JP2015188580A - 脈波検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】脈波の検出精度の向上を図ることが可能となると共に、脈波データを容易に利用することが可能となる脈波検出装置を提供する。【解決手段】末梢部位の血管の脈波を検出する脈波検出部と、前記末梢部位の温度を計測する温度計測部と、前記温度計測部によって計測された計測温度が、所定の脈波計測閾値以上か否かを判定する温度判定部と、前記温度判定部により前記計測温度が前記脈波計測閾値以上であると判定されない場合には、前記脈波検出部による脈波の検出を実行せず、前記温度判定部により前記計測温度が前記脈波計測閾値以上であると判定された場合に、前記脈波検出部を介して前記脈波の検出を実行するように制御する制御部と、を備える。【選択図】図4
Description
本発明は、脈波を検出する脈波検出装置に関するものである。
従来より、脈波を検出する技術に関し種々提案されている。
例えば、下記特許文献1に記載される光電変換式指尖容積脈波計用プローブでは、暗箱中に挿入された指尖に発光素子から光を照射し、指尖を透過する透過光を受光する受光素子の抵抗値の変化を電圧に変換して測定器本体に出力する。また、暗箱中の発光素子から発せられた光が受光素子に到達するように透孔が穿設された指尖載置台の表面には、サーミスタで形成された検出部が臨む指尖温度検出素子が配設され、指尖の表面温度を検出して測定器本体に出力するように構成されている。
例えば、下記特許文献1に記載される光電変換式指尖容積脈波計用プローブでは、暗箱中に挿入された指尖に発光素子から光を照射し、指尖を透過する透過光を受光する受光素子の抵抗値の変化を電圧に変換して測定器本体に出力する。また、暗箱中の発光素子から発せられた光が受光素子に到達するように透孔が穿設された指尖載置台の表面には、サーミスタで形成された検出部が臨む指尖温度検出素子が配設され、指尖の表面温度を検出して測定器本体に出力するように構成されている。
しかしながら、前記した特許文献1に記載された光電変換式指尖容積脈波計用プローブでは、ユーザが指尖温度検出素子によって測定された指尖温度の温度表示を見て、脈波の測定結果の適否を判定するものである。その結果、指尖の温度と脈波とが同時に計測されるため、ユーザは、計測結果が出力されてからでなければ、脈波の測定結果の適否を判断することができないため、脈波の計測処理にかかった時間が無駄になる虞がある。また、ユーザが指尖の温度表示を見て、脈波の計測結果の適否を判断する必要があるため、ユーザは脈波の計測結果の適否を判断する能力を必要とした。
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、脈波の検出精度の向上を図ることが可能となると共に、脈波データを容易に利用することが可能となる脈波検出装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係る脈波検出装置は、末梢部位の血管の脈波を検出する脈波検出部と、前記末梢部位の温度を計測する温度計測部と、前記温度計測部によって計測された計測温度が、所定の脈波計測閾値以上か否かを判定する温度判定部と、前記温度判定部により前記計測温度が前記脈波計測閾値以上であると判定されない場合には、前記脈波検出部による脈波の検出を実行せず、前記温度判定部により前記計測温度が前記脈波計測閾値以上であると判定された場合に、前記脈波検出部を介して前記脈波の検出を実行するように制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2に係る脈波検出装置は、請求項1に記載の脈波検出装置において、前記末梢部位を暖めるヒータ部を備え、前記制御部は、前記温度判定部により前記計測温度が前記脈波計測閾値以上であると判定されない場合には、前記ヒータ部に電力を供給するように制御することを特徴とする。
また、請求項3に係る脈波検出装置は、請求項1又は請求項2に記載の脈波検出装置において、前記脈波検出部は、前記末梢部位として手の指先の脈波を検出し、前記温度計測部は、前記脈波検出部が脈波を検出する第1の指先の温度を計測するように配置され、前記第1の指先の温度を継続して計測することを特徴とする。
また、請求項4に係る脈波検出装置は、請求項2又は請求項3に記載の脈波検出装置において、前記制御部は、前記温度判定部を介して前記計測温度が前記脈波計測閾値以上であると判定されるまで前記温度計測部に電力を供給するように制御し、前記温度判定部を介して前記計測温度が前記脈波計測閾値以上であると判定された場合には、前記ヒータ部への電力の供給を停止することを特徴とする。
また、請求項5に係る脈波検出装置は、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の脈波検出装置において、前記脈波検出部は、前記末梢部位に向けて光を発する発光素子と、前記発光素子が発した光のうち前記末梢部位から反射してくる光を受光可能な受光素子と、前記発光素子が発した光と前記末梢部位から反射して前記受光素子が受光する光の光路上に配置される透光板と、を有し、前記ヒータ部は、前記透光板の外側周縁部に配置されることを特徴とする。
また、請求項6に係る脈波検出装置は、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の脈波検出装置において、前記温度計測部は、前記ヒータ部から所定距離だけ離間して配置されていることを特徴とする。
また、請求項7に係る脈波検出装置は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の脈波検出装置において、前記温度計測部は、前記脈波検出部に対して前記末梢部位の先端側に位置するように配置されていることを特徴とする。
更に、請求項8に係る脈波検出装置は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の脈波検出装置において、前記末梢部位の形状に合わせて形成されると共に、前記末梢部位を前記脈波検出部及び前記温度計測部に案内するように形成された案内部を備えたことを特徴とする。
請求項1に係る脈波検出装置では、手と足の指先、耳等の末梢部位の血管の脈波を検出する場合には、末梢部位の計測温度が、所定の脈波計測閾値以上のときに、脈波の検出を実行する。これにより、計測温度が所定の脈波計測閾値以上となり、血量が増加した末梢部位に対して、脈波の検出を実行することが可能となるため、末梢部位に対する脈波の検出精度の向上を図ることが可能となる。また、ユーザは脈波検出装置から出力された脈波データの適否を検討する必要がなくなるため、脈波データを容易に利用することが可能となる。
また、請求項2に係る脈波検出装置では、末梢部位の計測温度が、所定の脈波計測閾値よりも低い場合には、ヒータ部を介して末梢部位を暖めることが可能となるため、末梢部位の脈波検出を迅速に実行することができる。
また、請求項3に係る脈波検出装置では、温度計測部は、第1の指先の温度を計測するように配置されているため、所定の脈波計測閾値以上の温度であると判定された第1の指先に対して、脈波検出を実行することができ、適正な脈波データを取得することが容易となる。
また、請求項4に係る脈波検出装置では、末梢部位の計測温度が脈波計測閾値以上であると判定された場合には、ヒータ部への電力の供給を停止するため、更なる省電力化を図ることができる。また、末梢部位の計測温度が、所定の脈波計測閾値以上になった場合には、ヒータ部への電力供給を停止するため、脈波検出部へのヒータ部の熱源の影響を回避して脈波の検出精度の更なる向上を図ることが可能となる。
また、請求項5に係る脈波検出装置では、測定領域に、脈波検出部と温度計測部とが配置されるため、透光板に配置される末梢部位の温度を温度計測部により正確に検出することが可能となる。また、ヒータ部は、脈波検出部と温度計測部と同じ測定領域に配置されるため、末梢部位を迅速に暖めることが可能となる。
また、請求項6に係る脈波検出装置では、温度計測部は、ヒータ部から所定距離だけ離間して配置されているため、ヒータ部の影響を避けて、末梢部位の温度を温度計測部により更に正確に検出することが可能となる。
また、請求項7に係る脈波検出装置では、温度計測部は、脈波検出部に対して末梢部位の先端側に位置するように配置されているため、末梢部位の低温部分の温度を計測することができ、末梢部位の全体が脈波計測閾値以上か否かを更に正確に判定することが可能となる。
更に、請求項8に係る脈波検出装置では、ユーザは、末梢部位を案内部に合わせて置くことによって、末梢部位が脈波検出部及び温度計測部に案内されるため、末梢部位の脈波検出を迅速に実行することができる。
以下、本発明に係る脈波検出装置について具体化した第1実施形態乃至第5実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、第1実施形態に係る脈波検出装置1の概略構成について図1乃至図4に基づいて説明する。尚、以下の脈波検出装置1の説明において、指に向けて光を発光する一対のLED(発光素子)2の発光方向が、脈波検出装置1の上方向である。また、フォトダイオード(受光素子)3を挟んで相対向するように配置された1対のLED2の中央部を結ぶ方向が、脈波検出装置1の左右方向である。そして、フレキシブルフラットケーブル(以下、「ケーブル」という。)5が、脈波検出装置1の側面部から左右方向に直交して引き出される方向が後ろ方向である。
[第1実施形態]
[脈波検出装置1の概略構成]
図1乃至図3に示すように、脈波検出装置1は、上側に開放された箱体状のベース6と、ベース6の上側に接着剤等により固定されて、脈波検出装置1の内側に部品収納空間8を形成する平面視略四角形の板状の上蓋7とによって、平面視略四角形の箱体状に構成されている。部品収納空間8の底面部には、回路基板11が配置されている。
[脈波検出装置1の概略構成]
図1乃至図3に示すように、脈波検出装置1は、上側に開放された箱体状のベース6と、ベース6の上側に接着剤等により固定されて、脈波検出装置1の内側に部品収納空間8を形成する平面視略四角形の板状の上蓋7とによって、平面視略四角形の箱体状に構成されている。部品収納空間8の底面部には、回路基板11が配置されている。
また、上蓋7には、上側表面部の左右方向中央部に、前後方向中央部から前端部までの間の中央位置から後端部まで、所定深さ、例えば、約5mmの深さで窪んで、第1の指先の一例として機能する指先12を上側から挿入可能な前側方向に突出する平面視略U字形の案内部7Aが形成されている。案内部7Aの左右方向の幅は、指先12の左右方向の幅よりも少し広い、例えば、6mm〜10mm広い幅寸法に形成されている。
この結果、指先12を案内部7Aの左右方向中央部に上側から置いた場合には、案内部7Aの内側側面部と指先12との間には、所定隙間、例えば、3mm〜5mmの隙間が形成される。尚、案内部7Aの左右方向の幅は、指先12の左右方向の幅とほぼ同じ幅であることが望ましい。指先12を案内部7Aに上側から置いた際に、指先12の置き位置のバラツキを抑えることができる。
案内部7Aの底面部7Bには、上蓋7の前後方向中央部よりも少し後ろ側の位置において、底面部7Bの左右方向中央部に、指先12の幅よりも少し狭い、例えば、2mm〜3mm狭い幅寸法の断面四角形の貫通孔13が形成されている。回路基板11は、貫通孔13に対向するように部品収納空間8の底面部に固定されている。また、四角枠状のスペーサ15が、貫通孔13内に嵌入されて、下端部が回路基板11の上面に当接されている。更に、ガラス板からなる貫通孔13とほぼ同じ四角形の透光板16が、貫通孔13に嵌入されて、スペーサ15の上端面に当接され、貫通孔13を閉塞している。スペーサ15の上端面から底面部7Bの上端面までの高さは、透光板16の厚さ寸法とほぼ等しい高さに形成され、透光板16の上端面と底面部7Bの上端面とは、ほぼ同一平面上に位置している。
また、スペーサ15内の回路基板11上には、中央部にフォトダイオード3が配置され、フォトダイオード3を挟んで左右方向に相対向するように一対のLED2が配置されている。一対のLED2は、赤色LED、緑色LED、青色LED、又は、赤外LEDで構成されている。また、フォトダイオード3の感度領域は、300nm〜1100nmで、近赤外領域(900nm〜1000nm)をピークとする凸型の受光感度分布を有している。また、各LED2の発光面、及び、フォトダイオード3の受光面は、透光板16の方に向けられている。
また、透光板16の前端縁部から少し後側、例えば、約3mm後側に離間した左右方向中央部には、表面から所定深さ、例えば、1.5mmの深さで窪んだ凹部17が形成され、サーミスタ等で構成された温度センサ18が凹部17内に固定されている。また、貫通孔13の上端外周縁部には、全周に渡ってセラミックヒータ等で形成された四角枠状のヒータ(ヒータ部)21が埋め込まれている。
温度センサ18及びヒータ21のそれぞれの上端面と底面部7Bの上端面とは、ほぼ同一平面上に位置している。従って、温度センサ18は、ヒータ21から所定距離、例えば、約3mmだけ離間して配置されている。また、上蓋7の前側左角部には、上端面に赤色LED22が埋め込まれている。また、上蓋7の前側右角部には、上端面に緑色LED23が埋め込まれている。
回路基板11には、フォトダイオード3、一対のLED2、温度センサ18の端子、ヒータ21の端子、及びフォトダイオード3が出力する電流を電圧に変換する電流電圧変換回路25(図4参照)、電流電圧変換回路25から出力された電圧を増幅する増幅回路26(図4参照)、増幅回路26から出力されたアナログ電圧をデジタル電圧に変換するA/D変換回路部27(図4参照)、一対のLED2と赤色LED22と緑色LED23をそれぞれ駆動する複数の駆動回路、温度センサ18の出力回路、ヒータ21の駆動回路等の電子部品が実装されている。
また、回路基板11には、脈波検出装置1の後ろ側面部から嵌挿されたケーブル5の一端部が固定され、ケーブル5の各配線は、回路基板11のパターン上に半田付けされている。また、回路基板11には、脈波検出装置1の全体を制御する制御回路部(制御部)31(図4参照)、入出力インターフェース32(図4参照)等が配置されている。
図2及び図3に示すように、指先12を案内部7Aの左右方向中央部に上側から置いて、透光板16の上側表面上に指先12の表面を前後方向に沿って密着させる。そして、この状態で、一対のLED2は、指先12の表面に向けて光を発すると共に、フォトダイオード3は、一対のLED2が発した光のうち、指先12の側から反射してくる光を受光可能である。従って、一対のLED2が指先12に向けて光を照射すると、血管28から反射してきた光をフォトダイオード3が受光し、その受光強度に応じた電流(脈波信号)が電流電圧変換回路25、増幅回路26、A/D変換回路部27を介して、制御回路部31に出力される。つまり、図1に示すように、指先12の脈波を検出する測定領域29は、透光板16の上側表面の全面に渡って設定される。
また、図2及び図3に示すように、透光板16の上側表面上に指先12の表面を前後方向に沿って密着させると、指先12の先端側が温度センサ18に密着する。従って、温度センサ18を介して指先12の温度を検出し、その検出結果が温度センサ18の出力回路を介して、制御回路部31に出力される。また、透光板16の上側表面上に指先12の表面を前後方向に沿って密着させると、指先12の先端側と根元の方とがヒータ21に密着すると共に、指先12の周囲がヒータ21によって囲まれる。従って、後述のように、制御回路部31がヒータ21に電力を供給することによって、指先12を暖めることができる。
次に、脈波検出装置1の回路構成について図4に基づいて説明する。図4に示すように、脈波検出装置1は、脈波検出装置1の全体を制御する制御回路部31、入出力インターフェース32、一対のLED2と各LED2の駆動回路から構成される発光部33、フォトダイオード3等から構成される受光部35、電流電圧変換回路25と増幅回路26等から構成されて、受光部35に電気的に接続される脈波検出回路部36、脈波検出回路部36に電気的に接続されて脈波信号をデジタル信号に変換して制御回路部31に出力するA/D変換回路部27、ヒータ21、温度センサ18、赤色LED22と緑色LED23とから構成される報知部37等から構成されている。
また、制御回路部31には、外部のパーソナルコンピュータ(PC)51が、ケーブル5及び入出力インターフェース32を介して双方向通信可能に接続され、PC51を介して送信されたユーザからの各種指示情報等を受信可能に構成されると共に、所定時間、例えば、30秒間検出した脈波信号のデジタル値、つまり、脈波データをPC51に送信可能に構成されている。
制御回路部31は、脈波検出装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、RAM42、ROM43、時間を計測するタイマ45等を備えている。また、CPU41、RAM42、ROM43、タイマ45は、不図示のバス線により相互に接続されて、相互にデータのやり取りが行われる。RAM42は、CPU41により演算された各種の演算結果や脈波信号のデジタル値等を一時的に記憶させておくためのものである。
ROM43は、各種のプログラムを記憶させておくものであり、後述の脈波を検出する「脈波検出処理1」等の各種プログラムが記憶されている。ROM43には、指先12の脈波検出に適した指先12の温度閾値(脈波計測閾値)T1等が予め記憶されている。そして、CPU41は、かかるROM43に記憶されている各種のプログラムに基づいて各種の演算及び制御を行なうものである。
[脈波検出処理1]
次に、上記のように構成された脈波検出装置1のCPU41が実行する処理であって、透光板16上に置かれた指先12の脈波を検出する「脈波検出処理1」について図5及び図6に基づいて説明する。尚、図5にフローチャートで示されるプログラムは、パーソナルコンピュータ(PC)51から検出開始信号が入力された場合に、CPU41によって実行される処理である。また、脈波検出装置1は、ケーブル5を介してパーソナルコンピュータ51から電源を供給される。
次に、上記のように構成された脈波検出装置1のCPU41が実行する処理であって、透光板16上に置かれた指先12の脈波を検出する「脈波検出処理1」について図5及び図6に基づいて説明する。尚、図5にフローチャートで示されるプログラムは、パーソナルコンピュータ(PC)51から検出開始信号が入力された場合に、CPU41によって実行される処理である。また、脈波検出装置1は、ケーブル5を介してパーソナルコンピュータ51から電源を供給される。
図5に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、パーソナルコンピュータ51から脈波の検出開始を指示する検出開始信号が入力されたか否かを判定する判定処理を実行する。尚、ユーザは、脈波検出装置1の透光板16上に指先12を置いている。そして、ユーザが、パーソナルコンピュータ51に接続された不図示のキーボード等を介して、脈波検出装置1による脈波の検出開始を指示する脈波検出指示を入力した場合に、パーソナルコンピュータ51は、ケーブル5を介して検出開始信号を脈波検出装置1に対して出力する。
そして、パーソナルコンピュータ51から脈波の検出開始を指示する検出開始信号が入力されていないと判定した場合には(S11:NO)、CPU41は、検出開始信号が入力されるのを待つ。一方、パーソナルコンピュータ51から脈波の検出開始を指示する検出開始信号が入力されたと判定した場合には(S11:YES)、CPU41は、S12の処理に移行する。
S12において、CPU41は、温度閾値T1をROM43から読み出す。そして、CPU41は、温度センサ18を介して透光板16上に置かれた指先12の温度を計測し、この計測温度が温度閾値T1以上か否か、例えば、22℃以上か否かを判定する判定処理を実行する。そして、指先12の計測温度が温度閾値T1より低い温度であると判定した場合には(S12:NO)、CPU41は、S13の処理に移行する。
S13において、CPU41は、報知部37を構成する赤色LED22を点灯し、緑色LED23を消灯して、指先12の温度が温度閾値T1より低い旨を報知する。尚、報知部37を構成する赤色LED22と緑色LED23は、脈波検出装置1の起動時には、消灯されている。
そして、S14において、CPU41は、ヒータ21へ電力を供給し、ヒータ21を所定温度まで、例えば、37℃まで昇温させる。つまり、CPU41は、ヒータ21を介して指先12を暖める。その後、CPU41は、S12以降の処理を再度実行する。
そして、S14において、CPU41は、ヒータ21へ電力を供給し、ヒータ21を所定温度まで、例えば、37℃まで昇温させる。つまり、CPU41は、ヒータ21を介して指先12を暖める。その後、CPU41は、S12以降の処理を再度実行する。
一方、S12で透光板16上に置かれた指先12の計測温度が温度閾値T1以上、例えば、22℃以上であると判定した場合には(S12:YES)、CPU41は、S15の処理に移行する。S15において、CPU41は、報知部37を構成する赤色LED22を消灯し、緑色LED23を点灯して、指先12の温度が温度閾値T1以上である、つまり、脈波検出に適した温度である旨を報知する。
続いて、S16において、CPU41は、ヒータ21への電力が供給されている場合には、電力の供給を停止する。そして、CPU41は、一対のLED2の発光を開始し、光を透光板16上に置かれた指先12に照射する。続いて、S17において、CPU41は、フォトダイオード3、脈波検出回路部36及びA/D変換回路部27を介して入力される脈波信号のデジタル値を、所定計測時間、例えば、30秒間連続して、所定時間毎に、例えば、0.1秒毎に抽出して脈波計測データとして時系列的にRAM42に記憶する。尚、所定計測時間は、ROM43に予め記憶されている。
その後、S18において、CPU41は、この所定計測時間分の脈波計測データを計測開始時から時系列的に読み出し、パーソナルコンピュータ51にケーブル5を介して順次出力した後、当該処理を終了する。他方、パーソナルコンピュータ51は、脈波検出装置1からケーブル5を介して受信した所定計測時間分の脈波計測データを不図示のRAM又はフラッシュメモリ等に記憶すると共に、不図示の液晶ディスプレイに脈波検出装置1で計測した脈波を表示する。
尚、脈波検出装置1に液晶ディスプレイや各種指示情報を入力する操作部を設け、所定計測時間分の脈波計測データに基づいて、液晶ディスプレイに計測した脈波を表示するようにしてもよい。
ここで、温度閾値T1を17℃として脈波検出装置1により検出した脈波信号61と、温度閾値T1を22℃として脈波検出装置1により検出した脈波信号62との一例を図6に基づいて説明する。
図6に示すように、温度閾値T1を22℃として脈波検出装置1により検出した脈波信号62の振幅、つまり、フォトダイオード3の受光強度は、温度閾値T1を17℃として脈波検出装置1により検出した脈波信号61の振幅よりも、十分大きい出力となっている。従って、温度閾値T1を22℃以上に設定することによって、指先12の血管28の血量が増加して、脈波信号62のS/N比が向上し、計測精度を上げることができる。
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係る脈波検出装置1では、CPU41は、指先12の計測温度が温度閾値T1より低い場合には、ヒータ21に電力を供給して指先12を暖める。そして、指先12の計測温度が温度閾値T1以上になった場合には、CPU41は、ヒータ21への電力の供給を停止して、一対のLED2を発光させて、指先12の脈波を検出する。
これにより、指先12の計測温度が所定の温度閾値T1以上となり、CPU41は、血量が増加した血管28に対して、脈波の検出を実行することが可能となるため、指先12に対する脈波の検出精度の向上を図ることが可能となる。また、ユーザは脈波検出装置1から出力された脈波データの適否を検討する必要がなくなるため、脈波データを容易に利用することが可能となる。
また、指先12の計測温度が温度閾値T1よりも低い場合には、CPU41は、ヒータ21に電力を供給して指先12を暖めるため、指先12の脈波検出を迅速に実行することができる。また、温度センサ18は、指先12の先端側が接触するように配置されているため、指先12の低温部分の温度を計測することができ、指先12の全体が温度閾値T1以上であるか否かを正確に判定して、適正な脈波信号を取得することができる。また、指先12の計測温度が温度閾値T1以上であると判定した場合には、CPU41は、ヒータ21への電力の供給を停止するため、更なる省電力化を図ることができる。
更に、指先12の計測温度が温度閾値T1以上であると判定した場合には、CPU41は、ヒータ21への電力の供給を停止するため、一対のLED2とフォトダイオード3へのヒータ21よる加熱の影響を回避して脈波の検出精度の更なる向上を図ることが可能となる。また、透光板16の上側表面の全面に渡って設定された測定領域29に、一対のLED2、フォトダイオード3、温度センサ18が配置されるため、透光板16上に置かれる指先12の温度を正確に検出することが可能となる。また、ヒータ21は、測定領域29の外周部に全周に渡って配置されるため、指先12を迅速に暖めることが可能となる。
また、温度センサ18は、ヒータ21から所定距離、例えば、約3mmだけ離間して配置されているため、ヒータ21の加熱の影響を避けて、指先12の温度を温度センサ18により正確に検出することが可能となる。また、ユーザは、指先12を案内部7Aの形状に合わせて置くことによって、指先12が透光板16上に案内されるため、指先12の脈波の検出を迅速に実行することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る脈波検出装置71について図7乃至図9に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図6の第1実施形態に係る脈波検出装置1の構成等と同一符号は、第1実施形態に係る脈波検出装置1の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
次に、第2実施形態に係る脈波検出装置71について図7乃至図9に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図6の第1実施形態に係る脈波検出装置1の構成等と同一符号は、第1実施形態に係る脈波検出装置1の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第2実施形態に係る脈波検出装置71の概略構成は、第1実施形態に係る脈波検出装置1とほぼ同じ構成である。但し、図7及び図8に示すように、ヒータ21が設けられていない点で異なっている。また、ROM43には、脈波を検出する「脈波検出処理1」のプログラムに替えて、脈波を検出する「脈波検出処理2」のプログラムが記憶されている点で異なっている。
[脈波検出処理2]
次に、上記のように構成された脈波検出装置71のCPU41が実行する処理であって、透光板16上に置かれた指先12の脈波を検出する「脈波検出処理2」について図9に基づいて説明する。尚、図9にフローチャートで示されるプログラムは、パーソナルコンピュータ(PC)51から検出開始信号が入力された場合に、CPU41によって実行される処理である。また、脈波検出装置71は、ケーブル5を介してパーソナルコンピュータ51から電源を供給される。
次に、上記のように構成された脈波検出装置71のCPU41が実行する処理であって、透光板16上に置かれた指先12の脈波を検出する「脈波検出処理2」について図9に基づいて説明する。尚、図9にフローチャートで示されるプログラムは、パーソナルコンピュータ(PC)51から検出開始信号が入力された場合に、CPU41によって実行される処理である。また、脈波検出装置71は、ケーブル5を介してパーソナルコンピュータ51から電源を供給される。
図9に示すように、S111乃至S112において、CPU41は、上記S11乃至S12の処理を実行する。そして、指先12の計測温度が温度閾値T1より低い温度であると判定した場合には(S112:NO)、CPU41は、S113の処理に移行して、上記S13の処理を実行する。その後、CPU41は、S112以降の処理を再度実行する。つまり、CPU41は、透光板16上に置かれた指先12が室温で暖められて、温度センサ18によって計測した指先12の計測温度が温度閾値T1以上になるのを待つ。
一方、S112で透光板16上に置かれた指先12の計測温度が温度閾値T1以上、例えば、22℃以上であると判定した場合には(S112:YES)、CPU41は、S114の処理に移行して、上記S15の処理を実行する。つまり、透光板16上に置かれた指先12が室温で暖められて、温度センサ18によって計測した指先12の計測温度が温度閾値T1以上になった場合には(S112:YES)、CPU41は、S114の処理に移行して、上記S15の処理を実行する。
続いて、S115において、CPU41は、フォトダイオード3、脈波検出回路部36及びA/D変換回路部27を介して入力される脈波信号のデジタル値を、所定計測時間、例えば、30秒間連続して、所定時間毎に、例えば、0.1秒毎に抽出して脈波計測データとして時系列的にRAM42に記憶する。その後、CPU41は、S116乃至S117において、上記S17乃至S18の処理を実行した後、当該処理を終了する。他方、パーソナルコンピュータ51は、脈波検出装置71からケーブル5を介して受信した所定計測時間分の脈波計測データを不図示のRAM又はフラッシュメモリ等に記憶すると共に、不図示の液晶ディスプレイに脈波検出装置71で計測した脈波を表示する。
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係る脈波検出装置71では、CPU41は、指先12の計測温度が温度閾値T1より低い場合には、透光板16上に置かれた指先12が室温で暖められて、温度センサ18によって計測した指先12の計測温度が温度閾値T1以上になるのを待つ。そして、指先12の計測温度が温度閾値T1以上になった場合には、CPU41は、一対のLED2を発光させて、指先12の脈波を検出する。
これにより、指先12の計測温度が所定の温度閾値T1以上となり、CPU41は、血量が増加した血管28に対して、脈波の検出を実行することが可能となるため、指先12に対する脈波の検出精度の向上を図ることが可能となる。また、ユーザは脈波検出装置71から出力された脈波データの適否を検討する必要がなくなるため、脈波データを容易に利用することが可能となる。また、温度センサ18は、指先12の先端側が接触するように配置されているため、指先12の低温部分の温度を計測することができ、指先12の全体が温度閾値T1以上であるか否かを正確に判定して、適正な脈波信号を取得することができる。
また、透光板16の上側表面の全面に渡って設定された測定領域29に、一対のLED2、フォトダイオード3、温度センサ18が配置されるため、透光板16上に置かれる指先12の温度を正確に検出することが可能となる。更に、ヒータ21が透光板16の外周部に設けられていないため、一対のLED2とフォトダイオード3の動作温度を低くして、脈波の検出精度の更なる向上を図ることが可能となる。また、ユーザは、指先12を案内部7Aの形状に合わせて置くことによって、指先12が透光板16上に案内されるため、指先12の脈波の検出を迅速に実行することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る脈波検出装置81について図10に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図6の第1実施形態に係る脈波検出装置1の構成等と同一符号は、第1実施形態に係る脈波検出装置1の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
次に、第3実施形態に係る脈波検出装置81について図10に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図6の第1実施形態に係る脈波検出装置1の構成等と同一符号は、第1実施形態に係る脈波検出装置1の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第3実施形態に係る脈波検出装置81の概略構成は、第1実施形態に係る脈波検出装置1とほぼ同じ構成である。また、ROM43には、脈波を検出する「脈波検出処理1」のプログラムが記憶されている。
但し、図10に示すように、第3実施形態に係る脈波検出装置81は、上蓋7の上側表面部に、案内部7Aに替えて、前後方向中央部から前端部までの間の略中央位置から後端部まで、所定深さ、例えば、約5mmの深さで窪んで、2本の指先12、82を上側から挿入可能な案内部84が形成されている。案内部84の左右方向の幅は、上蓋7の右端側から左方向の部分に、2本の指先12、82を上側から置くことができるように、案内部7Aの左右方向の幅の約2倍の幅寸法に形成されている。
また、案内部84の前側の端縁部は、2本の指先12、82の先端部の形状に合うように、平面視前側方向に突出する2個の円弧状部84B、84Cが左右方向に連続して形成されている。また、指先12の先端部に対向する円弧状部84Bの前側端縁部から上蓋7の前端部までの距離は、案内部7の指先12の先端部に対向する前側端縁部から上蓋7の前端部までの距離にほぼ等しくなるように形成されている。
また、回路基板11は、上蓋7の左右方向中央部よりも左側の位置に配置され、案内部84の底面部84Aに2本の指の指先12、82を上側から置いた場合には、指先12の表面が透光板16上に密着し、指先82の表面が底面部84A上に密着するように構成されている。例えば、右手の人差し指の指先12を透光板16上に置くと共に、右手の中指の指先82を底面部84A上に置くことが可能に構成されている。
また、2本の指先12、82のうち、透光板16に対して右側に置かれた指先82に対向する位置には、温度センサ18に替えて、温度センサ83が配置されている。この温度センサ83は、底面部84Aの上端面から所定深さ、例えば、1.5mmの深さで窪んだ凹部85が形成され、サーミスタ等で構成された温度センサ83が凹部85内に固定されている。
また、底面部84Aの上端面には、ヒータ21に替えて、透光板16が嵌入される貫通孔13の上端外周縁部から、透光板16に対して右側に置かれた指先82に対向する部分まで略横長四角形に延出されたヒータ(ヒータ部)86が埋め込まれている。また、温度センサ83の外周部とヒータ86との間には、温度センサ83の全周に渡って所定幅、例えば、2mmの幅の隙間87が形成され、温度センサ83とヒータ86とは、離れて配置されている。
従って、第3実施形態に係る脈波検出装置81では、CPU41は、上記「脈波検出処理1」を実行することによって、第1実施形態に係る脈波検出装置1が奏する効果と同様の効果を奏することが可能である。尚、ユーザは、脈波検出装置81の案内部84に合わせて、透光板16上に指先12を置き、温度センサ83上に指先82を置いている。そして、ユーザが、パーソナルコンピュータ51に接続された不図示のキーボード等を介して、脈波検出装置81による脈波の検出開始を指示する脈波検出指示を入力した場合に、パーソナルコンピュータ51は、ケーブル5を介して検出開始信号を脈波検出装置81に対して出力する。
また、第3実施形態に係る脈波検出装置81では、温度センサ83は、透光板16に対して右側に置かれた指先82に対向する位置に配置されるため、一対のLED2及びフォトダイオード3を大きくして、一対のLED2の発光強度を高めることができ、指先12に対する脈波の検出精度の向上を図ることが可能となる。更に、ヒータ86の面積を大きくすることができ、指先12及び指先82を迅速に暖めることが可能となり、指先12の脈波測定時間の短縮化を図ることが可能となる。また、ユーザは、2本の指先12、82を案内部84の形状に合わせて底面部84に上側から置くことによって、指先12が透光板16上に案内されると共に、指先82が温度センサ83上に案内されるため、指先12の脈波の検出を迅速に実行することができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る脈波検出装置91について図11に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図6の第1実施形態に係る脈波検出装置1、及び、上記図10の第3実施形態に係る脈波検出装置81の構成等と同一符号は、第1実施形態に係る脈波検出装置1及び第3実施形態に係る脈波検出装置81の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
次に、第4実施形態に係る脈波検出装置91について図11に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図6の第1実施形態に係る脈波検出装置1、及び、上記図10の第3実施形態に係る脈波検出装置81の構成等と同一符号は、第1実施形態に係る脈波検出装置1及び第3実施形態に係る脈波検出装置81の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第4実施形態に係る脈波検出装置91の概略構成は、第3実施形態に係る脈波検出装置81とほぼ同じ構成である。
但し、図11に示すように、第4実施形態に係る脈波検出装置91は、ヒータ86が設けられていない点で異なっている。また、ROM43には、脈波を検出する「脈波検出処理1」のプログラムに替えて、脈波を検出する「脈波検出処理2」のプログラムが記憶されている点で異なっている。
但し、図11に示すように、第4実施形態に係る脈波検出装置91は、ヒータ86が設けられていない点で異なっている。また、ROM43には、脈波を検出する「脈波検出処理1」のプログラムに替えて、脈波を検出する「脈波検出処理2」のプログラムが記憶されている点で異なっている。
また、脈波検出装置91は、案内部84に替えて、案内部7Aが上蓋7の左右方向中央部よりも左側の位置に配置されている。また、この案内部7Aの右側には、緑色LED23の少し下側から後端部まで、所定深さ、例えば、約5mmの深さで窪んで、指先82を上側から挿入可能な平面視略U字形の案内部92が、案内部7Aに対して平行に配置されている。案内部92の指先82の先端部に対向する円弧上部92Aは、上蓋7の右端部まで延出されているため、案内部92の右側縁部は、開放されている。また、案内部92の左右方向の幅は、案内部7Aの左右方向の幅にほぼ等しくなるように形成されている。
また、回路基板11は、上蓋7の左右方向中央部よりも左側の位置に配置され、案内部7Aの底面部7Bには、上蓋7の前後方向中央部よりも少し後ろ側の位置において、底面部7Bの左右方向中央部に、透光板16、一対のLED2、フォトダイオード3が配置されている。また、案内部92の底面部92Bには、上蓋7の前後方向中央部で、且つ、底面部92Bの左右方向中央部の位置に、温度センサ18に替えて、温度センサ83が配置されている。この温度センサ83は、底面部92Bの上端面から所定深さ、例えば、1.5mmの深さで窪んだ凹部85が形成され、サーミスタ等で構成された温度センサ83が凹部85内に固定されている。
従って、第4実施形態に係る脈波検出装置91では、CPU41は、上記「脈波検出処理2」を実行することによって、第2実施形態に係る脈波検出装置71が奏する効果と同様の効果を奏することが可能である。尚、ユーザは、指先12を案内部7Aに合わせて、透光板16上に置き、指先82を案内部92に合わせて、温度センサ83上に置いている。そして、ユーザが、パーソナルコンピュータ51に接続された不図示のキーボード等を介して、脈波検出装置91による脈波の検出開始を指示する脈波検出指示を入力した場合に、パーソナルコンピュータ51は、ケーブル5を介して検出開始信号を脈波検出装置91に対して出力する。
また、第4実施形態に係る脈波検出装置91では、温度センサ83は、案内部92の底面部92Bに置かれた指先82に対向する位置に配置されるため、一対のLED2及びフォトダイオード3を大きくして、一対のLED2の発光強度を高めることができ、指先12に対する脈波の検出精度の向上を図ることが可能となる。また、ユーザは、各指先12、82を各案内部7A、92の形状に合わせて置くことによって、指先12が透光板16上に案内されると共に、指先82が温度センサ83上に案内されるため、指先12の脈波の検出を迅速に実行することができる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る脈波検出装置101について図12に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図6の第1実施形態に係る脈波検出装置1の構成等と同一符号は、第1実施形態に係る脈波検出装置1の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
次に、第5実施形態に係る脈波検出装置101について図12に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図6の第1実施形態に係る脈波検出装置1の構成等と同一符号は、第1実施形態に係る脈波検出装置1の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
第5実施形態に係る脈波検出装置101の概略構成は、第1実施形態に係る脈波検出装置1とほぼ同じ構成である。また、ROM43には、脈波を検出する「脈波検出処理1」のプログラムが記憶されている。
但し、図12に示すように、第5実施形態に係る脈波検出装置101は、ヒータ21に替えて、透光板16の後端縁部の近傍位置に、左右方向に長い平面視細長四角形状のヒータ102が、案内部7Aの底面部7Bに埋め込まれている。つまり、ヒータ102は、透光板16の指先12の根元側の端縁部の近傍位置に、左右方向に沿って配置されている。ヒータ102の左右方向の長さは、指先12の幅よりも長くなるように形成されている。そのため、案内部7Aの左右方向における両側面部には、透光板16の指先12の根元側の端縁部に対向する位置から後端部まで、ヒータ102の左右両端部よりも外側に位置するように左右方向外側に拡張された各拡張部7Cが設けられている。
従って、第5実施形態に係る脈波検出装置101では、CPU41は、上記「脈波検出処理1」を実行することによって、第1実施形態に係る脈波検出装置1が奏する効果と同様の効果を奏することが可能である。尚、ユーザは、脈波検出装置101の案内部7Aに合わせて、透光板16上に指先12を置いている。また、ヒータ102は、透光板16の指先12の根元側の端縁部の近傍位置に、左右方向に沿って配置されているため、一対のLED2とフォトダイオード3へのヒータ102よる加熱の影響を回避して脈波の検出精度の更なる向上を図ることが可能となる。また、ユーザは、指先12を案内部7Aの形状に合わせて置くことによって、指先12が透光板16上に案内されるため、指先12の脈波の検出を迅速に実行することができる。
尚、本発明は前記第1実施形態乃至第5実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
(A)例えば、前記第3実施形態に係る脈波検出装置81において、案内部84を上蓋7の左右方向中心線に対して左右反転して配置してもよい。また、前記第4実施形態に係る脈波検出装置91において、各案内部7A、92を上蓋7の左右方向中心線に対して左右反転して配置してもよい。そして、それぞれにおいて、回路基板11を左右方向中央部よりも右側の位置に配置するようにしてもよい。また、温度センサ83を透光板16に対して左側に置かれた指先に対向する位置に配置するようにしてもよい。
これにより、左手の人差し指の指先を透光板16上に置き、左手の中指の指先を温度センサ83上に置いた状態で、右手でパーソナルコンピュータ51に接続された不図示のキーボード等を容易に操作することが可能となる。
(B)例えば、各脈波検出装置1、71、81、91、101において、各案内部7A、84、92の形状を変更して、透光板16上に足の指の指先、耳等の末梢部位を載置して、脈波を検出するようにしてもよい。
1、71、81、91、101 脈波検出装置
2 LED
3 フォトダイオード
7A、84、92 案内部
11 回路基板
12、82 指先
16 透光板
18、83 温度センサ
21、86、102 ヒータ
28 血管
31 制御回路部
41 CPU
42 RAM
43 ROM
61、62 脈波信号
2 LED
3 フォトダイオード
7A、84、92 案内部
11 回路基板
12、82 指先
16 透光板
18、83 温度センサ
21、86、102 ヒータ
28 血管
31 制御回路部
41 CPU
42 RAM
43 ROM
61、62 脈波信号
Claims (8)
- 末梢部位の血管の脈波を検出する脈波検出部と、
前記末梢部位の温度を計測する温度計測部と、
前記温度計測部によって計測された計測温度が、所定の脈波計測閾値以上か否かを判定する温度判定部と、
前記温度判定部により前記計測温度が前記脈波計測閾値以上であると判定されない場合には、前記脈波検出部による脈波の検出を実行せず、
前記温度判定部により前記計測温度が前記脈波計測閾値以上であると判定された場合に、前記脈波検出部を介して前記脈波の検出を実行するように制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする脈波検出装置。 - 前記末梢部位を暖めるヒータ部を備え、
前記制御部は、前記温度判定部により前記計測温度が前記脈波計測閾値以上であると判定されない場合には、前記ヒータ部に電力を供給するように制御することを特徴とする請求項1に記載の脈波検出装置。 - 前記脈波検出部は、前記末梢部位として手の指先の脈波を検出し、
前記温度計測部は、前記脈波検出部が脈波を検出する第1の指先の温度を計測するように配置され、前記第1の指先の温度を継続して計測することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の脈波検出装置、 - 前記制御部は、前記温度判定部を介して前記計測温度が前記脈波計測閾値以上であると判定されるまで前記温度計測部に電力を供給するように制御し、
前記温度判定部を介して前記計測温度が前記脈波計測閾値以上であると判定された場合には、前記ヒータ部への電力の供給を停止することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の脈波検出装置。 - 前記脈波検出部は、
前記末梢部位に向けて光を発する発光素子と、
前記発光素子が発した光のうち前記末梢部位から反射してくる光を受光可能な受光素子と、
前記発光素子が発した光と前記末梢部位から反射して前記受光素子が受光する光の光路上に配置される透光板と、
を有し、
前記ヒータ部は、前記透光板の外側周縁部に配置され、
前記末梢部位を配置させる測定領域に、前記脈波検出部と、前記温度計測部と、前記ヒータ部とが配置されることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の脈波検出装置。 - 前記温度計測部は、前記ヒータ部から所定距離だけ離間して配置されていることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の脈波検出装置。
- 前記温度計測部は、前記脈波検出部に対して前記末梢部位の先端側に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の脈波検出装置。
- 前記末梢部位の形状に合わせて形成されると共に、前記末梢部位を前記脈波検出部及び前記温度計測部に案内するように形成された案内部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の脈波検出装置。
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A02 | Decision of refusal |
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