JP2015189691A - Gpdh活性抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】脂肪細胞の脂肪蓄積及びGPDHの活性を抑制する効果が良好で、且つ、細胞毒性の少ないGPDH活性抑制剤を提供することにある。
【解決手段】式(I)で示す化合物、及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、GPDH活性抑制剤。
[化1]
Figure 2015189691

(前記式(I)において、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子又は水酸基であり、R3、R4、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基であり、R5は、水素原子、−COOH、又は−CH2OHである。)
【選択図】図1

Description

本発明は、ウルサン系環状トリテルペン類のグリセロール3−リン酸脱水素酵素(以下、「GPDH」という。)活性抑制剤に関する。
現代人の脂質や糖質の過剰摂取及び運動不足等の原因で、肥満は世界中で健康を脅かす大きな課題となっている。肥満関連疾患の発症、死亡率が年々上昇している中、種々の側面で肥満対策が取り組まれている。
薬理学的な観点から、肥満の成因に関する種々の研究が行われてきた。脂肪前駆細胞から脂肪細胞への分化過程において、前駆細胞の状態ではほとんど活性が検出されず、脂肪細胞に分化することにより活性が増加する複数の酵素が発見された。これらの酵素は、脂肪細胞の分化に関与する重要な因子であると認識され、特にGPDHは、1000倍も酵素活性が上昇するので、脂肪細胞に分化されたマーカー酵素として利用されている。
また、GPDH活性を抑制することにより脂肪細胞への分化を抑制可能であることから、このようなGPDH活性抑制剤により肥満の治療や予防することが考えられる。引用文献1及び引用文献2には、下記の式(III)で示すオレアノール酸及び式(IV)で示すウルソール酸を含むトリテルペン類化合物がグリセロリン酸脱水素酵素の活性抑制剤や抗肥満剤の有効成分として使用することが開示されている。
Figure 2015189691
Figure 2015189691
特開平9−67249号公報 国際公開第2003/011267号公報
しかしながら、これら化合物のいずれも、GPDH活性を抑制するために比較的高い濃度が要求されている。
したがって、本発明の課題は、脂肪細胞の脂肪蓄積及びGPDHの活性を抑制する効果が良好で、且つ、細胞毒性の少ないGPDH活性抑制剤を提供することにある。
本発明者らは、脂肪細胞の脂肪蓄積及びGPDHの活性を抑制することを目的として、さらに、細胞毒性を極力抑えるべく、種々のトリテルペン類化合物を検討してきた。その結果、ポモル酸がGPDH活性抑制効果を有することを見出した。ポモル酸の構造は、下記の式(II)で示す。
Figure 2015189691
さらに、ポモル酸と類似した構造を有する物質について更に探索した結果、特定のトリテルペン類がGPDH活性抑制効果を奏することを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明は、次の通りの構成をとるものである。
[1]式(I)で示す化合物、及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、GPDH活性抑制剤。
Figure 2015189691
(前記式(I)において、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子又は水酸基であり、R3、R4、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基であり、R5は、水素原子、−COOH、又は−CH2OHである。)
[2]前記式(I)で示す化合物のうち、下記の式(II)で示すポモル酸と、19−エピポモル酸と、それらの誘導体とからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、前記[1]のGPDH活性抑制剤。
Figure 2015189691
[3]前記式(I)又は式(II)で示す化合物は、カキ、リンゴ及びナシを含む果実
から抽出されたものである、前記[1]又は「2」のGPDH活性抑制剤。
[4]前記[1]〜[3]のいずれか1つのGPDH活性抑制剤を含む、食品添加物。
[5]前記[1]〜[3]のいずれか1つのGPDH活性抑制剤を配合した、食品。
本発明によれば、GPDHの活性を抑制することができる。これにより、脂肪細胞の蓄積の低減効果が期待できる。また、本発明に係るGPDH活性抑制剤によれば、比較的低濃度でGPDH活性の抑制効果が達成できるため、細胞毒性の低減効果も期待できる。
ここで、式(I)で示すトリテルペン類化合物は、19位に水酸基を有することを特徴としており、当該部位がGPDHの活性発現に関与することは、高いGPDH活性抑制効果を示す原因の1つであると推測される。
本発明の実施例1で抽出したポモル酸のNMRスペクトルデータを示す。 本発明に係るポモル酸の脂肪細胞GPDH活性抑制効果を示すグラフである。 本発明に係るポモル酸による脂肪細胞の脂肪蓄積抑制効果を示すグラフである。 本発明に係るポモル酸による脂肪前駆細胞(3T3−L1)の細胞毒性試験の結果を示すグラフである。 カキ果皮由来のトリテルペノイド類のHPLCクロマトグラムである。 異なる品種のカキの乾燥果皮中におけるポモル酸、オレアノール酸及びウルソール酸の含有量を測定した結果を示すグラフである。 各種の果実における、ポモル酸、ベツリン酸、オレアノール酸及びウルソール酸の含有量を測定した結果を示すグラフである。
以下、実施例を挙げて、本発明を詳細に説明する。
[実施例1:ポモル酸の抽出]
本発明は、下記の抽出方法により、カキの果皮からポモル酸を抽出して使用した。
凍結乾燥したカキ果皮をミルサーで粉砕後、約20gの粉末に対してアセトンを添加して抽出した。抽出は、室温で1時間浸漬することにより行い、その後、当該抽出溶液を吸引濾過して回収した。残渣は色が出なくなるまでアセトンによる抽出を繰り返した。抽出液はロータリーエバポレーターを用いて減圧濃縮した。得た濃縮物はシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶出液:ベンゼン:酢酸エチル(10:1→5:1)で展開した後、ベンゼン:酢酸エチル(1:1)に変更]を用いて、ポモル酸を含む画分を得た。
上述した画分をロータリーエバポレーターで濃縮乾固した後、エタノールに溶解し、分取用液体クロマトグラフィ(以下、LCと略す。)を用いてポモル酸を精製した。
LCによる精製条件は、下記に示す。
システム: Waters 600E Multisolvent delivery system
カラム: Aqua C18(250×10mm,粒子径5μm、製品名phenomenex)
カラム温度: 37℃
溶離液: 移動相A液が水であり、移動相B液がアセトニトリルである。
グラジエント条件: 0分(B:80%)→12.5分(100%)→30分(100%)→32.5分(80%)
流量: 4.44mL/分
検出: UV波長200nm
上述した条件で精製し、目的のポモル酸(白色固体、約12mg)を得た。
当該濃縮物であるポモル酸の1H−NMRスペクトル(メタノール−d4、800MHz)データは、図1に示す。ピーク付近の数字は、対応する番号の炭素に結合している水素によるピークを表す。
[実施例2:ポモル酸によるGPDH活性抑制効果の測定]
上記の方法で得られたポモル酸に対して、そのGPDH活性及び脂肪蓄積の抑制効果について測定した。当該測定では、細胞分子レベルで行われており、脂肪前駆細胞(3T3−L1)を使用した。脂肪前駆細胞(3T3−L1)は、休止期に入ると脂肪細胞へと分化する性質を持っているが、インスリン、デキサメタゾン(DEX)、3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)などの薬剤で刺激することにより効率よく分化することが知られている。
(脂肪前駆細胞(3T3−L1)培養方法)
脂肪前駆細胞(3T3−L1)は、下記の手順で培養した。
1.3T3−L1細胞の播種
(1)液体窒素から凍結アンプル(細胞数0.5×106〜1.0×106)を取り出し、37℃の湯浴で、細胞が約半分程度融解するまで攪拌した。
(2)15mLの遠沈管に3T3−L1脂肪前駆細胞培養用培地(10%新生仔牛血清(Life Technologies、品番16010167)を含むDMEM(Life Technologies、品番1059010)を5mL入れ、アンプル中の約半分程度融解した細胞を全量移し、軽く攪拌した後1000rpmで2分間遠心した。
(3)上清を取り除き、3T3−L1脂肪前駆細胞培養用培地を15mL添加し、75cm2の培養フラスコに細胞を播種した。
(4)インキュベーター内(37℃、5%CO2)で培養した。
2.3T3−L1細胞の継代
(1)72時間後に古い培養液を取り除き、5mL程度のリン酸緩衝生理食塩水(以下、PBSと略し)を静かに加え、細胞層を洗浄した。
(2)PBSを取り除き、0.25%トリプシン含有1mM EDTA溶液(和光純薬製)を2mL加え、細胞になじませた。
(3)位相差顕微鏡で細胞の状態を観察し、細胞が円球化しつつあれば、フラスコを軽くたたいて完全に細胞をはがし、5mL程度の3T3−L1脂肪前駆細胞培養用培地を加えて遠沈管に移し、1000rpmで2分間遠心した。
(4)上清を取り除き、3T3−L1脂肪前駆細胞培養用培地を3mL添加し、細胞数を計測した。
(5)細胞濃度が3×103〜5.5×103/cm2となるように3T3−L1脂肪前駆細胞培養用培地で希釈し、75cm2培養フラスコに播種した。
3.3T3−L1細胞の分化誘導
(1)72時間後に古い培養液を取り除き、5mL程度のPBSを静かに加え、細胞層を洗浄した。
(2)PBSを取り除き、0.25%トリプシン含有1mM EDTA溶液(和光純薬製)を2mL加え、細胞になじませた。
(3)位相差顕微鏡で細胞の状態を観察し、細胞が円球化しつつあれば、フラスコを軽くたたいて完全に細胞をはがし、5mL程度の3T3−L1脂肪前駆細胞培養用培地を加えて遠沈管に移し、1000rpmで2分間遠心した。
(4)上清を取り除き、3T3−L1脂肪前駆細胞培養用培地を3mL添加し、細胞数を計測した。
(5)3T3−L1脂肪前駆細胞培養用培地を用い、細胞濃度を8.0×104cells/3mLに調製し、6ウェルプレートに播種した。
(6)インキュベーター内(37℃、5%CO2)で4日間培養した。
(7)3T3−L1脂肪前駆細胞培養用培地を取り除き、3T3−L1脂肪前駆細胞分化培地(インスリン、デキサメタゾン、3−イソブチル−1−メチルキサンチンを添加)に交換し、3日間培養した。
(8)3T3−L1脂肪前駆細胞分化培地を取り除き、3T3−L1脂肪前駆細胞培養用培地(5μg/mLインスリン含有)に交換し、6日間培養した。上述した培地にはポモル酸、ウルソール酸、オレアノール酸のそれぞれを1μg/mL〜5μg/mLの範囲(具体的には、1μg/mL、2.5μg/mL、5μg/mL)で添加した。さらに、対照群として、未処理の培地、及び0.1%DMSOを添加した培地を用意した。
[GPDH活性測定]
培養した細胞を回収し、酵素を抽出した。下記の方法により、GPDH活性測定キット(プライマリーセル製)を用いてそれぞれの試験区のGPDH活性を測定した。
(測定原理)
下記の式で示す反応において、GPDHが酵素として働き、還元型のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)を酸化型のNADに変換する。そのため、還元型のNADHの減少を波長340nmの吸光度変化で測定することにより、GPDHの活性を測定することができる。
Figure 2015189691
(GPDH活性測定操作の手順)
1.反応基質溶液の調製
反応基質のバイアル1本に対して精製水4.2mLを加えて溶解し、その溶液を反応基質溶液とした。反応基質溶液は使用するまで氷上で保管しておいた。
2.酵素抽出溶液の調製
酵素抽出試薬の袋の内容物を精製水200mLで溶解し、その溶液を酵素抽出液とする。反応基質溶液は使用するまで氷上で保管しておいた。
3.検体の調製
(1)6ウェルプレートで培養した細胞を、上記の方法で用意した。
(2)培養液を除去した後、1ウェルあたり1mLのPBSで2回洗浄した。
(3)PBSを除去した後、酵素抽出溶液を1ウェルあたり1.0mL加え、ピペティングして細胞を剥がし1.5mLチューブに回収した。
(4)チューブを氷上等で冷却しながら超音波破砕機を用いて細胞を破砕した。
(5)超音波処理した溶液を、冷却遠心(4℃、12800×g、5分間)で分離した上清を検体とした。調製した検体を調製当日中に酵素活性を測定した。
4.測定方法
(1)96ウェルプレートに検体20μLずつ入れ室温に戻した。
(2)各検体に反応基質溶液を80μLずつ加えて、数回ピペッティングした後波長340nmにおける吸光度の減少を経時測定し、1分間当りの吸光度の変化量(ΔO.D.
)を求めた。測定は、7分間行った。
5.活性値の計算
検体1mL当りのGPDHが1分間に1μmoleのNADHを消費する活性を1Uとし、下記の式に基づいて、GPDH活性を求めた。
Figure 2015189691
6.ポモル酸等の脂肪細胞GPDH活性抑制効果の測定結果
図2は、トリテルペン類の脂肪細胞GPDH活性抑制効果を示す。横軸は、測定対象を表し、左から右の順で、未処理、DMSOによる処理、1μg/mL、2.5μg/mL及び5μg/mLのポモル酸による処理、1μg/mL、2.5μg/mL及び5μg/mLのウルソール酸による処理、並びに5μg/mLのオレアノール酸による処理の細胞を示す。縦軸は、上記の数式に基づいて算出したGPDH活性値を示す。
図2に示すように、当該測定では、未処理の、及びDMSOによる処理の脂肪細胞のGPDH活性を基準とした。ポモル酸を使用した場合、細胞内濃度が1μg/mLである時、抑制活性がほとんど示さなかったことに対して、2.5μg/mL及び5μg/mLのいずれも、顕著なGPDH活性の抑制効果を示した。また、ポモル酸の濃度の増加につれて、当該抑制活性効果が向上する傾向にあった。一方、ウルソール酸、及びオレアノール酸のそれぞれを同様な濃度で使用した場合、GPDH活性の抑制効果を示さなかったことが確認された。
従って、本発明に係るポモル酸は、比較的低濃度においても顕著なGPDH活性の抑制効果を示すことが分かった。
[実施例3:ポモル酸による脂肪細胞の脂肪蓄積抑制効果の測定]
(オイルレッドO染色法)
さらに、オイルレッドO染色法により、ポモル酸による脂肪細胞の脂肪蓄積抑制効果を測定した。本実施例では、2.5μg/mLのポモル酸を測定対象とした。
(原理)
アゾ色素(ズダンIII等)は、無極性かつ脂溶性であるため、組織に触れると組織内脂質に溶け込み、結果として脂肪染色ができる。さらに、染色された脂肪球を抽出液で抽出し、色素量を定量することによって脂肪量を推測することができる。
(手順)
(1)脂肪前駆細胞(3T3−L1)を脂肪細胞に分化誘導後、2.5μg/mLのポモル酸を添加した培地で3日間培養した。
(2)培養した細胞を10%のホルマリンで固定し、PBSで洗浄後、乾燥してオイルレッドO染色液(0.5%のオイルレッド60%の2−プロパノール溶液)で20分間染色した。60%の2−プロパノール、PBSの順で洗浄した後、乾燥した。
(3)100%の2−プロパノールを加えてオイルレッドOを抽出し、510nmの吸光度を測定して比較した。
図3は、測定した結果を示す。横軸は測定対象であり、縦軸は、510nmの吸光度である。吸光度が低くなると、染色された色素の量が少ないことを意味するし、すなわち、脂肪量が少ないことを示す。
従って、図3に示す測定結果により、ポモル酸未添加の場合と比較して、2.5μg/mLのポモル酸を添加した場合がより小さい吸光度を示し、つまり、脂肪量が少ないことがわかった。よって、ポモル酸は、脂肪細胞の脂肪蓄積抑制効果を有することが確認された。
[実施例4:ポモル酸による脂肪前駆細胞(3T3−L1)の細胞毒性試験]
さらに、ポモル酸の添加濃度による生細胞への細胞毒性の有無を測定した。当該測定は、MTT細胞増殖キット(Roche 品番11 465 007)により脂肪前駆細胞(3T3−L1)の生細胞数の変化を観測した。
(MTT試験の原理)
MTT(3−(4,5−ジ−メチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)は、ミトコンドリアにある脱水素酵素により還元され、ホルマザン色素が生じる。色素量は代謝活性のある細胞数と相関するため、色素を可溶化して比色法(吸光度550〜600nm)で定量することにより、生細胞数を測定する。
以下、本発明に係るポモル酸による生細胞への細胞毒性を測定するMTT試験の手順を説明する。
(1)脂肪前駆細胞(3T3−L1)をマルチウェルプレートに2000cell/100μLずつ播種した。
(2)インキュベーター内(37℃、5%CO2)で4日間培養した。
(3)3T3−L1脂肪前駆細胞培養用培地を取り除き、3T3−L1脂肪前駆細胞分化培地(インスリン、デキサメタゾン、3−イソブチル−1−メチルキサンチンを添加)に交換し、3日間培養した。
(4)3T3−L1脂肪前駆細胞分化培地を取り除き、3T3−L1脂肪前駆細胞培養用培地(5μg/mLインスリン含有)あるいは3T3−L1脂肪前駆細胞培養用培地(インスリン不含有)に交換し培養した。上述した培地にはポモル酸を0μg/mL(DMSOのみ)、1μg/mL、2.5μg/mL、5μg/mL、10μg/mLで添加した。
(5)24時間後、48時間後、72時間後に各ウェルに10μLずつMTT標識試薬を添加し、CO2インキュベーターで4時間培養した。
(6)その後、可溶化溶液を100μLずつ加えて37℃で一晩加温してホルマザンを溶解させた。
(7)550nmの吸光度を測定した。
評価の結果は図4に示す。ポモル酸が1μg/mL、2.5μg/mLの場合、細胞毒性を示さないことに対して、5μg/mL以上の場合、生細胞の経時的減少が見られ、細胞毒性を有することが確認された。
すなわち、ポモル酸を2.5μg/mL含有する場合、顕著なGPDH活性抑制効果を有すると共に、細胞毒性を示さないことがわかった。
本発明に係る式(II)で示すポモル酸は、上述したようにカキから抽出されるものを使用してもよく、また、抽出されたポモル酸の量は、下記に示すHPLCにより定量化可能である。
[実施例5:ポモル酸等の定量]
果実の果皮から抽出されるポモル酸、オレアノール酸、及びウルソール酸を含むトリテルペノイド類は、下記のHPLCにより定量化可能である。
カキの果実果皮を凍結乾燥し、ミルサーで粉砕した。0.25gの粉末を取り、色が出なくなるまでアセトンによる抽出を繰り返した。抽出液はロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、さらに、エタノールで一定量(2mL)に希釈した。
本発明で使用したポモル酸を含むトリテルペノイド類の分析には、HPLC(島津製作所製)を用いた。当該HPLCによる分析条件は、下記に示す。
カラム: C30カロテノイドカラム(250×4.6mm、粒子径5μm、YMC製 )、
カラム温度: 37℃、
移動相: 0.1%酢酸含有80%アセトニトリル、
流速: 0.6mL/min、
検出: UV波長200nm。
図5は、「平核無」カキの果皮由来のトリテルペノイド類(ポモル酸、オレアノール酸、ウルソール酸)のHPLCクロマトグラムを示す。外部標準法により、検量線を用いて目的のトリテルペノイド類の含有量を算出した。
その結果、「平核無」カキの乾燥果皮1gあたりには、1.64mgのポモル酸(保持時間:10.5分)、1.73mgのオレアノール酸(保持時間:20分)、及び5.23mgのウルソール酸(保持時間:22.5分)を含有することが確認された。
また、上述した定量法により、異なる品種のカキにおいて、その乾燥果皮中に含まれるポモル酸、オレアノール酸及びウルソール酸の量を測定した。その測定結果は、図6に示す。
[その他の実施例]
図7に示すように、抽出対象をカキの他に、リンゴ、ブドウ、ナシ、モモに拡大したところ、リンゴとナシとからも、本発明の式(II)で示すポモル酸を抽出可能であることが明らかであった。
また、本発明に係るポモル酸は、上述した手法により抽出したものに限定することなく、合成化学や発酵、酵素反応等のバイオテクノロジーの手法により合成又は生成したものを含む。
また、本発明は、式(II)で示すポモル酸と比較して19位の不斉炭素原子の立体配置だけが異なる19−エピポモル酸を含む。当該19−エピポモル酸は、下記の式(V)で示す構造を有する。
Figure 2015189691
また、本発明は、式(I)で示す化合物、式(II)で示すポモル酸又は式(V)で示す19−エピポモル酸の如何なる誘導体を含む。これらの誘導体は、例えば、種々の目的に応じて、上述した化合物の各官能基に対して保護基が付与されたもの、及び、上述した化合物に対して、GPDH活性抑制効果を妨害しないことを前提で化学的、発酵等の手法を用いる種々の変更を施したものを含む。
さらに、本発明に係る式(I)で示す化合物、式(II)で示すポモル酸又は式(V)で示す19−エピポモル酸は、食品添加剤の成分として使用することができる。
本発明に係る食品添加剤は、例えば、清涼飲料等に添加されるものである。
さらに、本発明に係る式(I)で示す化合物、式(II)で示すポモル酸又は式(V)で示す19−エピポモル酸は、食品の成分として使用することができる。
本発明に係る食品は、例えば、栄養食品類及び菓子類である。
本発明は、医薬品及び食品等の分野に適用可能である。

Claims (5)

  1. 式(I)で示す化合物、及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、GPDH活性抑制剤。
    Figure 2015189691
    (前記式(I)において、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子又は水酸基であり、R3、R4、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基であり、R5は、水素原子、−COOH、又は−CH2OHである。)
  2. 前記式(I)で示す化合物のうち、下記の式(II)で示すポモル酸と、19−エピポモル酸と、それらの誘導体とからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含有する、請求項1に記載のGPDH活性抑制剤。
    Figure 2015189691
  3. 前記式(I)又は式(II)で示す化合物は、カキ、リンゴ及びナシを含む果実から抽
    出されたものである、請求項1又は2に記載のGPDH活性抑制剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のGPDH活性抑制剤を含む、食品添加物。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のGPDH活性抑制剤を配合した、食品。
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