JP2015196966A - 地盤調査方法 - Google Patents

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

【課題】必要最低限の試験によってより精度の高い地盤の調査結果を導くことが可能となる地盤調査方法を提供する。【解決手段】地盤の状況を調査する地盤調査方法である。そして、調査対象地盤に対してスウェーデン式サウンディング試験を行う予備試験工程と、その結果に基づいて調査対象地盤の液状化判定を行う液状化判定工程と、液状化する地盤ではないと判定された場合に、調査対象地盤が軟弱地盤であるか否かを判定する軟弱地盤判定工程と、軟弱地盤と判定された場合に、補強不要となる可能性がある地盤を所定の条件によって選別する選別工程と、その選別によって補強不要となる可能性がある地盤と判定された場合に、表面波探査試験を行う表面波探査工程と、その結果に基づいて補強の要否を判定する補強要否判定工程とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、液状化地盤、軟弱地盤、地震波増幅地盤など地盤の状況を調査する地盤調査方法に関するものである。
地盤上に住宅などの建物を建てる際には、建物の重量を支持できるだけの地耐力があるか否かを調査することに加えて、地震によって被害を受ける地盤でないかどうかを調査することが望ましい。
例えば、特許文献1,2には、建設現場でスウェーデン式サウンディング試験を行うことによって、その地盤の土質(砂質土か否か)、地下水位及び換算N値を調査し、その結果に基づいて液状化が起きる地盤か否かを判定する手法が開示されている。
また、特許文献3,4には、レイリー波などの表面波を利用した表面波探査による地盤解析方法が開示されている。この表面波探査による地盤解析方法では、起振機によって地盤に加えられた振動を離れた位置に配置された複数の検出器で検出させることによって、地盤の強度や地層構造などを解析する。
一方、特許文献1には、地盤解析が適切に行われなかったり過剰に安全側の判断がされたりした場合に、不必要な地盤改良工事が行われたり、環境への過剰な負荷が与えられたりするという問題が指摘されている。
そこで、特許文献1では、適切な基礎仕様を判定するために、スウェーデン式サウンディング試験の結果を使って圧密沈下量を推定し、その推定した圧密沈下量及びそこから算出される傾斜角を使って地盤の解析精度を上げる手法が提案されている。
特開2014−37745号公報 特開2007−16442号公報 特開2005−127760号公報 特開平9−178863号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている手法のように、スウェーデン式サウンディング試験の結果だけを使って正確に地盤の状況を推定するには限界がある。
他方、特許文献3,4に開示されている表面波探査試験をすべての地盤に対して行うとなると、地盤調査の費用と期間が増加することになるため、補強の必要のない地盤に住宅を建てる場合には、負担が増えるだけでメリットがない。
そこで、本発明は、必要最低限の試験によってより精度の高い地盤の調査結果を導くことが可能となる地盤調査方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の地盤調査方法は、地盤の状況を調査する地盤調査方法であって、調査対象地盤に対してスウェーデン式サウンディング試験を行う予備試験工程と、前記予備試験工程の結果に基づいて前記調査対象地盤の液状化判定を行う液状化判定工程と、前記液状化判定工程において液状化する地盤ではないと判定された場合に、前記調査対象地盤が軟弱地盤であるか否かを判定する軟弱地盤判定工程と、前記軟弱地盤判定工程で軟弱地盤と判定された場合に、補強不要となる可能性がある地盤を所定の条件によって選別する選別工程と、前記選別工程において補強不要となる可能性がある地盤と判定された場合に、表面波探査試験を行う表面波探査工程と、前記表面波探査工程の結果に基づいて補強の要否を判定する補強要否判定工程とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記軟弱地盤判定工程で軟弱地盤と判定された地盤に対しては、すべて表面波探査試験を行う表面波探査工程を実施することができる。また、前記補強要否判定工程では、前記調査対象地盤の補強の要否を判定する構成とすることができる。
一方、前記選別工程の所定の条件は、少なくとも新規盛土でないこと、擁壁に対する埋戻し地盤でないこと及び擁壁異常がないことに設定することができる。
このように構成された本発明の地盤調査方法は、スウェーデン式サウンディング試験を行う予備試験工程の結果に基づいて液状化判定を行う。続いて、液状化する地盤ではないと判定された場合に、軟弱地盤であるか否かの判定を行う。
そして、軟弱地盤と判定された地盤の中から、補強不要となる可能性がある地盤を選別し、選別された地盤に対してのみ表面波探査試験を行い、表面波探査試験の結果に基づいて最終的な補強の要否を判定する。
このため、調査対象地盤にとって必要最低限の試験のみを行うことによって、より精度の高い地盤の調査結果を導き出すことができる。例えば、調査対象地盤の補強の要否を判定することで、建物に必要となる性能を合理的に判断することができるようになる。
また、地盤の増幅判定を行う場合は、軟弱地盤と判定されたすべての地盤について表面波探査試験を実施することで、条件的には補強が必要と考えられる地盤の中からも補強を省略できる地盤を抽出することができるようになる。
さらに、表面波探査試験を行わなくても補強が必要となる可能性が高い地盤を、新規盛土でないこと、擁壁に対する埋戻し地盤でないこと及び擁壁異常がないことというような特別な試験を行わなくても判定できる条件によって除外することで、表面波探査試験を実施する地盤をより絞り込むことができる。
本実施の形態の地盤調査方法の処理の流れを説明するフローチャートである。 従来の地盤調査方法の処理の流れを説明するフローチャートである。 複数の試験方法によって行われた試験結果を比較した図である。 スウェーデン式サウンディング試験結果による液状化判定を説明するための図である。 軟弱地盤の判定例を説明するための図である。 長期許容応力度を説明するための図である。 実施例の地盤調査方法の処理の流れを説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態の地盤調査方法は、住宅などの建物を建設する調査対象地盤に対して、直接、適用される。すなわち、建物の建設現場における現地踏査、その建設現場に関する資料調査、調査対象地盤の1地点又は複数地点に対する後述する試験などが実施される。
現地踏査は、文字通り建設現場に赴いて、調査対象地盤の地表の状態や、周辺の地盤、道路及び構造物(建物や擁壁等)の状況などを目視等で調査する方法である。
通常、調査対象地盤は更地となっているため、地表の状態を直接観察することができる。また、建設現場の周りの道路の表面にひび割れが発生していないか、建設現場周辺の擁壁や建物の壁にひび割れや傾きが発生していないかなどを調査する。
また、資料調査では、調査対象地盤の近辺で過去にボーリングやサウンディング等の地盤調査が行われていないかを調べ、存在すれば調査対象地盤の状況を判断する資料として利用する。近接している地域では、地層構造や地下水位など地盤状況が類似している場合が多いためである。
さらに、調査対象地盤の1地点又は複数地点において、スウェーデン式サウンディング試験を行う。スウェーデン式サウンディング試験とは、地盤にスクリューポイントをねじ込む際の貫入抵抗を測定する試験である。
スクリューポイントは、継ぎ足すことによって長さの調整が可能なロッドの先端に固定されており、ロッドの上端にはハンドルが設けられている。また、ロッドは、回転時に振れが発生しないように固定板によって水平方向の変位が拘束されるとともに、分銅が装着できるようになっている。
そして、所定の重量の分銅を装着した状態でハンドルを所定の回数だけ回転させ、その際のロッドの貫入量を貫入抵抗として測定する。また、測定された貫入量からN値や一軸圧縮強さに換算する推定式も広く使用されている。
さらに、スウェーデン式サウンディング試験を実施することによって地盤に穿孔された孔を利用して、調査対象地盤の地下水位の位置(高さ)を確認することができる。また、スクリューポイントやロッドに付着した土からの推定、あるいは先端に土を採取可能なサンプラーを取り付けて確認するなどの方法により、砂質土や粘性土といった大まかな土質判定をすることができる。
一方、表面波探査試験は、地盤の表面に当てた起振機によって人工的に発生させたレイリー波を、起振機から離れた位置に設置された複数のセンサ(検出器)で測定することで、地盤の硬さを調べる調査方法である。
要するに、物質が硬質になれば伝播速度も速くなることを利用して、調査対象地盤が硬質であるか軟質であるかなどの硬さの度合いを伝播速度の大きさから推定する方法である。
詳細には、起振機から異なる距離に設置された2つのセンサによって、起振機から地盤に付与されたレイリー波を検出した時間を検出する。2つのセンサは異なる位置に設置されているため、検出時間には時間差が生じる。そこで、2つのセンサ間の距離と検出時間の時間差とから、表面波の伝播速度(S波速度)を算出する。
この時間差を正確に求めるためには、スペクトルアナライザーを使用して検出信号からノイズを完全に除去する必要があるため、調査には時間と費用がかかる。
他方、調査に時間や高額な費用をかけてでも精度の高い調査結果が必要な場合には、平板載荷試験が行われる。この平板載荷試験にかかる費用は、表面波探査試験に比べて格段に大きい。
平板載荷試験は、調査対象地盤の表面に設置された平板に直接荷重を加えて沈下量を測定する方法であるため、原位置の地盤の評価を高精度で行うことができる。
しかしながら平板載荷試験は、試験装置が大掛かりになるうえに、載荷時間や分析などに時間を要するため、戸建て住宅の地盤調査に適用されることはほとんどない。
図3は、上述した3つの試験方法によって行われた試験結果を比較した図である。ここで、「平板載荷」は平板載荷試験を指し、「表面波」は表面波探査試験を指し、「SWS」はスウェーデン式サウンディング試験を指す。
この試験結果は、調査対象地盤の長期地耐力を各試験結果からそれぞれ推定したものである。試験は、異なる地盤状況の調査となるように、地理的に非常に離れた2つの地域における現場A,Bでそれぞれ行った。
この試験結果を見ると、現場A,Bのいずれにおいても、平板載荷試験の結果が一番大きな長期地耐力を示しており、表面波探査試験の結果は平板載荷試験の値を少し下回る値となった。
ここで、平板載荷試験の結果を正解値とすると、それを下回る表面波探査試験及びスウェーデン式サウンディング試験の結果は、実際よりも調査対象地盤の地耐力を低めに評価していることになる。
地耐力が低めに評価された場合、それを高めるために調査対象地盤に対して補強などが行われることになるため、安全側の判断ではあるが、本来必要でない補強を行っているとすれば、合理的とは言えない。
そして、安全側の評価の中でも、スウェーデン式サウンディング試験の値は平板載荷試験の値の半分程度であり、スウェーデン式サウンディング試験の試験結果だけで判断をすれば、過剰な補強対策となる場合も予想される。
このような現状の中で開発された本実施の形態の地盤調査方法の処理の流れ及びその作用について、図1を参照しながら説明する。
まず、ステップS1では、調査対象地盤のある建設現場の現地踏査及び資料調査を行う。この現地踏査及び資料調査では、調査対象地盤が、(1)新規盛土であるか否か、(2)擁壁に対する埋戻し地盤であるか否か、(3)建設現場周辺に設けられている擁壁に傾き、ひび割れ又は破損箇所などの異常がないか、(4)材木やコンクリートの破砕物などの廃棄物が埋まっていたり地中障害物が存在したりしないか、(5)建設現場周辺の建物や道路などの構造物にひび割れなどの異常がないか、なども調査する。
続いて、ステップS1の結果や設計図面などに基づいて、調査対象地盤の範囲内の1地点又は数地点を、スウェーデン式サウンディング試験を実施する箇所に特定する。
そしてステップS2では、地盤にスクリューポイントを自沈又は回転させながらねじ込むことでスウェーデン式サウンディング試験を実施し、調査対象地盤の測定地点の貫入抵抗を測定する。
また、スウェーデン式サウンディング試験によって測定された貫入量を使って、換算N値を算出する。この換算N値によって、調査対象地盤の大まかな硬さや地耐力を知ることができる。
さらに、スウェーデン式サウンディング試験によって穿孔された孔の地下水位を測定することによって、地下水位の高さの概略値を知ることができる。また、スクリューポイントやロッドに付着した土、又はサンプラーによる土質採取から、調査対象地盤のどの程度の深さにまで砂質土が存在するかを知ることができる。
そこでステップS3では、このスウェーデン式サウンディング試験によって得られた結果から、調査対象地盤が液状化する地盤か否かを判定する。液状化のおそれのある地盤とは、地下水位が高い(浅い)軟弱な砂質土である。
このため、スウェーデン式サウンディング試験の結果が、地下水位が高く、砂質土地盤であって換算N値も限界N値より小さいとなった場合は、液状化する可能性が高いので、「液状化する地盤」と判定してステップS9に移行する。
これに対して、スウェーデン式サウンディング試験の結果では液状化する可能性が高いとまでは言えない場合は、「液状化する危険性は低い」と判定してステップ4に移行し、軟弱地盤か否かの判定を行う。
図4は、液状化する地盤か否かを判定するグラフの一例である。スウェーデン式サウンディング試験による測定結果が右下がりの曲線の左側領域に入る場合、その層では液状化が起きる可能性が高いといえる。
軟弱地盤か否かの判定も、スウェーデン式サウンディング試験の結果から推定された換算N値に基づいて行う。このステップS4で、換算N値(調査対象地盤の評価が安全側となる値)で判断しても、充分に硬い地盤と判定された場合は、「軟弱地盤ではない」と判定してステップS8に移行する。
続いて、図5を参照しながら軟弱地盤か否かの判定の一例について説明する。ここではまず、地盤の長期地耐力を図5に示した式を使って算定する。この「長期地耐力」とは、直接基礎の接地圧に対応するものとして、杭状地盤補強がされていない状態の有害な沈下が生じるおそれの無い地盤における、一様に得られる地盤の長期許容支持力度のことを指す。また、この図5の式は、「小規模建築物基礎設計指針(日本建築学会)」に記載されている式である。
そして、層毎に算出された長期許容支持力度qaを、基礎底面下2mの範囲で平均し、その結果が30kN/m2未満であれば地盤補強が必要な軟弱地盤であると判断する。
このようにしてステップS4で「軟弱地盤である」と判定された場合は、ステップS5で調査対象地盤が選別ルールに該当するか否かの判定を行う。この選別ルールは、補強不要となる可能性がある地盤を選別するために設定された所定の条件である。
ところで、ここまでの地盤調査方法の処理の流れは、図2に示した従来の地盤調査方法の処理の流れと同じである。本実施の形態のステップS1−S4は、従来のステップS11−S14に該当し、ステップS8,S9は、従来のステップS15,S16に該当する。
ここで、実績を交えて説明すると、ステップS3(S13)で液状化する地盤と判定されるケースは、全体の約20%である。そして、ステップS4(S14)で軟弱地盤ではないと判定されるケースが全体の約43%、軟弱地盤であると判定されるケースが全体の約37%である。
すなわち、従来の地盤調査方法では、ステップS13で液状化する地盤と判定されたケース(約20%)と、ステップS14で軟弱地盤であると判定されたケース(約37%)との合計約57%が、補強が必要な地盤とされていた。
しかしながらこの従来は「補強必要」とされた地盤の中にも、さらに詳細な調査を行うことで「補強不要」となる地盤が存在することが判明した。そこで、本実施の形態では、ステップS5において、調査対象地盤が選別ルールに該当するか否かの判定を行う。
ここで、選別ルールとしては、(条件1)新規盛土でないこと、(条件2)擁壁に対する埋戻し地盤でないこと、(条件3)周辺に設けられている擁壁に異常がないこと、(条件4)廃棄物及び地中障害物が埋設されていないこと、(条件5)周辺構造物に異常がないこと、(条件6)著しい軟弱地盤でないこと、の6つの条件を設定する。
要するに、これらの選別ルールに該当しない地盤、例えば盛土をして間もなく、まだ沈下が収束していないような新規盛土の地盤は、詳細な調査を行わなくとも「補強必要」である可能性が高いため、そのまま「補強必要」のステップS9に移行する。
また、この選別ルールに該当するか否かについては、条件1〜条件5に対しては上述したように現地踏査及び資料調査の結果が利用できる。さらに、条件6の判断に対しては、スウェーデン式サウンディング試験の結果が利用できる。
この選別ルールによってステップS9に移行するケースは、全体の約17%であり、選別ルールに該当してステップS6の表面波探査試験を行うケースは、全体の約20%である。
そこで、この全体の約20%の調査対象地盤に対して表面波探査試験を実施する。表面波探査試験を追加で行うということは、スウェーデン式サウンディング試験のみで済ます場合と比べて、試験にかかる時間と費用が増加することになるが、補強の費用に比べれば試験の費用は充分に安価であり、工期も短縮できる。
そして、表面波探査試験の結果に基づいて、ステップS7では調査対象地盤に補強が必要か否かの判定を行う。補強が必要か否かの判定は、地耐力を判定する場合はS波速度構造から算出した長期許容支持力度(図5参照)を基準に行う。
一方、長期許容応力度は、例えば図6に示した式により算出した一軸圧縮強度quや内部摩擦角φより、平成13年国土交通省告示第1113号第2(1)式にあてはめて各層毎に算出し、基礎底面下より10mの最低値をもって代表させる。その他、基礎底面下2mの平均値、基礎短辺幅の2倍程度までの平均値等で代表させてもよい。
地耐力を判定する場合、このステップS7の判定基準によって、全体の約10%が「補強不要」の地盤になり、残りの約10%が「補強必要」の地盤となる。要するに、本実施の形態の地盤調査方法を適用したことによって、従来は補強が行われていた全体の約10%の補強対策が省略できることになる。
そして、ステップS9に移行して「補強必要」となった調査対象地盤に対しては、増加させたい強度(補強前の地盤の地耐力と必要地耐力との関係)や土質に応じて、適切な地盤改良工法などを選定して補強工事が施される。あるいは建物側で耐震補強を実施する。
このように構成された本実施の形態の地盤調査方法は、スウェーデン式サウンディング試験を行う予備試験工程(ステップS2)の結果に基づいて液状化判定を行う(ステップS3)。続いて、液状化する地盤ではないと判定された場合に、軟弱地盤であるか否かの判定を行う(ステップS4)。
そして、軟弱地盤と判定された地盤の中から、補強不要となる可能性がある地盤を選別し(ステップS5)、選別された地盤に対してのみ表面波探査試験を行い(ステップS6)、表面波探査試験の結果に基づいて補強の要否を判定する(ステップS7)。
このため、調査対象地盤にとって必要最低限の試験のみを行うことによって、より精度の高い地盤の調査結果を導き出すことができる。要するに、詳細な試験を行わなくても補強が必要な地盤に対しては、それ以上の試験を行うことなく「補強必要」と判定して具体的な補強方法の検討に移行する。
これに対して表面波探査試験を行うことで補強が必要か否かを高精度で判定することが可能になる場合は、表面波探査試験を追加することで、行う必要がない補強工事を省略することができるようになる。
また、調査対象地盤の補強の要否を正確に判定することで、建物に必要となる制震性能や免震性能を合理的に判断することができるようになる。すなわち、地盤の評価が実際よりも低い場合には、過剰に制震装置や免震装置を設けてしまうことになるが、地盤が適切に評価されて必要に応じて補強がされるのであれば、そのような無駄を省くことができる。
以下、前記した実施の形態とは別の形態の地盤調査方法について、図7を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一符号又は同一用語を使って説明する。
前記実施の形態では、地盤の地耐力判定を行う場合の地盤調査方法について説明した。これに対して本実施例では、地盤の増幅判定を行う場合について説明する。
ここで、「地盤の増幅」とは、切土盛土などの地盤条件によって局所的に地震波が大きく増幅することをいう。このような地盤を事前に特定しておくことで、地震被害を低減又は防止することができる。
地盤の増幅判定を行う場合も、まずステップS21で調査対象地盤のある建設現場の現地踏査及び資料調査を行う。続いて、ステップS22では、地盤にスクリューポイントを自沈又は回転させながらねじ込むことでスウェーデン式サウンディング試験を実施し、調査対象地盤の測定地点の貫入抵抗を測定する。
また、ステップS23では、このスウェーデン式サウンディング試験によって得られた結果から、調査対象地盤が液状化する地盤か否かを判定する。そして、液状化する可能性が高いと判定された場合はステップS29に移行する。
これに対して、スウェーデン式サウンディング試験の結果では液状化する可能性が高いとまでは言えない場合は、「液状化する危険性は低い」と判定してステップ24に移行し、軟弱地盤か否かの判定を行う。
このステップS24で、換算N値で判断しても充分に硬い地盤と判定された場合は、「軟弱地盤ではない」と判定してステップS28に移行する。他方、ステップS24で「軟弱地盤である」と判定された場合は、ステップS26に移行して表面波探査試験を行う。
そして、表面波探査試験の結果に基づいて、ステップS27では調査対象地盤に補強が必要か否かの判定を行う。補強が必要か否かの判定は、増幅判定の場合は表層地盤増幅率を基準に行う。
表層地盤増幅率とは、地表近くの表層地盤の地震時の揺れの大きさを数値化したものであり、地震に対する地盤の弱さを示す。この表層地盤増幅率は、表面波探査試験によって得られた調査対象地盤のS波速度から算出することができる。
表層地盤増幅率は、数値が大きいほど地盤が弱く揺れも大きくなるといわれている。過去の実験結果等の知見から、周期0.4secにおいて1.7倍を基準値としてその基準値以上の表層地盤増幅率が算出された場合は、補強が必要であると判定する。
このように地盤の増幅判定を行う場合は、軟弱地盤と判定されたすべての地盤について表面波探査試験を実施する。その結果、前記実施の形態で説明したような選別ルールでは条件的に補強が必要と考えられる地盤の中からも、補強を省略できる地盤を抽出することができるようになる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態及び実施例では、ステップS9,S29の「補強必要」になった場合に、地盤改良などによって調査対象地盤を補強する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、地盤改良を行わなくても、建物に対する制振補強や免震補強をすることによって、同等の地震対策ができるのであれば、ステップS9,S29の補強が制振補強や免震補強であってもよい。
また、前記実施の形態では、選別ルールとして6つの条件を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、列記した以外の条件が加わったり、上述した6つの条件と入れ替わったりしてもよい。さらに、選別ルールをもっと絞って5つ以下にすることもできる。

Claims (4)

  1. 地盤の状況を調査する地盤調査方法であって、
    調査対象地盤に対してスウェーデン式サウンディング試験を行う予備試験工程と、
    前記予備試験工程の結果に基づいて前記調査対象地盤の液状化判定を行う液状化判定工程と、
    前記液状化判定工程において液状化する地盤ではないと判定された場合に、前記調査対象地盤が軟弱地盤であるか否かを判定する軟弱地盤判定工程と、
    前記軟弱地盤判定工程で軟弱地盤と判定された場合に、補強不要となる可能性がある地盤を所定の条件によって選別する選別工程と、
    前記選別工程において補強不要となる可能性がある地盤と判定された場合に、表面波探査試験を行う表面波探査工程と、
    前記表面波探査工程の結果に基づいて補強の要否を判定する補強要否判定工程とを備えたことを特徴とする地盤調査方法。
  2. 地盤の状況を調査する地盤調査方法であって、
    調査対象地盤に対してスウェーデン式サウンディング試験を行う予備試験工程と、
    前記予備試験工程の結果に基づいて前記調査対象地盤の液状化判定を行う液状化判定工程と、
    前記液状化判定工程において液状化する地盤ではないと判定された場合に、前記調査対象地盤が軟弱地盤であるか否かを判定する軟弱地盤判定工程と、
    前記軟弱地盤判定工程で軟弱地盤と判定された場合に、表面波探査試験を行う表面波探査工程と、
    前記表面波探査工程の結果に基づいて補強の要否を判定する補強要否判定工程とを備えたことを特徴とする地盤調査方法。
  3. 前記補強要否判定工程では、前記調査対象地盤の補強の要否を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の地盤調査方法。
  4. 前記選別工程の所定の条件は、少なくとも新規盛土でないこと、擁壁に対する埋戻し地盤でないこと及び擁壁異常がないことであることを特徴とする請求項1に記載の地盤調査方法。
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