JP2015187301A - 水素吸蔵合金、電極、及び蓄電素子 - Google Patents

水素吸蔵合金、電極、及び蓄電素子 Download PDF

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佳照 川部
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Abstract

【課題】 放電容量の増加とサイクル寿命特性の改善とを図ることができる希土類−Mg−Ca−Ni系の水素吸蔵合金、該合金を含む電極、及び、該電極を備えた蓄電素子を提供することを課題とする。
【解決手段】 化学組成が、一般式 M1vCaxMgyNizM2wで表され、
M1が、Yを含む希土類元素からなる群から選択される1又は2以上の元素であり、
M2が、Co、Al、Mn、及びSiからなる群から選択される1又は2以上の元素であり、
一般式が、0.08≦x/(v+x+y)≦0.25、及び、0.97≦z/(z+w)≦1.00を満たし、且つ、
一般式が、v+x+y=1としたときに、x+y−{(5−z)/6}>0を満たす水素吸蔵合金等を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水素吸蔵合金、該合金を含む電極、及び、該電極を備えた蓄電素子に関する。
蓄電素子としては、例えば、高エネルギー密度を有する電池として知られるニッケル水素蓄電池が知られている。ニッケル水素蓄電池は、従来、デジタルカメラやノート型パソコン等の小型電子機器類の電源のほか、アルカリマンガン電池等の一次電池の代替として、広く利用されている。
蓄電素子としてのニッケル水素蓄電池は、水酸化ニッケルを主成分とする正極活物質を含んでなるニッケル電極(正極)、水素吸蔵合金を主材料とする負極、セパレータ、及びアルカリ電解液を構成材料として備えている。これらの構成材料のうち、特に、負極の主材料となる水素吸蔵合金は、放電容量やサイクル特性といったニッケル水素蓄電池の性能に大きな影響を及ぼすものであることから、従来、種々の水素吸蔵合金が検討されている。
水素吸蔵合金としては、CaCu5型結晶構造を有するAB5型の希土類−Ni系合金や、より放電容量を高めうる希土類−Mg−Ni系合金等が知られている。
たとえば、希土類−Mg−Ni系合金としては、より放電容量を高めうるものとして、Mgの一部がCaで置換されてなる希土類−Mg−Ca−Ni合金(以下、本明細書において、「希土類−Mg−Ca−Ni系の水素吸蔵合金」ともいう。)が、下記特許文献1及び特許文献2に記載されている。
希土類−Mg−Ca−Ni系の水素吸蔵合金としては、該合金のNiの一部を、いわゆるB側元素と称されるNi以外の元素であって水素親和力の弱いAl、Co、Mnなどの元素で置換した合金が、特許文献1及び特許文献2に記載されている。特許文献1に記載されているように、Niの一部をNi以外のB側元素で置換することによって、合金の水素吸蔵・放出速度を向上させることができる。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された希土類−Mg−Ca−Ni系の水素吸蔵合金は、カルシウムの存在によって水素吸蔵容量が多くなり放電容量が向上するものの、カルシウムやマグネシウムの添加量が増すことに伴って耐久性が低下する。従って、該合金を用いて構成した電池のサイクル寿命が低下するという問題がある。
また、希土類−Mg−Ca−Ni系の水素吸蔵合金においては、上記のようにNiの一部をニッケル以外のB側元素で置換した場合、置換元素の量が多くなりすぎると、放電容量の向上が抑制される、という問題がある。
特開2002−105564号公報 特開2008−71687号公報
そこで、本発明は、放電容量の増加とサイクル寿命特性の改善とを図ることができる希土類−Mg−Ca−Ni系の水素吸蔵合金、該合金を含む電極、及び、該電極を備えた蓄電素子を提供することを課題とする。
上記課題を解決するべく、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、希土類−Mg−Ca−Ni系の水素吸蔵合金において、特に、組成を一定の比率に調整することによって、カルシウムが添加されていても、優れたサイクル特性の向上作用が発揮されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、化学組成が、一般式 M1vCaxMgyNizM2wで表され、
M1が、Yを含む希土類元素からなる群から選択される1又は2以上の元素であり、
M2が、Co、Al、Mn、及びSiからなる群から選択される1又は2以上の元素であり、
一般式が、0.08≦x/(v+x+y)≦0.25、及び、0.97≦z/(z+w)≦1.00を満たし、且つ、
一般式が、v+x+y=1としたときに、x+y−{(5−z)/6}>0を満たす水素吸蔵合金を提供する。
本発明の水素吸蔵合金は、上記の化学組成で表されるものであるため、蓄電素子用の電極材料、特に、ニッケル水素蓄電池用の電極材料として用いられたときに、高容量であり且つサイクル寿命特性に優れたニッケル水素蓄電池を提供できる。
なお、上記の一般式において、特に言及しない限り、v、w、x、y、zは、いずれも各元素の原子数の比率を示す。
本発明の水素吸蔵合金の一態様としては、A27相及びA519相の少なくとも一方を結晶相の主相として含む態様を採用できる。
本発明の水素吸蔵合金の他態様としては、一般式が、3.3≦(z+w)/(v+x+y)≦3.6を満たす態様を採用できる。
本発明の水素吸蔵合金の他態様としては、一般式が、0.1≦x/(v+x+y)≦0.25を満たす態様を採用できる。
本発明に係る電極は、上記の水素吸蔵合金を水素貯蔵媒体として含む。
本発明に係る蓄電素子は、上記の電極を負極として備える。
本発明によれば、放電容量の増加とサイクル寿命特性の改善とを図ることができる希土類−Mg−Ca−Ni系の水素吸蔵合金を提供できる。また、この合金を含む電極、この電極を備えた蓄電素子を提供できる。
以下、本発明に係る水素吸蔵合金の一実施形態について説明する。
本実施形態の水素吸蔵合金は、化学組成が、一般式 M1vCaxMgyNizM2wで表され、
M1が、Yを含む希土類元素からなる群から選択される1又は2以上の元素であり、
M2が、Co、Al、Mn、及びSiからなる群から選択される1又は2以上の元素であり、
一般式が、0.08≦x/(v+x+y)≦0.25、及び、0.97≦z/(z+w)≦1.00を満たし、且つ、v+x+y=1としたときに、一般式が、x+y−{(5−z)/6}>0を満たすものである。
好ましくは、本実施形態の水素吸蔵合金は、一般式において、v+x+y=1としたときに0.16≦y≦0.30であり、z+w=1としたときに0.97≦z≦1.00であり、且つ、3.2≦(z+w)/(v+x+y)≦4.0であって、x+y−{(5−z)/6}>0を満たすものである。
即ち、本実施形態の水素吸蔵合金は、Y(イットリウム)を含む希土類元素をM1として含み、さらにMg、Ni及びCaを含む希土類−Mg−Ca−Ni系の水素吸蔵合金の一種である。
なお、以下、本明細書中では、上記の希土類元素、Mg及びCaを総称して、A側元素ともいう。また、Ni及びM2を総称して、B側元素ともいう。
M1としての希土類元素は、Y(イットリウム)を含む元素群を意味する。
M1としての希土類元素は、具体的には、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)である。
本実施形態におけるM1は、上記のごとく例示した元素の中から選択される単独の1種であっても良く、2種以上が組み合わされていても良い。M1は、La、Nd、及びYからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、La、Nd、及びYからなる群より選択され少なくともLaを含む1種以上であることがより好ましい。
本実施形態の水素吸蔵合金においては、一般式において、M1の原子数の比率[v/(v+x+y)]が、0.5≦[v/(v+x+y)]≦0.9を満たすことが好ましく、0.65≦[v/(v+x+y)]≦0.8を満たすことがより好ましく、0.65≦[v/(v+x+y)]≦0.75を満たすことがさらに好ましい。
本実施形態の水素吸蔵合金においては、一般式において、Mgの原子数の比率[y/(v+x+y)]が、0.1≦[y/(v+x+y)]≦0.3を満たすことが好ましい。
特に、0.15≦y/(v+x+y)≦0.25を満たすMgの量であることがより好ましい。
Mgの量が上記の範囲であることにより、斯かる水素吸蔵合金を含む負極電極を備えたニッケル水素蓄電池において、サイクル寿命性能が向上する。
本実施形態の水素吸蔵合金においては、一般式において、Caの原子数の比率[x/(v+x+y)]が、0.08≦[x/(v+x+y)]≦0.25を満たす。本実施形態の水素吸蔵合金においては、[x/(v+x+y)]≦0.15であることが好ましい。
Caの量が上記の範囲であることにより、斯かる水素吸蔵合金を含む負極電極を備えたニッケル水素蓄電池において、高容量化が達成でき、また、サイクル寿命性能が向上する。
本実施形態の水素吸蔵合金は、一般式において、v+x+y=1としたときに、x+y−{(5−z)/6}>0を満たす。この一般式を満たすことにより、合金の結晶構造における希土類サイトの概ね過半数以上をCaが占有することになる。このことにより、A27相またはA519相が安定的に生成するため、充放電にともなう結晶構造のひずみを抑制することができ、合金粒子の割れ・微粉化の抑制が可能となると考えられる。本実施形態の水素吸蔵合金は、一般式において、0<x+y−{(5−z)/6}<0.12を満たすことが好ましい。
本実施形態の水素吸蔵合金は、一般式において、M1、Ca、Mgの合計原子数(v+x+y)と、M2及びNiの合計原子数(z+w)との比が、3.3≦(z+w)/(v+x+y)≦3.6であることが好ましい。
A側元素の合計原子数(v+x+y)に対する、B側元素の合計原子数(z+w)の比(以下、本明細書中ではB/A比ともいう。)が3.3以上3.6以下であることによって、本実施形態の水素吸蔵合金を備えた電池をより高容量化でき、且つ、電池のサイクル寿命特性を優れたものにできる。
本実施形態の水素吸蔵合金は、互いに異なる結晶構造を有する2以上の結晶相を備えた希土類―Mg−Ni系の水素吸蔵合金である。好ましくは、本実施形態の水素吸蔵合金は、これら2以上の結晶相が、該結晶構造のc軸方向に積層されてなる希土類−Mg−Ni系の水素吸蔵合金である。
結晶相としては、六方晶Ce2Ni7型の結晶構造からなる結晶相(以下、単にCe2Ni7相ともいう)、及び、菱面体晶Gd2Co7型の結晶構造からなる結晶相(以下、単にGd2Co7相ともいう)が挙げられる。結晶相としては、他にも、菱面体晶La5MgNi24型結晶構造からなる結晶相、六方晶Pr5Co19型結晶構造からなる結晶相(以下、単にPr5Co19相ともいう)、菱面体晶Ce5Co19型結晶構造からなる結晶相(以下、単にCe5Co19相ともいう)、六方晶CaCu5型結晶構造からなる結晶相、立方晶AuBe5型結晶構造からなる結晶相菱面体晶PuNi3型結晶構造からなる結晶相などが挙げられる。なお、本明細書においては、上記Ce2Ni7相および上記Gd2Co7相をA27相と称し、上記Pr5Co19相および上記Ce5Co19相をA519相と称する。
本実施形態の水素吸蔵合金においては、結晶相の主相がA27相及びA519相の少なくとも一方であることが好ましく、結晶相の主相がA27相であることがより好ましい。
27相としては、Ce2Ni7相及びGd2Co7相の少なくとも一方が好ましい。即ち、本実施形態の水素吸蔵合金においては、Ce2Ni7相及びGd2Co7相の少なくとも一方が主相であることが好ましい。
本実施形態の水素吸蔵合金においては、Ce2Ni7相及びGd2Co7相の少なくとも一方が主相であることにより、水素の吸蔵放出を繰り返した際の劣化(微粉化)が起こりにくいという優れた特性が発揮される。
この特性は、各結晶相間の膨張収縮率の差が小さいため歪みが生じ難いことに起因すると考えられる。
従って、Ce2Ni7相又はGd2Co7相の割合が増えることによって、電極のサイクル寿命特性がより優れたものになる。
なお、主相とは、該当する結晶相の質量割合が、結晶相全体の質量に対して、75質量%以上であることを意味する。
27相の結晶構造(例えば、Ce2Ni7型の結晶構造又はGd2Co7型の結晶構造)とは、A24ユニット間にAB5ユニットが2ユニット分挿入された結晶構造である。
24ユニットとは、六方晶MgZn2型結晶構造(C14構造)又は六方晶MgCu2型結晶構造(C15構造)を有する構造ユニットである。一方、AB5ユニットとは、六方晶CaCu5型結晶構造を有する構造ユニットである。
水素吸蔵合金において結晶相が積層されている場合、各結晶相の積層順は、特に限定されない。例えば、水素吸蔵合金においては、複数種の結晶相が組み合わされて繰返し周期性をもって積層されていてもよく、複数種の各結晶相が無秩序に周期性なく積層されていてもよい。
主相としてのA27相の合計含有率(Ce2Ni7相及びGd2Co7相の合計含有率)は、水素吸蔵合金において、75質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
なお、結晶相における各結晶構造および結晶相の含有率は、例えば、粉砕した合金粉末についてX線回折測定を行い、得られたX線回折パターンをリートベルト法により解析することによって特定できる。
M2としての元素(M2元素)は、遷移元素などの水素親和力の弱いNi以外の元素であって、Niと置換しうる元素である。M2としての元素は、具体的には、Co、Al、Mn、及びSiからなる群から選択される1種又は2種以上である。
M2元素の量は、M1、Mg、又はCaの作用を無くさない範囲で調整される。従って、M2元素の添加量は、ゼロでもよい。M2元素の量は、できる限り少量であることが好ましい。
一方で、M2元素の一部は、たとえば、合金の微粉化を抑制する等の有益な作用をもたらす。従って、斯かる有益な作用をもたらすM2元素は、B側元素に対する割合が0.03未満となる量で添加されてもよい。
具体的には、M2元素の添加量は、一般式において、NiとM2元素との合計原子数に対して(即ち、z+w=1としたときに)、Niの原子数の比率zが、0.97≦z≦1になるように調整される。
即ち、B側元素中のNi以外のM2元素の添加量wは、一般式において、z+w=1としたときに、0以上0.03以下、好ましくは0.03未満の原子数に調整される。
本実施形態の水素吸蔵合金は、以下のような製造方法によって得ることができる。
例えば、水素吸蔵合金の製造方法においては、所定の組成比となるように配合された合金原料を溶融する溶融工程を行う。次に、該溶融した合金原料を冷却して凝固させる冷却工程を行う。さらに、冷却された合金を加圧状態の不活性ガス雰囲気下で焼鈍する焼鈍工程を行う。これらの工程を行うことによって、本実施形態の水素吸蔵合金が製造される。
より具体的には、まず、目的とする水素吸蔵合金の化学組成に基づき、原料インゴッド(合金原料)を所定量秤量する。
溶融工程においては、合金原料をルツボに入れ、不活性ガス雰囲気中又は真空中で高周波溶融炉を用い、例えば、1200〜1600℃に加熱して合金原料を溶融させる。
冷却工程においては、溶融した合金原料を冷却して固化させる。冷却速度は、いわゆる徐冷でもよく、1000K/秒以上(急冷ともいう)でもよい。1000K/秒以上で急冷することにより、合金組成が微細化し、均質化するという効果がある。また、該冷却速度は、1000000K/秒以下の範囲に設定することができる。
該冷却方法としては、具体的には、水冷金型法、冷却速度が100000K/秒以上であるメルトスピニング法、冷却速度が10000K/秒程度であるガスアトマイズ法などを好適に用いることができる。
焼鈍工程においては、不活性ガス雰囲気下の加圧状態において、例えば、電気炉等を用いて860〜1000℃に加熱する。加圧条件としては、0.2〜1.0MPa(ゲージ圧)が好ましい。また、該焼鈍工程における処理時間は、3〜50時間であることが好ましい。
上述した手順によって製造された本実施形態の水素吸蔵合金は、例えば、粉砕されて、負極材料とされる。
粉砕は、焼鈍の前又は後のどちらで行ってもよいが、粉砕によって合金の表面積が大きくなるため、合金の表面酸化を防止する観点から、焼鈍の後に行うことが好ましい。粉砕は、合金の表面酸化を防止するために、不活性雰囲気中で行うことが好ましい。粉砕としては、例えば、機械粉砕、水素化粉砕などが採用される。
次に、本実施形態の電極について説明する。本実施形態の電極は、例えば、負極であり、上記の水素吸蔵合金を水素貯蔵媒体として含むものである。
本実施形態の電極(負極)は、粉砕によって得られた合金の粉末である負極材料と、溶媒と、必要に応じて導電剤、結着剤及び増粘剤等とを混合することによって混合液を得て、混合液を集電体の上に塗布し、塗布した混合液を乾燥することによって、好適に作製される。
導電剤としては、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば限定されない。
導電剤としては、通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛等)、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカー、炭素繊維、気相成長炭素、金属(ニッケル、金等)粉、金属繊維等の導電性材料の1種又は2種以上の混合物が採用される。
結着剤としては、通常、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のポリマーの1種又は2種以上の混合物が採用される。結着剤の添加量は、負極の総量に対して、0.1〜3質量%であること好ましい。
増粘剤としては、通常、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、キサンタンガム等の多糖類の1種又は2種以上の混合物が採用される。増粘剤の添加量は、負極の総量に対して、0.1〜3質量%であることが好ましい。
電極(負極)の作製においては、例えば、合金粉末、導電剤及び結着剤等を、水やアルコール、トルエン等の有機溶媒に混合した後、混合液を集電体の上に塗布し、乾燥によって有機溶媒を揮発させる。
塗布方法としては、例えば、アプリケーターロールなどのローラーコーティング、スクリーンコーティング、ブレードコーティング、スピンコーティング、パーコーティング等の手段を用いて、所定の厚み及び所定の形状に塗布する方法が好適であるが、これらの手段に限定されない。
集電体としては、厚さ5〜700μm程度の、例えば、ニッケルやニッケルメッキした鋼板などの金属箔板を用いることができる。集電体としては、安価であり且つ導電性に優れる鉄箔に、耐還元性向上のためのニッケルメッキを施した、パンチング板が好ましい。
パンチング板においては、パンチング径が2.0mm以下、開口率が40%以上であることが好ましい。これにより、結着剤が少量であっても、合金粉末を含む混合液と集電体との密着性を高めることができる。
本実施形態の電極(負極)は、例えば、上述した方法によって、集電体に混合液を塗布し、乾燥した後、さらに、プレス機械などによって所定厚みになるようにプレスすることによって作製される。
続いて、本実施形態の蓄電素子について説明する。本実施形態の蓄電素子としては、例えば、ニッケル水素蓄電池(アルカリ蓄電池)が挙げられる。
上記のごとく作製した負極を用いて、蓄電素子の一例であるニッケル水素蓄電池を製造する方法について以下に説明する。
本実施形態のニッケル水素蓄電池は、負極と正極とセパレータとを積層して、積層したものをケース中に電解液と共に封入することによって作製することができる。
正極は、例えば、正極活物質と、溶媒と、負極の作製において用いたものと同様の導電剤、結着剤、及び増粘剤等とを混合し、得られた混合液を集電体の上に塗布し、乾燥によって溶媒を揮発させることによって作製される。
正極活物質としては、水酸化ニッケルを主成分とし且つ水酸化亜鉛や水酸化コバルトが混合されてなる水酸化ニッケル複合酸化物などを用いることができる。正極活物質としては、共沈法によって均一分散した該水酸化ニッケル複合酸化物を用いることが好ましい。
正極用の集電体としては、アルカリに対する耐食性と耐酸化性に優れたニッケルを材料としたものであって、集電性に優れた多孔体構造(発泡体構造)を有するものが好ましい。
正極は、例えば、負極と同様にして、混合液を正極用の集電板に塗布し、乾燥後、プレス機械などによって所定厚みになるようにプレスすることによって作製される。
セパレータとしては、多孔膜や不織布等の1種単独物で構成されたもの、又は、2種以上が併用されて構成されたものが好ましい。セパレータを構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、又は、ナイロンなどが挙げられる。
本実施形態のニッケル水素蓄電池は、例えば、正極、セパレータ及び負極を積層した電極体をケースに収容する前又は後に、電解液をケースに注液し、ケースを封止することによって、好適に作製される。
巻回された電極体を備えた密閉型ニッケル水素蓄電池の製造においては、正極と負極とがセパレータを介して積層された積層物を巻回する前又は後に、電解液を電極体に注液することが好ましい。注液は、常圧で行うこともでき、真空含浸法、加圧含浸法、又は遠心含浸法によって行うこともできる。
ニッケル水素蓄電池のケースの材料としては、ニッケルメッキした鉄やステンレススチール、ポリオレフィン系樹脂等が一例として挙げられる。
ニッケル水素蓄電池の態様は、特に限定されず、具体例としては、例えば、正極、負極、及び単層又は複層のセパレータを備えた電池が挙げられる。また、具体例としては、例えば、コイン電池、ボタン電池、角型電池、扁平型電池、あるいは、ロール状の正極、負極及びセパレータを有する円筒型電池等を挙げることができる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<水素吸蔵合金の作製>
(実施例1)
以下に示す方法により、水素吸蔵合金を作製した。
化学組成が表1の実施例1となるように原料インゴットを所定量秤量してルツボに入れ、減圧アルゴンガス雰囲気下で高周波溶解炉を用いて1500℃に加熱し、材料を溶解した。溶融後、メルトスピニング法を適用して急冷し、合金を固化させた。
次に、得られた合金を0.2MPa(ゲージ圧、以下同じ)に加圧されたアルゴンガス雰囲気下で、910℃にて熱処理を5時間おこなった後、得られた水素吸蔵合金を粉砕して、平均粒径(D50)が50μmの水素吸蔵合金粉末とした。
(実施例2〜17)
水素吸蔵合金の組成を表1の実施例2〜17に示した組成とした以外は、実施例1と同様にして水素吸蔵合金をそれぞれ作製した。
(比較例1〜14)
水素吸蔵合金の組成を表1の比較例1〜14に示した組成とした以外は、実施例1と同様にして水素吸蔵合金を作製した。
<開放形ニッケル水素電池の作製>
上記のようにして得られた水素吸蔵合金粉末100質量部に、ニッケル粉末(INCO製#210)3質量部を加えて混合した後、増粘剤(メチルセルロース)を溶解した水溶液を加え、さらに、結着剤(スチレンブタジエンゴム)を1質量部加えてペースト状にしたものを厚さ35μmの穿孔鋼板(開口率50%)の両面に塗布して乾燥させた後、厚さ0.33mmにプレスして、負極板とした。
また、正極板には負極容量の3倍の容量をもつシンター式水酸化ニッケル電極を用いた。
セパレータを介して負極を正極で挟み込み、これらの電極に1kgfの圧力がかかるようにこれらの電極を固定して7M水酸化カリウム水溶液を注入し、開放形セルを組み立てた。
<開放形ニッケル水素電池の評価>
(最大放電容量の測定)
20℃の水槽中で、0.1ItAで150%の充電と、0.2ItAで終止電位が−0.6V(対Hg/HgO)となる放電とを、50サイクル繰り返した。そして、その間の最大放電容量を測定した。結果を表1に示す。
(容量維持率の測定)
最大放電容量の測定時における1サイクル目と50サイクル目の放電容量から、次式により容量維持率を求めた。
容積維持率(%)=(50サイクル目放電容量)/(1サイクル目放電容量)×100
結果を表1に示す。
また、各実施例、各比較例で作製された水素吸蔵合金の結晶構造について調べた。
<エックス線回折による結晶相の構造解析>
各実施例、各比較例で作製された水素吸蔵合金について、エックス線回折測定による構造解析を行った。
具体的には、得られた水素吸蔵合金を乳鉢で粉砕した後、粉末X線回折装置(リガク社製、RINT2400)を用い、ゴニオ半径185mm、発散スリット1deg.、散乱スリット1deg.、受光スリット0.15mm、X線源CuKα線、管電圧50kV、管電流200mAの条件で測定した。なお、回折角は、2θ=15.0〜85.0°の範囲とし、スキャンスピードは4.000°/min.、スキャンステップは0.020°とした。得られたX線回折結果に基づいてリートベルト法(解析ソフト、RIETAN2000使用)により構造解析を行なった。
Figure 2015187301
表1の結果から、各実施例の電池は比較例に比べて、最大放電容量及び50サイクル目の容積維持率が高いことが明らかである。
なお、各実施例の合金中の結晶相(2:7H相)の割合は、比較例に比べて高いことも明らかである。

Claims (6)

  1. 化学組成が、一般式 M1vCaxMgyNizM2wで表され、
    M1が、Yを含む希土類元素からなる群から選択される1又は2以上の元素であり、
    M2が、Co、Al、Mn、及びSiからなる群から選択される1又は2以上の元素であり、
    前記一般式が、0.08≦x/(v+x+y)≦0.25、及び、0.97≦z/(z+w)≦1.00を満たし、且つ、
    前記一般式が、v+x+y=1としたときに、x+y−{(5−z)/6}>0を満たす水素吸蔵合金。
  2. 27相及びA519相の少なくとも一方を結晶相の主相として含む請求項1に記載の水素吸蔵合金。
  3. 前記一般式が、3.3≦(z+w)/(v+x+y)≦3.6を満たす請求項1又は2に記載の水素吸蔵合金。
  4. 前記一般式が、0.1≦x/(v+x+y)≦0.15を満たす請求項1〜3のいずれか一項に記載の水素吸蔵合金。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の水素吸蔵合金を含む電極。
  6. 請求項5に記載の電極を負極として備えた蓄電素子。
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