本発明に係る無線端末は、複数の無線端末により構成される無線通信ネットワークに用いられ、他の前記無線端末と通信する無線通信部と、それぞれの前記無線端末に固有の情報である端末情報を記憶可能とする記憶部と、前記無線通信ネットワークに新規無線端末が参入したか否かを検出する新規端末検出部と、前記無線通信部を介して他の前記無線端末から前記端末情報を取得し、前記記憶部に記憶させる情報取得部と、前記記憶部に記憶されている前記端末情報を読み出して、前記無線通信部を介して他の前記無線端末に通知する情報通知部と、を備え、前記端末情報には、個々の前記無線端末の識別情報、および、当該無線端末に接続されている機器についての情報である接続機器情報が含まれ、前記記憶部には、前記情報取得部により取得された他の全ての前記無線端末の前記端末情報が記憶されるとともに、自己の端末情報も記憶されており、さらに、前記新規端末検出部が前記新規無線端末の参入を検出し、かつ、前記無線通信ネットワークを構成する1台の前記無線端末のみを選択可能に設定される許可条件に自己が該当する場合には、前記情報取得部による前記新規無線端末の端末情報の取得を許可し、当該許可条件に該当しない場合には、前記新規無線端末の端末情報の取得を禁止する情報取得許可部を備え、前記情報取得許可部が許可したときには、前記情報取得部は、当該新規無線端末の端末情報を取得して前記記憶部に記憶させるとともに、前記情報通知部は、前記新規無線端末を含む全ての前記無線端末の前記端末情報であるネットワーク情報を、前記記憶部から読み出して他の全ての前記無線端末に対して通知する構成である。
前記構成によれば、マルチホップ方式の無線通信ネットワークにおいて、新規無線端末が参入したときには、複数の無線端末のうち所定の無線端末1台のみが新規無線端末の端末情報(新規端末情報)を取得できることになる。これにより、複数の無線端末のうちネットワーク情報を通知できる無線端末も1台のみにすることができる。そのため、複数の無線端末が一斉に端末情報を通知するような事態が回避されるので、無線端末同士の無線通信の共倒れを有効に回避することができる。その結果、無線通信ネットワークを構成する複数の無線端末に対して、各種端末情報を円滑に通知することが可能となる。
前記構成の無線端末においては、前記記憶部に記憶されている自己の端末情報が変更されたときには、前記情報通知部は、変更後の自己の端末情報を全ての前記無線端末に通知する構成であってもよい。
例えば、無線端末に接続されている接続機器を取り換えれば接続機器情報が変更されることになるため、自己の端末情報も変更されることになる。前記構成によれば、このような場合に、情報通知部が自己の端末情報を他の無線端末に通知することになるため、無線通信ネットワークを構成する全ての無線端末において、変更された端末情報を共有することができる。
また、前記構成の無線端末においては、前記情報通知部は、全ての前記無線端末に対して前記ネットワーク情報を通知するために、前記無線通信部にブロードキャスト通信させる構成であってもよい。
前記構成によれば、ネットワーク情報をブロードキャスト通信により通知することによって、各無線端末に個別通信する場合に比べて通知に要する時間を短縮することができる。
また、前記構成の無線端末においては、前記情報通知部は、前記ネットワーク情報のうち変更があった情報のみを通知する構成であってもよい。
前記構成によれば、ネットワーク情報を全て通知するのではなく、変更があった情報のみを通知するので、通信データ量の増加を回避することができる。
また、前記構成の無線端末においては、前記情報通知部は、前記情報取得部が前記新規無線端末の端末情報の取得を完了した後に、予め設定される所定時間待機してから前記ネットワーク情報を通知する構成であってもよい。
前記構成によれば、新規端末情報を取得してすぐにネットワーク情報を通知するのではなく、所定時間待機してから通知するので、例えば複数の新規無線端末が時間差を以て参入する場合等には、複数の新規端末情報を取得してからまとめてネットワーク情報を通知することができる。
また、前記構成の無線端末においては、前記無線通信ネットワークを構成する全ての前記無線端末には、当該無線通信ネットワークのみで有効な管理番号である無線端末番号が付与され、前記無線通信ネットワークを構成する任意の2台の前記無線端末の間に介在する他の無線端末の台数を、中継段数としたときに、前記情報取得部は、自己から他の前記無線端末までの前記中継段数を取得し、前記無線端末番号に対応する前記中継段数をまとめて中継段数テーブルとして前記記憶部に記憶させ、前記新規端末検出部は、自己の前記中継段数テーブルと他の前記無線端末の前記中継段数テーブルと交換して参照することにより、前記新規無線端末の参入を検出する構成であってもよい。
前記構成によれば、無線端末番号は、個々の無線端末に設定されているオリジナルの識別情報ではなく、無線通信ネットワークのみで有効な管理番号であるため、例えば1〜2桁程度の番号を無線端末番号として採用することができる。しかも、無線端末番号と中継段数とをテーブルにまとめて記憶するため、データ量の増大を抑制しつつ中継段数を容易に管理することができる。さらに、このような中継段数テーブルを各無線端末同士で交換すれば、それぞれの無線端末は、新規無線端末の参入を中継段数の対比から容易に把握することができる。これにより、新規端末検出部は、新規無線端末の参入を良好に検出することができる。
また、前記構成の無線端末においては、前記情報取得許可部は、前記無線端末番号に基づいて設定される前記許可条件に、自己が該当するか否かを判定した上で、前記新規無線端末の端末情報の取得を許可または禁止する構成であってもよい。
前記構成によれば、無線端末番号に基づいて新規端末情報を取得するか禁止するかを判定することになるので、無線通信ネットワークを構成する複数の無線端末の中から1台のみを選択する基準が明確となる。これにより、ネットワーク情報を通知できる無線端末1台を速やかに選択することができるとともに、2台以上の無線端末がネットワーク情報を通知する可能性を低減することができる。
また、前記構成の無線端末においては、前記許可条件は、前記無線端末番号が前記無線通信ネットワーク内で最小または最大である場合に、前記新規無線端末の端末情報の取得を許可する条件として設定されている構成であってもよい。
前記構成によれば、番号の最小または最大を基準として新規端末情報を取得するか禁止するかを判定することになるので、ネットワーク情報を通知できる無線端末1台を明確かつ容易に選択することができる。
また、前記構成の無線端末においては、前記新規無線端末の端末情報の取得が許可されている状態で、前記情報取得部が前記ネットワーク情報を取得したときには、前記情報取得許可部は、前記新規無線端末の端末情報の取得を許可から禁止に切り替えて、前記情報取得部による前記新規無線端末からの前記端末情報の取得を中止させるか、または、前記情報通知部によるネットワーク情報の通知を禁止する構成であってもよい。
前記構成によれば、例えば複数の無線端末のうち2台以上について、新規端末情報の取得が許可されている場合であっても、先にネットワーク情報を通知した無線端末を優先させることができる。これにより、複数の無線端末同士が競合してネットワーク情報を通知する可能性を有効に回避することができる。
また、前記構成の無線端末においては、前記端末情報のうち、前記識別情報および前記接続機器情報は、当該識別情報に対応する当該接続機器情報をまとめた機器管理テーブルとして前記記憶部に記憶されている構成であってもよい。
前記構成によれば、識別情報および接続機器情報をテーブルにまとめて記憶するため、端末情報を管理しやすくすることができる。
また、本発明に係る無線通信システムは、互いに無線で通信することにより無線通信ネットワークを構成する複数の無線端末を備え、それぞれの前記無線端末は、他の前記無線端末と通信する無線通信部と、それぞれの前記無線端末に固有の情報である端末情報を記憶可能とする記憶部と、前記無線通信ネットワークに新規無線端末が参入したか否かを検出する新規端末検出部と、前記無線通信部を介して他の前記無線端末から前記端末情報を取得し、前記記憶部に記憶させる情報取得部と、前記記憶部に記憶されている前記端末情報を読み出して、前記無線通信部を介して他の前記無線端末に通知する情報通知部と、を備え、前記端末情報には、個々の前記無線端末の識別情報、および、当該無線端末に接続されている機器についての情報である接続機器情報が含まれ、前記記憶部には、前記情報取得部により取得された他の全ての前記無線端末の前記端末情報が記憶されるとともに、自己の端末情報も記憶されており、さらに、それぞれの無線端末は、前記新規端末検出部が前記新規無線端末の参入を検出し、かつ、予め設定される許可条件に自己が該当する場合には、前記情報取得部による前記新規無線端末の端末情報の取得を許可し、当該許可条件に該当しない場合には、前記新規無線端末の端末情報の取得を禁止する情報取得許可部を備え、前記許可条件は、前記無線通信ネットワークを構成する1台の前記無線端末のみを選択するように設定される条件として設定され、複数の前記無線端末のうち、前記許可条件に該当する前記無線端末は、新規無線端末の端末情報を取得して自己の前記記憶部に記憶させるとともに、前記新規無線端末を含む全ての前記無線端末の前記端末情報であるネットワーク情報を、自己の前記記憶部から読み出して他の全ての前記無線端末に対して通知する構成であればよい。
また、本発明に係る無線通信方法は、複数の無線端末により構成される無線通信ネットワークにおいて、各無線端末は、それぞれの前記無線端末に固有の情報である端末情報を交換することにより、自己の端末情報と、自己以外の全ての前記無線端末の前記端末情報とを記憶しており、前記端末情報には、個々の前記無線端末の識別情報(ID)、および、当該無線端末に接続されている機器についての情報である接続機器情報が含まれ、前記無線通信ネットワークに新規無線端末が参入したことが検出されれば、複数の前記無線端末のうち、1台の前記無線端末のみを選択するように設定される許可条件に該当する前記無線端末のみが、前記新規無線端末の端末情報を取得して記憶し、さらに、前記許可条件に該当する前記無線端末は、取得した前記新規無線端末の端末情報を含む全ての前記無線端末の前記端末情報であるネットワーク情報を、他の全ての前記無線端末に対して通知する構成であればよい。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
[無線端末および無線通信ネットワーク]
まず、本実施の形態1に係る無線端末および当該無線端末を用いて構成される無線通信ネットワークの一例について、図1および図2を参照して具体的に説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る無線端末20は、アンテナ21、無線通信部22、記憶部23、情報通知部24、情報取得部25、新規端末検出部26、および情報取得許可部27を備えている、また、無線端末20には接続機器30が接続されている。また、図2に示すように、複数の無線端末20(図2では、無線端末20A〜20Dの4台)により無線通信ネットワーク10Aが構成されている。
無線通信部22は、アンテナ21を介して他の無線端末20と通信する。記憶部23は、各種情報を記憶可能としており、特に本実施の形態では、無線端末20に固有の情報である端末情報(後述)を記憶可能とする。情報通知部24は、記憶部23に記憶されている端末情報を読み出して、無線通信部22を介して他の無線端末20に通知する。情報取得部25は、無線通信部22を介して他の無線端末20から端末情報を取得し、記憶部23に記憶させる。
新規端末検出部26は、無線通信ネットワーク10Aに新規無線端末が参入したか否かを検出する。ここで、新規端末検出部26による参入の検出方法は特に限定されず、ビーコン信号を送信して応答信号を受信することにより新規な無線端末20を検出する等、公知の検出方法を用いることができる。情報取得許可部27は、情報取得部25による新規無線端末の端末情報(新規端末情報)の取得を許可または禁止する。
無線通信部22の具体的構成は特に限定されず、アンテナ21から空中へ電波を送信したり空中を伝わってきた電波を受信したりするために、データ信号を所定の帯域の信号に変調したり、所定の帯域の信号をデータ信号に復調したりする公知の高周波回路(RF)であればよい。また、記憶部23の具体的な構成も特に限定されず、無線端末20を制御するマイクロコンピュータまたはマイクロコントローラの内部メモリとして構成されてもよいし、独立したメモリとして構成されてもよい。また、記憶部23は、単一である必要はなく、複数の記憶装置(例えば、内部メモリと外付け型のハードディスクドライブ)として構成されてもよい。
情報通知部24、情報取得部25、新規端末検出部26、および情報取得許可部27の具体的な構成も特に限定されず、公知のスイッチング素子、減算器、比較器等による論理回路等として構成されてもよいし、マイクロコンピュータまたはマイクロコントローラの機能構成であって、マイクロコンピュータまたはマイクロコントローラが、記憶部23に格納されるプログラムに従って動作することにより実現される構成であってもよい。
図2に示す無線通信ネットワーク10Aは、4台の無線端末20で構成されるマルチホップ方式のネットワークである。無線端末20Aと無線端末20Bおよび20Dとの間では、互いに無線通信が可能となっており、無線端末20Cは無線端末20Bとの間で互いに無線通信が可能となっている。また、各無線端末20A〜20Dの記憶部23には、それぞれの情報取得部25により取得された他の全ての無線端末20の端末情報が記憶されるとともに、自己の端末情報も記憶されている。
つまり、それぞれの無線端末20の記憶部23には、無線通信ネットワーク10Aを構成する全ての無線端末20の端末情報が記憶されていることになる。そこで、記憶部23に記憶されている全ての端末情報を、まとめて「ネットワーク情報」と称する。このネットワーク情報は、自己の端末情報と、他の無線端末20の端末情報とを含み、新規端末情報も含まれる。例えば、無線端末20Aを例に挙げると、当該無線端末20Aの記憶部23には、自己の端末情報が記憶されているとともに、他の無線端末20B〜20Dの端末情報も全て記憶されている。例えば、無線端末20Bまたは20Cが新規無線端末であれば、これら無線端末20の端末情報は新規端末情報に該当する。
端末情報は、前記の通り、それぞれの無線端末20に固有の情報であり、具体的には、個々の無線端末20の識別情報(ID)、および、当該無線端末20に接続されている接続機器30についての情報(接続機器情報)が含まれる。無線端末20に接続される接続機器30の具体的な種類は特に限定されない。例えば、無線通信ネットワーク10Aが、自動ガス遮断設備と自動火災報知設備とを兼ねている構成であれば、接続機器30としては、ガスメータ、火災報知器、ガス警報器、ガス遮断装置、消火装置等を挙げることができる。
図2に示す無線通信ネットワーク10Aでは、無線端末20Aに種別a(例えば、ガスメータ)の接続機器31が接続され、無線端末20Bに種別b(例えば、火災報知器)の接続機器32が接続され、無線端末20Cに種別c(例えば、ガス警報器)の接続機器33が接続され、無線端末20Dに種別d(例えば、ガス遮断装置)の接続機器34が接続されている。それゆえ、この無線通信ネットワーク10Aにおいては、接続機器30の種別a〜dが接続機器情報となる。また、接続機器30に設定されているIDも接続機器情報となる。なお、端末情報には、識別情報および接続機器情報以外の情報が含まれてもよいことは言うまでもない(後述する実施の形態2等参照)。
図2に示す無線通信ネットワーク10Aでは、接続機器31〜34は、無線端末20A〜20Dを介して互いに通信可能であり、通信による各種データの送受信により連係して動作することができる。そして、4台の無線端末20のうち無線端末20Aが、自己の情報取得許可部27により新規端末情報の取得が許可された状態にあり、他の無線端末20B〜20Dは、それぞれ自己の情報取得許可部27により新規端末情報の取得が禁止された状態にある。情報取得許可部27は、新規端末検出部26が新規無線端末の参入を検出し、かつ、予め設定される許可条件に自己が該当する場合には、情報取得部25による新規端末情報の取得を許可し、当該許可条件に該当しない場合には、新規端末情報の取得を禁止する。
許可条件は、無線通信ネットワーク10Aを構成する1台の無線端末20のみを選択可能に設定される。具体的な許可条件は特に限定されず、例えば、IDを基準にして設定されてもよいし、接続機器30の種別を基準にして設定されてもよいし、無線端末20および接続機器30の設置場所を基準にして設定されてもよい。なお、許可条件に関するより具体的な一例については、後述の実施の形態2で説明する。
[新規無線端末の参入とネットワーク情報の通知]
次に、前記構成の無線端末20およびこれを用いて構成される無線通信ネットワーク10Aにおいて、新規無線端末が参入したときに、複数の無線端末20が新規端末情報を取得する点について、図1および図2に加えて、図3および図4を参照して具体的に説明する。
ここで、図2および図3(並びに、図5、図9および図12)では、説明の便宜上、無線端末20A〜20Dのブロックをそれぞれ「無線端末A」、「無線端末B」、「無線端末C」および「無線端末D」と図示している。したがって、「A〜D」は、図2等においては模式的なIDと見なすことができる。それゆえ、図2等において「無線端末A」とは「無線端末20A」を意味し、図3等において、「B・C検出」とは、「該当する無線端末20(無線端末20Aまたは20D)が、無線端末20Bおよび無線端末20Cを検出したこと」を意味する。なお、無線端末20に設定されている具体的なIDは、例えば0〜9の数字とA〜Zの文字コードを使用した14桁の番号が挙げられるが特に限定されない。
図3に示すように、図2に示す無線通信ネットワーク10Aが、最初は無線端末20Aおよび無線端末20Dで構成されており、その後に、無線端末20Bおよび20Cがそれぞれ新規に参入するものとする。このとき、無線端末20Aおよび20Dは、図4に示すフローチャートの制御が行われる。なお、図3(および図5、図9、図12)のシーケンスでは、図中上から下に向かって時間が経過している。
まず、無線端末20Aの新規端末検出部26(図1参照)は、新規無線端末の参入があるか否かを検出する(図4のステップS11)。参入がなければ(ステップS11でNO)検出を繰り返す。一方、参入があれば(ステップS11でYES)、無線端末20Aの情報取得許可部27(図1参照)は、許可条件に基づいて新規端末情報の取得を許可するか禁止するか判定する(図4のステップS12)。図3のシーケンスでは、無線端末20Aは、無線端末20Bおよび20Cを検出しており、また、許可条件に該当しているので、新規端末情報の取得が許可される(ステップS12でYES)。
情報取得許可部27が許可すれば、無線端末20Aの情報取得部25は、新規端末情報を取得して(図4のステップS13)記憶部23に記憶させ、ネットワーク情報を書き換える(図4のステップS14)。図3のシーケンスでは、無線端末20Aが、無線端末20Bに対して自己の端末情報を通知する(図3のB宛端末情報通知)。これにより、無線端末20Bは、無線端末20Aの端末情報を自己の記憶部23に記憶する。また、無線端末20Bは、無線端末20Aからの通知に折り返し応答する(図3のB宛端末情報応答)。これにより、無線端末20Aは、無線端末20Bの端末情報(新規端末情報)を取得する。
無線端末20Aが無線端末20Bの端末情報を取得すれば、次に、無線端末20Cに対して自己の端末情報を通知する(図3のC宛端末情報通知)。このとき、図2に示すように、無線端末20Aは、無線端末20Cに対して直接無線通信ができないので、マルチホップ方式で、無線端末20Bを経由して無線端末20Cに自己の端末情報を通知する。つまり、図3に示すように、無線端末20Aは、まず無線端末20Bに対して無線端末20C宛の端末情報を通知し、無線端末20Bは、無線端末20Aの端末情報を一時的に受信(中継)し、さらに無線端末20Cに転送する。これにより、無線端末20Cは、無線端末20Aの端末情報を自己の記憶部23に記憶する。
また、無線端末20Cは、無線端末20Aからの通知に折り返し応答する(図3のC宛端末情報応答)。このときも、マルチホップ方式により、無線端末20Bを経由して無線端末20Aに無線端末20Cの端末情報を通知する。これにより、無線端末20Aは、無線端末20Cの端末情報(新規端末情報)を取得する。
このようにして取得した新規端末情報は、無線端末20Aの記憶部23に記憶される。ここで、前記の通り、最初は無線端末20Aおよび20Dが無線通信ネットワーク10Aを構成しているので、無線端末20Aの記憶部23には、自己(無線端末20A)の端末情報と無線端末20Dの端末情報とが記憶されている。そして、記憶部23には、新規端末情報として、無線端末20Bおよび20Cの端末情報がさらに記憶される。言い換えれば、もともと記憶部23には、無線端末20Aおよび20Dの端末情報で構成されるネットワーク情報が記憶されていたが、新規端末情報が記憶されることで、ネットワーク情報が、無線端末20A〜20Dの端末情報で構成されるように書き換えられることになる。
そこで、無線端末20Aの情報通知部24は、書き換えられたネットワーク情報を記憶部23から読み出して他の全ての無線端末20に対して通知する(図4のステップS15)。図3のシーケンスでは、無線端末20Aは、無線端末20Bに対してネットワーク情報を通知する(図3のB宛ネットワーク情報通知)。これにより、無線端末20Bは、無線端末20Aのネットワーク情報のうち、自己の端末情報を除いたものを記憶部23に記憶するので、無線端末20Bは、無線端末20Aと同じネットワーク情報(無線端末20A〜20Dの端末情報で構成)を保有することができる。その後、無線端末20Bは、無線端末20Aからの通知に折り返し応答する(図3のB宛ネットワーク情報応答)。なお、ネットワーク情報の通知後は、新規参入の検出を繰り返す(ステップS11に戻る)。
次に、無線端末20Aは、無線端末20Cに対してネットワーク情報を通知する(図3のC宛ネットワーク情報通知)。このとき、端末情報の通知と同様に、マルチホップ方式で、無線端末20Bを経由して無線端末20Cにネットワーク情報を通知する。つまり、無線端末20Aは、まず無線端末20Bに対して無線端末20C宛のネットワーク情報を通知し、無線端末20Bは、無線端末20Aのネットワーク情報を一時的に受信(中継)し、さらに無線端末20Cに転送する。これにより、無線端末20Cは、無線端末20Aのネットワーク情報のうち自己の端末情報を除いたものを記憶部23に記憶するので、無線端末20Cも、無線端末20Aおよび20Bと同じネットワーク情報を保有することができる。その後、無線端末20Cは、無線端末20Bを介して無線端末20Aからの通知に折り返し応答する(図3のC宛ネットワーク情報応答)。
ここで、無線端末20Dは、新規端末検出部26が無線端末20Bおよび20Cを検出するものの、情報取得許可部27が許可しない(ステップS12でNO)ので、新規端末情報の取得が禁止される(図4のステップS16)。そこで、無線端末20Dは、他の無線端末20からのネットワーク情報の通知を待機し、他の無線端末20からネットワーク情報が通知されたか否かを判定する(図4のステップS17)。
ネットワーク情報が通知されない場合には、通知の試行を継続する(ステップS17でNO)が、通知された場合には(ステップS17でYES)、無線端末20Dは、ネットワーク情報を取得して自己の記憶部23に記憶する(図4のステップS18)。これにより、無線端末20Dは新規端末情報を記憶する。このとき、記憶部23に古いネットワーク情報が記憶されていれば、ネットワーク情報を書き換える(上書きまたは更新する)ことになる。その後は、新規参入の検出を繰り返す(ステップS11に戻る)。
図3のシーケンスでは、前記の通り、無線端末20Aが、新規端末情報である無線端末20Bおよび20Cの端末情報を取得して、ネットワーク情報を上書き(書換え)し、新たなネットワーク情報を無線端末20Bおよび20Cに通知している。その後、無線端末20Aは、無線端末20Dに対してネットワーク情報を通知する(図3のD宛ネットワーク情報通知)。これにより、無線端末20Dは、無線端末20Aのネットワーク情報のうち自己の端末情報を除いたものを記憶部23に記憶するので、無線端末20Dも、無線端末20A〜20Cと同じネットワーク情報を保有することができる。その後、無線端末20Dは、無線端末20Aからの通知に折り返し応答する(図3のD宛ネットワーク情報応答)。
このように、本実施の形態では、マルチホップ方式の無線通信ネットワーク10Aにおいて、新規無線端末が参入したときには、複数の無線端末20のうち所定の無線端末20Aのみが新規端末情報を取得できることになる。これにより、複数の無線端末20のうちネットワーク情報を通知できる無線端末20も1台のみにすることができる。そのため、複数の無線端末20が一斉に端末情報を通知するような事態が回避されるので、無線端末20同士の無線通信の共倒れを有効に回避することができる。その結果、無線通信ネットワーク10Aを構成する複数の無線端末20に対して、各種端末情報を円滑に通知することが可能となる。
[変形例]
図3に示すシーケンスでは、無線端末20Aは、他の無線端末20B〜20Dに対して、個別に通信することでネットワーク情報を通知している。しかしながらネットワーク情報の通知は個別通信に限定されず、図5に示すように、ブロードキャスト通信であってもよい。
具体的には、図5に示すシーケンスでは、無線端末20Aが、新規端末情報(無線端末20Bおよび20Cの端末情報)を取得し、ネットワーク情報を書き換えるまでは、図3に示すシーケンスと同様であるので、その説明を省略する。その後、無線端末20Aの情報通知部24は、書き換えられたネットワーク情報を記憶部23から読み出して他の全ての無線端末20に対して通知するが、このとき、無線通信部22は、他の無線端末20B〜20Dに個別に無線通信するのではなく、ブロードキャスト通信する(図5のネットワーク情報通知)。前述したように、無線端末20Cは無線端末20Aと直接無線通信できないので、無線端末20Bを介してブロードキャスト通信する。
図5に示すシーケンスでは、無線端末20Aは、先に無線端末20Bに対してネットワーク情報を通知し、その後に無線端末20Dに対してネットワーク情報を通知する。無線端末20Bは、取得したネットワーク情報のうち自己の端末情報を除いたものを記憶部23に記憶し、さらにネットワーク情報を無線端末20Cに転送する。無線端末20Cは、取得したネットワーク情報のうち自己の端末情報を除いたものを記憶部23に記憶し、ブロードキャスト通信の完了を通知する(図5のブロードキャスト完了通知)。無線端末20Bは、ブロードキャスト通信の完了通知を受けると、無線端末20Aに対してブロードキャスト通信の完了を通知する。また、無線端末20Dは、取得したネットワーク情報のうち自己の端末情報を除いたものを記憶部23に記憶し、ブロードキャスト通信の完了を通知する。
なお、無線通信ネットワーク10Aを構成する無線端末20A〜20Dでブロードキャスト通信が完了しなかった場合、ネットワーク情報を受信できなかった無線端末20は未完了情報を返信する。
このように、無線端末20Aが、ネットワーク情報をブロードキャスト通信により通知すれば、各無線端末20B〜20Dに個別通信する場合に比べて通知に要する時間を短縮することができる。なお、ブロードキャスト通信の具体的な方法は特に限定されず、公知の回覧板方式等を好適に用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、前記実施の形態1とは異なり、ネットワーク情報のうち変更した情報のみを通知する構成となっている。このような構成について、図6〜図8を参照して具体的に説明する。
[無線通信ネットワークおよび端末情報]
図6に示すように、本実施の形態に係る無線通信ネットワーク10Bは、基本的には前記実施の形態1で説明した無線通信ネットワーク10A(図2参照)と同様であるが、無線端末20が合計7台となっている。無線通信ネットワーク10Bを構成する全ての無線端末20E〜20Kには、無線端末番号が付与されている。図6では、無線端末20E〜20Kを、丸で囲んだ無線端末番号で図示している。
無線端末20Eには無線端末番号「FD」が付与され、無線端末20Fには無線端末番号「00」が付与され、無線端末20Gには無線端末番号「01」が付与され、無線端末20Hには無線端末番号「02」が付与され、無線端末20Iには無線端末番号「03」が付与され、無線端末20Jには無線端末番号「04」が付与され、無線端末20Kには無線端末番号「05」が付与されている。この無線端末番号については後述する。
無線端末20Eは、無線端末20F,20G,20H,20Kとの間で互いに無線通信可能になっており、無線端末20Gは、さらに無線端末20H,20I,20Jとの間で互いに無線通信可能になっており、無線端末20Hは、さらに無線端末20F,20Jとの間で互いに無線通信可能になっており、無線端末20Iは、さらに無線端末20Jとの間で互いに通信可能になっている。
各無線端末20E〜20Kには、それぞれ接続機器30が接続されている。図6では、それぞれの接続機器30は、種別を示すa〜eのアルファベットのみを記載したブロックで図示している。
無線端末20Eには、当初は種別a(例えば、ガスメータ)の接続機器31が接続されているが、その後に種別e(例えば、種別aとは異なるガスメータ)の接続機器35が接続される。無線端末20F〜20Hには、それぞれ種別b(例えば、火災報知器)の接続機器32が接続されている。無線端末20I,20Kには、それぞれ種別c(例えば、ガス警報器)の接続機器33が接続されている。無線端末20Jには、種別d(例えば、ガス遮断装置)の接続機器34が接続されている。
本実施の形態における無線端末20E〜20K同士の無線通信は、前記実施の形態1と同様であるため、その具体的な説明は省略するが、本実施の形態では、無線端末20E〜20Kは、それぞれ新規端末検出部26による新規な無線端末20の検出は、図7(a)に示す中継段数テーブルの交換により行われる。この中継段数テーブルは、各無線端末20E〜20Kの無線端末番号に対応して、各無線端末20E〜20Kの中継段数がまとめられている。
無線端末番号は、個々の無線端末20E〜20Kにそれぞれ設定されているオリジナルのIDではなく、無線通信ネットワーク10Bのみで有効な管理番号である。前述したように、無線端末20に設定される一般的な識別番号は、0〜9の数字とA〜Zの文字コードを使用した14桁のものが挙げられるが、図6に示す例では、無線端末番号は16進数2桁となっている。したがって、無線端末番号は、無線端末20のオリジナルのIDよりもデータ量を小さくすることができる。
中継段数は、無線通信ネットワーク10Bを構成する任意の2台の無線端末20の間に介在する他の無線端末20の台数である。例えば、無線端末20E(無線端末番号:FD)を基準として見れば、無線端末20Eの中継段数は0段である。また、無線端末20Eは、無線端末20F(無線端末番号:00)、無線端末20G(無線端末番号:01)、無線端末20H(無線端末番号:02)、および無線端末20K(無線端末番号:05)と直接通信できるため、これら無線端末20F,20G,20H,20Kの中継段数は1段である。また、無線端末20I(無線端末番号:03)および無線端末20J(無線端末番号:04)は、無線端末20Eと直接通信できず、無線端末20Gまたは無線端末20Hを介する必要があるため、これらの中継段数は2段となる。
本実施の形態では、無線端末20E〜20Kは、中継段数テーブルを交換して参照することにより、新規無線端末の参入を検出している。具体的には、例えば、新規無線端末として無線端末20Kが参入するとすれば、無線端末20Eは、図7(a)に示す中継段数テーブルのうち、FD〜04までのテーブル(すなわち、自己と無線端末20F〜20Jまでの中継段数)を記憶部23に記憶しているとする。一方、新規無線端末である無線端末20Kは、自己の中継段数(0段)のみの中継段数テーブルを記憶部23に記憶しているとする。
無線端末20Eと無線端末20Kとは、互いに前記の中継段数テーブルを交換して参照することにより、無線端末20Eは、無線端末20Kの新規参入を検出することができる。また、無線端末20Eと、他の無線端末20F〜20Jとの間でも中継段数テーブルを交換することにより、他の無線端末20F〜20Jも無線端末20Kの新規参入を検出することができる。しかも、中継段数テーブルは、データ量の小さい無線端末番号に中継段数が対応しているので、無線端末20同士は、オリジナルのIDという大きなデータ量の端末情報を交換することなく、新規無線端末の参入を検出することができる。それゆえ、無線端末20同士の通信の負荷を軽減することができる。
また、本実施の形態では、図7(b)に示すように、端末情報も機器管理テーブルとしてまとめられて記憶されてもよい。図7(b)に示す例では、無線端末番号に対して、無線端末20の識別情報(無線端末ID)、接続機器30の識別情報(接続機器ID)、および接続機器30の種別がそれぞれまとめられている。したがって、図7(b)に示す機器管理テーブルが、本実施の形態におけるネットワーク情報(新規無線端末および自己を含む全ての無線端末20の端末情報)となる。
なお、図7(b)に示す無線端末ID、接続機器IDおよび接続機器30の種別は、説明の便宜上、いずれも模式的なものとして図示している。例えば、無線端末IDは、前記実施の形態1における図2、図3、または図5と同様に、「E〜K」のアルファベット大文字1文字を14桁のIDの代わりとして図示している。また、接続機器30の種別は前述したa〜eの小文字アルファベット1文字で示している。さらに、接続機器IDについては、種別aの接続機器31のIDを「m01」、種別bの接続機器32(合計3台)のIDを「m11」〜「m13」、種別cの接続機器33(合計2台)のIDを「m21」、「m22」、種別dの接続機器34のIDを「m31」と図示している。
このように、各無線端末20E〜20Kの情報取得部25が、端末情報として、識別情報および接続機器情報をまとめて機器管理テーブルとして記憶部23に記憶していれば、全ての端末情報をまとめたネットワーク情報を管理しやすくなる。そのため、ネットワーク情報のうち変更された情報のみを書き換えるだけで、ネットワーク情報の上書きができるとともに、変更された情報のみを他の無線端末20へ通知することも容易となる。
[新規無線端末の参入とネットワーク情報の通知]
次に、前記構成の無線通信ネットワーク10Bにおいて、前記の通り、新規無線端末として無線端末20Kが参入したとき、並びに、無線端末20Eに接続される接続機器31(種別a)が接続機器35(種別e)に取り換えられえたときに、それぞれの無線端末20E〜20Kが新規端末情報を取得する点について、図6および図7(a),(b)に加えて、図8を参照して具体的に説明する。
なお、無線通信ネットワーク10Bでは、7台の無線端末20E〜20Kのうち無線端末20Eが、自己の情報取得許可部27により新規端末情報の取得が許可された状態にあり、他の無線端末20F〜20Kは、それぞれ自己の情報取得許可部27により新規端末情報の取得が禁止された状態にある。
まず、新規無線端末として無線端末20Kが参入したときについて説明する。無線端末20Eの新規端末検出部26(図1参照)は、前記の通り、中継段数テーブル(図7(a)参照)の交換により新規無線端末の参入があるか否かを検出する(図8のステップS21)。参入がなければ(ステップS21でNO)検出を繰り返す。一方、参入があれば(ステップS21でYES)、無線端末20Eの情報取得許可部27(図1参照)は、許可条件に基づいて新規端末情報の取得を許可するか禁止するか判定する(図8のステップS22)。図6に示す無線通信ネットワーク10Bでは、無線端末20Eが許可条件に該当しているので、新規端末情報の取得が許可される(ステップS22でYES)。
情報取得許可部27が許可すれば、無線端末20Eの情報取得部25は、新規端末情報として、無線端末20Kの端末情報を取得して(図8のステップS23)記憶部23に記憶させ、ネットワーク情報を書き換える(図8のステップS24)。その後、無線端末20Eの情報通知部24は、全てのネットワーク情報を通知するのではなくネットワーク情報のうち変更した情報のみを、他の無線端末20F〜20Kに通知する(図8のステップS25)。その後は、新規参入の検出を繰り返す(ステップS21に戻る)。
図6に示す無線通信ネットワーク10Bでは、図7(b)に示す機器管理テーブルがネットワーク情報となるが、無線端末20Eは、機器管理テーブルそのものを通知するのではなく、変更された情報である新規端末情報C1(図7(b)において点線で囲んだ、機器管理テーブルの最下段)のみを通知する。このように、情報通知部24がネットワーク情報のうち変更があった情報のみを通知する構成であれば、通信データ量の増加を回避することができる。
ここで、他の無線端末20F〜20Jは、それぞれの新規端末検出部26が無線端末20Kを検出するものの、情報取得許可部27が許可しない(ステップS22でNO)ので、新規端末情報の取得が禁止される(図8のステップS26)。そこで、無線端末20F〜20Jは、無線端末20Eからのネットワーク情報の通知を待機し、他の無線端末20からネットワーク情報が通知されたか否かを判定する(図8のステップS27)。ネットワーク情報が通知されない場合には、通知の試行を継続する(ステップS27でNO)が、通知された場合には(ステップS27でYES)、ネットワーク情報を取得して自己の記憶部23に記憶する(新規端末情報の記憶、図8のステップS28)。その後は、新規参入の検出を繰り返す(ステップS21に戻る)。
次に、無線端末20Kを含む無線通信ネットワーク10Bにおいて、無線端末20Eの接続機器30が取り換えられて、無線端末20Eの端末情報が変更になった場合について、説明する。
図6に示すように、無線端末20Eに接続されている種別aの接続機器31が、種別eの接続機器35に取り替えられれば、記憶部23に記憶されている自己の端末情報のうち接続機器IDおよび種別が変更になる。例えば、図7(b)に示す機器管理テーブルでは、無線端末20Eの接続機器IDが、「m01」から「m02」に変更され、接続機器30の種別が「a」から「e」に変更される。そこで、無線端末20Eは、変更された自己の端末情報を、他の無線端末20F〜20Kに対して通知する。図7(b)に示す例では、無線端末20Eの情報通知部24は、変更された情報である機器取替え情報C2(図7(b)において点線で囲んだ、機器管理テーブルの最上段)のみを、他の無線端末20F〜20Kに通知すればよい。
なお、無線端末20Eは、機器管理テーブルそのものを無線端末20F〜20Kに通知してもよい。すなわち、自己の端末情報が変更されたときには、変更情報を含むネットワーク情報を他の無線端末20F〜20Kに通知してもよい。また、図7(b)における機器取替え情報C2のみを他の無線端末20F〜20Kに通知することは、言い換えれば、情報通知部24がネットワーク情報のうち変更があった情報のみを通知することにもなる。このように、無線端末20Eの情報通知部24が自己の端末情報を他の無線端末20F〜20Kに通知すれば、無線通信ネットワーク10Bを構成する全ての無線端末20において、変更された端末情報を共有することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態3に係る無線端末20では、前記実施の形態2で説明した無線端末番号に基づいて許可条件を設定し、情報取得許可部27は、無線端末番号に基づいた許可条件に、自己が該当するか否かを判定した上で、新規無線端末の端末情報の取得を許可または禁止する。このような構成について、図9および図10を参照して具体的に説明する。
図9に示すように、本実施の形態では、前記実施の形態1と同様に4台の無線端末20A〜20Dで構成されている無線通信ネットワーク10Aを例示する。また、本実施の形態では、前記実施の形態1または2とは異なり、新規に無線通信ネットワーク10Aを形成する場合について例示する。各無線端末20A〜20Dには、前記実施の形態2で説明した無線端末番号が付与されている。具体的には、無線端末20Aには無線端末番号「FD」が付与され、無線端末20Bには無線端末番号「00」が付与され、無線端末20Cには無線端末番号「01」が付与され、無線端末20Dには無線端末番号「02」が付与されている。
無線端末20A〜20Dをそれぞれ起動すれば、図10に示すように、各無線端末20A〜20Dの新規端末検出部26(図1参照)は、中継段数テーブルを交換することで、自己以外の無線端末20を検出する(図10のステップS31)。中継段数テーブルには無線端末番号および中継段数が含まれているので、任意の無線端末20は、自己の無線端末番号以外に他の無線端末20の無線端末番号も取得することができる。その後、無線端末番号の取得が完了したか、すなわち、中継段数テーブルの交換が完了したかを判定する(図10のステップS32)。完了していなければ(ステップS32でNO)、中継段数テーブルの交換を継続する(ステップS31に戻る)。
例えば、図9に示す例では、無線端末20Aは、まず無線端末20Dとの間で中継段数テーブルを交換する。これにより無線端末20Aは無線端末20Dを検出するとともに、無線端末20Dは無線端末20Aを検出する。その後、無線端末20Aは、無線端末20Bとの間で中継段数テーブルを交換する。これにより無線端末20Aは無線端末20Bを検出し、無線端末20Bは、無線端末20Aおよび20Dを検出する。
さらにその後、無線端末20Bが無線端末20Cとの間で中継段数テーブルを交換するので、無線端末20Bは無線端末20Cを検出し、無線端末20Cは、無線端末20A,20Bおよび20Dを検出する。また、無線端末20Bは、無線端末20Cの中継段数テーブルを無線端末20Aに転送するので、無線端末20Aも無線端末20Cを検出する。さらに、無線端末20Aは、無線端末20Bおよび20Cの中継段数テーブルを無線端末20Dに転送するので、無線端末20Dは、無線端末20Bおよび20Cを検出する。
この状態では、無線端末20A〜20Dは、全ての中継段数テーブルを交換したことになる。そこで、各無線端末20A〜20Dの情報取得許可部27(図1参照)は、自己が許可条件に該当するか否かを判定する。本実施の形態では、許可条件は、無線端末番号が無線通信ネットワーク10A内で最大である場合に、新規端末情報の取得を許可するように設定されている。そこで、情報取得許可部27は、自己の無線端末番号が最大であるか否かを判定する(図10のステップS33)。
最大であれば(ステップS33でYES)、情報取得許可部27は、新規端末情報の取得を許可するので、情報取得部25(図1参照)は、他の無線端末20から端末情報の取得を開始する(図10のステップS34)。なお、取得された新規端末情報は記憶部23(図1参照)に記憶される。一方、最大でなければ(ステップS33でNO)、情報取得許可部27は新規端末情報の取得を禁止する(ステップS37)。
図9に示す例では、前記実施の形態2と同様に、00、01、02、FDの順序で無線端末番号が付与されているため、FDが最大の無線端末番号となる。そこで、無線端末20Aの情報取得許可部27は、自己が許可条件に該当すると判定して、新規端末情報の取得が許可される。そこで、無線端末20Aの情報取得部25は、前記実施の形態1で説明したように、他の無線端末20B〜20Dの端末情報を取得し、記憶部23に記憶する(図3または図5参照)。なお、無線端末20B〜20Dからの端末情報の取得と記憶は前記実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。
新規端末情報の取得が許可された無線端末20では、情報取得部25が他の全ての無線端末20から端末情報を取得して記憶部23に記憶できたか、すなわち、新規端末情報の取得が完了したかを判定する(図10のステップS35)。完了していなければ(ステップS35でNO)、新規端末情報の取得と記憶を繰り返す(ステップS34に戻る)。一方、新規端末情報の取得が完了していれば(ステップS35でYES)、ネットワーク情報が形成されたことになるので、情報通知部24(図1参照)は、他の無線端末20に対してネットワーク情報を通知する(図10のステップS36)。ネットワーク情報の通知後は、前記実施の形態1または2で説明した、新規無線端末の参入の判定に移行するので、図10に示す制御は終了する。
図9に示す例では、無線端末20Aが他の無線端末20B〜20Dから端末情報を取得すれば、前記実施の形態1と同様に、ネットワーク情報を他の無線端末20B〜20Dに通知する。なお、ネットワーク情報の通知は、前記実施の形態1と同様であるので、その具体的な説明は省略し、図9にも図示しない。
新規端末情報の取得が禁止された(図10のステップS37)無線端末20では、他の無線端末20からネットワーク情報が通知されたか否かを判定する(図10のステップS38)。通知されなければこの判定を繰り返す(ステップS38でNO)が、通知されれば(ステップS38でYES)、当該ネットワーク情報を自己の記憶部23に記憶する(新規端末情報の記憶、図10のステップS39)。図9に示す例では、無線端末20A以外の無線端末20B〜20Dは、新規端末情報の取得が禁止されているので、無線端末20Aからのネットワーク情報の通知を待機し、通知されればこれを記憶部23に記憶する。その後は、新規無線端末の参入の判定に移行するので、図10に示す制御は終了する。
このように、本実施の形態では、無線端末20の情報取得許可部27は、無線端末番号に基づいて新規端末情報を取得するか禁止するかを判定することになるので、無線通信ネットワーク10Aを構成する複数の無線端末20の中から1台のみを選択する基準が明確となる。これにより、ネットワーク情報を通知できる1台の無線端末20を速やかに選択することができるとともに、2台以上の無線端末20がネットワーク情報を通知する可能性を低減することができる。
また、本実施の形態では、情報取得許可部27は、無線端末番号が最大であることを基準として新規端末情報を取得するか禁止するかを判定することになる。それゆえ、ネットワーク情報を通知できる1台の無線端末20を明確かつ容易に選択することができる。なお、本実施の形態では、無線端末番号が最大であることを許可条件として設定しているが、本発明はこれに限定されず、無線端末番号が最小であるときに新規端末情報の取得が許可されてもよい。また、無線端末番号の最小または最大の判定は、本実施の形態のように番号の順序の最初または最後であってもよいし、番号の絶対値の最小または最大であってもよい。さらに、許可条件として無線端末番号を基準とする場合、必ずしも、無線端末番号の最小または最大に限定されず、他の条件に基づいて、新規端末情報の取得の許可または禁止を判定してもよい。
(実施の形態4)
前記実施の形態1〜3では、無線通信ネットワーク10Aまたは10Bを構成する複数の無線端末20のうち、任意の1台の無線端末20のみが新規端末情報を取得できるように選択されていたが、本実施の形態4では、2台以上の無線端末20が新規端末情報を取得できる状態になっていた場合、いずれか1台の無線端末20のみを優先できるように構成されている。このような構成について、図11〜図16を参照して具体的に説明する。
なお、図13および図14は一つの連続するフローチャートを示し、図13に示すフローチャートと図14に示すフローチャートとは、i〜ivのノードで互いにつながっている。同様に、図15および図16も一つの連続するフローチャートを示し、図15に示すフローチャートと図16に示すフローチャートとは、v,viのノードで互いにつながっている。
図11に示すように、本実施の形態に係る無線端末20は、前記実施の形態1で説明した無線端末20と同様の構成を有しているが、情報取得許可部27が、情報取得部25による端末情報の取得を制御するだけでなく、情報通知部24によるネットワーク情報の通知も制御するよう構成されている。なお、図11に示す無線端末20の他の構成は前記実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。
このような無線端末20により、前記実施の形態1と同様に無線通信ネットワーク10Aが構成され、かつ、図12に示すように、複数の無線端末20において新規端末情報の取得が許可されていれば、先にネットワーク情報を通知した無線端末20が、他の無線端末20よりも優先されて、新規端末情報の取得とネットワーク情報の通知が行われる。なお、図12では、無線端末20A〜20Dによる新規参入の検出は「中継段数テーブルの交換による新規無線端末の検出」というブロックでまとめて図示し、新規端末情報の取得と記憶は、「新規端末情報の取得と記憶」というブロックでまとめて図示している。
例えば、前記実施の形態1のように、無線通信ネットワーク10Aが、最初は無線端末20Aおよび無線端末20Dで構成されており、その後に、無線端末20Bおよび20Cがそれぞれ新規に参入するものとする。このとき、図13に示すように、無線端末20Aは、図4に示す制御と同様に、新規無線端末の参入があるか否かを検出する(図13のステップS41)。参入がなければ(ステップS41でNO)検出を繰り返すが、参入があれば(ステップS41でYES)、許可条件に基づいて新規端末情報の取得を許可するか禁止するか判定し(図13のステップS42)、許可されると(ステップS42でYES)、新規端末情報の取得を開始する(図13のステップS43)。なお、取得された新規端末情報は記憶部23に記憶される。
ここで、図12に示すように、無線端末20Aおよび20Dの双方について、新規端末情報の取得が許可されていると、ネットワーク情報を通知するための無線通信が衝突する可能性がある。そこで、本実施の形態では、例えば、無線端末20Aおよび20Dの双方において、ネットワーク情報の書換えが完了してから、予め設定される所定の待機時間が経過してからネットワーク情報を通知する。このとき、無線端末20Aの待機時間T01の長さと、無線端末20Dが待機時間T02の長さを異ならせていればよい。
例えば、図12に示す例では、無線端末20Aの待機時間T01を短く、無線端末20Dの待機時間T02を長く設定する(T01<T02)。これにより、無線端末20Aの方が先にネットワーク情報を通知するので、無線端末20Dは、自己がネットワーク情報を通知するまでに、無線端末20Aからのネットワーク情報の通知を受けることになる。
図13に示す制御では、無線端末20Dは、ネットワーク情報の通知を受けたか否かを判定する(図13のステップS44)。ネットワーク情報の通知を受けたと判定すれば(ステップS44でYES)、無線端末20Dは、新規端末情報を取得する途中になるので、情報取得許可部27は、新規端末情報の取得を中止し、情報通知部24によるネットワーク情報の通知も禁止される(図13のステップS45)。その後、無線端末20Dは、通知を受けたネットワーク情報を自己の記憶部23に記憶し(新規端末情報の記憶、図14のステップS54)。その後は、新規参入の検出を繰り返す(図13のステップS41に戻る)。
一方、無線端末20Aは、先にネットワーク情報を通知するので、自己がネットワーク情報の通知を受けることがない。それゆえ、図13に示す制御では、無線端末20Aは、ネットワーク情報の通知を受けていないと判定すれば(ステップS44でNO)、さらに新規端末情報の取得が完了したか否かを判定する(図13のステップS46)。取得が完了していないと判定されれば(ステップS46でNO)、ネットワーク情報の通知を受けたか否かの判定を繰り返す(ステップS44に戻る)。一方、新規端末情報の取得が完了したと判定されれば(ステップS46でYES)、無線端末20Aは、取得した新規端末情報を記憶させ、ネットワーク情報を書き換える(図14のステップS47)。
さらにその後、無線端末20Aまたは20Dは、再びネットワーク情報の通知を受けたか否かを判定する(図14のステップS48)。図12に示す例では、無線端末20Aは、ネットワーク情報の通知を受けることがないので、通知を受けないと判定すると(ステップS48でNO)、所定時間T01が経過したか否かを判定する(図14のステップS49)。所定時間T01が経過していなければ(ステップS49でNO)、ネットワーク情報の通知を受けたか否かの判定を繰り返す(ステップS48に戻る)。一方、所定時間T01が経過したと判定されれば(ステップS49でYES)、ネットワーク情報を通知することになる(図14のステップS50)。その後は、新規参入の検出を繰り返す(図13のステップS41に戻る)。
これに対して、無線端末20Dは、図12に示すように、所定時間T02で待機している途中に、無線端末20Aからネットワーク情報の通知を受けるので、通知を受けたと判定し(ステップS48でYES)、ネットワーク情報の通知を禁止する(図14のステップS51)。その後、ネットワーク情報の書換え(上書き)は既に完了している(ステップS47)ので、新規参入の検出を繰り返す(図13のステップS41に戻る)。
なお、無線端末20Bおよび20Cでは、新規端末情報の取得が禁止されるが、これら無線端末20Bおよび20Cにおいて、新規端末情報の取得の禁止からネットワーク情報を記憶するまでのステップ(図13のステップS52およびS53、並びに図14のステップS54)については、前記実施の形態1で説明した図4のステップS16〜S18と同様であるので、その説明は省略する。
また、前記実施の形態3のように、無線端末20A〜20Dをそれぞれ起動して無線通信ネットワーク10Aを形成する場合には、図15に示すように、各無線端末20A〜20Dは、中継段数テーブルを交換することで、自己以外の無線端末20を全て検出する(図15のステップS61、図10のステップS31およびS32に対応)。その後、無線端末20Aおよび20Dの双方について新規端末情報の取得を許可するか否かが判定され(図15のステップS62)、図12に示すように、取得が許可されたとする(ステップS62でYES)。これにより、無線端末20Aおよび20Dの双方は、他の無線端末20Bおよび20Cから端末情報の取得を開始する(図15のステップS63)。取得された新規端末情報は記憶部23に記憶される。
なお、この場合も、無線端末20A〜20Dによる中継段数テーブルの交換は「中継段数テーブルの交換による新規無線端末の検出」というブロックでまとめて図示し、新規端末情報の取得と記憶は、「新規端末情報の取得と記憶」というブロックでまとめて図示している。
その後、無線端末20Aまたは20Dは、ネットワーク情報の通知を受けたか否かを判定し(図15のステップS64)、通知を受ければ(ステップS64でYES)、新規端末情報の取得を中止して、ネットワーク情報の通知を禁止する(図15のステップS65)。その後、無線端末20Aまたは20Dは、通知を受けたネットワーク情報を自己の記憶部23に記憶する(新規端末情報の記憶、図16のステップS74)。その後は、新規無線端末の参入の判定(図13および図14に示す制御)に移行するので、図15および図16に示す制御は終了する。
一方、無線端末20Aまたは20Dがネットワーク情報の通知を受けなければ(ステップS64でNO)、新規端末情報の取得が完了しているか否かを判定する(図15のステップS66)。取得が完了していなければ(ステップS66でNO)、ネットワーク情報の通知を受けたか否かの判定を繰り返す(ステップS64に戻る)。一方、新規端末情報の取得が完了したと判定されれば(ステップS66でYES)、無線端末20Aまたは20Dは、取得した新規端末情報を記憶させ、ネットワーク情報を書き換える(図16のステップS67)。
その後、無線端末20Aまたは20Dでは、再びネットワーク情報の通知を受けたか否かを判定する(図16のステップS68)。通知を受けなければ(ステップS68でNO)、所定時間が経過したか否かを判定する(図16のステップS69)。経過していなければ(ステップS69でNO)、ネットワーク情報の通知を受けたか否かの判定を繰り返す(ステップS68に戻る)。一方、所定時間が経過していれば(ステップS69でYES)、ネットワーク情報を通知する(図16のステップS70)。その後は一連の制御を終了する。また、ネットワーク情報の通知を受ければ(ステップS68でYES)、無線端末20Aまたは20Dは、ネットワーク情報の通知を禁止し(図16のステップS71)、一連の制御を終了する。
図12に示す例では、無線端末20Aの待機時間T01が短く、無線端末20Dの待機時間T02が長いため、無線端末20Aの方が先にネットワーク情報を通知する。それゆえ、無線端末20Dは、ネットワーク情報を通知するまでに、無線端末20Aからネットワーク情報の通知を受ける。それゆえ、無線端末20Aは、図15および図16に示す制御において、新規端末情報の取得を開始した後(ステップS63)、ネットワーク情報の通知を受けないので(ステップS64でNO)、新規端末情報の取得が完了すれば(ステップS66でYES)、ネットワーク情報を書き換える(ステップS67)。その後、やはりネットワーク情報の通知を受けないので(ステップS68でNO)、所定時間T01が経過すれば(ステップS69でYES)、ネットワーク情報を通知する(ステップS70)。
また、ネットワーク情報の通知を受けるタイミングが新規端末情報の取得の完了前であれば、無線端末20Dは、図15および図16に示す制御において、新規端末情報の取得を開始した後(ステップS63)、ネットワーク情報の通知を受けるので(ステップS64でYES)、新規端末情報の取得を中止してネットワーク情報の通知を禁止する(ステップS65)。その後は、ネットワーク情報を書き換える(ステップS74)。
一方、ネットワーク情報の通知を受けるタイミングが新規端末情報の取得の完了後であれば、無線端末20Dは、図15および図16に示す制御において、新規端末情報の取得を開始した後(ステップS63)、ネットワーク情報の通知を受けないので(ステップS64でNO)、新規端末情報の取得が完了すれば(ステップS66でYES)、ネットワーク情報を書き換える(ステップS67)。その後、ネットワーク情報の通知を受けるので(ステップS68でYES)、ネットワーク情報の通知を禁止する(ステップS71)。
なお、無線端末20Bおよび20Cでは、新規端末情報の取得が禁止されるが、これら無線端末20Bおよび20Cにおいて、新規端末情報の取得の禁止からネットワーク情報を記憶するまでのステップ(図15のステップS72およびS73、並びに図16のステップS74)については、前記実施の形態3で説明した図10のステップS37〜S39と同様であるので、その説明は省略する。
このように、本実施の形態では、任意の無線端末20において、新規端末情報の取得が許可されている状態で、情報取得部25がネットワーク情報を取得したときには、情報取得許可部27は、新規端末情報の取得を許可から禁止に切り替えて、情報取得部25による新規端末情報の取得を中止させるか、または、情報通知部24によるネットワーク情報の通知を禁止する構成となっている。これにより、例えば複数の無線端末20のうち2台以上について新規端末情報の取得が許可されても、先にネットワーク情報を通知した無線端末20を優先させることができる。これにより、複数の無線端末20同士が競合してネットワーク情報を通知する可能性を有効に回避することができる。
また、無線端末20の情報通知部24は、情報取得部25が新規端末情報の取得を完了した後に、予め設定される所定時間待機してからネットワーク情報を通知するよう構成されていればよい。このとき、それぞれの無線端末20において、待機時間を異ならせていることが好ましい。
なお、本実施の形態4、並びに、前記実施の形態1〜3においては、無線通信ネットワーク10Aまたは10Bが、自動ガス遮断設備と自動火災報知設備とを兼ねている場合を例示しているが、本発明はこれに限定されず、その他の近距離無線通信ネットワーク、モバイル通信、構内無線通信網、交通機関用無線、防災行政無線網、無線LAN、ガス、水道、電力等のメータ用無線検針システム等にも適用可能である。
また、本発明は前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。