JP2015195794A - 魚養殖用カプセル - Google Patents
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Abstract
【課題】魚に与える魚粉や動植物系のたんぱく質や炭水化物、ビタミン剤、油脂などからなる栄養分、または薬品を、栄養分または薬品を周囲の飼育水に溶出させることなく、魚が摂取しても問題ない膜で被覆し、魚に直接摂取させることができる養殖用カプセルを提供する。【解決手段】カプセル1内に飼育水の比重に応じた浮力調整用の空間3を設けることにより、カプセル1の比重を変え、底に沈ませることなく飼育水の表層から中間層中に滞留させることができ、カプセル1の残滓率の低減により、海上養殖であれば赤潮発生による周囲環境の汚染リスク、閉鎖循環型の陸上養殖であれば、ろ過装置の負荷や清掃コストの低減が可能となる。【選択図】図1
Description
本発明は、養殖用の稚魚または成魚の各種の飼料または薬剤の摂取方法に関する。
養殖の分野においては、適切な栄養成分を含有する飼料または薬剤を用いて飼育を行うことが重要であり、様々な工夫が凝らされている。例えば、昔は餌として生のイワシ類、サバ類、サンマなどが使用されていたが、保管中の品質悪化や餌由来の病気、残滓による飼育水の汚染といった問題があったため、現在は魚を粉砕、混錬、乾燥させ、補助栄養分を添加したドライペレットと呼ばれる加工餌が主流となっており、保存性、摂餌率の向上が図られている。
特許文献1に記載の方法ではマイクロカプセルに栄養分を閉じ込めるというものがある。これは飼育水に栄養分を溶出させることなく、魚に必要十分な成分を効率よく摂取させることができ、残滓を低減できる。
しかしながら、加工餌が主流となり摂餌率は向上したものの、依然として残滓は発生しており、海上養殖場では赤潮発生による近隣の海洋汚染が問題となっている。また、閉鎖循環型の養殖場では、海洋汚染は無いものの、残滓による水質悪化に伴うろ過装置の負荷、および清掃コストの増加が問題となっている。さらに、閉鎖循環型の養殖においては、採算性の観点から多品種少量生産の形態を採っていることが多く、大手飼料メーカーから提供される汎用品では魚種、成長度に応じた独自の配合成分の調整が困難である。
また、市販の加工餌は加工コストが高く、特にエクストルーダーペレットと呼ばれる高温高圧で成形され消化吸収効率を高めた加工餌は割高である。さらに最近では原料となるイワシなどの大衆魚の漁獲高の減少により、魚粉に由来する加工餌は高騰し、養殖コストに占める比率は極めて高いものとなっている。
また、特許文献1に記載の方法は魚に必要十分な栄養を供給し、残滓を低減できるという点で非常に有効であるが、液体状の成分のみを対象としており、使用できる原料が限られる、または抽出にコストがかかってしまうという問題がある。また、用途が幼魚の餌の飼料用であるため、カプセルの比重が考慮されておらず、カプセルが飼育水の比重よりも軽過ぎれば、カプセルは水面に浮上したままとなり、比較的食欲の旺盛な一部の魚に大部分が摂取され、個体の成長が不均一となる。反対にカプセルが飼育水の比重より重すぎれば、カプセルは底に沈んだままとなり、摂餌率が低下する。さらに特許文献1に記載のマイクロカプセルは粒径が5〜20μmの比較的小さなものであり、固体状の原料を使用するためには、少なくともカプセルの粒径以下に粉砕する必要があるが、20μm以下とするには多大な加工の為のエネルギーを要するため採算が取れない。
本発明の目的は、上記の課題を解決し、摂餌率の高い餌の提供とコスト削減を達成することである。そこで本発明は、魚に与えるタンパク質や炭水化物、ビタミン剤、油脂などからなる栄養分、または薬剤を、魚が摂取しても問題ない膜で被覆し、カプセル状とすることで、栄養分または薬剤を周囲の飼育水に溶出させることなく、魚に摂取させることを可能とする。このときカプセル部に魚が好む成分を付着または混合させることで、魚の餌摂取率をさらに向上させるとともに、魚が自然界では自発的には摂取しない原料を使用することを可能とする。また、カプセル内に栄養分または薬剤とともに、飼育水の比重に応じた浮力調整用の空間を設けることにより、カプセルを底に沈ませることなく飼育水の中間域域に長時間滞留させることができ、一部の魚に偏ることなく、均等に摂取させることができる。
また、魚に与える主な原料であるタンパク分を魚由来のものではなく、タンパク質の転換効率、速度の高い昆虫または植物由来のものとすることで、原材料の多様性が創出でき、現在魚粉に頼っている餌のコストを低減することが可能となる。
本発明によれば、摂餌率を飛躍的に高めることができ、海上養殖であれば赤潮発生による周囲の海洋汚染のリスク、閉鎖循環型の養殖であればろ過装置の負荷や清掃コストの低減が可能となる。また、魚の成長促進と均一な飼育が可能となり、さらには従来よりも餌の原料コストを低減することも可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明の魚の餌はカプセル部(1)、栄養分または薬剤(2)、そして飼育水の比重に応じた浮力調整用の空間(3)からなる。栄養分は魚の成長に必要なタンパク質や炭水化物、油脂、ビタミンなど機能調整成分、ナトリウムやカリウムなどの代謝調整成分から、魚種、およびその成長度、飼育水に応じた成分を任意に選択、調合することができる。
本発明の魚の餌はカプセル部(1)、栄養分または薬剤(2)、そして飼育水の比重に応じた浮力調整用の空間(3)からなる。栄養分は魚の成長に必要なタンパク質や炭水化物、油脂、ビタミンなど機能調整成分、ナトリウムやカリウムなどの代謝調整成分から、魚種、およびその成長度、飼育水に応じた成分を任意に選択、調合することができる。
タンパク質としては魚由来、動物由来、植物由来、昆虫由来どれを用いてもいいが、魚の好むイワシ類、サバ類、アジ類、タンパク質の変換効率が高い大豆、蛆、蚕、ミミズ、ヒルなどが望ましい。これらは未加工のものを用いることもできるが、乾燥粉砕し、粉末状とすることで原料の腐敗を防止し、また、品質や成分のばらつきを抑制することができる。この粉はそのまま用いても良いが、水分を添加し、だんご状に加工して用いることもできる。水分を加え混錬することで比重や粒度によって粉の成分が偏析することを防止することができる。
炭水化物としては、小麦、米、砂糖、とうもろこしなどを用いることができる。ほとんどの海水魚は炭水化物の硝化が困難であるので、雑食性の淡水魚の飼育の場合に使用することが望ましい。
油脂、ビタミンなどはそのまま使用しても良いが、粉末状タンパク質と混錬することで偏析を防止でき、直接体内に取り込むことが可能となる。また、カプセルの溶出時間を調節できることから、従来の餌に比べ摂取時間を長くすることができ、周囲の飼育水に溶出する割合を低減することができる。一般的には与えた餌の2から3割が残滓となって流出するが、本発明のカプセルを使用することでこれらを半減以下とすることができる。
ナトリウム、カリウムなどの魚の浸透圧に関わる成分は、特にこれらの濃度が低い飼育水を用いて養殖する場合に必要であり、尿や鰓のろ過により失われる量を補填することができる。また、これらの浸透圧に関わる成分の添加量を増加させることで、飼育水中のこれらの濃度を低減し、飼育水のランニングコストを削減することが可能である。
薬剤は例えば、成長促進の作用があるホルモン剤、魚病予防用の抗生物質などである。具体的には抗菌性物質の塩酸オキシテトラサイクリン、アンピシリン、サルファ剤のスルファジメトキシン、スルファモノメトキシン、フラン剤のニフルスチレン酸、合成抗菌剤のオキソリン酸、駆虫剤のプラジクアンテル、過酸化水素、麻酔剤のオイゲノール、消毒剤のポビドンヨード、ワクチンなどである。
空間は、カプセル全体(4)の比重が周囲飼育水(5)の比重と同値、またはそれ以下となる量とする。周囲飼育水よりも比重が低いものであれば空気以外のものを用いても良く、例えば油脂などである。空気は粉状タンパク質の混錬により、餌に含ませることが可能であり、水分量と撹拌速度により調整できる。目標の比重は飼育水の成分、温度により異なるが、1.000〜1.035g/cm3の範囲である。比重の調整によりカプセルは飼育水の底(6)に沈むことなく、表層(7)から中間域(8)に長時間滞留することができる。
上記の栄養分を魚が消化可能な膜で被覆することで餌の腐敗、周囲環境への餌の溶出を抑制することができる。膜としてゼラチンや寒天を用いても良いが、これらを固化するためには一度熱処理をする必要があり、その工程で栄養分の一部が変質する恐れがある。そのため、熱処理工程のない、昆布などの海藻類の細胞壁の主成分であるアルギン酸イオンを含む水溶液を2価の金属イオンを含む水溶液に浸漬させることで得られるゲルを使用することが望ましい。このとき2価の金属イオンは、魚の成長を促進する作用のある乳酸カルシウム由来のものが好ましい。
アルギン酸は、β‐D‐マンヌロン酸(以下Mと表記)とそのC‐5エピマーであるα‐L‐グルロン酸(以下Gと表記)の2種のカルボキシル基をもつ単糖が結合した直線状のポリマーであり、その量比によってカルシウムを取り込み金属塩としてゲル化した際の強度が異なる。例えば、M/G比が1−1.5ではカルシウムを取り込み易く膜の強度が高いが、M/G比が0.5〜1では前記と比較して膜の強度が低い。膜の強度は魚種や成長度によって調整することができ、例えば稚魚など体格の小さいものにはM/G比が低く粒径の小さいものを、成魚など体格の大きいものにはM/G比が高く粒径の大きいものを用いるのが望ましい。また、このとき膜の表面または内部に魚が好む成分(9)、例えば魚粉を添加することもできる。この魚が好む成分は栄養分の中に混合して用いても良い。
アルギン酸は、β‐D‐マンヌロン酸(以下Mと表記)とそのC‐5エピマーであるα‐L‐グルロン酸(以下Gと表記)の2種のカルボキシル基をもつ単糖が結合した直線状のポリマーであり、その量比によってカルシウムを取り込み金属塩としてゲル化した際の強度が異なる。例えば、M/G比が1−1.5ではカルシウムを取り込み易く膜の強度が高いが、M/G比が0.5〜1では前記と比較して膜の強度が低い。膜の強度は魚種や成長度によって調整することができ、例えば稚魚など体格の小さいものにはM/G比が低く粒径の小さいものを、成魚など体格の大きいものにはM/G比が高く粒径の大きいものを用いるのが望ましい。また、このとき膜の表面または内部に魚が好む成分(9)、例えば魚粉を添加することもできる。この魚が好む成分は栄養分の中に混合して用いても良い。
粒径は魚の口径、胃の大きさを考慮すると、稚魚であれば0.5〜3mm、成魚であれば2〜15mmが望ましい。
1 カプセル部
2 栄養分
3 空間
4 カプセル全体
5 飼育水
6 飼育水の底
7 飼育水の表層
8 飼育水の中間域
9 魚が好む成分
2 栄養分
3 空間
4 カプセル全体
5 飼育水
6 飼育水の底
7 飼育水の表層
8 飼育水の中間域
9 魚が好む成分
Claims (3)
- カプセル部と、その内部に封入された栄養分または薬品、および飼育水の比重に応じた浮力調整用の空間からなり、粒径が0.5〜15mmであることを特徴とする、稚魚および成魚の養殖用カプセル
- 前記栄養分の内、たんぱく質が、昆虫または植物由来の飼料であることを特徴とする請求項1に記載のカプセル
- 前記カプセル部の表面、またはカプセル成分中に魚が好む成分を付着、または含有させた請求項2に記載のカプセル
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014086832A JP2015195794A (ja) | 2014-03-31 | 2014-03-31 | 魚養殖用カプセル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014086832A JP2015195794A (ja) | 2014-03-31 | 2014-03-31 | 魚養殖用カプセル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015195794A true JP2015195794A (ja) | 2015-11-09 |
Family
ID=54545936
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014086832A Pending JP2015195794A (ja) | 2014-03-31 | 2014-03-31 | 魚養殖用カプセル |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2015195794A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106721374A (zh) * | 2017-03-21 | 2017-05-31 | 道真自治县云庄农牧业发展有限公司 | 一种供兔食用的饲料 |
-
2014
- 2014-03-31 JP JP2014086832A patent/JP2015195794A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106721374A (zh) * | 2017-03-21 | 2017-05-31 | 道真自治县云庄农牧业发展有限公司 | 一种供兔食用的饲料 |
CN106721374B (zh) * | 2017-03-21 | 2020-08-07 | 青岛凯立德生物科技有限公司 | 一种供兔食用的饲料 |
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