JP2015198411A - 変換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】変換装置は、高SNゾーンを形成する高SNゾーン形成器と、Mを2以上の整数、m=1,2,…,Mとし、高SNゾーン付近の、それぞれ異なる位置に配置された、波を信号に、または、信号を波に変換可能なM個の第m変換部とを含む。M個の第m変換部において変換される波、または、変換された波は、全て同種の波である。
【選択図】図1
Description
本実施形態では、波を信号に変換する変換技術に本発明を適用する例を説明する。波を信号に変換する変換技術の例として、以下の技術が挙げられる。(1)音波を電気信号に変換する技術や、(2)電磁波を電気信号に変換する技術がある。ただし、これに限るものではなく、(3)音波を光信号に変換する技術等であってもよい。(1)を実現するデバイスとしてはマイクロホンがある。(2)を実現するデバイスとしては受信アンテナがある。また、(3)を直接実現できるハードウェアがあればそれを用いてもよい。
M(≧2)本のマイクロホンを用いて一つのターゲット音とK(≧1)個の雑音を受音する状況を考える。多くの雑音が存在する中で任意の位置にあるターゲット音を強調する指向制御を目的にする。目的は、K個の雑音源を抑圧し、ターゲット音を強調することで達成される。m(m=1,2,…,M)番目のマイクロホンとターゲット音、k(k=1,2,…,K)番目の雑音との間のインパルス応答をそれぞれam(i)、bk,m(i)とする。ただし、インパルス応答長をLとし、i=0,1,…,L-1とする。なお、インパルス応答長Lは、装置の規模や構造、設置された部屋の状況によって定まる残響時間により、実験的に定めればよい。ターゲット音、k番目の雑音の音源信号をそれぞれs(t)、nk(t)とするとき、m番目のマイクロホンで観測した観測信号xm(t)は、次式でモデル化される。
ビームフォーミング後の出力信号y(t)は、次式のように観測信号xm(t)と、ターゲット音を強調するように設計されたフィルタwm(t)とを畳み込むことで得られる。
[参考文献1]浅野太,「音のアレイ信号処理-音源の低位・追跡と分離」,コロナ社,2011年
遅延和法において、フィルタW→ DSは、次式により、ターゲット音の直接音を強調するように設計される。
は、ターゲット音の直接音のアレイ・マニフォールド・ベクトルを表わす。要素hm(ω)は、ターゲット音からm番目のマイクロホンまでの直接音の経路の伝達特性を表し、ターゲット音とm番目のマイクロホン間の距離をdm、音速をc、虚数単位をjとすると、例えば次式により計算できる。
非特許文献2では、広帯域に渡ってパワーpN(ω)を小さくするために、伝達特性の性質がどういう性質であるべきかが検討され、拡散センシングとして纏められている。
非特許文献2及び3のズームアップマイクでは、反射構造体により多数回、音波を反射し、等方位的に反射音が到来する音場(疑似拡散音場)を生成し、その内部にアレイを設置するため、インパルス応答長が長くなり、それに応じてフィルタ長が長くなってしまい、処理遅延の発生、フィルタの不安定性が増大する。
(1)高SNゾーンを形成する高SNゾーン形成器を含むこと
1つ以上の高SNゾーン形成器190を含む。高SNゾーン形成器190は、音波に対して高SNゾーンFを形成する。例えば、高SNゾーン形成器190として剛体からなる凹型構造物を用いる。凹型構造物の一つとして、パラボラ反射板が考えられる。なお、高SNゾーン形成器190の必要最低数は1個である。
M個のマイクロホン211−mを含む。ただし、Mは2以上の整数であり、m=1,2,…,Mである。マイクロホン211−mは高SNゾーン付近FEに配置され、マイクロホン211−mとマイクロホン211−m’とは異なる位置に配置される。ただし、m'は1,2,…,Mの何れかであり、m≠m'である。なお、マイクロホン211−mの必要最低数は2個である。
M個のマイクロホンに対し、それぞれ独立なフィルタ処理できるようなフィルタリング部160を有していること。さらに、フィルタリング部160は、直接波だけでなく、反射波を含む伝達特性そのものを制御するような信号処理を行う。
通常、放物曲面をした反射器を持つパラボラアンテナ90は、1つの方向(例えば正面方向)から電波が来ることを想定し、焦点Fにアンテナ素子91を配置する(図2参照)。このような構成とすることで、電波を点ではなく面で受信することができ、SN比を高めることができる。
[収音装置10の信号処理]
第一実施形態に係る収音装置10の機能構成および処理フローを図4と図5に示す。この第一実施形態の収音装置10は、M個のマイクロホン211−m、AD変換部120、周波数領域変換部130、フィルタリング部160、時間領域変換部170、フィルタ計算部150、伝達特性記憶部140、高SNゾーン形成器190を含む。m=1,2,…,Mであり、M≧2である。
高SNゾーン形成器190は、所定の方向の波に対して高SNゾーンを形成する。高SNゾーン形成器190は高SNゾーンを形成するための高SNゾーン形成面を有する。高SNゾーン形成面は音波を反射可能な形状、材質、大きさであり、音波を反射することで高SNゾーンを形成する。この実施形態では、高SNゾーン形成器190は、パラボラ形状の剛体であり、パラボラ形状の内面が高SNゾーン形成面に相当する。よって、パラボラ形状の成す焦点がSNゾーンに相当し、焦点付近がSNゾーン付近に相当する。パラボラ形状の縁が成す円形の直径が、扱う波長幅の中で最大の波長幅の半波長程度以上であることが望ましい。そこで、音波の波長で扱う波長幅は0.01〜1mであるため、パラボラ形状の縁が成す円形の直径が0.5m程度以上であることが望ましい。高SNゾーン形成器190の材質は、音波を反射しやすいもの(言い換えると、反射係数の高い材質)が望ましく、硬い素材が良い。そこで、本実施形態では、硬くて面積のあるパラボラ形状の剛体を高SNゾーン形成器190として用いた。
M個のマイクロホン211−mを用いて収音し(s1)、アナログ信号(収音信号)をAD変換部120に出力する。なお、マイクロホン211−mとマイクロホン211−m’とは、高SNゾーン形成器190が形成する高SNゾーン付近の、異なる位置に配置される。ここでは、m’は1,2,…,Mの何れかであり、m≠m’である。
空間相関行列Rの行列式det(R)が最大化されるようにM個のマイクロホンを配置すればよい。SN比を高めるためにM個のマイクロホンを高SNゾーン付近に配置する。また、チャネル間相関が低くなるように、M個のマイクロホンを異なる位置に配置する。言い換えるとM個のマイクロホンで電気信号に変換される音波の間の相関が低くなるように、M個のマイクロホンを配置すればよい。全体として、相関が低くなるように、M個のマイクロホンを配置することが望ましいが、少なくとも、1つの相関が低くなるように、M個のマイクロホン211−mを配置すれば効果を得ることができる。別の言い方をすると、M個のマイクロホンの中の、何れか2つのマイクロホンで変換される音波間の相関の組合せは、MC2個考えられるが、その相関の組合せMC2個のうち、少なくとも1つの相関が低くなるようにM個のマイクロホン211−mを配置すればよい。
(1)HI≧FIのとき、凹型の底から所定の方向に2HIまでが、所定の方向における「高SNゾーン付近」の範囲である(図8参照)。
AD変換部120が、M個のマイクロホン211−mで収音されたM個のアナログ信号をディジタル信号x→(t)=[x1(t),…,xM(t)]Tへ変換し、(s2)、周波数領域変換部130に出力する。tは離散時間のインデックスを表す。
周波数領域変換部130は、まず、AD変換部120が出力したディジタル信号x→(t)=[x1(t),…,xM(t)]Tを入力とし、チャネルごとにNサンプルをバッファに貯めてフレーム単位のディジタル信号x→(τ)=[x→ 1(τ),…,x→ M(τ)]Tを生成する。τはフレーム番号のインデックスである。x→ m(τ)=[xm((τ-1)N+1),…,xm(τN)](1≦m≦M)である。Nはサンプリング周波数にもよるが、48kHzサンプリングの場合には2048点あたりが妥当である。次に、周波数領域変換部130は、各フレームのディジタル信号x→(τ)を周波数領域の信号X→(ω,τ)=[X1(ω,τ),…,XM(ω,τ)]Tに変換し(s3)、出力する。ωは離散周波数のインデックスである。時間領域信号を周波数領域信号に変換する方法の一つに高速離散フーリエ変換があるが、これに限定されず、周波数領域信号に変換する他の方法を用いてもよい。周波数領域信号X→(ω,τ)は、各周波数ω、フレームτごとに出力される。
伝達特性記憶部140は、予め収音装置10を使って測定された伝達特性A→(ω)=[a→(ω),b→ 1(ω),…,b→ K(ω)]を記憶しておく。a→(ω)=[a1(ω),…,aM(ω)]Tを、ターゲット音とM本のマイクロホンとの間の周波数ωでの伝達特性、換言すれば、a→(ω)=[a1(ω),…,aM(ω)]Tは、マイクロホンアレイに含まれる各マイクロホンへのターゲット音の周波数ωでの伝達特性とする。k=1,2,…,Kであり、Kは雑音の個数であり、bk →(ω)=[bk1(ω),…,bkM(ω)]Tを、雑音kとM本のマイクロホンとの間の周波数ωでの伝達特性、換言すれば、bk →(ω)=[bk1(ω),…,bkM(ω)]Tは、マイクロホンアレイに含まれる各マイクロホンへの雑音kの周波数ωでの伝達特性とする。なお、伝達特性A→(ω)は、事前測定によらず、理論式やシミュレーションにより事前に用意してもよい。
フィルタ計算部150は、伝達特性記憶部140から伝達特性A→(ω)を取り出し、フィルタW→(ω)を計算し、フィルタリング部160に出力する。例えば、特定の位置または方向からの音響信号を抑圧する信号処理に用いるフィルタW→(ω)を計算する。
[参考文献2]国際公開第WO2012/086834号パンフレット
例えば、遅延和法をベースとする場合、式(16)により、フィルタW→ DS1(ω)を計算する。
フィルタリング部160は、予めフィルタ計算部150からフィルタW→(ω)を受け取っておき、周波数領域信号X→(ω,τ)を受け取り、フレームτごとに、各周波数ω∈Ωについて、周波数領域信号X→(ω,τ)=[X1(ω,τ),…,XM(ω,τ)]Tに、フィルタW→(ω)を適用して(式(5)参照、s4)、出力信号Y(ω,τ)を出力する。
時間領域変換部170は、第τフレームの各周波数ω∈Ωの出力信号Y(ω,τ)を時間領域に変換して(s5)、第τフレームのフレーム単位時間領域信号y(τ)を得て、さらに、得られたフレーム単位時間領域信号y(τ)をフレーム番号のインデックスの順番に連結して時間領域信号y(t)を出力する。周波数領域信号を時間領域信号に変換する方法は、s3の処理で用いた変換方法に対応する逆変換であり、例えば高速離散逆フーリエ変換である。
このような構成により、非特許文献1や2のズームアップマイクにおけるチャネル間相関を低減する考えを継承し、さらに、インパルス応答長を短くし、受音時のSN比を高めることができる。そのため、様々な方向から到来する波(さらには、波により示される情報)を安定的に、同時に、高空間分解能で解析することが可能になる。例えば、事前に用意した伝達特性を使ってフィルタを使って適切な信号処理をすることで、広帯域に渡って任意の指向制御が可能になる。なお、本実施形態では、予めフィルタW→(ω)を計算しているが、収音装置10の計算処理能力などに応じて、音源位置、マイクロホンの配置が定まってからフィルタ計算部150が周波数ごとのフィルタW→(ω)を計算する構成としてもよい。
本実施形態では、波として、音波を用いているが、電波や光波を用いてもよいし、他の帯域の電磁波を用いてもよい。その場合、マイクロホンに代えて、受信アンテナや受光素子等を用いることができる。要は、同種の波を信号に変換可能な複数の変換部であればよい。言い換えると、M個の変換部において変換される波が同じ種類の波であればよい。なお、変換部のことを、波を受信できるという意味から受信部と呼んでもよい。また、波源(音源)から伝わる波を入力とするという意味で波源入力部と呼んでもよい。
[参考文献3]「周波数帯ごとの主な用途と電波の特徴」、[online]、総務省、[平成26年2月28日検索]、インターネット<http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/freq/search/myuse/summary/>
ただし、電波の場合、特定の波長を利用することが多いため、その特定の波長に合わせて、扱う波長幅の中で最大の波長幅の半波長程度以上であることが望ましい。高SNゾーン形成器190の材質は、電波を反射しやすいものが望ましい。そこで、固くて面積のある剛体を高SNゾーン形成器190として用いればよい。また、例えば、鉄筋やビル等により高SNゾーン形成器190を実現してもよい。
[参考文献4]「音のフレネルレンズ」、[online]、名古屋市科学館、[平成26年2月28日検索]、インターネット<http://www.ncsm.city.nagoya.jp/cgi-bin/visit/exhibition_guide/exhibit.cgi?id=S406&key=%E3%81%B5&keyword=%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BA>
この場合、音のフレネルレンズの焦点が高SNゾーンに相当し、焦点付近が高SNゾーン付近に相当し、音のフレネルレンズが配置される面が、高SNゾーンを形成するための高SNゾーン形成面に相当する。なお、音のフレネルレンズの場合、音波で扱う波長幅が広いので、装置規模が大きくなりがちである。なお、波として、電磁波を用いる場合には、それぞれ波長に対応するレンズを用いればよい。例えば、波として光波を用いる場合には通常のレンズを、波として電波を用いる場合には電波レンズを用いればよい。
第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
M(≧2)個のスピーカを用いて制御点Dで強調されるような指向制御を行うことを考える。
まず、周波数領域変換部300は、ディジタル信号s(t)を受け取り、Nサンプルをバッファに貯めてフレーム単位のディジタル信号s(τ)を出力する。次に、周波数領域変換部300は、各フレームのディジタル信号s(τ)を周波数領域の信号S(ω,τ)に変換して(s31)出力する。
伝達特性記憶部310及びフィルタ計算部320の機能構成は、第一実施形態と同様である。例えば、フィルタ計算部320は、伝達特性記憶部310から伝達特性A→(ω)を取り出し、参考文献5記載の方法により、フィルタW→(ω)を計算し、フィルタリング部330に出力する。例えば、特定の位置または方向への音響信号を抑圧する信号処理に用いるフィルタW→(ω)を計算する。
[参考文献5]羽田陽一、片岡章俊、「自由空間伝達関数を用いた多点制御に基づく小型スピーカアレーの実空間性能」、日本音響学会研究発表会講演論文集、2008、pp.631-632
フィルタリング部330は、予めフィルタ計算部320からフィルタW→(ω)を受け取っておき、周波数領域信号S(ω,τ)を受け取り、フレームτごとに、各周波数ω∈Ωについて、周波数領域信号S(ω,τ)に、フィルタW→(ω)を適用して(次式参照、s32)、出力信号Z→(ω,τ)=[Z1(ω,τ),…,ZM(ω,τ)]を出力する。
時間領域変換部340は、第τフレームの各周波数ω∈Ωの再生信号Z→(ω,τ)=[Z1(ω,τ),…,ZM(ω,τ)]を時間領域に変換して(s33)、第τフレームのフレーム単位時間領域信号z→(τ)=[z1(τ),…,zM(τ)]を得て、さらに、得られたフレーム単位時間領域信号z→(τ)=[z1(τ),…,zM(τ)]をフレーム番号のインデックスの順番に連結して、時間領域信号z→(t)=[z1(t),…,zM(t)]を出力する。周波数領域信号を時間領域信号に変換する方法は、s31の処理で用いた変換方法に対応する逆変換であり、例えば高速離散逆フーリエ変換である。
Mチャネルの時間領域信号z1(t),…,zM(t)はそれぞれ、スピーカアレイを構成するM個のスピーカ311のうち、チャネルに対応するスピーカで再生される(s34)。
このような構成により、チャネル間相関を低減し、さらに、インパルス応答長及びフィルタ長を短くすることができ、様々な方向に音波を安定的に、同時に、高空間分解能で再生することが可能になる。例えば、事前に用意した伝達特性を使ってフィルタを使って適切な信号処理をすることで、広帯域に渡って任意の指向制御が可能になる。なお、本実施形態では、予めフィルタW→(ω)を計算しているが、再生装置30の計算処理能力などに応じて、再生位置、マイクロホンの配置が定まってからフィルタ計算部350が周波数ごとのフィルタW→(ω)を計算する構成としてもよい。
第一実施形態同様、波として、音波を用いているが、電波や光波を用いてもよいし、他の帯域の電磁波を用いてもよい。その場合、スピーカに代えて、送信アンテナや発光素子等を用いることができる。要は、信号を同種の波に変換可能な複数の変換部であればよい。なお、変換部のことを、波を送信できるという意味から送信部と呼んでもよい。なお、第一実施形態の変形例で説明した受信部と送信部とを合わせて送受信部と呼んでもよい。また、変換部は、波源となり、波を出力するという意味で波源出力部と呼んでもよい。なお、第一実施形態の変形例で説明した波源入力部と合わせて波源入出力部と呼んでもよい。
第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第一実施形態と同様、本実施形態においても、非特許文献2及び3のズームアップマイクにおけるチャネル間相関を低減する考えを継承し、さらに、インパルス応答長を短くしつつ、受音時のSN比を高める。
(1)それぞれ高SNゾーンを形成するN個の高SNゾーン形成器を含むこと
N個の高SNゾーン形成器190−nを含む。各高SNゾーン形成器190−nは第一実施形態の高SNゾーン形成器190と同様の構成である。
(Σn=1 NMn)個のマイクロホンに対し、それぞれ独立なフィルタ処理できるようなフィルタリング部160を有していること。入力の信号数が異なるだけで、処理内容は、第一実施形態のフィルタリング部160と同様である。
<第三実施形態の概要>
本実施形態では、第一実施形態において説明した高SNゾーン付近における性質を利用し、各高SNゾーン形成器190−nが形成する高SNゾーン付近FEにMn個のマイクロホンを配置し、SN比を高める。
[収音装置50の信号処理]
第三実施形態に係る収音装置50の機能構成を図16に示す。なお、処理フローは第一実施形態に係る収音装置10と同様である。この第三実施形態の収音装置50は、AD変換部120、周波数領域変換部130、フィルタリング部160、時間領域変換部170、フィルタ計算部150、伝達特性記憶部140、N個の高SNゾーン形成器190−n、(Σn=1 NMn)個のマイクロホン211−mnを含む。
N個の高SNゾーン形成器190−nは、第一実施形態の高SNゾーン形成器190と同様の構成である。
空間相関行列Rの行列式det(R)が最大化されるように、(Σn=1 NMn)個のマイクロホン211−mnを配置すればよい。前述したように、(Σn=1 NMn)個のマイクロホン211−mnの内の少なくとも1個のマイクロホン211−mnをそのマイクロホン211−mnに対応する高SNゾーン形成器190−nが形成する高SNゾーン(例えば、焦点)以外の位置に配置することで、チャネル間相関を低減し、行列式det(R)の最大化を図る。特に、高SNゾーン形成器190−nAに対するマイクロホン211−mn_Aの位置関係と、高SNゾーン形成器190−nBに対するマイクロホン211−mn=Bの位置関係とが異なるように、配置することで、チャネル間相関をより低減することができる。ただし、下付添え字n_A及びn_BはそれぞれnA及びnBを表し、nA及びnBをそれぞれ1,2,…,Nの中の特定の値とし、nA≠nBとする。
このような構成により、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、本実施形態のポイントは、(Σn=1 NMn)個のマイクロホン211−mnの内の少なくとも1個のマイクロホン211−mnをそのマイクロホン211−mnに対応する第n高SNゾーン形成器が形成する高SNゾーン以外の位置に配置することであり、さらには、高SNゾーン形成器190−nAに対するマイクロホン211−mn_Aの位置関係と、高SNゾーン形成器190−nBに対するマイクロホン211−mn_Bの位置関係とが異なるように、マイクロホン211−mn_Aとマイクロホン211−mn_Bとが配置されていることであり、このポイントを含めば、第一実施形態や第二実施形態と組み合わせてもよい。例えば、図17や図18は、第一実施形態との組合せであり、例えば、図18では、高SNゾーン形成器190−1及び190−2がそれぞれ形成する高SNゾーンの付近の異なる位置に、それぞれマイクロホン211−11〜211−31、マイクロホン211−12〜211−32を配置している。さらに、マイクロホン211−11〜211−31、マイクロホン211−12〜211−32、マイクロホン211−13は、それぞれ対応する高SNゾーン形成器190−1、190−2及び190−3が形成する高SNゾーン以外の位置に配置されている。また、高SNゾーン形成器190−1に対するマイクロホン211−11〜211−31の位置関係と、高SNゾーン形成器190−2に対するマイクロホン211−12〜211−32の位置関係と、高SNゾーン形成器190−3に対するマイクロホン211−13の位置関係とが異なるように配置されている。また第一実施形態や第二実施形態と同様の変形が適用できる。
本発明は上記の実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
また、上記の実施形態及び変形例で説明した各装置における各種の処理機能をコンピュータによって実現してもよい。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記各装置における各種の処理機能がコンピュータ上で実現される。
Claims (12)
- 高SNゾーンを形成する高SNゾーン形成器と、
Mを2以上の整数、m=1,2,…,Mとし、前記高SNゾーン付近の、それぞれ異なる位置に配置された、波を信号に、または、信号を波に変換可能なM個の第m変換部とを含み、
M個の第m変換部において変換される波、または、変換された波は、全て同種の波である、
変換装置。 - 請求項1の変換装置であって、
前記M個の第m変換部において変換される波、または、変換された波の間での相関が低くなるように、前記M個の第m変換部が配置されている、
変換装置。 - 請求項1または2の変換装置であって、
前記高SNゾーン形成器は、前記高SNゾーンを形成するための高SNゾーン形成面を有する、
変換装置。 - 請求項3の変換装置であって、
前記高SNゾーン形成面は、
前記M個の第m変換部で変換される、または、変換された波を反射可能である、
変換装置。 - 請求項4の変換装置であって、
前記同種の波は、音波であり、前記信号は電気信号である、
変換装置。 - 請求項4の変換装置であって、
前記同種の波は、電波であり、前記信号は電気信号である、
変換装置。 - 請求項3から請求項6の何れかの変換装置であって、
前記M個の第m変換部は、
前記高SNゾーン形成面と類似形状の面の付近に配置されている、
変換装置。 - 請求項1から請求項7の何れかの変換装置であって、
前記M個の第m変換部は、
前記高SNゾーン形成器に到来する波を遮りにくい形状の支持部で支持されている、
変換装置。 - 請求項8の変換装置であって、
M'はM以上の整数とし、前記支持部は、
前記高SNゾーン形成器が形成する高SNゾーン付近に位置する面を含む構造物であって、当該面には前記M個の第m変換部をそれぞれ保持するためのM'個の空孔が形成される、
変換装置。 - 請求項8の変換装置であって、
前記支持部は、
前記高SNゾーン形成器と前記M個の第m変換部とを結合する棒状の構造物である、
変換装置。 - 請求項1から請求項10の何れかの変換装置であって、
前記高SNゾーン形成器は、パラボラ形状である、
変換装置。 - 請求項1から請求項12の何れかの変換装置であって、
前記M個の第m変換部のうちの少なくとも1つの第m'変換手段の指向特性と、他の1つの第m”変換手段の指向特性とが異なる、
変換装置。
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