JP2015190421A - タービン翼列 - Google Patents

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慎次 谷川
Shinji Tanigawa
慎次 谷川
小野田 昭博
Akihiro Onoda
昭博 小野田
富永 純一
Junichi Tominaga
純一 富永
新一郎 大橋
Shinichiro Ohashi
新一郎 大橋
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Abstract

【課題】タービン翼列の内外輪の壁面に生ずる二次流れ損失の拡大を抑える。
【解決手段】タービン翼列は内輪2と、外輪1と、内輪2と外輪1との間に設けられた複数のタービン静翼14を備える。内輪2の壁面40は腹側部分40aと背側部分40bを含む。腹側部分40aと回転中心16との間の距離は、背側部分40bと回転中心16との間の距離より短かい。
【選択図】図1

Description

本実施の形態はタービン翼列に関する。
ガスタービンや蒸気タービンなど、発電プラントに用いられるターボ機械は、回転ロータと、回転ロータの周方向に配置されたタービン静翼及びタービン動翼とを有し、タービン静翼により、タービン翼列が構成され、タービン動翼により、タービン翼列が構成される。そしてこれらのタービン静翼列、タービン動翼列が回転ロータの軸方向に交互に複数配設されることによって、いわゆる軸流タービンと呼ばれる構造が形成される。
ところで図17乃至図19に示すように、全体として環状の静翼列において周方向に隣接するタービン静翼14間には分割線15が形成されている。
このような構成要素を備える軸流タイプの蒸気タービンは、作動流体をタービン静翼14内で膨張させ、増速させる。更に増速させた作動流体をタービン動翼で転向させ、その際に発生する動力(回転力)で発電機を駆動している。
発電機の駆動中、蒸気タービンのタービン段落に発生する損失には、大別してタービン静翼14とタービン動翼の翼形状に起因するプロファイル損失、タービン静翼とタービン動翼の壁面部分に発生する二次流れ損失、フィンとシュラウドの間隙により作動流体が漏洩するチップ漏洩損失、ダイアフラム内輪に設けたラビリンスフィンと回転ロータとの間隙により作動流体が漏洩するラビリンス漏洩損失がある。
これらの損失の中で、二次流れ損失は、プロファイル損失と同程度の大きなウエイトを占めている。
この二次流れ発生機構は例えば図17によって説明される。図17に示すように、例えばタービン静翼14の上流側の前縁でその両側面で分流される際、作動流体の流れはタービン静翼14の前縁で衝突し、タービン静翼14の翼面背側に沿って流れるカウンタ渦11と腹側から隣接するタービン静翼14の背側後縁方向に向かって流れるパッセージ渦12の馬蹄形渦の二次流れが生じる。同時に隣接するタービン静翼14間の流路の曲りの大きさによって生じた遠心力が圧力勾配をもたらし、ダイアフラム内輪の壁面40またはダイアフラム外輪の壁面に沿って流れる主流の流れとは垂直な周方向の二次流れが生じる。
これらの二次流れ損失を低減させるため、タービン静翼14間の分割線15に沿った主流の流れ方向に、ダイヤフラム内輪の壁面40あるいはダイヤフラム外輪の壁面41の形状を変化させる技術は、これまで多く開示されている。
例えば、特許文献1では、タービン静翼またはタービン動翼の流れ方向に沿ってダイヤフラム外輪またはダイヤフラム内輪にフェンスを設けることにより、二次流れの抑制の効果と翼列下流での流出角度分布の一様性が増し、次の段落の翼列における損失の低下効果を示している。
また、特許文献2では、タービンのタービン静翼の翼間流路を構成するダイヤフラム内輪またはダイヤフラム外輪の少なくとも一方に、翼間流路を流れる作動流体の主流方向に沿って、複数の板状のベーンが配置されている。このことによりベーンの高さをダイヤフラム内輪と、ダイヤフラム外輪に生じる境界層厚さとほぼ同じにすることができる。
これにより、境界層厚さの中でベーンの出口縁にて渦が生じる。この場合、この渦の回転方向は、ダイヤフラム内輪及びダイヤフラム外輪上の二次流れの渦層を相殺する方向にある。このため、ベーンの下流では二次流れが減少する。
特開平3−264704 特開平4−295103
特許文献1においては、二次流れ損失の一つの構造である主流の流れと垂直な周方向の二次流れについて、主流方向に転向させる効果はあるが、周方向の二次流れがフェンスを越えていってしまう。蒸気入口側から観察すると、流れに対して鉛直な板状の形状をしているため、フェンスそのものにおいて剥離渦が生じ、二次流れ損失となり、周方向の二次流れ損失低減効果を打ち消す不具合が生じる。
また特許文献2においては、境界層厚さ以下のベーン形状を設けることにより、一定の二次損失の低減効果は期待できるが、境界層厚さの確定が困難であり、逆に相殺させる渦が主流流れを乱し、損失を拡大させる方向に働く可能性がある。
また上記2つの文献に示された構造はタービン翼列が作られた後、追加加工により翼間に設けるものであるため、加工工数の増大につながる。
本実施の形態は、このような点を考慮してなされたものであり、作動流体の二次流れを抑えると同時に、作動流体の二次流れ損失の拡大を抑制させることができるタービン翼列を提供することを目的とする。
本実施の形態は、動翼植込面を有する回転ロータと、前記回転ロータ外方に静止して配置され、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に挟持され、周方向に配置された複数のタービン静翼とを有するタービン静翼列と、前記回転ロータの動翼植込面に取り付けられ周方向に配置された複数のタービン動翼を有するタービン動翼列とを備えたタービン翼列において、各タービン静翼間の前記内輪の壁面は、タービン静翼の腹側部分と、隣接するタービン静翼の背側部分とを含み、腹側部分と回転ロータの回転中心との距離が、背側部分と回転ロータの回転中心との距離より短くなって、前記内輪の壁面の腹側部分と背側部分との間に、凹凸形状の段差部が形成されていることを特徴とするタービン翼列である。
本実施の形態は、動翼植込面を有する回転ロータと、前記回転ロータ外方に静止して配置され、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に挟持され、周方向に配置された複数のタービン静翼とを有するタービン静翼列と、前記回転ロータの動翼植込面に取り付けられ周方向に配置された複数のタービン動翼を有するタービン動翼列とを備えたタービン翼列において、各タービン動翼間の前記回転ロータの動翼植込面は、タービン動翼の腹側部分と、隣接するタービン動翼の背側部分とを含み、腹側部分とロータ回転中心との距離が、背側部分とロータ回転中心との距離より短くなって、前記動翼植込面の腹側部分と背側部分との間に、凹凸形状の段差部が形成されていることを特徴とするタービン翼列である。
図1は本実施の形態に係るタービン翼列を組み込んだ作動流体入口から見た周方向の模式図。 図2は本実施の形態に係るタービン翼列を示した斜視図。 図3は図2に示したタービン翼列のダイヤフラム内輪側を抜き出した部分拡大図。 図4は本実施の形態に係るタービン翼列の図2に示したダイヤフラム内輪の壁面の図。 図5(a)(b)(c)は図3のA−A、B−B、C−C、D−D、E−Eの矢視方向から見た断面図。 図6は本実施の形態に係るタービン翼列について、軸方向距離に対する段差部高さを示した線図。 図7は本実施の形態に係るタービン翼列について、タービン作動流体入口から見たダイヤフラム内輪側の形成方法を示す概念図。 図8は本実施の形態に係るタービン翼列について、タービン作動流体入口から見たダイヤフラム外輪側の形成方法を示す概念図。 図9は本実施の形態に係るタービン翼列について、タービン作動流体入口から見た段差部付近の作成方法を示す概念図。 図10は本実施の形態に係るタービン翼列について、タービン作動流体入口から見たダイヤフラム内輪側の形成方法を示す概念図。 図11は本実施の形態に係るタービン翼列について、タービン作動流体入口から見た段差部付近の作成方法を示す概念図。 図12は本実施の形態に係るタービン翼列について、周方向流れの転向による二次流れ損失低減の効果を示した説明図。 図13は本実施の形態に係るタービン翼列について、パッセージ渦拡大方向の転向による二次流れ損失低減の効果を示した説明図。 図14は本実施の形態に係るタービン翼列について、段差部付近の二次流れの挙動の変化による二次流れ損失低減の効果を示した説明図。 図15は本実施の形態に係るタービン翼列について、転向角が大きい翼列の二次流れの挙動の変化による二次流れ損失低減の効果を示した説明図。 図16は軸流タービンの一部を示す模式図。 図17は従来の翼列間を流れる作動流体の挙動を示す模式図。 図18は従来のタービン翼列の斜視図。 図19は従来のタービン翼列の隣接する翼間の断面図。
<第1の実施の形態>
以下、本実施の形態に係わるタービン翼列について図面を参照して説明する。
まず図16により本実施の形態によるタービン翼列について説明する。
タービン翼列は動翼植込面4aを有する回転ロータ(タービン軸)4と、タービン静翼列14Aと、タービン動翼列5Aとを有している。このうち、タービン静翼列14Aは回転ロータ4外方に静止して配置され、ダイヤフラム内輪(内輪)2と、ダイヤフラム外輪(外輪)1と、これらダイヤフラム内輪2とダイヤフラム外輪1との間に挟持され周方向に配置された複数のタービン静翼14とを有する。また、タービン動翼列5Aは、回転ロータ4の動翼植込面4aに取付けられ周方向に配置された複数のタービン動翼5を有する。
このうち複数のタービン静翼14と複数のタービン動翼5とにより、タービン段落9が構成されている。
また複数のタービン動翼5の頂部にシュラウド6が設けられ、ダイヤフラム外輪1にはシュラウド6との間に、ダイヤフラム外輪1とシュラウド6との間から作動流体が漏洩することを防止するためのフィン7が設けられている。
またダイヤフラム内輪2には、回転ロータ4との間に、ダイヤフラム内輪2と回転ロータ4との間から作動流体が漏洩することを防止するためのフィン8が設けられている。
なお、ダイヤフラム外輪1のタービン静翼14側の面は、ダイヤフラム外輪1の壁面41となっており、ダイヤフラム内輪2のタービン静翼14側の面は、ダイヤフラム内輪2の壁面40となっている。
また、ダイヤフラム外輪1は静止部であるケーシング(図示せず)に係止され、ダイヤフラム内輪2は回転ロータ4との間に間隙を形成して回転ロータ4と同心円状に保持されている。
次に図7により、ダイヤフラム内輪2の壁面40の形状について説明する。
図7は本実施の形態によるタービン翼列を作動流体の入口側から見たダイヤフラム内輪2の形成方法を示す概念図である。
図7に示すように、ダイヤフラム内輪2の壁面40は以下のように形成される。まず回転ロータ4の回転中心16からダイヤフラム内輪2の半径をもつ円弧17を形成する。次にダイヤフラム内輪2の壁面40のうち、タービン静翼14間に分割線15を形成し、この分割線15と回転中心16との間のラジアル線24を引く。このように形成されたラジアル線24と円弧17とにより扇型の形状が形成される。
この扇型で形成される円弧17上の点と回転中心16との間に、更にラジアル線25を引く。これによってラジアル線25と円弧17とにより交点18aが形成され、この交点18aを中心として円弧17の曲率半径と同一の半径を持った円弧18を作成する。
さらにタービンの回転方向と同一の方向にこの円弧18に沿った点に中心19を設定する。
この中心19と円弧17の交点18aとで結ぶ距離は、円弧17の曲率半径と同等となる。次にこの交点18aを通るよう、中心19から円弧20を作成する。これによりダイヤフラム内輪2の壁面40の円弧20を作成する。
この場合、円弧20はダイヤフラム内輪2の壁面40のうちタービン静翼14の腹側部分40aを構成する。
これと同様の作業を繰り返して、隣り合ったタービン静翼14間のダイヤフラム内輪2に壁面40の形状をなす円弧23を作成する。なお円弧23の中心22は、以下のように作成される。図7に示す、回転中心16を中心とした中心19を通る円を描くことにより、作図用の円弧21の交点が形成され、この交点が円弧23の中心22となる。これにより、回転中心16と円弧23の中心22の距離は、回転中心16と円弧20の中心19との距離と同じとなる。
この場合、円弧23は、ダイヤフラム内輪2の壁面40のうち、タービン静翼14の背側部分40bを構成する。
この円弧20と円弧23を環状に作成することにより、ダイヤフラム内輪2の壁面40形状の円弧17とラジアル線24との交点により、ダイヤフラム内輪2の壁面40にタービン静翼14の取付け半径で定義された曲率半径を有する曲面を有する段差部26が形成される。
この場合、図7に示すように、ダイヤフラム内輪2の壁面40において、タービン静翼14の腹側部分40aを構成する円弧20と回転中心16との間の距離は、タービン静翼14の背側部分40bを構成する円弧23と回転中心16との間の距離より短くなっており、このため円弧20と円弧23との間に凹凸形状の段差部26が形成されている。
次に図8により、ダイヤフラム外輪1の壁面41の形状について説明する。
図8に示すように、ダイヤフラム外輪1の壁面41は、ダイヤフラム内輪2の壁面40と同様のプロセスで形成される。
ここで、図8はタービン翼列を作動流体の入口側からみた図である。
図8において、円弧30の中心29と円弧33の中心32は、円弧28、31上に、タービンの回転方向とは反対の方向に設定される。
この円弧30と円弧33を環状に作成することにより、ダイヤフラム外輪1に、壁面41の形状をなす円弧27とラジアル線24との交点によって、段差部34が形成される。
図8に示すように、ダイヤフラム外輪1の壁面41において、タービン静翼14の腹側部分を構成する円弧33と回転中心16との距離は、タービン静翼14の背側部分を構成する円弧30と回転中心16との距離より長くなっており、このため円弧33と円弧30との間に凹凸形状の段差部34が形成されている。
このようにして得られたダイヤフラム内輪2の壁面40およびダイヤフラム外輪1の壁面41上に各々配設された段差部26と段差部34は、いずれもダイヤフラム内輪2の壁面40およびダイヤフラム外輪1の壁面41に対して矩形上の形状をしている。また段差部26と内輪2の壁面40との間、または段差部34と外輪1の壁面41との間でのなす角度35は90°以下に設定されている(図9参照)。なお、図9において、内輪2の壁面40のみを示す。
ここで図9は、図7に示したダイヤフラム内輪2の壁面40形状の段差部26における部分拡大図である。段差部26とダイヤフラム内輪2の壁面40を定義する円弧17との交点から傾斜をつけることにより、実際の段差部の面36が作成される。この段差部の面36と円弧20、円弧23とのなす角度35aは90°以上に設定されている。さらにこの段差部の面36と円弧20、円弧23とで交わる交点は矩形形状をもつため曲率半径で定義されたフィレット37が設けられている。このような作業を環状に配設されているダイヤフラム内輪2の壁面40の段差部26に対して繰り返す。
このようにして、図7〜図9を用いてダイヤフラム内輪2の壁面40上に周方向に沿って段差部26および段差部の面36を形成する。この段差部26および段差部の面36を図1に示す。図1においてタービン静翼14は腹側の面51と、背側の面52を有する。
また図2〜図6において、タービン静翼列14Aの作動流体入口部から出口部にかけての回転ロータの軸方向の構成について説明する。
図3は図2に示すダイヤフラム内輪1の部分拡大図であり、図4は図2に示したダイヤフラム内輪1の壁面40のうち隣接する2枚のタービン静翼14の断面図である。図2〜図6に示すように、ダイヤフラム内輪1の壁面40に、隣接するタービン静翼14の腹側の翼面51および及び背側の翼面52間の軸方向に垂直な距離の中点を、前縁端面42の入口側から後縁端面43の出口側まで繋いだ曲線を形成する。この曲線により分割線15が形成される。この曲線により形成された分割線15に沿って図7〜図9で説明した凹部45と凸部を有する段差部26が形成される(図4)。図5及び図6で示すようにA−A断面部において、凹凸形状の段差部26は、そのラジアル方向高さ(ラジアル高さ)が0であるが、そこから徐々にラジアル高さが大きくなって、C−C断面にて最大値を持つ。その最大値から軸方向に沿ってラジアル高さは徐々に縮小し、後縁端面43位置より入口側の位置でラジアル高さが0になる。
図4では、段差部26の開始位置と終了位置は、各々前縁端面42の軸方向位置と、後縁端面43の軸方向位置となっているが、この前縁端面42と後縁端面43との間の中間部分で、段差部26を開始させ、あるいは終了させてもよい。
さらに、隣接するタービン静翼14の腹側の翼面51及び背側の翼面52間の法線距離について、この法線距離の最小値をスロート幅と定義する。この場合、図6に示すようにスロート幅44をもつ軸方向位置よりも入口側に、内輪2の壁面40に形成された段差部26のラジアル高さの最大値位置(図6では断面C−Cに相当)が設定される。また、段差部26のラジアル高さが0となる位置は、スロート幅をもつ軸方向位置よりも出口側の位置となるように設定される。
図2〜図5を用いて説明した、ダイヤフラム内輪2の壁面40の軸方向の構成は、ダイヤフラム外輪1の壁面41の軸方向の構成にも適用される。
このようにして、本実施の形態に係るタービン翼列の周方向及び軸方向の構成が形成される(図2参照)。
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について図12〜図14により説明する。
図12には、本実施の形態において、周方向成分を持った二次流れ13の挙動メカニズムを示す。二次流れ13はタービン静翼14の腹側の面51から隣接するタービン静翼14の背側の面52に衝突する挙動をするが、凹凸形状の段差部26により、周方向成分を持った二次流れ13は段差部26付近で主流方向に近い方向成分47に変更され、その流れは分割線15に沿ってタービン静翼14の背側に衝突することなく、後縁端面43へと流れる。
図13には、本実施の形態において、パッセージ渦12とカウンタ渦11の二次流れの挙動メカニズムを示す。パッセージ渦12は作動流体が前縁端面42へ衝突することによって馬蹄渦として形成される。この場合、段差部26付近によりパッセージ渦12の進行方向を主流方向に変更させることができる。更に、パッセージ渦12の分割線15の通過位置及びパッセージ渦12のスケールに合わせ、凹凸形状の段差部26のラジアル高さと、段差部26の位置とを上述のように設定することにより、確実に二次流れの渦の方向を変更することができる。
図14に、本実施の形態における凹凸形状の段差部26付近における周方向の二次流れの挙動を示す。凹凸形状の段差部26に、なだらかな段差部の面36を形成しない場合、点線部の流れ49に示すように主流方向に変更しない流れは、段差部26自身で二次流れが発生してしまう。一方、なだらかな段差部26の面36を形成することにより、面36から円弧23へ、段差部26自身での二次流れの発生を最小限に抑え、隣接する翼の背中側へ流すことができる。
このように、図12で示す通り周方向の二次流れ方向を変更することで、隣接するタービン静翼14の背側に沿って流れるカウンタ渦11が合流した場合の二次流れの拡大を抑え、二次流れ損失の低減の効果が得ることができる。また図13で示す通り、パッセージ渦12とカウンタ渦11の合流を避けることができ、パッセージ渦12とカウンタ渦11の合流によって渦スケールが拡大することによる二次流れの拡大を抑制することができる。また図14で示す通り、段差部26自身で生ずる二次流れを抑え、二次流れ損失を低減させる効果がある。
また、ダイヤフラム外輪1の壁面41においても、図12〜図14により説明したダイヤフラム内輪2の壁面40における作用効果と同等の作用効果が得られる。
<第2の実施の形態>
図10および図11は、ダイヤフラム内輪2の壁面40およびダイヤフラム外輪1の壁面41を形成する形成方法を示す概念図である。内輪2の壁面または外輪1の壁面を形成する場合、加工性の容易さから、円弧ではなく周方向について平面で形成されることがある。そのため図10で示す通り、直線で形成された内輪2の壁面38を、内輪2の壁面38とラジアル線25の交点を中心にして、回転ロータ4の回転方向と同一の方向に傾けることにより、内輪2の壁面39を形成する。さらに隣接する内輪2の壁面についても、回転ロータ4の回転方向と同一の方向に上述の傾き角度と同一角度で傾ける。このことにより、ラジアル線24と内輪側壁面39に第1の実施の形態と同等の段差部26を設けることができる。
さらにダイヤフラム外輪1の壁面41についても、ダイヤフラム内輪2の壁面40と同様の構成により段差部34を設けることができる。この場合、外輪1の壁面41を回転ロータ4の回転方向とは正対する方向に傾け、外輪1の壁面41を設ける。
外輪1の壁面41の段差部34付近の周方向の構成および回転ロータ4の軸方向の段差部34の構成については、第1の実施の形態と略同様である。
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。図11に示すように、ダイヤフラム内輪2の壁面40の段差部26は、第1の実施の形態における段差部26よりも鋭角な直線面になるため、段差部26自身から生じる二次流れの減少効果は多少減ずるが、その他の第1の実施の形態における図12および図13に示した効果と同じ効果が得られる。
<第3の実施の形態>
次に図15により、タービン翼列の第3の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態および第2の実施の形態ではタービン静翼列14Aを例に述べたが、図17に示した二次流れ損失のメカニズムは、図15に示すタービン動翼列5Aについても同様のことが言える。
すなわち、図15に示すようにタービン動翼列5Aは、回転ロータ4の動翼植込面4aに植込まれ周方向に配置された複数のタービン動翼5を有している。またタービン動翼5間の動翼植込面4aは、タービン動翼5の腹側部分4bとタービン動翼5の背側部分4cとを有する。
そして動翼植込面4aのうち、腹側部分4bと回転ロータ4の回転中心16との距離は、背側部分4cと回転ロータ4の回転中心16との距離より短くなっている。
このため、タービン動翼列においても、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様な二次損失低減の効果が図ることができる。一般に、タービン動翼4の動翼植込面4a付近では、図15に示すようにタービン動翼5間の転向角と呼称される入口から流入する角度および出口へ流出する角度が大きくなる。このため図15に示すように、遠心力が原因となる周方向成分をもった二次流れが大きいため、第1の実施の形態および第2の実施の形態に比べて、二次流れ削減効果がより発揮される。
なお上記の実施の形態は例示であり、発明の範囲は、それらに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
1 ダイアフラム外輪、2 ダイアフラム内輪、4 回転ロータ、5 タービン動翼、15A タービン動翼列、6 シュラウド、7 フィン、8 フィン、9 タービン段落、10 翼、11 カウンター渦、12 パッセージ渦、13 周方向成分を持った二次流れ、14 タービン静翼、14A タービン静翼列、15 分割線、16 回転中心、17 内輪の壁面を定義する円弧、18 内輪の壁面の円弧中心を定義する作図円弧、19 内輪の壁面の円弧中心、20 内輪の壁面の円弧、21 隣り合った円弧の中心を定義する作図円弧、22 隣り合った円弧の中心、23 隣り合った円弧、24 ラジアル線、25 ラジアル線、26 内輪の壁面の段差部、27 外輪の壁面を定義する円弧、28 外輪の壁面の円弧中心を定義する作図円弧、29 外輪の壁面の円弧中心、30 外輪の壁面の円弧、31 隣り合った円弧の中心を定義する作図円弧、32 隣り合った円弧の中心、33 隣り合った円弧、34 外輪の壁面の段差部、35 段差部面と内輪の壁面とのなす角度、36 段差部の面、37 曲率半径で定義されたフィレット、38 内輪の壁面の直線形状、39 内輪の壁面の直線形状、40 内輪の壁面、41 外輪の壁面、42 前縁端面、43 後縁端面、44 スロート幅、45 段差部の凹部、46 段差部の凸部、47 周方向の二次流れの挙動、48 パッセージ渦の挙動、49 周方向成分二次流れの挙動、51 タービン静翼の腹側面、52 タービン静翼の背側面

Claims (9)

  1. 動翼植込面を有する回転ロータと、
    前記回転ロータ外方に静止して配置され、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に挟持され、周方向に配置された複数のタービン静翼とを有するタービン静翼列と、
    前記回転ロータの動翼植込面に取り付けられ周方向に配置された複数のタービン動翼を有するタービン動翼列とを備えたタービン翼列において、
    各タービン静翼間の前記内輪の壁面は、タービン静翼の腹側部分と、隣接するタービン静翼の背側部分とを含み、腹側部分と回転ロータの回転中心との距離が、背側部分と回転ロータの回転中心との距離より短くなって、前記内輪の壁面の腹側部分と背側部分との間に、凹凸形状の段差部が形成されていることを特徴とするタービン翼列。
  2. 前記内輪の壁面は、周方向について平坦面により構成されることを特徴とする請求項1記載のタービン翼列。
  3. 前記内輪の壁面は、前記タービン静翼が取付けられた取付け部の曲率半径をもつ曲面により構成されることを特徴とする請求項1記載のタービン翼列。
  4. 前記段差部の面と、前記内輪の壁面の交わる角度が90°以上となっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のタービン翼列。
  5. 前記段差部と、前記内輪の壁面との交点部に、所望の曲率半径を持つフィレットが形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のタービン翼列。
  6. 前記段差部の回転ロータの軸方向について、段差部のラジアル高さの最大高さの軸方向位置は、隣接する二つのタービン静翼の腹側面と背側面との間の距離の最小値をスロート幅とした場合、このスロート幅をもつ軸方向位置よりも入口側に位置することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載のタービン翼列。
  7. 前記段差部の回転ロータの軸方向について、段差部のラジアル高さが0となる軸方向位置は、スロート幅をもつ軸方向位置よりも出口側に位置していることを特徴とする請求項6記載のタービン翼列。
  8. 前記外輪の壁面は、タービン静翼の腹側部分と、隣接するタービン静翼の背側部分とを含み、腹側部分と回転ロータの回転中心との距離が、背側部分と回転ロータの回転中心との距離より長くなって、前記外輪の壁面の腹側部分と背側部分との間に、凹凸形状の段部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載のタービン翼列。
  9. 動翼植込面を有する回転ロータと、
    前記回転ロータ外方に静止して配置され、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に挟持され、周方向に配置された複数のタービン静翼とを有するタービン静翼列と、
    前記回転ロータの動翼植込面に取り付けられ周方向に配置された複数のタービン動翼を有するタービン動翼列とを備えたタービン翼列において、
    各タービン動翼間の前記回転ロータの動翼植込面は、一のタービン動翼の腹側部分と、隣接するタービン動翼の背側部分とを含み、腹側部分とロータ回転中心との距離が、背側部分とロータ回転中心との距離より短くなって、前記動翼植込面の腹側部分と背側部分との間に、凹凸形状の段差部が形成されていることを特徴とするタービン翼列。
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