JP2015198521A - 交流直流変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】負荷電流が小さい軽負荷時であっても、スイッチング素子を小さくして高効率に動作できる交流直流変換装置を得ること。
【解決手段】単相整流回路2の後段に、入力電圧波形に同期してスイッチング電流を制御する昇圧回路を2回路並列に接続した第1〜第3の単相力率改善回路(17〜19)を並列に接続して構成された交流直流変換装置は、負荷電流に応じて第1〜第3の単相力率改善回路(17〜19)のスイッチング動作を片側だけにする第1の制御と、3回路並列接続された第1〜第3の単相力率改善回路(17〜19)のうちの少なくとも1回路を停止させる第2の制御と、を実施するスイッチモード制御回路22を備えた。
【選択図】図1
【解決手段】単相整流回路2の後段に、入力電圧波形に同期してスイッチング電流を制御する昇圧回路を2回路並列に接続した第1〜第3の単相力率改善回路(17〜19)を並列に接続して構成された交流直流変換装置は、負荷電流に応じて第1〜第3の単相力率改善回路(17〜19)のスイッチング動作を片側だけにする第1の制御と、3回路並列接続された第1〜第3の単相力率改善回路(17〜19)のうちの少なくとも1回路を停止させる第2の制御と、を実施するスイッチモード制御回路22を備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、交流直流変換装置に関する。
単相交流電源を入力とする電源システムに適用される交流直流変換装置では、無効電力を低く抑えるために全波整流時に流れる交流電流を入力電圧波形に同期させ、交流電流が正弦波状に流れるように制御する力率改善回路を備えている。力率改善回路を備えた交流直流変換装置では、力率を1に近づける制御や、高調波リップルを抑制する制御を行い、他の機器や発電機等にストレスが加わらないよう配慮されている。近年、この種の交流直流変換装置が、数多く市場に出回ってきていることは周知の事実である。
ここで、例えば3相交流用の発電機を一次電源とする艦船用または航空機用の電源システムでは、一次電源である3相交流電源を全波整流した際に発生する高調波リップル電流が発電機や一次電源を同じにする他の機器に悪影響を与えないように、極めて低い高調波リップルや高力率でのAC/DC変換が要求される。
従来、低リップル、高力率を実現する手法としては、全波整流回路の前段に非常に大きなチョークコイルを挿入し、フィルタ回路を大きくしてリップル電流や高周波ノイズを抑制する方式や、複数のトランスにて位相をずらした電流波形を合成する方式、直接交流電圧を高周波でスイッチングし、入力電圧波形に合わせて電流がsin波状に流れるようスイッチングを制御して全波整流と昇圧を同時に実施する方式(アクティブフィルタ方式)などが知られている。
これら3つの方式のうち、フィルタ回路やトランスを用いる方式では、交流電源の周波数が低くなるとチョークコイルやトランスが非常に大きなものとなってしまい小型化することが困難であり、また、アクティブフィルタ方式のものも、高耐圧のスイッチング素子を使用するためスイッチング周波数を高くすることができず、小型化できないといった問題があった。さらに、アクティブフィルタ方式のものは、3相交流電圧に同期してスイッチングのパルス幅を制御し、電圧と電流の位相を制御する必要があったため、一般に市販されている電源制御用のICでは制御できず、独自に制御プログラムを作成して大規模なプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:以下「PLD」と記す)などに制御プログラムを書き込んだうえで、各スイッチング素子を制御しなければならず、コストが高くなるという問題があった。
そのため、交流直流変換装置においては、スイッチング素子にFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)を使用するのが一般的となっていたが、シリコン(以下「Si」と表記)を用いたパワー半導体素子にあっては、オン抵抗や飽和電圧の低減化など技術的にも限界にきており、交流直流変換装置の高効率化もそれに伴い頭打ちの状況にあった。
このような状況下において、近年、ワイドバンドギャップ半導体の研究が進められた結果、低オン抵抗で高耐圧、大電流かつ高速スイッチングが可能な窒化ガリウム(以下「GaN」と表記)を用いたFETや、炭化ケイ素(以下「SiC」と表記)を用いたスイッチングデバイスが使用され始めている。一般的に、GaN、SiC、ダイヤモンドなどのワイドバンドギャップ半導体を用いたFETを使用すれば、スイッチング損失が削減でき、小型で高効率なAC/DCコンバータが提供できることが知られている。
例えば、下記特許文献1,2では、ワイドバンドギャップ半導体の主スイッチング素子とは別の補助スイッチやトランス等を利用して、主スイッチング素子の寄生容量の電荷を引き抜き、ゼロ電圧となったところでターンオンさせる技術が開示されている。
しかしながら、上記従来の技術では、負荷電流がある値以上でないと機能せず、負荷電流が小さい軽負荷時では、スイッチング損失が大きくなってしまうという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、負荷電流が小さい軽負荷時であっても、高効率に動作できる交流直流変換装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、交流電力が入力される単相整流回路の後段に、入力電圧波形に同期してスイッチング電流を制御する昇圧回路を2回路並列に接続した単相用力率改善回路を3回路並列に接続し、前記昇圧回路を交互にスイッチング動作できるように構成された交流直流変換装置であって、負荷電流に応じて前記単相用力率改善回路のスイッチング動作を片側だけにする第1の制御と、3回路並列接続された前記単相用力率改善回路のうちの少なくとも1回路を停止させる第2の制御と、を実施するスイッチモード制御回路を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、負荷電流が小さい軽負荷時であっても、スイッチング素子を小さくして高効率に動作できるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係る交流直流変換装置について説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る交流直流変換装置の一構成例を示す図である。図1において、発電機1は、例えば航空機や艦船、車両等に載せられた一次電源である。単相整流回路2は、単相交流を直流に変換する回路であり、図1では単相用且つ全波整流のダイオードブリッジ回路を例示している。入力コンデンサ3は、ノイズ除去手段としてのコンデンサである。チョークコイル4,5は、エネルギー蓄積手段と電流検出手段とを兼ね備えた回路要素であり、図1では電流検出用の補助巻き線を備え、自身に流れた電流によってエネルギーを蓄えることができるスイッチング用チョークコイルを例示している。スイッチング素子6,7は、入力電圧を高周波でスイッチングする手段であり、図1ではMOSFETを例示している。スイッチング素子6,7がオンしたとき、チョークコイル4,5にはスイッチング電流の2乗に比例したエネルギーが蓄積され、スイッチング素子6,7がオフしたとき、チョークコイル4,5に蓄積されたエネルギーがダイオード8,9を介して出力コンデンサ10に充電される。このように動作するチョークコイル4,5、スイッチング素子6,7およびダイオード8,9は、昇圧回路を構成する。
図1は、実施の形態1に係る交流直流変換装置の一構成例を示す図である。図1において、発電機1は、例えば航空機や艦船、車両等に載せられた一次電源である。単相整流回路2は、単相交流を直流に変換する回路であり、図1では単相用且つ全波整流のダイオードブリッジ回路を例示している。入力コンデンサ3は、ノイズ除去手段としてのコンデンサである。チョークコイル4,5は、エネルギー蓄積手段と電流検出手段とを兼ね備えた回路要素であり、図1では電流検出用の補助巻き線を備え、自身に流れた電流によってエネルギーを蓄えることができるスイッチング用チョークコイルを例示している。スイッチング素子6,7は、入力電圧を高周波でスイッチングする手段であり、図1ではMOSFETを例示している。スイッチング素子6,7がオンしたとき、チョークコイル4,5にはスイッチング電流の2乗に比例したエネルギーが蓄積され、スイッチング素子6,7がオフしたとき、チョークコイル4,5に蓄積されたエネルギーがダイオード8,9を介して出力コンデンサ10に充電される。このように動作するチョークコイル4,5、スイッチング素子6,7およびダイオード8,9は、昇圧回路を構成する。
駆動回路11,12は、スイッチング素子6,7をそれぞれ駆動するための駆動手段である。抵抗13,14は、出力コンデンサ10の両端電圧(以下、適宜「出力電圧」という)を検出するための分圧抵抗である。力率改善用制御回路15は、入力の交流電圧とスイッチング電流を監視しながら入力電圧波形と入力電流波形が同相となり、かつ、出力電圧が予め定められた電圧値となるようにスイッチング素子6,7におけるオン時間とオフ時間の時比率(以下「オン/オフ比」という)を制御し、力率を1に近づけるための制御回路である。なお、力率改善用制御回路15はスイッチング素子6,7のオン/オフのタイミングを、図示のパルス列のように180°位相をずらして駆動することで、入力のリップル電圧が小さくなるように制御する機能を有している。DC/DCコンバータ16は、昇圧された出力コンデンサ10の電圧を降圧するための降圧回路であり、図1では絶縁型DC/DCコンバータとして示している。
上述した単相整流回路2、入力コンデンサ3、チョークコイル4,5、スイッチング素子6,7、ダイオード8,9、出力コンデンサ10、駆動回路11,12、抵抗13,14、力率改善用制御回路15および、DC/DCコンバータ16は、単相用力率改善回路17を構成する。単相用力率改善回路17は、3相入力のU−V間に接続されるが、3相入力のV−W間およびW−U間に接続される同一または同等の構成部として、第2および第3の単相用力率改善回路(18,19)が設けられる。実施の形態1に係る交流直流変換装置は、これら第1〜第3の単相用力率改善回路(17〜19)と、スイッチモード制御回路22とによって構成される。
スイッチモード制御回路22は、第1の単相用力率改善回路17の力率改善用制御回路15、第2の単相用力率改善回路18の力率改善用制御回路20および第3の単相用力率改善回路19の力率改善用制御回路21のそれぞれに対しスイッチングモード信号を送信し、必要に応じて各単相用力率改善回路のスイッチング素子6,7の片方を停止させたり、各単相用力率改善回路の動作を入力電圧に合わせて交互に停止させたり、動作させたりといった制御を行うための回路部である。
つぎに、実施の形態1に係る交流直流変換装置の動作について説明するが、ここではまず、各単相用力率改善回路のチョークコイル4,5に流れる電流が連続的であるモード(以下「電流連続モード」という)時の動作について、図1および図6の図面を参照して説明する。図6は、電流連続モード時の動作を説明するための要部波形を示す図である。
図6において、(ア)は発電機1から出力される各相の電圧波形とU相に流れる電流波形を示すものであり、鋸波状の波形はU相の電流波形を示し、実線はU相、V相、W相の各電圧波形を示している。また、図6(イ)は、U相電圧、U相電流およびチョークコイル4に流れる電流波形を示すものであり、実線はU相電圧、破線はU相電流、鋸波状の実線はチョークコイル4に流れる電流を示している。さらに、図6(ウ)は、スイッチング素子6の駆動信号波形を示している。
図1において、発電機1のU相から流れ出た電流は、単相整流回路2を介して脈流状の直流電流に変換され、その後、チョークコイル4,5を介してスイッチング素子6,7によって高周波でスイッチングされる。スイッチング素子6がオンすると、チョークコイル4に流れる電流は、U相の入力電圧とチョークコイル4のインダクタンスによって決まる傾きに合わせて上昇し、スイッチング素子6がオフするとチョークコイル4に発生する起電力によりダイオード8を介して出力コンデンサ10に向かって放電電流を流しながら下降する。その結果、チョークコイル4に流れる電流は図6(イ)に示すような鋸波状の電流となる。また、スイッチング素子7もスイッチング素子6と同様にオン/オフを繰り返すが、スイッチング素子6とはオン/オフの位相が180°ずれているため、スイッチングによるリップル電流の周波数はスイッチング周波数の2倍となりリップル電流の振幅を低く抑えている。このときのスイッチング動作は、図6(ウ)に示すように一定周期で行われ、スイッチング素子6,7のオン/オフ比を入力電圧に合わせて可変することで入力電圧波形と相似の電流波形にすることができる。なお、チョークコイル5に流れる電流も同様な波形となる。
図6に示す波形は、電流連続モードでの動作波形である。チョークコイル4,5に流れる電流が、図6に示すように、連続的な波形となることが特徴である。この電流連続モードは、スイッチング素子6,7に流れる電流が少ないという反面、ダイオード8,9に電流を流した状態でスイッチング素子6,7をターンオンさせるため、ダイオード8,9のリカバリー電流が大きく、また、スイッチング素子6,7もスイッチング時に電圧と電流がクロスするいわゆるハードスイッチングとなっていた。このため、電流連続モードを採用する単相用力率改善回路を備えた交流直流変換装置では、スイッチングロスが大きく、また、スイッチング周波数を高くできないため小型化が困難であった。
つぎに、実施の形態1に係る交流直流変換装置の要部動作について説明する。
実施の形態1に係る交流直流変換装置の各単相用力率改善回路(17〜19)に設けられるスイッチング素子6,7は、ワイドバンドギャップ半導体(例えばGaNまたはSiC)によって形成されたスイッチング素子で構成されており、チョークコイル4,5に流れる電流がゼロとなって初めてターンオンするよう動作する。このスイッチング動作は、上述した電流連続モードに対し、一般的に「電流臨界モード」、「電流不連続モード」と呼ばれている。
電流臨界モードおよび電流不連続モードの場合、電流連続モードに比べ大きな電流を流す必要があるが、ワイドバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチング素子(例えばGaNまたはSiC、以下「GaN素子」、「SiC素子」という)は、例えばSiなどのナローバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチング素子(以下「Si素子」という)に比べオン抵抗は1/10以下であり、電流が大きくなっても導通ロスが増えることはない。一方、例えばGaN素子またはSiC素子は、その構造上例えばSi素子よりも寄生容量が大きくなってしまうため、スイッチング動作時に電圧と電流がクロスするハードスイッチングを行うとSi素子よりもスイッチングロスが大きくなってしまう。ところが、電流臨界モードや電流不連続モードでのスイッチング動作においては、ターンオフ時はスイッチング素子6,7の大きな寄生容量に電荷が蓄えられる間にスイッチング素子6,7はターンオフができてしまう。このため、ワイドバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチング素子6,7では、ターンオフ時のスイッチングロスは、ほとんど発生しないといってもよい。
電流臨界モードや電流不連続モードでは、チョークコイル4およびダイオード8に流れる電流ならびに、チョークコイル5およびダイオード9に流れる電流のそれぞれがゼロになってからスイッチング素子6,7がターンオンするため、ダイオード8,9のリカバリー電流は非常に小さいという利点がある。また、チョークコイル4,5は、スイッチング素子6,7の寄生容量との間で共振現象を起こすが、当該寄生容量の電荷を入力側に回生し、寄生容量の両端電圧が下がった状態で、かつ、チョークコイル4,5の電流もゼロから立ち上がるため、スイッチング素子6,7はゼロ電流状態でターンオンすることとなり、ターンオン時のスイッチングロスも小さく抑えられるという利点がある。特に、入力電圧が出力電圧の1/2以下の状態では、チョークコイル4,5の各インダクタンスおよび、スイッチング素子6,7の各寄生容量との間の共振現象により、当該寄生容量の電荷は殆どゼロまで下がるため、ゼロ電圧スイッチング状態となる。
その一方で、入力電圧が出力電圧の1/2より高い場合は、スイッチング素子6,7の各寄生容量に、ある程度の電荷が残った状態でターンオンすることになる。このため、各寄生容量の電荷は、スイッチング素子6,7により短絡・消費されることになる。また、入力電圧が出力電圧の1/2より高い場合は、スイッチング電流が大きく、ターンオフ時の寄生容量への充電が早くなり、ターンオフする前に寄生容量への充電が完了してしまい、スイッチングロスが発生してしまう。
3相交流電源を入力とする交流直流変換装置では、スイッチング素子の数は力率改善回路部分でも6個あり、負荷電流が小さい(例えば、設定された第1のしきい値よりも小さい)ときには、スイッチングロスも無視できない大きさとなってしまう。そこで、スイッチモード制御回路22は、交流直流変換装置の出力電流、すなわちDC/DCコンバータ16の出力電流を電流センサ35にて監視する。スイッチモード制御回路22は、電流センサ35の検出情報を使用し、スイッチングロスが無視できない軽負荷条件になったとき、各単相用力率改善回路(17〜19)において、交互に動作しているスイッチング素子6,7の片方を停止させる制御(第1の制御)を行う。この制御により、スイッチングロスをほぼ半減させることができる。
スイッチモード制御回路22は、負荷電流がさらに小さくなる(例えば、設定された第2のしきい値(第2のしきい値<第1のしきい値)よりも小さくなる)と、3回路ある第1〜第3の単相用力率改善回路(17〜19)のうちの少なくとも1回路を停止させる制御(第2の制御)を行う。例えばU−V相間だけ入力電圧の正弦波に合わせて1周期動作させたあと、V−W相間を1周期動作させ、さらにW−U相間を1周期動作させるようスイッチモード信号を各力率改善用制御回路(15,20,21)に指示する。
図2は、実施の形態1に係る交流直流変換装置における動作態様の一例を示す図である。図2において、(ア)は発電機1から出力される各相(U相、V相、W相)の電圧波形とU相に流れる電流波形(鋸波状の波形)を示し、(イ)は各相におけるスイッチモード信号の波形と各相における動作態様を示している。
図2において、インタリーブ駆動はスイッチング素子6,7を交互に制御(駆動)する動作モードであり、シングル駆動はスイッチング素子6,7のうちの何れか一方を停止させ片方のみを制御(駆動)する動作モードであり、駆動停止とはスイッチング素子6,7の双方を停止させる動作モードである。
図2では、U相の動作モードが「インタリーブ駆動」→「インタリーブ駆動」→「シングル駆動」→「駆動停止」→「シングル駆動」…の順に変更され、V相の動作モードが「インタリーブ駆動」→「シングル駆動」→「シングル駆動」→「駆動停止」…の順に変更され、W相の動作モードが「インタリーブ駆動」→「インタリーブ駆動」→「シングル駆動」→「シングル駆動」…の順に変更される例、すなわち、ある制御期間で見たときに、U〜W相の3つの相の全てをインタリーブ駆動する区間や、3つの相のうちの少なくとも1つをシングル駆動する期間、3つの相のうちの少なくとも1つを駆動停止とする期間を例示しているが、これら以外の他の駆動態様であってもよい。
以上説明したように、実施の形態1に係る交流直流変換装置によれば、負荷電流に応じて単相用力率改善回路のスイッチング動作を片側だけにする第1の制御と、3回路並列接続された単相用力率改善回路のうちの少なくとも1回路を停止させる第2の制御と、を実施するスイッチモード制御回路を備えているので、動作しているスイッチング素子の数を大幅に削減でき、高い変換効率を維持しつつ、高力率なAC/DC変換を実現することが可能となる。
また、実施の形態1の交流直流変換装置では、補助スイッチや追加コイルなどの追設が不要であるため、装置全体を低価格かつ小型・軽量に実現することが可能となる。
実施の形態2.
図3は、実施の形態2に係る交流直流変換装置の一構成例を示す図である。実施の形態2の交流直流変換装置は、図1に示した各単相用力率改善回路(17〜19)の回路内に共振回路23を付加した構成としている。なお、その他の構成については、図1に示した構成と同一または同等であり、これら共通の構成部には、同一の符号を付して示し、重複する説明は省略する。
図3は、実施の形態2に係る交流直流変換装置の一構成例を示す図である。実施の形態2の交流直流変換装置は、図1に示した各単相用力率改善回路(17〜19)の回路内に共振回路23を付加した構成としている。なお、その他の構成については、図1に示した構成と同一または同等であり、これら共通の構成部には、同一の符号を付して示し、重複する説明は省略する。
図3において、付加された共振回路23は、スイッチング素子6,7の寄生容量を充分に放電させ、ゼロ電圧の状態でスイッチング素子6,7をターンオン/ターンオフできるようにするものである。
図4は、図3に示した共振回路23の詳細構成および動作を説明するための要部回路図である。共振回路23は、共振コイル24,25、補助スイッチ26,27、ダイオード28,29を有して構成され、スイッチング素子6の内部にある寄生ダイオード30および寄生容量32ならびに、スイッチング素子7の内部にある寄生ダイオード31および寄生容量33に電流を流し、スイッチング素子6,7がターンオンする前にゼロ電圧状態とする機能を有している。
また、図4において、一点鎖線で示す2つの経路aは、共振回路23の補助スイッチ26がオン状態のときに流れる電流の経路を示し、二点鎖線で示す経路bは、補助スイッチ26がオフしたときに流れる電流の経路を示している。また、c点は、チョークコイル4の出力側端子と同電位にある着目点を意味している。
図5は、実施の形態2に係る交流直流変換装置の単相用力率改善回路における要部波形の一例を示す図である。図5において、(ア)は、交流直流変換装置への印加電圧(入力電圧)、交流直流変換装置への入力電流およびチョークコイル4に流れる電流(チョークコイル電流)の波形を示し、(イ)はスイッチング素子6への駆動信号(ゲート電圧)、スイッチング素子6のドレイン電圧および、整流後の入力電圧波形を示している。以下、図4および図5を適宜参照して、実施の形態2に係る交流直流変換装置の動作について説明する。
スイッチング素子6がオフ状態となったとき、チョークコイル4に蓄えられたエネルギーはダイオード8を介して出力コンデンサ10にすべて移送される。すると、それまで出力電圧とほぼ同じ電位となっていたc点の電位は、入力電圧と同じ電位まで下がろうとする。その際、寄生容量32の電荷を引き抜きながら電位が下がって行き、そのまま放置するとチョークコイル4と寄生容量32の共振現象により、出力電圧と入力電圧の差の約2倍の電圧分だけ出力電圧よりも低くなる。よって、入力電圧が出力電圧の1/2以下の場合、c点の電位はゼロ電圧まで下がる。
チョークコイル4の起電力が残った状態ではさらに寄生ダイオード30を導通状態にするので、c点の電位は、ゼロ電圧よりも寄生ダイオード30のオン電圧分低いところで一定となる。よって、c点の電位がゼロ電圧またはそれ以下となっている状態でスイッチング素子6をターンオンすると、ゼロ電圧スイッチングとなり、スイッチングロスが発生しないことになる。一方、これとは逆に、入力電圧が出力電圧の1/2よりも高い場合、チョークコイル4と寄生容量32の共振現象だけではc点の電位はゼロ電圧まで下がることはない。すなわち、入力電圧が出力電圧の1/2よりも高い場合、ゼロ電圧スイッチングを行うことはできない。
そこで、実施の形態2の交流直流変換装置では、チョークコイル4が寄生容量32の電荷を放電し、c点の電位が入力電圧と同じになった時点で共振回路23の補助スイッチ26をオンさせる。補助スイッチ26をオンすると、寄生容量32の電荷は、チョークコイル4および補助スイッチ26を含む経路aに流れる電流によって、電荷を抜かれることになるので、寄生容量32はゼロ電圧まで下がることになる。
さらに、寄生容量32がゼロ電圧になった後に補助スイッチ26をオフにすると、共振コイル24に蓄えられたエネルギーによって寄生ダイオード30が導通状態となり、共振コイル24に蓄えられたエネルギーは、ダイオード28を介して出力コンデンサ10へと移送される。
スイッチング素子7に繋がる回路側の動作についても同様である。すなわち、スイッチング素子7がターンオンする前に、補助スイッチ27をオン/オフすることにより、スイッチング素子7はゼロ電圧でスイッチングを行いつつ、寄生容量33の電荷の一部を入力側に戻し、また寄生容量33の電荷によって発生した共振コイル25のエネルギーを出力コンデンサ10へ移すことができる。これらの一連の動作によって、スイッチング素子6,7は、殆どスイッチングロスを発生することなく、スイッチングを行うことができるようになる。
なお、寄生容量32,33に蓄えられる電荷は、負荷電流に関係なくほぼ一定であり、共振回路23内の各回路要素によって発生する導通損失は、負荷条件によらずほぼ一定である。そのため、スイッチング周波数を高くすればするほど共振回路23の内部で発生するロスは大きくなってしまうため、軽負荷状態では効率を下げる原因となっていた。
スイッチモード制御回路22は、軽負荷時の効率を改善することができるものであり、補助スイッチ26,27のオン/オフを入力電圧が出力電圧の1/2以上のときのみ動作するようにするとともに、軽負荷となった場合はスイッチング素子6,7の片方を停止させ、スイッチング素子全体から見たスイッチング動作を半分にしてスイッチングロスを軽減する。また、負荷がさらに軽くなった場合には、第1の単相用力率改善回路17、第2の単相用力率改善回路18、第3の単相用力率改善回路19のうちの少なくとも1回路を停止させるか、あるいは、1回路ずつ動作させることによって、さらなるスイッチングロスの軽減を行うよう制御する。
以上の制御によって、どのような負荷条件においてもスイッチングロスが極めて少ない高効率な3相用の交流直流変換装置を得ることが可能となる。
以上説明したように、実施の形態2に係る交流直流変換装置によれば、実施の形態1の構成に加え、単相用力率改善回路の内部に昇圧回路内のスイッチング素子のゼロ電圧スイッチングを可能とする共振回路を備えているので、軽負荷状態での更なる高力率化および効率化を図ることが可能となる。
なお、以上に説明した実施の形態1,2では、DC/DCコンバータ16を並列運転が可能な絶縁型とし、第1〜第3の単相力率改善回路(17〜19)の出力を並列接続して構成しているが、絶縁型ではない通常のDC/DCコンバータによって構成された各単相力率改善回路の出力を直列接続して構成するようにしてもよく、同様の効果が得られることは容易に想像できるものである。
また、以上の実施の形態1,2に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。
以上のように、本発明は、負荷電流が小さい軽負荷時であっても、スイッチング素子を小さくして高効率に動作できる交流直流変換装置として有用である。
1 発電機、2 単相整流回路、3 入力コンデンサ、4,5 チョークコイル、6,7 スイッチング素子、8,9,28,29 ダイオード、10 出力コンデンサ、11,12 駆動回路、13,14 抵抗、15,20,21 力率改善用制御回路、16 DC/DCコンバータ、17〜19 第1〜第3の単相力率改善回路、22 スイッチモード制御回路、23 共振回路、24,25 共振コイル、26,27 補助スイッチ、30,31 寄生ダイオード、32,33 寄生容量、35 電流センサ。
Claims (7)
- 交流電力が入力される単相整流回路の後段に、入力電圧波形に同期してスイッチング電流を制御する昇圧回路を2回路並列に接続した単相力率改善回路を3回路並列に接続し、前記昇圧回路を交互にスイッチング動作できるように構成された交流直流変換装置であって、
負荷電流に応じて前記単相力率改善回路のスイッチング動作を片側だけにする第1の制御と、3回路並列接続された前記単相力率改善回路のうちの少なくとも1回路を停止させる第2の制御と、を実施するスイッチモード制御回路を備えたことを特徴とする交流直流変換装置。 - 前記スイッチモード制御回路は、前記負荷電流に応じて、前記スイッチング動作を片側だけにする第1の制御を行いつつ、前記単相力率改善回路のうちの少なくとも1回路を駆動停止とする第2の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の交流直流変換装置。
- 前記スイッチモード制御回路は、
前記負荷電流が第1のしきい値よりも小さいときには、前記スイッチング動作を片側だけにする第1の制御を行い、
前記負荷電流が第1のしきい値よりも小さな第2のしきい値よりも小さいときには、さらに前記単相力率改善回路のうちの少なくとも1回路を駆動停止とする第2の制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の交流直流変換装置。 - 前記単相力率改善回路の内部に前記スイッチング素子のゼロ電圧スイッチングを可能とする共振回路を備えたことを特徴とする請求項1に記載の交流直流変換装置。
- 前記共振回路は、共振コイルと補助スイッチとの直列回路を2回路有し、当該2回路のそれぞれが2回路ある前記昇圧回路のそれぞれの出力端側に並列に接続されて構成され、
前記補助スイッチは、入力電圧が出力電圧の1/2以上のときにオンオフ制御されることを特徴とする請求項4に記載の交流直流変換装置。 - 前記昇圧回路の内部にて前記スイッチング電流を制御するスイッチング素子はワイドバンドギャップ半導体にて形成されたMOSFETであることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の交流直流変換装置。
- 前記ワイドバンドギャップ半導体は、SiC、GaNまたはダイヤモンドであることを特徴とする請求項6に記載の交流直流変換装置。
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JP2014075698A JP2015198521A (ja) | 2014-04-01 | 2014-04-01 | 交流直流変換装置 |
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2014
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