JP2015193635A - 速溶性防湿フィルムコーティング製剤及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】固形製剤の防湿性を向上させ、かつ速溶性を維持したフィルムコーティング固形製剤を提供する。
【解決手段】ポリビニルアルコール共重合体、及び、ステアリン酸マグネシウムを含有するフィルムコーティング基剤でコーティングされた、フィルムコーティング固形製剤。
【選択図】なし
【解決手段】ポリビニルアルコール共重合体、及び、ステアリン酸マグネシウムを含有するフィルムコーティング基剤でコーティングされた、フィルムコーティング固形製剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、防湿効果に優れ、親水性有色成分含有製剤の変色抑制効果を示し、かつ速溶性を保持するフィルムコーティング固形製剤、及びその製造方法に関する。
フィルムコーティングは固形製剤の外観向上、薬効成分の光安定性の維持、苦味マスキングによる服用性向上等、広く利用されている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、一般的に速溶性フィルムコーティング基剤は水溶性であり防湿性が低いため、これまで高い防湿性と速溶性を同時に実現するフィルムコーティング固形製剤の製造は困難であると考えられていた。特に親水性有色成分を含有する従来の速溶性フィルムコーティング固形製剤では、加湿条件下における、色の染み出し現象が認められる問題点があった(例えば、特許文献1参照)。
一方、腸溶性や徐放性に一般的に用いる水不溶性のコーティング基剤を使いたフィルムコーティングを行えば、ある程度の防湿性を有するフィルムコーティング固形製剤の調製が可能と考えられる。しかしながら、水に不溶なコーティング成分であるため、該フィルムコーティング固形製剤に速溶性を同時に実現させることは困難である。
また、近年、防湿効果に優れるとされるフィルム基剤が市販されてきているが、素錠の色味の隠蔽のために隠蔽剤を使用すること、フィルムコーティングの製造工程において、錠剤など固形剤の工程中の粉体間の流動性を良くするために滑沢剤を使用すること、及び/又は製造性や経時安定性の向上のために可塑剤等の添加が必要なため、これら隠蔽剤、滑沢剤、及び/又は可塑剤等を使用することで極端に防湿性が劣化する問題点があった(例えば、非特許文献2参照)。したがって、防湿性と、製造性や経時安定性等の実用性の両方を兼ね備えた製剤処方が求められている。
「製剤機械技術ハンドブック」 製剤機械技術研究会 2000年 9月1日 175〜177頁
PHARM TECH JAPAN vol.25 No.2 (2009) p145〜p150
固形製剤の防湿性を向上させ、かつ速溶性を維持したフィルムコーティング固形製剤を提供することが課題である。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、ポリビニルアルコール共重合体をフィルムコーティング成分として用いた場合に、防湿性に優れた速溶性フィルムコーティング固形製剤が製造できることを見いだした。さらに、ポリビニルアルコール共重合体をフィルムコーティング剤に用いた場合、乾燥時にコーティング固形剤間の付着による製造上の新たな問題が浮上したが、ステアリン酸マグネシウムをフィルムコーティング分散液剤成分として添加することにより、問題点を解決できることを見いだし、コーティング工程中の噴霧量を削減することなく、フィルムコーティングの厚さを短時間に確保することを可能にして本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記の(1)〜(11)を提供するものである。
(1)ポリビニルアルコール共重合体、及び、ステアリン酸マグネシウムを含有する、フィルムコーティング基剤。
(2)ポリビニルアルコール共重合体、及び、ステアリン酸マグネシウムを含有するフィルムコーティング基剤でコーティングした、フィルムコーティング固形製剤。
(3)(A)及び(B)を含有する、固形製剤。
(A):有効成分及び添加剤を含有する内核固形物
(B):ポリビニルアルコール共重合体、及び、ステアリン酸マグネシウムを含有するフィルムコーティング基剤でコーティングした、(A)を被覆するフィルムコーティング層
(4)ポリビニルアルコール共重合体が、20℃における2重量%溶液の粘度が10〜300mPa・sのポリビニルアルコール共重合体である(1)〜(3)のいずれか1に記載の固形製剤。
(5)ポリビニルアルコール共重合体が、20℃における2重量%溶液の粘度が10〜250mPa・sのポリビニルアルコール共重合体である(1)〜(3)のいずれか1に記載の固形製剤。
(6)有効成分が、親水性有色成分である、(3)〜(5)のいずれか1に記載の固形製剤。
(7)フィルムコーティング層の厚さが40〜400μmである、(2)〜(6)のいずれか1に記載の固形製剤。
(8)フィルムコーティング層の厚さが60〜300μmである、(2)〜(6)のいずれか1に記載の固形製剤。
(9)固形製剤が、顆粒又は錠剤である、(2)〜(8)のいずれか1に記載の固形製剤。
(10)(2)〜(9)のいずれか1に記載の固形製剤を採用することによる、親水性有色成分を含有する固形製剤の変色抑制方法。
(11)ステアリン酸マグネシウムをフィルムコーティング基剤に添加することを特徴とする、製造操作性を向上させた、(2)〜(9)のいずれか1に記載の固形製剤の製造方法。
(1)ポリビニルアルコール共重合体、及び、ステアリン酸マグネシウムを含有する、フィルムコーティング基剤。
(2)ポリビニルアルコール共重合体、及び、ステアリン酸マグネシウムを含有するフィルムコーティング基剤でコーティングした、フィルムコーティング固形製剤。
(3)(A)及び(B)を含有する、固形製剤。
(A):有効成分及び添加剤を含有する内核固形物
(B):ポリビニルアルコール共重合体、及び、ステアリン酸マグネシウムを含有するフィルムコーティング基剤でコーティングした、(A)を被覆するフィルムコーティング層
(4)ポリビニルアルコール共重合体が、20℃における2重量%溶液の粘度が10〜300mPa・sのポリビニルアルコール共重合体である(1)〜(3)のいずれか1に記載の固形製剤。
(5)ポリビニルアルコール共重合体が、20℃における2重量%溶液の粘度が10〜250mPa・sのポリビニルアルコール共重合体である(1)〜(3)のいずれか1に記載の固形製剤。
(6)有効成分が、親水性有色成分である、(3)〜(5)のいずれか1に記載の固形製剤。
(7)フィルムコーティング層の厚さが40〜400μmである、(2)〜(6)のいずれか1に記載の固形製剤。
(8)フィルムコーティング層の厚さが60〜300μmである、(2)〜(6)のいずれか1に記載の固形製剤。
(9)固形製剤が、顆粒又は錠剤である、(2)〜(8)のいずれか1に記載の固形製剤。
(10)(2)〜(9)のいずれか1に記載の固形製剤を採用することによる、親水性有色成分を含有する固形製剤の変色抑制方法。
(11)ステアリン酸マグネシウムをフィルムコーティング基剤に添加することを特徴とする、製造操作性を向上させた、(2)〜(9)のいずれか1に記載の固形製剤の製造方法。
本発明によれば、防湿効果に優れた速溶性フィルムコーティング固形製剤の提供が可能になる。また、防湿効果に優れることにより、親水性有色成分を含有する固形製剤の吸湿による変色が抑制できる。さらに、本発明のフィルムコーティング基剤を採用することにより、フィルムコーティングの製造作業性を向上させる効果が得られる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明における「ポリビニルアルコール共重合体」としては、国際公開パンフレット2005/19286や国際公開パンフレット2002/17848に記載されている方法に従って製造することができ、平均重合度100〜2000の部分けん化ポリビニルアルコールと、少なくとも1以上の重合性ビニル単量体とを重量比6:4〜9:1の割合で共重合させて得られる共重合体であり、当該共重合体の20℃における2重量%溶液の粘度が10〜300mPa・sであるポリビニルアルコール共重合体である。
ポリビニルアルコール共重合体として、好ましくは、平均重合度150〜1000の部分けん化ポリビニルアルコールと少なくとも1以上の「重合性ビニル単量体」とを重量比6:4〜9:1の割合で共重合させて得られる共重合体であり、当該共重合体の20℃における2重量%溶液の粘度が10〜250mPa・sであるポリビニルアルコール共重合体である。
ここで、使用される重合性ビニル単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マクロゴール(登録商標)等が好ましい。
また、ポリビニルアルコールとポリエチレングリコール[マクロゴール(登録商標)]の共重合体も本発明で使用されるポリビニルアルコール共重合体として好ましい。
本発明で使用されるポリビニルアルコール共重合体は、例えば、商品名:ポバコート(登録商標)(大同化成工業株式会社、日新化成株式会社)、商品名:コリコートIR(BASFジャパン株式会社)等として市販されており、容易に入手することができる。
本発明で使用されるポリビニルアルコール共重合体は、例えば、商品名:ポバコート(登録商標)(大同化成工業株式会社、日新化成株式会社)、商品名:コリコートIR(BASFジャパン株式会社)等として市販されており、容易に入手することができる。
本発明におけるステアリン酸マグネシウムは、2007医薬品添加物事典に収載されており、容易に入手することができる。ステアリン酸マグネシウムは、安定化剤、滑沢剤、光沢化剤等の添加剤として、通常は粉末で用い、例えば一般的には打錠前の組成物に添加することで打錠時の杵、臼との付着を防ぐ目的で使用される。本発明においては、フィルムコーティング層に使用するステアリン酸マグネシウムは、コーティング剤として用いる。
本発明における親水性有色成分としては、医薬組成中に用いられる、色を有している成分を意味し、元々色を有している成分の他、加湿や、加湿による分解によって着色、若しくは着色とともに含量低下する成分をも意味し、有色の薬効成分の他、製剤化に使用される製剤添加剤を挙げることができる。ここで、製剤添加剤としては、公知の固形製剤に使用しうる医薬品添加剤を意味し、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、崩壊補助剤、滑沢剤、流動化剤、光沢化剤、発砲剤、防湿剤、界面活性剤、安定化剤、乳化剤、抗酸化剤、充填剤、防腐剤、保存剤、甘味剤、矯味剤、清涼化剤、香料、芳香剤、着色剤、基剤、コーティング剤、糖衣剤、可塑剤、分散剤、及び消泡剤等が挙げられる。
また、本発明の親水性有色成分に分類することのできる薬効成分としては、ビタミンC及びその誘導体並びにその塩類、例えばアスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム等;ビタミンB1及びその誘導体並びにその塩類、例えばチアミン硝化物、ベンフォチアミン等;ビタミンB2及びその誘導体並びにその塩類、例えばリボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビン等;ビタミンB12及びその誘導体並びにその塩類、例えばシアノコバラミン、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メコバラミン等;イブプロフェン;及びニンジン等の生薬成分全般;を挙げることができる。ここに例示した親水性有色成分は、第15改正日本薬局方、第14改正日本薬局方・局外規2002、一般用医薬品製造(輸入)承認基準(2000年度版)、2007医薬品添加物事典、及び2007医薬品添加物ハンドブックに収載されている。
本発明のフィルムコーティング固形製剤は、(A):有効成分及び添加剤を含有する内核固形物、及び、(B):ポリビニルアルコール共重合体、及び、ステアリン酸マグネシウムを含有するフィルムコーティング基剤でコーティングした、(A)を被覆するフィルムコーティング層を有し、一般に用いられる方法により製造すればよい。すなわち、親水性有色成分を含有する粒子を調製する際には、必要により他の有効成分を配合し、さらに必要に応じて製剤添加剤を添加して、顆粒、錠剤等の内核となる固形物を製造する。内核固形物は、造粒後の顆粒のまま、顆粒を打錠した素錠、又は上記配合物をそのまま打錠して素錠とした後、該内核固形物をフィルムコーティング剤で被覆(コート)して製造することができる。該内核固形物又はフィルムコーティング剤で被覆(コート)したフィルムコーティング固形製剤は、他のコーティング剤、例えば糖衣などのアンダーコートを行ってもよい。
本発明の固形製剤に用いられる製剤添加剤としては、薬学的に許容される担体、例えば賦形剤、結合剤、崩壊剤、崩壊補助剤、滑沢剤、流動化剤、光沢化剤、発砲剤、防湿剤、界面活性剤、安定化剤、乳化剤、抗酸化剤、充填剤、防腐剤、保存剤、甘味剤、矯味剤、清涼化剤、香料、芳香剤、着色剤、基剤、コーティング剤、糖衣剤、可塑剤、分散剤、消泡剤等が挙げられ、従来公知の固形製剤に使用しうる製剤添加剤を上記の目的で使用しうる。
本発明のフィルムコーティング固形製剤中のポリビニルアルコール共重合体とステアリン酸マグネシウムの比率は、ステアリン酸マグネシウム1重量部に対しポリビニルアルコール共重合体が1〜100重量部の範囲で使用でき、1〜40重量部が好ましく、1〜20重量部がより好ましく、1〜10重量部が特に好ましい。
以下に、本発明の固形製剤が錠剤である場合の好ましい形状について説明する。
錠剤の形状は、特に限定されないが、例えば、上部から観察した場合には、通常、円形、楕円形、いわゆるカプレット形、ひし形等であり、好適には、円形である。
錠剤の好ましい形状としては、図1に示した断面図を挙げることができ、R面(上面又は下面)とO面(側面又は帯部分)からなる。
錠剤における「直径」とは、断面図における一方のO面から他方のO面までの長さである(図1中の1)。なお、錠剤の形状が円形でない場合には、例えば、長径を用いることができる。本発明の錠剤の直径としては、2〜15mmが好ましいが、なんらこの範囲に限定されるものではない。
錠剤における「曲率半径」とは、図1の2で示したR面の曲率半径を意味する。ただし、2段Rの錠剤や形状が円形でない場合には、曲率半径はR面上の部位で異なった値を示す。
錠剤における「フィルムコーティング層」とは、O面のフィルムコーティングの厚さである。
錠剤におけるフィルムコーティング層の厚さは、好適には40μm以上〜400μmであり、より好適には60μm以上〜300μmである。
錠剤における「内核固形物」とは、フィルムコーティングを施す前の固形物であり、「素錠」とは、フィルムコーティングを施す前の錠剤(内核錠剤)である。内核錠剤に本発明のフィルムコーティング層を施すことにより、防湿効果に優れた速溶性フィルムコーティング錠を製造できる。特に、内核錠剤に親水性有色成分を有効成分として含有しても、製剤の変色が抑制された安定な製剤を製造することができる。
フィルムの防湿効果の評価方法としては、一般的にはJIS−Z−0208準拠したカップ法が知られている。しかし、フィルムコーティングに用いる溶液は水不溶性の成分が多量に分散しており均質なキャスティングフィルムの調製が困難であることが判明した。そこで、本発明では、プラセボ錠(偽錠)にフィルムコーティングした製剤を、25℃、75%の相対湿度(25℃・75%RH)の虐待条件化にて放置し、質量増加が平衡に達するまでの日数で防湿の効果を、JISカップ法等を使用して簡易的に評価した。質量増加が平衡に達するまでの日数としては、3日以上であれば錠剤の防湿効果として十分に好ましいが、5日以上がより好ましい。すなわち、フィルムコーティング固形製剤の防湿性としては、質量増加が平衡に達するまでの日数が3日以上、より好適には5日以上であれば、通常の服用において実質的な防湿性に優れていると判断することができる。
本発明のフィルムコーティング固形製剤の速溶性は、固形製剤の崩壊試験(試験水:水、n=6)で評価し、速溶性としては、固形製剤の崩壊時間が20分以内であれば速溶性製剤として優れていると判断した。
以下に、実施例、比較例及び試験例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
試験例1:加湿条件下におけるフィルムコーティング錠(プラセボ錠)の吸湿量の比較試験
1.錠剤(素錠1)の製造
精製マルトース6000.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース2000.0g、結晶セルロース2000.0g、ステアリン酸マグネシウム10.0gを投入・混合し、直径8.5mmの臼、曲率半径6.8mmのR面杵を用いて打錠して、1錠質量280mg、厚さ5.4mmの素錠1を製造した。
精製マルトース6000.0g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース2000.0g、結晶セルロース2000.0g、ステアリン酸マグネシウム10.0gを投入・混合し、直径8.5mmの臼、曲率半径6.8mmのR面杵を用いて打錠して、1錠質量280mg、厚さ5.4mmの素錠1を製造した。
2.試験用製剤の製造
(比較例1)
素錠1を試験用錠剤(プラセボ錠)とした。
素錠1を試験用錠剤(プラセボ錠)とした。
(比較例2)
ヒプロメロース35.0g、酸化チタン10.0g、タルク5.0gを精製水315.0gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)をコーティングパン(ハイコーターラボ;フロイント産業株式会社製)に充填し、コーティング溶液を1錠につき300mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。
ヒプロメロース35.0g、酸化チタン10.0g、タルク5.0gを精製水315.0gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)をコーティングパン(ハイコーターラボ;フロイント産業株式会社製)に充填し、コーティング溶液を1錠につき300mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。
(比較例3)
ポリビニルアルコール部分けん化物を含有しているフィルムコーティング用基剤(商品名:オパドライII85シリーズ)54.0gを精製水306gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)を上記コーティングパンに充填し、コーティング溶液を1錠につき300mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。また、このとき錠剤品温度54〜57℃、スプレー速度毎分2g、スプレー圧0.12MPa、パン回転数32rpmであった。
ポリビニルアルコール部分けん化物を含有しているフィルムコーティング用基剤(商品名:オパドライII85シリーズ)54.0gを精製水306gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)を上記コーティングパンに充填し、コーティング溶液を1錠につき300mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。また、このとき錠剤品温度54〜57℃、スプレー速度毎分2g、スプレー圧0.12MPa、パン回転数32rpmであった。
(比較例4)
セピフィルム(商品名:SEPIFILM LP030)54.0gを精製水396.0gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)を上記コーティングパンに充填し、コーティング溶液を1錠につき300mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。
セピフィルム(商品名:SEPIFILM LP030)54.0gを精製水396.0gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)を上記コーティングパンに充填し、コーティング溶液を1錠につき300mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。
(比較例5)
アミノアルキルメタクリレートコポリマーE[オイドラギット(登録商標)EPO]50.0g、ラウリル硫酸ナトリウム5.0g、ステアリン酸7.5g、タルク17.5gを精製水420.0gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)を上記コーティングパンに充填し、コーティング溶液を1錠につき300mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。
アミノアルキルメタクリレートコポリマーE[オイドラギット(登録商標)EPO]50.0g、ラウリル硫酸ナトリウム5.0g、ステアリン酸7.5g、タルク17.5gを精製水420.0gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)を上記コーティングパンに充填し、コーティング溶液を1錠につき300mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。
(比較例6)
ポリビニルアルコール共重合体[商品名:ポバコート(登録商標)]60.8g、タルク20.3g、酸化チタン20.3gを20%エタノール水溶液698.7gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)を上記コーティングパンに充填し、コーティング溶液を1錠につき300mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。また、このとき錠剤品温度54〜57℃、スプレー速度毎分2g、スプレー圧0.12MPa、パン回転数32rpmであった。
ポリビニルアルコール共重合体[商品名:ポバコート(登録商標)]60.8g、タルク20.3g、酸化チタン20.3gを20%エタノール水溶液698.7gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)を上記コーティングパンに充填し、コーティング溶液を1錠につき300mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。また、このとき錠剤品温度54〜57℃、スプレー速度毎分2g、スプレー圧0.12MPa、パン回転数32rpmであった。
(実施例1)
ポリビニルアルコール共重合体[商品名:ポバコート(登録商標)]151.9g、ステアリン酸マグネシウム50.6g、酸化チタン50.6gを20%エタノール水溶液1746.9gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)を上記コーティングパンに充填し、コーティング溶液を1錠につき294mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。また、このとき錠剤品温度55〜57℃、スプレー速度毎分2g、スプレー圧0.12MPa、パン回転数32rpmであった。
ポリビニルアルコール共重合体[商品名:ポバコート(登録商標)]151.9g、ステアリン酸マグネシウム50.6g、酸化チタン50.6gを20%エタノール水溶液1746.9gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)を上記コーティングパンに充填し、コーティング溶液を1錠につき294mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。また、このとき錠剤品温度55〜57℃、スプレー速度毎分2g、スプレー圧0.12MPa、パン回転数32rpmであった。
(実施例2)
ポリビニルアルコール共重合体[商品名:ポバコート(登録商標)]151.9g、ステアリン酸マグネシウム50.6g、酸化チタン50.6gを20%エタノール水溶液1746.9gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)を上記コーティングパンに充填し、コーティング溶液を1錠につき300mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。また、このとき錠剤品温度55〜57℃、スプレー速度毎分2g、スプレー圧0.12MPa、パン回転数32rpmであった。
ポリビニルアルコール共重合体[商品名:ポバコート(登録商標)]151.9g、ステアリン酸マグネシウム50.6g、酸化チタン50.6gを20%エタノール水溶液1746.9gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)を上記コーティングパンに充填し、コーティング溶液を1錠につき300mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。また、このとき錠剤品温度55〜57℃、スプレー速度毎分2g、スプレー圧0.12MPa、パン回転数32rpmであった。
(実施例3)
ポリビニルアルコール共重合体[商品名:ポバコート(登録商標)]151.9g、ステアリン酸マグネシウム50.6g、酸化チタン50.6gを20%エタノール水溶液1746.9gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)を上記コーティングパンに充填し、コーティング溶液を1錠につき308mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。また、このとき錠剤品温度55〜57℃、スプレー速度毎分2g、スプレー圧0.12MPa、パン回転数32rpmであった。
ポリビニルアルコール共重合体[商品名:ポバコート(登録商標)]151.9g、ステアリン酸マグネシウム50.6g、酸化チタン50.6gを20%エタノール水溶液1746.9gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)を上記コーティングパンに充填し、コーティング溶液を1錠につき308mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。また、このとき錠剤品温度55〜57℃、スプレー速度毎分2g、スプレー圧0.12MPa、パン回転数32rpmであった。
(実施例4)
ポリビニルアルコール共重合体[商品名:ポバコート(登録商標)]88.8g、ステアリン酸マグネシウム53.4g、酸化チタン35.6gを30%エタノール水溶液1022.2gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)を上記コーティングパンに充填し、コーティング溶液を1錠につき300mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。また、このとき錠剤品温度55〜57℃、スプレー速度毎分2g、スプレー圧0.12MPa、パン回転数20rpmであった。
ポリビニルアルコール共重合体[商品名:ポバコート(登録商標)]88.8g、ステアリン酸マグネシウム53.4g、酸化チタン35.6gを30%エタノール水溶液1022.2gに分散・溶解しコーティング溶液とした。素錠1(350g;約1250錠)を上記コーティングパンに充填し、コーティング溶液を1錠につき300mgまで噴霧しフィルムコーティング錠を得た。また、このとき錠剤品温度55〜57℃、スプレー速度毎分2g、スプレー圧0.12MPa、パン回転数20rpmであった。
3.試験方法
調製した比較例1〜6、実施例1〜4のフィルムコーティング錠について、全数目視検査にて不良錠(コブ錠、付着錠等)を選別後、良品について乾燥減量(80℃・1hr、n=1)、及び崩壊試験(試験水:水、n=6)を測定した。また、良品50錠について25℃・75%RHの条件下(シャーレ開放)で10日間保存し、適宜錠剤質量を測定した。得られた結果より保存後の乾燥減量値を(1)式を用いて計算した。
調製した比較例1〜6、実施例1〜4のフィルムコーティング錠について、全数目視検査にて不良錠(コブ錠、付着錠等)を選別後、良品について乾燥減量(80℃・1hr、n=1)、及び崩壊試験(試験水:水、n=6)を測定した。また、良品50錠について25℃・75%RHの条件下(シャーレ開放)で10日間保存し、適宜錠剤質量を測定した。得られた結果より保存後の乾燥減量値を(1)式を用いて計算した。
上記数式中、(LOD):保存後の乾燥減量(%);(LODini):開始時の乾燥減量(%);W:保存後のフィルムコーティング錠の質量(g);Wini:開始時のフィルムコーティング錠の質量(g);を意味する。
また、フィルムコーティングの厚さ(O面)はマイクロスコープによる画像解析法により、試験数(n=20)の平均を用いて評価した。
なお、ポリビニルアルコール系の基剤でフィルムコーティングを行った比較例3−6、実施例1−4につき、フィルムコーティング作業性の評価を以下の基準で3段階による評価した。
なお、ポリビニルアルコール系の基剤でフィルムコーティングを行った比較例3−6、実施例1−4につき、フィルムコーティング作業性の評価を以下の基準で3段階による評価した。
A:フィルムコーティング障害なし。外観上で均一な皮膜を有するコーティング錠剤が得られる。
B:フィルムコーティング障害あり。一部の錠剤において錠剤間付着、コブ錠、フィルムコーティングのはがれが認められる。
C:フィルムコーティング障害あり。ほとんどの錠剤において錠剤間付着、コブ錠、フィルムコーティングはがれが認められる。
B:フィルムコーティング障害あり。一部の錠剤において錠剤間付着、コブ錠、フィルムコーティングのはがれが認められる。
C:フィルムコーティング障害あり。ほとんどの錠剤において錠剤間付着、コブ錠、フィルムコーティングはがれが認められる。
比較例1〜6、及び実施例1〜4のコーティング基剤処方とコーティング施行時の製造操作性をそれぞれ表1及び表3に、比較例1〜6及び実施例1〜4の崩壊性及び吸湿性の試験結果をそれぞれ表2、表4、及び図2に示した。
<試験結果>
表4及び図2に示したように、ポリビニルアルコール共重合体、ステアリン酸マグネシウムをフィルムコーティング基剤として選択することで、25℃・75%RHの虐待条件化においても、質量増加が平衡に達するまでに5日以上を要する、優れた防湿性を実現した速溶性フィルムコーティング錠を、良好なフィルムコーティング操作性で製造できることが判明した。
表4及び図2に示したように、ポリビニルアルコール共重合体、ステアリン酸マグネシウムをフィルムコーティング基剤として選択することで、25℃・75%RHの虐待条件化においても、質量増加が平衡に達するまでに5日以上を要する、優れた防湿性を実現した速溶性フィルムコーティング錠を、良好なフィルムコーティング操作性で製造できることが判明した。
試験例2:フィルムコーティング錠(ビタミン含有錠)での比較試験
2−1.素錠の製造
(a)素錠2の製造
A顆粒:流動層造粒機にトラネキサム酸4440.5g、パントテン酸カルシウム219.1g、結晶セルロース適量を投入・混合し、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロース水溶液を噴霧し造粒末を製造しA顆粒とした。
B顆粒:流動層造粒機にアスコルビン酸2588.4g、L−システイン2070.8g、ピリドキシン塩酸塩51.8g、結晶セルロース適量を投入・混合し、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロース水溶液を噴霧し造粒末を製造しB顆粒とした。
素錠2:A顆粒及びB顆粒を混合した造粒顆粒2738.5gに、結晶セルロース153.8g、クロスカルメロースナトリウム76.9g、ステアリン酸マグネシウム30.8gを投入・混合し混合末を調製後、打錠して、直径9.5mm、曲率半径7.6mm、質量390mgとなる錠剤を製造し素錠2とした。
2−1.素錠の製造
(a)素錠2の製造
A顆粒:流動層造粒機にトラネキサム酸4440.5g、パントテン酸カルシウム219.1g、結晶セルロース適量を投入・混合し、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロース水溶液を噴霧し造粒末を製造しA顆粒とした。
B顆粒:流動層造粒機にアスコルビン酸2588.4g、L−システイン2070.8g、ピリドキシン塩酸塩51.8g、結晶セルロース適量を投入・混合し、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロース水溶液を噴霧し造粒末を製造しB顆粒とした。
素錠2:A顆粒及びB顆粒を混合した造粒顆粒2738.5gに、結晶セルロース153.8g、クロスカルメロースナトリウム76.9g、ステアリン酸マグネシウム30.8gを投入・混合し混合末を調製後、打錠して、直径9.5mm、曲率半径7.6mm、質量390mgとなる錠剤を製造し素錠2とした。
(b)素錠3の製造
A顆粒:流動層造粒機にトラネキサム酸3959.9g、パントテン酸カルシウム195.4g、ニコチン酸アミド211.2g、酢酸トコフェロール(50%噴霧乾燥品)結晶セルロース適量を投入・混合し、ヒドロキシプロピルセルロース水溶液を噴霧し造粒末を調製しA顆粒とした。
B顆粒:流動層造粒機にアスコルビン酸2578.2g、L−システイン2062.6g、ピリドキシン塩酸塩103.1g、結晶セルロース適量を投入・混合し、ヒドロキシプロピルセルロース水溶液を噴霧し造粒末を製造しB顆粒とした。
素錠3:A顆粒及びB顆粒を混合した造粒顆粒2730.0gに結晶セルロース150.0g、クロスカルメロースナトリウム75.0g、ステアリン酸マグネシウム45.0gを混合し混合末を調製後、打錠して、直径8.5mm、曲率半径6.8mm、質量280mgとなる錠剤を製造して素錠3とした。
A顆粒:流動層造粒機にトラネキサム酸3959.9g、パントテン酸カルシウム195.4g、ニコチン酸アミド211.2g、酢酸トコフェロール(50%噴霧乾燥品)結晶セルロース適量を投入・混合し、ヒドロキシプロピルセルロース水溶液を噴霧し造粒末を調製しA顆粒とした。
B顆粒:流動層造粒機にアスコルビン酸2578.2g、L−システイン2062.6g、ピリドキシン塩酸塩103.1g、結晶セルロース適量を投入・混合し、ヒドロキシプロピルセルロース水溶液を噴霧し造粒末を製造しB顆粒とした。
素錠3:A顆粒及びB顆粒を混合した造粒顆粒2730.0gに結晶セルロース150.0g、クロスカルメロースナトリウム75.0g、ステアリン酸マグネシウム45.0gを混合し混合末を調製後、打錠して、直径8.5mm、曲率半径6.8mm、質量280mgとなる錠剤を製造して素錠3とした。
2−2.フィルムコーティング液の調製
(1)ヒプロメロース90.0g、酸化チタン30.0g、タルク15.0g、マクロゴール6000 15.0を精製水810.0gに分散・溶解してコーティング溶液(以下、HPMC)とした。
(2)ポリビニルアルコール共重合体[商品名:ポバコート(登録商標)]60.8g、タルク20.3g、酸化チタン20.3gを20%エタノール水溶液698.7gに分散・溶解してコーティング溶液(以下、共重合体1)とした。
(3)ポリビニルアルコール共重合体[商品名:ポバコート(登録商標)]151.9g、ステアリン酸マグネシウム50.6g、酸化チタン50.6gを20%エタノール水溶液1746.9gに分散・溶解してコーティング溶液(以下、共重合体2)とした。
(4)ポリビニルアルコール共重合体[商品名:ポバコート(登録商標)]88.8g、ステアリン酸マグネシウム53.4g、酸化チタン35.6gを30%エタノール水溶液1022.2gに分散・溶解してコーティング溶液(以下、共重合体3)とした。
(1)ヒプロメロース90.0g、酸化チタン30.0g、タルク15.0g、マクロゴール6000 15.0を精製水810.0gに分散・溶解してコーティング溶液(以下、HPMC)とした。
(2)ポリビニルアルコール共重合体[商品名:ポバコート(登録商標)]60.8g、タルク20.3g、酸化チタン20.3gを20%エタノール水溶液698.7gに分散・溶解してコーティング溶液(以下、共重合体1)とした。
(3)ポリビニルアルコール共重合体[商品名:ポバコート(登録商標)]151.9g、ステアリン酸マグネシウム50.6g、酸化チタン50.6gを20%エタノール水溶液1746.9gに分散・溶解してコーティング溶液(以下、共重合体2)とした。
(4)ポリビニルアルコール共重合体[商品名:ポバコート(登録商標)]88.8g、ステアリン酸マグネシウム53.4g、酸化チタン35.6gを30%エタノール水溶液1022.2gに分散・溶解してコーティング溶液(以下、共重合体3)とした。
2−3.試験用製剤の製造
(比較例2−1)
素錠2をコーティングパンに充填し、1錠につき418mgまでヒプロメロースフィルムコーティング溶液(HPMC)でコーティングした。このときのフィルムコーティングの厚さ(O面)は63.4μmであった。
(比較例2−1)
素錠2をコーティングパンに充填し、1錠につき418mgまでヒプロメロースフィルムコーティング溶液(HPMC)でコーティングした。このときのフィルムコーティングの厚さ(O面)は63.4μmであった。
(比較例2−2)
素錠3(表5の記載に統一)を上記コーティングパンに充填し、1錠につき303mgまでポリビニルアルコール共重合体フィルムコーティング液(共重合体1)でコーティングした。このときのフィルムコーティングの厚さ(O面)は77.4μmであった。
素錠3(表5の記載に統一)を上記コーティングパンに充填し、1錠につき303mgまでポリビニルアルコール共重合体フィルムコーティング液(共重合体1)でコーティングした。このときのフィルムコーティングの厚さ(O面)は77.4μmであった。
(実施例2−1)
素錠3(表5の記載に統一)を上記コーティングパンに充填し、1錠につき303mgまでポリビニルアルコール共重合体フィルムコーティング液(共重合体2)でコーティングした。このときのフィルムコーティングの厚さ(O面)は81.37μmであった。
素錠3(表5の記載に統一)を上記コーティングパンに充填し、1錠につき303mgまでポリビニルアルコール共重合体フィルムコーティング液(共重合体2)でコーティングした。このときのフィルムコーティングの厚さ(O面)は81.37μmであった。
(実施例2−2)
素錠3(表5の記載に統一)を上記コーティングパンに充填し、1錠につき303mgまでポリビニルアルコール共重合体フィルムコーティング液(共重合体3)でコーティングした。このときのフィルムコーティングの厚さ(O面)は77.94μmであった。
素錠3(表5の記載に統一)を上記コーティングパンに充填し、1錠につき303mgまでポリビニルアルコール共重合体フィルムコーティング液(共重合体3)でコーティングした。このときのフィルムコーティングの厚さ(O面)は77.94μmであった。
2−4.試験方法
比較例2−1〜2−2、実施例2−1〜2−2の50錠について25℃・75%RHの条件下(シャーレ開放)で4週間保存し、フィルムコーティング錠の変色度合いを評価した。
比較例2−1〜2−2、実施例2−1〜2−2の50錠について25℃・75%RHの条件下(シャーレ開放)で4週間保存し、フィルムコーティング錠の変色度合いを評価した。
(1)評価の方法
フィルムコーティング錠の変色に関しては、目視、及び色差計により評価した。目視での評価は5℃保管品を対象として以下の基準の4段階で評価した。
フィルムコーティング錠の変色に関しては、目視、及び色差計により評価した。目視での評価は5℃保管品を対象として以下の基準の4段階で評価した。
A:変色なし、B:わずかな変色、C:変色あり、D:著しい変色
また、色差計による評価については分光式色彩計にて、開始時を対照とした時のΔE値を算出することで評価した。(n=10)
フィルムコーティングの厚さはマイクロスコープによる画像解析法により、試験数(n=20)の平均を用いて評価した。
また、色差計による評価については分光式色彩計にて、開始時を対照とした時のΔE値を算出することで評価した。(n=10)
フィルムコーティングの厚さはマイクロスコープによる画像解析法により、試験数(n=20)の平均を用いて評価した。
4.試験結果
結果を表5に示した。ポリビニルアルコール共重合体、及び、ステアリン酸マグネシウムを含有するフィルムコーティング基剤を選択した実施例2−1(共重合体2)、及び実施例2−1(共重合体3)では、加湿条件下で親水性有色成分を含有する製剤の変色を抑制した。
結果を表5に示した。ポリビニルアルコール共重合体、及び、ステアリン酸マグネシウムを含有するフィルムコーティング基剤を選択した実施例2−1(共重合体2)、及び実施例2−1(共重合体3)では、加湿条件下で親水性有色成分を含有する製剤の変色を抑制した。
防湿性に優れた速溶性フィルムコート製剤及びその製造方法を提供することができる。
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- ポリビニルアルコール共重合体、及び、ステアリン酸マグネシウムを含有する、フィルムコーティング基剤。
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