JP2015183761A - セラミック―金属接合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱膨張した場合におけるシール部材やセラミック部材への亀裂の発生を抑制することができるセラミック−金属接合体を提供する。
【解決手段】セラミック−金属接合体(5)は、セラミック部材(10)と、セラミック部材(10)に接合した金属部材(20)と、セラミック部材(10)と金属部材(20)との接合部分をシールするシール部材(50,51)と、を備え、シール部材(50,51)は、金属部材(20)の接合部分に設けられた凹部(32a,32b)に充填された、グラファイト製またはセラミック製の複数の粉体からなる圧粉体によって構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明はセラミック―金属接合体に関する。
従来、セラミック部材に金属部材が接合したセラミック−金属接合体が知られている。このようなセラミック−金属接合体として、例えば特許文献1には、内燃機関の排気等のガスが通過する部位に設置されて、このガスと冷媒との間で熱交換を行う熱交換装置が開示されている。具体的には特許文献1に係る熱交換装置は、セラミック製の熱交換体(特許文献1ではハニカム構造体と称されている)の外周面に、金属製のケーシングが接合された構造を有し、熱交換体の内部を内燃機関の排気等のガスが通過し、熱交換体の外周面に冷媒通路が設けられた構造を有している。特許文献1に係る熱交換装置において、熱交換体が前述したセラミック部材に相当し、ケーシングが前述した金属部材に相当する。
国際公開第2011/071161号公報
特許文献1に例示されているようなセラミック−金属接合体を実際に製造する場合、シール部材によって、セラミック部材と金属部材との接合部分をシールすることが考えられる。そして、このシール部材として、例えば金属部材と金属部材とを接合する際に広く使用されている金属ロウ材を用いることが考えられる。しかしながら、この場合、セラミックと金属とは熱膨張率が大きく異なるため、セラミック−金属接合体が熱膨張した場合において、セラミックと金属との熱膨張率の相違に起因して、シール部材としての金属ロウ材に応力集中が発生することが考えられる。このような応力集中が発生した場合、金属ロウ材やセラミック部材に亀裂が発生する可能性がある。
本発明は、熱膨張した場合におけるシール部材やセラミック部材への亀裂の発生を抑制することができるセラミック−金属接合体を提供することを目的とする。
本発明に係るセラミック−金属接合体は、セラミック部材と、前記セラミック部材に接合した金属部材と、前記セラミック部材と前記金属部材との接合部分をシールするシール部材と、を備え、前記シール部材は、前記金属部材の前記接合部分に設けられた凹部に充填された、グラファイト製またはセラミック製の複数の粉体からなる圧粉体によって構成されている。
本発明に係るセラミック−金属接合体によれば、上記のように、セラミック部材と金属部材との接合部分をシールするシール部材として、グラファイト製またはセラミック製の圧粉体を用いている。ここで、グラファイト製またはセラミック製の圧粉体を構成する複数のグラファイト製の粉体または複数のセラミック製の粉体は、金属ロウ材に比較して、熱膨張率が低く、また高い流動性を有しているため、セラミック−金属接合体が熱膨張した場合であっても、圧粉体に加わる外部応力を圧粉体の内部において分散させることができる。その結果、本発明に係る圧粉体は応力集中が生じ難い。したがって、本発明に係るセラミック−金属接合体によれば、熱膨張した場合におけるシール部材やセラミック部材への亀裂の発生を抑制することができる。
上記構成において、前記金属部材は、前記セラミック部材に押し付けられることによって前記セラミック部材に接合していてもよい。この構成によれば、金属部材がセラミック部材に押し付けられたときに、圧粉体に強い圧力を加えることができる。それにより、セラミック部材と金属部材との接合部分のシール性を向上させることができる。
上記構成において、前記金属部材の前記凹部の内壁面には、前記セラミック部材の前記金属部材が接合される面に対して傾斜した傾斜面が設けられていてもよい。この構成によれば、金属部材がセラミック部材に押し付けられたときに圧粉体をセラミック部材に強く押し付けることができる。それにより、セラミック部材と金属部材との接合部分のシール性を向上させることができる。
上記構成は、前記シール部材の少なくとも一つの外面を覆うように前記凹部の内部に配置された板部材をさらに備えていてもよい。この構成によれば、板部材によってシール部材を構成する圧粉体の形状が崩れることを抑制できる。それにより、金属部材をセラミック部材に押し付けたときに、圧粉体に圧力をより均一に与えることができる。その結果、セラミック部材と金属部材との接合部分のシール性を向上させることができる。
上記構成において、前記板部材は、前記セラミック部材の前記金属部材が接合される面に対して傾斜した傾斜面を有していてもよい。この構成によれば、金属部材をセラミック部材に押し付けたときに圧粉体に加わる圧力を大きくすることができる。それにより、セラミック部材と金属部材との接合部分のシール性を向上させることができる。
上記構成において、前記セラミック部材の内部には、内燃機関の排気が通過し、前記金属部材は、前記セラミック部材の前記排気の流動方向で上流側にある上流側端部および下流側にある下流側端部に接合し、前記金属部材と前記セラミック部材とによって囲まれた空間に、前記セラミック部材を冷却する冷媒が流動する冷媒通路が設けられ、前記シール部材は、前記セラミック部材の前記上流側端部と前記金属部材との接合部分をシールする上流側シール部材と、前記セラミック部材の前記下流側端部と前記金属部材との接合部分をシールする下流側シール部材とを含み、前記上流側シール部材および前記下流側シール部材は、それぞれ前記圧粉体によって構成されていてもよい。この構成によれば、冷媒によって冷却されたセラミック部材によって内燃機関の排気の熱を奪うことができる。それにより、セラミック−金属接合体を内燃機関の排気を冷却する装置として機能させることができる。そしてこの構成によれば、内燃機関の排気を冷却する装置として機能するセラミック−金属接合体が熱膨張した場合であっても、シール部材やセラミック部材に亀裂が発生することを抑制できる。
上記構成において、前記下流側シール部材を構成する前記圧粉体は、前記上流側シール部材を構成する前記圧粉体に比較して、高温時における耐酸化性、耐酸性および耐アルカリ性の少なくとも一つが低くてもよい。セラミック部材によって内燃機関の排気の熱が奪われることによって、セラミック部材の内部を通過する排気の温度はセラミック部材の上流側端部よりも下流側端部の方が低くなる。そのため、下流側シール部材を構成する圧粉体が上流側シール部材を構成する圧粉体に比較して、高温時における耐酸化性、耐酸性および耐アルカリ性の少なくとも一つが低い場合であっても、下流側シール部材のシール性が劣化することを抑制できる。したがって、この構成によれば、下流側シール部材のシール性の劣化を抑制しつつ、下流側シール部材のコストを低減することができる。
上記構成において、前記金属部材は、前記セラミック部材の前記上流側端部または前記下流側端部における前記接合部分において、前記圧粉体が充填された前記凹部を複数有していてもよい。この構成によれば、セラミック部材と金属部材との接合部分のシール性を向上させることができる。
本発明は、熱膨張した場合におけるシール部材やセラミック部材への亀裂の発生を抑制することができるセラミック−金属接合体を提供することができる。
図1(a)は実施例1に係るセラミック−金属接合体の模式的断面図である。図1(b)はセラミック部材の模式的断面図である。 図2(a)は図1(a)に示すセラミック−金属接合体の上流側端部近傍を拡大した模式的断面図である。図2(b)は図1(a)に示すセラミック−金属接合体の下流側端部近傍を拡大した模式的断面図である。 図3(a)は実施例1の変形例1に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。図3(b)は実施例1の変形例2に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。 図4(a)は実施例1の変形例3に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。図4(b)および図4(c)は実施例1の変形例3に係るセラミック−金属接合体の他の例を示す模式的断面図である。図4(d)は実施例1の変形例4に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。図4(e)は実施例1の変形例5に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。 図5(a)は実施例1の変形例6に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。図5(b)および図5(c)は実施例1の変形例7に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。 図6は実施例2に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。 図7(a)は図6に示すセラミック−金属接合体の上流側端部近傍を拡大した模式的断面図である。図7(b)は図6に示すセラミック−金属接合体の下流側端部近傍を拡大した模式的断面図である。 図8(a)は実施例2の変形例1に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。図8(b)は実施例2の変形例2に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。 図9(a)は実施例2の変形例3に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。図9(b)は実施例2の変形例4に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。図9(c)は実施例2の変形例5に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。 図10(a)は実施例2の変形例6に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。図10(b)は実施例2の変形例7に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。 図11は実施例2の変形例8に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。 図12(a)は実施例2の変形例9に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。図12(b)は実施例2の変形例10に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。 図13(a)は実施例2の変形例11に係るセラミック−金属接合体を説明するための模式的断面図である。図13(b)は図13(a)のE部分を拡大して示す模式的断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本発明の実施例1に係るセラミック−金属接合体5(以下、接合体5と略称する)について説明する。図1(a)は接合体5の模式的断面図である。本実施例に係る接合体5は、一例として、内燃機関200に適用されている。具体的には接合体5は、内燃機関200の排気が通過する部位に配置されて、排気を冷却する冷却装置である。より具体的には接合体5は、内燃機関200の排気通路の排気の一部を吸気通路の通路途中に導くEGR(Exhaust Gas Recirculation)通路に配置されて、EGR通路を通過する排気(これは一般にEGRガスと称されている)を冷却するEGRクーラである。
接合体5は、セラミック製の部材であるセラミック部材10と、セラミック部材10の外側に配置された金属製の部材である金属部材20とを備えている。また接合体5は、冷媒が通過する冷媒通路40と、上流側シール部材50と、下流側シール部材51とを備えている。
セラミック部材10の内部には排気が通過する。具体的には排気は、セラミック部材10の内部を、セラミック部材10の軸線11の方向(軸線方向と称する)に沿って、一方向(図中では左から右に向う方向)に流動する。なお、セラミック部材10の軸線方向にある両端部のうち、排気の流動方向で上流側の端部(上流側の端面から所定距離下流側に至る領域)をセラミック部材10の上流側端部と称し、排気の流動方向で下流側の端部(下流側の端面から所定距離上流側に至る領域)をセラミック部材10の下流側端部と称する。また、これ以降の説明において、上流と称した場合、特段の断りが無い限り排気の流動方向で上流を意味し、下流と称した場合、特段の断りが無い限り排気の流動方向で下流を意味している。
図1(b)は、セラミック部材10を、セラミック部材10の軸線方向を法線方向とする面で切断した断面を模式的に図示したものである。セラミック部材10は、排気が通過する内部ガス通路12を複数有している。この内部ガス通路12は、セラミック部材10の外周に配置された外周部材13の内部が複数の隔壁部材14によって仕切られることによって形成されている。なお、本実施例に係る外周部材13は円筒形状を有しているが、外周部材13の形状はこれに限定されるものではない。また本実施例に係る隔壁部材14は格子状に配置されているが、隔壁部材14の配置態様はこれに限定されるものではない。
図1(a)を参照して、金属部材20は、アウターパイプ部21と、上流側接合部22と、下流側接合部23とを備えている。アウターパイプ部21は略円筒形状を有している。アウターパイプ部21の上流側端部は内側に屈曲して上流側接合部22の外周面30aに接合し、アウターパイプ部21の下流側端部は内側に屈曲して下流側接合部23の外周面30bに接合している。上流側接合部22はセラミック部材10の上流側端部の外周面15に接合し、下流側接合部23はセラミック部材10の下流側端部の外周面15に接合している。このようにして本実施例に係る金属部材20は、セラミック部材10の上流側端部および下流側端部に接合している。なお、金属部材20の上流側接合部22および下流側接合部23の詳細は後述する図2において説明する。また、前述した上流側シール部材50および下流側シール部材51は、セラミック部材10と金属部材20との接合部分をシールする部材である。この上流側シール部材50および下流側シール部材51の詳細も後述する図2において説明する。
本実施例においてアウターパイプ部21と上流側接合部22および下流側接合部23とは、溶接によって接合している。但し、これらの部材の接続手法は溶接に限定されるものではなく、金属ロウ材によるロウ付け接合等、種々の接合手法を用いることができる。また金属部材20の材質である金属の具体的な種類は特に限定されるものではないが、冷媒に対する耐食性が高く且つ安価であることが好ましい。このような金属の一例としてステンレス(SUS)が挙げられる。そこで、本実施例においては金属部材20の材質、具体的にはアウターパイプ部21、上流側接合部22および下流側接合部23の材質の一例としてステンレスを用いる。なお、アウターパイプ部21、上流側接合部22および下流側接合部23の材質は、本実施例のようにそれぞれ同じ種類の金属である必要はなく、互いに異なる種類の金属であってもよい。
冷媒通路40は、セラミック部材10と金属部材20とによって囲まれた空間に設けられている。なお、アウターパイプ部21のうち冷媒通路40の一部を構成している部分には、冷媒供給口24および冷媒排出口25が設けられている。本実施例において、冷媒供給口24には、ラジエータ(これは内燃機関200が搭載された車両に搭載されている)から流出された冷媒が流入する。また、冷媒排出口25から排出された冷媒は、ラジエータに戻る。
図1(b)を参照して、セラミック部材10の内部ガス通路12に流入した排気の熱は、隔壁部材14を伝導して外周部材13に伝導する。外周部材13に伝導した熱は、図1(a)に示す冷媒通路40の冷媒に奪われる。それにより、排気(本実施例ではEGRガス)の温度は低下する。このように本実施例に係るセラミック部材10は、排気の熱を冷媒通路40の冷媒に伝導させる熱伝導媒体としての機能を有している。前述したように本実施例に係る冷媒通路40は金属部材20とセラミック部材10とによって囲まれた空間に設けられているため、本実施例に係る冷媒はセラミック部材10の外周面15を直接冷却している。そのため、本実施例に係る接合体5による排気の冷却性能は、冷媒通路40とセラミック部材10との間に何らかの部材が配置されている場合(つまり、冷媒が間接的にセラミック部材10の外周面15を冷却する構成の場合)に比較して高いものとなっている。
図2(a)および図2(b)は上流側接合部22、下流側接合部23、上流側シール部材50および下流側シール部材51の詳細を説明するための模式的断面図である。具体的には図2(a)は、図1(a)に示す接合体5の上流側端部近傍(具体的にはA部分)を拡大した模式的断面図であり、図2(b)は図1(a)に示す接合体5の下流側端部近傍(具体的にはB部分)を拡大した模式的断面図である。なお、図2(a)および図2(b)において、アウターパイプ部21の図示は省略されている(このアウターパイプ部21の図示の省略は、後述する図3、図4、図5(b)および図5(c)においても同様である)。
図2(a)に示すように、上流側接合部22のセラミック部材10への接合部分(具体的には上流側接合部22のセラミック部材10との界面であり、本実施例においては上流側接合部22の内周面31a)には、凹部32aが設けられている。本実施例に係る凹部32aは、上流側接合部22の内周面31aに円筒環状に設けられた溝によって構成されている。同様に、図2(b)に示すように、下流側接合部23のセラミック部材10への接合部分、具体的には下流側接合部23の内周面31bには、凹部32bが設けられている。本実施例に係る凹部32bは、下流側接合部23の内周面31bに円筒環状に設けられた溝によって構成されている。
なお図2(a)を参照して、本実施例に係る上流側接合部22は、上流側壁部33a(凹部32aよりも上流側に存在する壁部)の内周面31aと下流側壁部34a(凹部32aよりも下流側に存在する壁部)の内周面31aとがセラミック部材10の上流側端部の外周面15に接するように、セラミック部材10に接合している。また、図2(b)を参照して、本実施例に係る下流側接合部23は、上流側壁部33b(凹部32bよりも上流側に存在する壁部)の内周面31bと下流側壁部34b(凹部32aよりも下流側に存在する壁部)の内周面31bとがセラミック部材10の下流側端部の外周面15に接するように、セラミック部材10に接合している。
図2(a)に示すように、上流側シール部材50は凹部32aに充填されている。図2(b)に示すように、下流側シール部材51は凹部32bに充填されている。上流側シール部材50および下流側シール部材51は、複数の粉体からなる圧粉体(複数の粉体が圧縮されて所定の形状になったもの)によって構成されている。また、本実施例において凹部32aおよび凹部32bに充填された圧粉体を構成する粉体は焼結していない。すなわち、本実施例に係る圧粉体は、複数の粉体が焼結せずに密集した状態で凹部32aおよび凹部32bに充填されている。したがって、これら圧粉体に外力が加わった場合、圧粉体を構成する粉体は流動することができる。また本実施例において、凹部32aおよび凹部32bに充填された圧粉体は、それぞれ凹部32aおよび凹部32bの内壁面およびセラミック部材10の外周面15から圧縮方向の圧力がかかった状態(すなわち与圧のかかった状態)で凹部32aおよび凹部32bに充填されている。
このように圧粉体によって構成された上流側シール部材50および下流側シール部材51によって、セラミック部材10と金属部材20との接合部分はシールされている。その結果、仮にセラミック部材10と金属部材20との接合部分(具体的には接合部分のうち圧粉体が設けられていない部分)に例えば微細な隙間が生じた場合であっても、これらシール部材を構成する圧粉体によって、冷媒通路40の冷媒が外部に漏洩することは抑制されている。
圧粉体を構成する複数の粉体の材質としては、グラファイトまたはセラミックを用いることができる。本実施例においては、これら粉体の材質の一例として、セラミックを用いる。すなわち、本実施例に係る圧粉体は、セラミック製の複数の粉体からなる圧粉体である。セラミックの具体的な材質の例は後述する。
上流側接合部22および下流側接合部23のセラミック部材10への具体的な接合手法は、特に限定されるものではないが、本実施例においては一例として、以下の接合手法が用いられている。まず、上流側接合部22をセラミック部材10に接合する前の状態において、凹部32aにセラミック製の複数の粉体を充填する。同様に、下流側接合部23をセラミック部材10に接合する前の状態において、凹部32bにセラミック製の複数の粉体を充填する。そして、このように凹部32aに粉体が充填された上流側接合部22を、セラミック部材10の金属部材20が接合される面(本実施例では外周面15)に押し付けることによって、上流側接合部22を外周面15に接合させる。具体的には、凹部32aに粉体が充填された上流側接合部22をセラミック部材10の外周面15にかしめることで、上流側接合部22の内周面31aを外周面15に押し付ける。その結果、上流側接合部22はセラミック部材10の外周面15に接合される。同様に、凹部32bに粉体が充填された下流側接合部23を、セラミック部材10の外周面15にかしめることで、下流側接合部23の内周面31bを外周面15に押し付ける。その結果、下流側接合部23はセラミック部材10の外周面15に接合される。
なお、上述したように凹部32aおよび凹部32bにセラミック製の複数の粉体を充填してから上流側接合部22および下流側接合部23をかしめる代わりに、例えばセラミック製の複数の粉体を予めリング状にプレスし、このプレスされたリング状の粉体を凹部32aおよび凹部32bに配置し、その後、リング状の粉体が配置された上流側接合部22および下流側接合部23をセラミック部材10にかしめる手法を用いてもよい。あるいは、リング状にプレスされた粉体をセラミック部材10の上流側端部および下流側端部の外周面15に予め配置し、これらセラミック部材10の外周面15に配置された粉体が凹部32aおよび凹部32bに配置されるように上流側接合部22および下流側接合部23をセラミック部材10の外周面15に配置し、その後、上流側接合部22および下流側接合部23をセラミック部材10にかしめる手法を用いることもできる。
なお、上述した上流側接合部22および下流側接合部23の「かしめ」による接合手法は、具体的には、かしめ機等の加工機械によって上流側接合部22の外周面30aおよび下流側接合部23の外周面30bに押圧を加えることで、上流側接合部22および下流側接合部23を若干塑性変形させて、セラミック部材10に接合する接合手法を意味している。但し、「かしめ」による接合手法の具体的内容はこれに限定されるものではない。また、上流側接合部22および下流側接合部23は、常温(室温)の状態でかしめられてもよく、あるいは、高温の状態でかしめられてもよい(すなわち、いわゆる「熱かしめ」であってもよい)。
続いて圧粉体の材質の詳細について説明する。圧粉体の材質であるセラミックの具体的な成分は特に限定されるものではなく、金属酸化物、金属窒化物および金属炭化物等の公知のセラミックを用いることができる。なお、これら公知のセラミックは、金属ロウ材に比較して、熱膨張率が低く、また高い流動性を有している。また、圧粉体のセラミックの具体的な材質は以下の観点で選択されることが好ましい。まず、本実施例に係る接合体5は、図1(a)において説明したように、冷媒通路40を備えている。そして、本実施例に係る上流側シール部材50および下流側シール部材51を構成する圧粉体は、この冷媒通路40の冷媒がセラミック部材10と金属部材20との接合部分から漏洩することを抑制している(すなわち冷媒をシールしている)。そのため、本実施例に係る圧粉体を構成する複数の粉体は、高い撥水性を有していることが好ましい。
また、圧粉体を構成する複数の粉体は、できるだけ流動性が高いことが好ましい。粉体の流動性ができるだけ高い方が、例えば、接合体5が熱膨張した場合等において圧粉体に外部応力が加わったときに、この外部応力を容易に圧粉体の内部において分散させることができるからである。この高い流動性を有するセラミックの一例として、薄片形状(厚みの薄い小片形状)のセラミックが挙げられる。したがって、圧粉体を構成するセラミックは薄片形状のものが好ましい。また、接合体5は、高い耐酸化性(酸化し難さを示す指標)を有することが好ましく、高い耐酸性(酸性物質に対する侵され難さを示す指標)を有することが好ましく、高い耐アルカリ性(アルカリ性物質に対する侵され難さを示す指標)を有することが好ましく、さらに高い耐熱性を有することが好ましい。
セラミックの中でも、撥水性、流動性、耐酸化性、耐酸性、耐アルカリ性および耐熱性の特に高いセラミックの具体例として、例えば滑石(MgSi10(OH))、窒化ボロン(BN)、ステアタイト(MgO・SiO)、ろう石(パイロフィライト(AlSi10(OH))等が挙げられる。本実施例においては、上流側シール部材50および下流側シール部材51を構成する圧粉体の材質の一例として、滑石を用いることとする。
なお、仮に圧粉体の材質としてグラファイトを用いた場合、グラファイトは、還元雰囲気下においては、上述した好ましいセラミック群と同様に、高い撥水性、流動性、耐酸化性、耐酸性、耐アルカリ性および耐熱性を有している。一方、グラファイトは、酸化雰囲気下においては、高温時(例えば550℃より高い温度の時)において上述したセラミック群よりも酸化し易い。すなわち、酸化雰囲気下においては、グラファイトは上述したセラミック群よりも耐酸化性が低い。ここで、本実施例に係る接合体5は、酸化雰囲気下で使用されているが、冷媒通路40の冷媒によって排気が冷却されているため、圧粉体の温度がこのようなグラファイトの耐酸化性が低下する程の高温になることは抑制されている。したがって、本実施例において、圧粉体の材質としてグラファイトを用いても、圧粉体が酸化してシール性が劣化するという問題は生じない。
また圧粉体を構成する粉体の粒径は、特に限定されるものではないが、例えば以下の観点に基づいて設定すればよい。まず、粉体の粒径が小さい方が、かしめ時に粉体に加わる力が小さい場合であっても、圧粉体中の空隙(隣接する粉体間に生じる空隙)の密度を小さくすることができる。その結果、大きな力で金属部材20をかしめなくても、圧粉体によってセラミック部材10と金属部材20との接合部分を十分にシールすることができる。一方、粉体の粒径が小さ過ぎた場合、粉体の流動性が悪化することが考えられる。以上の点を考慮して、圧粉体を構成する粉体の粒径として、かしめ時に粉体に加わる圧力の大きさに応じた適切な粒径を設定すればよい。
以上説明した接合体5の作用効果をまとめると次のようになる。まず、接合体5によれば、セラミック部材10と金属部材20との接合部分をシールするシール部材(上流側シール部材50および下流側シール部材51)として、セラミック製の圧粉体を用いている。ここで、セラミック製の圧粉体を構成する複数のセラミック製の粉体は、金属ロウ材に比較して、熱膨張率が低く、また高い流動性を有している。そのため、接合体5が熱膨張した場合であっても、圧粉体に加わる外部応力を圧粉体の内部において分散させることができる。具体的には接合体5によれば、接合体5が熱膨張し、その結果、圧粉体に外部応力が加わった場合であっても、圧粉体を構成する複数の粉体が流動することで、この外部応力を圧粉体の内部において分散させることができる。その結果、本実施例に係る圧粉体は応力集中が生じ難い。したがって、本実施例に係る接合体5によれば、熱膨張した場合であっても、シール部材やセラミック部材10に亀裂が発生することを抑制することができる。
なお、セラミック部材10と金属部材20との接合部分をシールするシール部材として、グラファイト製の圧粉体を用いた場合においても、上述したセラミック製の圧粉体を用いた場合と同様の作用効果を奏することができる。具体的にはグラファイト製の圧粉体を用いた場合においても、この圧粉体を構成するグラファイト製の複数の粉体は金属ロウ材に比較して、熱膨張率が低く、また高い流動性を有しているため、接合体5が熱膨張した場合であっても、圧粉体に加わる外部応力を圧粉体の内部において分散させることができる。それにより、接合体5が熱膨張した場合におけるシール部材やセラミック部材10への亀裂の発生を抑制することができる。
また本実施例に係る接合体5は、図1(a)および図1(b)において説明したように、内燃機関200の排気を冷却する装置(具体的にはEGRクーラ)として機能することができる。その結果、本実施例に係る接合体5によれば、このように内燃機関200の排気を冷却する装置として機能する接合体5が熱膨張した場合であっても、シール部材やセラミック部材10に亀裂が発生することを抑制することができる。それにより、セラミック部材10と金属部材20と接合部分から冷媒が漏洩することを効果的に抑制することができる。
また本実施例において、金属部材20はセラミック部材10の金属部材20が接合される面(外周面15)に押し付けられることによって、この外周面15に接合している。具体的には本実施例によれば、金属部材20はかしめられることで、セラミック部材10の外周面15に押し付けられて接合している。この構成によれば、金属部材20がセラミック部材10に押し付けられたときに発生する金属部材20の凹部(凹部32aおよび凹部32b)の内壁面およびセラミック部材10の外周面15からの力によって、圧粉体に強い圧力を加えることができる。それにより、セラミック部材10と金属部材20との接合部分のシール性を向上させることができる。すなわち、シール部材を構成する圧粉体によって、セラミック部材10と金属部材20との接合部分をより強固にシールすることができる。その結果、セラミック部材10と金属部材20との接合部分からの冷媒漏洩をより確実に抑制することができる。
(変形例1)
図3(a)は実施例1の変形例1に係るセラミック−金属接合体5a(以下、接合体5aと略称する)を説明するための模式的断面図である。図3(a)に示す接合体5aは、下流側接合部23に代えて下流側接合部23aを備えている点において、図2(b)に示す接合体5と異なっている。下流側接合部23aは、凹部32bの内壁面に、傾斜面35aおよび傾斜面35bをさらに備えている点において、下流側接合部23と異なっている。傾斜面35aおよび傾斜面35bはセラミック部材10の金属部材20が接合される面(本変形例では外周面15)に対して傾斜している。具体的には傾斜面35aおよび傾斜面35bは、セラミック部材10の外周面15に対向するように、この外周面15に対して傾斜している。より具体的には、傾斜面35aは下流側に向かうほど径が拡大するように傾斜しており、傾斜面35bは下流側に向かうほど径が縮小するように傾斜している。
本変形例に係る接合体5aによれば、傾斜面35aおよび傾斜面35bを備えることで、かしめ時において金属部材20がセラミック部材10に押し付けられたときに、傾斜面35aおよび傾斜面35bによって圧粉体をセラミック部材10に強く押し付けることができる。それにより、圧粉体に強い圧力を加えることができることから、セラミック部材10と金属部材20との接合部分のシール性を向上させることができる。
なお接合体5aは、さらに上流側接合部22が、下流側接合部23aと同様の傾斜面35aおよび傾斜面35bを備えていてもよい。この構成によれば、セラミック部材10と金属部材20との接合部分のシール性をさらに向上させることができる。あるいは接合体5aは、上流側接合部22のみが傾斜面35aおよび傾斜面35bを備え、下流側接合部23aはこれら傾斜面を備えていない構成であってもよい。あるいは接合体5aは、傾斜面35aおよび傾斜面35bのいずれか一方のみを備えていてもよい。但し、本変形例のように傾斜面35aおよび傾斜面35bの両方を備える場合の方が、いずれか一方のみを備える場合に比較して、セラミック部材10と金属部材20との接合部分のシール性をより向上させることができる点で好ましい。
(変形例2)
図3(b)は実施例1の変形例2に係るセラミック−金属接合体5b(以下、接合体5bと略称する)を説明するための模式的断面図である。図3(b)に示す接合体5bは、板部材(具体的には本変形例においては第1板部材60および第2板部材61)をさらに備えている点において、図2(b)に示す接合体5と異なっている。この板部材は、下流側シール部材51(圧粉体)の少なくとも一つの外面を覆うように凹部32bの内部に配置されている。
具体的には本変形例に係る第1板部材60および第2板部材61は、ワッシャのような形状、すなわち薄肉のリング形状を有している。また第1板部材60および第2板部材61は、セラミック部材10の下流側端部の外周面15に嵌っている。このように第1板部材60および第2板部材61が外周面15に嵌ることで、第1板部材60および第2板部材61が倒れることは抑制されている。また第1板部材60は、下流側シール部材51の上流側の外面(上流側を向いた外面)を覆うように凹部32bの内部に配置されている。第2板部材61は、下流側シール部材51の下流側の外面(下流側を向いた外面)を覆うように凹部32bの内部に配置されている。その結果、本変形例に係る下流側シール部材51は、第1板部材60および第2板部材61によって、その上流側および下流側の側面が挟持されている。
第1板部材60および第2板部材61の材質は特に限定されるものではないが、本変形例においてはセラミックを用いる。このセラミックとして、例えば、アルミナ(Al)、安定化ジルコニア(ZrO)、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si)、サイアロン(Si・Al)等を用いることができる。本変形例においては、第1板部材60および第2板部材61の材質の一例として、アルミナを用いる。なお、第1板部材60および第2板部材61は、本変形例のように同じ材質のものを用いる必要はなく、互いに異なる材質のものを用いてもよい。
本変形例に係る下流側シール部材51は、例えば次の手法によって製造される。まず、下流側接合部23がセラミック部材10に接合される前の状態において、セラミック部材10の下流側の外周面15に、第1板部材60および第2板部材61を嵌める。このとき、第1板部材60と第2板部材61との距離は、第1板部材60および第2板部材61が凹部32bの内側に嵌るような距離に設定しておく。そして、第1板部材60と第2板部材61との間の領域に、圧粉体を充填する。その結果、圧粉体は第1板部材60と第2板部材61とによって挟持される。その後、下流側接合部23をセラミック部材10にかしめることで、下流側接合部23をセラミック部材10に接合する。それにより、凹部32bの内部に第1板部材60および第2板部材61が配置されるとともに、第1板部材60と第2板部材61とによって挟持されていた圧粉体も凹部32bの内部に充填される。
なお、下流側シール部材51の製造手法は上記の手法に限定されるものではない。下流側シール部材51の製造手法の他の一例を挙げると次のようになる。まず、セラミック製の複数の粉体を予めリング状にプレスし、このプレスされたリング状の粉体をセラミック部材10の下流側端部の外周面15に予め配置する。その後、このリング状の粉体を第1板部材60および第2板部材61によって挟持するように、第1板部材60および第2板部材61をセラミック部材10に配置する。その後、リング状の粉体を挟持した第1板部材60および第2板部材61が下流側接合部23の凹部32bに配置されるように下流側接合部23をセラミック部材10に配置して、下流側接合部23をかしめる。このような手法によっても下流側シール部材51を製造することができる。
本変形例に係る接合体5bによれば、第1板部材60および第2板部材61によって圧粉体の形状が崩れることを抑制できる。具体的には、第1板部材60および第2板部材61によって下流側シール部材51が挟持されていることから、下流側シール部材51の形状、具体的には下流側シール部材51を構成する圧粉体の形状を第1板部材60および第2板部材61によって保つことができる。それにより、かしめ時において金属部材20をセラミック部材10に押し付けたときに、下流側シール部材51を構成する圧粉体に圧力をより均一に与えることができる。その結果、セラミック部材10と金属部材20との接合部分のシール性を向上させることができる。また、接合体5bによれば、第1板部材60および第2板部材61によって、圧粉体を構成する粉体が凹部32bの内部からこぼれ落ちることを抑制することもできる。この点においても、接合体5bによれば、セラミック部材10と金属部材20との接合部分のシール性は向上している。
なお、本変形例において、第1板部材60および第2板部材61の材質の一例としてセラミックを用いたが、第1板部材60および第2板部材61の材質はこれに限定されるものではない。しかしながら、セラミックは金属に比較して塑性変形し難い。したがって、第1板部材60および第2板部材61の材質としてセラミックを用いることにより、これらの材質として金属を用いる場合に比較して、金属部材20をセラミック部材10に押し付けた場合に第1板部材60および第2板部材61が塑性変形することを抑制できる。それにより、効果的に圧粉体の形状の崩れを抑制できる。また、セラミックは金属に比較して熱膨張係数が小さい。したがって、本変形例のように第1板部材60および第2板部材61の材質としてセラミックを用いることで、圧粉体の形状の崩れを安定して抑制できる。
なお、接合体5bは、上流側接合部22の凹部32aの内部にも、板部材(第1板部材および第2板部材)を備えていてもよい。この構成によれば、セラミック部材10と金属部材20との接合部分のシール性をさらに向上させることができる。あるいは接合体5bは、下流側接合部23の凹部32bの内部には板部材を備えずに、上流側接合部22の凹部32aの内部にのみ板部材を備えていてもよい。
また本変形例において接合体5bは、2つの板部材(第1板部材60および第2板部材61)を備えているが、これに限定されるものではない。例えば接合体5bは、一つの板部材のみ(例えば第1板部材60のみ、あるいは第2板部材61のみ)を備えていてもよい。この場合、接合体5bは、金属部材20の凹部の内部においてシール部材の一つの外面を覆うように配置された板部材を備えることになる。但し、本変形例のように接合体5bが板部材を複数備える方が、板部材を1つのみ備える場合に比較して、より効果的に圧粉体の形状の崩れを抑制できる。その結果、セラミック部材10と金属部材20との接合部分のシール性をより効果的に向上させることができる。
(変形例3)
図4(a)は実施例1の変形例3に係るセラミック−金属接合体5c(以下、接合体5cと略称する)を説明するための模式的断面図である。図4(a)に示す接合体5cは、第1板部材60および第2板部材61に代えて、第1板部材60aおよび第2板部材61aをそれぞれ備えている点において、図3(b)に示す変形例2に係る接合体5bと異なっている。第1板部材60aおよび第2板部材61aはそれぞれ、セラミック部材10の外周面15に対して傾斜した傾斜面62aおよび傾斜面62bをさらに備えている点において、第1板部材60および第2板部材61と異なっている。
図4(a)に示す傾斜面62aおよび傾斜面62bは、セラミック部材10の外周面15に対して、外周面15の側に面が向くように(すなわち、外周面15に対向するように)傾斜している。具体的には傾斜面62aは、下流側に向かうほど径が拡大するように傾斜しており、傾斜面62bは、下流側に向かうほど径が縮小するように傾斜している。
本変形例に係る接合体5cによれば、第1板部材60aが傾斜面62aを備え、第2板部材61aが傾斜面62bを備えることで、金属部材20をセラミック部材10に押し付けたときに下流側シール部材51を構成する圧粉体に加わる圧力を大きくすることができる。具体的には、かしめ時において金属部材20をセラミック部材10の外周面15に押し付けたときに、傾斜面62aおよび傾斜面62bによって圧粉体に圧力(外部応力)を集中的に与えることができる。それにより、セラミック部材10と金属部材20との接合部分のシール性を向上させることができる。
なお、第1板部材60aおよび第2板部材61aの傾斜面の角度は図4(a)に示すような角度に限定されるものではない。図4(b)は本変形例に係る接合体5cの他の一例を示す模式的断面図である。図4(b)に示す接合体5cの第1板部材60aaの傾斜面62aaおよび第2板部材61aaの傾斜面62baは、セラミック部材10の外周面15の側とは反対側に面が向くように傾斜している。具体的には傾斜面62aaは下流側に向かうほど径が縮小するように傾斜しており、傾斜面62baは下流側に向かうほど径が拡大するように傾斜している。図4(b)に示す接合体5cにおいても、金属部材20をセラミック部材10の外周面15に押し付けたときに、傾斜面62aaおよび傾斜面62baによって下流側シール部材51を構成する圧粉体に圧力を集中的に与えることができる。それにより、金属部材20をセラミック部材10の外周面15に押し付けたときに圧粉体に加わる圧力を大きくすることができる。その結果、セラミック部材10と金属部材20との接合部分のシール性を向上させることができる。
図4(c)は本変形例に係る接合体5cの他の一例を示す模式的断面図である。図4(c)に示す接合体5cの第1板部材60abは、図4(a)で説明したような傾斜面62aおよび図4(b)で説明したような傾斜面62aaを備えている。また接合体5cの第2板部材61abは、図4(a)で説明したような傾斜面62bおよび図4(b)で説明したような傾斜面62baを備えている。この図4(c)に示す接合体5cによっても、金属部材20をセラミック部材10の外周面15に押し付けたときに下流側シール部材51を構成する圧粉体に加わる圧力を大きくすることができる。その結果、セラミック部材10と金属部材20との接合部分のシール性を向上させることができる。
なお、接合体5cは、上流側接合部22の凹部32aの内部にも、上述した図4(a)〜図4(c)に示すような板部材(第1板部材および第2板部材)を備えていてもよい。あるいは接合体5cは、下流側接合部23の凹部32bの内部には板部材を備えずに、上流側接合部22の凹部32aの内部にのみ板部材を備えていてもよい。あるいは接合体5cは、一つの板部材のみ(例えば第1板部材のみ、あるいは第2板部材のみ)を備えていてもよい。
(変形例4)
図4(d)は実施例1の変形例4に係るセラミック−金属接合体5d(以下、接合体5dと略称する)を説明するための模式的断面図である。図4(d)に示す接合体5dは、下流側シール部材51に代えて、下流側シール部材51aを備えている点において、図3(b)に示す変形例2に係る接合体5bと異なっている。下流側シール部材51aは、圧粉体からなる層を複数備えている点において、図3(b)に係る下流側シール部材51と異なっている。
具体的には本変形例において、下流側シール部材51aは、第1圧粉体層52、第2圧粉体層53および第3圧粉体層54の3つの層(圧粉体からなる層)を備えている。第1圧粉体層52は第2圧粉体層53よりも上流側に配置され、第2圧粉体層53は第3圧粉体層54よりも上流側に配置されている。本変形例において第2圧粉体層53を構成する圧粉体の材質はグラファイトであり、第1圧粉体層52および第3圧粉体層54を構成する圧粉体の材質はセラミックである。すなわち、本変形例に係る下流側シール部材51aは、グラファイトからなる第2圧粉体層53の上流側側面および下流側側面をそれぞれセラミックからなる第1圧粉体層52および第3圧粉体層54が挟持している。
本変形例においては、第1圧粉体層52および第3圧粉体層54のセラミックの材質として、グラファイトよりも高温時における耐酸化性が良好なものを用いる。このようなセラミックの具体例として、前述した滑石、窒化ボロン、ステアタイト、ろう石等を用いることができる。本変形例においては、第1圧粉体層52および第3圧粉体層54のセラミックの一例として、ステアタイトを用いる。
本変形例に係る接合体5dによれば、高温時における耐酸化性がグラファイトよりも良好なセラミックからなる第1圧粉体層52および第3圧粉体層54によってグラファイトからなる第2圧粉体層53が挟持されていることから、例えば下流側シール部材51aがグラファイトからなる圧粉体のみによって構成されている場合に比較して、より高温の酸化雰囲気下で使用することができる。具体的には接合体5dによれば、第1圧粉体層52および第3圧粉体層54によってグラファイトからなる第2圧粉体層53が高温の酸素に触れることを抑制できる。それにより、第2圧粉体層53の高温時における酸化を抑制できる。その結果、下流側シール部材51aの高温時における劣化を抑制できる。それにより、接合体5dによれば、高温の酸化雰囲気下におけるセラミック部材10と金属部材20との接合部分のシール性をより向上させることができる。
なお、第1圧粉体層52、第2圧粉体層53および第3圧粉体層54の材質は上述したものに限定されるものではない。他の一例を挙げると、例えば、第2圧粉体層53の材質を窒化ボロンとし、第1圧粉体層52および第3圧粉体層54の材質をステアタイトとしてもよい。ここで、窒化ボロンはステアタイトに比較して、流動性が良好であり且つ熱膨張係数も小さい。したがって、この構成によれば、下流側シール部材51aの材質がステアタイトのみの場合に比較して、下流側シール部材51aによるセラミック部材10と金属部材20との接合部分のシール性を向上させることができる。また、窒化ボロンはステアタイトに比較して高価であるため、この構成によれば、下流側シール部材51aの材質が窒化ボロンのみの場合に比較して、セラミック部材10と金属部材20との接合部分のシール性を確保しつつ、コストを低減させることができる。
あるいは、第1圧粉体層52、第2圧粉体層53および第3圧粉体層54は、材質は同じで、粉体の粒径が異なる構成であってもよい。例えば第2圧粉体層53の粒径を第1圧粉体層52および第3圧粉体層54の粒径よりも小さく設定してもよい。この構成によれば、セラミック部材10と金属部材20との接合部分のシール性は主として第2圧粉体層53が担い、第1圧粉体層52および第3圧粉体層54は、主として第2圧粉体層53を保持する保持部材としての機能を担うことができる。この構成によれば、シール性を発揮する第2圧粉体層53の形状の崩れを第1圧粉体層52および第3圧粉体層54によって抑制できるため、第2圧粉体層53のシール性を向上させることができる。したがって、この構成によっても、セラミック部材10と金属部材20との接合部分のシール性を向上させることができる。
なお、接合体5dは、さらに上流側シール部材50が本変形例に係る下流側シール部材51aのような構成(圧粉体からなる層を複数備える構成)を有していてもよい。あるいは、接合体5dは、下流側シール部材51aに代えて図3(b)に示す下流側シール部材51を備え、上流側シール部材50のみが下流側シール部材51aのような構成を備えていてもよい。あるいは、接合体5dは、第1板部材60および第2板部材61を備えていなくてもよい。この場合、凹部32aの内部には、下流側シール部材51aのみが充填された構成となる。また、この場合、接合体5dは、さらに図3(a)で説明したような実施例1の変形例1に係る傾斜面35a,35bを備えていてもよい。
(変形例5)
図4(e)は実施例1の変形例5に係るセラミック−金属接合体5e(以下、接合体5eと略称する)を説明するための模式的断面図である。図4(e)に示す接合体5eは、第1板部材60および第2板部材61に代えて、図4(a)に示す第1板部材60aおよび第2板部材61aをそれぞれ備えている点において、図4(d)に示す変形例4に係る接合体5dと異なっている。本変形例に係る接合体5eによれば、前述した実施例1の変形例3および変形例4の両方の作用効果を奏することができる。
なお、接合体5eは、第1板部材60aおよび第2板部材61aに代えて、図4(b)で説明した第1板部材60aaおよび第2板部材61aaまたは図4(c)で説明した第1板部材60abおよび第2板部材61abをそれぞれ備えていてもよい。また、本変形例においても、前述した実施例1の変形例3および変形例4と同様に、上流側のシール構造がさらに本変形例に係る下流側のシール構造と同様の構成であってもよく、あるいは上流側のシール構造のみが本変形例に係る下流側のシール構造と同様の構成であってもよい。
(変形例6)
図5(a)は実施例1の変形例6に係るセラミック−金属接合体5f(以下、接合体5fと略称する)を説明するための模式的断面図である。図5(a)に示す接合体5fは、上流側シール部材50に代えて上流側シール部材50bを備えている点と、下流側シール部材51に代えて下流側シール部材51bを備えている点とにおいて、図1(a)に示す接合体5と異なっている。
下流側シール部材51bを構成する圧粉体の高温時における耐酸化性、耐酸性および耐アルカリ性(以下、それぞれ、高温耐酸化性、高温耐酸性および高温耐アルカリ性と称する)の少なくとも一つは、上流側シール部材50bを構成する圧粉体のそれよりも低く設定されている。具体的には本変形例においては、下流側シール部材51bの圧粉体の材質として、上流側シール部材50bの圧粉体の材質よりも高温耐酸化性が低いものを用いている。より具体的には、グラファイトはステアタイトに比較して高温耐酸化性が低いため、本変形例においては、下流側シール部材51bの圧粉体の材質としてグラファイトを用い、上流側シール部材50bの圧粉体の材質としてステアタイトを用いることで、下流側シール部材51bの圧粉体の高温耐酸化性を上流側シール部材50bのそれよりも低くしている。なお、グラファイトは、ステアタイトのように高温耐酸化性が良好なセラミックに比較して、安価である。
ここで、接合体5fは、セラミック部材10によって内燃機関200の排気の熱が奪われる結果、セラミック部材10の内部を通過する排気の温度はセラミック部材10の上流側端部よりも下流側端部の方が低くなる。具体的な数値例を挙げると、接合体5fによれば、例えばセラミック部材10の上流側端部における排気の温度が800℃程度であっても、セラミック部材10の下流側端部における排気の温度を100℃〜200℃程度にまで低下させることができる。そのため、下流側シール部材51bを構成する圧粉体の高温耐酸化性、高温耐酸性および高温耐アルカリ性の少なくとも一つを上流側シール部材50bの圧粉体のそれよりも低く設定しても、下流側シール部材51bの圧粉体が劣化して下流側シール部材51bのシール性が劣化することを抑制できる。したがって、本変形例に係る接合体5fによれば、下流側シール部材51bのシール性の劣化を抑制しつつ、下流側シール部材51bのコストを低減することができる。
なお、本変形例において、下流側シール部材51bの圧粉体の材質の一例として、高温耐酸化性が上流側シール部材50bの圧粉体よりも低いものを用いているが、下流側シール部材51bの圧粉体の材質はこれに限定されるものではない。他の例を挙げると、例えば、下流側シール部材51bの圧粉体の材質として、上流側シール部材50bの圧粉体よりも、高温耐酸性が低いものを用いてもよく、あるいは高温耐アルカリ性が低いものを用いてもよく、高温耐酸化性、高温耐酸性および高温耐アルカリ性から選択された2つの指標が低いものを用いてもよく、高温耐酸化性、高温耐酸性および高温耐アルカリ性の全てが低いものを用いてもよい。また、本変形例に係る接合体5fは、前述した実施例1の変形例1〜変形例5に係る接合体と組み合わされてもよい。具体的にはこの場合、実施例1の変形例1〜変形例5に係る接合体は、本変形例に係る接合体5fのように、下流側シール部材を構成する圧粉体の高温耐酸化性、高温耐酸性および高温耐アルカリ性の少なくとも一つが上流側シール部材を構成する圧粉体のそれよりも低く設定された構成を有することになる。この構成によれば、実施例1の変形例1〜変形例5の作用効果と本変形例の作用効果とを奏することができる。
(変形例7)
図5(b)および図5(c)は実施例1の変形例7に係るセラミック−金属接合体5g(以下、接合体5gと略称する)を説明するための模式的断面図である。具体的には図5(b)は、本変形例に係る接合体5lの上流側端部近傍を拡大図示した模式的断面図である。また図5(c)は、本変形例に係る接合体5gの下流側端部近傍を拡大図示した模式的断面図である。なお図5(b)は前述した図2(a)に対応した変形例7であり、図5(c)は前述した図2(b)に対応した変形例7である。接合体5gは、図5(b)に示すように、上流側接合部22に代えて上流側接合部22gを備えている点と、図5(c)に示すように、下流側接合部23に代えて下流側接合部23gを備えている点とにおいて、それぞれ図2(a)および図2(b)に示す接合体5と異なっている。
図5(b)に示すように、上流側接合部22gにおいて、上流側壁部33aの内径は下流側壁部34aの内径よりも小さくなっている。これを換言すると、上流側壁部33aは、下流側壁部34aよりも径方向で中央側に突出している。また上流側接合部22gにおいて、下流側壁部34aの内周面31aはセラミック部材10の外周面15に接合しているが、上流側壁部33aの内周面31aはセラミック部材10の外周面15に接合していない。上流側接合部22gの凹部32aの側にある面36aは、セラミック部材10の上流側の端面16a(具体的にはセラミック部材10の外周部材13における上流側の端面16a)に接合している。なお、上流側接合部22gも、かしめられることによってセラミック部材10に接合している点においては、前述した上流側接合部22と同じである。
図5(c)に示すように、下流側接合部23gにおいて、下流側壁部34bの内径は上流側壁部33bの内径よりも小さくなっている。また下流側接合部23gにおいて、上流側壁部33bの内周面31bはセラミック部材10の外周面15に接合しているが、下流側壁部34bの内周面31bはセラミック部材10の外周面15に接合していない。下流側壁部34bの凹部32b側にある面36bは、セラミック部材10の下流側の端面16bに接合している。なお、下流側接合部23gも、かしめられることによってセラミック部材10に接合している点においては、前述した下流側接合部23と同じである。
本変形例に係る接合体5gにおいても、上流側接合部22gおよび下流側接合部23gの形状以外は前述した実施例1に係る接合体5と同様の構成となっているため、前述した接合体5と同様の作用効果を奏することができる。なお、前述した実施例1の変形例1〜6に係る接合体が本変形例に係る上流側接合部22gまたは下流側接合部23gの特徴をさらに備えていてもよい。
図6は本発明の実施例2に係るセラミック−金属接合体5h(以下、接合体5hと略称する)を説明するための模式的断面図である。接合体5hは、金属部材20に代えて金属部材20hを備えている点と、クランプ70aおよびクランプ70bをさらに備えている点とにおいて、図1(a)に示す実施例1に係る接合体5と異なっている。金属部材20hは、上流側接合部22に代えて上流側接合部22hを備えるとともに、下流側接合部23に代えて下流側接合部23hを備えている。また金属部材20hは、円筒部26aおよび円筒部26bをさらに備えている。以上の点において金属部材20hは、図1(a)に示す実施例1に係る金属部材20と異なっている。なお、接合体5hのその他の構成は、接合体5と同様であるため、説明を省略する。
クランプ70aおよびクランプ70bは、それぞれ上流側接合部22hおよび下流側接合部23hに対して、径方向の押圧力を与える押圧部材である。本実施例に係る上流側接合部22hおよび下流側接合部23hは、それぞれクランプ70aおよびクランプ70bからの押圧力を受けてセラミック部材10に押し付けられることによって、セラミック部材10の外周面15に接合している。これらの部材の詳細について以下に説明する。
図7(a)は図6に示す接合体5hの上流側端部近傍(具体的にはC部分)を拡大した模式的断面図であり、図7(b)は図6に示す接合体5hの下流側端部近傍(具体的にはD部分)を拡大した模式的断面図である。図7(a)を参照して、上流側接合部22hは、第1部材80と、第1部材80よりも下流側に配置された第2部材81とを備えている。第1部材80は、下流側に向かうほど外径が拡大した略円錐形状を有している。第2部材81は、下流側に向かうほど外径が縮小した略円錐形状を有している。本実施例に係るクランプ70aは、第1部材80の傾斜した外周面84aおよび第2部材81の傾斜した外周面84bに沿った形状(具体的には断面V字形状)を有している。第1部材80および第2部材81は、クランプ70aによってセラミック部材10の上流側端部の外周面15に押し付けられることによって、この外周面15にかしめられている。それにより、第1部材80および第2部材81はセラミック部材10の上流側端部の外周面15に接合している。
また、第1部材80のセラミック部材10への接合部分には凹部が設けられ、第2部材81のセラミック部材10への接合部分にも凹部が設けられている。そして、第1部材80の凹部と第2部材81の凹部とが合わさって、凹部32aが構成されている。この凹部32aには、実施例1の場合と同じ圧粉体によって構成された上流側シール部材50が充填されている。
なお、本実施例に係るアウターパイプ部21の上流側端部は、第2部材81のセラミック部材10への接合部分近傍における端面に、例えば溶接によって接合している。また円筒部26aは略円筒形状を有した部材であり、第1部材80のセラミック部材10への接合部分近傍における端面に、例えば溶接によって接合している。なお、円筒部26aは、セラミック部材10の外周面15のうち上流側接合部22hよりも上流側に突出した部分を覆うために設けられている部材である。
図7(b)を参照して、下流側接合部23hは、第1部材82と、第1部材82よりも下流側に配置された第2部材83とを備えている。第1部材82は、下流側に向かうほど外径が拡大した略円錐形状を有している。第2部材83は、下流側に向かうほど外径が縮小した略円錐形状を有している。本実施例に係るクランプ70bは、第1部材82の傾斜した外周面84cおよび第2部材83の傾斜した外周面84dに沿った形状(具体的には断面V字形状)を有している。第1部材82および第2部材83は、クランプ70bによってセラミック部材10の下流側端部の外周面15に押し付けられることによって、この外周面15にかしめられている。それにより、第1部材82および第2部材83はセラミック部材10の下流側端部の外周面15に接合している。
また、第1部材82のセラミック部材10への接合部分には凹部が設けられ、第2部材83のセラミック部材10への接合部分にも凹部が設けられている。そして、第1部材82の凹部と第2部材83の凹部とが合わさって、凹部32bが構成されている。この凹部32bには、実施例1の場合と同じ圧粉体によって構成された下流側シール部材51が充填されている。
なお、本実施例に係るアウターパイプ部21の下流側端部は、第1部材82のセラミック部材10への接合部分近傍における端面に例えば溶接によって接合している。また円筒部26bは略円筒形状を有した部材であり、第2部材83のセラミック部材10への接合部分近傍における端面に例えば溶接によって接合している。なお、円筒部26bは、セラミック部材10の外周面15のうち下流側接合部23hよりも下流側に突出した部分を覆うために設けられている部材である。
ここで、図7(b)に示す下流側接合部23hを例に挙げて、上述したクランプ70bによるかしめ時における圧粉体への力の作用について説明する。まず、クランプ70bによって第1部材82および第2部材83に対して、セラミック部材10に向かう方向の力F(具体的にはセラミック部材10の径方向の力)を与える。その結果、第1部材82には第2部材83に近づく方向の力Fが作用し、第2部材83には第1部材82に近づく方向の力Fが作用する。それにより、第1部材82および第2部材83は互いに近づく方向に相対移動する。具体的には本実施例では、第2部材83が第1部材82に近づく方向に移動することで、第1部材82および第2部材83は互いに近づく方向に相対移動する。その結果、凹部32bに充填されている圧粉体に強い圧縮応力をかけることができる。それにより、凹部32bに充填されている圧粉体を空隙の少ない良好な圧粉体にすることができる。なお、上流側接合部22hも、下流側接合部23hと同様にクランプ70aによってかしめられているため、凹部32aの圧粉体は空隙の少ない良好な圧粉体となっている。
本実施例に係る接合体5hにおいても、前述した実施例1と同様の作用効果を奏することができる。具体的には本実施例に係る接合体5hにおいても、セラミック部材10と金属部材20hとの接合部分をシールするシール部材(上流側シール部材50および下流側シール部材51)として、グラファイト製またはセラミック製の圧粉体を用いていることから、接合体5hが熱膨張した場合であっても、圧粉体に加わる外部応力を圧粉体の内部において分散させることができる。それにより、シール部材やセラミック部材10に亀裂が発生することを抑制できる。
また本実施例に係る接合体5hにおいても、接合体5hは内燃機関200の排気を冷却する装置(具体的にはEGRクーラ)として機能することができる。それにより、接合体5hによれば、実施例1と同様に、内燃機関200の排気を冷却する装置として機能する接合体5hが熱膨張した場合であっても、シール部材やセラミック部材10に亀裂が発生することを抑制することができる。それにより、冷媒通路40の冷媒がセラミック部材10と金属部材20hとの接合部分から漏洩することを効果的に抑制することができる。
また本実施例に係る接合体5hによれば、金属部材20hはクランプ70aおよびクランプ70bによってセラミック部材10に押し付けられることによってセラミック部材10に接合していることから、金属部材20hがセラミック部材10に押し付けられたときに発生する金属部材20hの凹部(凹部32aおよび凹部32b)の内壁面およびセラミック部材10からの力によって、圧粉体に強い圧力を加えることができる。それにより、実施例1と同様に、セラミック部材10と金属部材20hとの接合部分のシール性を向上させることができる。
(変形例1)
図8(a)は実施例2の変形例1に係るセラミック−金属接合体5i(以下、接合体5iと略称する)を説明するための模式的断面図である。なお接合体5iは、図3(a)に示す実施例1の変形例1に係る接合体5aに対応した実施例2の変形例である。接合体5iは、下流側接合部23hに代えて下流側接合部23iを備えている点において、図7(b)に示す接合体5hと異なっている。下流側接合部23iは、凹部32bの内壁面に傾斜面35aおよび傾斜面35bをさらに備えている点において、下流側接合部23hと異なっている。傾斜面35aおよび傾斜面35bは、それぞれ前述した図3(a)に示す接合体5aの傾斜面35aおよび傾斜面35bと同様である。したがって、傾斜面35aおよび傾斜面35bの説明は省略する。
本変形例に係る接合体5iにおいても実施例1の変形例1と同様の作用効果を奏することができる。具体的には接合体5iによれば、傾斜面35aおよび傾斜面35bを備えることで、金属部材20hがセラミック部材10に押し付けられたときに圧粉体をセラミック部材10に強く押し付けることができる。それにより、圧粉体に強い圧力を加えることができることから、セラミック部材10と金属部材20hとの接合部分のシール性を向上させることができる。
なお接合体5iは、さらに上流側接合部22hが、下流側接合部23iと同様の傾斜面35aおよび傾斜面35bを備えていてもよい。あるいは接合体5iは、上流側接合部22hのみが傾斜面35aおよび傾斜面35bを備え、下流側接合部23iはこれら傾斜面を備えていない構成であってもよい。あるいは接合体5iは、傾斜面35aおよび傾斜面35bのいずれか一方のみを備えていてもよい。
(変形例2)
図8(b)は実施例2の変形例2に係るセラミック−金属接合体5j(以下、接合体5jと略称する)を説明するための模式的断面図である。なお接合体5jは、図3(b)に示す実施例1の変形例2に係る接合体5bに対応した実施例2の変形例である。図8(b)に示す接合体5jは、第1板部材60および第2板部材61をさらに備えている点において、図7(b)に示す実施例2に係る接合体5hと異なっている。第1板部材60および第2板部材61は、それぞれ前述した図3(b)に示す接合体5bの第1板部材60および第2板部材61と同様のものである。したがって、第1板部材60および第2板部材61の詳細な説明は省略する。
本変形例に係る接合体5jにおいても実施例1の変形例2と同様の作用効果を奏することができる。具体的には接合体5jによれば、第1板部材60および第2板部材61を備えることから、圧粉体の形状が崩れることを抑制できる。それにより、金属部材20hをセラミック部材10に押し付けたときに、圧粉体に圧力をより均一に与えることができる。その結果、セラミック部材10と金属部材20hとの接合部分のシール性を向上させることができる。また、接合体5jにおいても、第1板部材60および第2板部材61によって、圧粉体を構成する粉体が凹部32bの内部からこぼれ落ちることを抑制することもできる。この点においても、接合体5jによれば、セラミック部材10と金属部材20hとの接合部分のシール性は向上している。
なお、接合体5jは、上流側接合部22hの凹部32aの内部にも板部材(第1板部材60および第2板部材61)を備えていてもよい。あるいは接合体5jは、下流側接合部23hの凹部32bの内部には板部材を備えずに、上流側接合部22hの凹部32aの内部にのみ板部材を備えていてもよい。あるいは接合体5jは、一つの板部材のみ(例えば第1板部材60のみ、あるいは第2板部材61のみ)を備えていてもよい。
(変形例3)
図9(a)は実施例2の変形例3に係るセラミック−金属接合体5k(以下、接合体5kと略称する)を説明するための模式的断面図である。なお接合体5kは、図4(a)に示す実施例1の変形例3に係る接合体5cに対応した実施例2の変形例である。図9(a)に示す接合体5kは、第1板部材60および第2板部材61に代えて第1板部材60aおよび第2板部材61aをそれぞれ備えている点において、図8(b)に示す接合体5jと異なっている。第1板部材60aおよび第2板部材61aは、それぞれ前述した図4(a)に示す第1板部材60aおよび第2板部材61aと同様のものである。したがって、第1板部材60aおよび第2板部材61aのこれ以上詳細な説明は省略する。
本変形例に係る接合体5kにおいても実施例1の変形例3に係る接合体5cと同様の作用効果を奏することができる。具体的には接合体5kによれば、第1板部材60aが傾斜面62aを備え、第2板部材61aが傾斜面62bを備えることから、金属部材20hをセラミック部材10の外周面15に押し付けたときに圧粉体に加わる圧力を大きくすることができる。それにより、セラミック部材10と金属部材20hとの接合部分のシール性を向上させることができる。
なお、接合体5kは、第1板部材60aおよび第2板部材61aに代えて、図4(b)で説明した第1板部材60aaおよび第2板部材61aa、または図4(c)で説明した第1板部材60abおよび第2板部材61abをそれぞれ備えていてもよい。また、接合体5kは、上流側接合部22hの凹部32aの内部にもこれら板部材を備えていてもよい。あるいは接合体5kは、下流側接合部23hの凹部32bの内部にはこれら板部材を備えずに、上流側接合部22hの凹部32aの内部にのみこれら板部材を備えていてもよい。あるいは接合体5kは、一つの板部材のみ(例えば第1板部材のみ、あるいは第2板部材のみ)を備えていてもよい。
(変形例4)
図9(b)は実施例2の変形例4に係るセラミック−金属接合体5l(以下、接合体5lと略称する)を説明するための模式的断面図である。なお接合体5lは、図4(d)に示す実施例1の変形例4に係る接合体5dに対応した実施例2の変形例である。図9(b)に示す接合体5lは、下流側シール部材51に代えて下流側シール部材51aを備えている点において、図8(b)に示す接合体5jと異なっている。下流側シール部材51aは、前述した図4(d)に示す接合体5dの下流側シール部材51aと同様に、第1圧粉体層52、第2圧粉体層53および第3圧粉体層54を備えている。したがって、下流側シール部材51aの詳細な説明は省略する。
本変形例に係る接合体5lにおいても実施例1の変形例4に係る接合体5dと同様の作用効果を奏することができる。具体的には接合体5lによれば、高温時における耐酸化性がグラファイトよりも良好なセラミックからなる第1圧粉体層52および第3圧粉体層54によってグラファイトからなる第2圧粉体層53が挟持された構成を有することから、例えば下流側シール部材51aがグラファイトからなる圧粉体のみによって構成されている場合に比較して、高温の酸化雰囲気下におけるセラミック部材10と金属部材20hとの接合部分のシール性をより向上させることができる。
なお、接合体5lは、さらに上流側シール部材50が本変形例に係る下流側シール部材51aのような構成を有していてもよい。あるいは、接合体5lは、下流側シール部材51aに代えて図7(b)に示す下流側シール部材51を備え、上流側シール部材50のみが下流側シール部材51aのような構成を備えていてもよい。あるいは、接合体5lは、第1板部材60および第2板部材61を備えていなくてもよい。この場合、接合体5lは、さらに図8(a)で説明したような実施例2の変形例1に係る傾斜面35a,35bを備えていてもよい。
(変形例5)
図9(c)は実施例2の変形例5に係るセラミック−金属接合体5m(以下、接合体5mと略称する)を説明するための模式的断面図である。なお接合体5mは、図4(e)に示す実施例1の変形例5に係る接合体5eに対応した実施例2の変形例である。図9(c)に示す接合体5mは、第1板部材60および第2板部材61に代えて、図9(a)に示す実施例2の変形例3に係る第1板部材60aおよび第2板部材61aをそれぞれ備えている点において、図9(b)に示す実施例2の変形例4に係る接合体5lと異なっている。本変形例に係る接合体5mによれば、前述した実施例2の変形例3および変形例4の両方の作用効果を奏することができる。
なお、接合体5mは、第1板部材60aおよび第2板部材61bに代えて、図4(b)で説明した第1板部材60aaおよび第2板部材61aaまたは図4(c)で説明した第1板部材60abおよび第2板部材61abを備えていてもよい。また、本変形例においても、前述した実施例2の変形例3および変形例4と同様に、上流側シール構造がさらに本変形例に係る下流側シール構造と同様の構成であってもよく、あるいは上流側シール構造のみが本変形例に係る下流側シール構造と同様の構成であってもよい。
(変形例6)
図10(a)は実施例2の変形例6に係るセラミック−金属接合体5n(以下、接合体5nと略称する)を説明するための模式的断面図である。図10(a)に示す接合体5nは、下流側接合部23hが2つ接続した下流側接合部23nを備えている点と、クランプ70bが2つ接続したクランプ70cを備えている点とにおいて、図7(b)に示す実施例2に係る接合体5hと異なっている。具体的には下流側接合部23nは、第1の下流側接合部23hと、この第1の下流側接合部23hの下流側端部に接続した第2の下流側接合部23hとを備えている。またクランプ70cは、第1の下流側接合部23hに対して押圧力を与える第1のクランプ70bと、この第2のクランプ70bの下流側端部に接続して第2の下流側接合部23hに対して押圧力を与える第2のクランプ70bとを備えている。
以上のように本変形例に係る接合体5nは、2つの下流側接合部23hを備えている結果、圧粉体が充填された凹部32bを2つ備えている。すなわち、本変形例に係る金属部材20hは、セラミック部材10の下流側端部における接合部分において、圧粉体が充填された凹部32bを複数有している。本変形例に係る接合体5nによれば、例えば、セラミック部材10の下流側端部における接合部分において圧粉体が充填された凹部32bを一つのみ有する場合に比較して、多くの箇所において、セラミック部材10と金属部材20hとの接合部分をシールすることができる。それにより、セラミック部材10と金属部材20hとの接合部分をより効果的にシールすることができる。すなわち、接合体5nによれば、セラミック部材10と金属部材20hとの接合部分のシール性をより向上させることができる。
なお、接合体5nが有する凹部32bの数は2に限定されるものではなく、3以上であってもよい。また、接合体5nは、セラミック部材10の上流側端部のシール構造も、本変形例のようなシール構造であってもよい。すなわち、接合体5nは、さらに、セラミック部材10の上流側端部における接合部分において圧粉体が充填された凹部32aを複数有していてもよい。この構成によれば、セラミック部材10と金属部材20hとの接合部分のシール性をさらに向上させることができる。あるいは接合体5nは、セラミック部材10の上流側端部における接合部分にのみ、圧粉体が充填された凹部32aを複数有し、セラミック部材10の下流側端部における接合部分には圧粉体が充填された凹部32bを一つのみ有していてもよい。
(変形例7)
図10(b)は実施例2の変形例7に係るセラミック−金属接合体5o(以下、接合体5oと略称する)を説明するための模式的断面図である。図10(b)に示す接合体5oは、冷媒通路40に近い側(上流側)の凹部32bに下流側シール部材51cが充填され、冷媒通路40から遠い側(下流側)の凹部32bに下流側シール部材51dが充填されている点において、図10(a)に示す実施例2の変形例6に係る接合体5nと異なっている。
下流側シール部材51cおよび下流側シール部材51dは、グラファイト製またはセラミック製の圧粉体によって構成されている。下流側シール部材51cは、主として冷媒通路40の冷媒(本変形例では一例として水を主成分とする冷媒を用いている)をシールする機能を担っている。下流側シール部材51dは、主として排気をシールする機能を担っている。そのため、下流側シール部材51cは、下流側シール部材51dよりも撥水性の高い圧粉体によって構成されている。一方、下流側シール部材51dは下流側シール部材51cよりも高温耐酸化性の高い圧粉体によって構成されている。このような圧粉体の材質の一例として、本変形例に係る下流側シール部材51cを構成する圧粉体はグラファイトの粉体によって構成され、下流側シール部材51dを構成する圧粉体はステアタイトの粉体によって構成されている。
本変形例に係る接合体5oによれば、撥水性の高い下流側シール部材51cによって冷媒を効果的にシールし、高温耐酸化性の高い下流側シール部材51dによって、排気を効果的にシールすることができる。
なお、接合体5oが、セラミック部材10の上流側端部における接合部分において圧粉体が充填された凹部32aを複数(例えば2つ)有している場合、冷媒通路40に近い凹部32a(下流側の凹部32a)に撥水性の高い圧粉体が充填され、この凹部32aよりも冷媒通路40から遠い凹部32a(上流側の凹部32a)に高温耐酸化性の高い圧粉体が充填されていればよい。
(変形例8)
図11は実施例2の変形例8に係るセラミック−金属接合体5p(以下、接合体5pと略称する)を説明するための模式的断面図である。なお接合体5pは、図5(a)に示す実施例1の変形例6に係る接合体5fに対応した実施例2の変形例である。図11に示す接合体5pは、上流側シール部材50に代えて上流側シール部材50bを備えている点と、下流側シール部材51に代えて下流側シール部材51bを備えている点とにおいて、図6に示す実施例2に係る接合体5hと異なっている。上流側シール部材50bおよび下流側シール部材51bは、それぞれ前述した図5(a)に示す接合体5fの上流側シール部材50bおよび下流側シール部材51bと同様である。具体的には下流側シール部材51bを構成する圧粉体は、上流側シール部材50bを構成する圧粉体に比較して、高温耐酸化性、高温耐酸性および高温耐アルカリ性の少なくとも一つが低く設定されている。上流側シール部材50bおよび下流側シール部材51のこれ以上詳細な説明は省略する。
本変形例に係る接合体5pによっても、実施例1の変形例6と同様の作用効果を奏することができる。具体的には接合体5pによれば、下流側シール部材51bのシール性の劣化を抑制しつつ、下流側シール部材51bのコストを低減することができる。
なお、本変形例に係る接合体5pは、前述した実施例2の変形例1〜変形例7に係る接合体と組み合わされてもよい。具体的にはこの場合、実施例2の変形例1〜変形例7に係る接合体は、本変形例に係る接合体5pのように、下流側シール部材を構成する圧粉体の高温耐酸化性、高温耐酸性および高温耐アルカリ性の少なくとも一つが上流側シール部材を構成する圧粉体のそれよりも低く設定された構成を有することになる。この構成によれば、実施例2の変形例1〜変形例7の作用効果と本変形例の作用効果とを奏することができる。
(変形例9)
図12(a)は実施例2の変形例9に係るセラミック−金属接合体5q(以下、接合体5qと略称する)を説明するための模式的断面図である。接合体5qは、蓋部材90をさらに備えている点において、図7(b)に示す実施例2に係る接合体5hと異なっている。蓋部材90は、凹部32bに充填された下流側シール部材51を構成する圧粉体が下流側接合部23hの第1部材82と第2部材83との間に生じている微小な隙間85に流入するのを抑制するように、凹部32bの内部に設けられている。具体的には本変形例に係る蓋部材90は、略リング形状を有している。そして、蓋部材90は、凹部32bのセラミック部材10の外周面15に対向する面に嵌ることで、この面に存在する隙間85の凹部32b側の開口部を塞いでいる。
本変形例に係る接合体5qによれば、蓋部材90によって、凹部32bに充填された下流側シール部材51を構成する圧粉体が隙間85に流入することを抑制できる。それにより、圧粉体のシール性が低下することを抑制できる。その結果、セラミック部材10と金属部材20hとの接合部分のシール性を向上させることができる。
なお、接合体5qの蓋部材90は、さらに上流側接合部22hの凹部32aにも配置されていてもよい。この構成によれば、セラミック部材10と金属部材20hとの接合部分のシール性をさらに向上させることができる。あるいは蓋部材90は、下流側接合部23hの凹部32bには配置されずに、上流側接合部22hの凹部32aにのみ配置されていてもよい。また実施例2の変形例1〜変形例8に係る接合体が蓋部材90をさらに備えていてもよい。
(変形例10)
図12(b)は実施例2の変形例10に係るセラミック−金属接合体5r(以下、接合体5rと略称する)を説明するための模式的断面図である。接合体5rは、下流側接合部23hに代えて下流側接合部23rを備えるとともに、板部材63をさらに備えている点において、図7(b)に示す実施例2に係る接合体5hと異なっている。下流側接合部23rは、第2部材83に代えて第2部材83aを備えている点において、下流側接合部23hと異なっている。第2部材83aは第1部材82の側の面に凹部が設けられていない点において、第2部材83と異なっている。すなわち、本変形例に係る下流側接合部23rの凹部32bは、第1部材82にのみ設けられている。
本変形例に係る板部材63は、前述した図8(b)の第2板部材61と同様のものである。具体的には板部材63は、セラミック製の薄肉のリング形状を有している。また板部材63は、セラミック部材10の外周面15に嵌っている。また板部材63は、下流側シール部材51を構成する圧粉体の下流側の外面を覆うように凹部32bの内部に配置されている。さらに板部材63は、隙間85の凹部32b側の開口部を塞いでいる。
本変形例に係る接合体5rによれば、板部材63を備えることから、例えば図8(b)に示す実施例2の変形例2の場合と同様に、圧粉体の形状が崩れることを抑制できる。それにより、セラミック部材10と金属部材20hとの接合部分のシール性を向上させることができる。さらに板部材63によって、図12(a)に示す実施例2の変形例9の場合と同様に、下流側シール部材51を構成する圧粉体が隙間85に流入するのを抑制できる。それにより、セラミック部材10と金属部材20hとの接合部分のシール性をさらに向上させることができる。
なお本変形例において、接合体5rは、凹部32bを第1部材82に設けるのではなく、第2部材83aに設けてもよい。この場合、板部材63は第2部材83aに設けられた凹部32bの内部に配置されることになる。また接合体5rは、さらに、金属部材20hのセラミック部材10の上流側端部への接合部分においても下流側接合部23rと同様のシール構造を有していてもよい。あるいは接合体5rは、金属部材20hのセラミック部材10の上流側端部への接合部分のみが下流側接合部23rと同様のシール構造を有し、金属部材20hのセラミック部材10の下流側端部への接合部分は図7(b)に示す下流側接合部23hのシール構造であってもよい。また、実施例2の変形例1および変形例3〜変形例8に係る接合体が本変形例に係る接合体5rの特徴をさらに備えていてもよい。
(変形例11)
図13(a)は実施例2の変形例11に係るセラミック−金属接合体5s(以下、接合体5sと略称する)を説明するための模式的断面図である。接合体5sは、下流側接合部23rに代えて下流側接合部23sを備えている点において、図12(b)に示す実施例2の変形例10に係る接合体5rと異なっている。下流側接合部23sは、第2部材83aに代えて第2部材83bを備えている点において、図12(b)に示す下流側接合部23rと異なっている。図13(b)は、図13(a)のE部分(凹部32b近傍の部分)を拡大して示す模式的断面図である。第2部材83bは、凹部32bの内部に突出する凸部86をさらに備えている点において、前述した図12(b)に示す第2部材83aと異なっている。なお接合体5sにおいて、板部材63は、下流側シール部材51と凸部86とによって挟持されるように凹部32bの内部に配置されている。
本変形例に係る接合体5sによれば、第2部材83bが凸部86を備えることから、かしめ時において第2部材83bがクランプ70bからの押圧を受けて第1部材82の側に相対移動した場合において、板部材63によって下流側シール部材51の圧粉体に効果的に圧力を加えることができる。それにより、セラミック部材10と金属部材20hとの接合部分のシール性を向上させることができる。
なお本変形例において、接合体5sは、凹部32bを第1部材82に設けるのではなく、第2部材83bに設けてもよい。この場合、凸部86は第2部材83bではなく、第1部材82に設けられることになる。また接合体5sは、さらに金属部材20hのセラミック部材10の上流側端部への接合部分においても、下流側接合部23sと同様のシール構造を有していてもよい。あるいは接合体5sは、金属部材20hのセラミック部材10の上流側端部への接合部分のみが本変形例に係る下流側接合部23sと同様のシール構造を有し、金属部材20hのセラミック部材10の下流側端部への接合部分は図7(b)に示す下流側接合部23hのシール構造であってもよい。また、実施例2の変形例1および変形例3〜変形例8に係る接合体が本変形例に係る接合体5sの特徴をさらに備えていてもよい。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
5 セラミック−金属接合体
10 セラミック部材
20 金属部材
22 上流側接合部
23 下流側接合部
32a,32b 凹部
50 上流側シール部材
51 下流側シール部材

Claims (8)

  1. セラミック部材と、
    前記セラミック部材に接合した金属部材と、
    前記セラミック部材と前記金属部材との接合部分をシールするシール部材と、を備え、
    前記シール部材は、前記金属部材の前記接合部分に設けられた凹部に充填された、グラファイト製またはセラミック製の複数の粉体からなる圧粉体によって構成されているセラミック―金属接合体。
  2. 前記金属部材は、前記セラミック部材に押し付けられることによって前記セラミック部材に接合している請求項1記載のセラミック―金属接合体。
  3. 前記金属部材の前記凹部の内壁面には、前記セラミック部材の前記金属部材が接合される面に対して傾斜した傾斜面が設けられている請求項2に記載のセラミック―金属接合体。
  4. 前記シール部材の少なくとも一つの外面を覆うように前記凹部の内部に配置された板部材をさらに備える請求項2または3に記載のセラミック―金属接合体。
  5. 前記板部材は、前記セラミック部材の前記金属部材が接合される面に対して傾斜した傾斜面を有している請求項4記載のセラミック―金属接合体。
  6. 前記セラミック部材の内部には、内燃機関の排気が通過し、
    前記金属部材は、前記セラミック部材の前記排気の流動方向で上流側にある上流側端部および下流側にある下流側端部に接合し、
    前記金属部材と前記セラミック部材とによって囲まれた空間に、前記セラミック部材を冷却する冷媒が流動する冷媒通路が設けられ、
    前記シール部材は、前記セラミック部材の前記上流側端部と前記金属部材との接合部分をシールする上流側シール部材と、前記セラミック部材の前記下流側端部と前記金属部材との接合部分をシールする下流側シール部材とを含み、
    前記上流側シール部材および前記下流側シール部材は、それぞれ前記圧粉体によって構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のセラミック―金属接合体。
  7. 前記下流側シール部材を構成する前記圧粉体は、前記上流側シール部材を構成する前記圧粉体に比較して、高温時における耐酸化性、耐酸性および耐アルカリ性の少なくとも一つが低い請求項6記載のセラミック―金属接合体。
  8. 前記金属部材は、前記セラミック部材の前記上流側端部または前記下流側端部における前記接合部分において、前記圧粉体が充填された前記凹部を複数有している請求項6記載のセラミック―金属接合体。
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