200μmであり、より好ましくは3μm〜100μmである。このような範囲であれば、押圧力の伝達性に優れる積層体を得ることができる。また、圧電材料としての脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)から生じた電場の影響が、電極としての透明導電性フィルム(B)に伝わりやすい積層体を得ることができる。
10 脂肪族ポリエステル系樹脂フィルム(A)
20 透明導電性フィルム(B)
21 透明基材
22 透明導電層
23 防湿層

Claims (14)

  1. 脂肪族ポリエステル系樹脂から形成されるフィルム(A)と、
    該フィルム(A)の片側または両側に配置された透明導電性フィルム(B)とを含み、
    該透明導電性フィルム(B)の温度40℃、湿度90%RHにおける、水蒸気透過度が、45g/m・dayより小さい、
    積層体。
  2. 前記透明導電性フィルム(B)が、透明基材と、該透明基材の片側に配置された透明導電層とを含み、
    該透明基材が、シクロオレフィン系樹脂を含む、
    請求項1に記載の積層体。
  3. 前記透明導電性フィルム(B)が、防湿層をさらに含む、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記防湿層が、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物またはケイ素酸窒化物から形成される、請求項3に記載の積層体。
  5. 前記ケイ素酸化物が、SiOx(xは0より大きく2以下)である、請求項4に記載の積層体。
  6. 前記透明導電性フィルム(B)において、前記透明基材と、前記防湿層と、前記透明導電層とがこの順に配置されている、請求項3から5のいずれかに記載の積層体。
  7. 前記透明導電性フィルム(B)が、前記透明導電層を前記フィルム(A)側にして配置されている、請求項2から6のいずれかに記載の積層体。
  8. 前記透明導電層が、金属ナノワイヤまたは金属メッシュを含む、請求項1から7のいずれかに記載の積層体。
  9. 前記透明導電層が、金属酸化物または導電性ポリマーを含む、請求項1から8のいずれかに記載の積層体。
  10. 前記透明導電層が、パターン化されている、請求項2から9のいずれかに記載の積層体。
  11. 前記フィルム(A)が、ポリ乳酸系樹脂から形成される、請求項1から10のいずれかに記載の積層体。
  12. 前記フィルム(A)と、前記透明導電性フィルム(B)とが、粘着剤層または接着剤層を介して積層されている、請求項1から11のいずれかに記載の積層体。
  13. 前記透明導電層の厚さが50nm以下である、請求項2から12のいずれかに記載の積層体。
  14. 圧電素子として用いられる、請求項1から13のいずれかに記載の積層体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018154035A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 三井化学株式会社 ポリエステルフィルムの製造方法及びフィルム成形用加熱ロール
CN112740430A (zh) * 2018-09-28 2021-04-30 日东电工株式会社 压电器件及压电器件的制造方法

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