JP2015183760A - 車両用モータ駆動装置における変速比切換装置 - Google Patents

車両用モータ駆動装置における変速比切換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】軸方向長さのコンパクトな組立ての容易な車両用モータ駆動装置における変速比切換装置を提供する。
【解決手段】シフト機構60におけるシフトフォーク63の軸方向への移動により2ウェイクラッチ30A、30Bの保持器36をシフトして、出力ギヤ23b、24bの一方に押し付けて、内輪31に対する保持器36の相対回転により2ウェイクラッチ30A、30Bの一方を係合状態とする。出力ギヤ23b、24bの側面に環状凹部32を設け、その環状凹部32の内面を2ウェイクラッチ30A、30Bの円筒状内面33とし、上記環状凹部32内に内輪31の端部に設けられた円筒部31aおよび保持器36の端部を位置させて、保持器36の中立位置でローラ35の転動面35aの全体および出力ギヤ23b、24bを回転自在に支持する軸受27a、27bを位置させた。
【選択図】図2

Description

この発明は、電動モータを駆動源とし、その電動モータから出力される回転を減速機により複数段に変速して左右の車輪を駆動する車両用モータ駆動装置の変速比切換装置に関する。
電気自動車およびハイブリッド車の駆動装置に用いられる車両用モータ駆動装置として、電動モータと、その電動モータの出力軸から出力される回転を複数段に変速する変速機と、その変速機から出力される動力を左右のアクスルに分配するディファレンシャルギヤとからなるものが従来から知られている。
上記のような車両用モータ駆動装置に採用される変速機として、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。その特許文献1に記載された変速機においては、電動モータによって回転駆動される入力軸に平行に出力軸を設け、その両軸の相互間に変速比の異なる複数段のトルク伝達経路としてのギヤ列を設け、各段のギヤ列における出力ギヤ内に、その出力ギヤと出力軸とを締結、解除する2ウェイクラッチを内蔵した構成としている。そして、変速比切換装置により2ウェイクラッチの係合、解除を制御して、トルク伝達経路の切り換えを行ない、変速比を切換えるようにしている。
ここで、2ウェイクラッチとして、ローラおよびそのローラを保持する保持器を有し、その保持器の回転制御により、ローラを出力軸に回り止めされた内輪の外周とクラッチ外輪としての出力ギヤの内周に対して係合、解除させるようにしたローラタイプのものが採用されている。
また、変速比切換装置として、軸方向で対向する一対の2ウェイクラッチの対向部間に、制御リングと、その制御リングの両側に配置されて2ウェイクラッチの保持器に回り止めされた一対の摩擦板と、その摩擦板のそれぞれを制御リングに向けて付勢する弾性部材を組込み、シフト用モータを駆動源とするシフト機構により上記制御リングをシフトし、そのシフト方向の前側に位置する摩擦板を出力ギヤの側面に押し付け、保持器と内輪の相対的な回転により、ローラを内輪の外周および出力ギヤの内周に係合させるようにしたものが採用されている。
特開2012−2285号公報
ところで、特許文献1に記載された変速比切換装置においては、2ウェイクラッチにおけるローラを保持する保持器と内輪の外径面上に嵌合されてクラッチ外輪としての出力ギヤを回転自在に支持する軸受が軸方向に並ぶ配置とされているため、変速機の軸方向長さが長く、その軸方向長さをコンパクト化する上において改善すべき点が残されている。
この発明の課題は、軸方向長さのコンパクトな組立ての容易な車両用モータ駆動装置における変速比切換装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、平行2軸間に変速比が異なる複数段のトルク伝達経路としてのギヤ列が設けられ、そのトルク伝達経路の切換えによって車両駆動用モータから出力される回転を複数段に変速する平行軸常時噛合型変速機と、前記複数段のギヤ列のそれぞれにおける一方のギヤとその一方のギヤのそれぞれを軸受を介して回転自在に支持する支持軸の相互間に組み込まれた2ウェイクラッチを有してなり、前記一方のギヤの一側面に環状凹部が設けられ、前記2ウェイクラッチが、前記支持軸と一体に回転し、一方のギヤと対向する端部に前記環状凹部内に配置される円筒部が設けられた内輪の外周と前記環状凹部の円筒状内面間にローラおよびそのローラを保持する保持器を組み込み、前記内輪に対する保持器の相対回転によりローラを前記内輪の外周に形成されたカム面と前記円筒状内面に係合させるローラタイプのものからなり、前記平行2軸の軸方向に移動されるシフトフォークを有し、そのシフトフォークにより前記2ウェイクラッチの保持器を一方のギヤと接触する位置までシフトさせるシフト機構を設け、前記2ウェイクラッチの保持器が中立位置に配置される状態で、ローラの転動面の全体および前記一方のギヤを回転自在に支持する前記軸受のそれぞれを一方のギヤの歯幅内に位置させた構成を採用したのである。
上記の構成からなる車両用モータ駆動装置の変速比切換装置において、シフト機構の作動により、対向一対の2ウェイクラッチのうちの一方の2ウェイクラッチにおける保持器を一方のギヤの側面に向けてシフトして、その一方のギヤに押し付けると、一方のギヤと保持器とが摩擦係合し、その摩擦係合によりギヤと回転方向に結合される保持器と内輪とが相対回転する。その相対回転によりローラが内輪の外周に形成されたカム面と一方のギヤに形成された円筒状内面に係合し、一方のギヤと支持軸と一体に回転する内輪とが2ウェイクラッチを介して結合される。このため、車両用駆動モータから出力される回転は、2ウェイクラッチにより結合状態とされたギヤ列により変速されて出力される。
この発明に係る変速比切換装置においては、一方のギヤの側面に環状凹部を設け、内輪の端部に上記環状凹部内に配置される円筒部を設けているため、保持器が中立位置に配置される状態で、2ウェイクラッチにおけるローラの転動面の全体および一方のギヤを回転自在に支持する軸受のそれぞれを一方のギヤの歯幅内に位置させることができ、しかも、シフト機構により、保持器を一方のギヤに向けてシフトして2ウェイクラッチの係合、解除を制御するようにしているため、軸方向長さのコンパクトな変速比切換装置を得ることができる。
ここで、複数の2ウェイクラッチの、軸方向で隣接する一対の2ウェイクラッチを左右対称の向きとして軸方向で対向し、その対向一対の2ウェイクラッチにおける保持器のそれぞれ外周に周方向溝を設け、前記シフトフォークの先端二股部の内周に、前記周方向溝のそれぞれに挿入される一対の係合突部を設けると、単一のシフトフォークによって対向一対の2ウェイクラッチを制御することができるため、変速比切換装置の軸方向長さをよりコンパクトとすることができる。
また、シフトフォークの移動により、対向一対の2ウェイクラッチのうちの一方の2ウェイクラッチにおける保持器を一方のギヤの側面に向けてシフトした際、他方の2ウェイクラッチにおける保持器は対応する一方のギヤの側面から離反する方向にシフトされるため、対向一対の2ウェイクラッチが同時に係合するようなことはなく、動力の循環が生じるという不都合の発生を皆無とすることができる。
シフトフォークの移動に際しては、平行2軸に平行に配置されたシフトロッドでそのシフトフォークを支持し、そのシフトロッドをアクチュエータで軸方向に移動させるようにした構成のものを採用することができる。
アクチュエータとして、モータを採用する場合、そのシフト用モータの回転をシフトロッドの軸方向への移動に変換する運動変換機構を設けるようにする。
運動変換機構として、シフトロッドを中心に回転自在に支持され、シフト用モータにより回転されるナット部材の内周に雌ねじを設け、その雌ねじをシフトロッドの外周に形成された雄ねじにねじ係合した構成からなるものを採用することができる。
上記シフト用モータの採用において、内輪に径方向孔を設け、その径方向孔内に押圧子と、その押圧子を径方向外方に向けて付勢する弾性部材とを収容し、前記保持器の内径面には、前記押圧子に対する係合によって保持器を中立位置に保持する周方向溝と、前記押圧子による径方向の押圧力を径方向力と保持器が一方のギヤに向けて押圧される軸方向力とに分力するテーパ面を設けておくと、シフト機構の作動によって保持器を一方のギヤに向けてシフトとすると、押圧子が保持器の内周に形成されたテーパ面と径方向で対向して、そのテーパ面を径方向に押圧し、その押圧によって形成される軸方向力により保持器が一方のギヤの側面に押し付けられるため、変速比の切換え状態でシフト用モータに対する通電を停止することができ、電力消費量の低減を図ることができる。
この発明に係る車両用モータ駆動装置における変速比切換装置において、一方のギヤを回転自在に支持する軸受としてニードル軸受を採用することにより、径方向にコンパクトな変速比切換装置を得ることができる。
この発明においては、上記のように、一方のギヤの側面に環状凹部を設けたことにより、2ウェイクラッチの保持器が中立位置に配置される状態で、ローラの転動面の全体および前記一方のギヤを回転自在に支持する前記軸受のそれぞれを一方のギヤの歯幅内に位置させることができ、軸方向長さのコンパクトな変速比切換装置を得ることができる。
また、シフト機構により対向一対の2ウェイクラッチの保持器を一方のギヤと接触する位置までシフトするようにしたので、シフト機構により制御リングをシフトし、その制御リングにより摩擦板を一方のギヤの側面に押し付けて2ウェイクラッチの係合させるようにした従来の車両用モータ駆動装置における変速比切換装置に比較して、部品点数がきわめて少なく、組立ての容易な軽量な変速比切換装置を得ることができる。
この発明に係る変速比切換装置を採用した車両用モータ駆動装置の断面図 図1の変速機の要部を拡大して示す断面図 図2のIII−III線に沿った断面図 図2のIV−IV線に沿った断面図 図2のV−V線に沿った断面図 変速比切換装置を示す断面図 図2の一部を拡大して示す断面図 図7のVIII−VIII線に沿った断面図 図8の横断面図 1速減速時の状態を示す断面図 図10のXI−XI線に沿った断面図 図11の横断面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基いて説明する。図1は、この発明に係る変速比切換装置を採用した車両用モータ駆動装置を示す。この車両用モータ駆動装置は、車両駆動用モータとしての電動モータ10と、その電動モータ10の出力軸11の回転を変速する変速機20と、その変速機20から出力される動力を左右一対の車輪に分配するディファレンシャルギヤ80とを有している。
変速機20は、入力軸21と出力軸22間に第1減速ギヤ列23と第2減速ギヤ列24を設けた常時噛合型減速機からなる。
入力軸21および出力軸22は、ハウジング25内に組込まれた対向一対の軸受26によりそれぞれ回転自在に支持されて平行の配置とされ、上記入力軸21が電動モータ10の出力軸11に接続されている。
図1および図2に示すように、第1減速ギヤ列23は、入力軸21に第1入力ギヤ23aを設け、その第1入力ギヤ23aに噛合する第1出力ギヤ23bを出力軸22に嵌合し、その嵌合部間に組み込まれた軸受27aで回転自在に支持している。
一方、第2減速ギヤ列24は、入力軸21に第2入力ギヤ24aを設け、その第2入力ギヤ24aに噛合する第2出力ギヤ24bを出力軸22に嵌合し、その嵌合部間に組み込まれた軸受27bで回転自在に支持しており、その第2減速ギヤ列24の減速比は第1減速ギヤ列23の減速比より小さくなっている。
ここで、第1出力ギヤ23bを回転自在に支持する軸受27aおよび第2出力ギヤ24bを回転自在に支持する軸受27bのそれぞれは、それぞれの出力ギヤ23b、24bの歯幅内に位置する組込みとされている。
また、上記軸受27a、27bとして深みぞ玉軸受を採用することができるが、ここでは、径方向のコンパクト化を図るため、ニードル軸受が採用されている。
図2に示すように、第1出力ギヤ23bと出力軸22との間には、その第1出力ギヤ23bと出力軸22を締結、解除する第1の2ウェイクラッチ30Aが組込まれている。また、第2出力ギヤ24bと出力軸22間には、その第2出力ギヤ24bと出力軸22を締結、解除する第2の2ウェイクラッチ30Bが組込まれており、その第2の2ウェイクラッチ30Bと上記第1の2ウェイクラッチ30Aとは軸方向で対向する配置とされている。なお、2ウェイクラッチの締結回転方向は同じである。
ここで、第1の2ウェイクラッチ30Aと、第2の2ウェイクラッチ30Bは、同一の構成であって左右対称の向きとされているため、第1の2ウェイクラッチ30Aを以下に説明し、第2の2ウェイクラッチ30Bについては、同一の部品に同一の符号を付して説明を省略する。
図2および図4に示すように、第1の2ウェイクラッチ30Aは、出力軸22の外周に、第2の2ウェイクラッチ30Bと共通の内輪31を設け、その内輪31の両端部に形成された薄肉円筒部31aを第1出力ギヤ23bと第2出力ギヤ24bの対向面に形成された環状凹部32内に収容し、その内輪31の外周に、上記環状凹部32の円筒状内面33との間で周方向の両端が狭小のくさび空間を形成する複数のカム面34を周方向に等間隔に設け、各カム面34と円筒状内面33間に係合子としてのローラ35を組込み、そのローラ35を内輪31の外周に嵌合されて端部が上記環状凹部32内に挿入された保持器36で保持している。
ここで、保持器36は、軸方向にスライド自在に支持され、上記環状凹部32の側面から離反する位置が中立位置とされ、また、保持器36の側面が環状凹部32の側面と接触する位置が係合、解除の作動位置とされており、上記中立位置において、ローラ35は、転動面35aの全体が環状凹部32内に収容されて、第1出力ギヤ23b、24bの歯幅内に位置する組込みとされている。
また、保持器36は、上記中立位置において、内輪31との間に設けられた回り止め機構40によって内輪31に回り止めされる。
図7乃至図9に示すように、回り止め機構40は、内輪31の出力ギヤ23bと対向する側面に、軸方向溝部41aと周方向溝部41bとからなる平面T字状の切欠部41を形成し、一方、保持器36の内径面には回り止め突起42を設け、上記軸方向溝部41aに対する回り止め突起42の係合によって保持器36を回り止めしている。
ここで、回り止め状態にある保持器36を作動位置までスライドさせると、回り止め突起42が軸方向溝部41aから抜け出して回り止めが解除し、また、回り止め突起42は周方向溝部41b内に臨み、その周方向溝部41bの周方向両端に回り止め突起42が当接する範囲内において保持器36は内輪31に対して相対回転可能とされている。その回転可能な作動位置において、保持器36が内輪31に対して相対回転すると、ローラ35が円筒状内面33およびカム面34に係合し、2ウェイクラッチ30Aが係合状態とされる。
内輪31の円筒部31aの端部内にはリターンばね43の円形部43aが嵌合され、その円形部43aの両端から外向きに設けられた一対の押圧片43bが上記切欠部41の周方向溝部41bに挿通されて端部が円筒部31aの外径面より外方に臨み、一方、保持器36の端部内周には上記一対の押圧片43bと対向する位置に切欠き44が形成されている。
切欠き44の周方向幅は、周方向溝部41bの周方向長さと同じ大きさとされ、保持器36が係合位置までシフトされると、その切欠き44内にリターンばね43の一対の押圧片43bが収容されて、切欠き44の周方向両端を相反する方向に向けて押圧する。その押圧によってローラ35が円筒状内面33およびカム面34に対して係合解除する中立位置に保持器36が弾性保持される。
上記リターンばね43は、円筒部31aの開口端部内に取り付けた止め輪45によって抜止めされている。また、保持器36の第1出力ギヤ23bと対向する側面には摩擦材46が取付けられている。
第1の2ウェイクラッチ30Aおよび第2の2ウェイクラッチ30Bは上記の構造からなり、第1出力ギヤ23bおよび第2出力ギヤ24bは、歯面以外の部分が鍛造により成形され、その鍛造成形後、切削により歯面が形成されると共に、環状凹部32の円筒状内面33および軸受嵌合用の中心孔の内径面が超仕上げされる。
鍛造工程では、外径が相違し、軸方向幅を同一とする同一形状のブランクを採用し、鍛造型および加工冶具を共通として環状凹部や中心孔の成形が行われ、コストの低減が図られている。
第1の2ウェイクラッチ30Aおよび第2の2ウェイクラッチ30Bは上記の構造からなり、共通の内輪31には、図3および図7に示すように、それぞれの2ウェイクラッチ30A、30Bの保持器36のそれぞれに対応して複数の径方向孔50が放射状の配置でもって形成されている。
径方向孔50のそれぞれ内部には、押圧子としてのボール51と、そのボール51を径方向外方に向けて付勢する弾性部材52とが組み込まれている。弾性部材52として、ここではコイルスプリングが採用され、そのコイルスプリングのボール51を押圧する端部にボールシート53が組み込まれている。
保持器36の内径面には、図7に示すように、その保持器36が中立位置に位置する状態でボール51と係合する断面円弧状の周方向溝54と、その周方向溝54から保持器36の対向側面側(出力ギヤ23b、24bと反対側の側面側)にテーパ面55と、上記周方向溝54から保持器36の対向側面と反対側に保持溝56とが形成されている。
テーパ面55は、保持器36の対向側面側を大径端とし、そのテーパ面55がボール51と対向し、そのボール51を介してテーパ面55に弾性部材52の押圧力が付与されると、その押圧力は径方向力と軸方向力とに分力され、その軸方向力によって保持器36は、対応する出力ギヤ23b、24bに向けて付勢される。
図2に示すように、第1出力ギヤ23bおよび第2出力ギヤ24bのそれぞれは、出力軸22に対して回転自在の支持とされているが、軸方向には位置決めされて非可動の支持とされている。その位置決めに際し、ここでは、出力軸22に取付けた止め輪57と内輪31とで第1出力ギヤ23bおよび第2出力ギヤ24bを軸方向の両端から挟み込むようにしている。
実施の形態では、内輪31を出力軸22に一体に形成しているが、出力軸22と別体とし、その別体の内輪を出力軸の外周に嵌合して回り止めしてもよい。その回り止めには、セレーションやスプラインによって結合する方法、あるいは、キー止めする方法を採用することができる。
第1の2ウェイクラッチ30Aと第2の2ウェイクラッチ30Bは、図3および図6に示すシフト機構60がそれぞれの2ウェイクラッチの保持器36を同時に同方向にシフトすることによって係合、解除が制御される。
シフト機構60は、出力軸22に平行に配置されたシフトロッド61をハウジング25に取り付けられた一対の滑り軸受62によりスライド自在に支持し、そのシフトロッド61にシフトフォーク63の後端部を固定し、そのシフトフォーク63の先端二股部の内周に設けられた一対の半環状の係合突部64を保持器36の対向端部の外周に形成された周方向溝65に軸方向に余裕をもって嵌め合わせ、上記シフトロッド61をアクチュエータ66により軸方向に移動させて、係合突部64と周方向溝65の嵌合により、一対の保持器36を出力ギヤ23b、24bのいずれか一方に向けてシフトするようにしている。
アクチュエータ66として、シフトロッド61に接続されるシリンダやソレノイドを採用することができるが、ここでは、モータを採用し、そのシフト用モータ66の出力軸67の回転を運動変換機構70によりシフトロッド61の軸方向への移動に変換するようにしている。
すなわち、シフト用モータ66の出力軸67に設けられた駆動ギヤ71にナット部材としての従動ギヤ72を噛合し、その従動ギヤ72を対向一対の軸受73により回転自在に支持し、その従動ギヤ72の内周に形成された雌ねじ74をシフトロッド61の端部外周に形成された雄ねじ75にねじ係合し、上記従動ギヤ72の定位置での回転により、シフトロッド61を軸方向に移動させるようにしている。
図1に示すように、出力軸22の軸端部には、その出力軸22の回転をディファレンシャルギヤ80に伝達するアウトプットギヤ76が設けられている。
ディファレンシャルギヤ80は、アウトプットギヤ76に噛合するリングギヤ81をハウジング25によって回転自在に支持されたデフケース82に取付け、上記デフケース82により両端部が回転自在に支持されたピニオン軸83に一対のピニオン84を取付け、その一対のピニオン84のそれぞれに一対のサイドギヤ85を噛合した構成とされ、その一対のサイドギヤ85のそれぞれにアクスル86の軸端部が接続されている。
実施の形態で示す車両用モータ駆動装置は上記の構造からなり、図2および図7は、第1の2ウェイクラッチ30Aおよび第2の2ウェイクラッチ30Bの保持器36が中立位置に位置する状態を示し、ローラ35は、図4に示すように、円筒状内面33およびカム面34に対して係合解除する状態にある。
また、図7に示すように、ボール51は、保持器36の内径面に設けられた周方向溝54に係合し、その係合によって保持器36は中立位置に保持されている。さらに、回り止め機構40の回り止め突起42は内輪31の外周に形成された切欠部41の軸方向溝部41aに係合し、その係合によって保持器36は内輪31に回り止めされている。
上記のように、第1の2ウェイクラッチ30Aおよび第2の2ウェイクラッチ30Bが係合解除する状態にあると、図1に示す電動モータ10が駆動されて入力軸21が回転しても、その回転は第1入力ギヤ23aからこれに噛合する第1出力ギヤ23bに伝達され、また、第2入力ギヤ24aからこれに噛合する第2出力ギヤ24bに伝達されるが、出力軸22には伝達されず、第1出力ギヤ23bおよび第2出力ギヤ24bが空転する。
電動モータ10の駆動によって第1出力ギヤ23bおよび第2出力ギヤ24bのそれぞれが空転する状態において、図6に示すシフト用モータ66の駆動によりシフトロッド61を同図の右方向に移動させると、シフトフォーク63によって対向一対の保持器36が第1出力ギヤ23bに向けてシフトされる。
保持器36のシフトにより、図10に示すように、ボール51と周方向溝54の係合が解除すると共に、第1の2ウェイクラッチ30Aの保持器36の内径面に形成された回り止め突起42が軸方向溝部41aから抜け出して、その保持器36の回り止めが解除される。
また、回り止めが解除された保持器36内径面のテーパ面55がボール51と対向する。このとき、ボール51は弾性部材52により径方向外方に向けて付勢されているため、ボール51はテーパ面55を径方向外方に向けて押圧する。その押圧力は径方向力と軸方向力とに分力され、軸方向力によって保持器36は第1出力ギヤ23bに形成された環状凹部32の側面に押し付けられ、摩擦材46の摩擦係合により、保持器36は第1出力ギヤ23bに連結される状態になる。
このため、第1の2ウェイクラッチ30Aの保持器36が内輪31に対して相対回転し、図4に示すローラ35が円筒状内面33およびカム面34に係合し、第1出力ギヤ23bの回転は、第1の2ウェイクラッチ30Aを介して出力軸22に直ちに伝達される。また、出力軸22の回転はディファレンシャルギヤ80を介してアクスル86に伝達される(図1参照)。
上記のようなアクスル86への動力伝達状態において、第1出力ギヤ23bに向けてシフトされた保持器36には、ボール51がテーパ面55を押圧する作用によって第1出力ギヤ23bに向けての軸方向力が常に負荷されるため、シフト用モータ66に対する通電の解除により停止状態としても、保持器36は第1出力ギヤ23bの側面に押し付けられる状態を維持して第1の2ウェイクラッチ30Aは係合状態を保持されることになり、上記シフト用モータ66に対する通電の停止によって電力消費量の低減を図ることができる。
ここで、シフト用モータ66に対する通電の解除により、保持器36はシフトロッド61から軸力が負荷されることはないため、出力軸22に負荷されるアキシャル荷重は保持器36に負荷される軸方向力のみであって極めて小さく、その出力軸22を回転自在に支持する軸受26の耐久性の低下を抑制することができる(図1参照)。
また、シフトフォーク63は、第2の2ウェイクラッチ30Bにおける保持器36も第1出力ギヤ23bに向けてシフトするため、その保持器36の内周に設けられた回り止め突起42は軸方向溝部41aに係合する状態に保持されると共に、押圧子としてのボール51は、図10に示すように、保持溝56に係合し、共通内輪31に対して相対回転することはない。このため、第2の2ウェイクラッチ30Bが誤係合するという不都合の発生は皆無である。
ここで、第1の2ウェイクラッチ30Aの保持器36が第1出力ギヤ23bに向けてシフトされると、図10に示すように、その保持器36の端部内周に形成された切欠き44内にリターンばね43の一対の押圧片43bが収容され、一対の押圧片43bは切欠き44と係合する。
切欠き44と押圧片43bの係合状態で内輪31と保持器36が相対回転すると、一対の押圧片43bは切欠き44の周方向の一端面と周方向溝部41bの周方向他端面とで近接する方向に押圧される。その押圧によりリターンばね43は縮径する。図11および図12は、一対の押圧片43bが押圧されてリターンばね43が縮径した状態を示す。
上記のように、第1の2ウェイクラッチ30Aが係合すると、リターンばね43は縮径状態とされるため、図6に示すシフト用モータ66を上記と逆方向に回転し、シフトロッド61を上記の逆の方向(図6の左方向)に移動させて、保持器36を第1出力ギヤ23bから離反する方向に移動させると、その移動初期の段階でリターンばね43の復元弾性により保持器36が復帰回動されてローラ35は中立位置に戻されることになり、入力軸21から出力軸22への回転伝達が直ちに遮断されることになる。
また、保持器36の復帰回動により、回り止め突起42が切欠部41の軸方向溝部41aと軸方向で対向し、シフトフォーク63の軸方向への移動により軸方向溝部41a内に回り止め突起42が進入して互いに係合し、保持器36は内輪31に対して回り止めされる。
保持器36を中立位置に戻した状態から、シフトフォーク63を第2減速ギヤ列24の第2出力ギヤ24bに向けて移動させると、保持器36が第2出力ギヤ24bに向けてシフトされ、第2の2ウェイクラッチ30Bにおける保持器36の内周のテーパ面55がボール51と径方向で対向する。ボール51がそのテーパ面55を押圧する作用により、保持器36が第2出力ギヤ24bの環状凹部32の側面に押し付けられて、摩擦材46の接触により結合状態とされる。
このため、第2の2ウェイクラッチ30Bの保持器36が内輪31に対して相対回転し、図4に示すローラ35が円筒状内面33およびカム面34に係合して、第2入力ギヤ24aの回転が第2出力ギヤ24bに伝達されてトルク伝達経路が切換えられる。そのトルク伝達経路の切換えに伴なって減速比が切り換わり、第2出力ギヤ24bと一体に回転する出力軸22の回転がディファレンシャルギヤ80を介してアクスル86に伝達される。
実施の形態に示すように、出力ギヤ23b、24bの側面に環状凹部32を設けることにより、2ウェイクラッチ30A、30Bの保持器36が中立位置に配置される状態で、ローラ35の転動面35aの全体および出力ギヤ23b、24bを回転自在に支持する軸受27a、27bのそれぞれを対応する出力ギヤの歯幅内に位置させることができ、軸方向長さのコンパクトな変速比切換装置を得ることができる。
また、シフト機構60により対向一対の2ウェイクラッチ30A、30Bのそれぞれの保持器36を出力ギヤ23b、24bの一方の出力ギヤに向けて同時にシフトして、その保持器36に設けられた摩擦材46を保持器シフト側の出力ギヤに押し付けて2ウェイクラッチ30A、30Bの一方を係合させることにより、対向一対の2ウェイクラッチ30A、30Bのそれぞれが同時に係合するという不都合の発生を確実に防止することができる。
また、シフト機構60により一対の保持器36を同時にシフトして対向一対の2ウェイクラッチ30A、30Bの一方の2ウェイクラッチを係合させることにより、シフト機構により制御リングをシフトし、その制御リングにより摩擦板を一方のギヤの側面に押し付けて2ウェイクラッチを係合させるようにした従来の車両用モータ駆動装置における変速比切換装置に比較して、部品点数の少ない組立ての容易な軸方向長さのコンパクトな変速比切換装置を得ることができる。
実施の形態においては、出力軸22と出力ギヤ23b、24bの相互間に2ウェイクラッチ30A、30Bを組込むようにしたが、入力軸21と入力ギヤ23a、24a間に2ウェイクラッチを組込むようにしてもよい。
また、テーパ面55をボール51で押圧し、押圧力を径方向力と軸方向力とに分力し、その軸方向力で保持器36を出力ギヤ23b、24bの一方の出力ギヤに押し付けるようにしたが、テーパ面55やボール51を除去し、シフト機構60により2ウェイクラッチ30A、30Bの保持器36をそれぞれ単独で対応する出力ギヤに向けてシフトしてもよい。
10 電動モータ(車両駆動用モータ)
20 変速機
21 入力軸(支持軸)
22 出力軸(支持軸)
23 第1減速ギヤ列
23a 第1入力ギヤ
23b 第1出力ギヤ
24 第2減速ギヤ列
24a 第2入力ギヤ
24b 第2出力ギヤ
27a 軸受
27b 軸受
30A 第1の2ウェイクラッチ
30B 第2の2ウェイクラッチ
31 内輪
31a 円筒部
32 環状凹部
33 円筒状内面
34 カム面
35 ローラ
35a 転動面
36 保持器
51 ボール(押圧子)
52 弾性部材
55 テーパ面
60 シフト機構
61 シフトロッド
63 シフトフォーク
64 係合突部
65 周方向溝
66 シフト用モータ(アクチュエータ)
70 運動変換機構
72 従動ギヤ(ナット部材)
74 雌ねじ
75 雄ねじ

Claims (8)

  1. 平行2軸間に変速比が異なる複数段のトルク伝達経路としてのギヤ列が設けられ、そのトルク伝達経路の切換えによって車両駆動用モータから出力される回転を複数段に変速する平行軸常時噛合型変速機と、
    前記複数段のギヤ列のそれぞれにおける一方のギヤとその一方のギヤのそれぞれを軸受を介して回転自在に支持する支持軸の相互間に組み込まれた2ウェイクラッチを有してなり、
    前記一方のギヤの一側面に環状凹部が設けられ、
    前記2ウェイクラッチが、前記支持軸と一体に回転し、一方のギヤと対向する端部に前記環状凹部内に配置される円筒部が設けられた内輪の外周と前記環状凹部の円筒状内面間にローラおよびそのローラを保持する保持器を組み込み、前記内輪に対する保持器の相対回転によりローラを前記内輪の外周に形成されたカム面と前記円筒状内面に係合させるローラタイプのものからなり、
    前記平行2軸の軸方向に移動されるシフトフォークを有し、そのシフトフォークにより前記2ウェイクラッチの保持器を一方のギヤと接触する位置までシフトさせるシフト機構を設け、
    前記2ウェイクラッチの保持器が中立位置に配置される状態で、ローラの転動面の全体および前記一方のギヤを回転自在に支持する前記軸受のそれぞれを一方のギヤの歯幅内に位置させた車両用モータ駆動装置における変速比切換装置。
  2. 前記複数の2ウェイクラッチの、軸方向で隣接する一対の2ウェイクラッチを左右対称の向きとして軸方向で対向し、その対向一対の2ウェイクラッチにおける保持器のそれぞれ外周に周方向溝を設け、前記シフトフォークの先端二股部の内周に、前記周方向溝のそれぞれに挿入される一対の係合突部を設けた請求項1に記載の車両用モータ駆動装置における変速比切換装置。
  3. 前記シフトフォークが、前記平行2軸に平行配置され、前記アクチュエータにより軸方向に移動されるシフトロッドに支持された請求項2に記載の車両用モータ駆動装置における変速比切換装置。
  4. 前記アクチュエータが、シフト用モータからなり、そのシフト用モータの回転をシフトロッドの軸方向への移動に変換する運動変換機構を設けた請求項3に記載の車両用モータ駆動装置における変速比切換装置。
  5. 前記運動変換機構が、前記シフトロッドを中心に回転自在に支持され、前記シフト用モータにより回転されるナット部材の内周に雌ねじを設け、その雌ねじをシフトロッドの外周に形成された雄ねじにねじ係合した構成からなる請求項4に記載の車両用モータ駆動装置における変速比切換装置。
  6. 前記内輪に径方向孔を設け、その径方向孔内に押圧子と、その押圧子を半径方向外方に向けて付勢する弾性部材とを収容し、前記保持器の内径面には、前記押圧子に対する係合によって保持器を中立位置に保持する周方向溝と、前記押圧子による径方向の押圧力を径方向力と保持器が一方のギヤに向けて押圧される軸方向力とに分力するテーパ面を設けた請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両用モータ駆動装置における変速比切換装置。
  7. 前記押圧子が、ボールからなる請求項6に記載の車両用モータ駆動装置における変速比切換装置。
  8. 前記一方のギヤを回転自在に支持する軸受が、ニードル軸受からなる請求項1乃至7のいずれか1項に記載の車両用モータ駆動装置における変速比切換装置。
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