JP2015185294A - スパークプラグおよびその取付工具 - Google Patents
スパークプラグおよびその取付工具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015185294A JP2015185294A JP2014059492A JP2014059492A JP2015185294A JP 2015185294 A JP2015185294 A JP 2015185294A JP 2014059492 A JP2014059492 A JP 2014059492A JP 2014059492 A JP2014059492 A JP 2014059492A JP 2015185294 A JP2015185294 A JP 2015185294A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- spark plug
- tool
- metal shell
- outer peripheral
- combustion engine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
- Spark Plugs (AREA)
Abstract
【課題】スパークプラグの内燃機関への取付性を向上させる技術を提供する。【解決手段】スパークプラグ100は、軸状の中心電極10と、中心電極10の先端部11に対して所定の間隙を有して配置される接地電極13と、中心電極10を内部に収容する筒状の絶縁体20と、絶縁体20が収容される主体金具40と、を備える。主体金具40の先端側開口部40tには接地電極13が固定されている。また、主体金具40は、先端側に内燃機関の取付孔に螺合するねじ部42と、ねじ部42より後端側に、工具が係合される工具係合部45を有している。主体金具40のねじ部42には、ねじ部42に螺合するナット金具50が取り付けられている。【選択図】図1
Description
本発明は、スパークプラグに関する。
スパークプラグは、主体金具と、中心電極と、接地電極と、を備えており、中心電極と接地電極との間には、火花放電を発生させるための間隙(以下、「火花放電ギャップ」とも呼ぶ)が形成されている(下記特許文献1等)。スパークプラグは、主体金具の外周に設けられた雄ねじ部と内燃機関の燃焼室に連通する取付孔に設けられた雌ねじ部とが螺合することにより内燃機関に固定され、火花放電ギャップにおける火花放電によって燃焼室内に供給された燃料ガスを点火する。
内燃機関では、内燃機関内部での燃焼を制御するために、燃焼室内における点火位置(火花放電の発生位置)が、シリンダヘッドや吸排気系などに対して、より高い精度で調整されることが望ましい。そのため、スパークプラグに対しては、内燃機関に所定の締結トルクで取り付けられたときの燃焼室内における中心電極および接地電極の配置位置が高い精度で位置決めされていることが望ましい。特に、接地電極が中心電極に向かって延伸している棒状のタイプであるスパークプラグにおいては、スパークプラグの中心軸回りの円周方向における接地電極の配置位置についても高い精度で位置決めされることが要求されている。
特許文献1の技術では、スパークプラグの中心軸回りに回動可能な部材に接地電極を保持させることによって、スパークプラグの中心軸回りにおける接地電極の配置位置の位置決めを可能にしている。しかしながら、特許文献1の技術では、スパークプラグに回動可能な接地電極の保持部材を設けるとともに、内燃機関に接地電極の位置決めのためのキー溝を設ける必要がある。そのため、スパークプラグや内燃機関の構成の複雑化を招く可能性や、従来のスパークプラグあるいは内燃機関との互換性が損なわる可能性があり、新たな課題が生じてしまう。
特許文献2の技術では、主体金具に内燃機関に固定するためのねじ溝が形成されておらず、主体金具にねじ溝を有するタイプのスパークプラグに比較して、燃焼室内における接地電極の配置位置の調整が容易である。しかしながら、特許文献2の技術では、スパークプラグに主体金具のねじ溝以外の固定手段を設ける必要があるとともに、内燃機関に接地電極の位置決めのための係合部を予め設けておく必要がある。そのため、特許文献2の技術では、上記特許文献1の技術と同様に新たな課題が生じてしまう。
以上のように、スパークプラグにおいては、内燃機関への取り付けについて依然として改善の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
[1]本発明の一形態によれば、スパークプラグが提供される。このスパークプラグは、軸状の中心電極と;前記中心電極の先端部に対して所定の間隙を有して配置される接地電極と;前記中心電極の先端部が露出した状態で前記中心電極を内部に収容する筒状の絶縁体と;前記中心電極が先端側に配置されるように前記絶縁体が収容される貫通孔を有し、前記貫通孔の先端側の開口端部に前記接地電極が固定されている主体金具と;を備え、前記主体金具は、自身の外周面にねじ部を有し、前記ねじ部より後端側に、工具が係合される工具係合部を有していて良く、前記ねじ部には、前記ねじ部に螺合する環状部材が取り付けられて良い。この形態のスパークプラグによれば、中心電極及び接地電極の配置位置を好適位置に調整した上で環状部材を締め付けることによってスパークプラグを固定することができる。従って、内燃機関に所定の締結トルクで取り付けられたときの燃焼室内における中心電極および接地電極の配置位置を高い精度で位置決めすることができる。
[2]上記形態のスパークプラグにおいて、前記接地電極は、前記主体金具における前記先端側の開口端部から前記中心電極の先端部に向かって延びる棒状の電極であっても良い。この形態のスパークプラグによれば、内燃機関に対するスパークプラグの固定性を確保しつつ、接地電極をスパークプラグの中心軸回りの円周方向における好適位置に設置することができる。
[3]上記形態のスパークプラグにおいて、前記主体金具の中心軸に沿って見たときに、前記工具係合部の外周輪郭線は、前記環状部材の外周輪郭線の内側に位置して良い。この形態のスパークプラグによれば、環状部材の締結工具を、工具係合部の後端側から環状部材に容易に係合させることができる。
[4]上記形態のスパークプラグにおいて、前記環状部材の少なくとも内周面には、前記主体金具の構成材料よりも軟らかい材料が配置されて良い。この形態のスパークプラグによれば、主体金具のねじ部に対する環状部材の密着性を高めることができる。従って、内燃機関に対するスパークプラグの固定性を高めることができるとともに、内燃機関とスパークプラグとの間の気密性を高めることができる。
[5]上記形態のスパークプラグにおいて、前記主体金具は、前記工具係合部と前記環状部材との間に、前記環状部材の後端側の面に面接触する面を有する台座部が設けられていても良い。この形態のスパークプラグによれば、台座部によって環状部材が後端側に移動しすぎてしまうことが抑制でき、主体金具のねじ部における環状部材の後端側の基準位置が確定される。従って、スパークプラグの内燃機関への取り付けに際して、スパークプラグの挿入深さ方向の位置決めが容易になる。
[6]上記形態のスパークプラグにおいて、前記主体金具の中心軸に沿って見たときに、前記台座部の外周輪郭線が前記環状部材の外周輪郭線の内側に位置して良い。この形態のスパークプラグによれば、内燃機関への取り付けの際に、環状部材の締結工具が台座部に干渉してしまうことが抑制される。
[7]上記形態のスパークプラグにおいて、前記ねじ部よりも後端側の外表面に、前記接地電極の基準位置を示す電極位置表示部が設けられていても良い。この形態のスパークプラグによれば、内燃機関への取り付けの際に、電極位置表示部を指標にできるため、接地電極の配置位置の調整が容易になる。
[8]本発明の他の形態によれば、上記形態のスパークプラグを内燃機関に取り付けるための取付工具が提供される。この形態の取付工具は、前記環状部材の外周面と係合する内壁面を有する第1の筒状部材と;前記工具係合部の外周面と係合する内壁面を有する第2の筒状部材と;を備えて良く、前記第2の筒状部材は、少なくとも先端側が前記第1の筒状部材の筒内に収容されていて良い。この形態の取付工具によれば、上記形態のスパークプラグの内燃機関への取り付けが容易化される。
[9]上記形態の取付工具において、前記第1の筒状部材は、自身の先端側に前記環状部材の外周面と係合する内壁面が設けられ、前記第2の筒状部材は、自身の先端側に前記工具係合部の外周面と係合する内壁面が設けられて良い。この形態の取付工具によれば、上記形態のスパークプラグの内燃機関への取り付けがさらに容易化される。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題や、その他の課題(スパークプラグの小型化や簡素化、製造の容易化、低コスト化、省資源化など)の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
本発明は、スパークプラグや取付工具以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、スパークプラグの取付方法の形態で実現することも可能である。また、スパークプラグが取り付けられた内燃機関や、その内燃機関を搭載する移動体等の機械類の形態で実現することができる。
A.第1実施形態:
[スパークプラグの構成]
図1は、本発明の第1実施形態としてのスパークプラグ100の構成を示す概略図である。図1では、スパークプラグ100の中心軸CXが一点鎖線で図示されており、スパークプラグ100の中心軸CXより紙面左側が概略断面で図示されている。また、図1には、スパークプラグ100が内燃機関に取り付けられたときの内燃機関の外壁面の位置が二点鎖線OLによって図示されている。
[スパークプラグの構成]
図1は、本発明の第1実施形態としてのスパークプラグ100の構成を示す概略図である。図1では、スパークプラグ100の中心軸CXが一点鎖線で図示されており、スパークプラグ100の中心軸CXより紙面左側が概略断面で図示されている。また、図1には、スパークプラグ100が内燃機関に取り付けられたときの内燃機関の外壁面の位置が二点鎖線OLによって図示されている。
スパークプラグ100は、内燃機関に取り付けられて、その点火に用いられる。内燃機関に取り付けられたときには、スパークプラグ100の先端側(紙面下側)は内燃機関の燃焼室内に配置され、後端側(紙面上側)は燃焼室の外部に配置される。スパークプラグ100は、中心電極10と、接地電極13と、絶縁体20と、端子電極30と、主体金具40と、ナット金具50と、を備える。
中心電極10は、軸状の電極部材によって構成され、その中心軸がスパークプラグ100の中心軸CXと一致するように配置されている。中心電極10は、その先端部11が、主体金具40の先端側開口部40tから露出するように、絶縁体20を介して主体金具40に保持されている。中心電極10は、後端側に配置されている端子電極30を介して外部電源に電気的に接続される。
接地電極13は、中心電極10の先端部11に向かって延伸している棒状の電極である。接地電極13は、主体金具40の先端側開口部40tの周縁部から先端側へ向かって延びる第1の延伸部13aと、第1の延伸部13aから曲がって中心電極10の先端部11に向かって延びる第2の延伸部13bと、を有する。第2の延伸部13bの端部と、中心電極10の先端部11との間には、火花放電ギャップSGとして機能する間隙が設けられている。
絶縁体20は、中心を貫通する軸孔21を有する筒状部材であり、例えば、アルミナや、窒化アルミニウム等のセラミック焼結体によって構成される。絶縁体20の軸孔21の先端側には、中心電極10が、その先端部11が露出した状態で収容されている。軸孔21の後端側には軸状の電極部材である端子電極30が保持されている。端子電極30の後端部31は、外部電源と接続可能なように、絶縁体20の後端開口部22から延出している。中心電極10と端子電極30とは、火花放電発生時における電波雑音の発生を抑制するために、第1と第2のガラスシール材36,37に挟まれた抵抗体35を介して電気的に接続されている。
絶縁体20は、その中心軸がスパークプラグ100の中心軸CXと一致し、かつ、先端側端部23および後端側の延伸部位24が主体金具40の後端側開口部40rから延出するように主体金具40の筒孔41内に収容されている。絶縁体20の後端側の延伸部位24の表面には、第1のマーク28が印刷されている。また、端子電極30における後端部31の上端面31sには、第2のマーク29が印刷されている。第1と第2のマーク28,29の形成位置および機能については後述する。
主体金具40は、中心に筒孔41を有する略円筒状の金属部材である。主体金具40は、例えば、炭素鋼によって構成される。主体金具40の中心軸はスパークプラグ100の中心軸CXと一致する。主体金具40の先端側開口部40tには、上述したように、接地電極13が取り付けられている。また、主体金具40の先端側の外周面には、内燃機関の取付孔(図示は省略)のねじ溝に螺合するねじ部42が設けられている。
ねじ部42には、環状部材であるナット金具50が取り付けられている。ナット金具50は外周面に工具が係合する係合面51を有し、内周面に主体金具40のねじ部42に螺合するねじ部52を有している。ナット金具50は、スパークプラグ100が内燃機関に取り付けられるときに内燃機関の外壁面上において締め付けられてスパークプラグ100の固定に寄与する。本実施形態のスパークプラグ100は、このナット金具50を有することによって、内燃機関における中心電極10及び接地電極13を好適位置に配置した上でスパークプラグの固定性を確保することができる。ナット金具50の構成および機能の詳細は後述する。
ねじ部42の後端側には、台座部43がねじ部42に隣接して設けられている。台座部43は、主体金具40の径方向(中心軸CXに垂直な方向)に突出している略円周状の鍔部である。台座部43は、ねじ部42におけるナット金具50の取付基準位置を規定するための部位であり、ナット金具50がねじ部42を越えて後端側に移動してしまうことを抑制する。
台座部43の後端側には、略六角断面形状の工具係合部45が設けられている。工具係合部45は、主体金具40のねじ部42を内燃機関の取付孔に螺合させるときに工具が係合される部位である。工具係合部45は、対向二面幅が12mmである六角ナットの規格(Hex12)に適合するように構成されても良い。工具係合部45の後端側には絶縁体20を固定するための加締部47が設けられている。加締部47は、絶縁体20が筒孔41内に収容された状態において、主体金具40の後端側開口部40rが内側に加締められることによって形成される。
図2は、ナット金具50の構成を示す概略図である。図2には、図1に示すX−X切断におけるナット金具50の概略断面に重ねて、中心軸CXに沿ってスパークプラグ100を見たときの台座部43と工具係合部45の外周輪郭線がそれぞれ一点鎖線と二点鎖線によって図示されている。ナット金具50は、略六角断面形状を有している。工具係合部45がHex12の規格に適合するように構成されている場合には、ナット金具50は対向二面幅が16mmである六角ナットの規格(Hex16)に適合するように構成されても良い。
ナット金具50は、スパークプラグ100を中心軸CXに沿って見たときに、台座部43および工具係合部45の外周輪郭線がナット金具50の外周輪郭線の内側に位置している。これによって、スパークプラグ100の内燃機関への取付工程において、プラグホール内のナット金具50の外周面への工具の係合が台座部43および工具係合部45に阻害されることなく容易に達成される。また、ナット金具50の径方向のサイズが大きいため、ナット金具50に対する締め付けのためのトルクの付与が容易になる。
スパークプラグ100が内燃機関に取り付けられたときには、ナット金具50は内燃機関の外壁面に直接的に接触し(図1)、内燃機関と主体金具40との間のシール部材としても機能する。そのため、ナット金具50は、主体金具40よりも軟らかい金属によって構成されていることが好ましい。これによって、ナット金具50と主体金具40との間の密着性が高められ、ナット金具50のシール部としての機能が高められる。具体的に、主体金具40が炭素鋼によって構成されている場合には、ナット金具50は銅やアルミニウムによって構成されても良い。スパークプラグ100の使用時における熱伝導性や耐久性の観点からは、ナット金具50は銅によって構成されていることがより望ましい。
ところで、一般的な内燃機関では、高温となる燃焼室に比べ、スパークプラグが延出している燃焼室外部における取付孔周縁部の温度は極めて低い。そのため、本実施形態のスパークプラグ100のように当該取付孔周縁部にナット金具50が配置されていても、スパークプラグ100における熱の逃げやすさ(熱引き性能)に対するナット金具50の影響は無視できる程度である。
図3は、スパークプラグ100に設けられている第1と第2のマーク28,29の位置を説明するための概略図である。図3には、スパークプラグ100を後端側から中心軸CXに沿って見たときの絶縁体20の外周面と端子電極30の後端部31とが図示されている。また、図3には、接地電極13の第1と第2の延伸部13a,13bが破線で図示されている。
第1と第2のマーク28,29は、中心軸CXまわりの円周方向における接地電極13の第1の延伸部13aの配置位置に対応する所定の位置に形成されている。具体的には、第1のマーク28は、第1のマーク28から中心軸CXに向かう方向(矢印MD)と第1の延伸部13aから中心軸CXに向かう方向(矢印ED)との間の角度が所定の角度(例えば90°)となる位置に形成されている。第2のマーク29も第1のマーク28と同様な位置に形成されている。第1と第2のマーク28,29は、以下に説明するスパークプラグ100の取り付け工程において、主体金具40の先端側開口部40tにおける接地電極13の第1の延伸部13aの位置を示す電極位置表示部として機能する。
[スパークプラグの取付工程]
図4は、内燃機関200へのスパークプラグ100の取付工程を示す概略図である。図4の(a)〜(c)欄にはそれぞれ、スパークプラグ100が内燃機関200に取り付けられるときの様子が工程順に模式的に図示されている。図4の(a)欄および(c)欄にはスパークプラグ100において工具が係合される箇所を示す一対の矢印FPが示されている。また、図4の(a)〜(c)欄にはそれぞれ、スパークプラグ100を中心軸CXに沿った方向に見たときの接地電極13の配置状態が吹き出し内に模式的に図示されている。各吹き出し内には、接地電極13の第2の延伸部13bの延伸方向を示す矢印MDが図示されている。
図4は、内燃機関200へのスパークプラグ100の取付工程を示す概略図である。図4の(a)〜(c)欄にはそれぞれ、スパークプラグ100が内燃機関200に取り付けられるときの様子が工程順に模式的に図示されている。図4の(a)欄および(c)欄にはスパークプラグ100において工具が係合される箇所を示す一対の矢印FPが示されている。また、図4の(a)〜(c)欄にはそれぞれ、スパークプラグ100を中心軸CXに沿った方向に見たときの接地電極13の配置状態が吹き出し内に模式的に図示されている。各吹き出し内には、接地電極13の第2の延伸部13bの延伸方向を示す矢印MDが図示されている。
内燃機関200の隔壁201には、スパークプラグ100を挿入するためのプラグホール202が凹部として形成されている。プラグホール202の底部には、内燃機関200の燃焼室205に連通する取付孔203が形成されている。取付孔203の内周面には、スパークプラグ100の主体金具40に設けられたねじ部42と螺合するねじ溝が設けられている。
内燃機関200へのスパークプラグ100の取り付けの際には、まず、工具係合部45に工具を係合させて、スパークプラグ100全体を中心軸CXを中心に回転させ、主体金具40のねじ部42を取付孔203に螺合させる((a)欄)。そして、火花放電ギャップSGを燃焼室205内における所定の深さ位置DPの近傍に到達させるとともに、接地電極13の第2の延伸部13bの延伸方向(矢印MD)を所定の方向に向かせる((b)欄)。
ここで、「所定の深さ位置DP」は、混合ガスの点火性を確保するために予め実験的に求められた位置であれば良い。所定の深さ位置DPは、例えば、燃焼室205の取付孔203の開口周縁の内壁面から中心軸CXに沿った方向に10〜15mm程度離れた位置であるとしても良い。
また、「所定の深さ位置DPの近傍」とは、所定の深さ位置DPに対して±5%の範囲内の領域であるとしても良い。火花放電ギャップSGの深さ位置が±0.5mm程度の誤差で変動した場合であっても、限界空燃比(後述)は±0.10〜0.15の範囲で変動するのみである。従って、火花放電ギャップSGが、所定の深さ位置DP近傍に配置されていれば、スパークプラグ100による良好な点火性を得ることは可能である。なお、燃焼室205内において火花放電ギャップSGが配置されている深さ位置はプラグホール202の底面から延出しているスパークプラグ100の高さに基づいて求めることができる。
後述の参考例において説明するように、燃焼室205内におけるスパークプラグ100による着火性は、中心軸CXまわりの円周方向における第1の延伸部13aの配置位置(以下、単に「第1の延伸部13aの配置位置」と呼ぶ)に大きく影響される。第1の延伸部13aの配置位置は、第2の延伸部13bの延伸方向MDの向きによって決まる。従って、第2の延伸部13bの延伸方向として設定される「所定の方向」は、混合ガスの点火性が確保されるように実験的に求められた第1の延伸部13aの配置位置に応じた方向であれば良い。
「所定の方向」は、後述する参考例において説明する接地電極の配置角度θが好適な値になる方向であるとしても良い。燃焼室205内における第2の延伸部13bの延伸方向の向きは、内燃機関200の外部に配置されている絶縁体20の外表面に形成されている第1のマーク28や端子電極30の上端面31sに形成されている第2のマーク29の位置によって知ることができる。
火花放電ギャップSGが所定の深さ位置DP近傍に配置され、第2の延伸部13bの延伸方向が所定の方向に向くように位置決めされた後、ナット金具50に工具が係合されてナット金具50が回転される((c)欄)。ナット金具50は、所定の締結トルクが得られるまで内燃機関200に向かって移動する方向に締め付けられる。このとき、第2の延伸部13bの延伸方向がぶれないように、工具係合部45は、ナット金具50を回転させる工具とは別の工具によって固定され、ナット金具50のみが回転されることが望ましい。以上の工程によって、スパークプラグ100が内燃機関200に固定される。
本実施形態のスパークプラグ100であれば、主体金具40のねじ部42や内燃機関200の取付孔203におけるねじ溝の切り始めの位置にかかわらず、燃焼室205における第1の延伸部13aの配置位置を位置決めすることができる。また、本実施形態のスパークプラグ100であれば、スパークプラグ100の内燃機関の取り外しの際には、ナット金具50および工具係合部45の両者を利用することができる。従って、スパークプラグ100が内燃機関200に固着しているような場合でも、その取り外しが容易である。
以上のように、本実施形態のスパークプラグ100によれば、中心電極10および接地電極13の配置位置が決まった後に、ナット金具50によってスパークプラグ100の所定の締結トルクを確保することができる。従って、燃焼室205内における中心電極10および接地電極13の位置決めを高い精度で容易に行うことができる。
[参考例]
図5は、内燃機関200の燃焼室205内における接地電極13の配置位置を示す配置角度θを説明するための説明図である。図5には、スパークプラグ100が取り付けられた燃焼室205をスパークプラグ100の挿入方向に見たときの、接地電極13と、燃焼室205の吸気口211,212及び排気口213,214の位置関係が模式的に示されている。また、図5には、便宜上、内燃機関200のクランクシャフト(図示は省略)の中心線を示す縦軸VAと、縦軸VAにスパークプラグ100の中心軸CXの位置において直交する横軸HAと、が破線によって図示されている。
図5は、内燃機関200の燃焼室205内における接地電極13の配置位置を示す配置角度θを説明するための説明図である。図5には、スパークプラグ100が取り付けられた燃焼室205をスパークプラグ100の挿入方向に見たときの、接地電極13と、燃焼室205の吸気口211,212及び排気口213,214の位置関係が模式的に示されている。また、図5には、便宜上、内燃機関200のクランクシャフト(図示は省略)の中心線を示す縦軸VAと、縦軸VAにスパークプラグ100の中心軸CXの位置において直交する横軸HAと、が破線によって図示されている。
ここで、図5の紙面下側が内燃機関200の前方であり、紙面上側が後方である。内燃機関200の燃焼室205には、第1と第2の吸気口211,212と、第1と第2の排気口213,214とが、縦軸VAを挟んで左右対称な位置に設けられている。また、第1と第2の吸気口211,212および第1と第2の排気口213,214はそれぞれ横軸HAを挟んで前後に対称な位置に設けられている。
本参考例では、燃焼室205における接地電極13の第1の延伸部13aの配置位置を以下に説明する「配置角度θ」によって表す。接地電極13の配置角度θは、接地電極13の中心線CLと縦軸VAとの間の角度である。接地電極13の配置角度θは、接地電極13の中心線CLが縦軸VA上にあり、第1の延伸部13aが前方側にあるときが0°であり(破線で図示)、中心軸CXの右回りの方向がプラス方向である。
図6,図7は上述の内燃機関200と同様な構成の内燃機関において実験的に得られた接地電極13の配置角度θと限界空燃比LA/Fとの関係を示す説明図である。図6には、縦軸を限界空燃比LA/Fとし、横軸を接地電極の配置角度θとする直交座標系のグラフが示されている。また、図7には、図6の直交座標系のグラフが、接地電極の配置角度θに対して径方向を限界空燃比LA/Fとする極座標系のグラフに置き換えて示されている。
ここで、「限界空燃比LA/F」とは、リーンリミット法によって得られる計測値であり、内燃機関に供給される混合気における空燃比を増大させたときに、混合気の所定の着火性が確保できなくなる空燃比の限界値を意味する。「空燃比」とは、混合気における空気の質量を燃料の質量で除した値(A/F)である。
具体的な実験条件は以下の通りである。
(1)内燃機関:
機種:1NZ−FE(排気量1.5LのDOHC4バルブエンジン)
パラメータ:#1cyl,A/F
(2)内燃機関の駆動条件:
回転数:1600rpm
点火時期:BTDC60°
吸入空気:温度20℃,湿度50%
(3)限界空燃比LA/Fの計測基準:
1000サイクル中1%の失火が生じたときの空燃比とした。
(1)内燃機関:
機種:1NZ−FE(排気量1.5LのDOHC4バルブエンジン)
パラメータ:#1cyl,A/F
(2)内燃機関の駆動条件:
回転数:1600rpm
点火時期:BTDC60°
吸入空気:温度20℃,湿度50%
(3)限界空燃比LA/Fの計測基準:
1000サイクル中1%の失火が生じたときの空燃比とした。
限界空燃比LA/Fは、接地電極13の中心線CLがクランクシャフトの中心線である縦軸VA(図5)に近いほど良好な値が得られる傾向にあり、接地電極の配置角度θが180°のときに最も高くなり、0°のときに2番目に高くなった。これに対して、限界空燃比LA/Fは、接地電極13の第1の延伸部13aの中心線が横軸HA(図5)に近いほど低くなる傾向にあり、接地電極の配置角度θが270°のときに最も低く、90°のときに2番目に低くなった。
接地電極13の配置角度θが0°,180°近傍のときに良好な着火性が得られるのは、第1の延伸部13aが縦軸VAに近い位置にあるほど、火花放電ギャップSGに向かう混合気の流れが第1の延伸部13aによって阻害されないためであると考えられる。以上の結果から、接地電極13の配置角度θは、0°≦θ≦30°、150°≦θ≦210°、330°≦θ<360°の範囲内にあることが望ましく、θ=180°であることがより望ましいと言える。
B.第2実施形態:
図8は、本発明の第2実施形態としてのスパークプラグの取付工具300の構成を示す概略図である。図8には、取付工具300を第1レンチ部310と第2レンチ部320とに分解した状態が図示されるとともに、第1レンチ部310のX−X切断における概略断面と、第2レンチ部320のY−Y切断における概略断面とが図示されている。
図8は、本発明の第2実施形態としてのスパークプラグの取付工具300の構成を示す概略図である。図8には、取付工具300を第1レンチ部310と第2レンチ部320とに分解した状態が図示されるとともに、第1レンチ部310のX−X切断における概略断面と、第2レンチ部320のY−Y切断における概略断面とが図示されている。
この取付工具300は、第1実施形態のスパークプラグ100を内燃機関に取り付けるのに適した工具である。取付工具300は、第1の筒状部材としての第1レンチ部310と、第2の筒状部材としての第2レンチ部320と、を備える。第1レンチ部310は、貫通孔である筒孔311を有している。取付工具300の使用時には、第1レンチ部310の筒孔311内に第2レンチ部320が挿入される。
第1レンチ部310の先端側(紙面下側)には、第1実施形態のスパークプラグ100(図1)におけるナット金具50の外周面が係合可能な内周壁面312を有する星形十二角形状の開口係合部313が設けられている。第1レンチ部310の後端側(紙面上側)の端部の外周にはレンチやスパナなどの工具が係合可能な六角断面形状の外周係合部315が形成されている。第1レンチ部310の長さは、内燃機関に設けられたプラグホール202(図4)の外に外周係合部315が配置されるように規定されていることが好ましい。第1レンチ部310の長さが200mm以上であれば、一般的な内燃機関のプラグホールに対応することが可能である。
第2レンチ部320は後端側端部(紙面上側)において閉塞されている筒孔321を有している。第2レンチ部320の先端側(紙面下側)には、第1実施形態のスパークプラグ100における工具係合部45の外周面が係合可能な内周壁面322を有する星形十二角形状の開口係合部323が設けられている。第2レンチ部320の後端側の端面324には、ラチェットなどの工具が係合可能な工具係合孔325が形成されている。
第2レンチ部320は、第1レンチ部310に挿入されたときに第1レンチ部310の筒孔311から延出する部位が生じるように、その長さが第1レンチ部310の長さと同等かそれ以上になるように構成されている。第2レンチ部320において第1レンチ部310の筒孔311から延出する部位の外周面には、第2レンチ部320の外周方向における向きを示すためのマーク326が設けられている。
ここで、第1実施形態のスパークプラグ100においてナット金具50がHEX16の規格に適合するサイズで構成され、工具係合部45がHEX12の規格に適合するサイズで構成されている場合には、取付工具300は以下のように構成されても良い。
(1)第1レンチ部310
・外径、内径:20mm、18mm
・開口係合部313:Bi−HEX16の規格に適合するサイズ、深さが10mm以内
・外周係合部315 :HEX22の規格に適合するサイズ
(2)第2レンチ部320
・外径、内径:17mm、15mm
・開口係合部323:Bi−HEX12の規格に適合するサイズ
・工具係合孔325:3/8サイズのラチェットに適合するサイズ
(1)第1レンチ部310
・外径、内径:20mm、18mm
・開口係合部313:Bi−HEX16の規格に適合するサイズ、深さが10mm以内
・外周係合部315 :HEX22の規格に適合するサイズ
(2)第2レンチ部320
・外径、内径:17mm、15mm
・開口係合部323:Bi−HEX12の規格に適合するサイズ
・工具係合孔325:3/8サイズのラチェットに適合するサイズ
図9は取付工具300の使用方法を説明するための概略図である。図9には、第1レンチ部310に第2レンチ部320が挿入された状態の取付工具300の概略断面とともに、内燃機関に取り付けられる時のスパークプラグ100の概略輪郭線が破線によって示されている。
スパークプラグ100の取り付け時には、スパークプラグ100のねじ部42より後端側は、第1レンチ部310の開口係合部313を介して第2レンチ部320の筒孔321内に収容される。スパークプラグ100が備えるナット金具50の外周面は第1レンチ部310の開口係合部313に係合され、工具係合部45の外周面は第2レンチ部320の開口係合部323に係合される。
第1レンチ部310に対するスパークプラグ100の挿入深さは筒孔311内に設けられた段差面317がナット金具50に係止することによって固定される。また、第2レンチ部320に対するスパークプラグ100の挿入深さは筒孔321内に設けられた段差部327がナット金具50に係止することによって固定される。加えて、スパークプラグ100が取付工具300内に収容されるときには、第2レンチ部320のマーク326の向きがスパークプラグ100の第1のマーク28または第2のマーク29の向きに合わせられる。
以下では、取付工具300を用いた内燃機関へのスパークプラグ100の取付工程を、図4で説明した工程順序に基づいて説明する。まず、取付工具300にセッティングされたスパークプラグ100の先端部を内燃機関200の取付孔203に挿入し、第1レンチ部310とともに第2レンチ部320をスパークプラグ100の中心軸CXを中心に回転させる。これによって、スパークプラグ100のねじ部42が内燃機関200の取付孔203に螺合された状態で火花放電ギャップSGが燃焼室205内に導入される(図4の(a)欄)。
次に、火花放電ギャップSGの深さ位置が所定の深さ位置DPに到達し、かつ、接地電極13の第2の延伸部13bの延伸方向の向きが所定の向きになった状態で((b)欄)、第2レンチ部320は回転しないように固定される。なお、火花放電ギャップSGが所定の深さ位置DPに到達したか否かは、第2レンチ部320の内燃機関200に対する高さ方向の変位量に基づいて知ることができる。また、第2の延伸部13bの延伸方向は第2レンチ部320のマーク326の向きによって知ることができる。
第2レンチ部320が固定された後に、第1レンチ部310の外周係合部315に工具を係合させて第1レンチ部310のみを回転させてナット金具50を所定の締結トルクで締め付ける((c)欄)。これによって、スパークプラグ100は内燃機関200に固定される。以上のように、第2実施形態の取付工具300であれば、第1実施形態のスパークプラグ100の内燃機関への取り付けを効率的に行うことができる。
また、第2実施形態の取付工具300であれば、内燃機関200からのスパークプラグ100の取り外しの際には、工具係合部45とナット金具50の両方に同時にトルクを付与することができる。従って、スパークプラグ100が内燃機関200の取付孔203に固着してしまっている場合であっても、その取り外しを容易に行うことができる。
C.第3実施形態:
図10は本発明の第3実施形態としてのスパークプラグ100Aの構成を示す概略図である。第3実施形態のスパークプラグ100Aは工具係合部45Aの径方向のサイズが拡大されている点以外は第1実施形態のスパークプラグ100(図1)とほぼ同じ構成である。第3実施形態のスパークプラグ100Aでは、工具係合部45Aがナット金具50よりも径方向のサイズが大きく構成されている。工具係合部45Aは、ナット金具50がHEX16の規格に適合するサイズで構成されている場合には、HEX18の規格に適合するサイズで構成されても良い。第3実施形態のスパークプラグ100Aであれば、内燃機関への取り付けあるいは取り外しの際に、工具係合部45Aを介した中心軸CXを中心とするスパークプラグ100Aの回転が容易になる。
図10は本発明の第3実施形態としてのスパークプラグ100Aの構成を示す概略図である。第3実施形態のスパークプラグ100Aは工具係合部45Aの径方向のサイズが拡大されている点以外は第1実施形態のスパークプラグ100(図1)とほぼ同じ構成である。第3実施形態のスパークプラグ100Aでは、工具係合部45Aがナット金具50よりも径方向のサイズが大きく構成されている。工具係合部45Aは、ナット金具50がHEX16の規格に適合するサイズで構成されている場合には、HEX18の規格に適合するサイズで構成されても良い。第3実施形態のスパークプラグ100Aであれば、内燃機関への取り付けあるいは取り外しの際に、工具係合部45Aを介した中心軸CXを中心とするスパークプラグ100Aの回転が容易になる。
D.第4実施形態:
図11は、本発明の第4実施形態としてのスパークプラグ100Bの構成を示す概略図である。第4実施形態のスパークプラグ100Bは台座部43が省略されている点以外は第1実施形態のスパークプラグ100(図1,図2)の構成とほぼ同じである。第4実施形態のスパークプラグ100Bであれば、台座部43が省略されている分だけ、軽量化および製造コストの低減が可能である。なお、第4実施形態のスパークプラグ100Bは、第2実施形態の取付工具300によって内燃機関に対する脱着が可能である。
図11は、本発明の第4実施形態としてのスパークプラグ100Bの構成を示す概略図である。第4実施形態のスパークプラグ100Bは台座部43が省略されている点以外は第1実施形態のスパークプラグ100(図1,図2)の構成とほぼ同じである。第4実施形態のスパークプラグ100Bであれば、台座部43が省略されている分だけ、軽量化および製造コストの低減が可能である。なお、第4実施形態のスパークプラグ100Bは、第2実施形態の取付工具300によって内燃機関に対する脱着が可能である。
E.変形例:
E1.変形例1:
上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bは、中心電極10の先端部11に向かって延伸する棒状の接地電極13を有している。これに対して、上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bは、そのような棒状の接地電極13を有していなくても良く、例えば、中心電極10の先端部11の周囲を囲む環状の接地電極を有していても良い。上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bは、例えば、いわゆるプラズマジェットプラグやプレチャンバープラグとして構成されていても良い。この場合には、燃焼室205(図4)内において火花放電ギャップSGが所定の深さ位置DPに到達させた後に、ナット金具50が所定の締結トルクで締め付けられる。従って、火花放電ギャップSGを燃焼室205内の所定の深さ位置により高い精度で配置することができる。
E1.変形例1:
上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bは、中心電極10の先端部11に向かって延伸する棒状の接地電極13を有している。これに対して、上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bは、そのような棒状の接地電極13を有していなくても良く、例えば、中心電極10の先端部11の周囲を囲む環状の接地電極を有していても良い。上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bは、例えば、いわゆるプラズマジェットプラグやプレチャンバープラグとして構成されていても良い。この場合には、燃焼室205(図4)内において火花放電ギャップSGが所定の深さ位置DPに到達させた後に、ナット金具50が所定の締結トルクで締め付けられる。従って、火花放電ギャップSGを燃焼室205内の所定の深さ位置により高い精度で配置することができる。
E2.変形例2:
上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bにおいては、略六角断面形状のナット金具50が主体金具40のねじ部42に螺合している。これに対して、各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bにおいては、ナット金具50以外の環状部材が主体金具40のねじ部42に螺合していても良い。例えば、主体金具40のねじ部42には、略円形断面形状の環状部材が螺合していても良い。ただし、主体金具40のねじ部42に螺合する環状部材は、その締結を容易にするために外周面に工具が係合可能な係合面や係合穴などの係合部が形成されていることが望ましい。なお、本明細書における「環状部材」は、円周方向に完全に連続している必要はなく、円周方向の一部に切断部が形成されていても良い。
上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bにおいては、略六角断面形状のナット金具50が主体金具40のねじ部42に螺合している。これに対して、各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bにおいては、ナット金具50以外の環状部材が主体金具40のねじ部42に螺合していても良い。例えば、主体金具40のねじ部42には、略円形断面形状の環状部材が螺合していても良い。ただし、主体金具40のねじ部42に螺合する環状部材は、その締結を容易にするために外周面に工具が係合可能な係合面や係合穴などの係合部が形成されていることが望ましい。なお、本明細書における「環状部材」は、円周方向に完全に連続している必要はなく、円周方向の一部に切断部が形成されていても良い。
E3.変形例3:
上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bでは、主体金具40の先端側開口部40tにおける接地電極13の第1の延伸部13aの位置を示す第1と第2のマーク28,29が絶縁体20の外周面や端子電極30の上端面31sに印刷されている。これに対して、上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bには第1と第2のマーク28,29はいずれか一方が省略されても良いし、両方が省略されても良い。第2のマーク29であれば、スパークプラグ100,100A,100Bが深いプラグホール内に取り付けられる場合であっても、プラグホールの開口部から視認することが可能である。従って、スパークプラグ100,100A,100Bは、第1と第2のマーク28,29のうち少なくとも第2のマーク29を有していることが好ましい。なお、第1と第2のマーク28,29の両方が省略された場合であっても、燃焼室205内における接地電極13の第1の延伸部13aの配置位置は、例えば、工具係合部45の外周面など、予め第1の延伸部13aの位置に対応付けられた固定部位の位置に基づいて知ることができる。同様に、上記各実施形態の取付工具300,300Aにおいて、マーク326は省略されても良い。
上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bでは、主体金具40の先端側開口部40tにおける接地電極13の第1の延伸部13aの位置を示す第1と第2のマーク28,29が絶縁体20の外周面や端子電極30の上端面31sに印刷されている。これに対して、上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bには第1と第2のマーク28,29はいずれか一方が省略されても良いし、両方が省略されても良い。第2のマーク29であれば、スパークプラグ100,100A,100Bが深いプラグホール内に取り付けられる場合であっても、プラグホールの開口部から視認することが可能である。従って、スパークプラグ100,100A,100Bは、第1と第2のマーク28,29のうち少なくとも第2のマーク29を有していることが好ましい。なお、第1と第2のマーク28,29の両方が省略された場合であっても、燃焼室205内における接地電極13の第1の延伸部13aの配置位置は、例えば、工具係合部45の外周面など、予め第1の延伸部13aの位置に対応付けられた固定部位の位置に基づいて知ることができる。同様に、上記各実施形態の取付工具300,300Aにおいて、マーク326は省略されても良い。
上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bにおいて、第1のマーク28は、絶縁体20の外周面以外の位置に形成されても良く、第2のマーク29は端子電極30の上端面31s以外の位置に形成されても良い。第1のマーク28は、主体金具40のねじ部42よりも後端側に設けられていれば良く、例えば、工具係合部45に形成されていても良い。第2のマーク29は、スパークプラグ100を後端側から中心軸CXに沿って見たときに視認可能な位置に形成されていれば良く、例えば、加締部47に形成されていても良い。また、第1と第2のマーク28,29は、印刷によって形成されていなくても良く、絶縁体20や端子電極30、主体金具40などの外表面に対する加工によって、凹部や凸部として形成されていても良い。
また、上記第2実施形態の取付工具300においてマーク326は、第2レンチ部320の後端部位における外周表面以外の位置に形成されていても良い。マーク326は、第2レンチ部320において、後端側の端面324や、第1レンチ部310の側面に設けられた窓部などを介して視認できる部位に形成されていても良い。また、マーク326は、印刷によって形成されていなくても良く、第2レンチ部320,320Aの凹部や凸部として形成されていても良い。
E4.変形例4:
上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bにおいては、ナット金具50が直接的に内燃機関200の外壁面に接触している(図4の(c)欄)。これに対して、上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bの内燃機関200への取り付けの際にはナット金具50と内燃機関200との間にシール部材やワッシャなどの部材が介在されても良い。
上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bにおいては、ナット金具50が直接的に内燃機関200の外壁面に接触している(図4の(c)欄)。これに対して、上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bの内燃機関200への取り付けの際にはナット金具50と内燃機関200との間にシール部材やワッシャなどの部材が介在されても良い。
E5.変形例5:
上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bにおいては、ナット金具50全体が、主体金具40の構成材料よりも軟らかい材料で構成されている。これに対して、ナット金具50は、主体金具40のねじ部42に接する内周面のみが主体金具40のねじ部42よりも軟らかい材料で構成されているものとしても良い。
上記各実施形態のスパークプラグ100,100A,100Bにおいては、ナット金具50全体が、主体金具40の構成材料よりも軟らかい材料で構成されている。これに対して、ナット金具50は、主体金具40のねじ部42に接する内周面のみが主体金具40のねじ部42よりも軟らかい材料で構成されているものとしても良い。
E6.変形例6:
上記第2実施形態の取付工具300は、第1実施形態のスパークプラグ100(図1)や第3実施形態のスパークプラグ100B(図11)の取り付けに好適なように構成されている。これに対して、取付工具300は、第3実施形態のスパークプラグ100A(図10)の取り付けに好適なように構成されても良い。具体的には、第2レンチ部320の開口係合部323が工具係合部45Aのサイズに合わせて拡大され、第1レンチ部310Aの筒孔311の内径が、第2レンチ部320の開口係合部323のサイズに合わせて拡大されても良い。
上記第2実施形態の取付工具300は、第1実施形態のスパークプラグ100(図1)や第3実施形態のスパークプラグ100B(図11)の取り付けに好適なように構成されている。これに対して、取付工具300は、第3実施形態のスパークプラグ100A(図10)の取り付けに好適なように構成されても良い。具体的には、第2レンチ部320の開口係合部323が工具係合部45Aのサイズに合わせて拡大され、第1レンチ部310Aの筒孔311の内径が、第2レンチ部320の開口係合部323のサイズに合わせて拡大されても良い。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…中心電極
11…先端部
13…接地電極
13a…第1の延伸部
13b…第2の延伸部
20…絶縁体
21…軸孔
22…後端側開口部
24…延伸部位
28,29…第1と第2のマーク
30…端子電極
31…後端部
31s…上端面
35…抵抗体
36,37…第1と第2のガラスシール材
40…主体金具
40t…先端側開口部
40r…後端側開口部
41…筒孔
42…ねじ部
43…台座部
45,45A…工具係合部
47…加締部
50…ナット金具
51…係合面
52…ねじ部
100,100A…スパークプラグ
200…内燃機関
201…隔壁
202…プラグホール
203…取付孔
205…燃焼室
300…取付工具
310…第1レンチ部
311…筒孔
312…内周壁面
313…開口係合部
315…外周係合部
320…第2レンチ部
321…筒孔
322…内周壁面
323…開口係合部
324…後端側端面
325…工具係合孔
326…マーク
11…先端部
13…接地電極
13a…第1の延伸部
13b…第2の延伸部
20…絶縁体
21…軸孔
22…後端側開口部
24…延伸部位
28,29…第1と第2のマーク
30…端子電極
31…後端部
31s…上端面
35…抵抗体
36,37…第1と第2のガラスシール材
40…主体金具
40t…先端側開口部
40r…後端側開口部
41…筒孔
42…ねじ部
43…台座部
45,45A…工具係合部
47…加締部
50…ナット金具
51…係合面
52…ねじ部
100,100A…スパークプラグ
200…内燃機関
201…隔壁
202…プラグホール
203…取付孔
205…燃焼室
300…取付工具
310…第1レンチ部
311…筒孔
312…内周壁面
313…開口係合部
315…外周係合部
320…第2レンチ部
321…筒孔
322…内周壁面
323…開口係合部
324…後端側端面
325…工具係合孔
326…マーク
Claims (9)
- 軸状の中心電極と、
前記中心電極の先端部に対して所定の間隙を有して配置される接地電極と、
前記中心電極の先端部が露出した状態で前記中心電極を内部に収容する筒状の絶縁体と、
前記中心電極が先端側に配置されるように前記絶縁体が収容される貫通孔を有し、前記貫通孔の先端側の開口端部に前記接地電極が固定されている主体金具と、
を備え、
前記主体金具は、自身の外周面にねじ部を有し、前記ねじ部より後端側に、工具が係合される工具係合部を有しているスパークプラグであって、
前記ねじ部には、前記ねじ部に螺合する環状部材が取り付けられている、スパークプラグ。 - 請求項1記載のスパークプラグであって、
前記接地電極は、前記主体金具における前記先端側の開口端部から前記中心電極の先端部に向かって延びる棒状の電極である、スパークプラグ。 - 請求項1または請求項2記載のスパークプラグであって、
前記主体金具の中心軸に沿って見たときに、前記工具係合部の外周輪郭線は、前記環状部材の外周輪郭線より内側に位置している、スパークプラグ。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
前記環状部材の少なくとも内周面には、前記主体金具の構成材料よりも軟らかい材料が配置されている、スパークプラグ。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
前記主体金具は、前記工具係合部と前記環状部材との間に、前記環状部材の後端側の面に面接触する面を有する台座部が設けられている、スパークプラグ。 - 請求項5記載のスパークプラグであって、
前記主体金具の中心軸に沿って見たときに、前記台座部の外周輪郭線が前記環状部材の外周輪郭線の内側に位置している、スパークプラグ。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
前記ねじ部よりも後端側の外表面に、前記接地電極の基準位置を示す電極位置表示部が設けられている、スパークプラグ。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のスパークプラグを内燃機関に取り付けるための取付工具であって、
前記環状部材の外周面と係合する内壁面を有する第1の筒状部材と、
前記工具係合部の外周面と係合する内壁面を有する第2の筒状部材と、
を備え、
前記第2の筒状部材は、少なくとも先端側が前記第1の筒状部材の筒内に収容されている、取付工具。 - 請求項8に記載の取付工具であって、
前記第1の筒状部材は、自身の先端側に前記環状部材の外周面と係合する内壁面が設けられ、
前記第2の筒状部材は、自身の先端側に前記工具係合部の外周面と係合する内壁面が設けられている、取付工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014059492A JP2015185294A (ja) | 2014-03-24 | 2014-03-24 | スパークプラグおよびその取付工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014059492A JP2015185294A (ja) | 2014-03-24 | 2014-03-24 | スパークプラグおよびその取付工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015185294A true JP2015185294A (ja) | 2015-10-22 |
Family
ID=54351640
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014059492A Pending JP2015185294A (ja) | 2014-03-24 | 2014-03-24 | スパークプラグおよびその取付工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015185294A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06302371A (ja) * | 1993-04-16 | 1994-10-28 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の点火プラグにおける点火ギャップ位置調節構造 |
JP2013016296A (ja) * | 2011-07-01 | 2013-01-24 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 点火プラグ及びガスケット |
-
2014
- 2014-03-24 JP JP2014059492A patent/JP2015185294A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06302371A (ja) * | 1993-04-16 | 1994-10-28 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の点火プラグにおける点火ギャップ位置調節構造 |
JP2013016296A (ja) * | 2011-07-01 | 2013-01-24 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 点火プラグ及びガスケット |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4989557A (en) | Spark plug assembly for internal combustion engine | |
EP2264844B1 (en) | Spark plug for internal combustion engine | |
EP2916403B1 (en) | Ignition plug | |
CN202602085U (zh) | 火花塞 | |
JP5647588B2 (ja) | 点火プラグ | |
US8952603B2 (en) | Spark plug having specific gasket structure and orientation | |
JP5789276B2 (ja) | 点火システム | |
US7262547B2 (en) | Spark plug element having defined dimensional parameters for its insulator component | |
CN103999306A (zh) | 火花塞 | |
US8928212B2 (en) | Spark plug | |
JP2015185294A (ja) | スパークプラグおよびその取付工具 | |
JP5922087B2 (ja) | スパークプラグ | |
CN109314371B (zh) | 火花塞 | |
JP2017117733A (ja) | 点火プラグ | |
JPH1064656A (ja) | 内燃機関用スパークプラグ | |
JP5135032B2 (ja) | スパークプラグ | |
JP4897623B2 (ja) | スパークプラグの取り付け構造及びスパークプラグ | |
JP5498340B2 (ja) | スパークプラグ | |
JP2019102409A (ja) | スパークプラグ | |
CN103190044A (zh) | 火花塞 | |
JPH1113613A (ja) | スパークプラグの製造方法、シリンダヘッドの製造方法、及びエンジンの製造方法 | |
JPH06302371A (ja) | 内燃機関の点火プラグにおける点火ギャップ位置調節構造 | |
JP2007303285A (ja) | イオン電流検出装置 | |
JP2002252071A (ja) | 圧力センサ付プラグ | |
JP6352043B2 (ja) | 内燃機関 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160519 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170222 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170307 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20170912 |