JP2015190029A - 真空蒸着装置並びにルツボ搬入出機構及びルツボ搬入出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、蒸発源からルツボを搬入出する際の作業を容易に作業効率の向上させる真空蒸着装置並びにルツボ搬入出機構及びルツボ搬入出方法を提供する。【解決手段】本発明は、蒸着材料を収納するルツボと、ルツボの周囲に設けられたルツボを加熱する加熱手段と、加熱した外部に漏えいするのを防ぐ断熱手段と、ルツボの長手方向に設けられた複数のノズルと、複数のノズル側に開口部を備え、ルツボ、加熱手段及び断熱手段と内在するハウジングと、を備えた蒸発源を有し、蒸着源は、ルツボをズレないようにする拘束部と、ルツボを蒸発源に搬入する際に、ルツボが保持される被保持部とハウジングの所定の位置に呼び込むガイド部と、を有する。【選択図】 図3
Description
真空下において蒸着材料を加熱して蒸発させ、基板上に蒸着材料の薄膜を形成するための真空蒸着装置並びに蒸着材料を収納するルツボを蒸発源から搬入出するルツボ搬入出機構及びルツボ搬入出方法に関するものである。
有機ELの共通電極層や有機発光層は、たとえば真空蒸着によって形成する。真空蒸着装置は、その内部を10-3〜10-6Paの真空度を保ち、形成すべき層の蒸着材料が収納されたルツボ並びにルツボを加熱するヒータを含む蒸発源を配置している。加熱された蒸着材料が蒸発し、蒸発した蒸着材料を例えばノズルから噴出させ、ノズルに対応するように成膜対象であるガラス基板(以下基板)を配置し、ノズルから蒸発した蒸着材料の分子を基板に蒸着する。
蒸発源は材料補充など定期的なメンテナンスを行う。その際、真空蒸着装置内を大気雰囲気にし、ルツボを蒸発源から取り出し、作業を行う必要がある。
ルツボを取り扱う技術として特許文献1がある。特許文献1では、石英ガラスルツボを相対する2方向から狭持し、掛止する手段を設け、石英ガラスルツボをハンドリングする技術が開示されている。
しかしながら、有機EL共通電極層や有機発光層を形成する蒸発源では、ルツボの周囲には、ルツボを加熱するためのヒータ及び熱反射板であるリフレクタが配置されている。ルツボ搬入出作業は、このヒータ及びリフレクタが破損しないよう気をつけながらルツボを蒸発源から取り出し、またもとの位置に取付ける作業である。
さらに、昨今では、基板大型化による蒸発源の大型化および蒸着材料の大容量化の傾向がある一方、多元蒸着(2種類以上の蒸着材料による共蒸着)の必要性が求められており、蒸発源にはコンパクトな設計を要求されている。このため、ルツボとヒータ・リフレクタの隙間は狭くなっており、このような状態でヒータ及びリフレクタが破損しないよう気をつけながらルツボを蒸発源から取り出し、またもとの位置に取付けるルツボ搬入出作業は、より一層困難な作業になりつつある。
従って、本発明は、蒸発源からルツボを搬入出する際の作業を容易に作業効率の向上させる真空蒸着装置並びにルツボ搬入出機構及びルツボ搬入出方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、少なくとも以下の特徴を有する。
本発明は、蒸着材料を収納するルツボと、ルツボの周囲に設けられたルツボを加熱する加熱手段と、熱が外部に漏えいするのを防ぐ断熱手段と、ルツボの長手方向に設けられた複数のノズルと、複数のノズル側に開口部を備え、ルツボ、加熱手段及び断熱手段と内在するハウジングと、を備えた蒸発源であって、蒸着源は、ルツボをズレないようにする拘束部と、ルツボを蒸発源に搬入する際に、ルツボが保持される被保持部とハウジングの所定の位置に呼び込むガイド部と、を有する。
本発明は、蒸着材料を収納するルツボと、ルツボの周囲に設けられたルツボを加熱する加熱手段と、熱が外部に漏えいするのを防ぐ断熱手段と、ルツボの長手方向に設けられた複数のノズルと、複数のノズル側に開口部を備え、ルツボ、加熱手段及び断熱手段と内在するハウジングと、を備えた蒸発源であって、蒸着源は、ルツボをズレないようにする拘束部と、ルツボを蒸発源に搬入する際に、ルツボが保持される被保持部とハウジングの所定の位置に呼び込むガイド部と、を有する。
また、本発明は、ハウジングの開口部の反対側内壁に設けられ、尖端部と尖端部の根元側に柱部を有するガイド拘束ピンと、ガイド拘束ピンに対応した位置に設けられ、柱部と係合可能なガイド拘束係合部と、を有し、ガイド部は、ガイド拘束係合部と尖端部で構成され、拘束部は、ガイド拘束係合部と柱部とで構成してもよい。
さらに、本発明は、上述の蒸発源のルツボを蒸発源に搬入するルツボ搬入出機構であって、ハウジングを覆い、下面にハウジングの所定の位置にセット可能とするセットガイド有する平板状の基板ベースと、ルツボの長手方向の両端側に一対設けられ、一端を基板ベースの垂直に固定されたリニアレールとリニアレール上を移動するリニアスライダを備えた昇降ベースガイド機構と、一対の昇降ベースガイド機構の他端を連結し固定する上部支持枠と、基板ベースと平行な面と、面上を摺動し被保持部と係合するルツボ保持部とを有し、一対のリニアスライダに固定され、ルツボを基板ベースと平行に昇降する昇降ベースと、昇降ベースを昇降させる昇降手段と、を有する。
また、本発明は、ルツボ搬入出機構によってルツボをリニア蒸発源に搬入出するルツボ搬入出方法であって、ハウジングにルツボ搬入出機構がセットされる前に、第1のリニア駆動手段によって昇降ベースを上部に移動させ、ハウジングにルツボ搬入出機構がセットされた後に、第2にリニア駆動手段でルツボ保持部と被保持部と係合させ、第1のリニア駆動手段で昇降ベースを上昇または下降させ、その後、第2のリニア駆動手段でルツボ保持部と被保持部と係合を解除させる。
本発明によれば、蒸発源からルツボを搬入出する際の作業を容易に作業効率の向上させる真空蒸着装置並びにルツボ搬入出機構及びルツボ搬入出方法を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態を示し、蒸発源からルツボを搬入出する際の作業を容易にする搬入出手段を有する蒸発源4とそれを用いた真空蒸着装置1と示す図である。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態を示し、蒸発源からルツボを搬入出する際の作業を容易にする搬入出手段を有する蒸発源4とそれを用いた真空蒸着装置1と示す図である。
真空蒸着装置1は、真空チャンバ2の内部を真空排気するための真空ポンプ3がバルブ7を介して接続されており、10-3〜10-5Paオーダの真空度が維持される。真空チャンバ2は密閉容器で、その内部にはノズル34を直線上に複数有し、一方向に長いリニア蒸発源4と蒸着対象の基板5が配置され、蒸発源4から放出された蒸着材料21(図2参照)の帯状の蒸気をガラス基板5に吹き付ける。蒸発源4は、蒸着材料21を蒸発させノズル34から基板5に吹き付けながら、ルツボ22の長手方向と直角方向(紙面に対して手前奥側)の少なくとも一方に移動し成膜を行う。成膜速度の検出には水晶振動子に蒸着材料を付着させて検出するレートセンサ26を用いる。基板5は、図示しない搬送ロボットによってゲートバルブ6を介して真空チャンバ内に搬入出される。
図2、図3は本実施形態1における蒸発源4の内部基本構造の詳細を示す図である。図2は、蒸発源4(ルツボ)の長手方向の側面図である。図3は蒸発源4の短手方向の断面図である。以下、図1乃至図3を用いて本実施形態1における蒸発源4を説明する。
蒸発源4は、冷却機能を有するハウジング27の内部に、蒸着材料21が封入し蒸気の噴出孔であるノズル34を有するルツボ22が収納されている。蒸発源4の内部にはルツボ22を加熱するためのヒータ23が設けられ、ヒータ23に通電することでルツボ22及び蒸着材料21を加熱し、蒸着材料21を蒸発させる。また、加熱効率の向上を図るため、蒸発源4の内部にルツボ22及びヒータ23を取り囲むように断熱手段24を設けることが望ましい。冷却機能は他に設けてよい。以下、冷却機能を有するハウジングを単にハウジング27という。
断熱手段24は、図2、図3に示すようにルツボ22の底部外側に設けた底部断熱手段24bと、ルツボ22の短手方向外側両側に設けた短手側部断熱手段24yと、ルツボ22の長手方向側両側外側に設けた長手側部断熱手段24sと、を有する。
断熱手段24は、熱伝導性の低いいわゆる断熱材を用いたものでもよいし、図3に示すように複数の平行平板を非接触で複数枚配置したリフレクタ24rとしてもよい。リフレクタ24rの断熱効率を高くするには、構成する平板の表面を鏡面に研磨すること、金・銀・アルミニウム、銅等の輻射率の低い金属の表面を持つことが望ましい。ステンレス鋼等で平板を作っても構わない。
ルツボ22は、蒸着材料21の充填など定期メンテナンスをする必要がある。そのときは、ルツボ上面にある図示しない部材を取外し、ルツボ22を取り出し作業を行う。対象基板の大型化による蒸発源4の大型化、蒸着材料21の大容量化と、コンパクトな設計の要求によって、ルツボ22と周囲のヒータ及びリフレクタの隙間は狭くなっており、ぶつけて破損などしないようにする機構が必要である。
そのためには、蒸発源4には、ルツボ22の蒸発源4ヘの搬入出の際に、ルツボ22を所定に呼び込むガイド部41、ルツボ22が蒸発源4内でズレないための拘束部42と、を有する。また、ルツボ22は、外部から搬入出するために後述するルツボ搬入出機構の吊部と係合し、ルツボ22を保持する被保持部43を有する。
本実施形態1では、図1に示すようにガイド部41、及び拘束部42として、ルツボ22の底部に設けられた複数のガイド拘束係合部であるガイド拘束孔22hと、ガイド拘束孔22hに対応して設けられハウジング27の開口部の反対側内壁、本例では内壁底部に設けられたガイド拘束ピン27pとを有する。ガイド部41は、ガイド拘束孔22hと、ルツボ22が搬入されるときに、ガイド拘束孔22hをガイドするガイド拘束ピン27pの尖端部27gとで構成される。拘束部42は、ガイド拘束孔22hと、尖端部27gにガイドされルツボ22が蒸発源4にセットされるときに、ガイド拘束孔22hが噛み合うガイド拘束ピン27の根元側円柱部27rとで構成される。ガイド拘束ピン27の形状は、円柱に限らず角柱であってもよい。
本実施形態1では、ガイド部41と拘束部42に、図1に示すように、ルツボ22の長手方向両側に長手方向中央部と中央部両側の計3箇所ずつ設けられている。
ガイド部41、拘束部42を構成する部品、本例ではガイド拘束ピン27pは、蒸着材料21を加熱するルツボ22と接触すると高温となる。この熱をハウジング27に逃がさないために、ルツボ22と接触するガイド拘束ピン27pは、断熱材で構成するか表面を断熱部材でコーテングするなどの対策を行うことが望ましい。
また、ルツボ22は高温に加熱され熱膨張するため、特に拘束部の部品についてはルツボ膨張時の逃げを設けるなど考慮することも必要となる。このことは、蒸発源4の長手方向に対して特に必要である。本例では、中央部に設けたガイド拘束孔22hは、ガイド拘束ピン27pの根元側円柱部27rとルツボ22とで、ルツボ22の長手方向と短手方向の位置を共に拘束し、固定するように噛み合わせる。しかし、中央部両側に対称に設けたガイド拘束孔22hは、ルツボ22が長手方向に膨張してもガイド拘束ピン27pが逃げられるように、ルツボ22の中央部に向けて細長い楕円形状とし、膨張の少ない短手方向を拘束する。本例ではガイド拘束ピン27pを3箇所設けたが、固定する役目を果たすピンとルツボの熱膨張を考慮したピン2本あればルツボを拘束することができる。またはそれ以上でもかまわない。
また、本例では、中央部以外の設けたガイド拘束孔22hとガイド拘束ピン27pは、ルツボ22の長手方向ではなく、短手方向に設けてもよい。さらに、本例では、ガイド拘束孔22hをルツボ22の長手方向両側に設けたが、ルツボ22の長手方向側面にガイド拘束係合部として溝を設けてもよい。
さらに、均一な蒸着を行うのに最も重要なのはルツボ温度の均一化であり、ルツボ22に加工を行う箇所は、ルツボ22の温度分布に影響を及ぼさない、または影響の少ない箇所に設けることが必要である。本例では、ガイド拘束孔22hを可能限り短手方向に外側に、両側のガイド拘束孔22hは、ルツボ22の加熱の端部降下を避けるために端部より内側に設けている。
上記で説明したガイド部41と拘束部42は、ルツボ22に設けたガイド拘束孔22hと先端にテーパを有する尖端形状のガイド拘束ピン27pを用いたが、ルツボ22の外形をガイドする、または拘束するなど他の方法でもかまわない。
次に、被保持部43を説明する。本実施形態1における被保持部43は、ルツボ22の上部の長手方向端部の短手方向の一部または全長に亘って設けられた、後述するルツボ搬入出機構のルツボ保持部53と係合する形状を有する。また、被保持部43には、ルツボ22の短手方向の中心位置を示す図示しないマークが印されている。さらに、被保持部43は、本例ではノズル34が設けられているノズルプレート35に軒のように突き出た形状に加工される。このときの被保持部43の形状はルツボ22の重量のバランスを考慮した形状とし、被保持部43の位置はルツボ22の温度分布に影響しない位置とすることが必要である。
また、ルツボ22の材料としてはセラミックや高融点金属などが多く使われるが、セラミック材料は一般的に脆性が高く、また高融点金属の場合は高温状態で再結晶化が起こり、使っているうちに脆化するので被保持部43の加工箇所は断面積の大きさに留意し、また応力集中の起こらない形状とすることも必要となる。
さらに、昇温効率の観点からヒータ23及び断熱手段24をルツボ22になるべく接近させ、且つ接触させないことが重要であるので、ルツボ保持を目的とする被保持部43の位置及び形状は、ルツボ22の横または上など外側に突出することは望ましくない。
なお、被保持部43の位置は、上記の他、ノズル34とノズルの間などが考えられる。
なお、被保持部43の位置は、上記の他、ノズル34とノズルの間などが考えられる。
以上説明した実施形態1によれば、ルツボ22を搬入出させることができる蒸発源を提供できる。
実施形態1の真空蒸着装置1は、基板5を水平状態で蒸発源4上に保持し、紙面に対して手前奥側に蒸発源を移動させる方式を示している。しかし、蒸気の放出する方向と被蒸着対象の基板5の姿勢は変更しても構わない。また、加熱方式は抵抗加熱方式を示しているが、抵抗加熱方式、ランプ方式等、方式はいずれでもよい。
次に、ルツボ22を蒸発源4に搬入出するルツボ搬入出機構及びルツボ搬入出方法を説明する。
(第2の実施形態)
図4は本発明の第2の実施形態2を示し、ルツボ搬入出機構50の第1の実施例50Aの蒸発源4の長手方向における断面図である。ルツボ搬入出機構50Aは、一人の作業員が持ち運び可能なルツボ22を対象とし、作業員がヒータ23やリフレクタ24r等の断熱手段24を傷つけることなく、手動でルツボ22を蒸発源4から搬入出するのを補助する装置である。
図4は本発明の第2の実施形態2を示し、ルツボ搬入出機構50の第1の実施例50Aの蒸発源4の長手方向における断面図である。ルツボ搬入出機構50Aは、一人の作業員が持ち運び可能なルツボ22を対象とし、作業員がヒータ23やリフレクタ24r等の断熱手段24を傷つけることなく、手動でルツボ22を蒸発源4から搬入出するのを補助する装置である。
ルツボ搬入出機構50Aは、長方形の基台ベース56と、基台ベース56の両側に設けられ、ルツボ22を矢印A方向に昇降させる円筒軸状のリニアレールであるリニアシャフト50、円筒軸をスライドするリニアスライダであるリニアブッシュ51と、からなる昇降ベースガイド機構54gと、両側のリニアシャフト50との上部を支持する上部支持枠57と、を有する。基台ベース56、リニアシャフト50及び上部支持枠57を矢印C方向から見た形状は、基台ベース56を底辺とする逆Tの字状である。なお、昇降ベースガイド機構54gとしては、リニアブッシュのほか、方形状のレール上移動するリニアガイド、またはスプラインシャフトを用いてもよい。
基台ベース56の長手方向の下面両側には、ルツボ搬入出機構50Aをハウジング27の内部側面に係合し、セットできるように位置決めするセットガイド55が設けられている。また、基台ベース56には、嵌め込む位置を確認できるように、セットガイド55の両端等の係合部が見えるように窓56aが設けられている。両側のセットガイド55間距離及びセットガイド55の短手方向の長さは、ハウジング27の内側の長手方向及び短手方向の距離に規定される。
セットガイド55は、上記した形状の他、ハウジング27の四隅内部または外部で規定できるL字状の形状であってもよい。但し、ハウジング27の四隅内部に設けた方がヒータ23または断熱手段24と干渉しない自由度が高いので好ましい。また、上記の例では、ルツボ保持部53でルツボ22を挟み込むように固定しているが、ネジとタップまたはフックのような形状でもよい。
ルツボ搬入出機構50Aは、基台ベース56の上部側に平行に設けられ、矢印A方向に昇降する昇降ベース54を有する。昇降ベース54は、両側のリニアシャフト50に沿って移動するリニアブッシュ51を固定し、ルツボ22の被保持部43と係合するコの字状のルツボ保持部53を矢印B方向に移動可能とする間隙54aを有する。また、昇降ベース54は、リニアブッシュ51の外側に、作業員が把持でき、リニアブッシュ51、即ち昇降ベース54を昇降させるハンドル52を有する。
ハンドル52は、リニアブッシュ51または図4に示すように昇降ベース54に設けられている。また、ハンドル52は、矢印Dの方向に回転させることによってリニアブッシュ51をリニアシャフト50に固定する固定機構を設けてもよい。
ルツボ保持部53は、その上部に昇降ベース54に支持され作業員の操作によって矢印B方向に移動可能な摺動部53bと、その下部に、摺動部53bの移動によって、ルツボ22の被保持部43と係合する係合部53aと、を有する。摺動部53bには、ハウジング27の短手方向の中心位置に対応する図示しないマークを有する。または、自動的に位置合わせできるように、ルツボ保持部53と被保持部43に互いにかみ合う凹凸部を設ける。
ルツボ保持部53は、その上部に昇降ベース54に支持され作業員の操作によって矢印B方向に移動可能な摺動部53bと、その下部に、摺動部53bの移動によって、ルツボ22の被保持部43と係合する係合部53aと、を有する。摺動部53bには、ハウジング27の短手方向の中心位置に対応する図示しないマークを有する。または、自動的に位置合わせできるように、ルツボ保持部53と被保持部43に互いにかみ合う凹凸部を設ける。
以上説明した実施形態2によれば、人が持ち運び可能なルツボを搬入させることが可能なルツボ搬入出機構を提供できる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態3を示し、実施形態2に示したルツボ搬入出機構50Aにより、実施形態1に示したルツボ22を蒸発源4に搬入出するルツボ搬入出方法の実施例である。図5は、ルツボ22を蒸発源4に搬入する搬入フローを示す図である。図6は、ルツボ22を蒸発源4から搬出する搬出フローを示す図である。搬入フローから説明する。
次に、本発明の第3の実施形態3を示し、実施形態2に示したルツボ搬入出機構50Aにより、実施形態1に示したルツボ22を蒸発源4に搬入出するルツボ搬入出方法の実施例である。図5は、ルツボ22を蒸発源4に搬入する搬入フローを示す図である。図6は、ルツボ22を蒸発源4から搬出する搬出フローを示す図である。搬入フローから説明する。
搬入フローにおいて、まず、作業員は、昇降ベース54をルツボ搬入出機構50Aの上部に移動し、ハンドル52を操作し、昇降ベース54をリニアシャフト50に固定する(ステップS1)。固定後、作業員は、ルツボ搬入出機構50Aを持ち、窓56aから嵌め合い位置を確認しながら、ハウジング27にセットする(ステップS2)。セット後、蒸着材料21が挿入されたルツボ22をルツボ搬入出機構50Aに固定するために、作業員は、ルツボ22を保持し、ルツボ保持部53を移動させ、その係合部53aを被保持部43に挿入し、ルツボ22を支持する(ステップS3)。必要ならばルツボ22及びルツボ保持部53にそれぞれ設けられたマークが一致するようにルツボ位置を補正する。挿入後、ハンドル52を両手で把持しながら昇降ベース54の固定を解除する(ステップS4)。
次に、作業員は、両ハンドル52を把持しながら昇降ベース54を基台ベース56の位置まで降下させ、ルツボ22をハウジング27、即ち蒸発源4にセットする(ステップS5)。ステップS3、S4においては、所定の位置近くセットされたルツボ22は、両サイドのリニアシャフト50とリニアブッシュ51によってルツボ22をスムーズに、ヒータ23や断熱手段24を破損させることなく降下できる。また、ルツボ22とハウジング27に設けられたガイド部41と拘束部42によって、ルツボ22を昇降ベース54にセットしたときのずれを吸収し、所定の位置にセットできる。
作業員は、蒸発源4にルツボ22をセット後、ルツボ保持部53を移動させ、その係合部53aを被保持部43から取り出す(ステップS6)。その後、作業員は、ルツボ搬入出機構50Aをハウジング27から取り除く(ステップS7)。
次に、搬出フローを説明する。作業員はルツボ22が冷却するのを待って以下の処理を行う。搬出フローにおいて、まず、作業員は、窓56aから嵌め合い位置を確認できるように、昇降ベース54をルツボ搬入出機構50Aの上部に移動し、昇降ベース54をリニアシャフト50に固定する(ステップS11)。次に、固定後、作業員は、ルツボ搬入出機構50Aを持ち、窓56aから嵌め合い位置を確認しながら、ハウジング27にセットする(ステップS12)。セット後、作業員は、昇降ベース54を基台ベース56に降下させる(ステップS13)。降下後、作業員は、ルツボ22を保持し、ルツボ保持部53を移動させ、その係合部53aを被保持部43に挿入し、ルツボ22を保持する(ステップS14)。
挿入後、作業員はハンドル52を両手に持って、昇降ベース54をルツボ22を取り出せる所定の高さに移動させ、昇降ベース54をリニアシャフト50に固定する(ステップS15)。ステップ15の移動において、ルツボ22は、リニアシャフト50とリニアブッシュ51に触れることなく上昇でき、ヒータ23や断熱手段24を破損させることはない。
昇降ベース54を固定後、作業員は、ルツボ22を保持しながら、ルツボ保持部53を移動させ、その係合部53aを被保持部43から外し、ルツボ22の保持を解除し(ステップS16)、ルツボ22をルツボ搬入出機構50Aから外す(ステップS17)。
以上説明したように実施形態3によれば、ヒータ23や断熱手段24を破損させることなく、しかも効率よくルツボ22を蒸発源4から搬入出できる。
また、以上説明したように実施形態3によれば、効率よく、また再現性よくルツボ22を蒸発源4から搬入出できる方法を提供できる。
以上説明した実施形態3では、ルツボ22が冷却するのを待って、ルツボ22を搬出させたが、ルツボ搬入出機構50Aからの着脱を搬送ロボットあるいはクレーン等で行うことによって、蒸着後まだ十分に温度が下がっていない蒸発源4に対しても、作業者はルツボ22の脱着が安全に行えるので、装置停止時間の短縮を図れる。
(第4の実施形態)
図7は本発明の第4の実施形態4を示し、ルツボ搬入出機構50の第2の実施例50Bの蒸発源4の長手方向おける断面図である。基板5が大型化すると、ルツボ22も長く大型化し、人手では、ルツボ22を持ち運びできない。そこで、ルツボ搬入出機構50Aヘの搬入出、昇降ベース54の昇降、ルツボ保持部53の移動を自動化する。ルツボ搬入出機構50ヘの搬入出は、搬送ロボットやクレーンなどと協調制御して行う。
図7は本発明の第4の実施形態4を示し、ルツボ搬入出機構50の第2の実施例50Bの蒸発源4の長手方向おける断面図である。基板5が大型化すると、ルツボ22も長く大型化し、人手では、ルツボ22を持ち運びできない。そこで、ルツボ搬入出機構50Aヘの搬入出、昇降ベース54の昇降、ルツボ保持部53の移動を自動化する。ルツボ搬入出機構50ヘの搬入出は、搬送ロボットやクレーンなどと協調制御して行う。
従って、実施形態4のルツボ搬入出機構の第2の実施例50Bの実施形態3のルツボ搬入出機構の第1の実施例50Aと異なる点は、昇降ベース54の昇降及びルツボ保持部53の被保持部43との係合を自動化した点である。その為に昇降ベースガイド機構54gと、ルツボ保持部53をそれぞれ駆動する昇降ベース駆動部54r及び保持部駆動部53rを有する。その他の点は、第1の実施例50Aと同じである。
昇降ベース駆動部54rは、上部支持枠57に固定されたモータ54m、一端をモータ54mの駆動シャフトに連結され、他端を基台ベース56に回転可能に支持されたボールネジ54bと、昇降ベース54に固定され、ボールネジ54bの回転によって昇降ベース54を昇降させる54nを有する。昇降ベース54は、昇降ベースガイド機構54gにガイドされながら、昇降ベース駆動部54rに安定して昇降できる。
保持部駆動部53r、昇降ベース駆動部54rと同様に、昇降ベース54に設けられた駆動モータ53m、ボールネジ53bと、ルツボ保持部53に固定されボールネジ53bによって移動するナット53nを有する。ルツボ保持部53は、保持部駆動部53rの移動によって、被保持部43との係合が可能となる。
ルツボ搬入出機構50Bの蒸発源4の搬入出フローは、搬送ロボット等の協調制御以外は、実質的に同じである。例えば、ルツボ保持部53をルツボ22を支持可能にセットし、そのセット可能状態で、搬送ロボットで挿入し、或いは、クレーンで保持して人的に挿入し、ルツボ保持部53と被保持部43とを係合させる。
以上、実施形態4によれば、人が持ち運びできないルツボを蒸発源に搬入させることが可能なルツボ搬入出機構を提供できる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明は記述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形及び変更が可能となる。
1:真空蒸着装置 2:真空チャンバ
3:真空ポンプ 4:蒸発源
5:基板 6:ゲートバルブ
7:バルブ 21:蒸着材料
22:ルツボ 22h:ガイド拘束孔
23:ヒータ 24:断熱手段
24b:底部断熱手段 24s:長手側部断熱手段
24r:リフレクタ 24y:短手側部断熱手段
26:レートセンサ 27:ハウジング
27p:ガイド拘束ピン 27r:ガイド拘束ピンの根元側円柱部
27g:ガイド拘束ピンの尖端部 34:ノズル
41:ガイド部 42:拘束部
43:被保持部 50A:ルツボ搬入出機構
50B:ルツボ搬入出機構(自動化) 50:リニアシャフト
51:リニアブッシュ 52:ハンドル
53:ルツボ保持部 53a:ルツボ保持部 係合部
53b:ルツボ保持部・摺動部 53r:保持部駆動部
54:昇降ベース 54a:ルツボ保持部移動用の隙間
54g:昇降ベースガイド機構 54r:昇降ベース駆動部
55:セットガイド 56:基台ベース
56a:位置確認用の窓 57:上部支持枠
3:真空ポンプ 4:蒸発源
5:基板 6:ゲートバルブ
7:バルブ 21:蒸着材料
22:ルツボ 22h:ガイド拘束孔
23:ヒータ 24:断熱手段
24b:底部断熱手段 24s:長手側部断熱手段
24r:リフレクタ 24y:短手側部断熱手段
26:レートセンサ 27:ハウジング
27p:ガイド拘束ピン 27r:ガイド拘束ピンの根元側円柱部
27g:ガイド拘束ピンの尖端部 34:ノズル
41:ガイド部 42:拘束部
43:被保持部 50A:ルツボ搬入出機構
50B:ルツボ搬入出機構(自動化) 50:リニアシャフト
51:リニアブッシュ 52:ハンドル
53:ルツボ保持部 53a:ルツボ保持部 係合部
53b:ルツボ保持部・摺動部 53r:保持部駆動部
54:昇降ベース 54a:ルツボ保持部移動用の隙間
54g:昇降ベースガイド機構 54r:昇降ベース駆動部
55:セットガイド 56:基台ベース
56a:位置確認用の窓 57:上部支持枠
Claims (12)
- 蒸着材料を収納するルツボと、前記ルツボの周囲に設けられた前記ルツボを加熱する加熱手段と、熱を外部に漏えいするのを防ぐ断熱手段と、前記ルツボの長手方向に設けられた複数のノズルと、複数の前記ノズル側に開口部を備え、前記ルツボ、前記加熱手段及び前記断熱手段と内在するハウジングと、を備えた蒸発源を有し、
前記蒸着源は、前記ルツボをズレないようにする拘束部と、前記ルツボを前記蒸発源に搬入する際に、前記ルツボが保持される被保持部と前記ハウジングの所定の位置に呼び込むガイド部と、を有する、
ことを特徴とする真空蒸着装置。 - 請求項1に記載の真空蒸着装置であって、
前記ハウジングの前記開口部の反対側内壁に設けられ、尖端部と前記尖端部の根元側に柱部を有するガイド拘束ピンと、前記ガイド拘束ピンに対応した位置に設けられ、前記柱部と係合可能なガイド拘束係合部と、を有し、
前記ガイド部は、前記ガイド拘束係合部と前記尖端部で構成され、前記拘束部は、前記前記ガイド拘束係合部と前記柱部とで構成される、
ことを特徴とする真空蒸着装置。 - 請求項2に記載の真空蒸着装置であって、
前記拘束部は、前記ルツボの長手方向の両側側面側または側面の前記長手方向中央部に設けられ、前記ルツボの位置を前記長手方向と前記ルツボの短手方向の位置を共に拘束する第1の前記拘束部と、前記中央部以外の位置に設けられ前記長手方向の位置を拘束する第2の拘束部を有する、
ことを特徴とする真空蒸着装置。 - 請求項3に記載の真空蒸着装置であって、
第2の前記拘束部は、前記長手方向に前記中央部に対して対称の位置に1組以上設けられた、または前記ルツボの短手方向の両側側面側または側面の位置に設けられた、
ことを特徴とする真空蒸着装置。 - 請求項2乃至4のいずれかに記載の真空蒸着装置であって、
前記ガイド拘束係合部は、溝または貫通しない孔である、
ことを特徴とする真空蒸着装置。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の真空蒸着装置であって
前記被保持部は、複数の前記ノズルが設けられているノズルプレートの前記長手方向端部に突き出た形状を有する、
ことを特徴とする真空蒸着装置。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載の真空蒸着装置のルツボを前記蒸発源に搬入するルツボ搬入出機構であって、
前記ハウジングを覆い、下面に前記ハウジングの所定の位置にセット可能とするセットガイド有する平板状の基板ベースと、
前記ルツボの前記長手方向の両端側に一対設けられ、一端を前記基板ベースの垂直に固定されたリニアレールと前記リニアレール上を移動するリニアスライダを備えた昇降ベースガイド機構と、
一対の前記昇降ベースガイド機構の他端を連結し固定する上部支持枠と、
前記基板ベースと平行な面と、前記面上を摺動し前記被保持部と係合するルツボ保持部とを有し、一対の前記リニアスライダに固定され、前記ルツボを前記基板ベースと平行に昇降する昇降ベースと、
前記昇降ベースを昇降させる昇降手段と、を有する、
ことを特徴とするルツボ搬入出機構。 - 請求項7に記載のルツボ搬入出機構であって、
前記セットガイドは、前記ハウジングの側面内部と係合し、前記基板ベースを固定する手段であり、前記基板ベースに前記係合部が見える窓を設けた、
ことを特徴とするルツボ搬入出機構。 - 請求項7または8に記載のルツボ搬入出機構であって、
前記ルツボ保持部は、前記被保持部と位置合わせ可能な位置合わせ手段を有する、
ことを特徴とするルツボ搬入出機構。 - 請求項7に記載のルツボ搬入出機構であって、
前記昇降手段は、前記昇降ベースまたは前記リニアスライダに設けられたハンドルである、
ことを特徴とするルツボ搬入出機構。 - 請求項7に記載のルツボ搬入出機構であって、
前記昇降手段は、前記昇降ベースガイド機構に平行に設けられ第1のリニア駆動手段であり、前記ルツボ保持部は、前記面に設けられた第2のリニア駆動手段で前記面上を摺慟する、
ことを特徴とするルツボ搬入出機構。 - 請求項11に記載のルツボ搬入出機構によって前記ルツボを前記リニア蒸発源に搬入出するルツボ搬入出方法であって、
前記ハウジングに前記ルツボ搬入出機構がセットされる前に、前記第1のリニア駆動手段によって昇降ベースを上部に移動させ、
前記ハウジングに前記ルツボ搬入出機構がセットされた後に、第2にリニア駆動手段で前記ルツボ保持部と前記被保持部と係合させ、
前記第1のリニア駆動手段で前記昇降ベースを上昇または下降させ、
その後、第2のリニア駆動手段で前記ルツボ保持部と前記被保持部と係合を解除させる、
ことを特徴とするルツボ搬入方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014069640A JP2015190029A (ja) | 2014-03-28 | 2014-03-28 | 真空蒸着装置並びにルツボ搬入出機構及びルツボ搬入出方法 |
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JP2014069640A Pending JP2015190029A (ja) | 2014-03-28 | 2014-03-28 | 真空蒸着装置並びにルツボ搬入出機構及びルツボ搬入出方法 |
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JP (1) | JP2015190029A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200130953A (ko) * | 2019-05-13 | 2020-11-23 | 지티에스(주) | 금속 증착유닛 |
CN113943924A (zh) * | 2021-09-22 | 2022-01-18 | 信利(惠州)智能显示有限公司 | 一种蒸镀装置以及蒸镀方法 |
CN114182210A (zh) * | 2021-11-04 | 2022-03-15 | 昆山国显光电有限公司 | 蒸镀用坩埚 |
-
2014
- 2014-03-28 JP JP2014069640A patent/JP2015190029A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200130953A (ko) * | 2019-05-13 | 2020-11-23 | 지티에스(주) | 금속 증착유닛 |
KR102196539B1 (ko) | 2019-05-13 | 2020-12-29 | 지티에스(주) | 금속 증착유닛 |
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