JP2015190625A - 空調システムのアドバイス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物の居住者等の使用者が快適性を得られるように、空調システムの性能を充分に発揮させる使用方法に重きをおいたアドバイスをすることができる空調システムのアドバイス装置を提供する。
【解決手段】建物H,H1〜HXが備える空調システムの使用方法をアドバイス可能な空調システムのアドバイス装置であって、管理制御手段としての制御部30により、空調システムの消費電力を計測する計測器1で計測した消費電力の情報から、判別部4で空調システムの運転状況を判別し、記憶部6に記憶された空調システムで快適性を向上又は維持するためのその判別結果に対応する使用方法のアドバイス情報Aを、出力部としての表示モニタ2に出力させる構成とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物が備える空調システムの使用方法をアドバイス可能な空調システムのアドバイス装置に関するものである。
従来から、建物が備える空調システムの使用方法をアドバイス可能な空調システムのアドバイス装置は、提案され、実施に供されている(例えば特許文献1等を参照)。
特開2014−29290号公報
しかしながら、上記した特許文献1をはじめとした多くの従来の空調システムのアドバイス装置によるアドバイスは、省エネルギーとなるような使用方法に重きをおいたものであり、居住者等の使用者が快適性を得られるように、その空調システムの性能を充分に発揮させる使用方法に重きをおいたものではなかった。
また、近年、省エネルギー意識の高まりから、空調システム自体は充分な省エネルギー設計となっており、建物も高い断熱性能を有するにもかかわらず、建物の居住者等の使用者は、空調システムの使用をひかえ過ぎて、快適性を得られない状態に陥ってしまうケースも多々ある。
そこで、本発明は、建物の居住者等の使用者が快適性を得られるように、空調システムの性能を充分に発揮させる使用方法に重きをおいたアドバイスをすることができる空調システムのアドバイス装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の空調システムのアドバイス装置は、建物が備える空調システムの使用方法をアドバイス可能な空調システムのアドバイス装置であって、制御部により、前記空調システムの消費電力を計測する計測器で計測した消費電力の情報から、判別部で前記空調システムの運転状況を判別し、記憶部に記憶された前記空調システムで快適性を向上又は維持するためのその判別結果に対応する使用方法のアドバイス情報を、出力部に出力させることを特徴とする。
ここで、前記空調システムは、運転タイムスケジュールデータに基づいて、運転条件を制御するタイムスケジュール運転が可能であり、前記空調システムの運転状況の判別要素として、前記タイムスケジュール運転のオン・オフ状態の情報を含むとよい。
また、前記空調システムは、前記建物内の床上空間を直接的に空調する床上空調機能と、床下空間から床部を介して前記床上空間を間接的に空調する床下空調機能とを有するものであるとよい。
さらに、前記出力部は、外部通信網を介して、前記制御部と接続されているとよい。
また、前記アドバイス情報は、前記出力部において、前記空調システムの電力消費量の表示欄とともに表示されるとよい。
さらに、前記アドバイス情報は、前記制御部により、前記出力部に、メール形式で定期的に送信されるとよい。
このような本発明の空調システムのアドバイス装置は、建物が備える空調システムの使用方法をアドバイス可能な空調システムのアドバイス装置であって、制御部により、空調システムの消費電力を計測する計測器で計測した消費電力の情報から、判別部で空調システムの運転状況を判別し、記憶部に記憶された空調システムで快適性を向上又は維持するためのその判別結果に対応する使用方法のアドバイス情報を、出力部に出力させる構成とされている。
上記した構成なので、建物の居住者等の使用者が快適性を得られるように、空調システムの性能を充分に発揮させる使用方法に重きをおいたアドバイスをすることができる。
ここで、空調システムは、運転タイムスケジュールデータに基づいて、運転条件を制御するタイムスケジュール運転が可能であり、空調システムの運転状況の判別要素として、タイムスケジュール運転のオン・オフ状態の情報を含む場合は、特に冬場の寒い時期や夏場の暑い時期に、空調システムの性能を充分に発揮させるタイムスケジュール運転をオン状態とするアドバイスをすることができる。
また、空調システムは、建物内の床上空間を直接的に空調する床上空調機能と、床下空間から床部を介して床上空間を間接的に空調する床下空調機能とを有するものである場合は、特に冬場の暖房時には、床上空調は、床上空間へ暖気を直接吹き出す即効性の暖房であり、床下空調は、床下空間を蓄熱槽として働かせて床上空間をじわじわとムラなく暖める遅効性の暖房であるので、これら異なる性質の空調を複合して制御するに際した適切なアドバイスをすることができる。
さらに、出力部は、外部通信網を介して、制御部と接続されている場合は、制御部を一拠点に置いて複数の建物に対してアドバイスをすることができる。
また、アドバイス情報は、出力部において、空調システムの電力消費量の表示欄とともに表示される場合は、空調システムの電力消費量の監視を行うと同時に、建物の居住者等の使用者が快適性を得られるように、空調システムの性能を充分に発揮させる使用方法に重きをおいたアドバイスを見ることができる。
さらに、アドバイス情報は、制御部により、出力部に、メール形式で定期的に送信される場合は、アドバイス情報がメールで定期的に送信されてくるので、建物の居住者等の使用者は、自らアクセスしなくても、空調システムの性能を充分に発揮させる使用方法に重きをおいたアドバイスを見ることができ、適切な使用方法をしているかどうかを確認することができる。
実施例の空調システムのアドバイス装置を備えた建物のサービスシステムの概略構成を示したブロック図である。 実施例の空調システムのアドバイス装置を備えた建物のサービスシステムの建物側の構成の詳細を説明するブロック図である。 実施例の空調システムのアドバイス装置を備えた建物のサービスシステムの概略構成を模式的に示した説明図である。 実施例の空調システムのアドバイス装置を備えた建物の概略構成を示した説明図である。 表示モニタの画面の一例を示した図である。 空調システムの運転状況のタイプを例示した図である。 空調システムの運転状況のタイプと対応するアドバイス情報との関係を例示した表である。 空調システムの運転状況のタイプを検出する方法を例示したフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
先ず、実施例の構成について説明する。
図1は、実施例の空調システムのアドバイス装置を備えた建物のサービスシステムの概略構成を示したブロック図である。
このサービスシステムは、顧客の居住している建物H,H1〜HXと、管理サーバ3との間で成り立つシステムである。
すなわち、建物H,H1〜HXには、消費電力を計測する計測器1と、出力部としての表示モニタ2と、中継器Rとがそれぞれ設置されている。
さらに、管理会社などの管理者側に設置された管理サーバ3は、通信手段としての通信部33と、管理制御手段としての制御部30と、属性データ記憶手段としての属性データベース31と、計測データ記憶手段としての計測値データベース32と、建物H,H1〜HXがそれぞれ備える空調システムの運転状況を判別する判別部4と、判別部4で判別した空調システムの運転状況に対応する使用方法のアドバイス情報を記憶する記憶部6とを備えている。
そして、建物H,H1〜HXの中継器Rと管理サーバ3の通信部33とは、外部通信網としてのインターネットNを介して接続されている。
なお、建物H,H1〜HXは、消費電力の管理をするサービスを受けるために、管理サーバ3を利用し、それぞれの属性情報及び消費電力の計測値のデータを提供している。
まず、図2を参照しながら、顧客の居住している建物H,H1〜HX側の詳細について建物Hを代表にして主に説明する。
この建物Hは、電力会社の発電所や地域毎に設置されたコジェネレーション設備などの系統電力から電力の供給を受けるための電力網としての系統電力網Eに接続されている。
この系統電力網Eと建物Hに配線された主幹120aとは、電力量メータE1を介して繋がっており、主幹120aは分電盤120に繋がっている。そして、この電力量メータE1によって、系統電力網Eと建物Hとの間に流れる電力量が計測される。
こうして、建物Hにおける消費電力の全体量がそれぞれ計測される。
また、建物Hには、様々な電力負荷装置7A〜7Cが設置されている。例えば、エアコンディショナーなどの空調装置7A、照明スタンドやシーリングライトなどの照明装置7B、並びに冷蔵庫やテレビなどの家電装置7Cなどの電力によって稼働する電力負荷装置がある。
そして、これらの電力負荷装置7A〜7Cの消費電力を計測するために計測センサ11を取り付ける。この計測センサ11には、分電盤120に内蔵されたもの、建物Hの壁などに設けられた電源コンセントに差し込む形態のもの、天井に取り付けられるシーリングライトやペンダントライトなどのシーリングに差し込む形態のものなどが適宜使用される。
また、計測センサ11は、建物H内のすべての電力負荷となる装置に取り付けることもできるが、空調設備は勿論、冷蔵庫など消費電力の大きな装置など、特定の電力負荷装置にだけ取り付け、大まかな区分の電力エネルギー消費量を計測してもよい。
また、分電盤120には、分電盤計測装置12を接続する。この分電盤120には、入力側として主幹120aが接続されており、出力側の分岐回路として複数の分岐幹120bが接続されている。
そして、主幹120aを通って系統電力網Eからの電力が分電盤120に入力される。
この分電盤計測装置12は、図示は省略されているが、主幹120aの電力量を計測する外部側の計測器と、分岐幹120b,・・・の数に合わせて設置される出力側の計測器とをそれぞれ計測する計測器とを備えている。
そして、計測センサ11,・・・及び分電盤計測装置12によって計測された計測値は、無線又は有線の建物H内の通信手段を介して集計管理装置13に送信される。
この集計管理装置13は、データの送受信をおこなう通信部と、受信した計測値などのデータを記憶させるデータ蓄積部などを備えている。このデータ蓄積部には、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置が使用できる。
また、データ蓄積部に記憶させる計測値のデータは、計測日時が後から特定できるように、予め設定された一定間隔で保存させるか、又は計測センサ11で計測した時刻、計測センサ11が送信をおこなった時刻若しくは集計管理装置13が受信した時刻などを時刻歴として付加して一緒に保存させる。
さらに、図2に示すように、建物Hの外部の外気温、湿度、日射量及び風速などの環境情報としての外部状態を計測するための外部観測計81が設置されている。
この外部観測計81は、風向及び風速を計測する風向風速センサ、日射量を計測する照度センサ及び温湿度センサなどによって構成される。また、この外部観測計81の出力は、環境計測装置8によってデジタル値に変換されて、無線又は有線の通信手段を介して集計管理装置13に送信される。
なお、このような環境情報としては、外部状態の計測値のかわりに、気象庁などから提供される周辺地域の気象データを取得して利用してもよい。
また、この集計管理装置13は、図2に示すように、ルータ13a及びゲートウェイ13bから成る中継器Rを介して外部通信網としてのインターネットNに繋がっている。そして、同じくインターネットNに接続された管理者側の管理サーバ3との間で、計測値やアドバイス情報などのデータの送受信や制御信号の送受信などをおこなうことができる。
例えば、集計管理装置13のデータ蓄積部に記憶された計測値のデータは、時間単位、日単位又は月単位など設定された間隔毎に管理サーバ3に送信され、管理サーバ3では受信したデータに基づいて各種分析をおこなう。また、所定の間隔又は更新情報が生成されたときなどは、管理サーバ3から設定値や管理値や更新プログラムなどの各種信号を集計管理装置13に送信することもできる。
また、建物H内のルータ13aに接続された表示モニタ2は、集計管理装置13と無線又は有線の建物H内の通信手段を介してデータの送受信をおこなうことができる構成となっている。
そして、この表示モニタ2に、集計管理装置13のデータ蓄積部に記憶された計測値、管理サーバ3に蓄積された計測値、これらの計測値のうち空調装置7Aの計測値、つまり空調システムの消費電力に基づいた使用方法のアドバイス情報などを表示させることができる。また、計測された計測値の詳細データを、リアルタイムに表示モニタ2に表示させることもできる。
さらに、表示モニタ2によって、集計管理装置13の設定値を変更したり、集計管理装置13などの制御プログラムの更新を指示したりという各種設定をおこなうこともできる。
次に、消費電力に影響を与える属性情報の詳細について主に説明する。
建物H,H1〜HXは、全国各地が対象となり、その属性情報は様々である。
例えば、建物H,H1〜HXで暖房や冷房をおこなう場合に、断熱性能の優劣によって同じ空調システムを使用した場合でもエネルギー消費量に差が生じる。ここで、建物H,H1〜HXの断熱性能を表すパラメータとして、総熱損失量(W/K)、熱損失係数(Q値)(W/m2K)、隙間相当面積(C値)(cm2/m2)などがある。
この総熱損失量は、建物H,H1〜HXの床、壁、窓、隙間などから逃げ出す熱量を表す指標で、内外温度差が1℃のときに建物H,H1〜HX全体から逃げる熱の量を示している。そして、この総熱損失量を、建物H,H1〜HXの延べ床面積で割った値が熱損失係数(Q値)であり、数値が小さい建物H,H1〜HXほど冷暖房の熱を損失しにくい。
また、隙間相当面積(C値)とは、建物H,H1〜HX全体の気密性能を表す指標で、建物H,H1〜HX全体の隙間面積を延べ床面積で割った値で示される。そして、このC値が小さい建物H,H1〜HXほど冷暖房の熱が外部に漏れ出しにくい。
このようなQ値やC値などで表される断熱性能は、木造、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨造などの新建物の主構造による影響が大きいため、主構造を属性情報としておくことで、断熱性能を推定することもできる。
なお、建物H,H1〜HXの温度に影響を与えるパラメータとしては、日射取得係数(μ値)を属性情報に加えることができる。この日射取得係数とは、建物H,H1〜HXに入る日射を数値的に表したもので、日射の入りやすい建物H,H1〜HXほど数値が大きくなる。
また、延べ床面積は、Q値やC値を求める際にも使用されるが、断熱性能と関連させなくても、空間の広さと消費電力との相関は明らかであるため属性情報に適している。さらに、同じ延べ床面積の建物H,H1〜HXであっても、間取りによって消費電力が異なる傾向を示す場合があるため、間取りも属性情報になり得る。
また、建物H,H1〜HXに居住する人数と消費電力との間にも相関があることは明らかである。さらに、地域によって平均気温や平均降水量が異なるため、消費電力に影響を与える。
また、建物H,H1〜HXが、太陽光発電装置5を備えていると、電気エネルギーを消費するだけでなく創出もしており、エネルギー収支に関係する情報であるため、属性情報として加えることができる(図3を参照)。
さらに、専業主婦、共働き、高齢者や子供の有無などのライフスタイルも、エネルギーの消費行動に影響を与える因子である。すなわち、専業主婦のように昼間に建物H,H1〜HXに人がいれば消費電力は留守宅よりも多くなり、共働きのように夜間に洗濯や掃除などの家事を集中させる世帯では、夜間の消費電力が多くなるなど、ライフスタイルや昼間住人の有無によって電力の消費行動が変化する。
また、空調システムに用いられる空調装置(エアコンディショナー)、テレビ(TV)、冷蔵庫、照明などの電力負荷装置の大きさや数や使用年数、型番などによっても、消費電力は変化することになる。
さらに、上述した環境情報も消費電力に大きな影響を与えるため、属性情報となる。
これらの属性情報は、例えば図3に示すように、管理サーバ3に無線で接続された営業マンが携帯しているモバイルパソコンなどの端末34から入力されて、管理サーバ3の属性データベース31に記憶される。
なお、建物H,H1〜HXの属性情報は、これらを販売するに至るまでの日々の営業活動時、設計時、建築時、建築後の定期点検などのアフターサービス時などに得ることができる。そして、取得又は更新された属性情報を、その都度、管理サーバ3の属性データベース31に記憶させれば、属性情報が管理サーバ3に蓄積されることになる。
このように、属性情報は、消費電力に影響を与える因子なので、計測値データベース32には、建物H,H1〜HXで計測された計測値を、それぞれの属性情報と関連付けて記憶させる。この関連付けは、計測値が計測された建物H,H1〜HXを特定できる程度の関連付けでよい。
すなわち、属性データベース31に建物H,H1〜HXの詳細な属性情報をそれぞれ記憶させておき、制御部30が属性情報と計測値を属性データベース31と計測値データベース32とからそれぞれ読み出せるように構成しておけばよい。
なお、図4に示したように、建物H,H1〜HXの代表とした建物Hは、屋内空間Kが床部1aで床下空間K1と床上空間K2とに仕切られており、床下空間K1内に、空調装置としての屋外機10と接続されたエアコンディショナーの屋内機9が設置された空調システムを備えている。
そして、この空調システムは、エアコンディショナーの屋内機9の吸込部91から空気を吸い込み、床上用吹出部92から空調空気を吹き出すと、床上空間K2が直接的に空調される床上空調機能と、床下用吹出部93から空調空気を吹き出すと、床下空間K1から床部1aを介して床上空間K2が間接的に空調される床下空調機能とを有するものである。
より具体的には、暖房時には、床上空調機能と床下空調機能との少なくとも一方を発揮させることができ、冷房時には、床上空調機能のみを発揮させることができる。
さらに、この空調システムは、運転タイムスケジュールに基づいて、運転条件を制御するタイムスケジュール運転(以下、単にタイマーという場合がある。)が可能である。
そして、管理サーバ3の判別部4は、この空調システムの運転状況を判別するための判別要素として、タイムスケジュール運転のオン・オフ状態の情報も識別できるようになっている。
次に、実施例の空調システムのアドバイス装置を備えた建物のサービスシステムの利用方法について説明する。
まず、営業マン又はこのサービスを受けたい顧客が、表示モニタ2に接続されたパーソナルコンピュータなどの端末から、サービス希望との契約操作を行う。
そして、建物H,H1〜HXが備える空調システムの型番などを入力し、初期設定を行う。
なお、必要な属性情報などは、上記したように、消費電力を管理するサービスを受ける際に既に入力されている。
さらに、表示モニタ2により顧客自らが見たい時にこの空調システムの使用方法のアドバイス情報が見られる状態とする設定と、表示モニタ2やスマートフォン等の携帯端末に、この空調システムの使用方法のアドバイス情報が定期的に送信されてくる状態とする設定の一方又は両方にする。
なお、建物H,H1〜HXの代表とした建物Hでは、両方の設定とした。
次に、表示モニタ2への具体的な表示例について説明する。
図5は、表示モニタ2への具体的な表示例を示している。
まず、表示モニタ2の画面の空調タブをクリックすると、画面の上側に、空調システムの電力消費量の表示欄Gが表示される。
この空調システムの電力消費量の表示欄Gには、折れ線グラフで、建物Hと属性情報が類似した建物における空調システムの電力消費量の平均値が示されている。また、棒グラフで、建物Hにおける空調システムの電力消費量が示されている。
なお、図示例では、月別表示となっているが、日別表示、時間別表示などに切り替えることもできる。また、消費電力量を料金単位に換算して表示することもできる。
そして、画面の下側に、アドバイス情報Aが表示される。
さらに、このアドバイス情報Aは、空調システムの運転状況がどのようであるかを示す分析結果欄A1と、空調システムで快適性を向上又は維持するための具体的なアドバイス欄A2とから成る。
なお、空調システムの電力消費量の表示欄Gとアドバイス情報Aとの間には、空調システムの消費電力量が少ない場合には、「空調の消費電力は省エネの面では特に問題ありません。」とか、空調システムの消費電力量が多い場合には、「空調の消費電力は標準より多めとなっています。空調システムの使用方法の工夫で、空調の消費電力を減らす事ができます。」とか、省エネに関する簡単なコンサルティング情報を表示する省エネ欄Sが設けられている。
一方、図示は省略したが、表示モニタ2やスマートフォン等の携帯端末に定期的に送信されてくるメールの内容は、アドバイス情報Aの部分である。
次に、建物Hの空調システムの運転状況の検出からアドバイス情報の出力までを例示して説明する。
例えば、朝7時に起床する人の空調システムの運転状況(暖房時)は、図6に示したように、概ね4つのタイプT1〜T4に分類することができ、これら空調システムの運転状況のタイプT1〜T4は、管理サーバ3の属性データベース31に記憶されている。
タイプT1は、深夜電力をフルに利用し、タイムスケジュール運転(タイマー)も外出等で出掛けるまでオン状態としている。
タイプT2は、深夜は運転せず、朝から深夜電力を少し利用して運転を開始し、外出等で出掛けるまでタイムスケジュール運転(タイマー)をオン状態とするか、手動で運転している。
タイプT3は、深夜電力は全く利用せず、朝から手動で運転している。
タイプT4は、空調システム自体を全く使用していない。
そして、管理サーバ3において、制御部30により、計測器1で計測した空調システムの消費電力の情報のデータから判別部4でタイプT1〜T4のうち、いずれに相当するかを判別し、記憶部6に記憶された対応するアドバイス情報Aを抽出し、通信部33からデータを送信し、表示モニタ2に、その対応するアドバイス情報Aを表示させる。
図7は、これらタイプT1〜T4と対応するアドバイス情報Aを示した表である。
タイプT1では、分析結果欄A1で「深夜運転をご使用頂いているようです。」と表示し、アドバイス欄A2で「・帰宅時により快適な環境とするためにはタイマーの運転開始時刻を早くする事をおすすめします。」と表示する。
タイプT2では、分析結果欄A1で「深夜運転を使用せず、朝からご使用頂いているようです。」と表示し、アドバイス欄A2で「・タイマーをセットして深夜運転を使用すると朝の快適性がより高くなります。・帰宅時により快適な環境とするためにはタイマーの運転開始時刻を早くする事をおすすめします。」と表示する。
タイプT3では、分析結果欄A1で「深夜運転を使用せず、朝の電力料金帯からご使用頂いているようです。」と表示し、アドバイス欄A2で「・空調システムの電源オンは割安な夜間電力時間帯の設定をおすすめします。・タイマーをセットして深夜運転を使用すると朝の快適性がより高くなります。」と表示する。
タイプT4では、分析結果欄A1で「運転が充分行われていません。」と表示し、アドバイス欄A2で「・空調システムの推奨の使用方法を提示します。」と表示する。そして、アドバイス欄A2には、クリックすると、空調システムの使用方法が表示されるボタンを同時に表示する。
次に、空調システムの運転状況のタイプT1〜T4を検出する方法について説明する。
図8は、空調システムの運転状況のタイプT1〜T4を検出する方法を例示したフローチャートである。
まず、ステップST1で、1時、3時、5時のすべてで消費電力が20W(待機電力)を超える日は、何日あるかを判断する(深夜に空調システムをキープ運転しているかどうかの判断)。
1週間に3日以上の場合は、タイプT1と判断する。
1週間に3日未満の場合は、ステップST2で、3時、5時、6時のいずれかで消費電力が20W(待機電力)を超える日は、何日あるかを判断する(起床時に空調システムを運転しているかどうかの判断)。
1週間に3日以上の場合は、タイプT2と判断する。
1週間に3日未満の場合は、ステップST3で、3時、5時、6時のすべてで消費電力が20W(待機電力)以下、かつ8時の消費電力が20W(待機電力)を超える日は、何日あるかを判断する(朝に空調システムを運転しており、運転開始が安い深夜料金時間帯以降かどうかの判断)。
1週間に3日以上の場合は、タイプT3と判断する。
1週間に3日未満の場合は、タイプT4と判断する(朝は空調システムの使用は無いものと判断)。
このようにして空調システムの運転状況が、タイプT1〜T4のいずれかに判別された後、図7に示したように、対応するアドバイス情報が、表示モニタ2に表示される。
なお、この空調システムの運転状況のタイプT1〜T4を検出する方法では、1時間等の長い間隔の消費電力で運転状況のタイプT1〜T4を判別したが、これは、多くの建物H,H1〜HXに対応できるように、情報量を少なくするためであり、管理サーバ3側の容量が充分の場合は、より短い間隔で判別を行ってもよい。
次に、実施例の作用効果について説明する。
このような実施例の空調システムのアドバイス装置は、建物H,H1〜HXが備える空調システムの使用方法をアドバイス可能な空調システムのアドバイス装置である。
そして、管理制御手段としての制御部30により、空調システムの消費電力を計測する計測器1で計測した消費電力の情報から、判別部4で空調システムの運転状況を判別し、記憶部6に記憶された空調システムで快適性を向上又は維持するためのその判別結果に対応する使用方法のアドバイス情報Aを、出力部としての表示モニタ2に出力させる構成とされている。
上記した構成なので、建物H,H1〜HXの居住者等の使用者が快適性を得られるように、空調システムの性能を充分に発揮させる使用方法に重きをおいたアドバイスをすることができる。
ここで、空調システムは、運転タイムスケジュールデータに基づいて、運転条件を制御するタイムスケジュール運転が可能であり、判別部4における空調システムの運転状況の判別要素として、タイムスケジュール運転のオン・オフ状態の情報を含む。
このため、特に冬場の寒い時期や夏場の暑い時期に、空調システムの性能を充分に発揮させるタイムスケジュール運転をオン状態とするアドバイスをすることができる。
また、建物Hが備える空調システムは、床上空間K2を直接的に空調する床上空調機能と、床下空間K1から床部1aを介して床上空間K2を間接的に空調する床下空調機能とを有するものである。
このため、特に冬場の暖房時には、床上空調は、床上空間へ暖気を直接吹き出す即効性の暖房であり、床下空調は、床下空間を蓄熱槽として働かせて床上空間をじわじわとムラなく暖める遅効性の暖房であるので、これら異なる性質の空調を複合して制御するに際した適切なアドバイスをすることができる。
さらに、出力部としての表示モニタ2は、外部通信網としてのインターネットNを介して、管理サーバ3の制御部30と接続されている。
このため、管理制御手段としての制御部30を一拠点に置いて複数の建物H,H1〜HXに対してアドバイスをすることができる。
また、アドバイス情報Aは、出力部としての表示モニタ2において、空調システムの電力消費量の表示欄Gとともに表示される。
このため、空調システムの電力消費量の監視を行うと同時に、建物H,H1〜HXの居住者等の使用者が快適性を得られるように、空調システムの性能を充分に発揮させる使用方法に重きをおいたアドバイスを見ることができる。
さらに、アドバイス情報Aは、制御部30により、出力部としての表示モニタ2やスマートフォン等の携帯端末に、メール形式で定期的に送信される。
このため、アドバイス情報Aがメールで定期的に送信されてくるので、建物H,H1〜HXの居住者等の使用者は、自らアクセスしなくても、空調システムの性能を充分に発揮させる使用方法に重きをおいたアドバイスを見ることができ、適切な使用方法をしているかどうかを確認することができる。
以上、図面を参照して、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、上記した実施例では、建物H,H1〜HXは、消費電力だけを管理するサービスを受けるようにして実施したが、これに限定されず、ガスや水などの電気以外のエネルギーの消費量も管理するサービスを受けるようにして実施してもよい。
また、上記した実施例では、外部観測計81及び環境計測装置8を用いて建物Hの外部の外気温、湿度、日射量及び風速などの環境情報としての外部状態まで計測できるようにして実施したが、これに限定されず、外部観測計81及び環境計測装置8は用いずに実施してもよい。
また、上記した実施例では、建物Hを、説明が簡単なように、単純な構造としたが、勿論、これに限定されず、より複雑な構造として実施してもよい。
さらに、上記した実施例では、床上空調機能と床下空調機能の両方を有する空調システムに適用するものとしたが、これに限定されず、例えば、床上空調機能と床下空調機能のうち、一方のみの機能を有する空調システムに適用して実施することもできる。
また、上記した実施例では、主に暖房運転時のアドバイスのみについて説明したが、これに限定されず、冷房運転時のアドバイスも行うことができる。
さらに、上記した実施例では、出力部として表示モニタ2を用いて実施したが、これに限定されず、例えば、音声などで出力するようにして実施してもよい。
H,H1〜HX 建物
K 屋内空間
K1 床下空間
K2 床上空間
E 系統電力網
E1 電力量メータ
N インターネット(外部通信網)
R 中継器
1 計測器
1a 床部
2 表示モニタ(出力部)
3 管理サーバ
30 制御部(管理制御手段)
31 属性データベース(属性データ記憶手段)
32 計測値データベース(計測データ記憶手段)
33 通信部(通信手段)
34 端末
4 判別部
5 太陽光発電装置
6 記憶部
7A 空調装置(電力負荷装置)
7B 照明装置(電力負荷装置)
7C 家電装置(電力負荷装置)
8 環境計測装置
81 外部観測計
9 エアコンディショナーの屋内機(空調装置)
91 吸込部
92 床上用吹出部
93 床下用吹出部
10 エアコンディショナーの屋外機
11 計測センサ
12 分電盤計測装置
120 分電盤
120a 主幹
120b 分岐幹
13 集計管理装置
13a ルータ
13b ゲートウェイ
A アドバイス情報
A1 分析結果欄
A2 アドバイス欄
G 電力消費量の表示欄
S 省エネ欄

Claims (6)

  1. 建物が備える空調システムの使用方法をアドバイス可能な空調システムのアドバイス装置であって、
    制御部により、前記空調システムの消費電力を計測する計測器で計測した消費電力の情報から、判別部で前記空調システムの運転状況を判別し、記憶部に記憶された前記空調システムで快適性を向上又は維持するためのその判別結果に対応する使用方法のアドバイス情報を、出力部に出力させることを特徴とする空調システムのアドバイス装置。
  2. 前記空調システムは、運転タイムスケジュールデータに基づいて、運転条件を制御するタイムスケジュール運転が可能であり、
    前記空調システムの運転状況の判別要素として、前記タイムスケジュール運転のオン・オフ状態の情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の空調システムのアドバイス装置。
  3. 前記空調システムは、前記建物内の床上空間を直接的に空調する床上空調機能と、床下空間から床部を介して前記床上空間を間接的に空調する床下空調機能とを有するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の空調システムのアドバイス装置。
  4. 前記出力部は、外部通信網を介して、前記制御部と接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空調システムのアドバイス装置。
  5. 前記アドバイス情報は、前記出力部において、前記空調システムの電力消費量の表示欄とともに表示されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空調システムのアドバイス装置。
  6. 前記アドバイス情報は、前記制御部により、前記出力部に、メール形式で定期的に送信されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の空調システムのアドバイス装置。
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