JP2015195670A - 電源ユニット - Google Patents

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誠一郎 内尾
Seiichiro Uchio
誠一郎 内尾
牧野 友厚
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友厚 牧野
正彦 小町
Masahiko Komachi
正彦 小町
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Abstract

【課題】 過電圧から電子機器等の負荷を保護しつつ、可能な限り小型化、低コスト化を図ることができる電源ユニットを提供する。
【解決手段】 本発明の電源ユニットは、交流電流を入力する入力部と、入力された交流電流を直流電流に整流する整流回路と、入力部に接続された過電圧保護回路200とを備える。過電圧保護回路200は、電源ラインL1に直列に接続されたヒューズ210と、過電圧が印加されたことに応答して電源ラインL1、L2間に電流経路Pを形成するトライアック220とを有する。上限となる過電圧が印加されたとき、トライアック220が短絡モードで動作するように、ヒューズ210およびトライアック220の定格電流が選択される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、過電圧保護回路を備えた電源ユニットに関し、特に、トライアックを備えた過電圧保護回路に関する。
サージ電圧、静電気、あるいは過電圧等から電子機器や電子装置を保護するために保護装置が利用されている。特許文献1に示される直流電源回路では、DC−DCコンバータが故障により短絡されたとき、ツェナーダイオードにより短絡回路が形成され、ヒューズに定格電流より大きな電流を流すことでヒューズを破壊し、負荷を保護している。また、特許文献2は、出力に定格電圧を上回る過電圧が発生した場合に、入力ライン間を短絡状態にし、入力端子に接続されたヒューズを溶断する過電圧保護回路を開示している。
特開2009−177865号公報 特開2007−43822号公報
パチンコ機やパチスロ機は、電子回路やディスプレイ等の負荷を駆動するために電源ユニットを備えている。電源ユニットは、通常、交流24Vを入力し、これを直流電圧に変換し、変換された直流電圧を各負荷へ供給している。このような電源ユニットの電源プラグの形状は、AC100Vの電源プラグと同じ形状をしているため、誤ってAC100Vの電源プラグを接続してしまうことがある。そのような事態に対処すべく、電源ユニットには、遊技機内の回路等を過電圧から保護する過電圧保護回路が設けられている。しかしながら、過電圧保護回路をAC100Vで動作させるためには、過電圧保護回路を構成する回路素子がAC100Vに対する耐圧を有していなければならず、そうすると、過電圧保護回路を構成する回路素子の耐量を大きくしなければならない。その結果、過電圧保護回路が大型化、高コスト化してしまい、ひいては電源ユニットの小型化、低コスト化を図ることが難しくなってしまうという課題がある。
本発明は、このような従来の課題を解決するために成されたものであり、過電圧から電子機器等の負荷を保護しつつ、可能な限り小型化、低コスト化を図ることができる電源ユニットを提供することを目的とする。
本発明に係る電源ユニットは、交流電流を入力する入力部と、前記入力部に入力された交流電流を直流電流に整流する整流回路と、前記入力部に接続された過電圧保護回路とを備えたものであって、前記過電圧保護回路は、前記入力部の電源ラインに直列に接続されたヒューズと、前記入力部の電源ラインに過電圧が印加されたことに応答して電源ライン間に電流経路を形成するトライアックとを有し、上限となる過電圧が印加されたとき、前記トライアックが短絡モードで動作するように前記ヒューズおよび前記トライアックのそれぞれの定格電流が選択される。
好ましくは、前記入力部は、第1の交流電圧を受け取る第1のプラグと、第2の交流電圧を受け取る第2のプラグとを有し、第1のプラグと第2のプラグの形状が同一である。好ましくは第1の交流電圧は、AC24Vであり、第2の交流電圧は、AC100Vであり、上限の過電圧は第2の交流電圧である。好ましくは電源ユニットのラインインピーダンスが少なくとも0.311Ω以上であるとき、ヒューズの定格電流が15Aであり、トライアックの定格電流が25Aである。好ましくは電源ユニットのラインインピーダンスが少なくとも0.311Ω以上であるとき、ヒューズの定格電流が20Aであり、トライアックの定格電流が40Aである。
本発明によれば、過電圧が入力されたときにトライアックが短絡モードで動作するようにヒューズおよびトライアックのそれぞれの定格電流を選択するようにしたので、従来と比較して、定格電流の小さなトライアックを使用することができる。それ故、過電圧保護回路の小型化、低コスト化、ひいては電源ユニットの小型化、低コスト化を図ることができる。
本発明の実施例に係る過電圧保護回路が用いられる同期整流型電源ユニットの一例を示す図である。 本発明の実施例に係る過電圧保護回路の構成を示す回路図である。 本実施例における試験回路の一例を示す回路図である。 本発明の実施例の試験結果を示すグラフであり、ヒューズAとトライアックBを組合せたときのトライアックの通電電流とヒューズの溶断時間を示すグラフである。 本発明の実施例の試験結果を示すグラフであり、ヒューズAとトライアックCを組合せたときのトライアックの通電電流とヒューズの溶断時間を示すグラフである。 本発明の実施例の試験結果を示すグラフであり、ヒューズBとトライアックCを組合せたときのトライアックの通電電流とヒューズの溶断時間を示すグラフである。
図1は、本発明の実施例に係る電源ユニットの一構成例を示す図である。電源ユニット100は、AC24Vの交流電源を入力する入力部110と、AC24Vを整流する整流回路120と、整流回路120に接続された力率改善回路130とを含んで構成される。整流回路120は、例えばダイオードブリッジ122を含み、AC24Vの交流電圧を整流する。力率改善回路130は、例えば、インダクタL、FET1、FET2、および制御回路132を有する。インダクタLは、整流回路120の正側の電源ラインに直列に接続され、FET1のソースは、インダクタLとノードN1で接続され、FET1のドレインは出力Voutに接続される。FET2のドレインは、ノードN1に接続され、FET2のソースは、グランドラインのノードN2に接続され、FET1およびFET2のゲートには、制御回路132からの制御信号S1、S2が接続される。制御回路132は、好ましくは適切な周波数およびデューテイ比でFET1およびFET2のスイッチングを制御し、力率を1.0に近づける。このような電源ユニット100は、例えば、1つのパチンコ遊技台に搭載される。
電源ユニット100の入力部110には、コンセント部112が設けら、コンセント部112には、AC24Vの電源を入力するためのプラグが設けられる。コンセント部112のプラグの形状が、AC100Vの電源と共通ないし類似していると、コンセント部112に誤ってAC100Vの電源を接続してしまうことがある。このような過電圧から電源ユニット内の回路素子等を保護するため、入力部110に過電圧保護回路200が設けられている。過電圧保護回路200は、入力部110への過電圧に応答して電源ライン間に短絡経路または電流経路を生成するスイッチング素子と、当該スイッチング素子によって生成された電流経路に大きな電流を流すことによって溶断されるヒューズ素子とを備えている。
図2に、本実施例の過電圧保護回路200の回路構成を示す。同図に示すように、過電圧保護回路200は、電源ラインL1に直列に接続されたヒューズ210と、電源ラインL1のノードN1と電源ラインL2のノードN2との間に接続されたトライアック220と、トライアック220と並列に接続されたツェナーダイオードZD1、ZD2と、抵抗R1、R2とを有する。トライアック220のゲートGは、抵抗R1とR2との接続ノードN3に接続され、さらに抵抗R2と並列にコンデンサC1が接続される。
トライアック220は、一方の端子がノードN1に接続され、他方の端子がノードN2に接続され、ゲートGに印加されたゲート電圧およびゲート電流に応答して、両端子間に双方向の電流を流すことができるスイッチング素子である。
ツェナーダイオードZD1は、ノードN1にツェナー電圧よりも大きな逆バイアスの電圧が印加されたとき、一定電圧を生成する。反対に、ツェナーダイオードZD2は、ノードN2にツェナー電圧よりも大きな逆バイアスの電圧が印加されたとき、一定電圧を生成する。抵抗R1、R2は、過電圧が印加されたときにトライアック220を動作させるために必要なゲート電圧およびゲート電流を生成する。電力ラインL1、L2に過電圧、例えば、AC100Vが印加されると、ゲートGにトライアック220をターンオンさせる電圧および電流が生成され、トライアック220が導通し、電源ラインL1、L2間に短絡経路ないし電流経路Pが形成される。AC100Vが入力されたとき、電流経路Pを流れる電流の向きは半波毎に反対となる。また、電源ラインL1に直列に接続されたヒューズ210は、耐量以上の電流が流れたときに溶断する。ここでは、ヒューズ210を電源ラインL1に接続したが、電源ラインL2に接続してもよい。
トライアック220は、ヒューズ210を溶断させるまでの期間、電流経路Pが生成されるように動作されなければならない。もし、ヒューズ210が溶断する前にトライアック220が破壊され、電流経路Pがオープンしてしまうと、電源ユニット内の回路素子や、電源ユニットに接続された負荷を過電圧から保護することができない。従って、通常では、ヒューズ210が溶断するのに十分なマージンを持つようなトライアック220の定格電流が選択される。しかしながら、トライアック220の定格電流が大きくなると、それに応じてトライアック220のサイズが大きくなり、かつコストも高くなってしまう。トライアック220の定格電流を下げることで、トライアック220に破損が生じたとしても、ヒューズ210が溶断されるならば、過電圧保護回路の最終的な目的は達成される。トライアック220に定格電流を超えるサージ電流を一定時間以上流し続ければ、トライアック220は破壊されるが、トライアック220が完全に破壊される前に短絡モードが存在する。トライアック220に定格電流を越えるサージ電流を流したとしても、それがごく短時間であれば、トライアック220の半導体層の一部が破損し、例えば、PN半導体層が短絡し、両端子間に短絡電流が流れる短絡モードが発生する。短絡モードの次に、短絡電流によってトライアックが完全に破壊され、例えば、半導体層に接続された電極等が溶断され、オープンモードによる故障となる。過電圧によってヒューズ210が溶断された場合、電源ユニット100の過電圧保護回路200は、新たな過電圧保護回路200に取り替えられる。従って、仮にトライアック220が破損したとしても、取替えの工数は変わらない。
本実施例では、過電圧保護回路を可能な限り小型化、低コスト化するため、従来よりも小さな定格電流を有するトライアック220を用い、上限となる過電圧(本例では、AC100V)が入力されたとき、トライアック220をオープンモードにより完全に破壊される前の短絡モードで動作させ、その間にヒューズ210を溶断させる。ヒューズ210の耐量は、I×tであり、ヒューズが溶断するための時間tは、定格電流に依存する。ヒューズ210が溶断するための時間tの間、トライアック220は、短絡モードで短絡電流を電流経路Pに流し続ける。
次に、過電圧保護回路の具体的な構成を決定するために行われた試験について説明する。図3は、電源ユニットの試験回路の一例を示している。同図に示すように、試験回路では、AC入力に、電源投入角度可変用にトライアック230が直列に接続され、電源ラインL1、L2間に100KΩの抵抗Raが接続され、ダイオードブリッジ(D1、D2、D3、D4)による整流回路120の出力端に100Ωの抵抗Rbが接続される。また、トライアック220には、通電電流検出のための抵抗Rc、Rdが接続される。トライアック220のゲートGにつながる回路構成は、図2の構成と同様であり、ここでは省略されている。
試験では、定格電流の異なる2つのヒューズと、定格電流が異なる3つのトライアックを用意し、この中から選択されたヒューズとトライアックの組合せを試験回路に使用した。具体的には、冨士端子工業製FGBO125V15Aの定格電流15Aのヒューズ(以下、ヒューズAという)と、同FGBO125V20Aの定格電流20Aのヒューズ(以下、ヒューズBという)を用意した。これは、通常、遊技機の電源ユニットには、定格電流15Aのヒューズまたは定格電流20Aのヒューズが用いられるためである。また、三社電機製作所TMG20C60Fの定格電流20Aのトライアック(以下、トライアックAという)、同TMG25C60Fの定格電流25Aのトライアック(以下、トライアックBという)、同TMG40C60Jの定格電流40Aのトライアック(以下、トライアックCという)を用意した。
試験回路のラインインピーダンスを0.111Ωとし、電源ラインに図示しない抵抗を挿入することで、ラインインピーダンスを、0.161Ω、0.211Ω、0.261Ω、0.311Ωに可変し、5つのラインインピーダンスで試験を行った。試験に用いた最大のラインインピーダンスは0.311Ωであるが、この値は、電源ユニットの配電ブレーカー、配線、中継用圧着端子、コンセントおよびプラグ等を考慮すると、実際のラインインピーダンスよりも小さいと想定されるが、試験回路では、トライアック220により厳しい条件を与えるため実際よりも低いラインインピーダンスを設定した。
ヒューズとトライアックの組合せは、次の通りである。
過電圧保護回路1:ヒューズAとトライアックB
過電圧保護回路2:ヒューズAとトライアックC
過電圧保護回路3:ヒューズBとトライアックC
過電圧保護回路4:ヒューズAとトライアックA
試験回路に過電圧保護回路1ないし4を接続し、入力端子にAC100Vを投入し、ヒューズをオープンさせる試験を行った。図4、図5、図6にそれぞれ、過電圧保護回路1、2、3を用いたときの試験結果のグラフを示す。
図4(A)は、ヒューズAとトライアックBとを組合せたときの通電電流とラインインピーダンスとの関係を示すグラフ、図4(B)は、通電電流とヒューズが溶断するまでの時間との関係を示すグラフである。■は、トライアックのサージオン電流(実力値)、すなわちトライアックの電流耐量を示し、△は、ヒューズおよびトライアックの通電電流を示している。同図から明らかにように、ラインインピーダンスが低いほど、通電電流が大きくなり、かつヒューズ溶断時間が短くなり、反対に、ラインインピーダンスが高いほど、通電電流が小さくなり、かつヒューズ溶断時間が長くなることがわかる。図中、トライアックサージオン電流よりも大きな通電電流が流れたトライアックBは、完全な破壊に至る前の破損した状態である短絡(ショート)モードで動作していることが確認された。また、ラインインピーダンスが0.311Ωの場合、トライアックBの通電電流は、サージオン電流を超えなかったため、短絡モードの破損には至らなかった。
図5(A)、図5(B)は、ヒューズAとトライアックCを組合せたときの通電電流とヒューズ溶断時間を示している。ここでは、ラインインピーダンスが0.111Ωと0.161Ωのときの通電電流がサージオン電流を超えているが、トライアックCは、破損していないことが確認された。これは、トライアックCの定格電流(40A)がトライアックBの定格電流(25A)よりも大きいためと考えられる。
図6(A)、図6(B)は、ヒューズBとトライアックCを組合せたときの通電電流とヒューズ溶断時間を示している。ここでは、ラインインピーダンスが0.111Ωと0.161Ωのときの通電電流がサージオン電流を超えたき、トライアックCが完全な破壊に至る前の破損した状態である短絡(ショート)モードで動作していることが確認された。これは、ヒューズBの定格電流(20A)をヒューズAの定格電流(15A)よりも大きくしたことに伴いヒューズの溶断時間が長くなり、トライアックCへの通電電流の通電時間が長くなったことによるものと考えられる。
ヒューズAとトライアックAの組合せの試験結果をグラフに示していないが、この組合せは、ラインインピーダンスが0.211Ωのときに、トライアックAがオープンモードで破壊されたことが確認された。
以上の試験結果を踏まえ、本実施例に係る過電圧保護回路では、ヒューズAを用いる場合には、トライアックBとの組合せが最適となる。なぜなら、トライアックCを用いた場合には、図5に示すようにトライアックCは破損するには至らず、マージンがあり過ぎると定格電流が大き過ぎと考えられるためである。他方、トライアックAを選択すると、上記したように定格電流が小さ過ぎてトライアックがオープンモードで破壊されてしまうため、使用には不適である。また、ヒューズBを用いる場合には、トライアックCとの組合せが最適となる。これは、トライアックA、Bでは、オープンモードの破壊に至るまでのマージンが小さすぎるため、使用には不適である。
このように本実施例によれば、トライアックが完全にオープンモードで破壊する前の一部が破損した状態である短絡(ショート)モードで動作するときにヒューズを溶断させるようにしたので、従来よりも定格電流の小さなトライアックを用いることが可能になる。このようなトライアックを選択することで、トライアックのサイズを小型化することができ、トライアックのコストを低減させることができ、このことは、過電圧保護回路およびこれを含む電源ユニットの小型化および低コスト化につながる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、請求項の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、図1に示す電源ユニットの内部構成は一例であり、力率改善回路などは必須ではない。
100:電源ユニット
110:入力部
120:整流回路
130:力率改善回路
200:過電圧保護回路
210:ヒューズ
220:トライアック

Claims (5)

  1. 交流電流を入力する入力部と、前記入力部に入力された交流電流を直流電流に整流する整流回路と、前記入力部に接続された過電圧保護回路とを備えた電源ユニットであって、
    前記過電圧保護回路は、前記入力部の電源ラインに直列に接続されたヒューズと、前記入力部の電源ラインに過電圧が印加されたことに応答して電源ライン間に電流経路を形成するトライアックとを有し、
    上限となる過電圧が印加されたとき、前記トライアックが短絡モードで動作するように、前記ヒューズおよび前記トライアックのそれぞれの定格電流が選択される、電源ユニット。
  2. 前記入力部は、第1の交流電圧を受け取る第1のプラグと、第2の交流電圧を受け取る第2のプラグとを有し、第1のプラグと第2のプラグの形状が同一である、請求項1に記載の電源ユニット。
  3. 第1の交流電圧は、AC24Vであり、第2の交流電圧は、AC100Vであり、前記上限となる過電圧は、第2の交流電圧である、請求項1または2に記載の電源ユニット。
  4. 電源ユニットのラインインピーダンスが少なくとも0.311Ω以上であるとき、ヒューズの定格電流が15Aであり、トライアックの定格電流が25Aである、請求項3に記載の電源ユニット。
  5. 電源ユニットのラインインピーダンスが少なくとも0.311Ω以上であるとき、ヒューズの定格電流が20Aであり、トライアックの定格電流が40Aである、請求項3に記載の電源ユニット。
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