JP2015197358A - 路面状態検知システム - Google Patents
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Abstract
【課題】単一の撮像系を用いて光学特性の異なる複数の画像信号を同時に取得し、その複数の画像信号に基づいて路面状態を検知する。
【解決手段】実施形態に係る路面状態検知システム1は、レンズおよび互いに異なる光学特性を有する少なくとも2つの光学領域を含むレンズ光学系Lと、レンズ光学系Lを透過した光が入射する少なくとも2つの撮像領域を有する撮像素子Nと、レンズ光学系Lと撮像素子Nとの間に配置され、少なくとも2つの光学領域の各光学領域を通過した光を、各光学領域に対応した少なくとも2つの撮像領域の各撮像領域に入射させるアレイ状光学素子Kとを有する撮像装置10であって、各光学領域を通過した光の情報を有し、各撮像領域から取得される複数の画像信号を出力する撮像装置10と、複数の画像信号に基づいて路面状態を検知する検知部20とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】実施形態に係る路面状態検知システム1は、レンズおよび互いに異なる光学特性を有する少なくとも2つの光学領域を含むレンズ光学系Lと、レンズ光学系Lを透過した光が入射する少なくとも2つの撮像領域を有する撮像素子Nと、レンズ光学系Lと撮像素子Nとの間に配置され、少なくとも2つの光学領域の各光学領域を通過した光を、各光学領域に対応した少なくとも2つの撮像領域の各撮像領域に入射させるアレイ状光学素子Kとを有する撮像装置10であって、各光学領域を通過した光の情報を有し、各撮像領域から取得される複数の画像信号を出力する撮像装置10と、複数の画像信号に基づいて路面状態を検知する検知部20とを備える。
【選択図】図2
Description
本開示は、路面の状態を検知する路面状態検知システムに関する。
自動車等が走行する路面をカメラで撮影し、路面の乾燥状態と湿潤状態(水濡れ、凍結等)を検知する装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1では、カメラの前に偏光素子を配置し、その偏光素子を回転させることにより、偏光方向が互いに直交する2種類の光に対応した2種類の画像信号を交互に取得する。
路面を構成するアスファルトのような粗面では、光はほぼ全面乱反射することから、路面が乾燥状態のときには、水平偏光成分と垂直偏光成分の反射光レベルはほとんど同じになる。このため、水平偏光成分から得られた画像の濃度データと垂直偏光成分から得られた画像の濃度データとの差は小さくなる。
一方、路面が湿潤状態のときには、水が存在する部分(水濡れ、凍結等の部分)では、水平偏光(P偏光)成分は全て透過し、その下にあるアスファルト面で吸収、反射される。このため、路面からの反射光は垂直偏光(S偏光)成分が大部分となり、水平偏光成分から得られた画像の濃度データと垂直偏光成分から得られた画像の濃度データとの差は大きくなる。
このように、水平偏光成分から得られた画像の濃度データと垂直偏光成分から得られた画像の濃度データとの差を演算することにより、路面の乾燥状態および湿潤状態を検知することができる。
本開示は、使い勝手を向上させた路面状態検知システムを提供する。
本開示の一態様に係る路面状態検知システムは、レンズおよび互いに異なる光学特性を有する少なくとも2つの光学領域を含むレンズ光学系と、レンズ光学系を透過した光が入射する少なくとも2つの撮像領域を有する撮像素子と、レンズ光学系と撮像素子との間に配置され、少なくとも2つの光学領域の各光学領域を通過した光を、各光学領域に対応した少なくとも2つの撮像領域の各撮像領域に入射させるアレイ状光学素子とを有する撮像装置であって、各光学領域を通過した光の情報を有し、各撮像領域から取得される複数の画像信号を出力する撮像装置と、複数の画像信号に基づいて、路面状態を検知する検知部とを備える。
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、路面状態を検知する処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムは、レンズおよび互いに異なる光学特性を有する少なくとも2つの光学領域を含むレンズ光学系と、レンズ光学系を透過した光が入射する少なくとも2つの撮像領域を有する撮像素子と、レンズ光学系と撮像素子との間に配置され、少なくとも2つの光学領域の各光学領域を通過した光を、各光学領域に対応した少なくとも2つの撮像領域の各撮像領域に入射させるアレイ状光学素子とを有する撮像装置から出力される複数の画像信号であって、各光学領域を通過した光の情報を有する複数の画像信号を入力するステップと、複数の画像信号に基づいて、路面状態を検知するステップとをコンピュータに実行させる。
本開示の一態様に係る路面状態検知システムによれば、単一の撮像系を用いて光学特性の異なる複数の画像信号を同時に取得し、その複数の画像信号に基づいて路面状態を検知することができる。
本開示の一態様の概要は以下のとおりである。
本開示の一態様に係る路面状態検知システムは、レンズおよび互いに異なる光学特性を有する少なくとも2つの光学領域を含むレンズ光学系と、レンズ光学系を透過した光が入射する少なくとも2つの撮像領域を有する撮像素子と、レンズ光学系と撮像素子との間に配置され、少なくとも2つの光学領域の各光学領域を通過した光を、各光学領域に対応した少なくとも2つの撮像領域の各撮像領域に入射させるアレイ状光学素子とを有する撮像装置であって、各光学領域を通過した光の情報を有し、各撮像領域から取得される複数の画像信号を出力する撮像装置と、複数の画像信号に基づいて、路面状態を検知する検知部とを備える。
例えば、少なくとも2つの光学領域は、第1の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第1の光学領域と、第1の偏光軸とは異なる第2の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第2の光学領域とを備え、少なくとも2つの撮像領域は、第1の光学領域を通過した光が入射する第1の撮像領域と、第2の光学領域を通過した光が入射する第2の撮像領域とを備え、第1の撮像領域は、第1の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第1の画像信号を生成し、第2の撮像領域は、第2の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第2の画像信号を生成し、検知部は、第1の画像信号と第2の画像信号とに基づいて、路面状態を検知してもよい。
例えば、検知部は、第1の画像信号から得られる輝度と、第2の画像信号から得られる輝度との大小関係に基づいて、路面状態が乾燥状態であるか湿潤状態であるかを検知してもよい。
例えば、少なくとも2つの光学領域は、第1の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第1の光学領域と、第1の偏光軸とは異なる第2の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第2の光学領域と、第1および第2の偏光軸とは異なる第3の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第3の光学領域と、第1、第2および第3の偏光軸とは異なる第4の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第4の光学領域とを備え、少なくとも2つの撮像領域は、第1の光学領域を通過した光が入射する第1の撮像領域と、第2の光学領域を通過した光が入射する第2の撮像領域と、第3の光学領域を通過した光が入射する第3の撮像領域と、第4の光学領域を通過した光が入射する第4の撮像領域とを備え、第1の撮像領域は、第1の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第1の画像信号を生成し、第2の撮像領域は、第2の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第2の画像信号を生成し、第3の撮像領域は、第3の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第3の画像信号を生成し、第4の撮像領域は、第4の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第4の画像信号を生成し、検知部は、第1、第2、第3および第4の画像信号のうちの少なくとも2つの画像信号に基づいて、路面状態を検知してもよい。
例えば、撮像装置を複数個備え、複数の撮像装置は、第1の撮像装置および第2の撮像装置を含み、第1の撮像装置の少なくとも2つの光学領域は、第1の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第1の光学領域と、第1の偏光軸とは異なる第2の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第2の光学領域とを備え、第2の撮像装置の少なくとも2つの光学領域は、第1および第2の偏光軸とは異なる第3の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第3の光学領域と、第1、第2および第3の偏光軸とは異なる第4の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第4の光学領域とを備え、第1の撮像装置の少なくとも2つの撮像領域は、第1の光学領域を通過した光が入射する第1の撮像領域と、第2の光学領域を通過した光が入射する第2の撮像領域とを備え、第2の撮像装置の少なくとも2つの撮像領域は、第3の光学領域を通過した光が入射する第3の撮像領域と、第4の光学領域を通過した光が入射する第4の撮像領域とを備え、第1の撮像領域は、第1の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第1の画像信号を生成し、第2の撮像領域は、第2の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第2の画像信号を生成し、第3の撮像領域は、第3の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第3の画像信号を生成し、第4の撮像領域は、第4の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第4の画像信号を生成し、検知部は、第1、第2、第3および第4の画像信号のうちの少なくとも2つの画像信号に基づいて、路面状態を検知してもよい。
例えば、検知部は、第1、第2、第3および第4の画像信号のうちの少なくとも2つの画像信号から得られる輝度同士の大小関係に基づいて、路面状態が乾燥状態であるか湿潤状態であるかを検知してもよい。
例えば、少なくとも2つの光学領域は、第1の偏光軸の方向に偏光した第1の波長の光を主に透過する特性を有する第1の光学領域と、第1の偏光軸の方向に偏光し、第1の波長とは異なる第2の波長の光を主に透過する特性を有する第2の光学領域と、第1の偏光軸とは異なる第2の偏光軸の方向に偏光した第2の波長の光を主に透過する特性を有する第3の光学領域と、第2の偏光軸の方向に偏光した第1の波長の光を主に透過する特性を有する第4の光学領域とを備え、少なくとも2つの撮像領域は、第1の光学領域を通過した光が入射する第1の撮像領域と、第2の光学領域を通過した光が入射する第2の撮像領域と、第3の光学領域を通過した光が入射する第3の撮像領域と、第4の光学領域を通過した光が入射する第4の撮像領域とを備え、第1の撮像領域は、第1の偏光軸の方向に偏光した第1の波長の光に対応する第1の画像信号を生成し、第2の撮像領域は、第1の偏光軸の方向に偏光した第2の波長の光に対応する第2の画像信号を生成し、第3の撮像領域は、第2の偏光軸の方向に偏光した第2の波長の光に対応する第3の画像信号を生成し、第4の撮像領域は、第2の偏光軸の方向に偏光した第1の波長の光に対応する第4の画像信号を生成し、検知部は、第1、第2、第3および第4の画像信号のうちの少なくとも2つの画像信号に基づいて、路面状態が乾燥状態であるか湿潤状態であるかを検知し、検知部は、第1および第4の画像信号のうちの少なくとも一方と、第2および第3の画像信号のうちの少なくとも一方とに基づいて、路面の水の状態が液相状態であるか固相状態であるかを検知してもよい。
例えば、撮像装置を複数個備え、複数の撮像装置は、第1の撮像装置および第2の撮像装置を含み、第1の撮像装置が出力した複数の画像信号の少なくとも1つの画像信号と、第2の撮像装置が出力した複数の画像信号の少なくとも1つの画像信号との間の視差に基づいて、被写体までの距離を測定する測距部をさらに備えてもよい。
本開示の一態様に係る車両は、上記のいずれかに記載の路面状態検知システムを備える。
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、路面状態を検知する処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムは、レンズおよび互いに異なる光学特性を有する少なくとも2つの光学領域を含むレンズ光学系と、レンズ光学系を透過した光が入射する少なくとも2つの撮像領域を有する撮像素子と、レンズ光学系と撮像素子との間に配置され、少なくとも2つの光学領域の各光学領域を通過した光を、各光学領域に対応した少なくとも2つの撮像領域の各撮像領域に入射させるアレイ状光学素子とを有する撮像装置から出力される複数の画像信号であって、各光学領域を通過した光の情報を有する複数の画像信号を入力するステップと、複数の画像信号に基づいて、路面状態を検知するステップとをコンピュータに実行させる。
以下、実施形態に係る路面状態検知システムを、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る路面状態検知システム1を示す図である。路面状態検知システム1は、例えば車両に搭載され、車両が走行する路面を撮影してその路面状態を検知する。路面状態検知システム1は、撮像装置10と検知部20を備える。検知部20は、画像処理部21と、演算部22と、判定部23とを備える。
図1は、実施形態1に係る路面状態検知システム1を示す図である。路面状態検知システム1は、例えば車両に搭載され、車両が走行する路面を撮影してその路面状態を検知する。路面状態検知システム1は、撮像装置10と検知部20を備える。検知部20は、画像処理部21と、演算部22と、判定部23とを備える。
撮像装置10は、単一の撮像素子を用いて光学特性の異なる複数の画像信号を同時に生成して出力する。検知部20は、撮像装置10が出力した複数の画像信号に基づいて路面状態を検知する。例えば、検知部20は、路面状態が乾燥状態と湿潤状態のいずれであるかを検知して、外部機器へ出力する。外部機器は、例えば車両に搭載された表示装置や駆動力制御装置等であり、路面状態をユーザへ報知したり、路面状態に応じた駆動力の制御を行ったりする。
検知部20は、撮像装置10内に設けられていてもよい。また、検知部20は、車内のカーナビゲーションシステム(不図示)等の装置内に設けられていてもよい。この場合、撮像装置10とカーナビゲーションシステムとの間で、有線または無線の通信が双方向で行われる。検知部20は、例えばマイクロコンピュータによって実現される。検知部20は、ハードウェアのみで実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現されてもよい。
次に、図2から図6を参照して、撮像装置10の構成の一例を説明する。図2は、撮像装置10を示す模式図である。撮像装置10は、Vを光軸とするレンズ光学系Lと、レンズ光学系Lの焦点近傍に配置されたアレイ状光学素子Kと、撮像素子Nとを備える。撮像素子Nは、例えばCMOSセンサやCCDセンサである。
レンズ光学系Lは、レンズL1、絞りSおよび光学素子L2を含む。被写体(不図示)から入射した光束Bの光線方向は、レンズL1により屈曲され、絞りSで不要な光線が排除される。レンズL1は、一枚のレンズで構成されていてもよいし、複数枚のレンズ(レンズ群)で構成されていてもよい。光学素子L2は、絞りSの近傍に配置される。なお、絞りSは、光学素子L2の被写体側ではなく、光学素子L2の撮像素子N側に配置されてもよいし、レンズ光学系Lに配置されていなくてもよい。また、絞りSおよび光学素子L2は、レンズL1よりも被写体側に配置されていてもよいし、レンズL1の内部に配置されていてもよい。
図3は、光学素子L2を被写体側から見た正面図である。光学素子L2の光学領域D1およびD2は、光軸Vに垂直な平面を2つに分割した領域である。光学領域D1およびD2は等しい面積を有しているが、異なっていてもよい。破線は、絞りSの位置を示している。また、矢印Hは、撮像装置10が使用されるときの水平方向を示している。
図4は、本実施形態の光学領域D1およびD2の光学特性を示している。図4に示すように光学領域は2分割されている。光学領域D1は、第1の偏光軸の方向(例えば、水平方向)に偏光した光を主に透過する第1の偏光特性を有し、光学領域D2は、第1の偏光軸の方向と直交した第2の偏光軸の方向(例えば、垂直方向)に偏光した光を主に透過する第2の偏光特性を有する。光学領域D1およびD2は、光の偏光方向が互いに直交した偏光フィルタによって形成され得る。
図5は、アレイ状光学素子Kの斜視図である。アレイ状光学素子Kにおける撮像素子N側の面には、光軸Vに垂直な面内で横方向に細長い複数の光学要素M1が縦方向に配置されている。それぞれの光学要素M1の断面(縦方向の断面)は、撮像素子N側に突出した円弧状の形状を有している。このように、アレイ状光学素子Kはレンチキュラレンズの構成を有している。
図6(a)は、アレイ状光学素子Kおよび撮像素子Nを拡大して示す図であり、図16(b)は、アレイ状光学素子Kと撮像素子N上の画素との位置関係を示す図である。アレイ状光学素子Kは、光学要素M1が形成された面が撮像面Ni側に向かうように配置されている。撮像面Niには、画素Pが行列状に配置されている。画素Pは画素P1およびP2に区別できる。
画素P1は、横方向(行方向)に1行に並んで配置されている。縦方向(列方向)において、画素P1は1つおきに配置されている。また、画素P2は、横方向(行方向)に1行に並んで配置されている。縦方向(列方向)において、画素P2は1つおきに配置されている。画素P1の行と画素P2の行は、縦方向(列方向)に交互に配置されている。
アレイ状光学素子Kは、その光学要素M1の1つが、撮像面Ni上における1行の画素P1および1行の画素P2からなる2行の画素に対応するように配置されている。撮像面Ni上には、画素P1およびP2の表面を覆うようにマイクロレンズMsが設けられている。
アレイ状光学素子Kは、光学素子L2の光学領域D1(図4)を通過した光束B1(図6において実線で示される光束)の大部分が、撮像面Ni上の画素P1に到達し、光学領域D2を通過した光束B2(図6において破線で示される光束)の大部分が、撮像面Ni上の画素P2に到達するように設計されている。具体的には、アレイ状光学素子Kの屈折率、撮像面Niからの距離および光学要素M1表面の曲率半径等のパラメータを適切に設定することで、上記構成が実現する。
上記特性が得られれば、アレイ状光学素子Kのレンチキュラーレンズの突出した円弧状の形状は撮像素子N面と反対側にあってもよく、両方にあってもよい。また、図6では、撮像素子Nと独立して構成されているが、一体となっていてもよい。
図6(b)において、画素P1の群は第1の撮像領域を形成し、画素P2の群は第2の撮像領域を形成する。画素P1の群である第1の撮像領域は、第1の偏光特性を示す光の情報を有する第1の画像信号I1を生成する。画素P2の群である第2の撮像領域は、第2の偏光特性を示す光の情報を有する第2の画像信号I2を生成する。
撮像装置10は、第1の偏光特性を示す光の情報を有する第1の画像信号I1と、第2の偏光特性を示す光の情報を有する第2の画像信号I2とを検知部20(図1)へ出力する。
図1を参照して、検知部20は、画像処理部21と、演算部22と、判定部23とを備える。図7は、検知部20の処理を示すフローチャートである。画像処理部21は、第1の画像信号I1および第2の画像信号I2を入力する(ステップS101)。画像処理部21は、第1および第2の画像信号I1およびI2における被写体(路面)の同じ部分に対応する画像情報(輝度情報等)をそれぞれ抽出し、演算部22に出力する(ステップS102)。演算部22は、第1の画像信号I1に対応する輝度X1と第2の画像信号I2に対応する輝度X2との差分を演算し、演算結果である差分値を判定部23へ出力する(ステップS103)。判定部23は、差分値が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS104)。差分値が閾値以上である場合、判定部23は、路面状態が湿潤状態であると判定し、その判定結果を外部装置へ出力する(ステップS105)。差分値が閾値未満である場合は、判定部23は、路面状態が乾燥状態であると判定し、その判定結果を外部装置へ出力する(ステップS106)。
上述したように、路面を構成するアスファルトのような粗面では、光はほぼ全面乱反射することから、路面が乾燥状態のときには、水平偏光成分と垂直偏光成分の反射光レベルはほとんど同じになる。このため、水平偏光成分から得られた画像の輝度と垂直偏光成分から得られた画像の輝度との差は小さくなる。一方、路面が湿潤状態のとき、水が存在する部分(水濡れ、凍結等の部分)では、水平偏光(P偏光)成分は全て透過し、その下にあるアスファルト面で吸収、反射される。このため、路面からの反射光は垂直偏光(S偏光)成分が大部分となり、水平偏光成分から得られた画像の輝度と垂直偏光成分から得られた画像の輝度との差は大きくなる。このため、第1の画像信号I1に対応する輝度X1と第2の画像信号I2に対応する輝度X2との差分を演算することにより、路面状態が湿潤状態であるか乾燥状態であるかを判定することができる。
また、被写体(路面)の複数の部分に対応するそれぞれの画像に対して、順次上記の処理を行うことにより、路面のどの部分が湿潤状態であり、どの部分が乾燥状態にあるのかを検知することができる。
また、環境光が様々な方向に存在する場合には、最大値画像と最小値画像とを生成し、それらの差分を演算してもよい。最大値画像とは、第1の画像信号I1および第2の画像信号I2における画像位置情報(画像上の座標)が対応する2つの画素(以下、「対応画素対」と呼ぶ)のうち輝度値が大きい方を最大値として対応画素対ごとに(画像上の座標ごとに)選択することによって生成される画像である。最小値画像とは、第1の画像信号I1および第2の画像信号I2における対応画素対のうち輝度値が小さい方を最小値として対応画素対ごとに選択することによって生成される画像である。
外乱光の強度や偏光状態、被写体の状態によっては、光学素子L2の光学領域D1(図4)を通過する光と光学領域D2を通過する光との間で、光成分が逆転する場合がある。この逆転現象は、被写体の部分、すなわち画素ごとに生じ得る。このため、第1の画像信号I1および第2の画像信号I2の対応画素ごとに輝度値を比較し、輝度値の小さい画素のみを集めた最小値画像と、輝度値の大きい画素のみを集めた最大値画像とを生成する。これら生成した最大値画像と最小値画像との差分を演算することにより、ロバスト性を向上させることができる。
なお、上記の処理では、第1の画像信号I1と第2の画像信号I2との間で減算を行っていたが、偏光比や偏光度を演算し、その演算結果に基づいて路面状態を検知してもよい。偏光比および偏光度は、例えば以下の式により演算することができる。
(偏光比)=I1/I2
(偏光度)=(I1−I2)/(I1+I2)
(偏光比)=I1/I2
(偏光度)=(I1−I2)/(I1+I2)
また、上記の偏光比、偏光度の演算式以外の演算を行ってもよい。
また、最大値画像Imaxと最小値画像Iminとの比画像や度合い画像を生成し、それらの画像に基づいて路面状態を検知してもよい。比画像および度合い画像は、例えば以下の式により演算することができる。
(比画像)=Imax/Imin
(度合い画像)=(Imax−Imin)/(Imax+Imin)
(比画像)=Imax/Imin
(度合い画像)=(Imax−Imin)/(Imax+Imin)
また、上記の比画像、度合い画像の演算式以外の演算を行ってもよい。
また、撮像装置10は、モノクロ撮像装置であってもよいし、カラー撮像装置であってもよい。カラー撮像装置である場合は、例えば図8に示すようなカラーフィルタ31が撮像素子Nの画素P1およびP2に対応して配置されていてもよい。この例では、カラーフィルタ31は、R(赤)、G(緑)、B(青)の領域を複数有し、それぞれが1つの画素に対応付けられる。カラー情報も取得することにより、路面と他の物体との区別や、白線や黄線などの区画線や道路標示の区別が容易になり、路面状態の検知の精度をより高くすることができる。
例えば、積雪(非圧雪)状態では、反射光が散乱されるので、偏光情報と輝度情報と色情報とを合わせて用いることにより、路面状態を精度良く検知することができる。また、例えば、偏光情報の差分値が小さく、輝度が高く、彩度が低く、輝度の差が小さい領域であって、白線のような特徴的な形状でない領域を、積雪(非圧雪)状態と検知してもよい。
また、撮像装置10は、図9に示すようなフィルタ32を備えていてもよい。4種類の領域s1、s2、s3、s4にはそれぞれ異なる波長の光を透過させる特性が割り当てられている。例えば、4種類の領域s1、s2、s3、s4には、R(赤)、G(緑)、B(青)、IR(近赤外)が割り当てられてもよい。また、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)、G(黄緑)が割り当てられてもよい。このように4波長の分光フィルタを用いることにより、より多くの情報に基づいた処理が可能となる。
本実施形態の路面状態検知システム1では、単一の撮像系を用いて偏光特性の異なる複数の画像信号を同時に取得し、その複数の画像信号に基づいて路面状態を検知する。特許文献1の方法では、偏光素子を回転させることにより、偏光方向が互いに直交する2種類の光に対応した2種類の画像信号を交互に取得している。しかし、この方法では、水平偏光成分から得られる画像と垂直偏光成分から得られる画像との間にはタイムラグが発生する。2種類の画像信号の取得タイミングが異なることになるため、被写体が変化した場合は、別の被写体を撮影した画像信号になってしまうという課題がある。特に、車両に搭載されたときは、車両の移動に応じて撮影位置が刻々と変化するので、別の被写体を撮影した画像信号になってしまう。そのため、路面状態を精度良く検知することは困難となる。また、偏光素子を回転運動させる機構が必要であるため、装置が大掛かりになるとともに、保守、整備にもコストが掛かる。
一方、本実施形態の路面状態検知システム1では、単一の撮像系を用いて偏光特性の異なる複数の画像信号を同時に取得する。このため、タイムラグが発生せず、同じ撮影位置の複数の画像信号を用いることができるので、路面状態を精度良く検知することができる。また、偏光素子を回転運動させる機構は不要であり、シンプルな構成且つ低コストで路面状態の検知を実現することができる。
また、複数のカメラを使用する場合と比較して、本実施形態では単一の撮像系を用いるため、視差の少ない画像を得ることができ、より精度良く路面状態を検知することができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る路面状態検知システム1を説明する。図10は、本実施形態に係る光学素子L2を被写体側から見た正面図である。光学素子L2の光学領域D1、D2、D3およびD4は、光軸Vに垂直な平面を、光軸Vと交わる2本の直線によって4つに分割した領域である。2本の直線は、光軸Vに垂直な平面において、互いに垂直に交わっている。光学領域D1、D2、D3およびD4は、等しい面積を有しているが、異なっていてもよい。
次に、実施形態2に係る路面状態検知システム1を説明する。図10は、本実施形態に係る光学素子L2を被写体側から見た正面図である。光学素子L2の光学領域D1、D2、D3およびD4は、光軸Vに垂直な平面を、光軸Vと交わる2本の直線によって4つに分割した領域である。2本の直線は、光軸Vに垂直な平面において、互いに垂直に交わっている。光学領域D1、D2、D3およびD4は、等しい面積を有しているが、異なっていてもよい。
図11は、光学領域D1、D2、D3およびD4の光学特性を示している。本実施形態の撮像装置10のレンズ光学系Lは、図11に示す透過偏光特性を有する複数の光学領域を含んでいる。
光学領域D1は、第1の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する。光学領域D2は、第1の偏光軸とは異なる第2の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する。光学領域D3は、第1および第2の偏光軸とは異なる第3の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する。光学領域D4は、第1、第2および第3の偏光軸とは異なる第4の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する。
この例では、第1の偏光軸の方向と第3の偏光軸の方向とは互いに直交している。また、第2の偏光軸の方向と第4の偏光軸の方向とは互いに直交している。また、第1および第3の偏光軸の方向に対して、第2および第4の偏光軸の方向は45度傾いている。光学領域D1からD4は、光の偏光方向が互いに異なる偏光フィルタによって形成され得る。
図12は、アレイ状光学素子Kの斜視図である。アレイ状光学素子Kにおける撮像素子N側の面には、光学要素M2が格子状に配置されている。それぞれの光学要素M2の断面(縦方向および横方向それぞれの断面)は撮像素子N側に突出した円弧状の形状であり、それぞれの光学要素M2は、撮像素子N側に突出している。このように、光学要素M2はマイクロレンズであり、アレイ状光学素子Kは、マイクロレンズアレイとなっている。
図13は、アレイ状光学素子Kと撮像素子Nとを拡大して示す図であり、図14は、アレイ状光学素子Kと撮像素子N上の画素との位置関係を示す図である。アレイ状光学素子Kは、レンズ光学系Lの焦点近傍に配置されており、かつ撮像面Niから所定の距離だけ離れた位置に配置されている。また、アレイ状光学素子Kは、光学要素M2が形成された面が撮像面Ni側を向くように配置されている。
撮像面Niには、画素Pが行列状に配置されている。画素Pは、画素P1、P2、P3およびP4に区別できる。画素P1、P2、P3およびP4はそれぞれ、光学領域D1、D2、D3およびD4を通過した光の大部分が入射する画素である。画素P1の群は第1の撮像領域を形成し、画素P2の群は第2の撮像領域を形成し、画素P3の群は第3の撮像領域を形成し、画素P4の群は第4の撮像領域を形成する。
アレイ状光学素子Kは、光学領域D1を通過した光を、光学領域D1に対応した第1の撮像領域内の画素P1に入射させ、光学領域D2を通過した光を、光学領域D2に対応した第2の撮像領域内の画素P2に入射させ、光学領域D3を通過した光を、光学領域D3に対応した第3の撮像領域内の画素P3に入射させ、光学領域D4を通過した光を、光学領域D4に対応した第4の撮像領域内の画素P4に入射させる。
撮像面Niには、単位領域M2Iが、縦方向および横方向に複数配置されている。それぞれの単位領域M2Iには、2行2列の画素P1〜P4から構成される4つの画素が設けられている。撮像面Niにおける1つの単位領域M2Iは、アレイ状光学素子Kにおける1つの光学要素M2に対応している。撮像面Ni上には、画素P1、P2、P3およびP4の表面を覆うようにマイクロレンズMsが設けられている。
同じ単位領域M2I内に配置される画素P1、P2、P3、P4には、被写体における同じ部分からの光が入射する。
上記特性が得られれば、アレイ状光学素子Kのマイクロレンズアレイの突出した円弧状の形状は撮像素子N面と反対側にあってもよく、両方にあってもよい。また、撮像素子Nと一体となっていてもよい。
撮像素子Nは、撮像領域C1に入射した光の量に応じて第1の画像信号I1を生成し、第2の撮像領域C2に入射した光の量に応じて第2の画像信号I2を生成し、撮像領域C3に入射した光の量に応じて第3の画像信号I3を生成し、撮像領域C4に入射した光の量に応じて第4の画像信号I4を生成する。
撮像装置10は、撮像領域C1、C2、C3およびC4に対応した第1の画像信号I1、第2の画像信号I2、第3の画像信号I3および第4の画像信号I4をそれぞれ出力する。
なお、この例では、光学領域を4分割しているが、光学領域は5分割以上にされていてもよい。光学領域の構造は、設計仕様等を考慮して適宜決定することができる。
検知部20の画像処理部21(図1)は、第1の画像信号I1、第2の画像信号I2、第3の画像信号I3および第4の画像信号I4を入力する。
画像処理部21は、第1の画像信号I1、第2の画像信号I2、第3の画像信号I3および第4の画像信号I4から最大値画像および最小値画像を生成する。画像処理部21は、第1の画像信号I1、第2の画像信号I2、第3の画像信号I3および第4の画像信号I4における対応画素のうち輝度値が小さい画素の画像信号を最小値として対応画素対ごとに選択することによって最小値画像Iminを生成する。画像処理部21は、第1の画像信号I1、第2の画像信号I2、第3の画像信号I3および第4の画像信号I4における対応画素のうち輝度値が大きい画素の画像信号を最大値として対応画素対ごとに選択することによって最大値画像Imaxを生成する。また、対応画素の平均値を演算して平均値画像を生成してもよい。
演算部22は、最大値画像Imaxと最小値画像Iminとの差分を演算し、演算結果である差分値を判定部23へ出力する。判定部23は、差分値が閾値以上であるか否かを判定する。差分値が閾値以上である場合、判定部23は、路面状態が湿潤状態であると判定し、その判定結果を外部装置へ出力する。差分値が閾値未満である場合は、判定部23は、路面状態が乾燥状態であると判定し、その判定結果を外部装置へ出力する。
また、最大値画像Imaxと最小値画像Iminとの比画像や度合い画像を生成し、それらの画像に基づいて路面状態を検知してもよい。比画像および度合い画像は、例えば上述した式により演算することができる。
本実施形態では、第1の画像信号I1、第2の画像信号I2、第3の画像信号I3および第4の画像信号I4から最大値画像Imaxおよび最小値画像Iminを生成し、路面状態の検知に用いる。本実施形態では、4軸の偏光情報を用いて路面状態の検知を行うので、よりロバスト性の高い検知が可能となる。
また、例えば図15に示すようなカラーフィルタ33が撮像素子Nの画素P1、P2、P3およびP4に対応して配置されていてもよい。この例では、カラーフィルタ31は、R(赤)、G(緑)、B(青)の領域を複数有し、それぞれが1つの画素に対応付けられる。また、この例では、R、G、Bのそれぞれが1つの単位領域M2Iに対応付けられているとも言うことができる。カラー情報も取得することにより、路面と他の物体との区別や、白線と黄線との区別が容易になり、路面状態の検知の精度をより高くすることができる。
例えば、積雪(非圧雪)状態では、反射光が散乱されるので、輝度情報と色情報とを合わせて用いることにより、路面状態を精度良く検知することができる。また、例えば、輝度が高く、彩度が低く、輝度の差が小さい領域であって、白線のような特徴的な形状でない領域を、積雪(非圧雪)状態と検知してもよい。
また、撮像装置10は、図16に示すようなフィルタ32を備えていてもよい。4種類の領域s1、s2、s3、s4にはそれぞれ異なる波長の光を透過させる特性が割り当てられている。例えば、4種類の領域s1、s2、s3、s4には、R(赤)、G(緑)、B(青)、IR(近赤外)が割り当てられてもよい。また、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)、G(黄緑)が割り当てられてもよい。このように4波長の分光フィルタを用いることにより、より多くの情報に基づいた処理が可能となる。
また、夜間に路面状態の検知を行う場合は、車両のヘッドライト等の照明装置を用いることになる。そのような照明装置に水平方向Hに対して45度傾いた偏光方向のフィルタを設け、そのような偏光方向の照明光による反射光を高効率で透過する光学フィルタを撮像装置10に設けてもよい。対向車も同じ照明装置を備えていた場合、自車と対向車とは対向しているため、対向車の照明光は、水平方向Hに対して自車とは反対方向に45度傾いた偏光となる。このため、対向車の照明光が自車に直接、あるいは反射して照射されても、撮像装置10の光学フィルタにおける対向車の照明光の透過量は小さいので、ハレーションを低減することができる。この効果で対向車の照明光による人物や区画線や道路標示の消失現象を低減させることもできる。
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る路面状態検知システム1を説明する。図17は、本実施形態に係る路面状態検知システム1を示す図である。実施形態1の路面状態検知システム1(図1)と比較して、本実施形態に係る路面状態検知システム1では、2個の撮像装置10aおよび10bを備えるとともに、検知部20は、測距部24を備えている。本実施形態に係る路面状態検知システム1では、2個の撮像装置10aおよび10bから得られる画像の視差を利用して自装置と被写体との間の距離を測定することができる。
次に、実施形態3に係る路面状態検知システム1を説明する。図17は、本実施形態に係る路面状態検知システム1を示す図である。実施形態1の路面状態検知システム1(図1)と比較して、本実施形態に係る路面状態検知システム1では、2個の撮像装置10aおよび10bを備えるとともに、検知部20は、測距部24を備えている。本実施形態に係る路面状態検知システム1では、2個の撮像装置10aおよび10bから得られる画像の視差を利用して自装置と被写体との間の距離を測定することができる。
図18は、撮像装置10aが備える光学素子L2aと、撮像装置10bが備える光学素子L2bを被写体側から見た正面図である。図18に示すように、光学素子L2aおよびL2bの光学領域は2分割されている。この光学領域の分割方向は、撮像装置10aおよび10bのレンズ中心間の距離である基線長の方向とは異なっている。この例では、光学領域の分割方向は、基線長の方向に対して垂直になっている。これは、視差補正が必要なときのパターンマッチング処理においては、基線長の方向(水平方向)の解像度が高い方が有利であるからである。ただし、必ずしも光学領域の分割方向と基線長の方向は垂直である必要は無い。
また、光学素子L2aの光学領域D1の偏光方向と光学領域D2の偏光方向とは互いに直交している。光学素子L2bの光学領域D1の偏光方向と光学領域D2の偏光方向とは互いに直交している。また、光学素子L2aの光学領域D1およびD2の偏光方向に対して、光学素子L2bの光学領域D1およびD2の偏光方向は45度傾いている。
検知部20の画像処理部21には、2個の撮像装置10aおよび10bのそれぞれから、画像信号が入力される。画像処理部21は、撮像装置10aの画像信号を用いて最大値画像および最小値画像を生成し、演算部22はそれらの差分を演算し、演算結果に基づいて判定部23は路面状態を検知する。また、画像処理部21は、撮像装置10bの画像信号を用いて最大値画像および最小値画像を生成し、演算部22はそれらの差分を演算し、演算結果に基づいて判定部23は路面状態を検知する。このように、撮像装置10aおよび10bのそれぞれの画像信号を用いて路面状態を検知することができる。
また、画像処理部21は、撮像装置10aの画像信号と撮像装置10bの画像信号との間の視差を補正し、撮像装置10aおよび10bから得られる4つの画像信号を用いて最大値画像および最小値画像を生成してもよい。4軸の偏光情報を用いて路面状態の検知を行うことにより、よりロバスト性の高い検知を行うことができる。
また、最大値画像と最小値画像との比画像や度合い画像を生成し、それらの画像に基づいて路面状態を検知してもよい。比画像および度合い画像は、例えば上述した式により演算することができる。
また、例えば図8に示すようなカラーフィルタ31が撮像装置10aおよび10bに設けられていてもよい。カラー情報も取得することにより、路面と他の物体との区別や、白線や黄線などの区画線や道路標示の区別が容易になり、路面状態の検知の精度をより高くすることができる。
例えば、積雪(非圧雪)状態では、反射光が散乱されるので、偏光情報と輝度情報と色情報とを合わせて用いることにより、路面状態を精度良く検知することができる。また、例えば、偏光情報の差分値が小さく、輝度が高く、彩度が低く、輝度の差が小さい領域であって、白線のような特徴的な形状でない領域を、積雪(非圧雪)状態と検知してもよい。
また、図9に示すようなフィルタ32が撮像装置10aおよび10bに設けられていてもよい。このような4波長の分光フィルタを用いることにより、より多くの情報に基づいた処理が可能となる。
また、夜間に路面状態の検知を行う場合は、車両のヘッドライト等の照明装置を用いることになる。そのような照明装置に水平方向Hに対して45度傾いた偏光方向のフィルタを設け、そのような偏光方向の照明光による反射光を高効率で透過する光学フィルタを撮像装置10に設けてもよい。これにより、上述したように、ハレーションや、人物や区画線や道路標示の消失現象を低減させることができる。
また、測距を行う場合、画像処理部21は、撮像装置10aの2つの画像信号を合成した無偏光の画像を生成し、測距部24へ出力する。また、画像処理部21は、撮像装置10bの2つの画像信号を合成した無偏光の画像を生成し、測距部24へ出力する。測距部24は、それら2つの無偏光の画像の間の視差に基づいて、自装置と被写体との間の距離を演算し、得られた距離情報を外部機器へ出力する。
異なる偏光方向の画像同士では、被写体の特定の部分の視差の特定が困難な場合がある。そのため、本実施の形態では、互いに直交する偏光方向に対応した画像信号を合成して無偏光の画像を生成し、無偏光の画像を用いて距離測定を行う。無偏光の画像を用いることで、被写体の特定の部分の視差の特定が容易となり、精度の良い距離測定を行うことができる。
また、光学素子L2aおよびL2bは、図19に示すような偏光方向の偏光フィルタを備えていてもよい。図19の例では、光学素子L2aの光学領域D1、D2、D3およびD4は、図11を用いて説明した光学特性を有している。光学素子L2bの光学領域D1、D2、D3およびD4の偏光方向は、光学素子L2aの光学領域D1、D2、D3およびD4の偏光方向に対して、それぞれ22.5度傾いた偏光方向になっている。このように、より多くの偏光方向に対応させることで、入射する偏光の取得精度を向上させることができる。
(実施形態4)
次に、実施形態4に係る路面状態検知システム1を説明する。図20は、本実施形態に係る光学素子L2を被写体側から見た正面図である。図20は、光学領域D1、D2、D3およびD4の光学特性を示している。
次に、実施形態4に係る路面状態検知システム1を説明する。図20は、本実施形態に係る光学素子L2を被写体側から見た正面図である。図20は、光学領域D1、D2、D3およびD4の光学特性を示している。
光学領域D1およびD4は、第1の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する。光学領域D2およびD3は、第1の偏光軸とは異なる第2の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する。また、光学領域D1およびD2は、波長1.4μmの光を主に透過する特性を有する。光学領域D3およびD4は、波長1.3μmの光を主に透過する特性を有する。これらの光学特性は、偏光フィルタと分光フィルタとを組み合わせて実現してもよい。また、これらの光学領域を透過した光は、図14を用いて説明したように、それぞれ対応する画素に入射して受光される。
路面状態が乾燥状態であるか湿潤状態であるかの検知を行う場合、検知部20は、例えば、光学領域D1およびD2に対応する画像信号を用いて検知を行うことができる。また、検知部20は、光学領域D3およびD4に対応する画像信号を用いて検知を行ってもよいし、光学領域D1、D2、D3およびD4に対応する画像信号の全てを用いて検知を行ってもよい。また、光学領域D1およびD4に対応する画像信号の平均値と、光学領域D2およびD3に対応する画像信号の平均値とを用いて検知を行ってもよい。また、上述したような最大値画像および最小値画像を生成して検知を行ってもよいし、比画像、度合い画像を用いて検知を行ってもよい。また、それらの画像を組み合わせて検知を行ってもよい。
また、本実施形態では、光学領域D1および/またはD2を透過した波長1.4μmの光に対応する画像信号と、光学領域D3および/またはD4を透過した波長1.3μmの光に対応する画像信号とを用いることで、路面の水の状態が、液相状態であるか固相状態であるかを検知することができる。
図21は、水および氷の光の透過率を示す図である。縦軸は透過率、横軸は光の波長を示している。なお、図21では、水および氷の透過率をそれぞれ1.3μmで規格化して表示している。波長1.3μmの光と波長1.4μmの光とでは、水の透過率41は大きく異なっていることがわかる。一方、波長1.3μmの光と波長1.4μmの光とで、氷の透過率42の差は小さい。波長1.3μmの光に対応する画像信号の輝度と、波長1.4μmの光に対応する画像信号の輝度とを比較することで、路面状態が液相状態であるか固相状態であるかを検知することができる。
検知部20の演算部22は、波長1.3μmの光に対応する画像信号の輝度と、波長1.4μmの光に対応する画像信号の輝度との差を演算し、判定部23に出力する。判定部23は、差分値が閾値以上のときは、路面状態は液相状態であると判定する。また、判定部23は、差分値が閾値未満のときは、路面状態は固相状態であると判定する。
また、上述したような最大値画像や最小値画像や差分画像を生成して検知を行ってもよいし、比画像、度合い画像を用いて検知を行ってもよい。また、それらの画像を組み合わせて検知を行ってもよい。
また、波長1.3μmの光と波長1.4μmの光のいずれかに対応する最大値画像や最小値画像や差分画像から路面状態を評価し、路面が凍結しているか否かを判定してもよい。
また、波長の値1.3μmおよび波長1.4μmは一例であり、別の波長の光を用いて検知を行ってもよいし、3種類以上の波長の光を用いて検知を行ってもよい。例えば、光学領域D1、D2、D3およびD4の光学特性を、それぞれ波長1.3μm、1.5μm、1.4μm、1.2μmの光を主に透過する特性としてもよい。
(実施形態5)
次に、実施形態5に係る路面状態検知システム1を説明する。本実施形態に係る路面状態検知システム1では、2個の撮像装置10aおよび10bを備え、自装置と被写体との間の距離を測定することができる。
次に、実施形態5に係る路面状態検知システム1を説明する。本実施形態に係る路面状態検知システム1では、2個の撮像装置10aおよび10bを備え、自装置と被写体との間の距離を測定することができる。
図22は、本実施形態の撮像装置10aが備える光学素子L2aと、撮像装置10bが備える光学素子L2bを被写体側から見た正面図である。光学素子L2aの光学特性は、図20に示す光学特性と同じである。また、光学素子L2bの偏光方向は、光学素子L2aの偏光方向に対して45度傾いている。光学素子L2bの分光特性は、光学素子L2aとで同じである。また、これらの光学領域を透過した光は、図14を用いて説明したように、それぞれ対応する画素に入射して受光される。
路面状態が乾燥状態であるか湿潤状態であるかの検知を行う場合、検知部20は、例えば、撮像装置10aおよび10bの少なくとも一方の光学領域D1およびD2に対応する画像信号を用いて検知を行うことができる。また、検知部20は、光学領域D3およびD4に対応する画像信号を用いて検知を行ってもよいし、光学領域D1、D2、D3およびD4に対応する画像信号の全てを用いて検知を行ってもよい。また、光学領域D1およびD4に対応する画像信号の平均値と、光学領域D2およびD3に対応する画像信号の平均値とを用いて検知を行ってもよい。また、上述したような最大値画像および最小値画像を生成して検知を行ってもよいし、比画像、度合い画像を用いて検知を行ってもよい。また、それらの画像を組み合わせて検知を行ってもよい。これらの処理は、撮像装置10aおよび10bの一方の画像信号を用いて行ってもよいし、撮像装置10aおよび10bの両方の画像信号を適宜組み合わせて行ってもよい。
また、撮像装置10aおよび10bの少なくとも一方の光学領域D1および/またはD2を透過した波長1.4μmの光に対応する画像信号と、撮像装置10aおよび10bの少なくとも一方の光学領域D3および/またはD4を透過した波長1.3μmの光に対応する画像信号とを用いることで、路面の水の状態が、液相状態であるか固相状態であるかを検知することができる。また、上述したような最大値画像および最小値画像を生成して検知を行ってもよいし、比画像、度合い画像を用いて検知を行ってもよい。また、それらの画像を組み合わせて検知を行ってもよい。また、波長1.3μmの光と波長1.4μmの光のいずれかに対応する最大値画像や最小値画像や差分画像から路面状態を評価し、路面が凍結しているか否かを判定してもよい。これらの処理は、撮像装置10aおよび10bの一方の画像信号を用いて行ってもよいし、撮像装置10aおよび10bの両方の画像信号を適宜組み合わせて行ってもよい。
また、波長の値1.3μmおよび1.4μmは一例であり、別の波長の光を用いて検知を行ってもよいし、3種類以上の波長の光を用いて検知を行ってもよい。
また、撮像装置10aおよび10bの両方から得られる波長1.3μmの光に対応する4つの画像信号から最小値画像を生成するともに、撮像装置10aおよび10bの両方から得られる波長1.4μmの光に対応する4つの画像信号から最小値画像を生成してもよい。この場合、波長1.3μmの最小値画像と波長1.4μmの最小値画像の差が大きいときは液相状態と判定し、差が小さいときは固相状態と判定する。また、波長1.3μmの最小値画像と波長1.4μmの最小値画像から、比画像、度合い画像を生成して検知を行ってもよい。
また、夜間に路面状態の検知を行う場合は、車両のヘッドライト等の照明装置を用いることになる。そのような照明装置に水平方向Hに対して45度傾いた偏光方向のフィルタを設け、そのような偏光方向の照明光による反射光を高効率で透過する光学フィルタを撮像装置10aおよび10bに設けてもよい。これにより、上述したように、ハレーションや、人物や区画線や道路標示の消失現象を低減させることができる。
また、測距を行う場合、画像処理部21は、撮像装置10aの4つの画像信号を合成した無偏光の画像を生成し、測距部24へ出力する。また、画像処理部21は、撮像装置10bの4つの画像信号を合成した無偏光の画像を生成し、測距部24へ出力する。測距部24は、それら2つの無偏光の画像の間の視差に基づいて、自装置と被写体との間の距離を演算し、得られた距離情報を外部機器へ出力する。
(実施形態6)
次に、実施形態6に係る路面状態検知システム1を説明する。本実施形態に係る路面状態検知システム1では、2個の撮像装置10aおよび10bを備え、自装置と被写体との間の距離を測定することができる。
次に、実施形態6に係る路面状態検知システム1を説明する。本実施形態に係る路面状態検知システム1では、2個の撮像装置10aおよび10bを備え、自装置と被写体との間の距離を測定することができる。
図23は、本実施形態の撮像装置10aが備える光学素子L2aと、撮像装置10bが備える光学素子L2bを被写体側から見た正面図である。光学素子L2aの光学特性は、図20に示す光学特性と同様である。光学素子L2bの光学特性は、図4に示す光学特性と同様であるが、撮像装置10b全体を90°回転させてある。これらの光学領域を透過した光は、図6および図14を用いて説明したように、それぞれ対応する画素に入射して受光される。
路面状態が乾燥状態であるか湿潤状態であるかの検知を行う場合、検知部20は、例えば、撮像装置10aおよび10bの少なくとも一方の光学領域D1およびD2に対応する画像信号を用いて検知を行うことができる。また、検知部20は、撮像装置10aの光学領域D3およびD4に対応する画像信号を用いて検知を行ってもよいし、光学領域D1、D2、D3およびD4に対応する画像信号の全てを用いて検知を行ってもよい。また、光学領域D1およびD4に対応する画像信号の平均値と、光学領域D2およびD3に対応する画像信号の平均値とを用いて検知を行ってもよい。また、上述したような最大値画像および最小値画像を生成して検知を行ってもよいし、比画像、度合い画像を用いて検知を行ってもよい。また、それらの画像を組み合わせて検知を行ってもよい。これらの処理は、撮像装置10aおよび10bの一方の画像信号を用いて行ってもよいし、撮像装置10aおよび10bの両方の画像信号を適宜組み合わせて行ってもよい。
また、撮像装置10aの光学領域D1および/またはD2を透過した波長1.4μmの光に対応する画像信号と、撮像装置10aの光学領域D3および/またはD4を透過した波長1.3μmの光に対応する画像信号とを用いることで、路面の水の状態が、液相状態であるか固相状態であるかを検知することができる。また、上述したような最大値画像および最小値画像を生成して検知を行ってもよいし、比画像、度合い画像を用いて検知を行ってもよい。また、それらの画像を組み合わせて検知を行ってもよい。また、波長1.3μmの光と波長1.4μmの光のいずれかに対応する最大値画像や最小値画像や差分画像から路面状態を評価し、路面が凍結しているか否かを判定してもよい。
また、撮像装置10aにおける波長の値1.3μmおよび1.4μmは一例であり、別の波長の光を用いて検知を行ってもよいし、3種類以上の波長の光を用いて検知を行ってもよい。
また、撮像装置10bは、モノクロ撮像装置であってもよいし、カラー撮像装置であってもよい。カラー撮像装置である場合は、例えば図8に示すようなカラーフィルタ31が撮像素子Nの画素P1およびP2に対応して配置されていてもよい。また、図9に示すようなフィルタを備えていてもよい。
また、測距を行う場合、画像処理部21は、撮像装置10aの4つの画像信号を合成した無偏光の画像を生成し、測距部24へ出力する。また、画像処理部21は、撮像装置10bの2つの画像信号を合成した無偏光の画像を生成し、測距部24へ出力する。測距部24は、それら2つの無偏光の画像の間の視差に基づいて、自装置と被写体との間の距離を演算し、得られた距離情報を外部機器へ出力する。
(実施形態7)
次に、実施形態7に係る路面状態検知システム1を説明する。本実施形態に係る路面状態検知システム1では、2個の撮像装置10aおよび10bを備え、自装置と被写体との間の距離を測定することができる。
次に、実施形態7に係る路面状態検知システム1を説明する。本実施形態に係る路面状態検知システム1では、2個の撮像装置10aおよび10bを備え、自装置と被写体との間の距離を測定することができる。
図24は、本実施形態の撮像装置10aが備える光学素子L2aと、撮像装置10bが備える光学素子L2bを被写体側から見た正面図である。光学素子L2aの光学特性は、図20に示す光学特性と同様である。光学素子L2bの光学特性は、図11に示す光学特性と同様である。これらの光学領域を透過した光は、図14を用いて説明したように、それぞれ対応する画素に入射して受光される。
路面状態が乾燥状態であるか湿潤状態であるかの検知を行う場合、検知部20は、例えば、撮像装置10aおよび10bの少なくとも一方から得られる画像信号を用いて検知を行うことができる。また、上述したような最大値画像および最小値画像を生成して検知を行ってもよいし、比画像、度合い画像を用いて検知を行ってもよい。また、それらの画像を組み合わせて検知を行ってもよい。これらの処理は、撮像装置10aおよび10bの一方の画像信号を用いて行ってもよいし、撮像装置10aおよび10bの両方の画像信号を適宜組み合わせて行ってもよい。
また、撮像装置10aの光学領域D1および/またはD2を透過した波長1.4μmの光に対応する画像信号と、撮像装置10aの光学領域D3および/またはD4を透過した波長1.3μmの光に対応する画像信号とを用いることで、路面の水の状態が、液相状態であるか固相状態であるかを検知することができる。また、上述したような最大値画像および最小値画像を生成して検知を行ってもよいし、比画像、度合い画像を用いて検知を行ってもよい。また、それらの画像を組み合わせて検知を行ってもよい。また、波長1.3μmの光と波長1.4μmの光のいずれかに対応する最大値画像や差分画像から路面状態を評価し、路面が凍結しているか否かを判定してもよい。
また、撮像装置10aにおける波長の値1.3μmおよび1.4μmは一例であり、別の波長の光を用いて検知を行ってもよいし、3種類以上の波長の光を用いて検知を行ってもよい。
また、撮像装置10bは、モノクロ撮像装置であってもよいし、カラー撮像装置であってもよい。カラー撮像装置である場合は、例えば図15に示すようなカラーフィルタ31が撮像素子Nの画素P1、P2、P3およびP4に対応して配置されていてもよい。また、図16に示すようなフィルタを備えていてもよい。
また、夜間に路面状態の検知を行う場合は、車両のヘッドライト等の照明装置を用いることになる。そのような照明装置に水平方向Hに対して45度傾いた偏光方向のフィルタを設け、そのような偏光方向の照明光による反射光を高効率で透過する光学フィルタを撮像装置10aおよび10bに設けてもよい。これにより、上述したように、ハレーションや、人物や区画線や道路標示の消失現象を低減させることができる。
また、測距を行う場合、画像処理部21は、撮像装置10aの4つの画像信号を合成した無偏光の画像を生成し、測距部24へ出力する。また、画像処理部21は、撮像装置10bの4つの画像信号を合成した無偏光の画像を生成し、測距部24へ出力する。測距部24は、それら2つの無偏光の画像の間の視差に基づいて、自装置と被写体との間の距離を演算し、得られた距離情報を外部機器へ出力する。
(実施形態8)
図25は、実施形態8に係る車両50を示す図である。上述したように、路面状態検知システム1は、例えば車両50に搭載され、車両50が走行する路面60を撮影してその路面状態を検知する。車両50は、例えば表示装置や駆動力制御装置等を備えており、路面状態をユーザへ報知したり、路面状態に応じた駆動力の制御を行ったりすることができる。
図25は、実施形態8に係る車両50を示す図である。上述したように、路面状態検知システム1は、例えば車両50に搭載され、車両50が走行する路面60を撮影してその路面状態を検知する。車両50は、例えば表示装置や駆動力制御装置等を備えており、路面状態をユーザへ報知したり、路面状態に応じた駆動力の制御を行ったりすることができる。
また、路面状態検知システム1は、電柱や信号機等に設けられてもよい。図26は、路面状態検知システム1が設けられた電柱70を示す図である。このように、任意の構造物に路面状態検知システム1を設置し、路面状態を検知してもよい。
また、上記実施形態に係る路面状態検知システム1は、照明装置を備えていてもよい。さらにその光は、偏光特性を有していてもよく、可視光であってもよく、近赤外光であってもよい。たとえば、偏光特性を有する近赤外光を照射し、この近赤外光の反射光を受光して画像信号を生成し、路面状態の検知に用いることで、検知の精度を高めることができる。特に、夜間の路面状態の検知の精度を高めることができる。
また、上記実施形態に係る路面状態検知システム1の各種処理は、ハードウェアによって実現されてもよいしソフトウェアによって実現されてもよいし、それらの組み合わせによって実現されてもよい。そのような処理を実行させるコンピュータプログラムは、例えば路面状態検知システムが備えるメモリに記憶され、路面状態検知システムが備えるマイクロコンピュータによって処理が実行される。また、そのようなコンピュータプログラムは、それが記録された記録媒体(光ディスク、半導体メモリー等)から路面状態検知システムへインストールしてもよいし、インターネット等の電気通信回線を介してダウンロードしてもよい。また、そのようなコンピュータプログラムは、クラウドサーバが備えるメモリに記憶されてもよく、この場合はクラウドサーバが備えるマイクロコンピュータによって路面状態の検知が実行されてもよい。また、クラウドサーバが様々な路面状態のデータを収集して管理、活用してもよい。
本開示の技術は、路面の状態を検知する技術分野において特に有用である。
1 路面状態検知システム
10、10a、10b 撮像装置
20 検知部
21 画像処理部
22 演算部
23 判定部
24 測距装置
50 車両
60 路面
70 電柱
K アレイ状光学素子
L レンズ光学系
L1 レンズ
L2 光学素子
M1、M2 光学要素
M2I 単位領域
Ms マイクロレンズ
N 撮像素子
Ni 撮像面
P 画素
S 絞り
V 光軸
10、10a、10b 撮像装置
20 検知部
21 画像処理部
22 演算部
23 判定部
24 測距装置
50 車両
60 路面
70 電柱
K アレイ状光学素子
L レンズ光学系
L1 レンズ
L2 光学素子
M1、M2 光学要素
M2I 単位領域
Ms マイクロレンズ
N 撮像素子
Ni 撮像面
P 画素
S 絞り
V 光軸
Claims (10)
- レンズおよび互いに異なる光学特性を有する少なくとも2つの光学領域を含むレンズ光学系と、前記レンズ光学系を透過した光が入射する少なくとも2つの撮像領域を有する撮像素子と、前記レンズ光学系と前記撮像素子との間に配置され、前記少なくとも2つの光学領域の各光学領域を通過した光を、前記各光学領域に対応した前記少なくとも2つの撮像領域の各撮像領域に入射させるアレイ状光学素子とを有する撮像装置であって、前記各光学領域を通過した光の情報を有し、前記各撮像領域から取得される複数の画像信号を出力する撮像装置と、
前記複数の画像信号に基づいて、路面状態を検知する検知部と、
を備えた、路面状態検知システム。 - 前記少なくとも2つの光学領域は、
第1の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第1の光学領域と、
前記第1の偏光軸とは異なる第2の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第2の光学領域と、
を備え、
前記少なくとも2つの撮像領域は、
前記第1の光学領域を通過した光が入射する第1の撮像領域と、
前記第2の光学領域を通過した光が入射する第2の撮像領域と、
を備え、
前記第1の撮像領域は、前記第1の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第1の画像信号を生成し、
前記第2の撮像領域は、前記第2の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第2の画像信号を生成し、
前記検知部は、前記第1の画像信号と前記第2の画像信号とに基づいて、路面状態を検知する、請求項1に記載の路面状態検知システム。 - 前記検知部は、前記第1の画像信号から得られる輝度と、前記第2の画像信号から得られる輝度との大小関係に基づいて、路面状態が乾燥状態であるか湿潤状態であるかを検知する、請求項2に記載の路面状態検知システム。
- 前記少なくとも2つの光学領域は、
第1の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第1の光学領域と、
前記第1の偏光軸とは異なる第2の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第2の光学領域と、
前記第1および第2の偏光軸とは異なる第3の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第3の光学領域と、
前記第1、第2および第3の偏光軸とは異なる第4の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第4の光学領域と、
を備え、
前記少なくとも2つの撮像領域は、
前記第1の光学領域を通過した光が入射する第1の撮像領域と、
前記第2の光学領域を通過した光が入射する第2の撮像領域と、
前記第3の光学領域を通過した光が入射する第3の撮像領域と、
前記第4の光学領域を通過した光が入射する第4の撮像領域と、
を備え、
前記第1の撮像領域は、前記第1の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第1の画像信号を生成し、
前記第2の撮像領域は、前記第2の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第2の画像信号を生成し、
前記第3の撮像領域は、前記第3の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第3の画像信号を生成し、
前記第4の撮像領域は、前記第4の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第4の画像信号を生成し、
前記検知部は、前記第1、第2、第3および第4の画像信号のうちの少なくとも2つの画像信号に基づいて、路面状態を検知する、請求項1に記載の路面状態検知システム。 - 前記撮像装置を複数個備え、
前記複数の撮像装置は、第1の撮像装置および第2の撮像装置を含み、
前記第1の撮像装置の前記少なくとも2つの光学領域は、
第1の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第1の光学領域と、
前記第1の偏光軸とは異なる第2の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第2の光学領域と、
を備え、
前記第2の撮像装置の前記少なくとも2つの光学領域は、
前記第1および第2の偏光軸とは異なる第3の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第3の光学領域と、
前記第1、第2および第3の偏光軸とは異なる第4の偏光軸の方向に偏光した光を主に透過する特性を有する第4の光学領域と、
を備え、
前記第1の撮像装置の前記少なくとも2つの撮像領域は、
前記第1の光学領域を通過した光が入射する第1の撮像領域と、
前記第2の光学領域を通過した光が入射する第2の撮像領域と、
を備え、
前記第2の撮像装置の前記少なくとも2つの撮像領域は、
前記第3の光学領域を通過した光が入射する第3の撮像領域と、
前記第4の光学領域を通過した光が入射する第4の撮像領域と、
を備え、
前記第1の撮像領域は、前記第1の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第1の画像信号を生成し、
前記第2の撮像領域は、前記第2の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第2の画像信号を生成し、
前記第3の撮像領域は、前記第3の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第3の画像信号を生成し、
前記第4の撮像領域は、前記第4の偏光軸の方向に偏光した光に対応する第4の画像信号を生成し、
前記検知部は、前記第1、第2、第3および第4の画像信号のうちの少なくとも2つの画像信号に基づいて、路面状態を検知する、請求項1に記載の路面状態検知システム。 - 前記検知部は、前記第1、第2、第3および第4の画像信号のうちの少なくとも2つの画像信号から得られる輝度同士の大小関係に基づいて、路面状態が乾燥状態であるか湿潤状態であるかを検知する、請求項4または5に記載の路面状態検知システム。
- 前記少なくとも2つの光学領域は、
第1の偏光軸の方向に偏光した第1の波長の光を主に透過する特性を有する第1の光学領域と、
前記第1の偏光軸の方向に偏光し、前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を主に透過する特性を有する第2の光学領域と、
前記第1の偏光軸とは異なる第2の偏光軸の方向に偏光した第2の波長の光を主に透過する特性を有する第3の光学領域と、
前記第2の偏光軸の方向に偏光した第1の波長の光を主に透過する特性を有する第4の光学領域と、
を備え、
前記少なくとも2つの撮像領域は、
前記第1の光学領域を通過した光が入射する第1の撮像領域と、
前記第2の光学領域を通過した光が入射する第2の撮像領域と、
前記第3の光学領域を通過した光が入射する第3の撮像領域と、
前記第4の光学領域を通過した光が入射する第4の撮像領域と、
を備え、
前記第1の撮像領域は、前記第1の偏光軸の方向に偏光した第1の波長の光に対応する第1の画像信号を生成し、
前記第2の撮像領域は、前記第1の偏光軸の方向に偏光した第2の波長の光に対応する第2の画像信号を生成し、
前記第3の撮像領域は、前記第2の偏光軸の方向に偏光した第2の波長の光に対応する第3の画像信号を生成し、
前記第4の撮像領域は、前記第2の偏光軸の方向に偏光した第1の波長の光に対応する第4の画像信号を生成し、
前記検知部は、前記第1、第2、第3および第4の画像信号のうちの少なくとも2つの画像信号に基づいて、路面状態が乾燥状態であるか湿潤状態であるかを検知し、
前記検知部は、前記第1および第4の画像信号のうちの少なくとも一方と、前記第2および第3の画像信号のうちの少なくとも一方とに基づいて、路面の水の状態が液相状態であるか固相状態であるかを検知する、請求項1に記載の路面状態検知システム。 - 前記撮像装置を複数個備え、
前記複数の撮像装置は、第1の撮像装置および第2の撮像装置を含み、
前記第1の撮像装置が出力した前記複数の画像信号の少なくとも1つの画像信号と、前記第2の撮像装置が出力した前記複数の画像信号の少なくとも1つの画像信号との間の視差に基づいて、被写体までの距離を測定する測距部をさらに備えた、請求項1から7のいずれかに記載の路面状態検知システム。 - 請求項1から8のいずれかに記載の路面状態検知システムを備えた車両。
- 路面状態を検知する処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムは、
レンズおよび互いに異なる光学特性を有する少なくとも2つの光学領域を含むレンズ光学系と、前記レンズ光学系を透過した光が入射する少なくとも2つの撮像領域を有する撮像素子と、前記レンズ光学系と前記撮像素子との間に配置され、前記少なくとも2つの光学領域の各光学領域を通過した光を、前記各光学領域に対応した前記少なくとも2つの撮像領域の各撮像領域に入射させるアレイ状光学素子とを有する撮像装置から出力される複数の画像信号であって、前記各光学領域を通過した光の情報を有する複数の画像信号を入力するステップと、
前記複数の画像信号に基づいて、路面状態を検知するステップと、
を前記コンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018025528A (ja) * | 2016-04-06 | 2018-02-15 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 検知装置、検知方法及び検知プログラム |
JP2018205186A (ja) * | 2017-06-06 | 2018-12-27 | 株式会社豊田中央研究所 | 路面状態判定装置及び路面状態判定プログラム |
WO2019058682A1 (ja) * | 2017-09-20 | 2019-03-28 | ヤマハ発動機株式会社 | 路面検出装置及び車両 |
KR102359843B1 (ko) * | 2021-04-14 | 2022-02-09 | 정태웅 | 다중 편광 카메라를 이용하여 노면 상태를 진단하는 장치 및 방법 |
KR20220094610A (ko) | 2020-12-29 | 2022-07-06 | 한국기계연구원 | 초점이탈을 이용한 노면상태 탐지장치 및 탐지방법 |
DE102020203293B4 (de) | 2020-03-13 | 2022-09-08 | Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung eingetragener Verein | Eine Vorrichtung zum Erkennen von Wasser auf einer Oberfläche und ein Verfahren zum Erkennen von Wasser auf einer Oberfläche |
-
2014
- 2014-04-01 JP JP2014075059A patent/JP2015197358A/ja active Pending
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