JP2015186828A - 工作機械の冷却構造 - Google Patents

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Takahiro Serigano
貴裕 芹ヶ野
喜治 小澤
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喜治 小澤
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Abstract

【課題】簡単な構造で容易に形成することができ、かつ大量の冷却液を必要としない冷却構造を提供する。
【解決手段】工作機械の冷却構造は、工作機械の中ぐり主軸13と、中ぐり主軸13の軸方向に沿って配列され中ぐり主軸13を支持するための複数の軸受41と、配列された複数の軸受41の配列方向に沿って冷却液を流す冷却溝31と、を備え、冷却溝31は、中ぐり主軸13の周方向に延び、中ぐり主軸13の軸方向に配列された複数の周方向溝33と、中ぐり主軸13の軸方向に延び、隣接する周方向溝33同士を接続する軸方向溝35とを備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、工作機械の冷却構造に関し、特に、工作機械の軸受周辺の冷却構造に関する。
従来から、中ぐり盤のような工作機械において工具が装着された主軸を支持するための軸受を冷却するための構造として、主軸を囲むように主軸に固定されたスリーブの内周面に螺旋状の溝を設け、スリーブの内周と主軸の外周との間に冷却液を流し、主軸の冷却を効果的に行えるようにした冷却構造が知られている(例えば、特許文献1)。
また、このような軸受を有する工作機械において、主軸の回転精度と剛性を得る目的で、中ぐり盤の主軸を支持する軸受の外輪の間に外輪間座を設け、この外輪間座の熱変形を用いて外輪内輪を介して主軸に予圧を付与するこが知られている(例えば、特許文献2)。外輪間座を用いて軸受に予圧を付与する場合、低速回転時には高剛性を実現するために予圧を大きくするが、高速回転時には主軸又は軸受の熱による損傷を防止するために予圧を小さくするように調整する必要がある。この場合、外輪間座又は軸受ハウジングに冷却液を流す溝を設け、冷却液の温度を調整することにより予圧を適切に制御している。
特開2011−156597号公報 特開平3−73205号公報
上述したように、工作機械の軸受には、主軸と軸受の焼き付きを防止するために冷却する目的、場合によってはこれに加えて、軸受に予圧を加えるときの予圧を制御することを目的として、冷却液を流す溝を設けることが非常に重要である。
しかしながら、冷却液を流すための冷却溝の形成の容易にして形成のコストを抑制し、かつ冷却時に必要な冷却液の量を抑制する、という二つの課題を同時に解決することは困難である。即ち、冷却溝の形状が複雑だと冷却効率は向上する一方で溝を形成するコストが高価になり、また、独立した複数の冷却溝を設けると冷却効率が向上し、冷却溝の形状を単純にできるものの、冷却時に使用する冷却液の量や冷却液の圧送時に必要なポンプの台数が増えてしまう。
従って、本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、簡単な構造で容易に形成することができ、かつ大量の冷却液を必要としない冷却構造を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、工作機械の冷却構造であって、工作機械の主軸と、前記主軸の軸方向に沿って配列され前記主軸を支持するための複数の軸受と、配列された前記複数の軸受の配列方向に沿って冷却液を流す冷却溝と、を備え、前記冷却溝は、前記主軸の周方向に延び、前記主軸の軸方向に配列された複数の周方向溝と、前記主軸の軸方向に延び、隣接する前記周方向溝同士を接続する軸方向溝と、を備えていることを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、容易に形成できる周方向溝と、同様に容易に形成できる軸方向溝との組み合わせによって形成された冷却溝を有する冷却構造を提供することができる。このように、容易に形成することができる二種類の溝を組み合わせて冷却溝を形成することによって、冷却溝の形成時のコストを抑制することができる。また、冷却溝は、二種類の溝を組み合わせて形成された実質的に1本の溝なので、大量の冷却溝を必要としない。
また、本発明において好ましくは、前記複数の周方向溝には、溝を横切るように形成された堰き止め部が形成されており、前記軸方向溝は、前記堰き止め部に隣接して前記周方向溝に接続されている。
このように構成された本発明によれば、堰き止め部によって冷却液の周方向の流れを堰き止めた位置付近で冷却液を軸方向溝に流すことができる。これにより、周方向溝内において冷却溝の滞留を抑制し、スムーズに冷却液の流れる方向を切り替えることができる。
また、本発明において好ましくは、前記堰き止め部は、軸方向に直線上に配列されており、前記軸方向溝は、隣接する軸方向溝に対して、前記堰き止め部をまたいだ位置に形成されている。
このように構成された本発明によれば、堰き止め部を形成し易くすると共に、隣接する周方向溝同士で冷却液の流れる方向を逆向きにすることができる。
これらの場合において前記冷却溝は、前記主軸の外周面に形成されていることが好ましい。
また、これらの場合において、隣接する軸受の間に配置され、軸受の外輪に予圧を加える外輪間座を備えており、前記冷却溝は、前記外輪間座に形成されていることが好ましい。
また、これらの場合において、前記軸受を収容するハウジングを備え、前記冷却溝は、前記ハウジングに形成されていることが好ましい。
以上のように、本発明によれば、簡単な構造で容易に形成することができ、かつ大量の冷却液を必要としない冷却構造を提供することができる。
本発明の実施形態による冷却構造を適用した工作機械の正面図である。 本発明の実施形態による冷却構造を適用した工作機械の側面図である。 本発明の実施形態による冷却構造を構成する冷却溝を示す上面図である。 本発明の実施形態による中ぐり盤の主軸に沿った断面図であり、冷却溝の位置の一例を説明するためのものである。 本発明の実施形態による中ぐり盤の主軸に沿った断面図であり、冷却溝の位置の一例を説明するためのものである。 本発明の実施形態による中ぐり盤の主軸に沿った断面図であり、冷却溝の位置の一例を説明するためのものである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態による冷却構造について説明する。図1は、本発明の実施形態による冷却構造を適用した工作機械としての中ぐり盤の正面図であり、図2は、同中ぐり盤の側面図である。
図1及び図2に示すように、中ぐり盤1には、床面に固定されるベッド3が設けられており、このベッド3の上面には、コラムベース5が水平なX軸方向に移動可能に支持されている。また、コラムベース5の上面には、コラム7が立設されており、このコラム7の側面には、サドル9が鉛直なY軸方向に昇降可能に支持されている。更に、サドル9内には、ラム(ハウジング)11が水平なZ軸方向に移動可能に支持されており、このラム7内には、中ぐり主軸13が、後述する軸受によって、中ぐり主軸13の軸心周りに回転可能に支持されている。そして、中ぐり主軸13の先端(前端)には、工具Tが着脱可能に装着されている。
ここで、中ぐり盤1においては、中ぐり主軸13に対する冷却及び潤滑を行うために、当該中ぐり主軸13に対して、サドル9及びラム11を介して、冷却液の給排を行うようにしている。
そこで、中ぐり盤1には、冷却液が貯蔵される貯蔵タンク15が設けられており、この貯蔵タンク15には、供給管17及び排出管19がサドル9との間において接続されている。このうち、供給管17には、ポンプ21が接続されている。更に、貯蔵タンク15には、オイルクーラ23が接続されている。従って、貯蔵タンク15に貯蔵された冷却液は、オイルクーラ23との間で常時循環され、当該オイルクーラによって所定温度に調整されるようになっている。
詳細は後述するが、中ぐり主軸13は、ラム11内に配列された複数の軸受によって回転可能に支持されており、ラム11内には、軸受の回転時に発生する熱のための冷却構造が設けられている。
図3は、冷却構造を構成する冷却溝を示す上面図である。図3に示すように、ラム11内の所定の円柱形状部分には、軸受の回転時に発生する熱を冷却する冷却液を流すための冷却溝31が形成されている。ここで「ラム11内の所定の円柱形状部分」とは、例えば、中ぐり主軸13、軸受の外輪を予圧するための外輪間座、軸受を収容するための軸受ハウジングのように外形が円柱形状を有し、かつ中ぐり主軸13の中心軸と同心にラム11内に配置されている様々な部材をいう。
冷却溝31は、供給管17を通じて流れてきた冷却液を、円柱形状部分の軸方向に沿って流し、ラム11内部を冷却するものである。そして冷却溝31の終点まで流れて冷却液は、排出管19を通じて貯蔵タンク15まで戻される。このような冷却溝31は、円筒形状部分の周方向を一周して延びる、複数の周方向溝33と、周方向溝33の間で円柱形状部分の軸線方向に沿って延びる、複数の軸方向溝35とを備えている。複数の周方向溝33は、冷却溝31が形成されている円柱形状部分の円周に沿って円柱形状部分を一周している。そして複数の周方向溝33は、軸線方向に所定の間隔をもって配列されている。そして軸方向溝35は、隣接する周方向軸33同士を接続しており、周方向溝33の間に形成された分離壁を横切るように形成されている。
また、周方向溝33の各々には、周方向溝33を横切って溝内の冷却液を遮断できるように延びる堰き止め部37が設けられている。この堰き止め部37は、例えば樹脂成形されたものであり、周方向溝33の断面形状に適合する形状を有している。そして複数の周方向溝33は、それぞれ1つの堰き止め部37を有しており、これら複数の堰き止め部37は、好ましくは軸線方向に沿って一直線状に配列されている。そして複数の軸方向溝35は、堰き止め部37に近接した位置で、周方向溝33に接続されている。より具体的には、複数の軸方向溝35は、隣接する軸方向溝35に対して、堰き止め部37をまたいだ位置に形成されており、図3に示す例では、或る軸方向溝35が堰き止め部37の左側に形成されている場合には、それに隣接する軸方向溝35は、堰き止め部37をまたいで堰き止め部37の右側に形成されている。このように軸方向溝35をジグザグに配置することにより、矢印Aによって示すように、隣接する周方向溝33内における冷却液の流れを周方向において逆向きになる。
このように、隣接する軸方向溝35を、堰き止め部37をまたいでジグザグに配置することにより、周方向溝33の端部、即ち堰き止め部37で堰き止められている部分において、周方向溝33と軸方向溝35とを接続することができる。これにより、周方向溝33に袋小路が形成されるのを防止することができ、冷却溝31内の冷却液の流れをスムーズにすることができる。
このような冷却溝31を形成する場合、まず、対象となる部品の外周に、所定の間隔で複数の周方向溝33を切削する。次いで、上述したように、隣接する軸方向溝35同士がジグザグに配置されるように、軸方向溝35を切削する。これらの切削加工は、例えば螺旋加工時に必要な複雑な加工プログラムや、このプログラムを実行可能な旋盤装置を用いることなく行うことができる。そして、全ての周方向溝33の一部を樹脂によって堰き止め、堰き止め部37を形成する。
図4は、中ぐり盤の主軸に沿った断面図であり、冷却溝の位置の一例を説明するためのものである。この例では、中ぐり盤1は、中ぐり主軸13を支持するための、中ぐり主軸13の軸線方向に沿って配列された複数の軸受41と、軸受41の間に配置され軸受41の外輪43に予圧を付与するための外輪間座45とを備えている。外輪間座45は、軸受41の外輪43の間に圧入され、中ぐり主軸13と同心に配置された円筒形状を有している。そしてこの例では、冷却溝31は、外輪間座45の外周に形成されている。そして図示は省略するが、供給管17と排出管19は、外輪間座45よりも外周側に設けられた軸受ハウジング47を貫通して冷却溝31と連結されている。
この例では、冷却液によって、単に軸受41の回転時に発生する熱を取り除けるだけではなく、外輪間座45の熱膨張を制御することもできる。即ち、中ぐり盤1を低速駆動させる場合には、外輪間座45から外輪43に加える予圧を大きくする必要があるため、冷却溝31を流れる冷却液の温度を比較的高くし、外輪間座45に熱膨張を生じさせる。一方で、中ぐり盤1を高速駆動させる場合には、外輪間座45から外輪43に加える予圧を小さくする必要があるため、冷却溝31を流れる冷却液の温度を比較的低くし、外輪間座45の温度を低下させて熱膨張を抑制する。従って、この例のように、外輪間座45に冷却溝31を設けることにより、軸受41の熱を取り除くと同時に、軸受41に加える予圧を調整することができる。
図5は、中ぐり盤の主軸に沿った断面図であり、冷却溝の位置の更なる一例を説明するためのものである。この例では、冷却溝31は、中ぐり主軸13の外周に設けられている。冷却溝31を設ける範囲としては、中ぐり主軸13における軸受41と近接している範囲であることが好ましい。そして、この例のように、中ぐり主軸13の外周に冷却溝31を設けることによって、中ぐり盤1の駆動時に軸受41が発生させる熱を効果的に取り除くことができる。
図6は、中ぐり盤の主軸に沿った断面図であり、冷却溝の位置の更なる一例を説明するためのものである。この例では、冷却溝31は、軸受ハウジング47の外周に設けられている。冷却溝31を設ける範囲としては、軸方向において、軸受41が設けられている範囲と重複する範囲であることが好ましい。そして、この例のように、軸受ハウジング47の外周に冷却溝31を設けることによって、中ぐり盤1の駆動時に軸受41が発生させる熱を効果的に取り除くことができる。
以上のように本発明の実施形態による中ぐり盤1の冷却構造によれば、周方向溝33と軸方向溝35とを組み合わせた実質的に1本の冷却溝33によって軸受41が発した熱を好適に除去することができる。そして、冷却溝33は、容易に形成することができる二種類の溝を組み合わせたものであるので、冷却溝33の形成時のコストを抑制することができる。
また、軸受41間に外輪間座45を設けて軸受41に予圧を与える構造においては、外輪間座45に冷却溝33を形成することにより、冷却溝33の形成時のコストを抑制という効果に加えて、外輪間座45による予圧を制御できる、という追加の効果を得ることができる。
1 中ぐり盤
31 冷却溝
33 周方向溝
35 軸方向溝
37 堰き止め部
41 軸受
43 外輪
45 外輪間座
47 軸受ハウジング

Claims (6)

  1. 工作機械の冷却構造であって、
    工作機械の主軸と、
    前記主軸の軸方向に沿って配列され前記主軸を支持するための複数の軸受と、
    配列された前記複数の軸受の配列方向に沿って冷却液を流す冷却溝と、を備え、
    前記冷却溝は、前記主軸の周方向に延び、前記主軸の軸方向に配列された複数の周方向溝と、前記主軸の軸方向に延び、隣接する前記周方向溝同士を接続する軸方向溝と、を備えている、ことを特徴とする冷却構造。
  2. 前記複数の周方向溝には、溝を横切るように形成された堰き止め部が形成されており、前記軸方向溝は、前記堰き止め部に隣接して前記周方向溝に接続されている、請求項1に記載の冷却構造。
  3. 前記堰き止め部は、軸方向に直線上に配列されており、前記軸方向溝は、隣接する軸方向溝に対して、前記堰き止め部をまたいだ位置に形成されている、請求項2に記載の冷却構造。
  4. 前記主軸の外周面に形成されている、請求項1乃至3の何れか1項に記載の冷却構造。
  5. 隣接する軸受の間に配置され、軸受の外輪に予圧を加える外輪間座を備えており、前記冷却溝は、前記外輪間座に形成されている、請求項1乃至3の何れか1項に記載の冷却構造。
  6. 前記軸受を収容するハウジングを備え、前記冷却溝は、前記ハウジングに形成されている、請求項1乃至3の何れか1項に記載の冷却構造。
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JPS48110551U (ja) * 1972-03-28 1973-12-19
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