JP2015197880A - 位置センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】検知する押圧位置の位置精度に優れているとともに、押圧の検知感度にも優れており、また、光導波路が小さな押圧力で凹み、しかも、荷重13Nの強い押圧をかけても、光導波路のコアおよびアンダークラッド層が塑性変形せず、その押圧を解除すると、素早く元の形状に回復するようになっている位置センサを提供する。
【解決手段】格子状のコア2がシート状のアンダークラッド層1に支持されオーバークラッド層3で被覆された光導波路Wの裏面に、デュロメータ硬さ20〜40で反発弾性率70%以上の弾性層Rが設けられ、コア2の両端面に発光素子4と受光素子5とが接続されている。コア2は弾性率がクラッド層1,3よりも大きく、厚みと幅との比が2以上で、コア2は引張伸び3〜10%の弾性域、アンダークラッド層1は引張伸び5〜140%の弾性域に設定されている。
【選択図】図1
【解決手段】格子状のコア2がシート状のアンダークラッド層1に支持されオーバークラッド層3で被覆された光導波路Wの裏面に、デュロメータ硬さ20〜40で反発弾性率70%以上の弾性層Rが設けられ、コア2の両端面に発光素子4と受光素子5とが接続されている。コア2は弾性率がクラッド層1,3よりも大きく、厚みと幅との比が2以上で、コア2は引張伸び3〜10%の弾性域、アンダークラッド層1は引張伸び5〜140%の弾性域に設定されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、押圧位置を光学的に検知する位置センサに関するものである。
従来より、押圧位置を光学的に検知する位置センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このものは、光路となる複数の線状のコアを縦横方向に配置し、それらコアの周縁部をクラッドで覆うことによりシート状の光導波路を形成し、上記各コアの一端面に発光素子からの光を入射させ、各コア内を伝播してきた光を、各コアの他端面で受光素子により検出するようになっている。そして、上記コアの縦横配置部分に対応する、光導波路の表面の一部をペン先等で押圧すると、その押圧部分が押圧方向に凹んでコアがつぶれ(押圧方向のコアの断面積が小さくなり)、その押圧部分のコアでは、上記受光素子での光の検出レベルが低下することから、上記押圧部分の縦横位置(座標)を検知できるようになっている。
上記のような光導波路を用いた位置センサにおいて、押圧の検知感度を高くするためには、すぐにコアがつぶれるよう、コアを薄く形成する必要がある。しかしながら、コアが薄いと、コア内を伝播する光が少なく、押圧により受光素子での光の検出レベルが低下しても、その低下の度合が小さいため、受光素子がそれを感知できず、押圧を検知できないことがある。すなわち、上記従来の位置センサでは、押圧の検知感度を充分に高めることができない。
一方、上記位置センサの光導波路の厚みは、一般に約1mm以下と非常に薄いことから、上記光導波路が、机等の硬い物の上に直接接していると、ペン先等による押圧に対し、凹み難くなっている。押圧の検知感度を向上させる点では、上記光導波路が小さな押圧力で凹むことが要求される。
しかも、上記コアの変形により、押圧位置を検知できたとしても、押圧が解除された後、コアが素早く元の形状に戻り、コア内の光の伝播も元の状態に戻らなければ、つぎの押圧に備えることができない。上記従来の位置センサでは、強い押圧(例えば荷重13N)により、コアまたはアンダークラッド層が塑性変形し、その押圧を解除しても、元の形状に戻らないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、押圧の検知感度に優れており、また、光導波路が小さな押圧力で凹み、しかも、荷重13Nの強い押圧をかけても、光導波路のコアおよびアンダークラッド層が塑性変形せず、その押圧を解除すると、素早く元の形状に回復するようになっている位置センサの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の位置センサは、格子状に形成された複数の線状のコアと、このコアを支持するアンダークラッド層と、上記コアを被覆するオーバークラッド層とを有するシート状の光導波路と、この光導波路のコアの一端面に接続された発光素子と、上記コアの他端面に接続された受光素子とを備え、上記発光素子で発光された光が、上記光導波路のコアを経て、上記受光素子で受光され、上記格子状のコア部分に対応する光導波路の表面部分を入力領域とし、その入力領域における押圧個所を、その押圧による上記受光素子での受光強度の減衰により特定する位置センサであって、上記光導波路が下記の(A)〜(D)を満たしているという構成をとる。
(A)上記コアの弾性率が、上記アンダークラッド層の弾性率および上記オーバークラッド層の弾性率よりも大きく設定され、上記シート状の光導波路の表面の押圧状態で、その押圧方向のコアの断面の変形率が、オーバークラッド層およびアンダークラッド層の断面の変形率よりも小さくなるようになっている。
(B)上記コアの厚み(T)と幅(L)との比(T/L)が2以上である。
(C)上記格子状のコア部分に対応する光導波路の裏面部分に、デュロメータ硬さが20〜40の範囲内で反発弾性率が70%以上の弾性層が設けられている。
(D)上記コアが、引張伸び3〜10%の範囲の弾性域に設定されているとともに、上記コアを支持するアンダークラッド層が、引張伸び5〜140%の範囲の弾性域に設定されている。
(A)上記コアの弾性率が、上記アンダークラッド層の弾性率および上記オーバークラッド層の弾性率よりも大きく設定され、上記シート状の光導波路の表面の押圧状態で、その押圧方向のコアの断面の変形率が、オーバークラッド層およびアンダークラッド層の断面の変形率よりも小さくなるようになっている。
(B)上記コアの厚み(T)と幅(L)との比(T/L)が2以上である。
(C)上記格子状のコア部分に対応する光導波路の裏面部分に、デュロメータ硬さが20〜40の範囲内で反発弾性率が70%以上の弾性層が設けられている。
(D)上記コアが、引張伸び3〜10%の範囲の弾性域に設定されているとともに、上記コアを支持するアンダークラッド層が、引張伸び5〜140%の範囲の弾性域に設定されている。
なお、本発明において、上記(A)の「変形率」とは、押圧方向における、コア,オーバークラッド層およびアンダークラッド層の押圧前の各厚みに対する、押圧時の各厚みの変化量の割合をいう。
本発明者らは、押圧の検知感度を高めるべく、まず、コアの変形部分での光伝播について、研究を重ねた。その研究の過程で、従来のように、押圧でコアがつぶれるようにするのではなく、逆に、上記押圧でコアがつぶれないようにすることを着想した。そこで、コアの弾性率を、アンダークラッド層の弾性率およびオーバークラッド層の弾性率よりも大きく設定した。すると、オーバークラッド層は、押圧方向につぶれるように変形し、コアは、断面形状を殆ど変化させることなく(殆どつぶれることなく)、アンダークラッド層に沈むように曲がった。そして、そのコアの曲がりが原因で、コアからの光の漏れ(散乱)が発生することがわかった。すなわち、押圧部分のコアでは、光の漏れ(散乱)により、受光素子での光の検出レベル(受光量)が低下し、この光の検出レベルの低下から、押圧位置を検知することができるのである。このように、コアの弾性率を大きくし、押圧でコアがつぶれないようにしても、押圧でコアが曲がるようにすることにより、押圧位置を検知できることを突き止めた。
ついで、本発明者らは、上記のようにコアが曲がった部分の光の漏れ(散乱)について、研究を重ねた。その結果、コアの厚み(T)が厚い程、光が漏れ易く(散乱し易く)なることを突き止めた。そして、コアの厚み(T)と幅(L)との比(T/L)が2以上となるように設定すると、コアの厚み(T)が幅(L)に対し相対的に厚くなることから、押圧によりコアが上記のように曲がった部分では、光が漏れ易く(散乱し易く)なることを突き止めた。
また、本発明者らは、シート状の光導波路を有する位置センサにおいて、その光導波路が小さな押圧力で凹み、その押圧が解除されると、その光導波路が素早く元の形状に回復するようにすべく、上記光導波路の裏面に弾性層を設けることを着想した。すなわち、その弾性層の弾性を利用して、上記のように凹み易くするとともに形状回復を速めるようにした。そして、その特性を適正化すべく、上記弾性層の硬さと反発弾性率について、研究を重ねた。その結果、上記弾性層のデュロメータ硬さを20〜40の範囲内と低く設定し、かつ、上記弾性層の反発弾性率を70%以上と高く設定すると、その弾性層上の光導波路が小さな押圧力で凹み、その押圧が解除されると、その光導波路が素早く元の形状に回復することを突き止めた。
さらに、本発明者らは、上記押圧が荷重13Nの強い押圧であっても、光導波路のコアおよびアンダークラッド層が塑性変形せず、その押圧を解除すると、素早く元の形状に回復するようにすべく、上記コアおよびアンダークラッド層の引張伸びに着目し、研究を重ねた。その結果、上記コアが、引張伸び3〜10%の範囲の弾性域に設定されているともに、上記アンダークラッド層が、引張伸び5〜140%の範囲の弾性域に設定されていると、光導波路に対して荷重13Nの強い押圧をかけても、光導波路のコアおよびアンダークラッド層が塑性変形せず、その押圧を解除した際に、素早く元の形状に回復することを突き止めた。
すなわち、光導波路では、コアがアンダークラッド層に支持された状態で形成されていることから、アンダークラッド層が変形していると、コアも変形した状態になるため、コアを元の形状に戻るようにしても足りず、コアだけでなく、アンダークラッド層も、元の形状に戻る必要がある。そのため、本発明では、コアとアンダークラッド層とを上記のように規定し、コアとアンダークラッド層とが迅速に復元するようにしている。なお、アンダークラッド層上には、オーバークラッド層も、コアを被覆した状態で形成されているが、コアとアンダークラッド層が元の形状に戻れば、コア内の光の伝播も元の状態に戻るため、仮にオーバークラッド層は変形したままでも、つぎの押圧に備えることができる。
このように、線状のコアの弾性率を、アンダークラッド層の弾性率およびオーバークラッド層の弾性率よりも大きく設定するとともに、コアおよびアンダークラッド層を特定の弾性域に設定し、さらに、線状のコアを厚く形成し、また、光導波路の裏面に、特定のデュロメータ硬さと反発弾性率とを有する弾性層を設けることにより、所期の目的を達することを見出し、本発明に到達した。
本発明の位置センサは、コアの弾性率が、アンダークラッド層の弾性率およびオーバークラッド層の弾性率よりも大きく設定されている。そのため、光導波路のオーバークラッド層の表面を押圧したときに、その押圧方向のコアの断面の変形率が、オーバークラッド層およびアンダークラッド層の断面の変形率よりも小さくなり、コアを、殆どつぶさないようにして、アンダークラッド層に沈むように曲げることができる。そして、コアの厚み(T)と幅(L)との比(T/L)が2以上となるように設定されているため、コアの厚み(T)が幅(L)に対し相対的に厚く、押圧によりコアが上記のように曲がった部分では、光が漏れ(散乱)し易くなっている。そのため、本発明の位置センサは、押圧の検知感度に優れたものとなっている。
また、本発明の位置センサは、格子状のコア部分に対応する光導波路の裏面部分に、弾性層が設けられており、その弾性層のデュロメータ硬さが20〜40の範囲内と低く設定されている。そのため、入力領域である、格子状のコア部分に対応する光導波路の表面部分を押圧したときに、その押圧力が小さくても、その押圧方向に光導波路が凹み易くなっている。すなわち、この点においても、本発明の位置センサは、押圧の検知感度に優れている。さらに、上記弾性層は、反発弾性率が70%以上と高く設定されている。そのため、上記押圧を解除したときに、光導波路が素早く元の平坦な形状に回復し、つぎの押圧に迅速に備えることができる。すなわち、本発明の位置センサは、押圧位置の連続的検知にも優れている。
さらに、本発明の位置センサは、格子状のコアがアンダークラッド層に支持されたシート状の光導波路を有し、上記コアが、引張伸び3〜10%の範囲の弾性域に設定されているとともに、上記アンダークラッド層が、引張伸び5〜140%の範囲の弾性域に設定されている。そのため、光導波路に対して荷重13Nの強い押圧をかけても、光導波路のコアおよびアンダークラッド層が塑性変形せず、その押圧を解除した際に、素早く元の形状に回復することができる。すなわち、この点においても、本発明の位置センサは、つぎの押圧に迅速に備えることができ、押圧位置の連続的検知に優れている。
特に、上記弾性層の厚みが、0.02〜2.00mmの範囲内に設定されている場合には、上記弾性層の厚みを薄くしつつ、光導波路の凹み性および形状回復性をより良好にすることができる。そのため、本発明の位置センサは、薄型化しつつ、押圧の検知感度および連続的検知により優れたものとなっている。
また、上記オーバークラッド層が、引張伸び5〜140%の範囲の弾性域に設定されている場合は、光導波路に対して荷重13Nの強い押圧をかけても、オーバークラッド層が塑性変形せず、その押圧を解除した際に、素早く元の形状に回復することができる。そのため、上記押圧を解除した際に、光導波路の表面(オーバークラッド層の表面)から、素早く押圧跡を無くすことができる。
そして、上記コアの形成材料が、軟化点70〜130℃のエポキシ樹脂を70〜100重量%含有するエポキシ樹脂を主成分とし、エポキシ当量が100〜1200g/eqに調製された樹脂組成物である場合には、エポキシ当量が100〜1200g/eqと低いことから、コア形成時に、その形成材料の硬化が速く、しかも、主成分のエポキシ樹脂が、軟化点が70〜130℃と高いエポキシ樹脂を70〜100重量%と多く含有することから、コア形成時に、その形成材料が殆ど流動しない。そのため、上記厚み(T)と幅(L)との比(T/L)が2以上のコアが、適正な形状となっている。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
図1(a)は、本発明の位置センサの第1の実施の形態を示す平面図であり、図1(b)は、その中央部の断面を拡大した図である。この実施の形態の位置センサは、格子状のコア2が四角形シート状のアンダークラッド層1の表面に支持されオーバークラッド層3で被覆された四角形シート状の光導波路Wと、この光導波路Wのアンダークラッド層1の裏面に設けられた弾性層Rと、上記格子状のコア2を構成する線状のコア2の一端面に接続された発光素子4と、上記線状のコア2の他端面に接続された受光素子5とを備えている。上記発光素子4から発光された光は、上記コア2の中を通り、上記受光素子5で受光されるようになっている。そして、格子状のコア2の部分に対応するオーバークラッド層3の表面部分が、入力領域となっている。なお、図1(a)では、コア2を鎖線で示しており、鎖線の太さがコア2の太さを示している。また、図1(a)では、コア2の数を略して図示している。また、図1(a)の矢印は、光の進む方向を示している。
そして、上記コア2の弾性率は、上記アンダークラッド層1の弾性率および上記オーバークラッド層3の弾性率よりも大きく設定されている。これにより、上記四角形シート状の光導波路Wの表面を押圧したときに、その押圧方向のコア2の断面の変形率が、オーバークラッド層3およびアンダークラッド層1の断面の変形率よりも小さくなるようになっている。このことが、本発明の大きな特徴の一つである。このような光導波路Wを有することにより、上記入力領域の部分を押圧したときに、その押圧方向の断面では、弾性率の小さいオーバークラッド層3がつぶれるように変形し、弾性率の大きいコア2は、断面形状を殆ど変化させることなく(殆どつぶれることなく)、弾性率の小さいアンダークラッド層1に沈むように曲がるようになっている。
また、上記弾性層Rは、デュロメータ硬さが20〜40の範囲内と低く設定されているとともに、反発弾性率が70%以上と高く設定されている。このことも、本発明の大きな特徴の一つである。このような弾性層Rが設けられていることにより、上記入力領域の部分を押圧したときに、その押圧力が小さくても、上記弾性層Rの低いデュロメータ硬さを利用して、押圧方向に光導波路Wが凹み易くなっており、また、上記押圧を解除したときに、上記弾性層Rの高い反発弾性率を利用して、光導波路Wが素早く元の平坦な形状に回復するようになっている。
さらに、上記コア2は、引張伸び3〜10%の範囲で弾性域にあり、上記アンダークラッド層1は、引張伸び5〜140%の範囲で弾性域にある。このことも、本発明の大きな特徴の一つである。このようなコア2およびアンダークラッド層1を上記光導波路Wが有することにより、上記入力領域の部分に13Nの強い押圧荷重をかけても、上記コア2およびアンダークラッド層1は、弾性を維持した状態で変形し、上記押圧を解除すると、それ自体の復元力により、素早く元の形状に回復することができる。その形状回復性の観点から、好ましくは、上記コア2が、引張伸び5〜10%の範囲で弾性域にあり、上記アンダークラッド層1が、引張伸び15〜100%の範囲で弾性域にあることである。また、この実施の形態では、オーバークラッド層3も、上記アンダークラッド層1と同様、引張伸び5〜140%の範囲で弾性域にある。そのため、上記押圧を解除した際に、光導波路Wの表面(オーバークラッド層3の表面)から、素早く押圧跡を無くすことができる。
すなわち、上記位置センサによる押圧位置の検知は、例えば、図2に断面図で示すように、位置センサを、弾性層Rが机30等の硬い物の表面に接するようにして載置した状態で、オーバークラッド層3の入力領域の部分を、ペン先10a等で押圧したときに、その押圧位置を検知することでなされる。このとき、上記のように、コア2の弾性率を大きくすることにより、コア2は、断面形状を殆ど変化させることなく(殆どつぶれることなく)、アンダークラッド層1に沈むように曲がる。そのコア2の曲がった部分では、その曲がりが原因で、コアからの光の漏れ(散乱)が発生する。そのため、ペン先10a等で押圧されたコア2では、受光素子5での光の検出レベルが低下し、その光の検出レベルの低下から、ペン先10a等による押圧位置を検知することができる。なお、上記押圧位置の検知は、上記入力領域の表面に、樹脂フィルム,紙等を介して行ってもよい。
ここで、上記のようにコア2の弾性率を大きくすることにより、押圧でコア2が殆どつぶれないことから、押圧でコア2は幅方向に殆ど広がらないようになる。そのため、この実施の形態では、隣り合う線状コア2の間の隙間を狭く設定することができる。さらに、線状のコア2の幅(L)を細く設定すると、線状のコア2の配置密度を高くすることができ、検知する押圧位置の位置精度を高めることができる。
また、この実施の形態では、図1(a)に示すように、複数の線状のコア2は、発光素子4から前記格子状の部分までの中継部分と、その格子状の部分から受光素子5までの中継部分とが、上記格子状の部分の外周に沿った状態で配置されている。このようなコア2の配置を有する位置センサでは、上記のように、隣り合う線状コア2の間の隙間を狭く設定するとともに、コアの幅(L)を細く設定することにより、上記格子状の部分の外周に配置された上記中継部分(枠状部分)の幅を狭くすることができ、位置センサの省スペース化を図ることができる。例えば、上記格子状の部分から受光素子5まで247本のコア2を並列させた上記中継部分の幅は、この実施の形態では約3cmと非常に狭くすることができる。
そして、上記コア2の曲がった部分での光の漏れ(散乱)について、コア2が厚い〔図3(a)の拡大断面図参照〕場合と薄い場合〔図3(b)の拡大断面図参照〕とを比較すると、コア2が厚い方が、光(鎖線で図示)の反射角度αが大きくなることから、光が漏れ易く(散乱し易く)なっている。すなわち、コア2が厚い方が、押圧を検知し易くなっている。そこで、この実施の形態では、押圧の検知感度を高めるために、コア2の厚み(T)と幅(L)とのアスペクト比(T/L)が2以上となるように設定されている。このことも、本発明の大きな特徴の一つである。
また、上記押圧位置の検知のとき(図2参照)、上記のように、弾性層Rの低いデュロメータ硬さを利用して、押圧力が小さくても光導波路Wが凹み易くなっている。そのため、この点においても、上記位置センサは、押圧の検知感度に優れたものとなっている。そして、上記押圧を解除したとき、上記のように、弾性層Rの高い反発弾性率を利用して、光導波路Wが素早く元の平坦な形状に回復するようになっている。そのため、上記位置センサは、つぎの押圧に迅速に備えることができ、押圧位置の連続的検知に優れたものとなっている。
さらに、上記押圧位置の検知のとき(図2参照)、上記のように、コア2,アンダークラッド層1およびオーバークラッド層3の特定の弾性域により、それらコア2およびアンダークラッド層1は、弾性を維持した状態で凹む。そして、上記押圧を解除したとき、上記のように、コア2,アンダークラッド層1およびオーバークラッド層3の特定の弾性域により、光導波路Wが素早く元の平坦な形状に回復するようになっている。そのため、この点においても、上記位置センサは、つぎの押圧に迅速に備えることができ、押圧位置の連続的検知に優れたものとなっている。
より詳しく説明すると、上記コア2の弾性率は、1GPa〜10GPaの範囲内であることが好ましく、より好ましくは、2GPa〜5GPaの範囲内である。コア2の弾性率が小さすぎると、ペン先10a等の形状により、そのペン先10a等の押圧で、コア2がつぶれる場合があり、ペン先10a等の位置を適正に検知できないおそれがある。一方、コア2の弾性率が高すぎると、ペン先10a等の押圧で、コア2が充分に曲がらない場合がある。そのため、コア2からの光の漏れ(散乱)が発生せず、受光素子5での光の検出レベルが低下しなくなることから、ペン先10aの位置を適正に検知できないおそれがある。
上記オーバークラッド層3の弾性率は、0.1MPa以上10GPa未満の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、1MPa以上5GPa未満の範囲内である。オーバークラッド層3の弾性率が小さすぎると、柔らかすぎて、ペン先10a等の形状により、そのペン先10a等の押圧で、破損する場合があり、コア2を保護することができなくなる。一方、オーバークラッド層3の弾性率が高すぎると、ペン先10a等の押圧によっても、つぶれるように変形しなくなり、コア2がつぶれ、ペン先10a等の位置を適正に検知できないおそれがある。
上記アンダークラッド層1の弾性率は、0.1MPa〜1GPaの範囲内であることが好ましく、より好ましくは、1MPa〜100MPaの範囲内である。アンダークラッド層1の弾性率が小さすぎると、柔らかすぎて、ペン先10a等で押圧した後、元の状態に戻らず、連続的に行えない場合がある。一方、アンダークラッド層1の弾性率が高すぎると、ペン先10a等の押圧によっても、つぶれるように変形しなくなり、コア2がつぶれ、ペン先10a等の位置を適正に検知できないおそれがある。
上記のような特性を有するコア2,アンダークラッド層1およびオーバークラッド層3の形成材料としては、前記弾性域の設定容易性の観点から、例えば、エポキシ樹脂等があげられる。そして、光導波路Wの作製容易性の観点から、上記エポキシ樹脂等は、感光性樹脂とすることが好ましい。コア2の屈折率は、アンダークラッド層1およびオーバークラッド層3の屈折率よりも大きく設定されている。その屈折率の調整は、例えば、各形成材料の種類の選択や組成比率を調整して行うことができる。
特に、コア2の形成材料は、上記のようにアスペクト比が2以上となるように形成することが容易になる観点から、例えば、軟化点70〜130℃の範囲内のエポキシ樹脂を70〜100重量%の範囲内で含有するエポキシ樹脂を主成分とし、エポキシ当量が100〜1200g/eqの範囲内に調製されている樹脂組成物であることが好ましい。すなわち、エポキシ当量が100〜1200g/eqの範囲内と低いと、コア形成時に、その形成材料の硬化が速く、しかも、主成分のエポキシ樹脂が、軟化点が70〜130℃の範囲内と高いエポキシ樹脂を70〜100重量%と多く含有すると、コア形成時に、コア2の形成材料が殆ど流動しない。より好ましいコア2の形成材料は、軟化点70〜100℃の範囲内のエポキシ樹脂を80〜100重量%の範囲内で含有するエポキシ樹脂を主成分とし、エポキシ当量が100〜400g/eqの範囲内に調製されている樹脂組成物である。なお、上記主成分とは、コア2の形成材料全体の過半を占める成分のことをいい、全体が主成分のみからなる場合も含める趣旨である。
一方、上記のような特性を有する弾性層Rの形成材料としては、例えば、シリコーンゴム,エポキシゴム等があげられる。また、上記弾性層Rの厚みは、その弾性層R自体を薄くしつつ、光導波路Wの凹み性および形状回復性をより良好にする観点から、0.02〜2.00mmの範囲内に設定されることが好ましい。その理由は、弾性層Rが薄すぎると、光導波路Wの凹み性および形状回復性の効果が小さくなる傾向にあり、弾性層Rが厚すぎても、光導波路Wの凹み性および形状回復性の効果は充分に向上せず、過剰品質となる傾向にあるからである。
また、この実施の形態の光導波路Wは、シート状のアンダークラッド層1の表面部分に、格子状のコア2が埋設されて、上記アンダークラッド層1の表面とコア2の頂面とが面一に形成され、それらアンダークラッド層1の表面とコア2の頂面とを被覆した状態で、シート状のオーバークラッド層3が形成されたものとなっている。このような構造の光導波路Wは、オーバークラッド層3を均一厚みにすることができることから、上記入力領域における押圧位置を検知し易くなっている。各層の厚みは、例えば、アンダークラッド層1が10〜500μmの範囲内、コア2が5〜100μmの範囲内、オーバークラッド層3が1〜200μmの範囲内に設定される。
上記弾性層Rを設けた光導波路Wの製法の一例について説明する。まず、図4(a)に示すように、オーバークラッド層3を均一厚みのシート状に形成する。ついで、図4(b)に示すように、そのオーバークラッド層3の上面に、コア2を、突出した状態で所定パターンに形成する。つぎに、図4(c)に示すように、そのコア2を被覆するように、上記オーバークラッド層3の上面に、アンダークラッド層1を形成し、光導波路Wを作製する。そして、図4(d)に示すように、そのアンダークラッド層1の上面に、弾性層Rを形成する。その後、図4(e)に示すように、その得られた構造体を上下逆にし、弾性層Rを下側、オーバークラッド層3を上側にする。このようにして、上記弾性層Rを設けた光導波路Wが得られる。なお、上記アンダークラッド層1,コア2およびオーバークラッド層3ならびに弾性層Rは、それぞれの形成材料に応じた製法により作製される。
図5は、本発明の位置センサの第2の実施の形態の中央部の断面を拡大した図である。この実施の形態では、光導波路Wの構造が、図1(b)に示す第1の実施の形態と上下逆になっている。すなわち、均一厚みのシート状のアンダークラッド層1の表面に、コア2が突出した状態で所定パターンに形成され、そのコア2を被覆した状態で、上記アンダークラッド層1の表面に、オーバークラッド層3が形成されたものとなっている。それ以外の部分は、図1(b)に示す第1の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。そして、この実施の形態の位置センサも、図1(b)に示す第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
なお、上記各実施の形態において、格子状のコア2の各交差部は、通常、図6(a)に拡大平面図で示すように、交差する4方向の全てが連続した状態に形成されているが、他でもよい。例えば、図6(b)に示すように、交差する1方向のみが、隙間Gにより分断され、不連続になっているものでもよい。上記隙間Gは、アンダークラッド層1またはオーバークラッド層3の形成材料で形成されている。その隙間Gの幅dは、0を超え(隙間Gが形成されていればよく)、通常、20μm以下に設定される。それと同様に、図6(c),(d)に示すように、交差する2方向〔図6(c)は対向する2方向、図6(d)は隣り合う2方向〕が不連続になっているものでもよいし、図6(e)に示すように、交差する3方向が不連続になっているものでもよいし、図6(f)に示すように、交差する4方向の全てが不連続になっているものでもよい。さらに、図6(a)〜(f)に示す上記交差部のうちの2種類以上の交差部を備えた格子状としてもよい。すなわち、本発明において、複数の線状のコア2により形成される「格子状」とは、一部ないし全部の交差部が上記のように形成されているものを含む意味である。
なかでも、図6(b)〜(f)に示すように、交差する少なくとも1方向を不連続とすると、光の交差損失を低減させることができる。すなわち、図7(a)に示すように、交差する4方向の全てが連続した交差部では、その交差する1方向〔図7(a)では上方向〕に注目すると、交差部に入射する光の一部は、その光が進んできたコア2と直交するコア2の壁面2aに到達し、その壁面での反射角度が大きいことから、コア2を透過する〔図7(a)の二点鎖線の矢印参照〕。このような光の透過が、交差する上記と反対側の方向〔図7(a)では下方向〕でも発生する。これに対し、図7(b)に示すように、交差する1方向〔図7(b)では上方向〕が隙間Gにより不連続になっていると、上記隙間Gとコア2との界面が形成され、図7(a)においてコア2を透過する光の一部は、上記界面での反射角度が小さくなることから、透過することなく、その界面で反射し、コア2を進み続ける〔図7(b)の二点鎖線の矢印参照〕。このことから、先に述べたように、交差する少なくとも1方向を不連続とすると、光の交差損失を低減させることができるのである。
また、上記各実施の形態では、アンダークラッド層1の裏面に弾性層Rを設けたが、そのアンダークラッド層1を上記弾性層Rと同じ形成材料からなるものとし、それらアンダークラッド層1と弾性層Rとからなる積層体を一つの層として扱ってもよい。
さらに、上記各実施の形態では、オーバークラッド層3も、上記アンダークラッド層1と同様、引張伸び5〜140%の範囲で弾性域にあるとしたが、オーバークラッド層3は、他の弾性特性を示すものでもよい。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。但し、本発明は、実施例に限定されるわけではない。
〔コア,アンダークラッド層およびオーバークラッド層の形成材料〕
下記の表1に示すように、コア形成用に4種類のエポキシ樹脂を準備するとともに、クラッド(アンダークラッド層およびオーバークラッド層)形成用に3種類のエポキシ樹脂を準備した。そして、これらエポキシ樹脂のうち少なくとも1種類を用い、実施光導波路1〜5および比較光導波路1,2に用いる、コアおよびクラッドの形成材料をそれぞれ調製した。その調製には、光酸発生剤(ADEKA社製、Sp−170)1重量部,乳酸エチル(和光純薬工業社製、溶剤)50重量部も用いた。
下記の表1に示すように、コア形成用に4種類のエポキシ樹脂を準備するとともに、クラッド(アンダークラッド層およびオーバークラッド層)形成用に3種類のエポキシ樹脂を準備した。そして、これらエポキシ樹脂のうち少なくとも1種類を用い、実施光導波路1〜5および比較光導波路1,2に用いる、コアおよびクラッドの形成材料をそれぞれ調製した。その調製には、光酸発生剤(ADEKA社製、Sp−170)1重量部,乳酸エチル(和光純薬工業社製、溶剤)50重量部も用いた。
〔コア形成用エポキシ樹脂の軟化点およびコア形成材料のエポキシ当量〕
コア形成用エポキシ樹脂の軟化点は、自動軟化点試験器(田中科学機器製作社製、ASP−5)を用いて、環球法により求めた。また、コア形成材料の調製後のエポキシ当量は、電位差滴定装置(京都電子工業社製、AT−610)を用いて、電位差滴定法により求めた。その結果を下記の表1に示した。
コア形成用エポキシ樹脂の軟化点は、自動軟化点試験器(田中科学機器製作社製、ASP−5)を用いて、環球法により求めた。また、コア形成材料の調製後のエポキシ当量は、電位差滴定装置(京都電子工業社製、AT−610)を用いて、電位差滴定法により求めた。その結果を下記の表1に示した。
〔コアおよびクラッドの引張伸び〕
上記各形成材料を用い、コアおよびクラッドの板状試験片〔0.5mm×20mm×0.05mm(厚み)〕を作製した。そして、各試験片の引張伸びを、引張圧縮試験機(TECHNO GRAPH TG-1kN )を用いて測定した。その結果を下記の表1に示した。
上記各形成材料を用い、コアおよびクラッドの板状試験片〔0.5mm×20mm×0.05mm(厚み)〕を作製した。そして、各試験片の引張伸びを、引張圧縮試験機(TECHNO GRAPH TG-1kN )を用いて測定した。その結果を下記の表1に示した。
〔弾性層の形成材料〕
下記の表2に示すように、シリコーンゴムまたはエポキシゴムを適量用い、所定のデュロメータ硬さおよび反発弾性率を有する実施弾性層1〜4および比較弾性層1〜3(厚み12.5mm)を作製した。なお、デュロメータ硬さの測定は、デュロメータを用いた。また、反発弾性率の測定は、ISO4662に準拠したSchob式反発弾性測定器を用いた。
下記の表2に示すように、シリコーンゴムまたはエポキシゴムを適量用い、所定のデュロメータ硬さおよび反発弾性率を有する実施弾性層1〜4および比較弾性層1〜3(厚み12.5mm)を作製した。なお、デュロメータ硬さの測定は、デュロメータを用いた。また、反発弾性率の測定は、ISO4662に準拠したSchob式反発弾性測定器を用いた。
〔弾性層付き光導波路の作製〕
まず、ガラス製基材の表面に、上記クラッドの形成材料を用いて、スピンコート法により、オーバークラッド層を形成した。ついで、そのオーバークラッド層の表面に、上記コアの形成材料を用いて、フォトリソグラフィ法により、格子状のコアを形成した。つぎに、そのコアを被覆するように、上記オーバークラッド層の上面に、上記クラッドの形成材料を用いて、スピンコート法により、アンダークラッド層を形成した。そして、そのアンダークラッド層の表面に、上記弾性層の形成材料を用いて、加熱により、弾性層を形成した。その後、上記オーバークラッド層を上記ガラス製基材から剥離した。ついで、接着剤を介して、アルミニウム板の表面に、上記弾性層を接着した。このようにして、アルミニウム板の表面に、接着剤を介して、実施例1〜7および比較例1〜5の弾性層付き光導波路を作製した。これら弾性層付き光導波路は、上記表1の実施光導波路1〜5および比較光導波路1,2のいずれかと、上記表2の実施弾性層1〜4および比較弾性層1〜3のいずれかとの組み合わせであり、その組み合わせを下記の表3,4に示した。また、それら弾性層付き光導波路におけるコア等の寸法および弾性率を下記の表3,4に示した。
まず、ガラス製基材の表面に、上記クラッドの形成材料を用いて、スピンコート法により、オーバークラッド層を形成した。ついで、そのオーバークラッド層の表面に、上記コアの形成材料を用いて、フォトリソグラフィ法により、格子状のコアを形成した。つぎに、そのコアを被覆するように、上記オーバークラッド層の上面に、上記クラッドの形成材料を用いて、スピンコート法により、アンダークラッド層を形成した。そして、そのアンダークラッド層の表面に、上記弾性層の形成材料を用いて、加熱により、弾性層を形成した。その後、上記オーバークラッド層を上記ガラス製基材から剥離した。ついで、接着剤を介して、アルミニウム板の表面に、上記弾性層を接着した。このようにして、アルミニウム板の表面に、接着剤を介して、実施例1〜7および比較例1〜5の弾性層付き光導波路を作製した。これら弾性層付き光導波路は、上記表1の実施光導波路1〜5および比較光導波路1,2のいずれかと、上記表2の実施弾性層1〜4および比較弾性層1〜3のいずれかとの組み合わせであり、その組み合わせを下記の表3,4に示した。また、それら弾性層付き光導波路におけるコア等の寸法および弾性率を下記の表3,4に示した。
〔位置センサの作製〕
上記弾性層付き光導波路のコアの一端面に、発光素子(Optowell社製、XH85-S0603-2s )を接続し、コアの他端面に、受光素子(浜松ホトニクス社製、s10226)を接続し、実施例1〜7および比較例1〜5の位置センサを作製した。
上記弾性層付き光導波路のコアの一端面に、発光素子(Optowell社製、XH85-S0603-2s )を接続し、コアの他端面に、受光素子(浜松ホトニクス社製、s10226)を接続し、実施例1〜7および比較例1〜5の位置センサを作製した。
〔位置センサの評価:押圧の検知感度〕
上記各位置センサの入力領域の表面に、PETフィルム(厚み50μm)を介して紙(厚み80μm)を載置した。そして、その紙の表面に、先端直径0.5mmのボールペン先で0.7Nの荷重をかけた。その結果、押圧位置が検知できたものを、押圧の検知感度に優れていると評価し○を、押圧位置が検知できなかったものを、押圧の検知感度に劣ると評価し×を、下記の表3,4に示した。
上記各位置センサの入力領域の表面に、PETフィルム(厚み50μm)を介して紙(厚み80μm)を載置した。そして、その紙の表面に、先端直径0.5mmのボールペン先で0.7Nの荷重をかけた。その結果、押圧位置が検知できたものを、押圧の検知感度に優れていると評価し○を、押圧位置が検知できなかったものを、押圧の検知感度に劣ると評価し×を、下記の表3,4に示した。
〔位置センサの評価:凹み性〕
上記各位置センサの入力領域の表面に、PETフィルム(厚み50μm)を介して紙(厚み80μm)を載置し、その紙の表面に、直径1.0mmの短針で0.245Nの荷重をかけ、その短針の押し込み深さを測定した。その測定には、押し込み深さを測定装置(シチズン社製、CH−R1)を用いた。そして、押し込み深さが10μmを超えるものを、位置センサの凹み性に優れていると評価し○を、押し込み深さが10μm以下のものを、位置センサの凹み性に劣ると評価し×を、下記の表3,4に示した。
上記各位置センサの入力領域の表面に、PETフィルム(厚み50μm)を介して紙(厚み80μm)を載置し、その紙の表面に、直径1.0mmの短針で0.245Nの荷重をかけ、その短針の押し込み深さを測定した。その測定には、押し込み深さを測定装置(シチズン社製、CH−R1)を用いた。そして、押し込み深さが10μmを超えるものを、位置センサの凹み性に優れていると評価し○を、押し込み深さが10μm以下のものを、位置センサの凹み性に劣ると評価し×を、下記の表3,4に示した。
〔位置センサの評価:連続的検知(形状回復性)〕
上記各位置センサの入力領域の表面に、PETフィルム(厚み50μm)を介して紙(厚み80μm)を載置した。そして、その紙の表面に荷重をかけない状態で、上記受光素子にて受光スペクトルを観測した。ついで、上記紙の表面に、先端直径0.5mmのボールペン先で9.8Nの荷重をかけ、上記受光素子にて受光スペクトルを観測した。つぎに、上記ボールペン先による荷重を解除し、その直後から上記受光スペクトルが無荷重状態での受光スペクトルに回復するまでの時間を測定した。そして、その回復時間が7.1ms(CMOSスキャン速度)未満のものを、位置センサの連続的検知(形状回復性)に優れていると評価し○を、回復時間が7.1ms以上のものを、位置センサの連続的検知(形状回復性)に劣ると評価し×を、下記の表3,4に示した。
上記各位置センサの入力領域の表面に、PETフィルム(厚み50μm)を介して紙(厚み80μm)を載置した。そして、その紙の表面に荷重をかけない状態で、上記受光素子にて受光スペクトルを観測した。ついで、上記紙の表面に、先端直径0.5mmのボールペン先で9.8Nの荷重をかけ、上記受光素子にて受光スペクトルを観測した。つぎに、上記ボールペン先による荷重を解除し、その直後から上記受光スペクトルが無荷重状態での受光スペクトルに回復するまでの時間を測定した。そして、その回復時間が7.1ms(CMOSスキャン速度)未満のものを、位置センサの連続的検知(形状回復性)に優れていると評価し○を、回復時間が7.1ms以上のものを、位置センサの連続的検知(形状回復性)に劣ると評価し×を、下記の表3,4に示した。
なお、比較例1では、時間が経過しても、受光スペクトルが回復せず、押圧による凹みも元の形状に回復しなかった。その理由は、弾性層のデュロメータ硬さも反発弾性率も低過ぎるからである。また、比較例4,5では、上記荷重をかけることにより、塑性変形し、その荷重を解除しても、形状が回復しなかった。その理由は、比較例4は弾性域にあるコアの引張伸びが低過ぎるからであり、比較例5は弾性域にあるアンダークラッド層の引張伸びが低過ぎるからである。
〔位置センサの評価:弾性維持性〕
上記各位置センサの入力領域の表面に、PETフィルム(厚み50μm)を介して紙(厚み80μm)を載置した。そして、その紙の表面の一カ所に、先端直径0.5mmのボールペン先で9.8Nの荷重を30回(1回につき1秒間の荷重)かけた後、その荷重をかけた表面部分を、光学顕微鏡(KEYENCE 社製、WH-Z75)を用いて観察した。そして、表面に荷重跡がないものを、弾性維持性に優れていると評価し○を、表面に荷重跡があるものを、弾性維持性に劣ると評価し×を、下記の表3,4に示した。
上記各位置センサの入力領域の表面に、PETフィルム(厚み50μm)を介して紙(厚み80μm)を載置した。そして、その紙の表面の一カ所に、先端直径0.5mmのボールペン先で9.8Nの荷重を30回(1回につき1秒間の荷重)かけた後、その荷重をかけた表面部分を、光学顕微鏡(KEYENCE 社製、WH-Z75)を用いて観察した。そして、表面に荷重跡がないものを、弾性維持性に優れていると評価し○を、表面に荷重跡があるものを、弾性維持性に劣ると評価し×を、下記の表3,4に示した。
上記表3,4の結果から、実施例1〜7の位置センサは、押圧の検知感度,凹み性,連続的検知(形状回復性),および弾性維持性に優れているのに対し、比較例1〜5の位置センサは、そのいずれかが劣っていることがわかる。そして、その結果の違いは、弾性層のデュロメータ硬さおよび反発弾性率,コアおよびクラッドの弾性域にある引張伸び,ならびにコアの厚みのいずれかに依存していることがわかる。
また、上記実施例1〜7および比較例1〜3における実施光導波路1〜5では、実際に、線状のコアの幅(L)が20μm未満で、隣り合うコアの間の隙間が20μm未満で、コアの厚み(T)と幅(L)とのアスペクト比(T/L)が2以上となる、コアの配置密度が高い光導波路を作製することができた。そのコアの形成状態は、コア形成後、光学顕微鏡にて確認した。
そして、上記実施例1〜7において、弾性層の厚みを変えても、上記実施例1〜7と同様の傾向を示す評価結果が得られた。なかでも、弾性層の厚みが0.02〜2.00mmの範囲内のものは、弾性層自体を薄くしつつ、凹み性および連続的検知(形状回復性)をより良好にすることができた。
また、上記実施例1〜7において、オーバークラッド層の弾性特性を変えても、上記実施例1〜7と同様の傾向を示す連続的検知(形状回復性)の評価結果が得られた。このことから、その評価結果は、コアおよびアンダークラッド層の弾性域にある引張伸びに依存していることがわかる。
さらに、上記実施例1〜7では、位置センサの入力領域の表面に、PETフィルムを介して紙を載置した状態で、検知感度(凹み性)および連続的検知(形状回復性)を評価したが、それらPETフィルムおよび紙を載置しない状態でも、上記実施例1〜7と同様の傾向を示す評価結果が得られた。
また、上記実施例1〜7では、光導波路を図1(b)に断面図で示すものとしたが、光導波路を図5に断面図で示すものとしても、上記実施例1〜7と同様の傾向を示す評価結果が得られた。
本発明の位置センサは、押圧位置を検知する際に、その検知する押圧位置の位置精度を高めるとともに、押圧の検知感度も高め、さらに、押圧跡を素早く無くして連続的感知を良好にする場合に利用可能である。
R 弾性層
W 光導波路
1 アンダークラッド層
2 コア
3 オーバークラッド層
4 発光素子
5 受光素子
W 光導波路
1 アンダークラッド層
2 コア
3 オーバークラッド層
4 発光素子
5 受光素子
Claims (4)
- 格子状に形成された複数の線状のコアと、このコアを支持するアンダークラッド層と、上記コアを被覆するオーバークラッド層とを有するシート状の光導波路と、この光導波路のコアの一端面に接続された発光素子と、上記コアの他端面に接続された受光素子とを備え、上記発光素子で発光された光が、上記光導波路のコアを経て、上記受光素子で受光され、上記格子状のコア部分に対応する光導波路の表面部分を入力領域とし、その入力領域における押圧個所を、その押圧による上記受光素子での受光強度の減衰により特定する位置センサであって、上記光導波路が下記の(A)〜(D)を満たしていることを特徴とする位置センサ。
(A)上記コアの弾性率が、上記アンダークラッド層の弾性率および上記オーバークラッド層の弾性率よりも大きく設定され、上記シート状の光導波路の表面の押圧状態で、その押圧方向のコアの断面の変形率が、オーバークラッド層およびアンダークラッド層の断面の変形率よりも小さくなるようになっている。
(B)上記コアの厚み(T)と幅(L)との比(T/L)が2以上である。
(C)上記格子状のコア部分に対応する光導波路の裏面部分に、デュロメータ硬さが20〜40の範囲内で反発弾性率が70%以上の弾性層が設けられている。
(D)上記コアが、引張伸び3〜10%の範囲の弾性域に設定されているとともに、上記コアを支持するアンダークラッド層が、引張伸び5〜140%の範囲の弾性域に設定されている。 - 上記弾性層の厚みが、0.02〜2.00mmの範囲内に設定されている請求項1記載の位置センサ。
- 上記オーバークラッド層が、引張伸び5〜140%の範囲の弾性域に設定されている請求項1または2記載の位置センサ。
- 上記コアの形成材料が、軟化点70〜130℃のエポキシ樹脂を70〜100重量%含有するエポキシ樹脂を主成分とし、エポキシ当量が100〜1200g/eqに調製された樹脂組成物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の位置センサ。
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