JP2015185645A - 焼成磁石、焼成磁石の製造方法、及びモーター - Google Patents

焼成磁石、焼成磁石の製造方法、及びモーター Download PDF

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坂田 正昭
Masaaki Sakata
正昭 坂田
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Abstract

【課題】渦電流の発生を抑制できる焼成磁石、焼成磁石の製造方法、及びモーターを提供する。
【解決手段】圧縮成型用金型のキャビティー内に原料磁石粉末を充填する充填工程と、原料磁石粉末が充填された圧縮成型用金型に圧力を加えてプレス成型するプレス工程と、充填工程とプレス工程とを繰り返すことによって、外内径が組み合わせて同心円の複数のスリットを形成できる複数のリング形状磁石成形体を製造する繰返工程と、リング形状磁石成形体の外周に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、板形状磁石成形体を製造するベース工程と、板形状磁石成形体の上に複数のリング形状磁石成形体を同心円に配置する組立工程と、板形状磁石成形体とリング形状磁石成形体とを焼結する焼成工程と、を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、焼成磁石、焼成磁石の製造方法、及びモーターに関するものである。
従来、焼結磁石に円周状の溝加工を施す技術としては、フライス加工により溝加工を施
す方法がある。この方法では、1)工程が長くなる。2)加工に伴う材料ロスがある。3
)希土類焼結磁石を加工する場合、微粉化すると発火性が高くなるため安全性に配慮する
必要がある。といった課題がある。
そして例えば、成形用パンチに突起部を設けた成形用パンチを用いて成形することで、
磁石成形体に溝部を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、
磁石成形体の間に絶縁層となるセラミックグリーンシートを積層して焼結する方法が開示
されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−25841号公報 特開2009−225608号公報
しかしながら、特許文献1では成形用パンチに突起部を設けるため、この突起部は圧粉
成形の圧力に耐えられるだけの幅を有する必要があり、結果として磁石成形体の溝部の幅
は比較的大きいものとなるので、磁石本来の磁気特性を十分発揮できなくなるおそれがあ
る。
また、特許文献2では、セラミックグリーンシートはある程度の厚さが必要であり、結
果として磁石間に存在する絶縁層の厚さが厚くなり、磁石本来の磁気特性を十分に発揮で
きなくなるおそれがある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る焼成磁石の製造方法は、圧粉焼結法を用いた扁平リング状
の焼成磁石の製造方法であって、圧縮成型用金型のキャビティー内に原料磁石粉末を充填
する充填工程と、前記原料磁石粉末が充填された圧縮成型用金型に圧力を加えてプレス成
型するプレス工程と、前記充填工程と前記プレス工程とを繰り返すことによって、外内径
が組み合わせて同心円の複数のスリットを形成できる複数のリング形状磁石成形体を製造
する繰返工程と、前記リング形状磁石成形体の外周に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と
、板形状磁石成形体を製造するベース工程と、前記板形状磁石成形体の上に複数の前記リ
ング形状磁石成形体を同心円に配置する組立工程と、前記板形状磁石成形体と前記リング
形状磁石成形体とを焼結する焼成工程と、を有することを特徴とする。
本適用例によれば、別工程のスリット加工を行わなくてよいため、生産性が向上する。
これにより、電動機(モーター)等に使用する際に、渦電流の発生を抑制できる焼結磁石
を生産性高く製造できる。その結果、円周状にスリットの入った扁平リング磁石の圧粉焼
結法による製造方法を提供できる。特に、電動機(モーター)に用いられる希土類焼結磁
石に効果のある製造方法を提供できる。
また、発火し易い磁石材料(特に希土類焼結磁石)では、スリット加工による発火の危
険性を低減することができ、製造の安全性が向上する。
[適用例2]上記適用例に記載の焼成磁石の製造方法において、前記樹脂層形成工程の
前記樹脂層の厚さは、20〜300μmであることを特徴とする。
本適用例によれば、厚さ20〜300μmのスリット(空気層)あるいは絶縁層で、焼
結磁石に発生する渦電流を抑えることができる。
[適用例3]本適用例に係る焼成磁石は、上記に記載の焼成磁石の製造方法により製造
されたことを特徴とする。
本適用例によれば、樹脂層の薄いものを使用することにより、スリット幅を小さくでき
る。これにより、磁気特性への影響を抑えながら、有効に渦電流発生を抑制できる。その
結果、電動機(モーター)等に使用する際に、電動機の温度上昇を抑え、効率を向上する
ことができる。
[適用例4]本適用例に係るモーターは、上記に記載の焼成磁石を備えることを特徴と
する。
本適用例によれば、渦電流の発生を抑制できるモーターを提供できる。
本実施形態に係る扁平型モーターの基本構成を示す説明図。 本実施形態に係るマグネットの形状を示す平面図。 本実施形態に係るマグネットの着磁を示すイメージ図。 本実施形態に係るマグネットの渦電流を示すイメージ図。 本実施形態に係るマグネットの製造工程を示すフローチャート。 本実施形態に係る成形工程を示すフローチャート。 本実施形態に係る磁石成形体の成形を示す模式図。 本実施形態に係る磁石成形体を示す模式図。 本実施形態に係る磁石成形体の成形を示す模式図。 本実施形態に係る実施例及び比較例を示す表。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図
面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大又は縮小して表示している
図1は、本実施形態に係る扁平型モーターの基本構成を示す説明図である。
本実施形態に係る扁平型モーター2は、磁性体よりなる下ケース(ハウジング)10、
上ケース(ハウジング)12、下ケース10及び上ケース12に端部がそれぞれ軸受(不
図示)によって回転可能に支持されるシャフト14、シャフト14に挿通し固着された回
転自在であり、かつ整流子と偏心させた複数のコイルを有するローター16、下ケース1
0の上に、N,Sの磁極を交互に複数個備えるマグネット(焼結磁石)18を備える。
この図1は、ローター16が回転していないときのローター16の位置を示すものであ
るが、上記のように構成された扁平型モーター2は、ブラシを通じて適切に通電すること
でローター16はフレミングの法則に従い回転力を受け回転する。
図2は、本実施形態に係るマグネット18の形状を示す平面図である。図3は、本実施
形態に係るマグネット18の着磁を示すイメージ図である。図4は、本実施形態に係るマ
グネット18の渦電流36を示すイメージ図である。
本実施形態に係るマグネット18は、焼成磁石である。マグネット18は、円周状にス
リット(溝)20の入った扁平リング状磁石である。スリット20は空気層である。なお
、スリット20は絶縁層であってもよい。
スリット20の深さは、(マグネット18の厚さ×0.2)≦スリット20の深さ≦(
マグネット18の厚さ×0.8)が適切である。スリット20の深さがこれより小さいと
渦電流を抑える効果が小さくなり、モーターの固定子(図示せず)の温度が上昇する。ス
リット20の深さがこれより大きいと磁石の機械的強度が低下し、着磁工程やアッセンブ
ル工程(モーターへの組み込み)での磁石破損の比率が高くなる。
例えばマグネット18の外形寸法はφ40×φ10×5(mm)である。マグネット1
8の円周状のスリット数は2箇所である。マグネット18の焼結品密度は7.6g/cm
3である。マグネット18は、図3に示すように、周方向にN、S交互に6極に着磁して
いる。
マグネット18は、図4に示すように、適切な円周状のスリット20が形成され、磁気
特性をそれほど低下させることなく、発生する渦電流36の損失を低減させることができ
る。
次に、本実施形態に係る扁平スリット状のマグネット18の製造方法について説明する

図5は、本実施形態に係るマグネット18の製造工程を示すフローチャートである。
本実施形態に係るマグネット18の製造方法は、圧粉焼結法を用いた扁平リング状の焼
成磁石の製造方法である。
完成品のマグネット18の形状は、φ40×φ10×5mm、円周状のスリット20は
2箇所、焼結品密度は7.6g/cm3、及び周方向N,S交互に6極に着磁している。
本実施形態に係るマグネット18の製造方法は、原料工程と、溶解工程と、粗粉砕工程
と、微粉砕工程と、成形工程と、焼結工程と、熱処理工程と、二次加工、表面処理工程と
、完成工程と、を備える。
まず、原料工程では、ステップS10において、原料を用意する。原料は、ネオジム(
Nd)、ディスプロシウム(Dy)、ホウ素(B)、鉄(Fe)、他である。
次に、溶解工程では、ステップS20において、原料を秤量、配合し溶解する。その後
鋳型に流し込まれてインゴット(塊)ができる。希土類元素は活性な(酸化され易い)た
め、アルゴン中又は真空中で行われる。例えば高周波誘導溶解で行う。例えば原料の組成
は、ネオジム(Nd):21〜30wt%、ディスプロシウム(Dy):0.01wt%
、ホウ素(B):1〜2wt%、鉄(Fe):60〜70wt%である。
次に、粗粉砕工程では、ステップS30において、インゴットを粗粉砕する。粗粉砕後
の粒径が数百μmになるまで粉砕する。粉砕は酸化防止のため空気を遮断して行われる。
次に、微粉砕工程では、ステップS40において、粗粉砕された原料を微粉砕する。微
粉砕後の粒径が3〜5μm(ジェットミル等により粉砕)になるまで粉砕する。粉砕は酸
化防止のため空気を遮断して行われる。
次に、成形工程では、ステップS50において、金型周囲に巻いたコイルに電流を流し
て磁場を発生させ、微粉末の結晶方向を磁場方向に整列させながらプレス成型を行う。そ
の結果磁場方向に異方性が付与され、高い磁気特性が得られる。例えば、磁界中(12k
Oe程度)で圧縮成形(成形圧力:1000kgf/cm2)する。加工工程の詳細につ
いては後述する。
次に、焼結工程では、ステップS60において、プレス成型された磁石成形体を真空中
で焼結する。磁石成形体寸法は、約20%ほど収縮し、磁石成形体中の空孔がなくなるた
め、密度は100%近くまで増加し、高磁気特性の要因となる。例えば焼結条件は、11
00℃×1Hrである。
次に、熱処理工程では、ステップS70において、時候処理を行う。焼結後の熱処理は
、磁石の組織を最適化し、高磁気特性の要因となる。例えば時候処理条件は、500〜9
00℃×1Hrである。
次に、二次加工、表面処理工程では、ステップS80において、例えば、切断、研磨、
表面処理例:電着塗装、Niメッキ等を行い、製品寸法に仕上げる。また、ネオジム磁石
は酸化され易い(錆び易い)ため、ニッケルめっきなどの表面処理を行う。
次に、完成工程では、ステップS90において、コイルにより発生した磁場の中に磁石
をセットすることで着磁が行われる。検査は各工程でも行われるが、最終検査として、寸
法・磁力・外観検査などが行われる。
次に、ステップS50の加工工程について詳細に説明する。
図6は、本実施形態に係る成形工程を示すフローチャートである。
本実施形態に係る加工工程は、磁石成形体A、B、C、及びD(図9(B)参照)に共
通した工程として、磁石粉末充填(充填工程)、磁場中圧縮成形(プレス工程)、成形体
脱磁(プレス工程)、成形体取り出し(プレス工程)、及び成形体組合せ(組立工程)を
備える。また、磁石成形体A及びBに共通した工程として、樹脂層形成(外周)(樹脂層
形成工程)を備える。
本実施形態に係る磁石成形体22(図9(B)参照)の形状は、φ48×φ12×6m
mである。磁石成形体22の密度は、4.0g/cm3である。
本実施形態は、圧粉焼結法を用いて扁平リング状のマグネット18を製造する方法であ
る。本実施形態は、磁石粉末の磁石成形体D(板形状磁石成形体)の上に、磁石粉末の磁
石成形体C(リング形状磁石成形体)と、樹脂層24を外周に形成した磁石粉末の磁石成
形体A,B(リング形状磁石成形体)と、を組み合わせて重ね、それを一体として焼結す
るスリット20が入ったマグネット18の製造方法である。
スリット20の深さは、(マグネット18の厚さ×0.2)≦スリット20の深さ≦(
マグネット18の厚さ×0.8)が適切である。この条件を満たすマグネット18を製造
するためには、
0.2≦(リング形状磁石成形体の厚さ)/(全体の厚さ)≦0.8
全体の厚さ=リング形状磁石成形体の厚さ+板形状磁石成形体の厚さとするのがよい。
図7は、本実施形態に係る磁石成形体A,B,Cの成形を示す模式図である。
まず、磁石成形体Aを製造する。磁石成形体Aの製造には、図7(A)に示す圧縮成型
用金型26のコア26aとキャビティー26bとを使用する。
図6の磁石成形体AのステップS51の磁石粉末充填において、キャビティー26b内
に原料磁石粉末28を充填する。
次に、ステップS52の磁場中圧縮成形において、原料磁石粉末28を磁場中にてプレ
ス成型を行う。
次に、ステップS53の成形体脱磁において、圧力を付加した状態で脱磁を行う。
その後、ステップS54の成形体取り出しにおいて、キャビティー26b内から磁石成
形体Aを取り出す。
次に、磁石成形体BのステップS51〜S54及び磁石成形体CのステップS51〜S
54を繰り返すこと(繰返工程)によって、外内径を変えて、
外内径が組み合わせて同心円の複数のスリットを形成できる複数のリング形状磁石成形体
を製造する。
具体的にはリング形状磁石成形体として磁石成形体Aに加え磁石成形体Bと磁石成形体
Cとを製造する。磁石成形体Bの製造には、図7(B)に示す圧縮成型用金型30のコア
30aとキャビティー30bとを使用する。磁石成形体Cの製造には、図7(C)に示す
圧縮成型用金型32のコア32aとキャビティー32bとを使用する。本実施形態では、
合計3個のリング形状磁石成形体を製造する。
次に、磁石成形体A及びBのステップS55の樹脂層形成(外周)において、最外周に
配置されるリング形状磁石成形体を除き、リング形状磁石成形体の外周に樹脂層24を形
成する。
図8は、本実施形態に係る磁石成形体A,B,Cを示す模式図である。
具体的には最外周に配置される図8(C)に示す磁石成形体Cを除き、図8(A)に示
すように、磁石成形体Aの外周に樹脂層24、及び図8(B)に示すように、磁石成形体
Bの外周に樹脂層24を形成する。
樹脂層24の厚さは20〜300μmが適切である。樹脂層24の厚さがこれより薄い
と、焼結過程で樹脂層24の除去とともにこのギャップ部でも原料磁石粉末28間の結合
(焼結)が進んでしまい、結果としてスリット20が形成されにくく、渦電流損失が大き
く、モーター2の回転子の温度が上昇する。樹脂層24の厚さがこれより厚いと形成され
るスリット20の幅が大きくなり、このスリット20での磁束密度の低下が大きくなり、
固定子からの磁束量が減少しモーター2の出力が低下する。
樹脂層24の形成方法としては、樹脂フィルムを巻き回す、ディッピングコート、成形
体の外周にインサート成形等の方法がある。
次に、磁石成形体DのステップS51〜S54(ベース工程)によって、組み合わさる
リング形状磁石成形体と外径及び内径が等しい板形状磁石成形体を製造する。具体的には
成形体Dを製造する。成形体Dの製造には、図9(A)に示す圧縮成型用金型34のコア
34aとキャビティー34bとを使用する。
図9は、本実施形態に係る磁石成形体D及び磁石成形体22の成形を示す模式図である
次に、ステップS56の成形体組合せにおいて、板形状磁石成形体の上に複数のリング
形状磁石成形体を同心円に配置する。具体的には成形体Dの上に磁石成形体A,B,Cを
同心円に配置する。言い換えると、図9(B)に示すように、成形体Dの上に磁石成形体
Aを重ね、さらに磁石成形体Aの外周に磁石成形体B、磁石成形体Bの外周に磁石成形体
Cを同心円に配置する。次に、ステップS60の焼結工程に進む。
次に、ステップS60の焼結工程において、板形状磁石成形体とリング形状磁石成形体
とを一体で焼結し、マグネット(焼結磁石)18を得る。図9(C)に示すように、焼結
過程で樹脂層24は分解、除去され、最終焼結法で円周状のスリット20が形成されたマ
グネット18を得ることができる。
(実施例)
図10は、本実施形態に係る実施例及び比較例を示す表である。
本実施形態では、成形体(磁石成形体)22のリング形状磁石成形体厚さ、板形状磁石
成形体厚さ、及び樹脂層厚さを変化させ、マグネット(焼結磁石)18を作製した。その
作製したマグネット18のスリット厚さ、スリット深さ、及び磁石破損を調査し、固定子
特性を確認した。
樹脂層24の形成条件として、樹脂層24の材料はアクリル樹脂であり、樹脂層24の
形成方法はフィルム巻き回し形成方法である。
焼結したマグネット18は、表面処理(吹き付け塗装)後、厚さ方向に着磁を実施した
。着磁方法は、円周方向で磁極がN、S交互になるように実施した。極数は6極である。
磁石破損は、マグネット18を固定子に組み上げるまでに破損した比率を示している。
固定子特性として測定した項目は以下の通りである。
1)スリット表面磁束密度低下量は、スリット20での表面磁束密度低下量を、スリッ
ト20を入れていない部分の表面磁束密度に対する比率で測定した。
2)固定子温度上昇は、作製したマグネット18にバックヨークを取付け、固定子を作
製した。
この固定子1組(2個)の間にマグネット18に対向するように回転子コイルを所定の
ギャップを取って配置し、アキシャルギャップモーターを作製した。このモーターを負荷
200mN、回転数5,000rpmにて30min連続回転させたときの固定子温度上
昇を測定した。
確認結果は、実施例1〜5、及び比較例1〜5を用いて行った。
磁石破損は、実施例1〜5、及び比較例1〜4が良であり、比較例5が否であった。こ
れはスリット20の深さが大きいとマグネット18の機械的強度が低下し、着磁工程やア
ッセンブル工程(モーター2への組み込み)での磁石破損の比率が高くなることによる。
スリット表面磁束密度低下量は、実施例1〜5、及び比較例1,2,4,5が良であり
、比較例3が否であった。これは樹脂層24の厚さが厚いと形成されるスリット20の幅
が大きくなるので、このスリット20での磁束密度の低下が大きくなり、固定子からの磁
束量が減少しモーターの出力が低下することによる。
固定子温度上昇は、実施例1〜5、及び比較例3,5が良であり、比較例1,2,4が
否であった。これは樹脂層24の厚さが薄いと、焼結過程で樹脂層24の除去とともにこ
のギャップ部でも原料磁石粉末28間の結合(焼結)が進んでしまい、結果としてスリッ
ト20が形成されにくく、渦電流損失が大きく、モーターの回転子の温度が上昇すること
による(比較例2)。また、スリット20の深さが小さいと渦電流を抑える効果が小さく
なり、モーターの固定子の温度が上昇することによる(比較例4)。さらに、スリットが
ないことで、モーターの固定子の温度が上昇することによる(比較例1)。
本実施例の条件で扁平リング状のマグネット18に適切な円周状のスリット20が形成
され、マグネット18の磁気特性をそれほど低下させることなく、マグネット18に発生
する渦電流損失を低減させることができ、結果としてモーター(アキシャルギャップモー
ター)2の固定子の発熱による温度上昇を押させることができるようになった。これによ
りモーター2の使用可能領域が広がるとともにモーター効率も向上する。
本実施形態では、外内径が組み合わさる寸法の磁石成形体(リング形状磁石成形体)を
複数個製造し、最外周に配置される磁石を除き、これら磁石成形体の外周に樹脂層24を
形成し、前記組み合わせた磁石と外径、内径が等しいリング状磁石成形体(板形状磁石成
形体)を前記と同様の方法で製造する。板形状磁石成形体の上にリング形状磁石成形体を
重ねる。内コアと外コアとの間に最適なギャップを設け、そこにモールド材を充填して内
コアと外コアとを固定する。焼き嵌めによるコアの変形、変形によるローターとの芯ズレ
を低減することができる。
本実施形態によれば、別工程のスリット20の加工を行わなくてよいため、生産性が向
上する。これにより、電動機(モーター2)等に使用する際に、渦電流の発生を抑制でき
るマグネット18を生産性高く製造できる。その結果、円周状にスリット20の入った扁
平リング状のマグネット18の圧粉焼結法による製造方法を提供できる。特に、電動機(
モーター2)に用いられる希土類焼結磁石に効果のある製造方法を提供できる。
また、発火し易い磁石材料(特に希土類焼結磁石)では、スリット20の加工による発
火の危険性を低減することができ、製造の安全性が向上する。
本実施形態によれば、樹脂層24の薄いものを使用することにより、スリット20の幅
を小さくできる。これにより、磁気特性への影響を抑えながら、有効に渦電流発生を抑制
できる。その結果、電動機(モーター2)等に使用する際に、電動機の温度上昇を抑え、
効率を向上することができる。
本実施形態によれば、渦電流の発生を抑制できるモーター2を提供できる。
以上、焼成磁石、焼成磁石の製造方法、及びモーターについて、図示の実施形態に基づ
いて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能
を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に他の任意の構成物が
付加されていてもよい。
2…扁平型モーター 10…下ケース(ハウジング) 12…上ケース(ハウジング)
14…シャフト 16…ローター 18…マグネット(焼結磁石) 20…スリット
22…磁石成形体 24…樹脂層 26…金型 26a…コア 26b…キャビティー
28…原料磁石粉末 30,32,34…金型 30a,32a,34a…コア 30b
,32b,34b…キャビティー 36…渦電流。

Claims (4)

  1. 圧粉焼結法を用いた扁平リング状の焼成磁石の製造方法であって、
    圧縮成型用金型のキャビティー内に原料磁石粉末を充填する充填工程と、
    前記原料磁石粉末が充填された圧縮成型用金型に圧力を加えてプレス成型するプレス工
    程と、
    前記充填工程と前記プレス工程とを繰り返すことによって、外内径が組み合わせて同心
    円の複数のスリットを形成できる複数のリング形状磁石成形体を製造する繰返工程と、
    前記リング形状磁石成形体の外周に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
    板形状磁石成形体を製造するベース工程と、
    前記板形状磁石成形体の上に複数の前記リング形状磁石成形体を同心円に配置する組立
    工程と、
    前記板形状磁石成形体と前記リング形状磁石成形体とを焼結する焼成工程と、
    を有することを特徴とする焼成磁石の製造方法。
  2. 請求項1に記載の焼成磁石の製造方法において、
    前記樹脂層形成工程の前記樹脂層の厚さは、20〜300μmであることを特徴とする
    焼成磁石の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の焼成磁石の製造方法により製造されたことを特徴とする焼成磁
    石。
  4. 請求項3に記載の焼成磁石を備えることを特徴とするモーター。
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