JP2022054670A - 配管構造 - Google Patents

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Noriyuki Suzuki
寛 金子
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Abstract

Figure 2022054670000001
【課題】構造を簡易にし、製造コストの削減と製造工程に要する時間の低減を図りつつ、シールリングの合口から外部への流体の漏れを抑制する配管構造を提供する。
【解決手段】シールリング5の末端面5cとリング溝4のその末端面5cに対向する対向面4aとの間に流体の圧力Pが作用してシールリング5が押し付けられたときに弾性変形する緩衝部材7を備え、流体の圧力Pが作用して緩衝部材7に押し付けられたシールリング5が流体の圧力Pと緩衝部材7の反発力により変形し、その両端部が互いに管軸方向に当接して合口6が閉塞する構造を成す。
【選択図】図4

Description

本開示は、配管構造に関する。
エンジン(内燃機関)の排気マニホールドとして、内筒部の先端部の外周面に形成された複数のリング溝の各々に矩形リングを嵌め込んで、この矩形リングにより外筒部から内筒部に向かって流れる排気から外筒部の末端部と内筒部の先端部との間の隙間を密閉する排気マニホールドが提案されている(例えば、特許文献1参照)。矩形リングは、その熱膨張分を吸収するために、環周方向の両端部が互いに当接せずに隙間を有した状態となっている。
実開昭62―57723号公報
上記特許文献1の断面が矩形のシールリングでは、合口部分を重ね合わせることで隙間を塞いでいる。しかし、上記特許文献1のシールリングは構造が複雑であり、製造に要するコストが掛かる上、合口部分を重ね合わせる必要があり、製造工程に時間を要するという問題がある。
本開示の目的は、構造を簡易にし、製造コストの削減と製造工程に要する時間の低減を図りつつ、シールリングの合口から外部への流体の漏れを抑制する配管構造を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の態様の配管構造は、一方の配管の末端部に他方の配管の先端部が挿入されて、前記他方の配管の先端部の外周面に形成された環状のリング溝と、このリング溝に嵌め込まれるC環状のシールリングとを備え、そのシールリングが環周方向の両端部が互いに当接しない状態で前記他方の配管の管軸方向に重なり合った合口を有し、前記一方の配管の末端部と前記他方の配管の先端部との間の隙間を埋めて、前記一方の配管から前記他方の配管に向かう方向に掛かる流体の圧力をシールする配管構造において、前記シールリングの末端面と前記リング溝のその末端面に対向する対向面との間に前記流体の圧力が作用して前記シールリングが押し付けられたときに弾性変形する緩衝部材を備え、前記流体の圧力が作用して前記緩衝部材に押し付けられた前記シールリングが前記流体の圧力と前記緩衝部材の反発力により変形し、前記両端部が互いに前記管軸方向に当接して前記合口が閉塞する構造を成すことを特徴とする。
あるいは、上記の目的を達成するための本発明の態様の配管構造は、一方の配管の末端部に他方の配管の先端部が挿入されて、前記他方の配管の先端部の外周面に形成された環状のリング溝と、このリング溝に嵌め込まれるC環状のシールリングとを備え、そのシールリングが環周方向の両端部が互いに当接しない状態で前記他方の配管の管軸方向に重なり合った合口を有し、前記一方の配管の末端部と前記他方の配管の先端部との間の隙間を埋めて、前記一方の配管から前記他方の配管に向かう方向に掛かる流体の圧力をシールする配管構造において、前記シールリングの末端面、または、前記リング溝のその末端面に対向する対向面とのどちらか一方の面に変形許容部が形成されてなり、前記流体の圧力が作用して前記対向面に押し付けられた前記シールリングが前記流体の圧力により前記変形許容部で許容された分だけ変形し、前記両端部が互いに前記管軸方向に当接して前記合口が閉塞する構造を成すことを特徴とする。
本開示によれば、構造を簡易にし、製造コストの削減と製造工程に要する時間の低減を図りつつ、シールリングの合口から外部への流体の漏れを抑制することができる。
本発明の第一実施形態の配管構造における、一方の配管を縦断面視で、他方の配管を側面視で例示する図である。 本発明の第一実施形態の配管構造における、シールリングの斜視図である。 図2のシールリングの合口近傍を側面視で例示する図である。 図3のシールリングの合口の隙間が排気の圧力により塞がる状態を例示する図である。 本発明の第二実施形態の配管構造における、シールリングの斜視図である。 図5のシールリングの合口近傍を側面視で例示する図である。 図6のシールリングの合口の隙間が排気の圧力により塞がる状態を例示する図である。
以下、本開示の実施形態の配管構造1について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、X軸方向が後述する他方の配管3の管軸方向、Z軸方向が他方の配管3の高さ方向、Y軸方向がX軸方向およびZ軸方向に垂直な方向として示している。本実施形態では、X軸方向視が正面視、Y軸方向視が側面視として示している。本実施形態では、「先端」は後述する一方の配管2から他方の配管3に向かう方向における、一方の配管2側の端として示している。本実施形態では、「末端」は一方の配管2から他方の配管3に向かう方向における、他方の配管3側の端として示している。本実施形態では、「流体」はエンジン(内燃機関)の各気筒の内部における新気と燃料の混合気の燃焼により生成された排気Gである。
本実施形態の配管構造1は、エンジンの各気筒と排気通路の間に配置される排気マニホールドの配管構造である。
図1に例示するように、配管構造1は、一方の配管2と、他方の配管3と、リング溝4と、シールリング5と、を備えて構成されている。一方の配管2は、他方の配管3に対してエンジンの各気筒側に配置されて、その管軸方向がX軸方向に延在されている。他方の配管3は、一方の配管2に対して外部に通じる排気通路側に配置されて、その管軸方向がX軸方向に延在されている。一方の配管2の末端部に他方の配管3の先端部が挿入された状態で、この末端部の内周面2aとこの先端部の外周面3bはともにX軸方向に略平行に延在されている。外周面3bの管径は内周面2aの管径より小さい。排気Gは、他方の配管3から一方の配管2に向かって、他方の配管3の内周面3aより内側(管軸側)の空間を主に流れる。なお、図1では、図の煩雑さを避けるために、一方の配管2は縦断面視で、他方の配管3は側面視で示している。
一方の配管2および他方の配管3の配置位置については、一方の配管2を他方の配管3に対して排気通路側に配置し、他方の配管3を一方の配管2に対してエンジンの各気筒側に配置してもよい。
リング溝4は、外周面3bに形成されて、その外周面3bの周方向の全周に亘って環状に延在し、X軸方向視で外周面3bから内周面3aに向かって窪んだ溝である。本実施形態では、リング溝4は外周面3bに対してX軸方向に並んで三つ形成されている。ただし、この形成数は三つに限定されない。リング溝4の形成数は、単数でもよく、三を除く複数でもよい。また、リング溝4が外周面3bに複数形成される場合、各溝の深さは、同じでも異なっていてもよい。
シールリング5は、リング溝4の各々に一つずつ嵌め込まれて、X軸方向視でC環状の部材である。シールリング5は、リング溝4の環周方向の略全体に亘って延在している。本実施形態は、シールリング5をリング溝4の各々に一つずつ嵌め込んだ構成であるが、複数のシールリング5をリング溝4の各々に嵌め込んだ構成に対しても本発明は適用可能である。この場合は、複数のシールリング5がX軸方向に並列に配置される。隣り合うシールリング5のX軸方向の端面どうしは当接されることが好ましい。
本開示において、C環状とは円環の環周方向の中途位置が途切れたものを示す。本実施形態のシールリング5は円環の環周方向の中途位置に合口6が形成され、その合口6の部分で途切れている。
本実施形態の配管構造1では、内周面2aと外周面3bとの間に形成される隙間を埋める(密閉する)ようにシールリング5が挟み込まれている。ここで、他方の配管3の内部の圧力が一方の配管2の内部の圧力より高いときに、排気Gは他方の配管3から一方の配管2に向かう方向に流れ、また、排気Gの圧力Pが一方の配管2から他方の配管3に向かう方向にこの隙間に配置されたシールリング5に対して掛かる。シールリング5によりこの掛かる圧力Pはシールされている。シールリング5は、その環周方向の両端部5a、5bが互いに当接しない状態でX軸方向に重なり合った合口6を有している。合口6は各々のシールリング5に対応して一つずつ(計三つ)形成されていて、これらの合口6の位置は互いに環周方向にずれている。
本開示において、両端部5a、5bが互いに当接しない状態でX軸方向に重なり合った構造とは、一端部5aおよび他端部5bがX軸方向、Y軸方向、Z軸方向のいずれの方向においても接しない状態で、一端部5aの一部と他端部5bの一部とがX軸方向に重なった構造である。このような構造の合口6としては、ステップ合口、ダブルステップ合口、ダブルアングル合口、スカーフカット合口が例示される。
図2および図3に例示するように、本実施形態の合口6はステップ合口であり、シールリング5の環周方向の一端部5aおよび他端部5bのそれぞれは階段形状に形成されて、一端部5aのX軸方向の先端側に向いた面と他端部5bのX軸方向の末端側と向いた面とがそれぞれX軸方向に対向してなる。一端部5aは、シールリング5の先端面がX軸方向に窪んで、先端面との間に段差が形成された階段形状である。他端部5bは、シールリング5の末端面がX軸方向に窪んで末端面5cとの間に段差が形成された階段形状である。なお、末端面5cは、シールリング5の末端側の面で、かつ、その環周方向の略全体に亘る面である。末端面5cは、シールリング5における上記の隙間を流れる排気Gの流れ方向の末端側に形成される面であるともいえる。排気Gの圧力Pが作用していない状態で、合口6において、一端部5aと他端部5bとの間は枡形道路状の隙間Sが形成される。
なお、前述で例示したように、合口6はステップ合口に限定されない。合口6は、一端部5aの一部と他端部5bの一部とがX軸方向で重なり合う形状であればよい。
図3に例示するように、第一実施形態の配管構造1は、末端面5cとリング溝4の対向面4aとの間に緩衝部材7を備える。なお、対向面4aは、リング溝4の環周方向の全体に亘る面で、末端面5cに対してX軸方向に対向している。
緩衝部材7は、X軸方向視でC環状の部材である。緩衝部材7は、リング溝4の各々に対して一つずつ嵌め込まれている。
緩衝部材7は、リング溝4に嵌め込まれた状態では、リング溝4の環周方向の全体に亘って延在する。緩衝部材7はその環周方向の中途位置が途切れた合口8を有している。なお、緩衝部材7は、リング溝4に嵌め込まれた状態でX軸方向視で環状に形成されていればよい。
合口8は、ストレート合口であり、緩衝部材7の環周方向の一端部および他端部どうしが当接する。合口8はシールリング5の合口6に対して環周方向にずれた位置に配置されている。なお、この「ずれている」とは、合口8とシールリング5の合口6とがX軸方向に連通しないという意味である。
緩衝部材7は、排気Gの圧力Pが作用してシールリング5が押し付けられると弾性変形してシールリング5を押し返す反発力が生じる部材である。また、緩衝部材7は、排気Gの圧力Pが作用して押し付けられたシールリング5が排気Gの圧力Pと緩衝部材7の反発力とにより変形した場合に、そのシールリング5の変形を許容可能に弾性変形する部材である。
緩衝部材7は、緩衝部材7を構成する材料特性とX軸方向の厚さとをエンジンの仕様や運転状況に応じて設定することが可能である。緩衝部材7の材料特性とX軸方向の厚さとを排気Gの圧力Pに基づいて設定することが望ましく、排気Gの圧力Pの上限値に基づいて設定することがより望ましい。
本開示において、排気Gの圧力Pの上限値とは、予め実験、試験、あるいはシミュレーションにより求められる値であり、他方の配管3から一方の配管2に向かって内周面3aの内側を流れる排気Gの流量と温度が最大になったときの値である。
つまり、緩衝部材7の材料特性とX軸方向の厚さとは排気Gの圧力Pが上限値に達した場合でも、弾性変形してシールリング5に対して反発力を付与するとともにシールリング5の変形を許容可能な構造であることが望ましい。
第一実施形態の排気マニホールド1の作用について説明する。図3に例示するように、排気マニホールド1の内部を排気Gが流れていない状態では、シールリング5は弾性変形することなく、末端面5cは緩衝部材7に押し付けられていない。排気Gの圧力が作用していない状態で末端面5cは一端部5aおよび他端部5bの間で環周方向に平坦状を成し、合口6はX軸方向および環周方向に所定の隙間Sを有している。
図4に例示するように、排気マニホールド1の内部を排気Gが流れている状態では、排気Gの圧力Pでシールリング5は緩衝部材7に押し付けられる。緩衝部材7は、シールリング5によりX軸方向に押し潰されるが、シールリング5に対して十分な反発力を継続的に付与する。この継続的な付与により、シールリング5は排気Gの圧力Pと緩衝部材7の反発力とにより変形して、合口6における一端部5aおよび他端部5bが互いにX軸方向に当接して合口6のX軸方向の隙間Sを閉塞する。このときに、シールリング5の末端面5cは、排気Gの圧力Pが作用していない状態における平坦状から変形して、合口6の部分に一端部5aおよび他端部5bがX軸方向に当接することで生じた段差により環周方向に螺旋状を成す。このX軸方向の隙間Sが閉塞されることで、内周面2aと外周面3bの間をX軸方向に流れる排気Gが隙間Sを経由して排気マニホールド1の外部側に流れることができなくなる。すなわち、隙間Sの閉塞により排気Gが排気マニホールド1の外部に漏れることが抑制される。なお、図4の点線部分は、緩衝部材7が押し潰されていない状態での緩衝部材7の先端面7aの位置を示している。
上記の「排気Gが流れていない状態」は、排気マニホールド1の内部を流れる排気Gの流量がゼロである場合だけでなく、排気マニホールド1の内部を流れる排気Gの流量が微小である場合も含む。言い換えれば、「排気Gが流れていない状態」は、排気マニホールド1の内部を排気Gが流れていてもシールリング5が緩衝部材7に押し付けられていない状態である。また、「排気Gが流れている状態」は、排気マニホールド1の内部を流れる排気Gによるシールリング5が緩衝部材7に押し付けられた状態である。
以上より、第一実施形態の排気マニホールド1によれば、排気Gの圧力でシールリング5が弾性変形したときには、緩衝部材7からシールリング5に作用する反発力により一端部5aおよび他端部5bが互いにX軸方向に当接して合口6が閉塞する。それ故、合口6から外部への排気Gの漏れを抑制することができる。
本実施形態の排気マニホールド1によれば、シールリング5は環状に形成されて、かつ、末端面5cと対向面4aの間に緩衝部材7が配置されるだけの簡易な構成とすることができる。また、緩衝部材7分のコストは増加するが、シールリング5の加工に要するコストは上記特許文献1の技術と比較して削減されるので、全体として製造コストは削減される。また、緩衝部材7をリング溝4に配置する作業は増えるが、シールリング5の加工に要する時間は上記特許文献1の技術と比較して削減されるので、全体として製造工程に要する時間は低減される。
シールリング5の末端面5cは、排気Gの圧力Pが作用していない状態で環周方向に平坦状を成し、排気Gの圧力Pが作用した状態で合口6に段差が生じて環周方向に螺旋状を成している。このようにすることで、簡易な構成で排気Gの圧力Pによりシールリング5の両端部を互いにX軸方向に近づけることができる。
緩衝部材7は、リング溝4の環周方向の全体に亘って延在される環状の部材である。このようにすることで、シールリング5の合口6が環周方向にずれても合口6近傍の末端面5cに緩衝部材7の先端面7aが当接されている。それ故、シールリング5が弾性変形したときに緩衝部材7からシールリング5に対する反発力を確実に作用させることができる。これにより、合口6の閉塞には有利になる。
緩衝部材7はその環周方向の中途位置が途切れた合口8を有し、この合口8はシールリング5の合口6に対して環周方向にずれた位置に配置されている。このようにすることで、シールリング5の合口6の近傍の末端面5cが緩衝部材7の合口8を除く先端面7aに当接される。それ故、合口6、8が連通した状態となることが抑制されるので、排気Gが連通状態の合口6、8を経由して排気マニホールド1の外部に漏れることを抑制することができる。
緩衝部材7は排気Gの圧力Pが予め設定された上限値に達した場合に弾性変形してシールリング5に対して反発力を付与するとともにシールリング5の変形を許容可能な構造である。このようにすることで、排気Gの圧力Pによりシールリング5の両端部が互いにX軸方向に近づく状態に移行して、かつ、この状態を継続させることができる。
第二実施形態の排気マニホールド1について図5~図7を参照しながら説明する。第二実施形態の排気マニホールド1は、リング溝4に対して環状の緩衝部材7が嵌め込まれる代わりに、図5、図6に例示されるように、シールリング5の末端面5cに変形許容部9が形成されている点で第一実施形態と異なり、その他の点で同じ構成である。
変形許容部9では、排気Gの圧力Pが作用してシールリング5の末端面5cがリング溝4の対向面4aに押し付けられたときに、シールリング5の一端部5aと他端部5bとがX軸方向で当接可能に変形することを許容する部分である。具体的に、図5、6中の点線の領域である。
第二実施形態の変形許容部9はシールリング5の末端面5cに形成される。変形許容部9が形成されたシールリング5の末端面5cは、排気Gの圧力Pが作用していない状態で、合口6の部分に段差が形成され、環周方向に螺旋状を成す構成である。また、リング溝4の対向面4aは、少なくとも一端部5aと他端部5bの各々に対向する面の間で環周方向に平坦状となるように構成されており、本実施形態では環周方向の全域に亘って平坦面である。
末端面5cのX軸方向のずれ幅は、排気Gの圧力Pで末端面5cが対向面4aに押し付けられた状態で、シールリング5の両端部が互いにX軸方向に当接されて末端面5cが環周方向に平坦面になる大きさに形成されていればよい。また、第二実施形態のシールリング5は、例えば、シールリング5の材質と同じ材質でよく、点線で示した変形許容部9を切り取って形成される。
第二実施形態の排気マニホールド1の作用について説明する。図6に例示するように、排気マニホールド1の内部を排気Gが流れていない状態では、シールリング5は変形することなく、末端面5cには両端部5a、5bのそれぞれが互いにX軸方向にずれて形成される段差が生じている。この状態では、シールリング5の合口6は、X軸方向および環周方向に所定の隙間を有している。
一方、図7に例示するように、排気マニホールド1の内部を排気Gが流れている状態では、排気Gの圧力Pでシールリング5はX軸方向に弾性変形してリング溝4の対向面4aに押し付けられる。この押し付けられた状態では、対向面4aは変形することなくシールリング5が変形許容部9で許容された分だけ変形する。具体的には、一端部5aと比較して他端部5bが変形許容部9により対向面4a側に大きく移動することで、末端面5cが一端部5aおよび他端部5bの間で環周方向に平坦状に変形する。この平坦状を成す面の全体がリング溝4の対向面4aに当接し、この当接した状態でシールリング5の環周方向の両端部が互いにX軸方向に当接して合口6のX軸方向の隙間Sは閉塞する。
以上より、第二実施形態の排気マニホールド1によれば、排気Gの圧力Pでシールリング5が弾性変形したときに、変形許容部9により末端面5cが環周方向に平坦面になって対向面4aに当接することで、シールリング5の環周方向の両端部が互いにX軸方向に当接する。それ故、合口6のX軸方向の隙間Sは閉塞されて、排気Gが隙間Sを経由して排気マニホールド1の外部に漏れることを抑制することができる。
また、第二実施形態では、シールリング5の材質と同じ材質で、かつ、X軸方向に螺旋状に形成された部材の一部を切り取るだけの簡単な作業で変形許容部9を有する配管構造1を成すことができる。
なお、第二実施形態では、変形許容部9をシールリング5の末端面5cに形成したが、この代わりに変形許容部9をリング溝4の対向面4aに形成してもよい。すなわち、対向面4aをX軸方向に段差を有する螺旋状の面として変形許容部9を構成してもよい。ただし、この構成の場合は、排気Gの圧力Pを受けていない状態で末端面5cが環周方向に平坦面を成す必要がある。
また、本実施形態では、配管構造1として排気マニホールドを例示したが、配管構造1は排気マニホールドに限定されず、例えば、吸気マニホールド、オイル配管、冷却水配管等にも適用可能である。ただし、配管構造1の内部を通過する流体の流れが一方向である必要がある。言い換えれば、配管構造1の内部を通過する流体の流れが、配管構造1の内部を通過する流体の圧力を受けている状態でのシールリング5の末端面5cが流体の圧力Pを受けていない状態でのシールリング5の末端面5cとは異なる状態になるように構成されている必要がある。
また、本開示の配管構造1では、シールリング5の末端面5cにおける合口6近傍の部分に緩衝部材7を接合させることで一体化し、この一体化したシールリング5をリング溝4に嵌め込むように構成してもよい。この構成の場合、緩衝部材7は、リング溝4の環周方向の全体に亘って延在された形状でもよいし、リング溝4の環周方向の一部に亘って延在された形状でもよい。
第一実施形態では、緩衝部材7がリング溝4の環周方向の全域に亘って配置される構成であるが、排気Gの圧力Pが作用した場合にシールリング5が変形して合口6の隙間Sを閉塞することが可能であればよく、緩衝部材7が円弧状に形成されて少なくともシールリング5の合口6を含む部分に配置される構成にしてもよい。
1 排気マニホールド(配管構造)
2 一方の配管
2a 一方の配管の末端部の内周面
3 他方の配管
3a 他方の配管の先端部の内周面
3b 他方の配管の先端部の外周面
4 リング溝
4a リング溝の対向面
5 シールリング
5a シールリングの環周方向の一端部
5b シールリングの環周方向の他端部
5c シールリングの末端面
6 シールリングの合口
7 緩衝部材
7a 緩衝部材の先端面
8 緩衝部材の合口
9 変形許容部

Claims (7)

  1. 一方の配管の末端部に他方の配管の先端部が挿入されて、前記他方の配管の先端部の外周面に形成された環状のリング溝と、このリング溝に嵌め込まれるC環状のシールリングとを備え、そのシールリングが環周方向の両端部が互いに当接しない状態で前記他方の配管の管軸方向に重なり合った合口を有し、前記一方の配管の末端部と前記他方の配管の先端部との間の隙間を埋めて、前記一方の配管から前記他方の配管に向かう方向に掛かる流体の圧力をシールする配管構造において、
    前記シールリングの末端面と前記リング溝のその末端面に対向する対向面との間に前記流体の圧力が作用して前記シールリングが押し付けられたときに弾性変形する緩衝部材を備え、前記流体の圧力が作用して前記緩衝部材に押し付けられた前記シールリングが前記流体の圧力と前記緩衝部材の反発力により変形し、前記両端部が互いに前記管軸方向に当接して前記合口が閉塞する構造を成すことを特徴とする配管構造。
  2. 前記シールリングの前記末端面は、前記流体の圧力が作用していない状態で環周方向に平坦状を成し、前記流体の圧力が作用した状態で平坦状から変形し、前記合口の部分に段差が生じて環周方向に螺旋状を成す請求項1に記載の配管構造。
  3. 前記緩衝部材は、前記リング溝の環周方向の全体に亘って延在される環状の部材である請求項1または2に記載の配管構造。
  4. 前記緩衝部材はその環周方向の中途位置が途切れた合口を有し、
    前記緩衝部材の合口は前記シールリングの合口に対して前記環周方向にずれた位置に配置される請求項3に記載の配管構造。
  5. 前記緩衝部材は前記流体の圧力が予め設定された上限値に達した場合に弾性変形して前記シールリングに対して反発力を付与するとともに前記シールリングの変形を許容可能な構造である請求項1~4のいずれか1項に記載の配管構造。
  6. 一方の配管の末端部に他方の配管の先端部が挿入されて、前記他方の配管の先端部の外周面に形成された環状のリング溝と、このリング溝に嵌め込まれるC環状のシールリングとを備え、そのシールリングが環周方向の両端部が互いに当接しない状態で前記他方の配管の管軸方向に重なり合った合口を有し、前記一方の配管の末端部と前記他方の配管の先端部との間の隙間を埋めて、前記一方の配管から前記他方の配管に向かう方向に掛かる流体の圧力をシールする配管構造において、
    前記シールリングの末端面、または、前記リング溝のその末端面に対向する対向面とのどちらか一方の面に変形許容部が形成されてなり、前記流体の圧力が作用して前記対向面に押し付けられた前記シールリングが前記流体の圧力により前記変形許容部で許容された分だけ変形し、前記両端部が互いに前記管軸方向に当接して前記合口が閉塞する構造を成すことを特徴とする配管構造。
  7. 前記変形許容部は前記シールリングの前記末端面に形成されて、前記流体の圧力が作用していない状態で前記両端部のそれぞれが互いに前記管軸方向にずれて形成される段差により前記末端面が環周方向に螺旋状を成す構成であり、
    前記リング溝の前記対向面は環周方向に平坦状を成し、
    前記流体の圧力が作用して前記対向面に押し付けられた前記シールリングが前記流体の圧力により前記末端面が変形する請求項6に記載の配管構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024038492A1 (ja) * 2022-08-15 2024-02-22 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 過給機のシール構造及び過給機
CN118208615A (zh) * 2024-05-22 2024-06-18 浙江医药工业设计院有限公司 一种用于无菌车间的管道连接密封装置

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