JP2015184036A - 圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサおよびタッチパネル - Google Patents

圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサおよびタッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】感度の向上を図ることができる圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサおよびタッチパネルを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、支持部と、膜部と、歪検知素子と、を備えた圧力センサが提供される。前記膜部は、前記支持部に支持され変形可能である。前記膜部は、第1膜と、第2膜と、を含む。前記第1膜は、中心部に位置する第1領域と、前記第1領域の周辺部に位置する第2領域と、を有する。前記第2膜は、前記第1領域に設けられる。前記歪検知素子は、前記第2領域のうちの一部に設けられる。前記歪検知素子は、第1磁性層と、第2磁性層と、中間層と、を含む。前記第1磁性層の磁化は、前記第2領域の変形に応じて変化する。前記中間層は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサおよびタッチパネルに関する。
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いた圧力センサには、例えば、ピエゾ抵抗変化型と静電容量型とがある。一方、スピン技術を用いた圧力センサが提案されている。スピン技術を用いた圧力センサにおいては、歪に応じた抵抗変化が検知される。例えば、スピン技術を用いた圧力センサなどに用いられる歪検知素子において、感度の向上が望まれる。
特開2008−39760号公報
本発明の実施形態は、感度の向上を図ることができる圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサおよびタッチパネルを提供する。
実施形態によれば、支持部と、膜部と、歪検知素子と、を備えた圧力センサが提供される。前記膜部は、前記支持部に支持され変形可能である。前記膜部は、第1膜と、第2膜と、を含む。前記第1膜は、中心部に位置する第1領域と、前記第1領域の周辺部に位置する第2領域と、を有する。前記第2膜は、前記第1領域に設けられる。前記歪検知素子は、前記第2領域のうちの一部に設けられる。前記歪検知素子は、第1磁性層と、第2磁性層と、中間層と、を含む。前記第1磁性層の磁化は、前記第2領域の変形に応じて変化する。前記中間層は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられる。
実施形態によれば、支持部と、膜部と、歪検知素子と、を備えた圧力センサが提供される。前記膜部は、前記支持部に支持され変形可能である。前記膜部は、中心部に位置する第1領域と、前記第1領域の周辺部に位置する第2領域と、を有する。前記第1領域の材料は、前記第2領域の材料とは異なる。前記歪検知素子は、前記第2領域のうちの一部に設けられる。前記歪検知素子は、第1磁性層と、第2磁性層と、中間層と、を含む。前記第1磁性層の磁化は、前記第2領域の変形に応じて変化する。前記中間層は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられる。
実施形態によれば、支持部と、膜部と、歪検知素子と、を備えた圧力センサが提供される。前記膜部は、前記支持部に支持され変形可能である。前記膜部は、中心部に位置する第1領域と、前記第1領域の周辺部に位置する第2領域と、を有する。前記第1領域の膜のヤング率は、前記第2領域の膜のヤング率よりも大きい。前記歪検知素子は、前記第2領域のうちの一部に設けられる。前記歪検知素子は、第1磁性層と、第2磁性層と、中間層と、を含む。前記第1磁性層の磁化は、前記第2領域の変形に応じて変化する。前記中間層は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられる。
実施形態によれば、支持部と、膜部と、歪検知素子と、を備えた圧力センサが提供される。前記膜部は、前記支持部に支持され変形可能である。前記膜部は、中心部に位置する第1領域と、前記第1領域の周辺部に位置する第2領域と、を有する。前記第1領域の膜に残留する応力の値は相対的に、前記第2領域の膜に残留する応力の値よりも大きい。前記歪検知素子は、前記第2領域のうちの一部に設けられる。前記歪検知素子は、第1磁性層と、第2磁性層と、中間層と、を含む。前記第1磁性層の磁化は、前記第2領域の変形に応じて変化する。前記中間層は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられる。
図1(a)および図1(b)は、第1の実施形態に係る圧力センサおよび歪検知素子を示す模式的斜視図である。 図2(a)〜図2(c)は、第1の実施形態に係る圧力センサを示す模式的断面図である。 図3(a)〜図3(c)は、第1の実施形態に係る膜部の形状を示す模式的断面図である。 図4(a)〜図4(c)は、第1の実施形態に係る膜部の形状を示す模式的断面図である。 図5(a)〜図5(d)は、第1の実施形態に係る圧力センサの膜部を示す模式的平面図である。 図6(a)〜図6(c)は、第1の実施形態に係る歪検知素子の動作を示す模式的斜視図である。 第1の実施形態に係る歪検知素子を示す模式的斜視図である。 図8(a)および図8(b)は、実施形態に係る歪検知素子の別の例を示す模式的斜視図である。 図9(a)〜図9(d)は、第1の実施形態に係る製造方法を用いて作製できる別の歪検知素子を示す模式的斜視図である。 第1の実施形態の圧力センサの作用を示す模式断面図である。 図11(a)および図11(b)は、第1の実施形態の圧力センサの膜部が外側に向けて凸状に撓んだ場合の膜部の変位を表した模式的断面図である。 第1の実施形態の圧力センサに外部圧力の加わった場合に膜部に発生する応力の分布を説明するための模式的断面図である。 第1の実施形態の圧力センサの膜部上の歪み検知素子の配置位置を表す模式的断面図である。 第1の実施形態に係る圧力センサの製造方法を例示するフローチャートである。 図15(a)〜図15(d)は、圧力センサの製造方法を例示する模式的工程図である。 図16(a)〜図16(d)は、第1の実施形態の圧力センサのうち図2(a)の膜部を有する圧力センサを形成する模式的工程図である。 図17(a)〜図17(d)は、第1の実施形態の圧力センサのうち図2(b)の膜部を形成する模式的工程図である。 第2の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的斜視図である。 第2の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的断面図である。 第2の実施形態の圧力センサの作用を例示する模式断面図である。 図21(a)および図21(b)は、第2の実施形態の圧力センサの膜部が外側に向けて凸状に撓んだ場合の膜部の変位を表した模式図である。 第2の実施形態に係る圧力センサの製造方法を例示するフローチャートである。 図23(a)〜図23(d)は、イオン注入法を用いて膜部を形成する模式的断面図である。 図24(a)〜図24(d)は、成膜を複数回に分けて膜部を形成する模式的工程図である。 第3の実施形態に係る圧力センサを示す模式的斜視図である。 図26(a)〜図26(c)は、第3の実施形態に係る圧力センサを示す模式的断面図である。 図27(a)〜図27(c)は、第3の実施形態に係る膜部の形状を例示する模式的断面図である。 図28(a)〜図28(c)は、第3の実施形態に係る膜部の形状を例示する模式的断面図である。 第3の実施形態の圧力センサの作用を例示する模式図である。 図30(a)および図30(b)は、第3の実施形態の圧力センサの膜部が外側に向けて凸状に撓んだ場合の膜の変位を表した模式的断面図である。 第4の実施形態に係るマイクロフォンを示す模式的平面図である。 第5の実施形態に係る音響マイクを示す模式的断面図である。 図33(a)及び図33(b)は、第6の実施形態に係る血圧センサを示す模式図である。 第7の実施形態に係るタッチパネルを示す模式的平面図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1(a)および図1(b)は、第1の実施形態に係る圧力センサおよび歪検知素子を例示する模式的斜視図である。
図1(a)は、実施形態に係る圧力センサを例示する模式的斜視図である。図1(b)は、実施形態に係る歪検知素子を例示する模式的斜視図である。
なお、図1(a)においては、図を見やすくするために、絶縁部分を省略し、主に導電部分を描いている。また、図1(b)においては、図を見やすくするために、歪検知素子50のうち一部のものを描いている。さらに、後述のように、膜部64の中心部64m(図2(a)〜図2(c)参照)の厚さは、膜部64の周辺部64n(図2(a)〜図2(c)参照)の厚さとは異なる。
図1(a)に示すように、圧力センサ310は、支持部71と、センサ部72と、を備える。センサ部72は、支持部71の上に設けられる。センサ部72は、膜部64と、歪検知素子50と、を含む。歪検知素子50は、図1(a)のように、膜部64上に複数配置される場合もある。
膜部64は、支持部71に支持され、変形可能な膜である。膜部64は、第1膜64aと、第2膜64bと、を含む。第1膜64aは、第1領域R1(図2(a)〜図2(c)参照)と、第2領域R2(図2(a)〜図2(c)参照)と、を有する。第1領域R1は、膜部64の中心部64mに位置する。第2領域R2は、膜部64の周辺部64n(第1領域R1の周辺部)に位置する。第2膜64bは、第1領域R1に設けられる。膜部64は、第1膜64aおよび第2膜64bに垂直な方向に対して可撓である、すなわち撓ませることができる。膜部64は、外部圧力が印加されたときに撓み、その上に設けられた歪検知素子50に歪みを生じさせる。外部圧力は、例えば、音波、超音波、押圧などによる圧力とすることができる。つまり、膜部64は、外部圧力が印加されると変形する。
膜部64は、外部圧力によって撓む部分よりも外側に連続して形成されている場合もある。本願明細書においては、膜厚がある固定端よりも薄く、外部圧力によって撓む部位を、膜部64とする。
膜部64は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、などの絶縁性材料を用いて形成することができる。また、膜部64は、シリコンなどの半導体材料や、そのほかにも金属材料を用いて形成することもできる。実施形態では、第2膜64bは、第1膜64aと一体成形されている。より具体的には、第2膜64bは、第1膜64aの材料と同じ材料により第1膜64aと一体的に成形されている。
膜部64の下には、空洞部70が存在する場合もある。空洞部70は、空気や不活性ガスなどの気体で満たされている場合もあれば、液体で満たされている場合もある。
図1(b)に表したように、実施形態にかかる歪検知素子50は、第1磁性層51と、第2磁性層52と、中間層53と、を含む。
例えば、第1磁性層51から第2磁性層52に向かう方向をZ軸方向(積層方向)とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向とする。
第1磁性層51は、積層方向において第2磁性層52とは離隔して設けられる。第1磁性層51と第2磁性層52との間に、中間層53が設けられる。
第1磁性層51は、例えば、磁化自由層である。歪検知素子50に応力が加わり、歪検知素子50に歪が生ずると、第1磁性層51の磁化が変化する。例えば、第1磁性層51の磁化の変化は、第2磁性層52の磁化の変化よりも容易である。これにより、第1磁性層51の磁化と第2磁性層52の磁化との間の相対角度は、変化する。
第2磁性層52は、例えば参照層である。参照層として、磁化固定層が用いられる。または、参照層として磁化自由層が用いられる。
図2(a)〜図2(c)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的断面図である。
図2(a)〜図2(c)は、図1(a)のA1−A2線断面図である。
なお、図2(a)〜図2(c)においては、図を見やすくするために、絶縁部分と導電部分を省略して描いている。
膜部64は、第1膜64aと、第2膜64bと、を含む。第1膜64aは、第1領域R1と、第2領域R2と、を有する。第1領域R1は、膜部64の中心部64mに位置する。第2領域R2は、膜部64の周辺部64n(第1領域R1の周辺部)に位置する。第2膜64bは、第1領域R1に設けられる。膜部64の中心部64m(第1膜64aの第1領域R1と第2膜64bとを合わせた部分)の厚さは、膜部64の周辺部64n(第1膜64aの第2領域R2の部分)の厚さよりも厚い。このとき、膜部64の凸形状は、図2(a)のように空洞部70側に存在する場合もあれば、図2(b)のように空洞部70とは膜部64を挟んで反対側に存在する場合もあれば、図2(c)のように空洞部70側および空洞部70とは反対側の両側に存在する場合もある。
第1膜64aの厚さt1は、例えば、50ナノメートル(nm)以上、3マイクロメートル(μm)以下とすることができる。この場合、好ましくは、200nm以上、1.5μm以下とすることができる。
図1に例示をしたもののように、膜部64の平面形状が円の場合には、膜部64の直径寸法は、例えば、1μm以上、600μm以下とすることができる。この場合、好ましくは、60μm以上、600μm以下とすることができる。膜部64の平面形状が正方形の場合には、膜部64の一辺の長さは、例えば1μm以上、650μm以下とすることができる。この場合、好ましくは、50μm以上、550μm以下とすることができる。膜部64の平面形状が長方形の場合には、膜部64の短辺の長さは、例えば1μm以上、500μm以下とすることができる。この場合、好ましくは、50μm以上、400μm以下とすることができる。
膜部64の周辺部64nの厚さ(言い換えれば、第1膜64aの厚さt1)に対する膜部64の中心部64mの厚さ(言い換えれば、第1膜64aの厚さt1と第2膜64bの厚さt2(図2(c)の場合にはt21+t22)との合計の厚さ)は、例えば1.1倍以上、4倍以下とすることができる。この場合、好ましくは1.5倍以上、3倍以下とすることができる。膜部64の中心部64mの厚さと、膜部64の周辺部64nの厚さと、の間の関係を上記の範囲に収めることで、中心部64mと周辺部64nで膜厚差を持たせたことによる後述のセンサの性能向上効果が十分に得られ、なおかつ圧力センサ310が加速された場合に発生するセンサのノイズを抑えることができる。
図3(a)〜図4(c)は、第1の実施形態に係る膜部の形状を例示する模式的断面図である。
膜部64の第2膜64bは、図2(a)〜図2(c)のように、膜部64の第1膜64aとステップ状につながっている場合もあれば、図3(a)〜図3(c)のように、膜部64の第1膜64aとチルトを持ってつながっている場合もある。また、膜部64の第2膜64bは、図4(a)〜図4(c)のように、膜部64の第1膜64aと曲率を持ってなだらかにつながっている場合もある。膜部64が図3(a)〜図4(c)のような形状を持つ場合、第1膜64aの第1領域R1と、第1膜64aの第2領域R2と、の間の境界は、膜部64の最大の厚さと、膜部64の最小の厚さと、の間の差ΔT(図3(c)および図4(c)の場合には、差ΔT1+ΔT2)が半分になる部分(境界64c)と定義される。
図5(a)〜図5(d)は、第1の実施形態に係る圧力センサの膜部を例示する模式的平面図である。
膜部64は、図5(a)のように円形を有する場合もあれば、図5(b)のような楕円形を有する場合もあれば、図5(c)のように正方形を有する場合もあれば、図5(d)のように長方形を有する場合もある。また、膜部64が正方形あるいは長方形の形状を持つ場合、図5(c)や図5(d)のように角が鋭利になっている場合もあれば、カーブを有する場合もある。
膜部64上に配置された複数の歪検知素子50に発生するそれぞれの歪を対称とする観点で、膜部64の第2膜64bの形状は、図5(a)〜図5(d)のように第1膜64aの形状と相似形である場合が好ましいが、第1膜64aの形状と非相似形の形状を持つ場合もある。
図6(a)〜図6(c)は、第1の実施形態に係る歪検知素子の動作を例示する模式的斜視図である。
図6(a)は、歪検知素子50に引張応力tsが印加されたときの状態(引張状態STt)に対応する。図6(b)は、歪検知素子50が歪を有しないときの状態(無歪状態ST0)に対応する。図6(c)は、歪検知素子50に圧縮応力csが印加されたときの状態(圧縮状態STc)に対応する。
図6(a)〜図6(c)においては、図を見やすくするために、第1磁性層51と、第2磁性層52と、中間層53と、が描かれている。この例では、第1磁性層51は磁化自由層であり、第2磁性層52は磁化固定層である。
歪検知素子が歪センサとして機能する動作は、「逆磁歪効果」と「磁気抵抗効果」との応用に基づく。「逆磁歪効果」は、磁化自由層に用いられる強磁性層において得られる。「磁気抵抗効果」は、磁化自由層と中間層と参照層(例えば磁化固定層)との積層膜において発現する。
「逆磁歪効果」は、強磁性体の磁化が強磁性体に生じた歪によって変化する現象である。すなわち、歪検知素子の積層体に外部歪が印加されると、磁化自由層の磁化方向が変化する。その結果、磁化自由層の磁化と参照層(例えば磁化固定層)の磁化との間の相対角度が変化する。この際に「磁気抵抗効果(MR効果)」により、電気抵抗の変化が引き起こされる。MR効果は、例えば、GMR(Giant magnetoresistance)効果、または、TMR(Tunneling magnetoresistance)効果などを含む。積層体に電流を流すことで、磁化の向きの相対角度の変化を電気抵抗変化として読み取ることで、MR効果が発現する。例えば、積層体(歪検知素子)に歪が生じ、歪によって磁化自由層の磁化の向きが変化し、磁化自由層の磁化の向きと、参照層(例えば磁化固定層)の磁化の向きと、の相対角度が変化する。すなわち、逆磁歪効果によりMR効果が発現する。
磁化自由層に用いられる強磁性材料が正の磁歪定数を有する場合は、磁化の方向と引張歪の方向との角度が小さくなり、磁化の方向と圧縮歪の方向との角度が大きくなるように、磁化の方向が変化する。磁化自由層に用いられる強磁性材料が負の磁歪定数を有する場合は、磁化の方向と引張歪の方向との角度が大きくなり、磁化の方向と圧縮歪の方向との角度が小さくなるように、磁化の方向が変化する。
磁化自由層と中間層と参照層(例えば磁化固定層)との積層体の材料の組み合わせが正の磁気抵抗効果を有する場合は、磁化自由層と磁化固定層の相対角度が小さい場合に電気抵抗が減少する。磁化自由層と中間層と参照層(例えば磁化固定層)との積層体の材料の組み合わせが負の磁気抵抗効果を有する場合は、磁化自由層と磁化固定層の相対角度が小さい場合に電気抵抗が増大する。
以下、磁化自由層と、参照層(例えば磁化固定層)と、に用いられる強磁性材料が、それぞれ正の磁歪定数を有し、磁化自由層と中間層と参照層(例えば磁化固定層)とを含む積層体が正の磁気抵抗効果を有する場合の例に関して、磁化の変化の例について説明する。
図6(b)に表したように、歪が無い無歪状態ST0(例えば初期状態)においては、第1磁性層(磁化自由層)51の磁化51mと、第2磁性層(例えば磁化固定層)52の磁化52mと、間の相対角度は、所定の値に設定されている。第1磁性層(磁化自由層)51の初期状態の磁性層の磁化51mの方向は、例えば、ハードバイアス、または、磁性層の形状異方性などにより、設定される。この例では、第1磁性層(磁化自由層)51の磁化51mと、第2磁性層(例えば磁化固定層)52の磁化52mと、は交差している。
図6(a)に表したように、引張状態STtにおいて、引張応力tsが印加されると、歪検知素子50に引張応力tsに応じた歪が生じる。このとき、第1磁性層(磁化自由層)51の磁化51mは、磁化51mと引張応力tsの方向との角度が小さくなるように、無歪状態ST0から変化する。図6(a)に示した例では、引張応力tsが加わった場合は、無歪状態ST0に比べて、第1磁性層(磁化自由層)51の磁化51mと、第2磁性層(例えば磁化固定層)52の磁化52mと、の間の相対角度が小さくなる。これにより、歪検知素子50における電気抵抗は、無歪状態ST0の時の電気抵抗に比べて減少する。
図6(c)に表したように、圧縮状態STcにおいて、圧縮応力csが印加されると、第1磁性層(磁化自由層)51の磁化51mは、磁化51mと圧縮応力csの方向との角度が大きくなるように、無歪状態ST0から変化する。図6(c)に示した例では、圧縮応力csが加わった場合は、無歪状態ST0に比べて、第1磁性層(磁化自由層)51の磁化51mと、第2磁性層(例えば磁化固定層)52の磁化52mと、の間の相対角度が大きくなる。これにより、歪検知素子50における電気抵抗は、増大する。
このように、歪検知素子においては、歪検知素子に生じた歪の変化が、電気抵抗の変化に変換される。上記の動作において、単位歪(dε)あたりの、電気抵抗の変化量(dR/R)をゲージファクター(GF:gauge factor)という。ゲージファクターの高い歪検知素子を用いることで、高感度な歪センサが得られる。
図7は、第1の実施形態に係る歪検知素子を例示する模式的斜視図である。
図7に表したように、実施形態に用いられる歪検知素子50は、下部電極E1と、下地層54と、ピニング層55と、第2磁化固定層56と、磁気結合層57と、第1磁化固定層(第2磁性層)52と、中間層53と、磁化自由層(第1磁性層)51と、キャップ層と58、上部電極E2と、を含む。第1磁化固定層52は、第2磁性層に相当する。磁化自由層51は、第1磁性層に相当する。下部電極E1上部電極E2との間に、下地層54が設けられる。下地層54と上部電極E2との間に、ピニング層55が設けられる。ピニング層55と上部電極E2との間に、第2磁化固定層56が設けられる。第2磁化固定層56と上部電極E2との間に、磁気結合層57が設けられる。磁気結合層57と上部電極E2の間に、第1磁化固定層52が設けられる。第1磁化固定層52と上部電極E2との間に、中間層53が設けられる。中間層53と上部電極E2との間に、磁化自由層51が設けられる。磁化自由層51と上部電極E2との間に、キャップ層58が設けられる。
下地層54には、例えば、Ta/Ruが用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3ナノメートル(nm)である。このRu層の厚さは、例えば、2nmである。
ピニング層55には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。
第2磁化固定層56には、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。 磁気結合層57には、例えば、0.9nmの厚さのRu層が用いられる。
第1磁化固定層52には、例えば、3nmの厚さのCo40Fe4020層が用いられる。 中間層53には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。
磁化自由層51には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe4020が用いられる。
キャップ層58には、例えばTa/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
下部電極E1及び上部電極E2には、例えば、アルミニウム(Al)、アルミニウム銅合金(Al−Cu)、銅(Cu)、銀(Ag)、及び、金(Au)の少なくともいずれかが用いられる。下部電極E1及び上部電極E2として、このような電気抵抗が比較的小さい材料を用いることで、歪検知素子50に効率的に電流を流すことができる。下部電極E1及び上部電極E2には、非磁性材料を用いることができる。
下部電極E1及び上部電極E2は、例えば、下部電極E1及び上部電極E2用の下地層(図示せず)と、下部電極E1及び上部電極E2用のキャップ層(図示せず)と、それらの間に設けられた、Al、Al−Cu、Cu、Ag、及び、Auの少なくともいずれかの層と、を含んでもよい。例えば、下部電極E1及び上部電極E2には、タンタル(Ta)/銅(Cu)/タンタル(Ta)などが用いられる。下部電極E1及び上部電極E2の下地層としてTaを用いることで、例えば、膜部64と下部電極E1及び上部電極E2との密着性が向上する。下部電極E1及び上部電極E2用の下地層として、チタン(Ti)、または、窒化チタン(TiN)などを用いてもよい。
下部電極E1及び上部電極E2のキャップ層としてTaを用いることで、そのキャップ層の下の銅(Cu)などの酸化を防ぐことができる。下部電極E1及び上部電極E2用のキャップ層として、チタン(Ti)、または、窒化チタン(TiN)などを用いてもよい。
下地層54には、例えば、バッファ層(図示せず)と、シード層(図示せず)と、を含む積層構造を用いることができる。このバッファ層は、例えば、下部電極E1または膜部64の表面の荒れを緩和し、このバッファ層の上に積層される層の結晶性を改善する。バッファ層として、例えば、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)及びクロム(Cr)よりなる群から選択された少なくともいずれかが用いられる。バッファ層として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む合金を用いてもよい。
下地層54のうちのバッファ層の厚さは、1nm以上10nm以下が好ましい。バッファ層の厚さは、1nm以上5nm以下がより好ましい。バッファ層の厚さが薄すぎると、バッファ効果が失われる。バッファ層の厚さが厚すぎると、歪検知素子50の厚さが過度に厚くなる。バッファ層の上にシード層が形成され、そのシード層がバッファ効果を有することができる。この場合、バッファ層は省略してもよい。バッファ層には、例えば、3nmの厚さのTa層が用いられる。
下地層54のうちのシード層は、このシード層の上に積層される層の結晶配向を制御する。このシード層は、このシード層の上に積層される層の結晶粒径を制御する。このシード層として、fcc構造(face-centered cubic structure:面心立方格子構造)、hcp構造(hexagonal close-packed structure:六方最密格子構造)またはbcc構造(body-centered cubic structure:体心立方格子構造)の金属等が用いられる。
下地層54のうちのシード層として、hcp構造のルテニウム(Ru)、または、fcc構造のNiFe、または、fcc構造のCuを用いることにより、例えば、シード層の上のスピンバルブ膜の結晶配向をfcc(111)配向にすることができる。シード層には、例えば、2nmの厚さのCu層、または、2nmの厚さのRu層が用いられる。シード層の上に形成される層の結晶配向性を高める場合には、シード層の厚さは、1nm以上5nm以下が好ましい。シード層の厚さは、1nm以上3nm以下がより好ましい。これにより、結晶配向を向上させるシード層としての機能が十分に発揮される。
一方、例えば、シード層の上に形成される層を結晶配向させる必要がない場合(例えば、アモルファスの磁化自由層を形成する場合など)には、シード層は省略してもよい。シード層としては、例えば、2nmの厚さのCu層が用いられる。
ピニング層55は、例えば、ピニング層55の上に形成される第2磁化固定層56(強磁性層)に、一方向異方性(unidirectional anisotropy)を付与して、第2磁化固定層56の磁化を固定する。ピニング層55には、例えば、反強磁性層が用いられる。ピニング層55には、例えば、Ir−Mn、Pt−Mn、Pd−Pt−Mn、Ru−Mn、Rh−Mn、Ru−Rh−Mn、Fe−Mn、Ni−Mn、Cr−Mn−PtおよびNi−Oよりなる群から選択された少なくともいずれかが用いられる。Ir−Mn、Pt−Mn、Pd−Pt−Mn、Ru−Mn、Rh−Mn、Ru−Rh−Mn、Fe−Mn、Ni−Mn、Cr−Mn−PtおよびNi−Oにさらに添加元素を加えた合金を用いても良い。十分な強さの一方向異方性を付与するために、ピニング層55の厚さは適切に設定される。
ピニング層55に接する強磁性層の磁化の固定を行うためには、磁場印加中での熱処理が行われる。熱処理時に印加されている磁場の方向にピニング層55に接する強磁性層の磁化が固定される。アニール温度は、例えば、ピニング層55に用いられる反強磁性材料の磁化固着温度以上とする。また、Mnを含む反強磁性層を用いる場合、ピニング層55以外の層にMnが拡散してMR変化率を低減する場合がある。よってMnの拡散が起こる温度以下に設定することが望ましい。例えば200度(℃)以上、500度(℃)以下とすることができる。好ましくは、250度(℃)以上、400度(℃)以下とすることができる。
ピニング層55として、PtMnまたはPdPtMnが用いられる場合には、ピニング層55の厚さは、8nm以上20nm以下が好ましい。ピニング層55の厚さは、10nm以上15nm以下がより好ましい。ピニング層55としてIrMnを用いる場合には、ピニング層55としてPtMnを用いる場合よりも薄い厚さで、一方向異方性を付与することができる。この場合には、ピニング層55の厚さは、4nm以上18nm以下が好ましい。ピニング層55の厚さは、5nm以上15nm以下がより好ましい。ピニング層55には、例えば、7nmの厚さのIr22Mn78層が用いられる。
ピニング層55として、ハード磁性層を用いてもよい。ハード磁性層として、例えば、Co−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、Fe−Pdなどの磁気異方性および保磁力が比較的高いハード磁性材料が用いられる。また、Co−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、Fe−Pdにさらに添加元素を加えた合金を用いても良い。例えば、CoPt(Coの比率は、50at.%以上85at.%以下)、(CoPt100−x100−yCr(xは、50at.%以上85at.%以下であり、yは、0at.%以上40at.%以下)、または、FePt(Ptの比率は、40at.%以上60at.%以下)などを用いてもよい。
第2磁化固定層56には、例えば、CoFe100−x合金(xは、0at.%以上100at.%以下)、NiFe100−x合金(xは、0at.%以上100at.%以下)、または、これらに非磁性元素を添加した材料が用いられる。第2磁化固定層56として、例えば、Co、Fe及びNiよりなる群から選択された少なくともいずれかが用いられる。第2磁化固定層56として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む合金を用いても良い。第2磁化固定層56として、(CoFe100−x100−y合金(xは、0at.%以上100at.%以下であり、yは、0%以上30%以下)を用いることもできる。第2磁化固定層56として、(CoFe100−x100−yのアモルファス合金を用いることで、歪検知素子50のサイズが小さい場合にも、歪検知素子50の特性のばらつきを抑えることができる。
第2磁化固定層56の厚さは、例えば、1.5nm以上5nm以下が好ましい。これにより、例えば、ピニング層55による一方向異方性磁界の強度をより強くすることができる。例えば、第2磁化固定層56の上に形成される磁気結合層57を介して、第2磁化固定層56と第1磁化固定層52との間の反強磁性結合磁界の強度をより強くすることができる。例えば、第2磁化固定層56の磁気膜厚(飽和磁化Bsと厚さtとの積(Bs・t))は、第1磁化固定層52の磁気膜厚と、実質的に等しいことが好ましい。
薄膜でのCo40Fe4020の飽和磁化は、約1.9T(テスラ)である。例えば、第1磁化固定層52として、3nmの厚さのCo40Fe4020層を用いると、第1磁化固定層52の磁気膜厚は、1.9T×3nmであり、5.7Tnmとなる。一方、Co75Fe25の飽和磁化は、約2.1Tである。上記と等しい磁気膜厚が得られる第2磁化固定層56の厚さは、5.7Tnm/2.1Tであり、2.7nmとなる。この場合、第2磁化固定層56には、約2.7nmの厚さのCo75Fe25層を用いることが好ましい。第2磁化固定層56として、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。
歪検知素子50においては、第2磁化固定層56と磁気結合層57と第1磁化固定層52とにより、シンセティックピン構造が用いられている。その代わりに、1層の磁化固定層からなるシングルピン構造を用いても良い。シングルピン構造を用いる場合には、磁化固定層として、例えば、3nmの厚さのCo40Fe4020層が用いられる。シングルピン構造の磁化固定層に用いる強磁性層として、上述した第2磁化固定層56の材料と同じ材料を用いても良い。
磁気結合層57は、第2磁化固定層56と第1磁化固定層52との間において、反強磁性結合を生じさせる。磁気結合層57は、シンセティックピン構造を形成する。磁気結合層57として、例えば、Ruが用いられる。磁気結合層57の厚さは、例えば、0.8nm以上1nm以下であることが好ましい。第2磁化固定層56と第1磁化固定層52との間に十分な反強磁性結合を生じさせる材料であれば、磁気結合層57としてRu以外の材料を用いても良い。磁気結合層57の厚さは、RKKY(Ruderman-Kittel-Kasuya-Yosida)結合のセカンドピーク(2ndピーク)に対応する0.8nm以上1nm以下の厚さに設定することができる。さらに、磁気結合層57の厚さは、RKKY結合のファーストピーク(1stピーク)に対応する0.3nm以上0.6nm以下の厚さに設定しても良い。磁気結合層57として、例えば、0.9nmの厚さのRuが用いられる。これにより、高信頼性の結合がより安定して得られる。
第1磁化固定層52に用いられる磁性層は、MR効果に直接的に寄与する。第1磁化固定層52として、例えば、Co−Fe−B合金が用いられる。具体的には、第1磁化固定層52として、(CoFe100−x100−y合金(xは、0at.%以上100at.%以下であり、yは、0at.%以上30at.%以下)を用いることもできる。第1磁化固定層52として、(CoFe100−x100−yのアモルファス合金を用いた場合には、例えば、歪検知素子50のサイズが小さい場合においても、結晶粒に起因した素子間のばらつきを抑えることができる。
第1磁化固定層52は、第1磁化固定層52の上に形成される層(例えばトンネル絶縁層(図示せず))を平坦化することができる。トンネル絶縁層の平坦化により、トンネル絶縁層の欠陥密度を減らすことができる。これにより、より低い面積抵抗で、より大きいMR変化率が得られる。例えば、トンネル絶縁層の材料としてMgOを用いる場合には、第1磁化固定層52として、(CoFe100−x100−yのアモルファス合金を用いることで、トンネル絶縁層の上に形成されるMgO層の(100)配向性を強めることができる。MgO層の(100)配向性をより高くすることで、より大きいMR変化率が得られる。(CoFe100−x100−y合金は、アニール時にMgO層の(100)面をテンプレートとして結晶化する。このため、MgOと(CoFe100−x100−y合金との良好な結晶整合が得られる。良好な結晶整合を得ることで、より大きいMR変化率が得られる。
第1磁化固定層52として、Co−Fe−B合金以外に、例えば、Fe−Co合金を用いてもよい。
第1磁化固定層52がより厚いと、より大きなMR変化率が得られる。より大きな固定磁界を得るためには、第1磁化固定層52は、薄いほうが好ましい。MR変化率と固定磁界との間には、第1磁化固定層52の厚さにおいてトレードオフの関係が存在する。第1磁化固定層52としてCo−Fe−B合金を用いる場合には、第1磁化固定層52の厚さは、1.5nm以上5nm以下が好ましい。第1磁化固定層52の厚さは、2.0nm以上4nm以下がより好ましい。
第1磁化固定層52には、上述した材料の他に、fcc構造のCo90Fe10合金、または、hcp構造のCo、または、hcp構造のCo合金が用いられる。第1磁化固定層52として、例えば、Co、Fe及びNiよりなる群から選択された少なくとも1つが用いられる。第1磁化固定層52として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む合金が用いられる。第1磁化固定層52として、bcc構造のFeCo合金材料、50%以上のコバルト組成を含むCo合金、または、50%以上のNi組成の材料(Ni合金)を用いることで、例えば、より大きなMR変化率が得られる。
第1磁化固定層52として、例えば、CoMnGe、CoFeGe、CoMnSi、CoFeSi、CoMnAl、CoFeAl、CoMnGa0.5Ge0.5、及び、CoFeGa0.5Ge0.5などのホイスラー磁性合金層を用いることもできる。例えば、第1磁化固定層52として、例えば、3nmの厚さのCo40Fe4020層が用いられる。
中間層53は、例えば、第1磁性層51と第2磁性層52との磁気的な結合を分断する。中間層53には、例えば、金属または絶縁体または半導体が用いられる。この金属としては、例えば、Cu、AuまたはAg等が用いられる。中間層53として金属を用いる場合、中間層53の厚さは、例えば、1nm以上7nm以下程度である。この絶縁体または半導体としては、例えば、マグネシウム酸化物(MgO等)、アルミニウム酸化物(Al等)、チタン酸化物(TiO等)、亜鉛酸化物(ZnO等)、または、ガリウム酸化物(Ga−O)などが用いられる。中間層53として絶縁体または半導体を用いる場合は、中間層53の厚さは、例えば0.6nm以上2.5nm以下程度である。中間層53として、例えば、CCP(Current-Confined-Path)スペーサ層を用いてもよい。スペーサ層としてCCPスペーサ層を用いる場合には、例えば、酸化アルミニウム(Al)の絶縁層中に銅(Cu)メタルパスが形成された構造が用いられる。例えば、中間層53として、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。
磁化自由層51には、強磁性体材料が用いられる。磁化自由層51には、例えば、Fe、Co、Niを含む強磁性体材料を用いることができる。磁化自由層51の材料として、例えばFeCo合金、NiFe合金等が用いられる。さらに、磁化自由層51には、Co−Fe−B合金、Fe−Co−Si−B合金、λs(磁歪定数)が大きいFe−Ga合金、Fe−Co−Ga合金、Tb−M−Fe合金、Tb−M1−Fe−M2合金、Fe−M3−M4−B合金、Ni、Fe−Al、または、フェライト等が用いられる。前述したTb−M−Fe合金において、Mは、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho及びErよりなる群から選択された少なくとも1つである。前述したTb−M1−Fe−M2合金において、M1は、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho及びErよりなる群から選択された少なくとも1つである。M2は、Ti、Cr、Mn、Co、Cu、Nb、Mo、W及びTaよりなる群から選択された少なくとも1つである。前述したFe−M3−M4−B合金において、M3は、Ti、Cr、Mn、Co、Cu、Nb、Mo、W及びTaよりなる群から選択された少なくとも1つである。M4は、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy及びErよりなる群から選択された少なくとも1つである。前述したフェライトとしては、Fe、(FeCo))などが挙げられる。磁化自由層51の厚さは、例えば2nm以上である。
磁化自由層51には、ホウ素を含有した磁性材料が用いられてよい。磁化自由層51には、例えば、Fe、Co及びNiよりなる群から選択される少なくとも一つの元素と、ホウ素(B)と、を含む合金が用いられてもよい。例えば、Co−Fe−B合金やFe−B合金を用いることができる。例えば、Co40Fe4020合金を用いることができる。磁化自由層51に、Fe、Co及びNiよりなる群から選択される少なくとも一つの元素と、ホウ素(B)と、を含む合金を用いる場合、高磁歪を促進する元素として、Ga、Al、Si、または、Wなどを添加してもよい。例えば、Fe−Ga−B合金、Fe−Co−Ga−B合金、または、Fe−Co−Si−B合金を用いてもよい。このようなホウ素を含有する磁性材料を用いることで磁化自由層51の保磁力(Hc)が低くなり、歪に対する磁化の変化が容易となる。これにより、高い歪感度を得ることができる。
磁化自由層51におけるホウ素濃度(例えば、ホウ素の組成比)は、5at.%(原子パーセント)以上が好ましい。これにより、アモルファス構造が得易くなる。磁化自由層51におけるホウ素濃度は、35at.%以下が好ましい。ホウ素濃度が高すぎると、例えば、磁歪定数が減少する。磁化自由層51におけるホウ素濃度は、例えば、5at.%以上35at.%以下が好ましく、10at.%以上30at.%以下がさらに好ましい。
磁化自由層51の磁性層の一部に、Fe1−y(0<y≦0.3)、または(Fe1−a1−y(X=CoまたはNi、0.8≦a<1、0<y≦0.3)用いる場合、大きい磁歪定数λと低い保磁力を両立することが容易となるため、高いゲージファクターを得る観点で特に好ましい。例えば、磁化自由層51として、Fe8020(4nm)を用いることができる。磁化自由層51として、Co40Fe4020(0.5nm)/Fe8020(4nm)を用いることができる。
磁化自由層51は、多層構造を有してもよい。中間層53としてMgOのトンネル絶縁層を用いる場合には、磁化自由層51のうちの中間層53に接する部分には、Co−Fe−B合金の層を設けることが好ましい。これにより、高い磁気抵抗効果が得られる。この場合、中間層53の上には、Co−Fe−B合金の層が設けられ、そのCo−Fe−B合金の層の上には、磁歪定数の大きい他の磁性材料が設けられる。磁化自由層51が多層構造を有する場合、磁化自由層51には、例えば、Co−Fe−B(2nm)/Fe−Co−Si−B(4nm)などが用いられる。
キャップ層58は、キャップ層58の下に設けられる層を保護する。キャップ層58には、例えば、複数の金属層が用いられる。キャップ層58には、例えば、Ta層とRu層との2層構造(Ta/Ru)が用いられる。このTa層の厚さは、例えば1nmであり、このRu層の厚さは、例えば5nmである。キャップ層58として、Ta層やRu層の代わりに他の金属層を設けてもよい。キャップ層58の構成は、任意である。例えば、キャップ層58として、非磁性材料を用いることができる。キャップ層58の下に設けられる層を保護可能なものであれば、キャップ層58として、他の材料を用いても良い。
磁化自由層51にホウ素を含有する磁性材料を用いる場合、ホウ素の拡散を防ぐために、図示しない酸化物材料や窒化物材料の拡散防止層を磁化自由層51とキャップ層58との間に設けても良い。酸化物層または窒化物層からなる拡散防止層を用いることにより、磁化自由層51に含まれるホウ素の拡散を抑制し、磁化自由層51のアモルファス構造を保つことができる。拡散防止層に用いる酸化物材料や窒化物材料として、具体的には、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Sn、Cd、Gaなどの元素を含む酸化物材料や窒化物材料を用いることができる。ここで、拡散防止層は、磁気抵抗効果には寄与しない層のため、その面積抵抗は低いほうが好ましい。例えば、拡散防止層の面積抵抗は、磁気抵抗効果に寄与する中間層53の面積抵抗よりも低く設定することが好ましい。拡散防止層の面積抵抗を下げる観点では、バリアハイトの低いMg、Ti、V、Zn、Sn、Cd、Gaの酸化物または窒化物が好ましい。ホウ素の拡散を抑制する機能としては、より化学結合の強い酸化物のほうが好ましい。例えば、1.5nmのMgOを用いることができる。また、酸窒化物は酸化物か窒化物のいずれかと見なすことができる。
拡散防止層に酸化物材料、窒化物材料を用いる場合、拡散防止層の膜厚は、ホウ素の拡散防止機能を十分に発揮する観点で0.5nm以上が好ましく、面積抵抗を低くする観点で5nm以下が好ましい。つまり、拡散防止層の膜厚は、0.5nm以上5nm以下が好ましく、1nm以上3nm以下が好ましい。
拡散防止層として、マグネシウム(Mg)、シリコン(Si)及びアルミニウム(Al)よりなる群から選択された少なくともいずれかを用いることができる。拡散防止層として、これらの軽元素を含む材料を用いることができる。これらの軽元素は、ホウ素と結合して化合物を生成する。拡散防止層と磁化自由層51との界面を含む部分に、例えば、Mg−B化合物、Al−B化合物、及び、Si−B化合物の少なくともいずれかが形成される。これらの化合物が、ホウ素の拡散を抑制する。
拡散防止層と磁化自由層51との間に他の金属層などが挿入されていてもよい。ただし、拡散防止層と磁化自由層51との距離が離れすぎていると、その間でホウ素が拡散して磁化自由層51中のホウ素濃度が下がってしまうため、拡散防止層と磁化自由層51との間の距離は、10nm以下が好ましく3nm以下がさらに好ましい。
図8(a)および図8(b)は、実施形態に係る歪検知素子の別の例を例示する模式的斜視図である。
図8(a)に例示したように、歪検知素子50aおいては、絶縁層111が設けられる。すなわち、下部電極E1と上部電極E2との間に、互いに離間する2つの絶縁層(絶縁部分)111が設けられ、それらの間に、積層体が配置される。積層体は、下部電極E1と上部電極E2との間に配置されている。図8(a)では、積層体として、図7に示す積層体を示している。すなわち、積層体の側壁に対向して、絶縁層111が設けられる。
絶縁層111には、例えば、アルミニウム酸化物(例えば、Al)、または、シリコン酸化物(例えば、SiO)などを用いることができる。絶縁層111により、積層体の周囲におけるリーク電流を抑制することができる。
図8(b)に例示したように、歪検知素子50bにおいては、ハードバイアス層113がさらに設けられる。すなわち、下部電極E1と上部電極E2との間に、互いに離間する2つのハードバイアス層(ハードバイアス部分)113が設けられ、それらの間に、積層体が配置される。そして、ハードバイアス層113と積層体との間に、絶縁層111が配置される。さらに、この例では、ハードバイアス層113と下部電極E1との間に、絶縁層111が延在している。
ハードバイアス層113は、ハードバイアス層113の磁化により、磁化自由層(第1磁性層)51の磁化を所望の方向に設定させる。ハードバイアス層113により、力が基板(膜部64)に印加されていない状態において、磁化自由層(第1磁性層)51の磁化を所望の方向に設定できる。
ハードバイアス層113には、例えば、Co−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、Fe−Pdなどの磁気異方性および保磁力が比較的高いハード磁性材料が用いられる。また、Co−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、Fe−Pdにさらに添加元素を加えた合金を用いても良い。例えば、CoPt(Coの比率は、50at.%以上85at.%以下)、(CoPt100−x100−yCr(xは50at.%以上85at.%以下、yは0at.%以上40at.%以下)、または、FePt(Ptの比率は40at.%以上60at.%以下)などが用いられてもよい。このような材料を用いる場合、ハードバイアス層113の磁化の方向は、ハードバイアス層113の保磁力よりも大きい外部磁界を加えることで、外部磁界を加えた方向に設定(固定)することができる。ハードバイアス層113の厚さ(例えば、下部電極E1から上部電極E2に向かう方向に沿った長さ)は、例えば5nm以上50nm以下である。
図8(b)に示すように、下部電極E1と上部電極E2との間に絶縁層111を配置する場合、絶縁層111の材料として、SiOやAlOを用いることができる。さらに、絶縁層111とハードバイアス層113との間に、図示しない下地層を設けてもよい。ハードバイアス層113にCo−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、Fe−Pdなどの磁気異方性および保磁力が比較的高いハード磁性材料を用いる場合には、ハードバイアス層113用の下地層の材料として、CrやFe−Coなどを用いることができる。上記のハードバイアス層113は、本実施形態で記載する歪検知素子のいずれにも適用できる。
ハードバイアス層113は、図示しないハードバイアス層113用ピニング層に積層された構造を有していてもよい。この場合、ハードバイアス層113とハードバイアス層113用ピニング層の交換結合により、ハードバイアス層113の磁化の方向を設定(固定)できる。この場合、ハードバイアス層113には、Fe、Co及びNiの少なくともいずれか、または、これらの少なくとも1種を含む合金からなる強磁性材料を用いることができる。この場合、ハードバイアス層113には、例えば、CoFe100−x合金(xは0at.%以上100at.%以下)、NiFe100−x合金(xは0at.%以上100at.%以下)、または、これらに非磁性元素を添加した材料が用いることができる。ハードバイアス層113として、前述した第1磁化固定層52と同様の材料を用いることができる。また、ハードバイアス層113用ピニング層には、前述した歪検知素子50中のピニング層55と同様の材料を用いることができる。また、ハードバイアス層113用ピニング層を設ける場合、下地層54で説明した材料と同様の下地層をハードバイアス層113用ピニング層の下に設けても良い。また、ハードバイアス層113用ピニング層は、ハードバイアス層113の下部に設けても良いし、上部に設けても良い。この場合のハードバイアス層113の磁化方向は、歪検知素子50中のピニング層55で説明したとおり、磁界中熱処理により決定することができる。
上記のハードバイアス層113及び絶縁層111は、本実施形態に記載する歪検知素子のいずれにも適用できる。また、上述したようなハードバイアス層113とハードバイアス層113用ピニング層の積層構造を用いた場合、瞬間的に大きい外部磁界がハードバイアス層113に加わった場合においても、ハードバイアス層113の磁化の向きを容易に保持することが出来る。
図9(a)〜図9(d)は、第1の実施形態に係る製造方法を用いて作製できる別の歪検知素子を例示する模式的斜視図である。
図9(a)に表したように、実施形態に用いられる歪検知素子50cは、下部電極E1と、下地層54と、磁化自由層(第1磁性層)51と、中間層53と、第1磁化固定層(第2磁性層)52と、磁気結合層57と、第2磁化固定層56と、ピニング層55と、キャップ層58と、上部電極E2と、を含む。磁化自由層51は、第1磁性層に相当する。第1磁化固定層52は、第2磁性層に相当する。
下部電極E1と上部電極E2との間に、下地層54が設けられる。下地層54と上部電極E2との間に、磁化自由層51が設けられる。磁化自由層51と上部電極E2との間に、中間層53が設けられる。中間層53と上部電極E2との間に、第1磁化固定層52が設けられる。第1磁化固定層52と上部電極E2との間に、磁気結合層57が設けられる。磁気結合層57と上部電極E2との間に、第2磁化固定層56が設けられる。第2磁化固定層56と上部電極E2との間に、ピニング層55が設けられる。ピニング層55と上部電極E2との間に、キャップ層58が設けられる。この例では、歪検知素子50cは、トップスピンバルブ型の構造を有する点が、図7に示す歪検知素子50と異なる。
下地層54には、例えば、Ta/Cuが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、3nmである。このCu層の厚さは、例えば、5nmである。
磁化自由層51には、例えば、Co40Fe4020(4nm)が用いられる。
中間層53には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。
第1磁化固定層52には、例えば、Co40Fe4020/Fe50Co50が用いられる。このCo40Fe4020層の厚さは、例えば2nmである。このFe50Co50層の厚さは、例えば1nmである。
磁気結合層57には、例えば、0.9nmの厚さのRu層が用いられる。
第2磁化固定層56には、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。 ピニング層55には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。
キャップ層58には、Ta/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
上述した例のトップスピンバルブ型の歪検知素子50cでは、第1磁化固定層(第2磁性層)52が磁化自由層(第1磁性層)51よりも下(−Z軸方向)に形成されており、歪検知素子50cに含まれる各層の材料は上下反転させた構造を用いることができる。また、図7に示す歪検知素子50で説明した拡散防止層も、図9(a)の歪検知素子50cにおいて、下地層54と磁化自由層51の間に設けることができる。
図9(b)に表したように、実施形態に用いられる歪検知素子50dは、下部電極E1と、下地層54と、ピニング層55と、第1磁化固定層(第2磁性層)52と、中間層53と、磁化自由層(第1磁性層)51と、キャップ層58と、上部電極E2と、を含む。下部電極E1と上部電極E2との間に、下地層54が設けられる。下地層54と上部電極E2との間に、ピニング層55が設けられる。ピニング層55と上部電極E2との間に、第1磁化固定層52が設けられる。第1磁化固定層52と上部電極E2との間に、中間層53が設けられる。中間層53と上部電極E2との間に、磁化自由層51が設けられる。磁化自由層51と上部電極E2との間に、キャップ層58が設けられる。
既に説明した歪検知素子においては、第1磁化固定層52と磁気結合層57と第2磁化固定層56とを用いた構造が適用されている。図9(b)に表した歪検知素子50dにおいては、単一の磁化固定層を用いたシングルピン構造が適用されている。
下地層54には、例えば、Ta/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、3nmである。このRu層の厚さは、例えば、2nmである。
ピニング層55には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。
第1磁化固定層52には、例えば、3nmの厚さのCo40Fe4020層が用いられる。 中間層53には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。
磁化自由層51には、例えば、Co40Fe4020(4nm)が用いられる。
キャップ層58には、Ta/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
上述したシングルピン型の歪検知素子50dにおいても、歪検知素子に含まれる各層の材料は図7の歪検知素子50にて説明した材料と同様のものを用いることができる。
図9(c)に表したように、実施形態に用いられる歪検知素子50eは、下部電極E1と、下地層54と、下部ピニング層55aと、下部第2磁化固定層56aと、下部磁気結合層57aと、下部第1磁化固定層(第2磁性層)52aと、下部中間層53aと、磁化自由層(第1磁性層)51と、上部中間層53bと、上部第1磁化固定層(第2磁性層)52bと、上部磁気結合層57bと、上部第2磁化固定層56bと、上部ピニング層55bと、キャップ層58と、上部電極E2と、を含む。
下部電極E1と上部電極E2との間に、下地層54が設けられる。下地層54と上部電極E2との間に、下部ピニング層55aが設けられる。下部ピニング層55aと上部電極E2との間に、下部第2磁化固定層56aが設けられる。下部第2磁化固定層56aと上部電極E2との間に、下部磁気結合層57aが設けられる。下部磁気結合層57a上部電極E2との間に、下部第1磁化固定層(第2磁性層)52aが設けられる。下部第1磁化固定層(第2磁性層)52aと上部電極E2との間に、下部中間層53aが設けられる。下部中間層53a上部電極E2との間に、磁化自由層(第1磁性層)51が設けられる。磁化自由層(第1磁性層)51と上部電極E2との間に、上部中間層53bが設けられる。上部中間層53bと上部電極E2との間に、上部第1磁化固定層(第2磁性層)52bが設けられる。上部第1磁化固定層(第2磁性層)52bと上部電極E2との間に、上部磁気結合層57bが設けられる。上部磁気結合層57bと上部電極E2との間に、上部第2磁化固定層56bが設けられる。上部第2磁化固定層56bと上部電極E2との間に、上部ピニング層55bが設けられる。上部ピニング層55bと上部電極E2との間に、キャップ層58が設けられる。
下地層54には、例えば、Ta/Ruが用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3ナノメートル(nm)である。このRu層の厚さは、例えば、2nmである。
下部ピニング層55aには、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。
下部第2磁化固定層56aには、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。
下部磁気結合層57aには、例えば、0.9nmの厚さのRu層が用いられる。
下部第1磁化固定層52aには、例えば、3nmの厚さのCo40Fe4020層が用いられる。
下部中間層53aには、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。
磁化自由層51には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe4020が用いられる。
上部中間層53bには、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。
上部第1磁化固定層52bには、例えば、Co40Fe4020/Fe50Co50が用いられる。このCo40Fe4020層の厚さは、例えば2nmである。このFe50Co50層の厚さは、例えば1nmである。
上部磁気結合層57bには、例えば、0.9nmの厚さのRu層が用いられる。
上部第2磁化固定層56bには、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。
上部ピニング層55bには、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。
キャップ層58には、例えばTa/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
上述した歪検知素子50eにおいても、歪検知素子50eに含まれる各層の材料は図7の歪検知素子50にて説明した材料と同様のものを用いることができる。
図9(d)に表したように、実施形態に用いられる歪検知素子50fは、下部電極E1と、下地層54と、第1磁化自由層(第1磁性層)51aと、中間層53と、第2磁化自由層(第2磁性層)51bと、キャップ層58と、上部電極E2と、を含む。下部電極E1と上部電極E2との間に、下地層54が設けられる。下地層54と上部電極E2との間に、第1磁化自由層51aが設けられる。第1磁化自由層51aと上部電極E2との間に、中間層53が設けられる。中間層53と上部電極E2との間に、第2磁化自由層51bが設けられる。第2磁化自由層51bと上部電極E2との間に、キャップ層58が設けられる。
既に説明した歪検知素子においては、第1磁化固定層52と磁化自由層51を用いた構造が適用されている。図9(d)に表した歪検知素子50fにおいては、2層の磁化自由層を用いた2層フリー構造が適用されている。
下地層54には、例えば、Ta/Cuが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、3nmである。このCu層の厚さは、例えば、5nmである。
第1磁化自由層51aには、例えば、4nmの厚さのCo40Fe4020層が用いられる。
中間層53には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。
第2磁化自由層51bには、例えば、Co40Fe4020(4nm)が用いられる。
キャップ層58には、Cu/Ta/Ruが用いられる。このCu層の厚さは、例えば、5nmである。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
上述した2層フリー構造においても、歪検知素子50fに含まれる各層の材料は図7の歪検知素子50にて説明した材料と同様のものを用いることができる。
図10は、第1の実施形態の圧力センサの作用を例示する模式断面図である。
図10は、図1(a)のA1−A2線断面図である。
膜部64の端は支持部71と接合しているため、図10のように、膜部64の中心付近が凸状になるように外部圧力80が印加された場合、膜部端に配置された歪検知素子50には歪81により圧縮の応力が加わる。膜部64が凹状になるように外部圧力80が印加された場合、膜部端に配置された歪検知素子50には引張の応力が加わる。
歪検知素子50に膜部64の撓みによって発生する歪81が加わった場合、前述のように逆磁歪効果によってMR効果が発生する。MR効果によって発生する歪検知素子50の電気抵抗の変化を信号として読み取り圧力センサ310は機能する。
歪81が大きいほど、歪検知素子50の電気抵抗の変化は大きくなる。そのため、圧力センサ310の感度を高めるためには、膜部64に外部圧力80に対して大きな歪81が発生する形状を持たせればよい。膜部64の中心部64mの厚さは、膜部64の周辺部64nの厚さよりも厚い。膜部64の中心部64mの硬さは、膜部64の周辺部64nの硬さよりも硬い。そのため、中心部64mでは歪が発生しにくく、歪は歪検知素子50の配置された支持部71端付近に集中する。結果、膜部64の中心部64mと膜部64の周辺部64nとの間に厚さの差がない場合に比べ、歪81の大きさは大きくなる。
図11(a)および図11(b)は、第1の実施形態の圧力センサの膜部が外側に向けて凸状に撓んだ場合の膜部の変位を表した模式的断面図である。
図11は、図1(a)のA1−A2線断面図である。
図11(b)は、膜部64全体の面積に対する膜部64の第2膜64bの面積の割合が、図11(a)に比べて大きい場合を示している。言い換えれば、図11(b)は、第1膜64a全体の面積に対する第1領域R1の面積の割合が、図11(a)に比べて大きい場合を示している。また、中心部64mが周辺部64nに比べ歪にくいことを簡単に表すため図の中心部64mは歪まずに平らな状態で描いてある。さらに、膜部64中心の初期状態からの変位Lは、図11(a)と図11(b)との間でわずかに差が生じるのだが、図11(a)および図11(b)では、簡単のため等しいものとして描いてある。
図11(a)と図11(b)とを比較すると、図11(b)の方が歪検知素子50の配置された位置での膜(この例では第1膜64aの第2領域R2)の曲率が大きい。これは、図11(b)の場合のほうが図11(a)より膜部64の歪によって発生する歪81が大きいことを表している。そのため、膜部64の重心から第1膜64aの第1領域R1と第1膜64aの第2領域R2との間の境界64cまでの距離aと、膜部64の重心から最も近い支持部71の端までの距離bと、の比(a/b)は、0.5以上0.97以下とすることができる。この場合、好ましくは0.6以上0.93以下とすることができる。
図12は、第1の実施形態の圧力センサに外部圧力の加わった場合に膜部に発生する応力の分布を説明するための模式的断面図である。
図12のように、空洞部70側から、外部圧力80が加わった場合、膜部64は支持部71端で固定されているため中央部付近では凸状に撓む。膜部64は、支持部71付近では凹状に撓む。そのため、支持部71付近の点64fで膜部64に加わる歪の向きは反転する(図12に表した歪810aおよび歪810b参照)。
歪検知素子50に大きな応力を加えるために、歪検知素子50を点64dと点64fとの間に配置する必要がある。点64dは、膜部64と支持部71との間の境界点、あるいは膜部64が支持部71に接続された点である。点64dと点64fとの間隔は、比較的短い。図11(b)のように、第1膜64aの面積に対する第1領域R1の面積の割合が大きく、歪810aが大きくなる場合、点64dと点64fとの間隔はより短くなる。そのため、一般的なピエゾ素子を用いた場合には、歪検知素子を点64dと点64fとの間に配置する事は困難である。これに対して、実施形態の空間分解能に優れた歪検知素子50であれば、点64dと点64fとの間に歪検知素子を配置する事が可能である。
図13は、第1の実施形態の圧力センサの膜部上の歪み検知素子の配置位置を表す模式的断面図である。
歪検知素子50に対して大きな歪81を加えるため、例えば歪検知素子50の重心50gが、中心点64eと、支持部71の点64d(端部)と、の間にくるように設置される。中心点64eは、第1膜64aの第1領域R1と第1膜64aの第2領域R2との間の境界64cと、境界64cから最も近い支持部71の点64d(端部)と、を結ぶ直線の中心点である。好ましくは、歪検知素子50全体が、中心点64eと、支持部71の点64dと、の間に収まる様に配置される。この歪検知素子50の配置位置は、他の実施形態でも共通である。
(第1の実施形態の製造プロセス)
次に、第1の実施形態の圧力センサの製造方法について説明する。
図14は、第1の実施形態に係る圧力センサの製造方法を例示するフローチャートである。
図15(a)〜図15(d)は、圧力センサの製造方法を例示する模式的工程図である。
図16(a)〜図16(d)は、第1の実施形態の圧力センサのうち図2(a)の膜部を有する圧力センサを形成する模式的工程図である。
図17(a)〜図17(d)は、第1の実施形態の圧力センサのうち図2(b)の膜部を形成する模式的工程図である。
なお、図15(a)〜図15(d)においては、図を見やすくするために、各要素の形状や大きさを、図1のものから適宜変更して示している。また、膜部64の形状には、円形の物を採用する。
図14および図15(a)、図16(a)に示すように、膜部64となる膜640を形成する(ステップS101)。基部71となる基板710上に膜640を形成する。基板710には、例えば、シリコン基板が用いられる。
図14および図15(b)に示すように、第1配線511を形成する(ステップS103)。例えば、図15(b)に示すように、膜640の上に、導電膜を形成し、この導電膜を所定の形状に加工して第1配線511を形成する。なお、図15(b)においては、図を見やすくするために、複数の第1配線511のうち一部のものを描いている。
図14および図15(c)に示すように、検知素子50を形成する(ステップS105)。例えば、図15(c)に示すように、第1配線511の空洞部70形成後、膜部64上に位置する部分511a(図15(b)参照)の上に、検知素子50を形成する。検知素子50を構成する要素となる膜を順に成膜して積層膜を形成する。そして、この積層膜を所定の形状に加工して、検知素子50を形成する。
図14および図15(d)に示すように、第2配線512を形成する(ステップS107)。例えば、図15(d)に示すように、検知素子50を覆うように、図示しない絶縁膜を形成し、この絶縁膜の一部を除去して検知素子50の上面を露出させる。この上に導電膜を形成し、所定の形状に加工して第2配線512を形成する。
なお、ステップS101〜ステップS107の少なくとも一部は、技術的に可能な範囲で、同時に実施されてもよく、また、順序が入れ替わってもよい。
次に、図14、図16(a)〜図17(d)に示すように、空洞部70、膜部64を形成する(ステップS109)。図2(c)の膜部64を形成する場合には、図16(a)〜図16(d)および図17(a)〜図17(d)の両方の工程を使用する。また、図には簡単のため、第1配線511、第2配線512および検知素子50は省略し、膜部64となる膜640と基板710を表示する。
図16(a)は、基板710の膜640の形成された面とは異なる面にマスク641aとマスク641bとを作成した模式的断面図である。
マスク641aは基板710のうち、加工後基部71となる部分を覆い、マスク641bは基板710を挟んで膜640のうち加工後第1領域R1となる部分に作成される。
図16(b)は、図16(a)の状態から一定時間基板710にエッチングを行ったのち、マスク641aとマスク641bとを取り除いた状態の模式的断面図である。
このとき基板710には図16(b)のようにマスク614bに起因した凸部700が形成される。
図16(c)は、図16(b)の状態から再度マスク614aを作成した模式的断面図である。
図16(d)は、マスク614aを形成した図16(c)の状態から再びエッチングを行い、凸部700の存在しない部分で膜640が露出するまで基板710にエッチングを行った後、マスク614a取り除いた状態の模式的断面図である。
このとき膜640は第1膜64aとなり、凸部700に起因した凸形状は第2膜64bとなる。結果、膜部64には中心部64mと周辺部64nとが形成される。
図17(a)は、基部710に形成された膜640の上に膜641を成膜し、膜641上にマスク641cを形成した模式的断面図である。
マスク641cは膜部64の第1領域R1となる部分に形成される。
図17(b)は、図17(a)の状態から膜641にエッチングを行い、膜640を露出させた後マスク641cを取り去った状態の模式的断面図である。
膜641のうちマスク641cで覆われていた部分のみが残り、第2膜64bが形成される。
図17(c)は、基部710の膜640の形成された面とは異なる面にマスク641aを作成した状態の模式的断面図である。
マスク641aは基板710のうち、加工後基部71となる部分を覆う。
図17(d)は、図17(c)の状態から基板710に膜640が露出するまでエッチングを行った場合の模式的断面図である。
加工後膜640は、第1膜64aとなる。図17(a)〜図17(d)は、技術的に可能な範囲で、同時に実施されてもよく、また、順序が入れ替わってもよい。
図17(a)および図17(b)では膜641を成膜後、必要ない部分を削り取ることで第2膜64bを形成したが、膜640上で第2膜64bの形成される部分以外をマスクで覆い、膜641を成膜したのちマスクを取り去ることで第2膜64bを形成してもよい。
なお、図14に表したステップS109は、技術的に可能な範囲でステップS101〜ステップS107の途中で行われてもよい。また、ステップS101〜ステップS107の少なくとも一部は、技術的に可能な範囲で、同時に実施されてもよく、また、順序が入れ替わってもよい。
エッチング加工は、例えば、深堀りRIE法(Deep reactive ion etching process)やボッシュプロセス(Bosch process)などを用いて行うことができる。
検知素子50を作成するための、アニールによる磁化固定層の磁化120aの固着(ステップS111)は検知素子50を構成する要素となる膜を順に成膜して積層膜を形成した後であればどのタイミングで行っても良いが、積層膜を所定の形状に加工する前に行うことが好ましい。
(第2の実施形態)
図18は、第2の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的斜視図である。
なお、図18においては図を見やすくするために、絶縁部を省略し、主に導電部を描いている。また、図を見やすくするために、歪検知素子50のうち一部のものを描いている。さらに、後述のように、膜部65の中心部の第1領域R1の材料は、膜部65の第1領域の周辺部の第2領域R2の材料とは異なっている。図では、斜線などを用いて膜の材料の違いを表現する。
第2の実施形態の圧力センサ311の膜部65以外の構造は、第1の実施形態の圧力センサ310の膜部64以外の構造と同様である。第2の実施形態の圧力センサ311の膜部65は、第1の実施形態の圧力センサ310の膜部64に対応する。
図19は、第2の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的断面図である。
なお、図19においては、図を見やすくするため、絶縁部と導電部を省略して描いている。膜部65の第1領域R1の材料は、膜部65の第2領域R2の材料とは異なっている。
圧力センサ311の製造工程において膜部65に生じた応力が、製造後において残留することがある。この場合において、膜部65の第1領域R1に残留した応力の値は、膜部65の第2領域R2に残留した応力の値とは異なる。より具体的には、膜部65の第1領域R1に残留した応力の値は、膜部65の第2領域R2に残留した応力の値よりも相対的に引張である。ここで膜部の残留応力は、値「0(ゼロ)」を境に圧縮である場合には負の値を、引張りである場合には正の値を持つと定義される。第1領域R1に残留した応力の値が、第2領域R2に残留した応力の値より相対的に引張である状態とは、第1領域R1に残留した応力の値から第2領域R2に残留した応力の値を引いたとき解が正の値になる状態のことを示す。
あるいは、膜部65の第1領域R1のヤング率は、膜部65の第2領域R2のヤング率とは異なる。より具体的には、膜部65の第1領域R1のヤング率は、膜部65の第2領域R2のヤング率よりも大きい。
膜部65の厚みは、例えば、50nm以上、3μm以下とすることができる。この場合、好ましくは、膜部65の厚みは、200nm以上、1.5μm以下とすることができる。図18に示したように、膜部65の平面形状が円の場合には、膜部65の直径寸法は、例えば、1μm以上、600μm以下とすることができる。この場合、好ましくは、膜部65の直径寸法は、60μm以上、600μm以下とすることができる。膜部65の平面形状が正方形の場合には、膜部65の一辺の長さは、例えば1μm以上、650μm以下とすることができる。この場合、好ましくは、50μm以上、550μm以下とすることができる。膜部65の平面形状が長方形の場合には、膜部65の短辺の長さは、例えば1μm以上、500μm以下とすることができる。この場合、好ましくは、50μm以上、400μm以下とすることができる。
図5(a)〜図5(d)に関して前述した膜部64と同様に、実施形態の膜部65は、円形を有する場合もあれば、楕円形有する場合もあれば、正方形を有する場合もあれば、長方形を有する場合もある。膜部65が正方形あるいは長方形の形状を持つ場合、角が鋭利になっている場合もあれば、カーブを有する場合もある。膜部65の第1領域R1の形状は、膜部65の形状に等しい場合が好ましいが、膜部65の形状とは異なった形状を持つ場合もある。
実施形態の圧力センサ311の作用は、図10に関して前述した通りである。このとき、第2の実施形態の圧力センサ311の膜部65は、第1の実施形態の圧力センサ310の膜部64に対応する。
図20は、第2の実施形態の圧力センサの作用を例示する模式断面図である。
図20は、図18のA1−A2線断面図である。
膜部65の端は支持部71と接合しているため、図20のように、膜部65の中心付近が凸状になるように外部圧力80が印加された場合、膜部端に配置された歪検知素子50には歪81により圧縮の応力が加わる。膜部65が凹状になるように外部圧力80が印加された場合、膜部端に配置された歪検知素子50には引張の応力が加わる。
歪81が大きいほど、歪検知素子50の電気抵抗の変化は大きくなる。そのため、圧力センサ311の感度を高めるためには、膜部65に外部圧力80に対して大きな歪81が発生する形状を持たせればよい。膜部65の第1領域R1のヤング率は、膜部65の第2領域R2のヤング率よりも大きい。あるいは、膜部65の第1領域R1に残留した応力の値は、膜部65の第2領域R2に残留した応力の値よりも大きい。そのため、第1領域R1では歪が発生しにくく、歪は歪検知素子50の配置された支持部71端付近に集中する。結果、膜部65の第1領域R1と膜部65の第2領域R2との間にヤング率の差がない場合に比べ、歪81の大きさは大きくなる。あるいは、膜部65の第1領域R1に残留した応力の値と、膜部65の第2領域R2に残留した応力の値と、の間に差がない場合に比べ、歪81の大きさは大きくなる。
図21(a)および図21(b)は、第2の実施形態の圧力センサの膜部が外側に向けて凸状に撓んだ場合の膜部の変位を表した模式図である。
図21は、図18のA1−A2線断面図である。
図21(b)は、膜部65全体の面積に対する膜部65の第1領域R1の面積の割合が、図21(a)に比べて大きい場合を示している。また、第1領域R1が第2領域R2に比べ歪にくいことを簡単に表すため図の第1領域R1は歪まずに平らな状態で描いてある。さらに、膜部65中心の初期状態からの変位Lは、図21(a)と図21(b)との間でわずかに差が生じるのだが、図21(a)および図21(b)では、簡単のため等しいものとして描いてある。
図21(a)と図21(b)とを比較すると、図21(b)の方が歪検知素子50の配置された位置での膜(この例では膜部65の第2領域R2)の曲率が大きい。これは、図21(b)の方が図21(a)の場合より膜部65の歪によって発生する歪81が大きい事を示している。そのため、膜部65に外部圧力80の加わっていないときの、膜部65の重心から膜部65の第1領域R1と膜部65の第2領域R2との間の境界65cまでの距離aと、膜部65の重心から最も近い支持部71の端までの距離bと、の比(a/b)は、0.5以上0.97以下とすることができる。この場合、好ましくは0.6以上0.93以下とすることができる。
第2の実施形態の歪検知素子50の配置位置は、第1の実施形態の歪検知素子50の配置位置と同様である。つまり、第2の実施形態の歪検知素子50の配置位置は、図12および図13に関して前述した通りである。このとき、第2の実施形態の圧力センサ311の膜部65は、第1の実施形態の圧力センサ310の膜部64に対応する。
(第2の実施形態の製造プロセス)
次に、第2の実施形態の圧力センサの製造方法について説明する。
図22は、第2の実施形態に係る圧力センサの製造方法を例示するフローチャートである。
図23(a)〜図23(d)は、イオン注入法を用いて膜部を形成する模式的断面図である。
図24(a)〜図24(d)は、成膜を複数回に分けて膜部を形成する模式的工程図である。
図22および図23(a)に示すように、膜部65となる膜650を形成する(ステップS201)。基部71となる基板710上に膜650を形成する。基板710には、例えば、シリコン基板が用いられる。図14で示したステップS103〜S107の製造プロセスは、第2の実施形態の場合でも共通である(ステップS203〜S207)。
次に、図22および図23(a)〜図24(d)に示すように、空洞部70、膜部65を形成する(ステップS209)。また、図には簡単のため、第1配線511、第2配線512および検知素子50は省略し、膜部65となる膜650と基部710を表示する。
図23(a)は、膜650にイオン注入法によりイオンR3を注入する工程を示した模式的断面図である。
このとき、イオンR3は、プロセス終了後、膜部65の第1領域R1となる領域に注入される。R3イオンの注入の結果、膜650は図23(b)に示す、第1領域R1と第2領域R2に分かれる。
図23(c)は、基部710の膜650面とは異なる面にマスク651aを作成した模式的断面図である。
マスク651aを作成した面からエッチングを行う。
図23(d)は、膜650が露出するまでエッチングを行った場合の模式的断面図である。
エッチングにより空洞部70と支持部71が形成される。また、エッチングにより露出した膜650が膜部65となる。
図23(a)〜(d)は技術的に可能な範囲で、同時に実施されてもよく、また、順序が入れ替わってもよい。
イオンR3の注入される部分は、図23(a)や前述のように、プロセス終了後に第1領域R1となる領域に注入される場合もあれば、プロセス終了後に第2領域R2となる部分に注入される場合もある。
エッチング加工は、例えば、深堀りRIE法(Deep reactive ion etching process)やボッシュプロセス(Bosch process)などを用いて行うことができる。
膜に残留した応力の大きさは、第1領域R1の方が第2領域R2より大きいことが好ましい。膜にイオン注入を行うことで膜の体積が収縮した場合、膜には引張の残留応力が加わる。逆に膜の体積が膨張した場合、膜には圧縮の残留応力が加わる。そのため、例えばSiを含む膜を膜650に使う場合、第1領域R1に注入されるイオンR3としては、一般的に例えば、水素(H)、ヘリウム(He)、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)、フッ素(F)、ネオン(Ne)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)及びアルミニウム(Al)の少なくともいずれかが用いられる。この場合、シリコンに荷電子数の近いホウ素を用いることが望ましい。第2領域R2に注入されるイオンR3としては、例えばリン(P)、硫黄(S)、塩素(Cl)、アルゴン(Ar)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、Cu(銅)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)及びヒ素(As)の少なくともいずれかが用いられる。この場合、シリコンに荷電子数の近いリンやヒ素を用いることが望ましい。ただし、イオンを注入することによる、膜の残留応力の変化値は、同一イオンの場合でも、イオンの打ち込みエネルギーを調節することで正(引張)になる場合と負(圧縮)になる場合とがある。そのため、第1領域R1に注入するイオンが第2領域R2に注入される場合もある。
イオン注入法による膜の物理量の変化としては、膜に残留する応力以外に、膜のヤング率がある。そのため、第1領域R1のヤング率の大きさを第2領域R2のヤング率より大きくする目的でイオン注入法を利用する場合もある。
図24(a)は、基板710上に第1領域R1となる部分以外にマスク651bを作成した模式的断面図である。
図24(b)は、図24(a)のマスク651bの存在する面に第1領域R1となる膜を成膜し、マスク651bを取り去った後の模式的断面図である。
膜はマスク651bの存在したかった部分にのみ成膜されるため、図のように第1領域R1が形成される。
図24(c)は、第1領域R1上にマスク651cを成膜した場合の模式的断面図である。
図24(d)は、図24(c)のマスク651cの存在する面に第2領域R2となる膜を成膜し、マスク651cを取り去った後の模式的断面図である。
膜はマスク651cの存在しなかった部分にのみ成膜されるため、図のように第2領域R2が形成される。
図24(a)〜(d)は技術的に可能な範囲で、同時に実施されてもよく、また、順序が入れ替わってもよい。
第1領域R1の膜のように、基板全体ではなく基板上一部に膜を形成するには図24(a)〜図24(b)のようにマスクを形成する際、膜を形成したい部分のみマスクで覆わない方法と、図17(a)〜図17(b)のように基板全体に膜を成膜したのち必要ない部分をエッチングにより取り去る方法と、がある。
膜部の製造プロセスにおいて技術的に可能な範囲でどちらの方法を用いてもよい。これは、他の実施形態においても共通である。
図24(a)〜図24(c)の方法で第1領域R1、第2領域R2を形成したのち、膜部65、支柱部71、空間部70を形成する方法は、図23(b)〜図23(c)と同様の方法が用いられる。
膜部65の第1領域R1と膜部65の第2領域R2との膜の組み合わせとしては、金属膜(第1領域)と絶縁体膜、又は半導体膜(第2領域)がある。このとき、金属膜は、例えば金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミ(Al)、モリブデン(Mo)、などの材料を用いて形成することができる。絶縁体膜、半導体膜は、例えばシリコン(Si)、酸化シリコン、窒化シリコンなどの材料を用いて形成することができる。この組み合わせをもちいる際、第1領域R1の膜として金属ではないがアモルファスシリコン(a−Si)を利用する場合もある。
そのほかの組み合わせとしては、第1領域R1、第2領域R2で膜を構成する原子の組成は同じだが、組成比が異なる膜の組み合わせがある。例えば、第1領域R1と第2領域R2とに窒化シリコン(SiN)膜を利用する場合、第2領域R2の膜の方が第1領域R1の膜に比べて窒素(N)リッチになっている(Nリッチ=圧縮膜=第2領域)。
そのほかの組み合わせ(第1の組み合わせ)としては、第1領域R1の不純物の混ざっていないピュアな膜と、第2領域R2の第1領域R1で利用した膜に不純物を混ぜた膜と、の組み合わせがある。このときピュアな膜の例としては例えばシリコンが挙げられ、不純物としては第2領域R2に注入される前述したイオンの元素のうちの少なくともいずれかが用いられる。
そのほかの組み合わせ(第2の組み合わせ)としては、第2領域R2の不純物の混ざっていないピュアな膜と、第1領域R1の第2領域R2で利用した膜に不純物を混ぜた膜と、の組み合わせがある。このときピュアな膜の例としては例えばシリコンが挙げられ、不純物としては第1領域R1に注入される前述したイオンの元素のうちの少なくともいずれかが用いられる。
そのほかの組み合わせとしては、第2領域R2に前述した第1の組み合わせで第2領域R2に利用した不純物を含む膜と、第1領域R1に前述した第2の組み合わせで第1領域R1に利用した不純物を含む膜と、の組み合わせがある。
(第3の実施形態)
図25は、第3の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的斜視図である。
なお、図25においては、図を見やすくするために、絶縁部分を省略し、主に導電部を描いている。また、図を見やすくするため、歪検知素子50のうち一部のものを描いている。さらに、後述のように、膜部66の中心部66m(図26(a)〜図26(c)参照)の厚さは、膜部66の周辺部66n(図26(a)〜図26(c)参照)の厚さとは異なる。また、第2膜66bに残留した応力の値は、第1膜66aに残留した応力の値より相対的に引張である。また、第2膜66bのヤング率は、第1膜66aのヤング率よりも大きい。図25では、見やすくするために、斜線などを用いてそれらの違いや差を表現する。
第3の実施形態の圧力センサ312の膜部66以外の構造は、第1の実施形態の圧力センサ310の膜部64以外の構造と同様である。第3の実施形態の圧力センサ312の膜部66は、第1の実施形態の圧力センサ310の膜部64に対応する。
図26(a)〜図26(c)は、第3の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的断面図である。
図26(a)〜図26(c)は、図25のA1−A2線断面図である。
なお、図26(a)〜図26(c)においては、図を見やすくするため、絶縁部と導電部を省略して描いている。膜部66の凸形状は、図26(a)のように空洞部70側に存在する場合もあれば、図26(b)のように空洞部70とは膜部66を挟んで反対側に存在する場合もあれば、図26(c)のように空洞部70側および空洞部70とは反対側の両側に存在する場合もある。
膜部66は、第1膜66aと、第2膜66bと、を含む。第1膜66aは、第1領域R1と、第2領域R2と、を有する。第1領域R1は、膜部66の中心部66mに位置する。第2領域R2は、膜部66の周辺部66n(第1領域R1の周辺部)に位置する。第2膜66bは、第1領域R1に設けられる。第2膜66bには、複数の膜が成膜される場合もある。膜部66の中心部66m(第1膜66aの第1領域R1と第2膜66bとを合わせた部分)の厚さは、膜部66の周辺部66n(第1膜66aの第2領域R2の部分)の厚さよりも厚い。
圧力センサ311の製造工程において膜部66に生じた応力が、製造後において残留することがある。この場合において、第2膜66bに残留した応力の値は、第1膜66aに残留した応力の値とは異なる。より具体的には、第2膜66bに残留した応力の値は、第1膜66aに残留した応力の値よりも大きい。ここで、膜部の残留応力は、値「0(ゼロ)」を境に、負の値を持つ場合には圧縮となり、正の値を持つ場合には引張りとなる。
あるいは、第2膜66bのヤング率は、第1膜66aのヤング率とは異なる。より具体的には、第2膜66bのヤング率は、第1膜66aのヤング率よりも大きい。
膜部66の周辺部66nの厚さt1(言い換えれば、第1膜66aの厚さt1)に対する対する膜部66の中心部66mの厚さ(言い換えれば、第1膜66aの厚さt1と第2膜66bの厚さt2(図26(c)の場合にはt21+t22)との合計の厚さ)は、例えば1.1倍以上、4倍以下とすることができる。この場合、好ましくは1.5倍以上、3倍以下とすることができる。膜部66の中心部66mの厚さと、膜部66の周辺部66nの厚さと、の間の関係を上記の範囲に収めることで、中心部66mと周辺部66nで膜厚差を持たせたことによる、後述のセンサの成功向上効果が十分に得られ、なおかつ圧力センサ312が加速された場合に発生するセンサのノイズを抑えることができる。
図27(a)〜図28(c)は、第3の実施形態に係る膜部の形状を例示する模式的断面図である。
膜部66の第2膜66bは、図26(a)〜図26(c)のように、膜部66の第1膜66aとステップ状に接合されている場合もあれば、図27(a)〜図27(c)のように、膜部66の第1膜66aとチルトをつけて接合されている場合もある。また、膜部66の第2膜66bは、図28(a)〜図28(c)のように、膜部66の第1膜66aと曲率を持ってなだらかに接合されている場合もある。膜部66が図27(a)〜図28(c)のような形状を持つ場合、第1膜66aの第1領域R1と、第1膜66aの第2領域R2と、の間の境界は、膜部66の最大の厚さと、膜部66の最小の厚さと、の間の差ΔT(図27(c)および図28(c)の場合には、差ΔT1+T2)が半分になる部分(境界66c)と定義される。
膜部66の第1膜66aの厚みは、例えば、50nm以上、3μm以下とすることができる。この場合、好ましくは、200μm以上、1.5μm以下とすることができる。図25に例示したように、膜部66の平面形状が円の場合には、膜部66の直径寸法は、例えば、1μm以上、600μm以下とすることができる。この場合、好ましくは、60μm以上、600μm以下とすることができる。膜部66の平面形状が正方形の場合には、膜部66の一辺の長さは、例えば1μm以上、650μm以下とすることができる。この場合、好ましくは、50μm以上、550μm以下とすることができる。膜部66の平面形状が長方形の場合には、膜部66の短辺の長さは、例えば1μm以上、500μm以下とすることができる。この場合、好ましくは、50μm以上、400μm以下とすることができる。
図5(a)〜図5(d)に関して前述した膜部64と同様に、実施形態の膜部66は、円形を有する場合もあれば、楕円形有する場合もあれば、正方形を有する場合もあれば、長方形を有する場合もある。膜部66が正方形あるいは長方形の形状を持つ場合、角が鋭利になっている場合もあれば、カーブを有する場合もある。膜部66の第1領域R1の形状は、膜部66の形状に等しい場合が好ましいが、膜部66の形状とは異なった形状を持つ場合もある。
実施形態の圧力センサ312の作用は、図10に関して前述した通りである。このとき、第3の実施形態の圧力センサ312の膜部66は、第1の実施形態の圧力センサ310の膜部64に対応する。
図29は、第3の実施形態の圧力センサの作用を例示する模式図である。
図29は、図25のA1−A2線断面図である。
膜部66の端は支持部71と接合しているため、図29のように、膜部66の中心付近が凸状になるように外部圧力80が印加された場合、膜部端に配置された歪検知素子50には歪81により圧縮の応力が加わる。膜部66が凹状になるように外部圧力80が印加された場合、膜部端に配置された歪検知素子50には引張の応力が加わる。
歪81が大きいほど、歪検知素子50の電気抵抗の変化は大きくなる。そのため、圧力センサ312の感度を高めるためには、膜部66に外部圧力80に対して大きな歪81が発生する形状を持たせればよい。膜部66の中心部66mの厚さは、膜部66の周辺部66nの厚さよりも厚い。膜部66の第2膜66bに残留した応力の値は、膜部66の第1膜66aに残留した応力の値よりも大きい。または、膜部66の第2膜66bのヤング率は、膜部66の第1膜66aのヤング率よりも大きい。そのため、中心部66mおよび第2膜66bでは歪が発生しにくく、歪は歪検知素子50の配置された支持部71端付付近に集中する。結果、膜部66の中心部66mと膜部66の周辺部66nとの間に厚さの差がない場合、あるいは第1膜66aと第2膜66bとの間にヤング率または残留応力の差がない場合に比べ、歪81の大きさは大きくなる。
図30(a)および図30(b)は、第3の実施形態の圧力センサの膜部が外側に向けて凸状に撓んだ場合の膜の変位を表した模式的断面図である。
図30(a)および図30(b)は、図25のA1−A2線断面図である。
図30(b)は、膜部66全体の面積に対する膜部66の第2膜66bの面積の割合が、図30(a)に比べて大きい場合を示している。言い換えれば、図30(b)は、第1膜66a全体の面積に対する第1領域R1の面積の割合が、図30(a)に比べて大きい場合を示している。また、中心部66mが周辺部66nに比べ歪にくいこと、あるいは第2膜66bが第1膜66aに比べ歪にくいことを簡単に表すため図の中心部66mは歪まずに平らな状態で描いてある。さらに、膜部66中心の初期状態からの変位Lは、図30(a)と図30(b)の間でわずかに差が生じるのだが、図30(a)および図30(b)では、簡単のため等しいものとして描いてある。
図30(a)と図30(b)とを比較すると、図30(b)の方が歪検知素子50の配置された位置での膜(この例では第1膜66aの第2領域R2)の曲率が大きい。これは、図30(b)の方が図30(a)の場合より膜部66の歪によって発生する歪81が大きい事を示している。そのため、膜部66に外部圧力80の加わっていないときの、膜部66の重心から第1膜66aの第1領域R1と第1膜66aの第2領域R2との間の境界66cまでの距離aと、膜部66の重心から最も近い支持部71の端までの距離bと、の比(a/b)は、0.5以上0.97以下とすることができる。この場合、好ましくは0.6以上0.95以下とすることができる。
第3の実施形態の歪検知素子50の配置位置は、第1の実施形態の歪検知素子50の配置位置と同様である。つまり、第3の実施形態の歪検知素子50の配置位置は、図12および図13に関して前述した通りである。このとき、第3の実施形態の圧力センサ312の膜部66は、第1の実施形態の圧力センサ310の膜部64に対応する。
(第3の実施形態の製造プロセス)
第3の実施形態の圧力センサ312は、形状の特徴上、第1の実施形態の圧力センサ310の製造プロセスと同じプロセスで製造が可能である。このとき図16(a)〜図17(d)の膜部64、膜64a、膜64bは、膜部66、膜66a、膜66bにそれぞれ対応する。
膜部66の膜66aと膜部66の膜66bとの組み合わせとしては、前述した圧力センサ311の膜部65の第1領域R1と第2領域R2との膜の組み合わせがある。このとき、膜部66の膜66bは、膜部65の第1領域R1の膜に対応する。膜部66の膜66aは、膜部65の第2領域R2の膜に対応する。
(第4の実施形態)
図31は、第4の実施形態に係るマイクロフォンを例示する模式的平面図である。
図31に示すように、マイクロフォン410は、前述した各実施形態に係る任意の圧力センサ(例えば、圧力センサ310)や、それらの変形に係る圧力センサを有する。以下においては、一例として、圧力センサ310を有するマイクロフォン410について例示をする。
マイクロフォン410は、携帯情報端末420の端部に組み込まれている。マイクロフォン410に設けられた圧力センサ310の膜部64は、例えば、携帯情報端末420の表示部421が設けられた面に対して実質的に平行とすることができる。なお、膜部64の配置は例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
マイクロフォン410は、圧力センサ310などを備えているので、広域の周波数に対して高感度とすることができる。
なお、マイクロフォン410が携帯情報端末420に組み込まれている場合を例示したがこれに限定されるわけではない。マイクロフォン410は、例えば、ICレコーダーやピンマイクロフォンなどにも組み込むことができる。
(第5の実施形態)
実施形態は、上記の各実施形態の圧力センサを用いた音響マイクに係る。
図32は、第5の実施形態に係る音響マイクを例示する模式的断面図である。
実施形態に係る音響マイク430は、プリント基板431と、カバー433と、圧力センサ310と、を含む。プリント基板431は、例えばアンプなどの回路を含む。カバー433には、アコースティックホール435が設けられる。音439は、アコースティックホール435を通って、カバー433の内部に進入する。
圧力センサ310として、上記の各実施形態に関して説明した圧力センサのいずれか、及び、その変形が用いられる。
音響マイク430は、音圧に対して感応する。高感度な圧力センサ310を用いることにより、高感度な音響マイク430が得られる。例えば、圧力センサ310をプリント基板431の上に搭載し、電気信号線を設ける。圧力センサ310を覆うように、プリント基板431の上にカバー433を設ける。
実施形態によれば、高感度な音響マイクを提供することができる。
(第6の実施形態)
実施形態は、上記の各実施形態の圧力センサを用いた血圧センサに係る。
図33(a)及び図33(b)は、第6の実施形態に係る血圧センサを例示する模式図である。
図33(a)は、ヒトの動脈血管の上の皮膚を例示する模式的平面図である。図33(b)は、図33(a)のH1−H2線断面図である。
実施形態においては、圧力センサ310は、血圧センサ440として応用される。この圧力センサ310には、上記の各実施形態に関して説明した圧力センサのいずれか、及び、その変形が用いられる。
これにより、小さいサイズの圧力センサで高感度な圧力検知が可能となる。圧力センサ310を動脈血管441の上の皮膚443に押し当てることで、血圧センサ440は、連続的に血圧測定を行うことができる。
本実施形態によれば、高感度な血圧センサを提供することができる。
(第7の実施形態)
実施形態は、上記の各実施形態の圧力センサを用いたタッチパネルに係る。
図34は、第7の実施形態に係るタッチパネルを例示する模式的平面図である。
実施形態においては、圧力センサ310が、タッチパネル450として用いられる。この圧力センサ310には、上記の各実施形態に関して説明した圧力センサのいずれか、及び、その変形が用いられる。タッチパネル450においては、圧力センサ310が、ディスプレイの内部及びディスプレイの外部の少なくともいずれかに搭載される。
例えば、タッチパネル450は、複数の第1配線451と、複数の第2配線452と、複数の圧力センサ310と、制御部453と、を含む。
この例では、複数の第1配線451は、Y軸方向に沿って並ぶ。複数の第1配線451のそれぞれは、X軸方向に沿って延びる。複数の第2配線452は、X軸方向に沿って並ぶ。複数の第2配線452のそれぞれは、Y軸方向に沿って延びる。
複数の圧力センサ310のそれぞれは、複数の第1配線451と複数の第2配線452とのそれぞれの交差部に設けられる。圧力センサ310の1つは、検出のための検出要素310eの1つとなる。ここで、交差部は、第1配線451と第2配線452とが交差する位置及びその周辺の領域を含む。
複数の圧力センサ310のそれぞれの一端351は、複数の第1配線451のそれぞれと接続される。複数の圧力センサ310のそれぞれの他端352は、複数の第2配線452のそれぞれと接続される。
制御部453は、複数の第1配線451と複数の第2配線452とに接続される。
例えば、制御部453は、複数の第1配線451に接続された第1配線用回路453aと、複数の第2配線452に接続された第2配線用回路453bと、第1配線用回路453aと第2配線用回路453bとに接続された制御回路455と、を含む。
圧力センサ310は、小型で高感度な圧力センシングが可能である。そのため、高精細なタッチパネルを実現することが可能である。
上記の各実施形態に係る圧力センサは、上記の応用の他に、気圧センサ、または、タイヤの空気圧センサなどのように、様々な圧力センサデバイスに応用することができる。
実施形態によれば、高感度の歪検知素子、圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネルを提供することができる。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、歪検知素子、圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネルに含まれる膜部、歪検知素子、第1磁性層、第2磁性層、中間層およびバイアス層などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した歪検知素子、圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネルを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての歪検知素子、圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネルも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
[その他の実施の形態]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、下記の様な態様によっても実施することが可能である。
[態様1]
支持部と、
前記支持部に支持され変形可能な膜部であって、中心部に位置する第1領域と前記第1領域の周辺部に位置する第2領域とを有する第1膜と、前記第1領域に設けられた第2膜と、を含む膜部と、
前記第2領域のうちの一部に設けられた歪検知素子であって、
前記第2領域の変形に応じて磁化が変化する第1磁性層と、
第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた中間層と、
を含む歪検知素子と、
を備えた圧力センサ。
[態様2]
前記第2膜は、前記第1膜と一体成形された態様1記載の圧力センサ。
[態様3]
前記第1領域における前記第1膜の膜厚と前記第2膜の膜厚との和aと、前記第2領域の膜厚bと、の比率(a/b)は、1.1以上、4以下である態様1記載の圧力センサ。
[態様4]
前記第2膜の材料は、前記第1膜の材料とは異なる態様1記載の圧力センサ。
[態様5]
前記第2膜のヤング率は、前記第1膜のヤング率よりも大きい態様1記載の圧力センサ。
[態様6]
前記第2膜に残留した応力の値は、前記第1膜に残留した応力の値よりも相対的に引張である態様1記載の圧力センサ。
[態様7]
前記第1膜は、半導体、絶縁体、酸化物または窒化物からなる群から選択される少なくとも一つの材料を含む態様1〜6いずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様8]
前記第1膜は、シリコン、酸化シリコンまたは窒化シリコンからなる群より選択される少なくとも一つの材料を含む態様1〜7いずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様9]
前記第2膜は金属を含む態様1〜6いずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様10]
前記第2膜は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、からなる群より選択される少なくとも一つの金属を含む態様1〜6、9のいずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様11]
前記第2膜は、アモルファスシリコン含む態様1〜6のいずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様12]
前記第2膜は、前記第1膜に不純物を添加した膜を含む態様1〜6いずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様13]
前記第1膜はシリコン(Si)を含み、前記第2膜は水素(H)、ヘリウム(He)、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)、フッ素(F)、ネオン(Ne)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)及びアルミニウム(Al)からなる群より選択される少なくとも一つの不純物が添加されたシリコン(Si)を含む態様1〜6、12のいずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様14]
前記第1膜は、前記第2膜に不純物を添加した膜を含む態様1〜6いずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様15]
前記第2膜はシリコン(Si)を含み、前記第1膜は、リン(P)、硫黄(S)、塩素(Cl)、アルゴン(Ar)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、Cu(銅)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)及びヒ素(As)からなる群より選択される少なくとも一つの不純物が添加されたシリコン(Si)を含む態様1〜6、14のいずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様16]
前記第1膜は、リン(P)、硫黄(S)、塩素(Cl)、アルゴン(Ar)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、Cu(銅)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)及びヒ素(As)からなる群より選択される少なくとも一つの不純物が添加されたシリコン(Si)を含み、前記第2膜は、水素(H)、ヘリウム(He)、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)、フッ素(F)、ネオン(Ne)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)及びアルミニウム(Al)からなる群より選択される少なくとも一つの不純物が添加されたシリコン(Si)を含む態様1〜6のいずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様17]
前記第1膜および第2膜は窒化シリコン(Si-N)を含み、前記第2膜に含まれる窒素の含有量は前記第1膜に含まれる窒化の含有量よりも少ない態様1〜6に記載の圧力センサ。
[態様18]
支持部と、
前記支持部に支持され変形可能な膜部であって、中心部に位置する第1領域と、前記第1領域の周辺部に位置する第2領域と、を有し、前記第1領域の材料が前記第2領域の材料とは異なる膜部と、
前記第2領域のうちの一部に設けられた歪検知素子であって、
前記第2領域の変形に応じて磁化が変化する第1磁性層と、
第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた中間層と、
を含む歪検知素子と、
を備えた圧力センサ。
[態様19]
支持部と、
前記支持部に支持され変形可能な膜部であって、中心部に位置する第1領域と、前記第1領域の周辺部に位置する第2領域と、を有し、前記第1領域のヤング率が前記第2領域のヤング率よりも大きい膜部と、
前記第2領域のうちの一部に設けられた歪検知素子であって、
前記第2領域の変形に応じて磁化が変化する第1磁性層と、
第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた中間層と、
を含む歪検知素子と、
を備えた圧力センサ。
[態様20]
支持部と、
前記支持部に支持され変形可能な膜部であって、中心部に位置する第1領域と、前記第1領域の周辺部に位置する第2領域と、を有し、前記第1領域に残留する応力の値が前記第2領域に残留した応力の値よりも相対的に引張である膜部と、
前記第2領域のうちの一部に設けられた歪検知素子であって、
前記第2領域の変形に応じて磁化が変化する第1磁性層と、
第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた中間層と、
を含む歪検知素子と、
を備えた圧力センサ。
[態様21]
前記第1領域中心から、前記第1領域と前記第2領域との間の境界までの距離cと、前記第1領域中心から最も近い前記支持部までの距離dと、の比(c/d)は0.5以上、0.97以下である態様1〜20いずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様22]
前記歪検知素子は、前記第1領域と前記第2領域との間の境界と前記境界から最短距離の前記支持部の端部とを結ぶ直線の中点と、前記端部と、の間に配置される態様1〜21のいずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様23]
前記第2領域の前記膜部は、半導体、絶縁体、酸化物または窒化物からなる群から選択される少なくとも一つの材料を含む態様18〜22のいずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様24]
前記第2領域の前記膜部は、シリコン、酸化シリコンまたは窒化シリコンからなる群より選択される少なくとも一つの材料を含む態様18〜23のいずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様25]
前記第1領域の前記膜部は金属を含む態様18〜22いずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様26]
前記第1領域の前記膜部は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、からなる群より選択される少なくとも一つの金属を含む態様18〜22、25のいずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様27]
前記第1領域の前記膜部は、アモルファスシリコンを含む態様18〜22のいずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様28]
前記第1領域の前記膜部は、前記第2領域の前記膜部を構成する材料に不純物を添加した材料を含む態様18〜22のいずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様29]
前記第2領域の前記膜部はシリコン(Si)を含み、前記第1領域の前記膜部は、水素(H)、ヘリウム(He)、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)、フッ素(F)、ネオン(Ne)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)及びアルミニウム(Al)からなる群より選択される少なくとも一つの不純物が添加されたシリコン(Si)を含む態様18〜22、28のいずれか一つに記載の圧力センサ。
[態様30]
前記第2領域の前記膜部は、前記第1領域の前記膜部を構成する材料に不純物を添加した材料を含む態様18〜22のいずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様31]
前記第1領域の前記膜部はシリコン(Si)を含み、前記第2領域の前記膜部は、リン(P)、硫黄(S)、塩素(Cl)、アルゴン(Ar)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、Cu(銅)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)及びヒ素(As)からなる群より選択される少なくとも一つの不純物が添加されたシリコン(Si)を含む態様18〜22、30のいずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様32]
前記第1領域の前記膜部は水素(H)、ヘリウム(He)、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)、フッ素(F)、ネオン(Ne)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)及びアルミニウム(Al)からなる群より選択される少なくとも一つの不純物が添加されたシリコン(Si)を含み、前記第2領域の前記膜部は、リン(P)、硫黄(S)、塩素(Cl)、アルゴン(Ar)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、Cu(銅)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)及びヒ素(As)からなる群より選択される少なくとも一つの不純物が添加されたシリコン(Si)を含む態様18〜22のいずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様33]
前記第1領域の前記膜部および前記第2領域の前記膜部は窒化シリコン(Si-N)を含み、前記第1領域の前記膜部に含まれる窒素の含有量は第2領域の前記膜部に含まれる窒素の含有量よりも少ない態様18〜22いずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様34]
前記歪検知素子は、前記第1磁性層と前記膜部との間に設けられた電極をさらに含む態様1〜33のいずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様35]
前記歪検知素子を複数備えた態様1〜34のいずれか1つに記載の圧力センサ。
[態様36]
態様1〜34のいずれか1つに記載の圧力センサを備えたマイクロフォン。
[態様37]
態様1〜34のいずれか1つに記載の圧力センサを備えた血圧センサ。
[態様38]
態様1〜34のいずれか1つに記載の圧力センサを備えたタッチパネル。
50、50a、50b、50c、50d、50e、50f…歪検知素子、 50g…重心、 51…第1磁性層(磁化自由層)、 51a…第1磁化自由層、 51b…第2磁化自由層、 51m…磁化、 52…第2磁性層(第1磁化固定層)、 52a…下部第1磁化固定層、 52b…上部第1磁化固定層、 52m…磁化、 53…中間層、 53a…下部中間層、 53b…上部中間層、 54…下地層、 55…ピニング層、 55a…下部ピニング層、 55b…上部ピニング層、 56…第2磁化固定層、 56a…下部第2磁化固定層、 56b…上部第2磁化固定層、 57…磁気結合層、 57a…下部磁気結合層、 57b…上部磁気結合層、 58…キャップ層、 64…膜部、 64a…第1膜、 64b…第2膜、 64c…境界、 64d…点、 64e…中心点、 64f…点、 64m…中心部、 64n…周辺部、 65…膜部、 65c…境界、 66…膜部、 66a…第1膜、 66b…第2膜、 66c…境界、 66m…中心部、 66n…周辺部、 70…空洞部、 71…支持部、 72…センサ部、 80…外部圧力、 81…歪、 111…絶縁層、 113…ハードバイアス層、 310…圧力センサ、 310e…検出要素、 311、312…圧力センサ、 351…一端、 352…他端、 410…マイクロフォン、 420…携帯情報端末、 421…表示部、 430…音響マイク、 431…プリント基板、 433…カバー、 435…アコースティックホール、 439…音、 440…血圧センサ、 441…動脈血管、 443…皮膚、 450…タッチパネル、 451…第1配線、 452…第2配線、 453…制御部、 453a…第1配線用回路、 453b…第2配線用回路、 455…制御回路、 511…第1配線、 511a…部分、 512…第2配線、 640…膜、 641…膜、 641a…マスク、 641b…マスク、 641c…マスク、 650…膜、 651a…マスク、 651b…マスク、 651c…マスク、 700…凸部、 710…基板、 810a、810b…歪、 E1…下部電極、 E2…上部電極、 R1…第1領域、 R2…第2領域、 R3…イオン

Claims (14)

  1. 支持部と、
    前記支持部に支持され変形可能な膜部であって、中心部に位置する第1領域と前記第1領域の周辺部に位置する第2領域とを有する第1膜と、前記第1領域に設けられた第2膜と、を含む膜部と、
    前記第2領域のうちの一部に設けられた歪検知素子であって、
    前記第2領域の変形に応じて磁化が変化する第1磁性層と、
    第2磁性層と、
    前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた中間層と、
    を含む歪検知素子と、
    を備えた圧力センサ。
  2. 支持部と、
    前記支持部に支持され変形可能な膜部であって、中心部に位置する第1領域と、前記第1領域の周辺部に位置する第2領域と、を有し、前記第1領域の材料が前記第2領域の材料とは異なる膜部と、
    前記第2領域のうちの一部に設けられた歪検知素子であって、
    前記第2領域の変形に応じて磁化が変化する第1磁性層と、
    第2磁性層と、
    前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた中間層と、
    を含む歪検知素子と、
    を備えた圧力センサ。
  3. 支持部と、
    前記支持部に支持され変形可能な膜部であって、中心部に位置する第1領域と、前記第1領域の周辺部に位置する第2領域と、を有し、前記第1領域のヤング率が前記第2領域のヤング率よりも大きい膜部と、
    前記第2領域のうちの一部に設けられた歪検知素子であって、
    前記第2領域の変形に応じて磁化が変化する第1磁性層と、
    第2磁性層と、
    前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた中間層と、
    を含む歪検知素子と、
    を備えた圧力センサ。
  4. 支持部と、
    前記支持部に支持され変形可能な膜部であって、中心部に位置する第1領域と、前記第1領域の周辺部に位置する第2領域と、を有し、前記第1領域に残留する応力の値が前記第2領域に残留した応力の値よりも相対的に引張である膜部と、
    前記第2領域のうちの一部に設けられた歪検知素子であって、
    前記第2領域の変形に応じて磁化が変化する第1磁性層と、
    第2磁性層と、
    前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた中間層と、
    を含む歪検知素子と、
    を備えた圧力センサ。
  5. 前記第2膜は、前記第1膜と一体成形された請求項1記載の圧力センサ。
  6. 前記第2膜の材料は、前記第1膜の材料とは異なる請求項1記載の圧力センサ。
  7. 前記第2膜のヤング率は、前記第1膜のヤング率よりも大きい請求項1記載の圧力センサ。
  8. 前記第2膜に残留した応力の値は、相対的に前記第1膜に残留した応力の値よりも相対的に引張である請求項1記載の圧力センサ。
  9. 前記歪検知素子は、前記第1磁性層と前記膜部との間に設けられた電極をさらに含む請求項1〜8のいずれか1つに記載の圧力センサ。
  10. 前記歪検知素子は、前記第1領域と前記第2領域との間の境界と前記境界から最短距離の前記支持部の端部とを結ぶ直線の中点と、前記端部と、の間に配置された請求項1〜9のいずれか1つに記載の圧力センサ。
  11. 前記歪検知素子を複数備えた請求項1〜10のいずれか1つに記載の圧力センサ。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つに記載の圧力センサを備えたマイクロフォン。
  13. 請求項1〜11のいずれか1つに記載の圧力センサを備えた血圧センサ。
  14. 請求項1〜11のいずれか1つに記載の圧力センサを備えたタッチパネル。
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