JP6442911B2 - 視差値導出装置、移動体、ロボット、視差値導出方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
まず、図1乃至図6を用いて、SGM(Semi-Global Matching)法を用いた測距方法の概略について説明する。
図1を用いて、ステレオ画像法により、ステレオカメラから物体に対する視差を導き出し、この視差を示す視差値によって、ステレオカメラから物体までの距離を測定する原理について説明する。なお、図1は、撮像装置から物体までの距離を導き出す原理の説明図である。また、以下では、説明を簡略化するため、複数の画素からなる所定領域ではなく、一画素単位で説明する。
まず、図1で示される撮像装置10aおよび撮像装置10bによって撮像された各画像を、それぞれ基準画像Iaおよび比較画像Ibとする。なお、図1では、撮像装置10aおよび撮像装置10bが平行等位に設置されているものとする。図1において、3次元空間内の物体E上のS点は、撮像装置10aおよび撮像装置10bの同一水平線上の位置に写像される。すなわち、各画像中のS点は、基準画像Ia中の点Sa(x,y)および比較画像Ib中の点Sb(X,y)において撮像される。このとき、視差値Δは、撮像装置10a上の座標におけるSa(x,y)と撮像装置10b上の座標におけるSb(X,y)とを用いて、(式1)のように表される。
ここで、図1のような場合には、基準画像Ia中の点Sa(x,y)と撮像レンズ11aから撮像面上におろした垂線の交点との距離をΔaにし、比較画像Ib中の点Sb(X,y)と撮像レンズ11bから撮像面上におろした垂線の交点との距離をΔbにすると、視差値Δ=Δa+Δbとなる。
また、視差値Δを用いることで、撮像装置10a,10bと物体Eとの間の距離Zを導き出すことができる。具体的には、距離Zは、撮像レンズ11aの焦点位置と撮像レンズ11bの焦点位置とを含む面から物体E上の特定点Sまでの距離である。図1に示されるように、撮像レンズ11a及び撮像レンズ11bの焦点距離f、撮像レンズ11aと撮像レンズ11bとの間の長さである基線長B、及び視差値Δを用いて、(式2)により、距離Zを算出することができる。
この(式2)により、視差値Δが大きいほど距離Zは小さく、視差値Δが小さいほど距離Zは大きくなる。
続いて、図2乃至図6を用いて、SGM法を用いた測距方法について説明する。なお、図2(a)は基準画像、図2(b)は(a)に対する高密度視差画像、図2(c)は(a)に対するエッジ視差画像を示す概念図である。ここで、基準画像は、物体が輝度によって示された画像である。高密度視差画像は、SGM法によって、基準画像から導き出された画像であり、基準画像の各座標における視差値を示した画像である。エッジ視差画像は、ブロックマッチング法から導き出された画像であり、基準画像のエッジ部のような比較的テクスチャの強い部分のみの視差値を示した画像である。
まず、図3及び図4を用いて、コスト値C(p,d)の算出方法について説明する。図3(a)は基準画像における基準画素を示す概念図、図3(b)は(a)の基準画素に対して比較画像における対応画素の候補を順次シフトしながら(ずらしながら)シフト量(ずれ量)を算出する際の概念図である。図4は、シフト量毎のコスト値を示すグラフである。ここで、対応画素は、基準画像内の基準画素に最も類似する比較画像内の画素である。なお、以降、C(p,d)は、C(x,y,d)を表すものとして説明する。
次に、図5及び図6を用いて、合成コスト値Ls(p,d)の算出方法について説明する。図5は、合成コスト値を導き出すための概念図である。図6は、視差値毎の合成コスト値を示すグラフである。本実施形態における合成コスト値の算出は、コスト値C(p,d)の算出だけでなく、所定の基準画素p(x,y)の周辺の画素を基準画素とした場合のコスト値を、基準画素p(x,y)におけるコスト値C(p,d)に集約させて、合成コスト値Ls(p,d)を算出する方法である。
ここで、rは、集約方向の方向ベクトルを示し、x方向およびy方向の2成分を有する。min{}は、最小値を求める関数である。Lrmin(p−r)は、pをr方向に1画素シフトした座標において、シフト量dを変化させた際のLr(p−r,d)の最小値を示す。なお、Lrは、(式3)に示されているように再帰的に適用される。また、P1及びP2は、予め実験により定められた固定パラメータであり、経路上で隣接する基準画素の視差値Δが連続になりやすいようなパラメータになっている。例えば、P1=48、P2=96である。
以下、図7乃至図19を用いて、本実施形態の具体的な説明を行う。ここでは、自動車に搭載される視差値導出装置1について説明する。
以降、図7乃至図14を用いて、第1の実施形態について説明する。
まず、図7乃至図10を用いて、本実施形態の構成について説明する。
図7及び図8を用いて、本実施形態の視差値導出装置1の外観構成を説明する。なお、図7(a)は本発明の一実施形態に係る視差値導出装置を搭載した自動車の側面を表す概略図、図7(b)は自動車の正面を示す概略図である。図8は、視差値導出装置の概観図である。
次に、図9を用いて、視差値導出装置1の全体のハードウェア構成について説明する。なお、図9は、視差値導出装置の全体のハードウェア構成図である。
次に、図3、図9及び図10を用いて、視差値導出装置1の主要部のハードウェア構成について説明する。なお、図10は、視差値導出装置の主要部のハードウェア構成図である。
ここで、max{}は最大値を求める関数である。Aは自己相関値である。
次に、図9乃至図14を用いて、本実施形態の処理または動作を説明する。本実施形態では、図12(a)に示されている基準画像から合成コスト値Lsが導き出される場合について説明する。なお、図面を分かり易く説明するため、図12(a)の一部の画像を、図12(b)に示す。
以上説明したように本実施形態によれば、各コスト値Cに対して、自己相関値に基づき正規化倍率を適用することで、テクスチャの弱い物体におけるコスト値が、テクスチャの強い周囲の物体におけるコスト値の影響を受けにくくすることができる。よって、より正確なコスト値を導き出すことができるという効果を奏する。
以降、図10、図12、図15及び図16を用いて、第2の実施形態について説明する。
本実施形態は、第1の実施形態の図10におけるコスト変更部330に新たな機能が追加された点以外は、第1の実施形態と同じであるため、コスト変更部330について説明する。
次に、図12、図15乃至図14を用いて、本実施形態の処理または動作を説明する。図15は、第2の実施形態の処理を示したフローチャートである。図16において、(a)は正規化倍率を適用した後のコスト値を示すグラフ、(b)は正規化倍率を適用した後に2値化したコスト値を示すグラフ、(c)は(a)から導かれた合成コスト値を示すグラフ、(d)は(b)から導かれた合成コスト値を示すグラフである。なお、図16(a),(c)は、図14(b),(d)と同じグラフである。なお、本実施形態では、図15において、ステップS11−1〜S17は、それぞれ第1の実施形態における図11のステップS1−1〜S7と同じ処理であるため、その説明を省略する。
以上説明したように本実施形態によれば、コスト値Cが閾値Thを超える場合には、コスト変更部330は、閾値Thを超えたコスト値Cを、閾値Thよりも高い第1の所定値Hに変更する。これにより、第1の所定値Hよりも大きいコスト値Cが、第1の所定値Hまで下がるため、テクスチャの弱い物体におけるコスト値が、テクスチャの強い周囲の物体におけるコスト値の影響を受けにくくすることができる。よって、より正確なコスト値を導き出すことができるという効果を奏する。
上記実施形態では、コスト値Cは非類似度として示されているが、類似度として示されてもよい。この場合、合成コスト値Lsが最大となる視差値Δが導出される。また、非類似度と類似度の両者を含めて、一致度としてもよい。
上記実施形態では、以下に示すような発明が開示されている。
第1の位置で撮像された基準画像における基準領域と、第2の位置で撮像された比較画像における、前記基準領域に対応する対応領域を含む指定の範囲内の複数の領域各々と、の一致度を算出する第1の算出手段と、
前記一致度を変更するための倍率を算出する第2の算出手段と、
前記一致度に前記倍率を適用して前記一致度を変更する変更手段と、
前記変更手段により変更された前記基準画像における所定の基準領域の周辺の基準領域の一致度と、前記変更手段により変更された前記基準画像における所定の基準領域の一致度と、を合成する合成手段と、
前記合成手段により合成された前記一致度に基づいて、前記所定の基準領域において撮像されている対象の視差値を導出する導出手段と、
を有することを特徴とする視差値導出装置。
前記第2の算出手段は、前記第1の位置で撮像された基準画像における、基準領域と所定領域との一致度である自己相関値を算出し、前記自己相関値に基づいて前記倍率を算出する
ことを特徴とする付記項1に記載の視差値導出装置。
前記変更手段は、前記倍率を適用することで変更された前記一致度を、所定の閾値に基づいて、第1の所定値に変更することを特徴とする付記項1又は2に記載の視差値導出装置。
前記変更手段は、前記閾値に基づいて前記第1の所定値に変更された一致度以外の一致度を、前記閾値に基づいて第2の所定値に変更することを特徴とする付記項1乃至3のいずれか一項に記載の視差値導出装置。
前記第2の所定値はゼロであることを特徴とする付記項4に記載の視差値導出装置。
2 本体部
10a 撮像装置
10b 撮像装置
20a 信号変換装置
20b 信号変換装置
30 画像処理装置
310 コスト算出部(第1の算出手段の一例)
320 自己相関値算出部(第2の算出手段の一例)
330 コスト変更部(変更手段の一例)
340 コスト合成部(合成手段の一例)
350 視差値導出部(導出手段の一例)
Claims (22)
- 所定の物体を第1の位置で撮像して得た基準画像及び前記物体を第2の位置で撮像して得た比較画像に基づいて、前記物体に対する視差を示す視差値を導出する視差値導出装置であって、
前記基準画像内の基準領域の輝度値と、前記比較画像において前記基準領域に基づくエピポーラ線上でシフトさせることで、シフト量毎に特定される対応領域の候補の各輝度値とに基づいて、前記基準領域に対する前記対応領域の候補の非類似度を算出する第1の算出手段と、
前記基準画像内の基準領域の輝度値に基づいて、前記基準領域に対する正規化倍率を算出する第2の算出手段と、
前記第1の算出手段によって算出された前記各非類似度に対して前記正規化倍率を適用することで、前記非類似度を変更する変更手段と、
前記変更手段による変更後の一の基準領域に対する対応領域の候補の各非類似度と、前記変更手段による変更後の他の基準領域に対する対応領域の候補の各非類似度とを、前記シフト量毎に合成する合成手段と、
前記一の基準領域の前記基準画像における位置と、前記合成手段による合成後の非類似度が最小となる対応領域の前記比較画像における位置とに基づいて、前記視差値を導出する導出手段と、
を有することを特徴とする視差値導出装置。 - 前記第2の算出手段は、前記基準画像内の基準領域の輝度値に基づいて、自己相関値を算出し、当該自己相関値から前記正規化倍率を算出することを特徴とする請求項1に記載の視差値導出装置。
- 前記第2の算出手段は、前記基準画像内の基準領域の輝度値と、前記基準画像において前記エピポーラ線上でシフトさせることで、シフト量毎に特定される所定領域の各輝度値とに基づいて、前記基準領域に対する前記自己相関値を算出することを特徴とする請求項2に記載の視差値導出装置。
- 前記第2の算出手段は、前記基準画像における隣接画素の輝度値の差に基づいて、前記自己相関値を算出することを特徴とする請求項2に記載の視差値導出装置。
- 前記変更手段は、前記正規化倍率を適用することで変更された前記各非類似度のうち、閾値を越えた非類似度を、当該閾値よりも高い所定値に変更することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の視差値導出装置。
- 前記所定値は第1の所定値であり、前記変更手段は、前記閾値以下の非類似度を、前記閾値よりも低い第2の所定値に変更することを特徴とする請求項5に記載の視差値導出装置。
- 前記第2の所定値はゼロであることを特徴とする請求項6に記載の視差値導出装置。
- 所定の物体を第1の位置で撮像して得た基準画像及び前記物体を第2の位置で撮像して得た比較画像に基づいて、前記物体に対する視差を示す視差値を導出する視差値導出装置であって、
前記基準画像内の基準領域の輝度値と、前記比較画像において前記基準領域に基づくエピポーラ線上でシフトさせることで、シフト量毎に特定される対応領域の候補の各輝度値とに基づいて、前記基準領域に対する前記対応領域の候補の類似度を算出する第1の算出手段と、
前記基準画像内の基準領域の輝度値に基づいて、前記基準領域に対する正規化倍率を算出する第2の算出手段と、
前記第1の算出手段によって算出された前記各類似度に対して前記正規化倍率を適用することで、前記類似度を変更する変更手段と、
前記変更手段による変更後の一の基準領域に対する対応領域の候補の各類似度と、前記変更手段による変更後の他の基準領域に対する対応領域の候補の各類似度とを、前記シフト量毎に合成する合成手段と、
前記一の基準領域の前記基準画像における位置と、前記合成手段による合成後の類似度が最大となる対応領域の前記比較画像における位置とに基づいて、前記視差値を導出する導出手段と、
を有することを特徴とする視差値導出装置。 - 前記第2の算出手段は、前記基準画像内の基準領域の輝度値に基づいて、自己相関値を算出し、当該自己相関値から前記正規化倍率を算出することを特徴とする請求項8に記載の視差値導出装置。
- 前記第2の算出手段は、前記基準画像内の基準領域の輝度値と、前記基準画像において前記エピポーラ線上でシフトさせることで、シフト量毎に特定される所定領域の各輝度値とに基づいて、前記基準領域に対する前記自己相関値を算出することを特徴とする請求項9に記載の視差値導出装置。
- 前記第2の算出手段は、前記基準画像における隣接画素の輝度値の差に基づいて、前記自己相関値を算出することを特徴とする請求項9に記載の視差値導出装置。
- 前記変更手段は、前記正規化倍率を適用することで変更された前記各類似度のうち、閾値以下の類似度を、当該閾値よりも低い所定値に変更することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の視差値導出装置。
- 前記所定値は第1の所定値であり、前記変更手段は、前記閾値を越えた類似度を、前記閾値よりも高い第2の所定値に変更することを特徴とする請求項12に記載の視差値導出装置。
- 前記第1の所定値はゼロであることを特徴とする請求項13に記載の視差値導出装置。
- 請求項1乃至14のいずれか一項に記載の視差値導出装置を備えたことを特徴とする移動体。
- 前記移動体は、車両又はロボットであることを特徴とする請求項15に記載の移動体。
- 請求項1乃至14のいずれか一項に記載の視差値導出装置を備えたことを特徴とするロボット。
- 前記ロボットは、固定設置される工業用ロボットであることを特徴とする請求項17に記載のロボット。
- 所定の物体を第1の位置で撮像して得た基準画像及び前記物体を第2の位置で撮像して得た比較画像に基づいて、前記物体に対する視差を示す視差値を導出する視差値導出方法であって、
前記基準画像内の基準領域の輝度値と、前記比較画像において前記基準領域に基づくエピポーラ線上でシフトさせることで、シフト量毎に特定される対応領域の候補の各輝度値とに基づいて、前記基準領域に対する前記対応領域の候補の非類似度を算出する第1の算出ステップと、
前記基準画像内の基準領域の輝度値に基づいて、前記基準領域に対する正規化倍率を算出する第2の算出ステップと、
前記第1の算出ステップによって算出された前記各非類似度に対して前記正規化倍率を適用することで、前記非類似度を変更する変更ステップと、
前記変更ステップによる変更後の一の基準領域に対する対応領域の候補の各非類似度と、前記変更ステップによる変更後の他の基準領域に対する対応領域の候補の各非類似度とを、前記シフト量毎に合成する合成ステップと、
前記一の基準領域の前記基準画像における位置と、前記合成ステップによる合成後の非類似度が最小となる対応領域の前記比較画像における位置とに基づいて、前記視差値を導出する導出ステップと、
を含むことを特徴とする視差値導出方法。 - 所定の物体を第1の位置で撮像して得た基準画像及び前記物体を第2の位置で撮像して得た比較画像に基づいて、前記物体に対する視差を示す視差値を導出する視差値導出方法であって、
前記基準画像内の基準領域の輝度値と、前記比較画像において前記基準領域に基づくエピポーラ線上でシフトさせることで、シフト量毎に特定される対応領域の候補の各輝度値とに基づいて、前記基準領域に対する前記対応領域の候補の類似度を算出する第1の算出ステップと、
前記基準画像内の基準領域の輝度値に基づいて、前記基準領域に対する正規化倍率を算出する第2の算出ステップと、
前記第1の算出ステップによって算出された前記各類似度に対して前記正規化倍率を適用することで、前記類似度を変更する変更ステップと、
前記変更ステップによる変更後の一の基準領域に対する対応領域の候補の各類似度と、前記変更ステップによる変更後の他の基準領域に対する対応領域の候補の各類似度とを、前記シフト量毎に合成する合成ステップと、
前記一の基準領域の前記基準画像における位置と、前記合成ステップによる合成後の類似度が最大となる対応領域の前記比較画像における位置とに基づいて、前記視差値を導出する導出ステップと、
を含むことを特徴とする視差値導出方法。 - コンピュータに、請求項19に記載の方法を実行させることを特徴とするプログラム。
- コンピュータに、請求項20に記載の方法を実行させることを特徴とするプログラム。
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