JP2015190884A - ガス透過度測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より高精度に測定対象物7への特定ガスの透過度を測定可能なガス透過度測定装置を提供する。
【解決手段】測定部30はガス流入室4とガス検出室5とを含んでいる。ガス流入室4は測定対象物7の一方の主表面に対向するように配置され、検出用のガスが流入される。ガス検出室5は測定対象物7の一方の主表面の反対側である他方の主表面に対向するように配置され、ガス流入室4から測定対象物7を透過した検出用のガスが検出される。固定部40はガス流入室4およびガス検出室5の外側にはみ出た測定対象物7が固定される。固定台8は固定部40において測定対象物7に応力を加えることにより測定対象物7が固定される。固定台8は、測定対象物7の固定部40に配置される領域の面積が、測定対象物7の測定部30に配置される領域の面積の1/10以下となるように配置可能である。
【選択図】図2

Description

本発明はガス透過度測定装置に関し、特に、フィルム材料を透過する特定ガス成分の量を測定するためのガス透過度測定装置に関する。
食品、薬品、精密電子部品の包装等に使用されるフィルム材料の品質調査のため、水蒸気および酸素などの特定ガスが当該フィルム材料を透過する量を高精度に測定する場合がある。このようなフィルム材料の測定には専用のガス透過度測定装置が用いられる。
従来のガス透過度測定装置においては、たとえば特許文献1、特許文献2および特許文献3のように、測定対象物であるフィルム試料を挟みこんで保持するようにガス流入室およびガス検出室が設置される。ガス流入室内に水蒸気および酸素などの検出対象である特定ガスが流入される。ガス流入室内に流入された特定ガスの一部がフィルム材料を透過してガス検出室に進入する。ガス検出室にて検出された特定ガスの量が測定されることにより、フィルム材料の当該特定ガスの透過性の優劣が判定される。
また特許文献4においては、プラスチック容器のガス透過性を判定するために、ヘリウムガスが充填されたプラスチック容器が真空容器内に導入され、真空容器内のヘリウムの分圧が分析されることにより、プラスチック容器を透過するガスの量が測定される。
特開2013−3029号公報 国際公開第2010/117012号 特開2005−233943号公報 特開2004−157035号公報
特許文献1〜3のいずれにおいても、フィルム材料の端部は平面視においてガス流入室およびガス検出室の外側にはみ出ており、その外側にはみ出たフィルム材料の端部にはOリングが接触する。これによりフィルム材料は測定装置の本体に固定される。
ここで、特定ガスはガス流入室に流入され、他の領域には流入されないため、平面視においてガス流入室およびガス検出室の外側にはみ出たフィルム材料の端部は、ガス流入室に流入された検出用に導入される特定ガス以外の雰囲気に曝される領域である。このためフィルム材料の端部からフィルム材料内に、検出用に導入される特定ガス以外の雰囲気が進入し、この雰囲気がフィルム材料からガス検出室に達する可能性がある。この雰囲気が特定ガスと同一の材質であれば、検出室における特定ガスの量として、ガス流入室からフィルム材料を透過してガス検出室に達したガスの量に、ガス流入室の外側から外乱としてガス検出室に達したガスの量が加わって検出されるため、検出精度が低下する可能性がある。本来検出すべきガスの量は微量であるため、外乱としてのガスの量はたとえ微量であっても測定結果に大きく影響する可能性がある。
特許文献4はプラスチック容器のガス透過性の測定方法であり、平坦な形状を有するフィルム材料のガス透過度の測定に流用することは困難である。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、より高精度に測定対象物への特定ガスの透過度を測定可能なガス透過度測定装置を提供することである。
本発明のガス透過度測定装置は、測定部と、固定部と、固定台とを備えている。測定部はガス流入室とガス検出室とを含んでいる。ガス流入室は測定対象物の一方の主表面に対向するように配置され、検出用のガスが流入される。ガス検出室は測定対象物の一方の主表面の反対側である他方の主表面に対向するように配置され、ガス流入室から測定対象物を透過した検出用のガスが検出される。固定部は平面視においてガス流入室およびガス検出室の外側にはみ出た測定対象物が固定される。固定台は固定部において測定対象物に応力を加えることにより測定対象物が固定される。測定対象物は、平面視における測定対象物の固定部に配置される領域の面積が、平面視における測定対象物の測定部に配置される領域の面積の1/10以下となるように配置可能である。
本発明によれば、平面視において測定対象物がガス流入室の外側である固定部にはみ出た面積を小さくすることにより、ガス流入室から測定対象物を透過してガス検出室にて検出されるガス以外のガスがガス検出室に進入する量を低減することができる。このため、測定対象物のガス透過度の測定精度を向上させることができる。
本発明の実施の形態1におけるガス透過度測定装置の全体の構成、およびガス入出力部材内の内部構成を概略的に示す外観図である。 実施の形態1におけるガス入出力部材内の内部構成を拡大して示す概略断面図である。 実施の形態1における装置本体の内部構成を示す概略断面図および概略平面図である。 図3中のフィルム材料とOリングと固定台との寸法の大小関係を示す概略拡大断面図である。 実施の形態2における装置本体の内部構成を示す概略断面図および概略平面図である。 実施の形態3における装置本体の内部構成を示す概略断面図である。 図6の点線で囲まれた領域Aの構成の第1例を示す概略拡大断面図である。 図6の点線で囲まれた領域Aの構成の第2例を示す概略拡大断面図である。 実施の形態4におけるガス入出力部材内の内部構成を拡大して示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず本実施の形態のガス透過度測定装置の全体の構成について図1を用いて説明する。図1を参照して、本実施の形態のガス透過度測定装置100は、主にガス入出力部材1内に流入される検出用のガスとしての特定ガスを用いて測定を行なう。ガス入出力部材1は、装置本体2と、蓋部材3とを有している。本実施の形態においては装置本体2がガス入出力部材1の下側に、蓋部材3がガス入出力部材1の上側に、互いに対向するように配置されている。
装置本体2は、ガス流入室4と、ガス検出室5とを有するガス流動室6を有している。ガス流入室4とガス検出室5とに挟まれるように、測定対象物であるたとえばフィルム材料7がセットされる。
この状態でガス流入室4内に水蒸気または酸素などの特定ガスが流入されれば、その一部はフィルム材料7を透過してガス検出室5内に達する。このようにガス流入室4からフィルム材料7を透過してガス検出室5内に達した特定ガスの量を測定することにより、フィルム材料7の特定ガスに対する透過性を評価することができる。
そのためガス入出力部材1には、ガス入出力部材1からガスを入出力したりその量を測定したりするための各部材が接続されている。具体的には、ガス流入室4には特定ガス供給装置51と、特定ガス流入路52とが接続されており、特定ガス供給装置51から出力される測定用の特定ガスが特定ガス流入路52を通ってガス流入室4内に供給される。またガス流入室内の余剰なガスは特定ガス流出路53からガス流入室4の外部に流出される。またガス流入室4内のガスは、真空用配管54に接続された真空ポンプ55により吸引され、ガス流入室4内を真空状態とすることが可能である。
一方、ガス検出室5内にはキャリアガス供給装置56と、キャリアガス流入路57とが接続されており、キャリアガス供給装置56から出力されるキャリアガスがキャリアガス流入路57を通ってガス検出室5内に供給される。キャリアガスは、フィルム材料7を透過した特定ガスと合わせて、ガス検出室5内から検出すべきベースのガスとしてガス検出室5内に供給されるガスである。
キャリアガスは特定ガスと異なる材質のガスであることが好ましく、たとえば特定ガスである水蒸気および酸素を含有しない窒素ガスが用いられることが好ましい。ガス検出室5内の特定ガスおよびキャリアガスの濃度は、当該ガスがガス検出室5に接続されたキャリアガス流出路58を通ってガス濃度流量検出器59に達することにより測定される。キャリアガスには特定ガスは含まれないため、ガス濃度流量検出器59で検出される水蒸気および酸素の濃度を測定すれば、ガス流入室4からフィルム材料7を透過してガス検出室5に達した特定ガスの量を測定することができる。
なおガス濃度流量検出器59としては一般公知の検出手段を用いることができる。また真空計60により、ガス流入室4およびガス検出室5内の真空度を測定することができる。
次に図2〜図4を用いて、本実施の形態のガス入出力部材1について、より詳細に説明する。
図2および図3を参照して、ガス入出力部材1は装置本体2と蓋部材3とが図の上下方向において互いに対向するように配置可能な構成を有している。これらは一般公知の絶縁性の材料により形成された筐体となっている。本実施の形態において装置本体2および蓋部材3は、平面視において円形状を有している。
装置本体2においてはガス流入室4とガス検出室5とが図の上下方向に関して互いに対向するように配置されている。図2においてはガス流入室4がガス検出室5の下側に配置されているが、逆にガス流入室4がガス検出室5の上側に配置されて両者の間にフィルム材料7が挟まれてもよい。
測定対象物としてのフィルム材料7は、ここではたとえば円形の平面形状を有する平坦な試験片となっている。フィルム材料7の平面視における中央部を含む大部分は、ガス流入室4とガス検出室5とに挟まれるように配置されている。フィルム材料7はこれを構成する材料内に孔部7A(図4参照)が形成されている。この孔部7Aを通ることによりガス流入室4の特定ガスG(図4参照)がフィルム材料7を透過しガス検出室5に進入する。
以上を言い換えれば、ガス流入室4はフィルム材料7の一方(図2における下側)の主表面に対向するように配置され、ガス検出室5はフィルム材料7の他方(図2における上側)の主表面に対向するように配置されている。
ガス流入室4とガス検出室5とは平面視において同じ平面形状で重なるように形成されることが好ましい。すなわちガス流入室4とガス検出室5とは平面形状が同じであり平面視におけるサイズが同じである。さらにガス流入室4とガス検出室5とは両者の中心軸の位置が一致するように配置されている。
ガス流入室4とガス検出室5と、両者の間に挟まれる領域のフィルム材料7とは、いずれも測定部30内に配置されている。測定部30は、ガス流入室4およびガス検出室5と平面的に重なる領域であり、この領域内をガス流入室4からガス検出室5に向けて通過する特定ガスによりフィルム材料7の透過性の測定が可能となる。
フィルム材料7は平面視においてガス流入室4およびガス検出室5よりも大きい面積を有している。このためフィルム材料7の平面視における外側の一部の領域は、ガス流入室4およびガス検出室5と重ならずにそれらの外側にはみ出ている。特に図3を参照して、互いに同じ平面形状(円形状)で重なるガス流入室4およびガス検出室5の直径をLとすれば、フィルム材料7はこれが円形状である場合、その直径はL+2L’となっている。フィルム材料7は、図3の左右方向に関してガス流入室4およびガス検出室5の外縁部から外側にL’ずつはみ出るように配置されている。
フィルム材料7はガス流入室4およびガス検出室5からなる測定部30の外側にはみ出た領域である固定部40において、フィルム材料7のたとえば上方に配置される固定台8により、装置本体2に固定されている。ここでは固定部40とは平面視における測定部30の外側の領域を意味する。
本実施の形態においては固定台8はたとえば平面視において円環形状を有する一般公知のガスケットなどの部材である。固定台8はフィルム材料7の外側の一部の領域に応力を加えることにより、フィルム材料7を装置本体2に固定している。
本実施の形態の固定台8は、円環形状の内周においては図2〜図4の上下方向(鉛直方向)に延びるように平面視において内側を向く表面が形成されている。また固定台8は、円環形状の外周においては鉛直方向に対して傾斜した角度を有するように平面視において外側を向く表面が固定台表面8Aが形成されている。固定台表面8Aは、たとえばその上側における直径が下側における直径よりも大きくなるように傾斜した角度を有していることが好ましい。
固定台8はさらに、その下側を向く固定台表面8Bおよびその上側を向く固定台表面8Cを有している。固定台表面8Bと固定台表面8Cとは図の上下方向に関して互いに対向するように形成されており、水平方向に延びている。
固定台8とフィルム材料7との間には間隙9が形成される。図2において間隙9は、第1の間隙9Aと第2の間隙9Bとを有している。第1の間隙9Aは、装置本体2と固定台8との境界部の間隙に相当し、固定台8の固定台表面8Aに対向するように鉛直方向に対して傾斜するように延びる部分と、固定台8の固定台表面8Bに対向するように水平方向に延びる部分とを有している。第2の間隙9Bとは、装置本体2と蓋部材3との間隙に相当し、固定台8の固定台表面8Cに対向するように水平方向に延びる部分を有している。なお装置本体2の特に図の上側の表面2Aは、特に固定台8が配置される領域においては、図2の左右方向の端部に比べて図の下側に凹んだ凹部を形成しており、この凹部が固定台8との間に上記の第1の間隙9Aを形成している。
なお上記凹部がその端部において鉛直方向に対して傾斜した角度を有している。これは装置本体2の設計上、図2〜図4の下側の領域における凹部の直径を上側の領域よりも小さくすることが好ましいためである。この装置本体2の凹部の形状にフィットさせるため、固定台8もその円関係上の外周が鉛直方向に対して傾斜した角度を有している。
本実施の形態においては、第1の間隙9Aを挟むように互いに対向する固定台表面8Aと装置本体2の凹部表面とは互いにほぼ平行になっている。また第1の間隙9Aを挟むように互いに対向する固定台表面8Bと装置本体2の凹部表面とは互いにほぼ平行になっている。
固定部40においてフィルム材料7と固定台8との間には、Oリング10が挟まれている。Oリング10は固定台8と同様に、たとえば平面視において円環形状を有している。
図3および図4を参照して、Oリング10はその外周の直径がL+2L’+2αであり、フィルム材料7の直径L+2L'よりも大きい。ここでαはOリング10が平面視においてフィルム材料7に対して外側にはみ出る部分の幅を示している。このように本実施の形態の装置本体2は、Oリング10は、その平面視における外周の直径よりも寸法の小さいフィルム材料7を固定可能であるように設計されている。なおここで寸法とは、本実施の形態のようにフィルム材料7が円形の平面形状を有する場合にはその直径を意味する。
Oリング10は固定部40におけるフィルム材料7の(図2〜図4における)上側の表面、および固定台8の固定台表面8Bに接触するように、第1の間隙9Aにおいてフィルム材料7と固定台8との間に挟まるように配置されている。
さらに、固定台8はその外周の直径がL+2L’+2α+2βであり、これもフィルム材料7の直径L+2L’よりも大きい。ここでβは固定台8が平面視においてOリング10に対して外側にはみ出る部分の幅を示している。なお固定台8はその外周側の表面8Bが傾斜した形状を有するため実際にはβの値は固定台8の領域によって変化するが、ここでは固定台表面8BにおけるOリング10の外側の固定台8の寸法を意味するものとする。
このように本実施の形態の装置本体2は、固定台8は、その平面視における外周の直径よりも寸法の小さいフィルム材料7を固定可能であるように設計されている。ここで固定台8は鉛直方向に対して傾斜しているため下側の固定台表面8Bと上側の固定台表面8Cとは外周の直径が異なっており、固定台表面8Bの方が固定台表面8Cよりも外周の直径が小さい。上記の固定台8の直径L+2L’+2α+2βは固定台8の最小の外周直径である固定台表面8Bにおける値であるため、たとえば固定台表面8Cにおける固定台8の直径は上記の値よりさらに大きい。
固定台8は、Oリング10を含め、合計3つのOリングと接触している。具体的には、傾斜した固定台表面8Aと、これに対向する装置本体2の傾斜した表面とに挟まれた第1の間隙9AにはOリング11が配置されている。つまりOリング11は装置本体2の凹部において傾斜した表面および傾斜した固定台表面8Aに接触するように第1の間隙9Aに配置されている。また蓋部材3と固定台表面8Cとの間に挟まれた第2の間隙9BにはOリング12が配置されている。つまりOリング12は蓋部材3の下向きの表面3Aおよび固定台表面8Cに接触するように第2の間隙9Bに配置されている。
Oリング11の平面視における外周および内周の直径は、Oリング10の平面視における外周および内周の直径よりも大きい。Oリング12の平面視における外周および内周の直径は、Oリング10の平面視における外周および内周の直径とほぼ同じである。
このように固定台8は、固定部40において、3つのOリング10,11,12と接触することにより、フィルム材料7に均一な応力を加えるようにフィルム材料7を装置本体2に固定することができる。また固定台8は平面視においてほぼ対称になるように等間隔で配置される複数のねじ13により、装置本体2に対して均一な応力で固定される。
ねじ13により固定台8が固定され、かつOリング10,11,12により固定台8からフィルム材料7へ均一な応力が付加可能な状態になった装置本体2は、その上方から蓋部材3がセットされ、ねじ14で装置本体2に対して均一な応力で固定される。このとき装置本体2の最上面2Aと蓋部材3の最下面3Aとが互いに対向するには位置され、最上面2Aと最下面3Aとにより第2の間隙9Bが形成される。ねじ14はねじ13と同様に、平面視においてほぼ対称になるように、複数が等間隔で配置される。
なお固定台8の上側の固定台表面8Cは、装置本体2の最上面2A(第2の間隙9Bを形成する)と同一平面となり、固定台表面8Cは装置本体2の最上面に沿うように配置されることが好ましい。Oリング10,11,12は固定台表面8Cが最上面2Aに沿うように配置されることを可能とすべく、たとえば最上面2Aの上下方向の位置を微調整することができる。たとえばフィルム材料7の厚みにばらつきが生じた場合においても、Oリング10,11,12により、そのばらつき度合いにかかわらず、固定台表面8Cが最上面2Aとツライチの関係となるように微調整することができる。
装置本体2には、ガス流入室4に通じるように、特定ガス流入口15が形成されている。特定ガス流入口15は、特定ガス供給装置51(図1参照)から特定ガス流入路52を伝った特定ガスをガス流入室4内に受け入れるための通路である。また装置本体2には、ガス流入室4内の余剰なガスを排出するための特定ガス流出口16が形成されている。特定ガス流出口16は特定ガス流出路53(図1参照)に通じている。また装置本体2には、第1の間隙9Aから装置本体2外に廃棄を行なうための真空排気口17を有している。真空排気口17は真空用配管54および真空ポンプ55につながっている。
蓋部材3には、ガス検出室5に通じるように、キャリアガス流入口18が形成されている。キャリアガス流入口18は、キャリアガス供給装置56(図1参照)からキャリアガス流入路57を伝ったキャリアガスをガス検出室5内に受け入れるための通路である。また蓋部材3には、ガス検出室5からガスを排出するためのキャリアガス流出口19が形成されている。キャリアガス流出口19はキャリアガス流出路58(図1参照)に通じている。
その他、たとえば図3中のねじ穴21はねじ14の通る穴であり、ねじ穴22はねじ13の通る穴である。
以上の構成を有する本実施の形態のガス入出力部材1は、フィルム材料7が平面視において測定部30からはみ出し(ガス流入室4およびガス検出室5に挟まれず)固定部40に配置される部分の面積は、フィルム材料7が測定部30に配置される面積の1/10以下となるように、固定台8およびOリング10,11,12が設計されている。
すなわち、本実施の形態においては、測定部30(ガス流入室4およびガス検出室5)の平面視における直径をLとし、固定部40にはみ出た部分のフィルム材料7の平面視における幅をL’とすれば、
Figure 2015190884
の関係が成り立つことが好ましい。
上記の式より、測定部30(ガス流入室4およびガス検出室5)の直径Lは以下の条件を満たすことを必要とする。
Figure 2015190884
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
フィルム材料7の透過性を正確に測定するためには、測定部30においてガス流入室4に流入されフィルム材料7を透過してガス検出室5に到達した特定ガスのみの量を測定する必要がある。しかしフィルム材料7はその装置本体2への固定のために、ガス流入室4とガス検出室5との間に挟まれた領域の外側である固定部40にも部分的に配置される必要がある。フィルム材料7はこの固定部40に配置された部分に存在する特定ガスを吸収するため、それがフィルム材料7を伝ってガス検出室5に到達する可能性がある。
これを抑制するために、フィルム材料7全体に対する、固定部40に配置されるフィルム材料7の割合を小さくする必要がある。具体的には、上記の数式の関係が成り立つようにフィルム材料7がセット可能となるように、ガス透過度測定装置100の固定台8およびOリング10などが設計される。
このようにすれば、フィルム材料7全体に対する、ノイズとしての雰囲気が進入する可能性のある領域の面積を小さくすることができる。このため、フィルム材料7内にノイズとしての雰囲気が進入する可能性を低下させることができ、結果的にガス透過度の測定精度を高めることができる。
また上記の数式の関係が成り立つようにすれば、固定部40におけるフィルム材料7の面積が小さくなる。このため、固定部40のフィルム材料7に直接接触するOリング10がフィルム材料7の上側の面の全体を覆うように接し、かつフィルム材料7の端部がOリング10に押しつぶされるようにOリング10に覆われる態様とすることができる。したがって固定部40におけるフィルム材料7はその表面のほぼ全体がOリング10および装置本体2に覆われる。
このようにすれば、固定部40におけるフィルム材料7はその表面がほとんど露出せず、雰囲気に晒されなくなる。このためたとえ固定部40においてフィルム材料7が配置されるたとえば第1の間隙9A内に特定ガスが存在したとしても、その特定ガスがフィルム材料7内に進入し、測定データのノイズとして検出される可能性を低減することができる。
本実施の形態においてはこのように測定部30の外部にはみ出るフィルム材料7の表面の全体をOリング10等で覆うことで露出しないようにために必要な寸法について検討した結果、上記の数式に示す範囲とすることが好ましいとの着想を得た。
上記のように、固定台8とフィルム材料7との間に挟まれるようにOリング10が配置されることにより、上記のように固定部40のフィルム材料7からの特定ガスの進入を抑制する効果が高められる。
またOリング10の外周の直径よりもフィルム材料7の寸法(直径)の方が小さくなるように設計されることにより、上記のようにOリング10がフィルム材料7の端部の表面を押しつぶすように覆うことが可能となる。
さらに本実施の形態においては、固定台8の外周の直径よりもフィルム材料7の寸法(直径)の方が小さくなるように設計される。これにより、たとえ固定部40にはみ出たフィルム材料7の領域(面積)が狭くても、固定台8が固定部40において、Oリング10を介在してその下側のフィルム材料7の端部および固定部40にはみ出たフィルム材料7の(上側を向く)面の全体を覆うように配置させることができる。
固定台8を用いれば、固定部40におけるフィルム材料7の固定の際に、上側からフィルム材料7の挟み具合を目視で確認しながら、フィルム材料7の端部が露出しないように(Oリング10および固定台8により)押しつぶすように覆うことができる。このため固定部40においてフィルム材料7内に外部の雰囲気が流入しないように高い気密性を確保することができる。
固定台8が3つのOリングと接触すること、および固定台8の平面視において外側を向く固定台表面8Aが鉛直方向に対して傾斜した角度を有することにより、固定部40における特定ガスのフィルム材料7内への進入を抑制し、特定ガスの測定精度を高める効果がある。またこのような精度の高い測定を、Oリング10〜12および固定台8を用いてフィルム材料7の端部を固定するだけの簡単な構成で実現することができる。
ガス流入室4とガス検出室5とが平面視において同じ平面形状で重なるように形成されることにより、ガス流入室4からフィルム材料7を透過してガス検出室5に達する、検出すべき特定ガスの流通ルートが単純になるため、フィルム材料7の特定ガスの透過度の測定が容易になる。
(実施の形態2)
図5を参照して、本実施の形態のガス透過度測定装置を構成するガス入出力部材1(装置本体2および蓋部材3)の断面図は基本的に実施の形態1のガス入出力部材1(装置本体2および蓋部材3)の断面図と同様である。しかし本実施の形態においては装置本体2および蓋部材3、フィルム材料7がすべて四角形(正方形)の平面形状であり、固定台8は平面視において中空の四角形(正方形)状を有している。Oリング10,11,12は他の部材に合わせるように正方形の環状となるように嵌め込まれる。
この点において本実施の形態は、装置本体2および蓋部材3、フィルム材料7がすべて円形状であり、固定台8およびOリング10などはすべて円環形状であった実施の形態1と異なっている。しかし平面形状以外の各点については基本的に本実施の形態の構成は実施の形態1の構成と同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
すなわち本実施の形態のガス入出力部材1においても、フィルム材料7が平面視において測定部30からはみ出し(ガス流入室4およびガス検出室5に挟まれず)固定部40に配置される部分の面積は、フィルム材料7が測定部30に配置される面積の1/10以下であることが好ましい。
すなわち、本実施の形態においては、測定部30(ガス流入室4およびガス検出室5)の平面視における幅をLとし、固定部40にはみ出た部分のフィルム材料7の平面視における幅をL’とすれば、
Figure 2015190884
の関係が成り立つことが好ましい。
上記の式より、測定部30(ガス流入室4およびガス検出室5)の幅Lは、実施の形態1と同様の、以下の条件を満たすことを必要とする。
Figure 2015190884
ガス入出力部材1(装置本体2および蓋部材3)は、平面視において円形状に限らず、本実施の形態のように四角形(正方形)であってもよい。この場合においても、実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態3)
図6および図7を参照して、本実施の形態の第1例においては、図6の点線で囲んだ領域Aにおいて、固定台表面8Aは実施の形態1と同様に鉛直方向に対して傾斜した角度を有するのに対し、第1の間隙9Aを挟むように固定台表面8Aと対向する装置本体2の凹部表面は鉛直方向に延びている。このため第1の間隙9Aは、図の下側に向かうにつれて幅が広くなっている。Oリング11は、第1の間隙9Aの最下部の面上に載置されるように配置されている。
図6および図8を参照して、本実施の形態の第2例においては、図6の点線で囲んだ領域Aにおいて、第1の間隙9Aを挟むように固定台表面8Aと対向する装置本体2の凹部表面は以下の特徴を有している。装置本体2の凹部表面は、固定台表面8Aとの間に比較的広い間隔を有するように固定台表面8Aとほぼ平行に延びる図の上側の領域と、固定台表面8Aとの間に比較的狭い間隔を有するように固定台表面8Aとほぼ平行に延びる図の下側の領域との2つの領域を有している。Oリング11は、上記2つの領域の境界に存在する階段状の水平方向に延びる表面上に載置されるように配置されている。
以上の態様を有することにより、本実施の形態においても、第1例、第2例ともに、Oリング11は固定台表面8Aとそれに対向する表面との双方に接触するように配置されている。
Oリング11はその内周の表面から外周の表面に向かう応力により装置本体2の表面に向けて応力を加えることにより、固定台8を装置本体2上に安定に固定する役割を有する。上記のOリング11から装置本体2の表面に加えられる応力は図7および図8の矢印で示す応力F1,F2で表される。
本実施の形態は上記以外の各点については基本的に本実施の形態の構成は実施の形態1の構成と同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
本実施の形態においては固定台表面8Aに対向する装置本体2の表面が図7および図8の態様を有することにより、Oリング11が固定台8と装置本体2とを互いに固定する応力が安定し、装置本体2を含むガス透過度測定装置全体の安定性を向上させることができる。また本実施の形態においても実施の形態1,2と同様にフィルム材料7での特定ガスの透過度を高精度に測定することができる。
(実施の形態4)
図9を参照して、本実施の形態においては、実施の形態1と比較して、装置本体2と蓋部材3との固定状態が異なっている。本実施の形態においては、装置本体2の上側の表面2Aと蓋部材3の下側の表面3Aとが互いに接触するように、ねじ14により固定されている。このためフィルム材料7は、固定部40にはみ出している部分も含めその全体が、ガス流動室6、固定台8および間隙9を含むように形成される、ガス入出力部材1の内部の密閉空間の内部に収納されている。フィルム材料7が収納されるガス入出力部材1の内部の密閉空間は蓋部材3により封止されている。
したがって本実施の形態においては、フィルム材料7が配置される装置本体2および蓋部材3により封止された空間は、その空間の外部すなわちガス入出力部材1の外部の雰囲気から隔離されている。
なお本実施の形態においては装置本体2と蓋部材3との間に間隙は存在しないが、他の実施の形態と同様に固定台8の固定台表面8Cと蓋部材3の表面3Aとの間には第2の間隙9Bが存在し、第2の間隙9BにはOリング12が挟まれるように配置されている。
本実施の形態は上記以外の各点については基本的に本実施の形態の構成は実施の形態1の構成と同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
次に、実施の形態1と比較しながら、本実施の形態の作用効果について説明する。
たとえば実施の形態1においては、フィルム材料7が配置される空間は、Oリング11,12およびねじ14のみにより、ガス入出力部材1の外部の雰囲気から遮断されている。したがってOリング11,12およびねじ14の配置される状態または接続状態によっては、フィルム材料7が配置される空間を外部の雰囲気から隔離する状態が確保できなくなる可能性がある。
しかし本実施の形態においては、フィルム材料7が配置される空間は、ガス流動室6、固定台8および間隙9を含むように形成される、ガス入出力部材1の内部の密閉空間の内部に収納されている。このため当該空間はその全体が装置本体2または蓋部材3の筐体からなる内壁面に覆われた密閉空間となり、ガス入出力部材1の外部の雰囲気の当該密閉空間内への進入が完全に抑制できる。
したがって少なくともガス入出力部材1の外部の雰囲気に含まれる特定ガスと同じ成分の気体(水蒸気および酸素)が、たとえば固定部40において、当該密閉空間内のフィルム材料7内に進入する可能性を完全に排除することができる。このため実施の形態1よりも、フィルム材料7の特定ガス透過度の測定精度をさらに高めることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ガス入出力部材、2 装置本体、3 蓋部材、4 ガス流入室、5 ガス検出室、6 ガス流動室、7 フィルム材料、7A 孔部、8 固定台、8A,8B,8C 固定台表面、9 間隙、9A 第1の間隙、9B 第2の間隙、10,11,12 Oリング、13,14 ねじ、15 特定ガス流入口、16 特定ガス流出口、17 真空排気口、18 キャリアガス流入口、19 キャリアガス流出口、21,22 ねじ穴、30 測定部、40 固定部、51 特定ガス供給装置、52 特定ガス流入路、53 特定ガス流出路、54 真空用配管、55 真空ポンプ、56 キャリアガス供給装置、57 キャリアガス流入路、58 キャリアガス流出路、59 ガス濃度流量検出器、60 真空計、100 ガス透過度測定装置。

Claims (8)

  1. 測定対象物の一方の主表面に対向するように配置され、検出用のガスを流入させるガス流入室と、前記測定対象物の前記一方の主表面の反対側である他方の主表面に対向するように配置され、前記ガス流入室から前記測定対象物を透過した前記検出用のガスを検出するガス検出室とを含む測定部と、
    平面視において前記ガス流入室および前記ガス検出室の外側にはみ出た前記測定対象物を固定する固定部と、
    前記固定部において前記測定対象物に応力を加えることにより前記測定対象物を固定するための固定台とを備え、
    前記固定台は、平面視における前記測定対象物の前記固定部に配置される領域の面積が、平面視における前記測定対象物の前記測定部に配置される領域の面積の1/10以下となるように配置可能である、ガス透過度測定装置。
  2. 前記固定部において前記固定台と前記測定対象物との間に挟まれるようにOリングが配置される、請求項1に記載のガス透過度測定装置。
  3. 前記Oリングは、前記Oリングの平面視における外周の直径よりも寸法の小さい前記測定対象物を固定可能である、請求項2に記載のガス透過度測定装置。
  4. 前記固定台は前記Oリングを含め3つのOリングと接触することにより前記測定対象物に応力を加える、請求項2または請求項3に記載のガス透過度測定装置。
  5. 前記ガス流入室と前記ガス検出室とは平面視において同じ平面形状で重なるように形成されている、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のガス透過度測定装置。
  6. 前記固定台は、前記固定台の平面視における外周の直径よりも寸法の小さい前記測定対象物を固定可能である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のガス透過度測定装置。
  7. 前記固定台は、平面視において外側を向く表面が、鉛直方向に対して傾斜した角度を有する、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のガス透過度測定装置。
  8. 前記測定対象物の全体が、前記ガス流入室、前記ガス検出室および前記固定台を含むようにガス入出力部材の内部に収納され、
    前記ガス入出力部材の内部は、前記ガス入出力部材を構成する蓋部材により封止され、
    前記測定対象物は、前記蓋部材により封止され前記測定対象物が収納された空間の外部の雰囲気から隔離されている、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のガス透過度測定装置。
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