JP2015195019A - 視差値導出装置、移動体、ロボット、視差値導出方法、視差値の生産方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コスト合成部320が、基準画像における第1の基準領域のコスト値のうちの第1の重み(例えば、1)と、基準画像における第1の基準領域の周辺の第2の基準領域のコスト値のうちで第1の重みよりも少ない第2の重み(例えば、0.9)とを合成する。これにより、p位置の画素における経路コスト値Lr’を導く際に、p位置の画素から遠いにも拘わらず、極端に低いコスト値Cが存在しても、この影響を受けづらくすることができるという効果を奏する。
【選択図】図12
Description
まず、図1乃至図6を用いて、SGM(Semi-Global Matching)法を用いた測距方法の概略について説明する。なお、SGM法に関しては、非特許文献(Accurate and Efficient Stereo Processing by Semi-Global Matching and Mutual Information)に開示されているため、以下では概略を説明する。
図1を用いて、ステレオ画像法により、ステレオカメラから物体に対する視差を導き出し、この視差を示す視差値によって、ステレオカメラから物体までの距離を測定する原理について説明する。なお、図1は、撮像装置から物体までの距離を導き出す原理の説明図である。また、以下では、説明を簡略化するため、複数の画素からなる所定領域ではなく、一画素単位で説明する。
まず、図1で示される撮像装置10aおよび撮像装置10bによって撮像された各画像を、それぞれ基準画像Iaおよび比較画像Ibとする。なお、図1では、撮像装置10aおよび撮像装置10bが平行等位に設置されているものとする。図1において、3次元空間内の物体E上の点Sは、撮像装置10aおよび撮像装置10bの同一水平線上の位置に写像される。すなわち、各画像中の点Sは、基準画像Ia中の点Sa(x,y)および比較画像Ib中の点Sb(X,y)において撮像される。このとき、視差値Δは、撮像装置10a上の座標における点Sa(x,y)と撮像装置10b上の座標における点Sb(X,y)とを用いて、(式1)のように表される。
ここで、図1のような場合には、基準画像Ia中の点Sa(x,y)と撮像レンズ11aから撮像面上におろした垂線の交点との距離をΔaにし、比較画像Ib中の点Sb(X,y)と撮像レンズ11bから撮像面上におろした垂線の交点との距離をΔbにすると、視差値Δ=Δa+Δbとなる。
また、視差値Δを用いることで、撮像装置10a,10bと物体Eとの間の距離Zを導き出すことができる。具体的には、距離Zは、撮像レンズ11aの焦点位置と撮像レンズ11bの焦点位置とを含む面から物体E上の特定点Sまでの距離である。図1に示されるように、撮像レンズ11a及び撮像レンズ11bの焦点距離f、撮像レンズ11aと撮像レンズ11bとの間の長さである基線長B、及び視差値Δを用いて、(式2)により、距離Zを算出することができる。
この(式2)により、視差値Δが大きいほど距離Zは小さく、視差値Δが小さいほど距離Zは大きくなる。
続いて、図2乃至図6を用いて、SGM法を用いた測距方法について説明する。なお、図2(a)は基準画像、図2(b)は(a)に対する高密度視差画像、図2(c)は(a)に対するエッジ視差画像を示す概念図である。ここで、基準画像は、物体が輝度によって示された画像である。高密度視差画像は、SGM法によって、基準画像から導き出された画像であり、基準画像の各座標における視差値を示した画像である。エッジ視差画像は、従来から用いられているブロックマッチング法によって導き出された画像であり、基準画像のエッジ部のような比較的テクスチャの強い部分のみの視差値を示した画像である。
まず、図3及び図4を用いて、コスト値C(p,d)の算出方法について説明する。図3(a)は基準画像における基準画素を示す概念図、図3(b)は(a)の基準画素に対して比較画像における対応画素の候補を順次シフトしながら(ずらしながら)コスト値を算出する際の概念図である。図4は、シフト量毎のコスト値を示すグラフである。ここで、対応画素は、基準画像内の基準画素に最も類似する比較画像内の画素である。なお、以降、C(p,d)は、C(x,y,d)を表すものとして説明する。
次に、図5及び図6を用いて、合成コスト値Ls(p,d)の算出方法について説明する。図5は、合成コスト値を導き出すための概念図である。図6は、視差値毎の合成コスト値を示す合成コスト曲線のグラフである。本実施形態における合成コスト値の算出方法は、コスト値C(p,d)の算出だけでなく、所定の基準画素p(x,y)の周辺の画素p’(x’,y’)を基準画素とした場合のコスト値を、基準画素p(x,y)におけるコスト値C(p,d)に集約させて、合成コスト値Ls(p,d)を算出する。
ここで、(式3)において、rは、集約方向の方向ベクトルを示し、x方向およびy方向の2成分を有する。min{}は、最小値を求める関数である。Lrmin(p−r)は、pをr方向に1画素シフトした座標において、シフト量dを変化させた際のLr(p−r,d)の最小値を示す。なお、Lrは、(式3)に示されているように再帰的に適用される。また、P1及びP2は、予め実験により定められた固定パラメータであり、経路上で隣接する基準画素の視差値Δが連続になりやすいようなパラメータになっている。例えば、P1=48、P2=96である。
以下、図面を用いて、本実施形態の具体的な説明を行う。ここでは、自動車に搭載される物体認識システム1について説明する。
まず、図7乃至図9用いて、本実施形態の全体構成について説明する。
図7及び図8を用いて、本実施形態の物体認識システム1の外観構成を説明する。なお、図7(a)は本発明の一実施形態に係る物体認識システムを搭載した自動車の側面を表す概略図、図7(b)は自動車の正面を示す概略図である。図8は、物体認識システムの概観図である。
次に、図9を用いて、物体認識システム1の全体のハードウェア構成について説明する。なお、図9は、物体認識システムの全体のハードウェア構成図である。
次に、図3、図9及び図11を用いて、視差値導出装置1の主要部のハードウェア構成について説明する。なお、図11は、視差値導出装置の主要部のハードウェア構成図である。
ここで、(式3’)は、(式3)に比べて、上記のように、上記の条件(0<Ad<1)を満たす係数Adが掛けられた点以外は同じであるため、各記号の説明は省略するが、以下に、(式3’)を利用した場合の再帰的な計算方法の概要について説明する。
また、視差値導出部330は、コスト合成部320によって出力された合成コスト値Lsが最小となる場合のシフト量dを、視差値Δとして導出する。
次に、図13乃至図16を用いて、本実施形態の処理又は動作を説明する。ここでは、視差値Δの導出方法について説明する。図13は、本実施形態の処理を示したフローチャートである。図14は、(a)は基準画像、(b)は基準画像の一部、(c)は(式3)が利用された場合の(b)に対する高密度視差画像、(d)、(e)は(式3’)が利用された場合の(b)に対する高密度視差画像である。図15は、基準画像の一部を拡大した概念図である。図16は、図15に示されている基準画像に関するシフト量毎のコスト値を示すグラフ及びシフト量毎の合成コスト値を示すグラフである。
以上説明したように本実施形態によれば、p位置の画素における経路コスト値Lr’を導く際に、p位置の画素から遠いにも拘わらず極端に低いコスト値Cが存在しても、この極端に低いコスト値Cの影響を受けづらくすることができるという効果を奏する。
上記実施形態では、コスト値Cは「非類似度」として示されているが、「類似度」として示されてもよい。この場合、コスト値Cの最小値は最大値に置き換え、合成コスト値Lsの最小値は最大値に置き換えられる。
上記実施形態では、以下に示すような発明が開示されている。
対象を撮像した第1の撮像手段によって得られた基準画像及び前記対象を撮像した第2の撮像手段によって得られた比較画像から、前記対象に対する視差を示す視差値を導出する視差値導出装置であって、
前記基準画像内の基準領域の輝度値と、前記比較画像において前記基準領域に基づくエピポーラ線上でシフトさせることでシフト量毎に特定される対応領域の候補の各輝度値との各コスト値を算出する算出手段と、
前記算出された第1の基準領域に対する対応領域の候補の各コスト値のうちの第1の重みと、前記算出された第2の基準領域に対する対応領域の候補の各コスト値のうちで前記第1の重みよりも少ない第2の重みと、を合成して前記基準画像上の所定の経路における経路コスト値を算出し、各経路における経路コスト値を合計することで前記シフト量毎に合成コスト値を算出する合成手段と、
前記算出された各合成コスト値に基づいて前記視差値を導出する導出手段と、
を有することを特徴とする視差値導出装置。
前記合成手段は、前記第1の基準領域のコスト値のうちの前記第1の重みと、前記第2の基準領域のコスト値に対する前記第2の重みと、前記基準画像において前記第1及び第2の基準領域を含む経路上で前記第1の基準領域から第2の基準領域までの距離よりも前記第1の基準領域から遠い距離に位置する第3の基準領域のコスト値に対して前記第2の重みよりも少ない第3の重みと、を合成することを特徴とする付記項1に記載の視差値導出装置。
前記合成手段は、前記第1の基準領域のコスト値のうちの前記第1の重みと、前記第2の基準領域の前記経路コスト値のうちの前記第2の重みとを合成することで前記基準画像上の所定の経路における経路コスト値を算出することを特徴とする付記項2に記載の視差値導出装置。
2 本体部
10a 撮像装置
10b 撮像装置
20a 信号変換装置
20b 信号変換装置
30 画像処理装置
310 コスト算出部(算出手段の一例)
320 コスト合成部(合成手段の一例)
330 視差値導出部(導出手段の一例)
Claims (14)
- 第1の撮像位置から撮像された基準画像における基準領域と、第2の撮像位置から撮像された比較画像における、前記基準領域に対応する対応領域を含む指定の範囲内の複数の領域各々と、のコスト値を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された、前記基準画像における第1の基準領域のコスト値のうちの第1の重みと、前記基準画像における前記第1の基準領域の周辺の第2の基準領域のコスト値のうちで前記第1の重みよりも少ない第2の重みと、を合成する合成手段と、
前記合成手段による合成によって得られた合成コスト値に基づいて、前記所定の基準領域において撮像されている対象の視差値を導出する導出手段と、
を有することを特徴とする視差値導出装置。 - 前記合成手段は、前記第1の基準領域のコスト値のうちの第1の重みと、前記第2の基準領域のコスト値のうちで前記第1の重みよりも少ない第2の重みと、前記基準画像における前記第1の基準領域から第2の基準領域までの距離よりも前記第1の基準領域から遠い距離に位置する第3の基準領域のコスト値のうちで前記第2の重みよりも少ない第3の重みと、を合成することを特徴とする請求項1に記載の視差値導出装置。
- 前記合成手段は、前記算出手段によって算出された前記コスト値に基づいて前記基準画像上の所定の経路における経路コスト値を算出し、各経路における経路コスト値を合計することで前記合成コスト値を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の視差値導出装置。
- 前記合成手段は、前記第1の基準領域のコスト値のうちの前記第1の重みと、前記第2の基準領域のコスト値のうちの前記第2の重みとを合成することで前記基準画像上の所定の経路における経路コスト値を算出することを特徴とする請求項3に記載の視差値導出装置。
- 前記各経路における前記第1及び第2の重みは、前記第1の重みよりも少ない前記第2の重みの条件を満たす範囲内で、前記経路毎に変更可能であることを特徴とする請求項4に記載の視差値導出装置。
- 前記各経路における前記第1及び第2の重みは、前記第1の重みよりも少ない前記第2の重みの条件を満たす範囲内で、前記撮像された基準画像のフレームデータ毎に変更可能であることを特徴とする請求項4又は5に記載の視差値導出装置。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の視差値導出装置を備えたことを特徴とする移動体。
- 前記移動体は、車両又はロボットであることを特徴とする請求項7に記載の移動体。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の視差値導出装置を備えたことを特徴とするロボット。
- 前記ロボットは、固定設置される工業用ロボットであることを特徴とする請求項9に記載のロボット。
- 第1の撮像位置から撮像された基準画像における基準領域と、第2の撮像位置から撮像された比較画像における、前記基準領域に対応する対応領域を含む指定の範囲内の複数の領域各々と、のコスト値を算出する算出ステップと、
前記算出ステップにより算出された、前記基準画像における第1の基準領域のコスト値のうちの第1の重みと、前記基準画像における前記第1の基準領域の周辺の第2の基準領域のコスト値のうちで前記第1の重みよりも少ない第2の重みと、を合成する合成ステップと、
前記合成ステップによる合成によって得られた合成コスト値に基づいて、前記所定の基準領域において撮像されている対象の視差値を導出する導出ステップと、
を実行することを特徴とする視差値導出方法。 - 第1の撮像位置から撮像された基準画像における基準領域と、第2の撮像位置から撮像された比較画像における、前記基準領域に対応する対応領域を含む指定の範囲内の複数の領域各々と、のコスト値を算出する算出ステップと、
前記算出ステップにより算出された、前記基準画像における第1の基準領域のコスト値のうちの第1の重みと、前記基準画像における前記第1の基準領域の周辺の第2の基準領域のコスト値のうちで前記第1の重みよりも少ない第2の重みと、を合成する合成ステップと、
前記合成ステップによる合成によって得られた合成コスト値に基づいて、前記所定の基準領域において撮像されている対象の視差値を導出する導出ステップと、
を実行することを特徴とする視差値の生産方法。 - コンピュータに、請求項11又は12に記載の方法を実行させることを特徴とするプログラム。
- 第1の撮像位置から撮像された基準画像における基準領域と、第2の撮像位置から撮像された比較画像における、前記基準領域に対応する対応領域を含む指定の範囲内の複数の領域各々と、のコスト値を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された、前記基準画像における所定の基準領域の周辺の基準領域の一致度と、前記基準画像における前記所定の基準領域の一致度の所定の重みとを合成する合成手段と、
前記合成手段により合成された一致度に基づいて、前記所定の基準領域において撮像されている対象の視差値を導出して、前記基準画像または前記比較画像中の物体の認識を行う前記物体認識装置に出力する導出手段と、を備え、
前記導出手段が導出する視差値で示される前記物体認識装置が認識する物体に対応する領域は、前記重みが小さいほど小さくなる
を有することを特徴とする視差値導出装置。
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