JP2015184006A - 力検出装置、ロボット - Google Patents

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Hiroki Kawai
宏紀 河合
豊 荒川
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豊 荒川
隆伸 松本
Takanobu Matsumoto
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Abstract

【課題】熱伝導を低減することにより、温度ドリフトの発生を効果的に低減することができる力検出装置、ロボット、電子部品搬送装置および電子部品検出装置を提供することにある。【解決手段】力検出装置1は、第1基部2と、第1基部2に対向配置された第2基部3と、第1基部2と第2基部3との間に設けられ、外力に応じて信号を出力する電荷出力素子(圧電素子)10と、第1基部2と第2基部3との間に設けられ、電荷出力素子10から出力される信号が入力されるデジタル回路基板5と、第1基部2と第2基部3との間に設けられた放熱板(第1部分)81を有し、デジタル回路基板5よりも熱伝導率の高い放熱部8と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、力検出装置、ロボットに関する。
近年、生産効率向上を目的として、工場等の生産施設への産業用ロボットの導入が進められている。このような産業ロボットとしては、アルミニウム板等の母材に対して機械加工を施す工作機械が代表的である。工作機械には、機械加工を施す際に、母材に対する力を検出する力検出装置が内蔵されたものがある。
この検出精度では、各部を構成する部材へ熱の伝わる程度の差や、時間の差により、部材同士間での熱膨張の程度に差が生じ、温度ドリフトが生じるという問題がある。そこで、力検出装置の内部に配置される回路基板に温度センサーを設け、この温度センサーにより温度補正を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、力検出装置の温度変化は、非常に微小であるため、温度センサーの設置位置や感度によっては、温度変化を十分に検出できない場合がある。
特開平2011−257267号公報
本発明の目的は、放熱効果を高めることにより、温度ドリフトの発生を効果的に低減することができる力検出装置、ロボットを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
(適用例1)
本発明の力検出装置は、第1基部と、
第2基部と、
前記第1基部と前記第2基部との間に設けられた圧電素子と、
前記第1基部と前記第2基部との間に設けられ、前記圧電素子から出力される信号が入力される回路基板と、
前記第1基部と前記第2基部との間に設けられた第1部分を有し、前記回路基板よりも熱伝導率の高い放熱部と、を備えることを特徴とする。
これにより、力検出装置の内部で発生した熱は、回路基板より優先して放熱部に伝わり外部に放出される。すなわち、力検出装置が放熱部による高い放熱効果を発揮する。このため、力検出装置の内部で発生した熱に起因して、例えば、第1基部と第2基部との位置ズレによる熱ドリフトが発生するのを低減することができる。
(適用例2)
本発明の力検出装置では、前記放熱部は、前記第1部分に接触し、かつ、前記第1基部および前記第2基部の外側に設けられた第2部分を有することが好ましい。
これにより、放熱部による放熱効果がより高まる。
(適用例3)
本発明の力検出装置では、前記放熱部は、複数の突起を有することが好ましい。
これにより、放熱部による放熱効果がより高まる。
(適用例4)
本発明の力検出装置では、前記放熱部と、前記第1基部および前記第2基部のうちの少なくとも一方との間に設けられ、前記放熱部よりも熱伝導率の低い断熱部を備えることが好ましい。
これにより、放熱部に伝わる熱が第1基部および/または第2基部に伝わるのをより確実に回避することができる。
(適用例5)
本発明の力検出装置では、前記放熱部は、前記断熱部を介して前記第1基部および前記第2基部のうちの少なくとも一方に接合されていることが好ましい。
これにより、第1基部と第2基部との位置関係が規制されるため、これらに位置ズレが生じるのを防止する効果も得られる。
(適用例6)
本発明の力検出装置では、前記回路基板は、電源回路を有することが好ましい。
かかる構成の力検出装置に、本発明を適用することにより、その効果が好適に発揮される。
(適用例7)
本発明の力検出装置では、前記圧電素子は、水晶を含むことが好ましい。
これにより、圧電素子は、広いダイナミックレンジ、高い剛性、高い固有振動数、高い対荷重性等の優れた特性を有することができる。
(適用例8)
本発明のロボットは、アームと、
前記アームに設けられたエンドエフェクターと、
前記アームと前記エンドエフェクターの間に設けられた力検出装置とを備え、
前記力検出装置は、第1基部と、前記第1基部に対向配置された第2基部と、前記第1基部と前記第2基部との間に設けられた圧電素子と、前記第1基部と前記第2基部との間に設けられ、前記圧電素子から出力される信号が入力される回路基板と、前記第1基部と前記第2基部との間に設けられた第1部分を有し、前記回路基板よりも熱伝導率の高い放熱部と、を備えることを特徴とする。
これにより、力検出装置に熱ドリフトが発生するのを好適に低減することができる。したがって、このようなロボットによれば、外力が正確に検出され、エンドエフェクターによる作業を適正に行なうことができる。
本発明に係る力検出装置を示す縦断面図である。 図1中のA−A線断面図である。 センサーデバイス付近を示す図2の部分拡大図である。 図1に示す力検出装置を概略的に示す回路図である。 図1に示す力検出装置が備える電荷出力素子を概略的に示す断面図である。 図1に示す力検出装置の電荷出力素子で検出される力の作用状態を示す概略図である。 図6中の矢印D方向から見た図である。 断熱部の他の構成例を示す断面図である。 本発明に係る力検出装置を用いた単腕ロボットの1例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
1.力検出装置
図1は、本発明に係る力検出装置を示す縦断面図であり、図2は、図1中のA−A線断面図であり、図3は、センサーデバイス付近を示す図2の部分拡大図であり、図4は、図1に示す力検出装置を概略的に示す回路図であり、図5は、図1に示す力検出装置が備える電荷出力素子を概略的に示す断面図であり、図6は、図1に示す力検出装置の電荷出力素子で検出される力の作用状態を示す概略図であり、図7は、図6中の矢印D方向から見た図であり、図8は、断熱部の他の構成例を示す断面図である。
なお、以下では、図1、図3および図8中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言うが、図1(図8)および図3において、それらの上下方向は一致していない。また、図3では、アナログ回路基板4の図示を省略している。
また、図2および図6には、互いに直交する3つの軸として、α軸、β軸およびγ軸が図示されている。また、図1、図5および図8には、上記3つの軸のうち、γ軸のみを図示している。
図1に示す力検出装置1は、力検出装置1に加えられた外力、すなわち、6軸力(α、β、γ軸方向の並進力成分およびα、β、γ軸周りの回転力成分)を検出する機能を有する。
この力検出装置1は、第1基部(基部)2と、第1基部2から所定の間隔を隔てて配置され、第1基部2に対向する第2基部(基部)3と、第1基部2と第2基部3との間に収納された(設けられた)アナログ回路基板4と、第1基部2と第2基部3との間に収納され(設けられ)、アナログ回路基板4と電気的に接続されたデジタル回路基板5と、アナログ回路基板4に搭載され、外力に応じて信号を出力する電荷出力素子(圧電素子)10および電荷出力素子10を収納するパッケージ(収容部)60を有する4つのセンサーデバイス(圧力検出部)6と、8つの与圧ボルト(固定部材)71と、力検出装置1の各部で生じた熱を放熱する放熱部8と、を備えている。
以下に、力検出装置1の各部の構成について詳述する。
なお、以下の説明では、図2に示すように、4つのセンサーデバイス6のうち、図2中の右側に位置するセンサーデバイス6を「センサーデバイス6A」といい、以降反時計回りに順に「センサーデバイス6B」、「センサーデバイス6C」、「センサーデバイス6D」という。
図1および図2に示すように、第1基部(ベースプレート)2は、外形が板状をなし、その平面形状は、丸みを帯びた四角形をなす。なお、第1基部2の平面形状は、図示のものに限定されず、例えば円形や四角形外の多角形等であってもよい。
第1基部2の下面221は、力検出装置1が例えばロボットに固定されて使用されるときに、当該ロボット(測定対象)に対する取付面(第1取付面)として機能する。
この第1基部2は、底板22と、底板22から上方に向かって立設した壁部24とを有し、これらが、例えば、接着剤による接着、融着等により接合(固定)されている。なお、本実施形態では、底板22と壁部24とは、別体として形成されているが、これらは、一体的に形成されていてもよい。
壁部24は、外方に臨む面に凸部23が突出形成されている。凸部23の頂面231は、底板22に対して垂直な平面である。また、凸部23には、後述する与圧ボルト71の雄ネジ72と螺合する雌ネジ241が設けられている(図2および図3参照)。
図1に示すように、第1基部2に対し所定の間隔を隔てて対向するように、第2基部(カバープレート)3が配置されている。
第2基部3も、第1基部2と同様に、その外形が板状をなしている。また、第2基部3の平面形状は、第1基部2の平面形状に対応した形状であることが好ましく、本実施形態では、第2基部3の平面視形状は、第1基部2の平面視形状と同様に、角部が丸みを帯びた四角形をなしている。また、第2基部3は、第1基部2を包含する程度の大きさであるのが好ましい。
第2基部3の上面321は、力検出装置1が例えばロボットに固定されて使用されるときに、当該ロボットに装着されるエンドエフェクター(測定対象)に対する取付面(第2取付面)として機能する。また、第2基部3の上面321と、前述した第1基部2の下面221とは、外力が付与していない自然状態では平行となっている。
また、第2基部3は、天板32と、天板32の縁部に形成され、当該縁部から下方に向かって突出した側壁33とを有し、これらが、例えば、接着剤による接着、融着等により接合(固定)されている。なお、本実施形態では、天板32と側壁33とは、別体として形成されているが、これらは、一体的に形成されていてもよい。側壁33の内壁面331は、天板32に対して垂直な平面である。そして、第1基部2の頂面231と第2基部3の内壁面331との間には、センサーデバイス6が設けられている。
また、第1基部2と第2基部3とは、与圧ボルト71により、接続、固定されている。この与圧ボルト71は、図2に示すように、8本(複数)あり、そのうちの2本ずつが各センサーデバイス6の両側に配置されている。なお、1つのセンサーデバイス6に対する与圧ボルト71の数は、2つに限定されず、例えば、3つ以上であってもよい。
与圧ボルト71は、雄ネジ(柱状部分)72と、その一端に、雄ネジ72と一体的に形成されたネジ頭73とを有している。与圧ボルト71の構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種樹脂材料、各種金属材料等を用いることができる。
このように与圧ボルト71によって接続された第1基部2と第2基部3とで、センサーデバイス6A〜6D、アナログ回路基板4、およびデジタル回路基板5を収納する収納空間を形成している。この収納空間は、円形または角丸正方形の断面形状を有する。
また、図1に示すように、第1基部2と第2基部3との間には、センサーデバイス6に接続されたアナログ回路基板4が設けられている。
アナログ回路基板4のセンサーデバイス6(具体的には、電荷出力素子10)が配置されている部位には、第1基部2の各凸部23が挿入される孔41が形成されている。この孔41は、アナログ回路基板4を貫通する貫通孔である。
また、図2に示すように、アナログ回路基板4には、各与圧ボルト(第1部材)71の雄ネジ72が挿通される貫通孔が設けられている。
また、図4に示すように、センサーデバイス6Aに接続されたアナログ回路基板4は、センサーデバイス6Aの電荷出力素子10から出力された電荷Qy1を電圧Vy1に変換する変換出力回路90aと、電荷出力素子10から出力された電荷Qz1を電圧Vz1に変換する変換出力回路90bと、電荷出力素子10から出力された電荷Qx1を電圧Vx1に変換する変換出力回路90cとを備えている。
センサーデバイス6Bに接続されたアナログ回路基板4は、センサーデバイス6Bの電荷出力素子10から出力された電荷Qy2を電圧Vy2に変換する変換出力回路90aと、電荷出力素子10から出力された電荷Qz2を電圧Vz2に変換する変換出力回路90bと、電荷出力素子10から出力された電荷Qx2を電圧Vx2に変換する変換出力回路90cとを備えている。
センサーデバイス6Cに接続されたアナログ回路基板4は、センサーデバイス6Cの電荷出力素子10から出力された電荷Qy3を電圧Vy3に変換する変換出力回路90aと、電荷出力素子10から出力された電荷Qz3を電圧Vz3に変換する変換出力回路90bと、電荷出力素子10から出力された電荷Qx3を電圧Vx3に変換する変換出力回路90cとを備えている。
センサーデバイス6Dに接続されたアナログ回路基板4は、センサーデバイス6Dの電荷出力素子10から出力された電荷Qy4を電圧Vy4に変換する変換出力回路90aと、電荷出力素子10から出力された電荷Qz4を電圧Vz4に変換する変換出力回路90bと、電荷出力素子10から出力された電荷Qx4を電圧Vx4に変換する変換出力回路90cとを備えている。
また、図1に示すように、第1基部2と第2基部3との間には、第1基部2上のアナログ回路基板4が設けられている位置とは異なる位置(壁部24)に支持され、アナログ回路基板4に電気的に接続されたデジタル回路基板5が設けられている。したがって、アナログ回路基板4とデジタル回路基板5とにより、一体的に機能する1つの回路基板が構成されている。図4に示すように、デジタル回路基板5は、変換出力回路(変換回路)90a、90b、90cに接続されたADコンバーター401と、ADコンバーター401に接続された演算部(演算回路)402とを有する外力検出回路40を備えている。また、図1に示すように、デジタル回路基板5は、力検出装置1の各部に電力を供給する電源回路50も備えている。
なお、上述した第1基部2、第2基部3、アナログ回路基板4の各素子および各配線以外の部位、デジタル回路基板5の各素子および各配線以外の部位の構成材料としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、各種樹脂材料、各種金属材料等を用いることができる。
また、第1基部2、第2基部3は、それぞれ、外形が板状をなす部材で構成されているが、これに限定されず、例えば、一方の基部が板状をなす部材で構成され、他方の基部がブロック状をなす部材で構成されていてもよい。
次に、センサーデバイス6について、詳細に説明する。
[センサーデバイス]
図1、図2に示すように、センサーデバイス6Aは、第1基部2の4つの凸部23のうちの1つの凸部23の頂面231と、この頂面231に対向する内壁面331とによって挟持されている。このセンサーデバイス6Aと同様に、前記と異なる1つの凸部23の頂面231と、この頂面231に対向する内壁面331とによって、センサーデバイス6Bが挟持されている。また、前記と異なる1つの凸部23の頂面231と、この頂面231に対向する内壁面331とによって、センサーデバイス6Cが挟持されている。さらに、前記と異なる1つの凸部23の頂面231と、この頂面231に対向する内壁面331によって、センサーデバイス6Dが挟持されている。
なお、以下では、各センサーデバイス6A〜6Dが第1基部2および第2基部3によって挟持されている方向を「挟持方向SD」という。また、各センサーデバイス6A〜6Dのうちセンサーデバイス6Aが挟持されている方向を第1挟持方向、センサーデバイス6Bが挟持されている方向を第2挟持方向、センサーデバイス6Cが挟持されている方向を第3挟持方向、センサーデバイス6Dが挟持されている方向を第4挟持方向ということもある。
なお、本実施形態では、図1に示すように、センサーデバイス6は、アナログ回路基板4の第2基部3(側壁33)側に設けられているが、センサーデバイス6は、アナログ回路基板4の第1基部2側に設けられていてもよい。
また、図2に示すように、センサーデバイス6Aおよびセンサーデバイス6Bと、センサーデバイス6Cおよびセンサーデバイス6Dとは、第1基部2のβ軸に沿った中心軸271に関して対称的に配置されている。すなわち、センサーデバイス6A〜6Dは、第1基部2の中心272回りに等角度間隔に配置されている。このようにセンサーデバイス6A〜6Dを配置することより、外力を偏りなく検出することができる。
なお、センサーデバイス6A〜6Dの配置は図示のものに限定されないが、センサーデバイス6A〜6Dは、第2基部3の上面321から見て、第2基部3の中心部(中心272)からできる限り離間した位置に配置されているのが好ましい。これにより、力検出装置1に加わる外力を安定して検出することができる。
また、本実施形態では、センサーデバイス6A〜6Dは、全て同じ方向を向いた状態に搭載されているが、センサーデバイス6A〜6Dの向きは、それぞれ、異なっていてもよい。
このように配置されたセンサーデバイス6は、図1、図2に示すように、電荷出力素子10と、電荷出力素子10を収納するパッケージ60とを有している。また、本実施形態では、センサーデバイス6A〜6Dは、同様の構成である。
[電荷出力素子]
電荷出力素子10は、力検出装置1に加わった外力、すなわち第1基部2または第2基部3の少なくとも一方の基部に加えられた外力に応じて電荷を出力する機能を有する。
なお、センサーデバイス6A〜6Dが備える各電荷出力素子10は、同じ構成であるため、1つの電荷出力素子10について中心的に説明する。
図5に示すように、センサーデバイス6が備える電荷出力素子10は、グランド電極層11と、第1のセンサー12と、第2のセンサー13と、第3のセンサー14とを有している。
第1のセンサー12は、外力(せん断力)に応じて電荷Qx(電荷Qx1、Qx2、Qx3、Qx4のいずれか)を出力する機能を有する。第2のセンサー13は、外力(圧縮/引張力)に応じて電荷Qz(電荷Qz1、Qz2、Qz3、Qz4)を出力する機能を有する。第3のセンサー14は、外力(せん断力)に応じて電荷Qy(電荷Qy1、Qy2、Qy3、Qy4)を出力する。
また、センサーデバイス6が備える電荷出力素子10は、グランド電極層11と各センサー12、13、14は交互に平行に積層されている。以下、この積層された方向を「積層方向LD」という。この積層方向LDは、上面321の法線NL(または下面221の法線NL)と直交する方向となっている。また、積層方向LDは、挟持方向SDと平行となっている。
また、電荷出力素子10の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、各側壁33の内壁面331に対して垂直な方向から見て、四角形をなしている。なお、各電荷出力素子10の他の外形形状としては、例えば、五角形等の他の多角形、円形、楕円形等が挙げられる。
以下、グランド電極層11、第1のセンサー12、第2のセンサー13、および第3のセンサー14について詳述する。
グランド電極層11は、グランド(基準電位点)に接地された電極である。グランド電極層11を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、金、チタニウム、アルミニウム、銅、鉄またはこれらを含む合金が好ましい。これらの中でも特に、鉄合金であるステンレスを用いるのが好ましい。ステンレスにより構成されたグランド電極層11は、優れた耐久性および耐食性を有する。
第1のセンサー12は、積層方向LD(第1の挟持方向)と直交する、すなわち、法線NL(法線NL)の方向と同じ方向の第1検出方向の外力(せん断力)に応じて電荷Qxを出力する機能を有する。すなわち、第1のセンサー12は、外力に応じて正電荷または負電荷を出力するよう構成されている。
第1のセンサー12は、第1の圧電体層(第1検出板)121と、第1の圧電体層121と対向して設けられた第2の圧電体層(第1検出板)123と、第1の圧電体層121と第2の圧電体層123との間に設けられた出力電極層122を有する。
第1の圧電体層121は、Yカット水晶板で構成され、互いに直交する結晶軸であるx軸、y軸、z軸を有する。y軸は、第1の圧電体層121の厚さ方向に沿った軸であり、x軸は、図5中の紙面奥行き方向に沿った軸であり、z軸は、図5中の上下方向に沿った軸である。
以下では、これら図示した各矢印の先端側を「+(正)」、基端側を「−(負)」として説明する。また、x軸に平行な方向を「x軸方向」、y軸に平行な方向を「y軸方向」、z軸に平行な方向を「z軸方向」という。なお、後述する第2の圧電体層123、第3の圧電体層131、第4の圧電体層133、第5の圧電体層141、および第6の圧電体層143についても同様である。
水晶により構成された第1の圧電体層121は、広いダイナミックレンジ、高い剛性、高い固有振動数、高い対荷重性等の優れた特性を有する。また、Yカット水晶板は、その面方向に沿った外力(せん断力)に対して電荷を生ずる。
そして、第1の圧電体層121の表面に対し、x軸の正方向に沿った外(せん断力)力が加えられた場合、圧電効果により、第1の圧電体層121内に電荷が誘起される。その結果、第1の圧電体層121の出力電極層122側表面近傍には正電荷が集まり、第1の圧電体層121のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第1の圧電体層121の表面に対し、x軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第1の圧電体層121の出力電極層122側表面近傍には負電荷が集まり、第1の圧電体層121のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第2の圧電体層123も、Yカット水晶板で構成され、互いに直交する結晶軸であるx軸、y軸、z軸を有する。y軸は、第2の圧電体層123の厚さ方向に沿った軸であり、x軸は、図5中の紙面奥行き方向に沿った軸であり、z軸は、図5中の上下方向に沿った軸である。
水晶により構成された第2の圧電体層123も第1の圧電体層121と同様に、広いダイナミックレンジ、高い剛性、高い固有振動数、高い対荷重性等の優れた特性を有し、Yカット水晶板であることにより、その面方向に沿った外力(せん断力)に対して電荷を生ずる。
そして、第2の圧電体層123の表面に対し、x軸の正方向に沿った外力(せん断力)が加えられた場合、圧電効果により、第2の圧電体層123内に電荷が誘起される。その結果、第2の圧電体層123の出力電極層122側表面近傍には正電荷が集まり、第2の圧電体層123のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第2の圧電体層123の表面に対し、x軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第2の圧電体層123の出力電極層122側表面近傍には負電荷が集まり、第2の圧電体層123のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
出力電極層122は、第1の圧電体層121内および第2の圧電体層123内に生じた正電荷または負電荷を電荷Qxとして出力する機能を有する。前述のように、第1の圧電体層121の表面または第2の圧電体層123の表面にx軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層122近傍には、正電荷が集まる。その結果、出力電極層122からは、正の電荷Qxが出力される。一方、第1の圧電体層121の表面または第2の圧電体層123の表面にx軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層122近傍には、負電荷が集まる。その結果、出力電極層122からは、負の電荷Qxが出力される。
また、第1のセンサー12が第1の圧電体層121と第2の圧電体層123とを有する構成となっていることは、第1の圧電体層121および第2の圧電体層123のうちの一方のみと出力電極層122とで構成されている場合と比較して、出力電極層122近傍に集まる正電荷または負電荷を増加させることができる。その結果、出力電極層122から出力される電荷Qxを増加させることができる。なお、後述する第2のセンサー13、第3のセンサー14についても同様である。
また、出力電極層122の大きさは、第1の圧電体層121および第2の圧電体層123の大きさ以上であることが好ましい。出力電極層122が、第1の圧電体層121または第2の圧電体層123よりも小さい場合、第1の圧電体層121または第2の圧電体層123の一部は出力電極層122と接しない。そのため、第1の圧電体層121または第2の圧電体層123に生じた電荷の一部を出力電極層122から出力できない場合がある。その結果、出力電極層122から出力される電荷Qxが減少してしまう。なお、後述する出力電極層132、142についても同様である。
第2のセンサー13は、外力(圧縮/引張力)に応じて電荷Qzを出力する機能を有する。すなわち、第2のセンサー13は、圧縮力に応じて正電荷を出力し、引張力に応じて負電荷を出力するよう構成されている。
第2のセンサー13は、第3の圧電体層131と、第3の圧電体層131と対向して設けられた第4の圧電体層133と、第3の圧電体層131と第4の圧電体層133との間に設けられた出力電極層132を有する。
第3の圧電体層131は、Xカット水晶板で構成され、互いに直交するx軸、y軸、z軸を有する。x軸は、第3の圧電体層131の厚さ方向に沿った軸であり、y軸は、図5中の上下方向に沿った軸であり、z軸は、図5中の紙面奥行き方向に沿った軸である。
そして、第3の圧電体層131の表面に対し、x軸に平行な圧縮力が加えられた場合、圧電効果により、第3の圧電体層131内に電荷が誘起される。その結果、第3の圧電体層131の出力電極層132側表面近傍には正電荷が集まり、第3の圧電体層131のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第3の圧電体層131の表面に対し、x軸に平行な引張力が加えられた場合、第3の圧電体層131の出力電極層132側表面近傍には負電荷が集まり、第3の圧電体層131のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第4の圧電体層133も、Xカット水晶板で構成され、互いに直交するx軸、y軸、z軸を有する。x軸は、第4の圧電体層133の厚さ方向に沿った軸であり、y軸は、図5中の上下方向に沿った軸であり、z軸は、図5中の紙面奥行き方向に沿った軸である。
そして、第4の圧電体層133の表面に対し、x軸に平行な圧縮力が加えられた場合、圧電効果により、第4の圧電体層133内に電荷が誘起される。その結果、第4の圧電体層133の出力電極層132側表面近傍には正電荷が集まり、第4の圧電体層133のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第4の圧電体層133の表面に対し、x軸に平行な引張力が加えられた場合、第4の圧電体層133の出力電極層132側表面近傍には負電荷が集まり、第4の圧電体層133のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
出力電極層132は、第3の圧電体層131内および第4の圧電体層133内に生じた正電荷または負電荷を電荷Qzとして出力する機能を有する。前述のように、第3の圧電体層131の表面または第4の圧電体層133の表面にx軸に平行な圧縮力が加えられた場合、出力電極層132近傍には、正電荷が集まる。その結果、出力電極層132からは、正の電荷Qzが出力される。一方、第3の圧電体層131の表面または第4の圧電体層133の表面にx軸に平行な引張力が加えられた場合、出力電極層132近傍には、負電荷が集まる。その結果、出力電極層132からは、負の電荷Qzが出力される。
第3のセンサー14は、積層方向LD(第2の挟持方向)と直交し、第1のセンサー12が電荷Qxを出力する際に作用する外力の第1検出方向と交差する第2検出方向の外力(せん断力)に応じて電荷Qxを出力する機能を有する。すなわち、第3のセンサー14は、外力に応じて正電荷または負電荷を出力するよう構成されている。
第3のセンサー14は、第5の圧電体層(第2検出板)141と、第5の圧電体層141と対向して設けられた第6の圧電体層(第2検出板)143と、第5の圧電体層141と第6の圧電体層143との間に設けられた出力電極層142を有する。
第5の圧電体層141は、Yカット水晶板で構成され、互いに直交する結晶軸であるx軸、y軸、z軸を有する。y軸は、第5の圧電体層141の厚さ方向に沿った軸であり、x軸は、図5中の上下方向に沿った軸であり、z軸は、図5中の紙面奥行き方向に沿った軸である。
水晶により構成された第5の圧電体層141は、広いダイナミックレンジ、高い剛性、高い固有振動数、高い対荷重性等の優れた特性を有する。また、Yカット水晶板は、その面方向に沿った外力(せん断力)に対して電荷を生ずる。
そして、第5の圧電体層141の表面に対し、x軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第5の圧電体層141内に電荷が誘起される。その結果、第5の圧電体層141の出力電極層142側表面近傍には正電荷が集まり、第5の圧電体層141のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第5の圧電体層141の表面に対し、x軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第5の圧電体層141の出力電極層142側表面近傍には負電荷が集まり、第5の圧電体層141のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第6の圧電体層143も、Yカット水晶板で構成され、互いに直交する結晶軸であるx軸、y軸、z軸を有する。y軸は、第2の圧電体層123の厚さ方向に沿った軸であり、x軸は、図5中の上下方向に沿った軸であり、z軸は、図5中の紙面奥行き方向に沿った軸である。
水晶により構成された第6の圧電体層143も第5の圧電体層141と同様に、広いダイナミックレンジ、高い剛性、高い固有振動数、高い対荷重性等の優れた特性を有し、Yカット水晶板であることにより、その面方向に沿った外力(せん断力)に対して電荷を生ずる。
そして、第6の圧電体層143の表面に対し、x軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第6の圧電体層143内に電荷が誘起される。その結果、第6の圧電体層143の出力電極層142側表面近傍には正電荷が集まり、第6の圧電体層143のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第6の圧電体層143の表面に対し、x軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第6の圧電体層143の出力電極層142側表面近傍には負電荷が集まり、第6の圧電体層143のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
電荷出力素子10では、積層方向LDから見たとき、第1の圧電体層121および第2の圧電体層123の各x軸と、第5の圧電体層141および第6の圧電体層143の各x軸とが交差している。また、積層方向LDから見たとき、第1の圧電体層121および第2の圧電体層123の各z軸と、第5の圧電体層141および第6の圧電体層143の各z軸とが交差している。
出力電極層142は、第5の圧電体層141内および第6の圧電体層143内に生じた正電荷または負電荷を電荷Qyとして出力する機能を有する。前述のように、第5の圧電体層141の表面または第6の圧電体層143の表面にx軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層142近傍には、正電荷が集まる。その結果、出力電極層142からは、正の電荷Qyが出力される。一方、第5の圧電体層141の表面または第6の圧電体層143の表面にx軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層142近傍には、負電荷が集まる。その結果、出力電極層142からは、負の電荷Qyが出力される。
このように、電荷出力素子10では、第1のセンサー12、第2のセンサー13、および第3のセンサー14は、各センサーの力検出方向が互いに直交するように積層されている。これにより、各センサーは、それぞれ、互いに直交する力成分に応じて電荷を誘起することができる。そのため、電荷出力素子10は、x軸、y軸およびz軸に沿った各外力のそれぞれに応じて3つの電荷Qx、Qy、Qzを出力することができる。
また、電荷出力素子10は、上述したように、電荷Qzを出力することができるが、力検出装置1では、各外力を求める際、電荷Qzを用いないことが好ましい。すなわち、力検出装置1は、圧縮や引張力を検出せずに、せん断力を検出する装置として用いることが好ましい。これにより、力検出装置1の温度変化に起因するノイズ成分を低減することができる。
ここで、外力検出時に電荷Qzを用いないことが好ましい理由として、力検出装置1を、エンドエフェクターが装着されたアームを有する産業用ロボットに用いた場合を例に挙げて説明する。この場合、アームやエンドエフェクターに設けられたモーター等の発熱源からの熱伝達により、第1基部2または第2基部3が加熱されて熱膨張し、変形する。この変形により、電荷出力素子10に対する与圧が所定の値から変化してしまう。この電荷出力素子10に対する与圧変化が、力検出装置1の温度変化に起因するノイズ成分として、電荷Qzに著しい影響を及ぼす程度に含まれてしまうからである。
このようなことから、電荷出力素子10は、圧縮や引張力が加えられることで生じる電荷Qzを用いずに、せん断力が加えられることで生じる電荷Qx、Qyのみを検出することで、温度の変動による影響をより受けにくくすることができる。
なお、出力された電荷Qzは、例えば、与圧ボルト71による与圧の調整に用いられる。
また、本実施形態では、前述した各圧電体層(第1の圧電体層121、第2の圧電体層123、第3の圧電体層131、第4の圧電体層133、第5の圧電体層141、および第6の圧電体層143)は、全て水晶を用いた構成としているが、各圧電体層は、水晶以外の圧電材料を用いた構成であってもよい。水晶以外の圧電材料としては、例えば、トパーズ、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等が挙げられる。しかしながら、各圧電体層は、水晶を用いた構成であることが好ましい。水晶により構成された圧電体層は、広いダイナミックレンジ、高い剛性、高い固有振動数、高い対荷重性等の優れた特性を有するためである。
このような電荷出力素子10がパッケージ60内に収容されている。
[パッケージ]
図3に示すように、パッケージ60は、パッケージ本体61と、パッケージ本体61に接合された蓋体62とを有している。
パッケージ本体61は、平板状をなす底部611と、底部611から立設する壁部612とを備えている。底部611と壁部612とにより凹部65が画成され、この凹部65内に電荷出力素子10が収容されている。
底部611は、第1基部2の凸部23の頂面231と接するように設けられ、第1基部2に加えられた外力を電荷出力素子10に伝達する。
本実施形態では、底部611の平面視形状は、電荷出力素子10の平面視形状に対応して四角形であるが、四角形以外の多角形、円形、楕円形等であってもよい。また、底部611の角部は、丸みを帯びていてもよく、また、斜めに切り欠かれていてもよい。
底部611の外周部に沿って、四角形の筒状をなす壁部612が底部611と一体的に形成されている.壁部612は、外側の外壁部613と、外壁部613の内側に位置し、外壁部613より高さの低い内壁部614とで構成されている。このような構成により、パッケージ本体61は、その縦断面において階段状をなしている。
パッケージ本体61には、図示しない複数の配線が形成(引き回)されている。各配線の一端部は、内壁部614の上面において凹部65内に露出し、当該部分において接続部64を介して電荷出力素子10に電気的に接続されている。一方、各配線の他端部は、底部611の下面においてパッケージ本体61の外部に露出し、当該部分において接続部(図示せず)を介してアナログ回路基板4に電気的に接続されている。
なお、配線は、導電性を有していればよく、例えば、クロム、タングステンなどのメタライズ層(下地層)に、ニッケル、金、銀、銅などの各被膜を積層することにより構成することができる。また、接続部は、例えば、Agペースト、Cuペースト、Auペースト等の導電性ペーストで形成することができるが、入手が容易であり、取扱性にも優れているため、Agペーストで形成することが好ましい。
パッケージ本体61(外壁部613)には、例えば、金、チタニウム、アルミニウム、銅、鉄またはこれらを含む合金等で構成されるシーリング63を介して、蓋体62が接合されている。これにより、電荷出力素子10は、パッケージ60によって気密的に封止され、外気から遮断されることにより、出力された電荷が水分等によって不本意に漏洩されることが防止されている。
この蓋体62は、第2基部3に当接して設けられており、第2基部3に加えられた外力を電荷出力素子10に伝達する。
蓋体62は、平板状の部材を、その中央部分625が外周部分626より第2基部3に向かって突出するように屈曲(または湾曲)変形させたような形状(全体として皿状)をなしている。
このような構成により、蓋体62の中央部分625は、第2基部3の内壁面331に当接している。なお、中央部分625の平面視形状は、特に限定されないが、本実施形態では、電荷出力素子10の平面視形状に対応する形状、すなわち、四角形をなしている。
パッケージ60(パッケージ本体61および蓋体62)は、絶縁性材料で構成されているのが好ましく、この絶縁性材料としては、例えば、アルミナ、ジルコニア等の酸化物系のセラミックス、炭化ケイ素等の炭化物系のセラミックス、窒化ケイ素等の窒化物系のセラミックス等の各種セラミックス材料、各種硬質樹脂材料、または、これらの組み合わせ等が挙げられる。
なお、パッケージ60は、セラミックスを主成分する材料で構成することが好ましい。セラミックスは、適度な剛性を有するともに、絶縁性に優れている。そのため、パッケージ60の変形による損傷が生じにくく、内部に収容された電荷出力素子10をより確実に保護することができる。
また、前述したように、第1基部2と第2基部3とは、与圧ボルト71によって固定されている。
この与圧ボルト71による固定は、頂面231と内壁面331との間に各センサーデバイス6を配置した状態で、与圧ボルト71を第2基部3の側壁33側から第1基部2の凸部23に向かって差し込み、与圧ボルト71の雄ネジ72を第1基部2に形成された雌ネジ241に螺合する。このようにして、電荷出力素子10は、当該電荷出力素子10を収納するパッケージ60ごと第1基部2と第2基部3とによって所定の大きさの圧力、すなわち、与圧が加えられる。
なお、第1基部2と、第2基部3とは、2つの与圧ボルト71により、互いに所定量の変位(移動)が可能なように固定される。第1基部2と、第2基部3とが互いに所定量の変位が可能なように固定されることで、力検出装置1に外力(せん断力)が加わることで電荷出力素子10にせん断力が作用したとき、電荷出力素子10を構成する層同士の間での摩擦力が確実に生じ、よって、電荷を確実に検出することができる。また、各与圧ボルト71による与圧方向は、積層方向LDに平行な方向となっている。
図6に示すように、このような構成の電荷出力素子10は、その積層方向LDが、α軸に対して傾斜角度εで傾斜している。具体的には、第1のセンサー12のx軸および第3のセンサー14のz軸がα軸に対して傾斜角度εで傾斜している。したがって、本実施形態では、α軸は、センサーデバイス6Aの電荷出力素子10とセンサーデバイス6Bの電荷出力素子10とのなす角を二等分する二等分線となっている。
また、図7に示すように、各電荷出力素子10は、第1のセンサー12のx軸と第1基部2の底板22とのなす角度をηとしたとき、角度ηが0°≦η<90°を満足する程度まで傾くのが許容される。なお、図7は、図6中の矢印D方向から見た図であり、α軸(底板22の下面221)に対して角度ηで傾斜した場合の電荷出力素子10を仮想線(2点鎖線)で図示している。
次に、各アナログ回路基板4が備える変換出力回路90a、変換出力回路90b、および変換出力回路90cについて詳述する。
[変換出力回路]
図4に示すように、各変換出力回路90cが、電荷Qx1〜Qx4のいずれか(電荷Qx)を電圧Vx1〜Vx4のいずれか(代表的に「電圧Vx」という)に変換し、各変換出力回路90bが、電荷Qz1〜Qz4のいずれか(電荷Qz)を電圧Vz1〜Vz4のいずれか(代表的に「電圧Vzy」という)に変換し、各変換出力回路90aが、電荷Qy1〜Qy4のいずれか(電荷Qy)を電圧Vy1〜Vy4のいずれか(代表的に「電圧Vy」という)に変換する。
以下に、変換出力回路90a、90b、90cの構成等について詳述するが、各変換出力回路90a、90b、90cは、同じ構成であるため、以下では、変換出力回路90cについて代表的に説明する。
図4に示すように、変換出力回路90cは、電荷出力素子10から出力された電荷Qxを電圧Vxに変換して電圧Vxを出力する機能を有する。変換出力回路90cは、オペアンプ91と、コンデンサー92と、スイッチング素子93とを有する。オペアンプ91の第1の入力端子(マイナス入力)は、電荷出力素子10の出力電極層122に接続され、オペアンプ91の第2の入力端子(プラス入力)は、グランド(基準電位点)に接地されている。また、オペアンプ91の出力端子は、外力検出回路40に接続されている。コンデンサー92は、オペアンプ91の第1の入力端子と出力端子との間に接続されている。スイッチング素子93は、オペアンプ91の第1の入力端子と出力端子との間に接続され、コンデンサー92と並列接続されている。また、スイッチング素子93は、駆動回路(図示せず)に接続されており、駆動回路からのオン/オフ信号に従い、スイッチング素子93はスイッチング動作を実行する。
スイッチング素子93がオフの場合、電荷出力素子10から出力された電荷Qxは、静電容量C1を有するコンデンサー92に蓄えられ、電圧Vxとして外力検出回路40に出力される。次に、スイッチング素子93がオンになった場合、コンデンサー92の両端子間が短絡される。その結果、コンデンサー92に蓄えられた電荷Qxは、放電されて0クーロンとなり、外力検出回路40に出力される電圧Vは、0ボルトとなる。スイッチング素子93がオンとなることを、変換出力回路90cをリセットするという。なお、理想的な変換出力回路90cから出力される電圧Vxは、電荷出力素子10から出力される電荷Qxの蓄積量に比例する。
スイッチング素子93は、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、その他、半導体スイッチまたはMEMSスイッチ等である。このようなスイッチは、機械式スイッチ(メカスイッチ)と比べて小型および軽量であるので、力検出装置1の小型化および軽量化に有利である。以下、代表例として、スイッチング素子93としてMOSFETを用いた場合を説明する。なお、図4に示すように、このようなスイッチは、変換出力回路90cや、変換出力回路90a、90bに実装されているが、その他、ADコンバーター401にも実装することができる。
スイッチング素子93は、ドレイン電極、ソース電極、およびゲート電極を有している。スイッチング素子93のドレイン電極またはソース電極の一方がオペアンプ91の第1の入力端子に接続され、ドレイン電極またはソース電極の他方がオペアンプ91の出力端子に接続されている。また、スイッチング素子93のゲート電極は、駆動回路(図示せず)に接続されている。
各変換出力回路90a、90b、90cのスイッチング素子93には、同一の駆動回路が接続されていてもよいし、それぞれ異なる駆動回路が接続されていてもよい。各スイッチング素子93には、駆動回路から、全て同期したオン/オフ信号が入力される。これにより、各変換出力回路90a、90b、90cのスイッチング素子93の動作が同期する。すなわち、各変換出力回路90a、90b、90cのスイッチング素子93のオン/オフタイミングは一致する。
次に、デジタル回路基板5が備える外力検出回路40について詳述する。
[外力検出回路]
外力検出回路40は、各変換出力回路90aから出力される電圧Vy1、Vy2、Vy3、Vy4と、各変換出力回路90bから出力される電圧Vz1、Vz2、Vz3、Vz4と、各変換出力回路90cから出力される電圧Vx1、Vx2、Vx3、Vx4とに基づき、加えられた外力を検出する機能を有する。
この外力検出回路40は、変換出力回路(変換回路)90a、90b、90cに接続されたADコンバーター401と、ADコンバーター401に接続された演算部(演算回路)402とを有する。
ADコンバーター401は、電圧Vx1、Vy1、Vz1、Vx2、Vy2、Vz2、Vx3、Vy3、Vz3、Vx4、Vy4、Vz4をアナログ信号からデジタル信号へ変換する機能を有する。ADコンバーター401によってデジタル変換された電圧Vx1、Vy1、Vz1、Vx2、Vy2、Vz2、Vx3、Vy3、Vz3、Vx4、Vy4、Vz4は、演算部402に入力される。
演算部402は、デジタル変換された電圧Vx、Vy、Vzに対して、例えば、各変換出力回路90a、90b、90c間の感度の差をなくす補正等の各処理を行なう。そして、演算部402は、電荷出力素子10から出力される電荷Qx、Qy、Qzの蓄積量に比例する3つの信号を出力する。
<α軸、β軸およびγ軸方向の力検出(力検出方法)>
前述したように、各電荷出力素子10は、積層方向LDと挟持方向SDとが第1基部2(底板22)に対して平行であり、かつ、上面321の法線NLと直交するように設置された状態となっている(図1参照)。
そして、α軸方向の力F、β軸方向の力Fおよびγ軸方向の力Fは、それぞれ、下記式(1)、(2)および(3)で表すことができる。式(1)〜(3)中の「fx1−1」は、センサーデバイス6Aの第1のセンサー12(第1検出板)のx軸方向に加わる力、すなわち、電荷Qx1(第1の出力)から求められた力であり、「fx1−2」は、第3のセンサー14(第2検出板)のx軸方向に加わる力、すなわち、電荷Qy1(第2の出力)から求められた力である。また、「fx2−1」は、センサーデバイス6Bの第1のセンサー12(第1検出板)のx軸方向に加わる力(第3の出力)、すなわち、電荷Qx2から求められた力であり、「fx2−2」は、第3のセンサー14(第2検出板)のx軸方向に加わる力、すなわち、電荷Qy2(第4の出力)から求められた力である。
=fx1−1・cosη・cosε−fx1−2・sinη・cosε
−fx2−1・cosη・cosε+fx2−2・sinη・cosε・・・(1)
=−fx1−1・cosη・sinε+fx1−2・sinη・sinε
−fx2−1・cosη・sinε+fx2−2・sinη・sinε・・・(2)
=−fx1−1・sinη−fx1−2・cosη−fx2−1・sinη
−fx2−2・cosη・・・(3)
例えば、図1、図2に示す構成の力検出装置1の場合、εは45°、ηは0°となる。式(1)〜(3)のεに45°を代入し、ηに0°を代入すると、力F〜Fは、それぞれ、
=fx1−1/√2−fx2−1/√2
=−fx1−1/√2−fx2−1/√2
=−fx1−2−fx2−2
となる。
このように力検出装置1では、力F〜Fを検出する際、温度の変動による影響を受け易い、すなわち、ノイズが乗り易い第2のセンサー13(電荷Qz)を用いずに、その検出を行なうことができる。したがって、力検出装置1は、温度の変動による影響を受けにくく、例えば従来の力検出装置の1/20以下に低減された装置となる。これにより、力検出装置1は、温度変化の激しい環境下でも、力F〜Fを正確に安定して検出することができる。
なお、実施形態での力検出装置1全体の並進力F〜F、および回転力M〜Mは、各電荷出力素子10からの電荷に基づいて算出される。また、本実施形態では、電荷出力素子10は4つ設けられているが、電荷出力素子10は少なくとも3つ設けられていれば、回転力M〜Mを算出することが可能である。
また、このような構成の力検出装置1は、総重量が1kgよりも軽いものとなる。これにより、力検出装置1の重量を取り付けた手首にかかる負荷を低減させることができ、手首を駆動するアクチュエーターの容量を小さくできる為、手首を小型に設計することができる。さらに、この力検出装置1の重量は、ロボットアームが搬送できる最大能力の20%よりも軽い。これにより、力検出装置1の重量を取り付けたロボットアームの制御を容易にすることができる。
このような力検出装置1は、各部(特に、デジタル回路基板5)で生じた熱を放熱するための放熱部8を備えている。
本実施形態では、図1に示すように、デジタル回路基板5と第2基部3との間に、デジタル回路基板5の電源回路50に接触して設けられた放熱板(第1部分)81と、放熱板81に接続された放熱壁82とを有している。放熱壁82は、第1基部2および第2基部3の外周(外側)を囲むように設けられ、その外周が力検出装置1の外部に露出している。また、放熱部8(放熱板81および放熱壁82)は、その熱伝導率が、アナログ回路基板4およびデジタル回路基板5(これらを総称して「回路基板」とも言う。)の熱伝導率より高くなるように構成されている。
本発明者らの検討によれば、力検出装置1の熱ドリフトの発生は、与圧ボルト71に伝わる熱に大きく影響を受けることが判ってきた。すなわち、アナログ回路基板4やデジタル回路基板5、特に、デジタル回路基板5で発生した熱が作用して与圧ボルト71が熱膨張することにより、例えば、第1基部2と第2基部3との位置ズレが生じることで熱ドリフトが発生する。
本発明の構成によれば、力検出装置1の内部(特に、電源回路50)で発生した熱は、回路基板より優先して放熱板81、さらには放熱壁82に伝わり、力検出装置1の外部に放出される。このため、力検出装置1の内部で発生した熱が、与圧ボルト71に伝わって、与圧ボルト71が熱膨張することを防止または抑制することができる。これにより、与圧ボルト71の熱膨張に起因して、例えば、第1基部2と第2基部3との位置ズレによる熱ドリフトが発生するのを低減することができる。
図2に示すように、放熱板81の平面視形状は、第1基部2の底板22および第2基部3の天板32の形状に対応して、4つの角部が丸みを帯びた四角形状をなしている。そして、放熱板81の4辺の途中に、それぞれ、切欠部811が形成されている。各切欠部811の平面視形状は、長方形状であり、側壁33およびアナログ回路基板4が放熱板81に接触することなく収まる程度の大きさである。したがって、放熱板81と側壁33およびアナログ回路基板4との間に隙間が形成されるので、放熱板81に伝わる熱が、直接、側壁33およびアナログ回路基板4に伝わることを回避することができる。
このような放熱板81は、各角部およびその近傍において、例えば、融着、ろう接、溶接等により、放熱壁82に接続(固定)されている。なお、放熱板81と放熱壁82とは、一体的に形成されていてもよい。
放熱壁82は、ほぼ四角形の筒状をなしており、その内側に力検出装置1を構成する各部が設けられている。放熱壁82の内周面で規定される空間(内腔部)の横断面積は、第1基部2および第2基部3の平面積より若干大きく設定されている。したがって、放熱壁82と第1基部2および第2基部3との間には、環状の隙間が形成されている。このため、放熱壁82に伝わる熱が、直接、第1基部2および第2基部3に伝わるのを回避することができる。
一方、放熱壁82の外周面には、その上下方向に沿って、複数のリブ(突起)821が突出形成されている。各リブ821は、放熱壁82の外周面の全周にわたって形成されており、平面視において円環状をなしている。このようなリブ821を放熱壁82の外周面に設けることにより、放熱壁82による放熱効果をより高めることができる。
このような放熱部8(放熱板81および放熱壁82)の熱伝導率(常温)は、回路基板の熱伝導率(常温)より高ければよく、その具体的な値は、特に限定されないが、50〜500W・m−1・K−1程度であるのが好ましく、75〜400W・m−1・K−1程度であるのがより好ましい。これにより、放熱部8による放熱効果をより高めることができる。なお、回路基板の熱伝導率とは、半導体素子等が形成(実装)された状態での全体としての熱伝導率を言う。
かかる熱伝導率を有する材料(すなわち、放熱部8の構成材料)としては、例えば、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態では、デジタル回路基板5には、電源回路50が設けられている。電源回路50は、オンにすると発熱し、この発熱による熱で力検出装置1に温度ドリフトが生じ易くなる傾向がある、したがって、デジタル回路基板5に電源回路50が設けられた構成の力検出装置1に、本発明を適用することにより、その効果が好適に発揮される。なお、電源回路50は、アナログ回路基板4に設けるようにしてもよく、デジタル回路基板5およびアナログ回路基板4の双方(回路基板)に設けるようにしてもよい。このように、回路基板に電源回路を設けることにより、力検出装置1の小型化および構成の簡略化を図ることもできる。特に、図1に示すように、放熱板81をデジタル回路基板5に近接して(特に、接触して)設けることにより、放熱部8による放熱効果をより向上させることができる。
なお、本実施形態では、図1に示すように、放熱壁82と底板22(第1基部2)および天板32(第2基部3)とは、放熱部8より熱伝導率の低い断熱接合部901(断熱部9)を介して接合されている。これにより、放熱壁82と第1基部2および第2基部3とを断熱するとともに、放熱壁82(放熱部8)を第1基部2および第2基部3に対して固定している。かかる構成により、放熱壁82の熱が、第1基部2および第2基部3に伝わるのをより確実に回避することができる。また、第1基部2と第2基部3との位置関係が規制されるため、これらに位置ズレが生じるのを防止する効果も得られる。本実施形態では、この断熱接合部901が断熱部9を構成している。
断熱接合部901の熱伝導率(常温)は、放熱部8の熱伝導率(常温)より低ければよく、その具体的な値は、特に限定されないが、0.05〜1W・m−1・K−1程度であるのが好ましく、0.1〜0.5W・m−1・K−1程度であるのがより好ましい。これにより、放熱壁82から第1基部2および第2基部3に熱が伝わるのをより確実に低減することができる。
この断熱接合部901は、例えば、放熱壁82と底板22および天板32との間に形成された環状の隙間に、接着剤を充填することにより形成することができる。したがって、断熱接合部901の構成材料(接着剤)としては、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、放熱壁82と底板22との間に設けられる断熱接合部901および放熱壁82と天板32との間に設けられる断熱接合部901の一方を省略してもよい。また、断熱接合部901は、放熱壁82と底板22および天板32との間に代えて、放熱板81と側壁33との間に設けるようにしてもよく、これらの双方に設けるようにしてもよい。
このような断熱部9は、図8に示すように、さらに第2基部3の天板32と放熱板81との間に断熱板902を有していてもよい。これにより、放熱板81に伝わる熱が、第2基部3に伝わるのを防止または抑制することができる。
この断熱板902の平面視形状は、第1基部2の底板22および第2基部3の天板32の形状に対応して、4つの角部が丸みを帯びた四角形状をなしている。そして、断熱板902の4辺の途中に、それぞれ、切欠部9021が形成されている。各切欠部9021の平面視形状は、長方形状であり、側壁33が収まる程度の大きさである。断熱板902は、切欠部9021において、例えば、嵌合、接着剤による接着等により側壁33に固定されていている。
断熱板902の構成材料としては、例えば、ポリオレフィン、エポキシ樹脂のような各種樹脂材料、シリコーンゴムのような各種ゴム材料、木材等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、かかる断熱板902を、さらに第1基部2の底板22とデジタル回路基板5との間にも設けるようにしてもよい、
2.単腕ロボット
次に、図9に基づき、本発明に係るロボットの実施形態である単腕ロボットを説明する。
図9は、本発明に係る力検出装置を用いた単腕ロボットの1例を示す図である。図9の単腕ロボット500は、基台510と、アーム520と、アーム520の先端側に設けられたエンドエフェクター530と、アーム520とエンドエフェクター530との間に設けられた力検出装置1とを有する。なお、力検出装置1としては、前述した各実施形態と同様のものを用いる。
基台510は、アーム520を回動させるための動力を発生させるアクチュエーター(図示せず)およびアクチュエーターを制御する制御部(図示せず)等を収納する機能を有する。また、基台510は、例えば、床、壁、天井、移動可能な台車上などに固定される。
アーム520は、第1のアーム要素521、第2のアーム要素522、第3のアーム要素523、第4のアーム要素524および第5のアーム要素525を有しており、隣り合うアーム同士を回動自在に連結することにより構成されている。アーム520は、制御部の制御によって、各アーム要素の連結部を中心に複合的に回転または屈曲することにより駆動する。
エンドエフェクター530は、対象物を把持する機能を有する。エンドエフェクター530は、第1の指531および第2の指532を有している。アーム520の駆動によりエンドエフェクター530が所定の動作位置まで到達した後、第1の指531および第2の指532の離間距離を調整することにより、対象物を把持することができる。
なお、エンドエフェクター530は、ここでは、ハンドであるが、本発明では、これに限定されるものではない。エンドエフェクターの他の例としては、例えば、部品検査用器具、部品搬送用器具、部品加工用器具、部品組立用器具、測定器等が挙げられる。これは、他の実施形態におけるエンドエフェクターについても同様である。
力検出装置1は、エンドエフェクター530に加えられる外力を検出する機能を有する。力検出装置1が検出する力を基台510の制御部にフィードバックすることにより、単腕ロボット500は、より精密な作業を実行することができる。また、力検出装置1が検出する力によって、単腕ロボット500は、エンドエフェクター530の障害物への接触等を検知することができる。そのため、従来の位置制御では困難だった障害物回避動作、対象物損傷回避動作等を容易に行なうことができ、単腕ロボット500は、より安全に作業を実行することができる。
なお、図示の構成では、アーム520は、合計5本のアーム要素によって構成されているが、本発明はこれに限られない。アーム520が、1本のアーム要素に構成されている場合、2〜4本のアーム要素によって構成されている場合、6本以上のアーム要素によって構成されている場合も本発明の範囲内である。
3.複腕ロボット
本発明に係るロボットの実施形態である複腕ロボットを説明する。
この複腕ロボットは、2本のアームと、各アームとエンドエフェクターとの間に力検出装置を有している。なお、力検出装置としては、前述した各実施形態と同様のものを用いる。
また、アームは合計2本であるが、本発明はこれに限られない。複腕ロボットが3本以上のアームを有している場合も、本発明の範囲内である。
4.電子部品検査装置および電子部品搬送装置
本発明の力検出装置を備えた電子部品検査装置(電子部品検出装置)および電子部品搬送装置を説明する。
電子部品搬送装置は、電子部品を把持する把持部と、把持部に加えられる力を検出する力検出装置とを備えている。なお、力検出装置としては、前述した各実施形態と同様のものを用いる。
そして、電子部品検査装置は、電子部品搬送装置を内蔵しており、電子部品搬送装置で搬送された電子部品を検査する検査部を備えている。
5.部品加工装置の実施形態
部品加工装置の実施形態を説明する。
部品加工装置は、工具を変位させる工具変位部と、工具変位部に接続された力検出装置1とを備えている。なお、力検出装置としては、前述した各実施形態と同様のものを用いる。
以上、本発明の力検出装置、およびロボットを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、力検出装置、およびロボットを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の力検出装置、およびロボットは、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明の力検出装置では、電荷出力素子は、4つ設けられていたが、電荷出力素子の数は、これに限定されない。例えば、電荷出力素子は、1つであっても、2つであっても、3つであってもよく、また、5つ以上であってもよい。
また、本発明では、与圧ボルトに替えて、例えば、素子に与圧を加える機能を有してないものを用いてもよく、また、ボルト以外の固定方法を採用してもよい。
また、本発明のロボットは、アームを有していれば、アーム型ロボット(ロボットアーム)に限定されず、他の形式のロボット、例えば、スカラーロボット、脚式歩行(走行)ロボット等であってもよい。
また、本発明の力検出装置は、ロボット、電子部品搬送装置、電子部品検査装置、部品加工装置および移動体に限らず、他の装置、例えば、他の搬送装置、他の検査装置、振動計、加速度計、重力計、動力計、地震計、傾斜計等の測定装置、入力装置等にも適用することができる。
1…力検出装置
2…第1基部
22…底板
23…凸部
221…下面
231…頂面
24…壁部
241…雌ネジ
271…中心軸
272…中心
3…第2基部
32…天板
321…上面
33…側壁
331…内壁面
4…アナログ回路基板
40…外力検出回路
401…ADコンバーター
402…演算部
41…孔
5…デジタル回路基板
6、6A、6B、6C、6D…センサーデバイス(圧力検出部)
60…パッケージ(収容部)
61…パッケージ本体
611…底部
612…壁部
613…外壁部
614…内壁部
62…蓋体
625…中央部分
626…外周部分
63…シーリング
64…接続部
65…凹部
66…端子
71…与圧ボルト
72…雄ネジ
73…ネジ頭
8…放熱部
81…放熱板
811…切欠部
82…放熱壁
821…リブ
9…断熱部
901…断熱接合部
902…断熱板
9021…切欠部
90a、90b、90c…変換出力回路
91…オペアンプ
92…コンデンサー
93…スイッチング素子
10…電荷出力素子(圧電素子)
11…グランド電極層
12…第1のセンサー
121…第1の圧電体層(検出板)
122…出力電極層
123…第2の圧電体層(検出板)
13…第2のセンサー
131…第3の圧電体層(検出板)
132…出力電極層
133…第4の圧電体層(検出板)
14…第3のセンサー
141…第5の圧電体層(検出板)
142…出力電極層
143…第6の圧電体層(検出板)
500…単腕ロボット
510…基台
520…アーム
521…第1のアーム要素
522…第2のアーム要素
523…第3のアーム要素
524…第4のアーム要素
525…第5のアーム要素
530…エンドエフェクター
531…第1の指
532…第2の指
600…複腕ロボット
610…基台
620…第1のアーム
621…第1のアーム要素
622…第2のアーム要素
630…第2のアーム
631…第1のアーム要素
632…第2のアーム要素
640a…第1のエンドエフェクター
641a…第1の指
642a…第2の指
640b…第2のエンドエフェクター
641b…第1の指
642b…第2の指
700…電子部品検査装置
710…基台
711…電子部品
712u…上流側ステージ
712d…下流側ステージ
713…撮像装置
714…検査台
720…支持台
731…Yステージ
732…腕部
733…Xステージ
734…撮像カメラ
740…電子部品搬送装置
741…把持部
742…回転軸
743…微調整プレート
744x、744y、744θ…圧電モーター
750…制御装置
800…部品加工装置
810…基台
820…支柱
830…送り機構
831…送り用モーター
832…ガイド
840…工具変位部
841…変位用モーター
842…保持部
843…工具取付け部
850…工具
860…被加工部品
LD…積層方向
SD…挟持方向
NL、NL…法線
Qx、Qy、Qz、Qx1、Qy1、Qz1、Qx2、Qy2、Qz2、Qx3、Qy3、Qz3、Qx4、Qy4、Qz4…電荷
Vx、Vy、Vz、Vx1、Vy1、Vz1、Vx2、Vy2、Vz2、Vx3、Vy3、Vz3、Vx4、Vy4、Vz4…電圧
θ…傾斜角度
ε…傾斜角度
η…角度

Claims (8)

  1. 第1基部と、
    第2基部と、
    前記第1基部と前記第2基部との間に設けられた圧電素子と、
    前記第1基部と前記第2基部との間に設けられ、前記圧電素子から出力される信号が入力される回路基板と、
    前記第1基部と前記第2基部との間に設けられた第1部分を有し、前記回路基板よりも熱伝導率の高い放熱部と、を備えることを特徴とする力検出装置。
  2. 前記放熱部は、前記第1部分に接触し、かつ、前記第1基部および前記第2基部の外側に設けられた第2部分を有する請求項1に記載の力検出装置。
  3. 前記放熱部は、複数の突起を有する請求項1または2に記載の力検出装置。
  4. 前記放熱部と、前記第1基部および前記第2基部のうちの少なくとも一方との間に設けられ、前記放熱部よりも熱伝導率の低い断熱部を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の力検出装置。
  5. 前記放熱部は、前記断熱部を介して前記第1基部および前記第2基部のうちの少なくとも一方に接合されている請求項4に記載の力検出装置。
  6. 前記回路基板は、電源回路を有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の力検出装置。
  7. 前記圧電素子は、水晶を含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載の力検出装置。
  8. アームと、
    前記アームに設けられたエンドエフェクターと、
    前記アームと前記エンドエフェクターの間に設けられた力検出装置とを備え、
    前記力検出装置は、第1基部と、前記第1基部に対向配置された第2基部と、前記第1基部と前記第2基部との間に設けられた圧電素子と、前記第1基部と前記第2基部との間に設けられ、前記圧電素子から出力される信号が入力される回路基板と、前記第1基部と前記第2基部との間に設けられた第1部分を有し、前記回路基板よりも熱伝導率の高い放熱部と、を備えることを特徴とするロボット。
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