JP2015183036A - 水性塗料組成物及び塗装物の製造方法 - Google Patents

水性塗料組成物及び塗装物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015183036A
JP2015183036A JP2014058594A JP2014058594A JP2015183036A JP 2015183036 A JP2015183036 A JP 2015183036A JP 2014058594 A JP2014058594 A JP 2014058594A JP 2014058594 A JP2014058594 A JP 2014058594A JP 2015183036 A JP2015183036 A JP 2015183036A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating composition
isocyanate
water
acrylic resin
block
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014058594A
Other languages
English (en)
Inventor
隆志 畑中
Takashi Hatanaka
隆志 畑中
彰寛 西村
Akihiro Nishimura
彰寛 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Industrial Coatings Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Industrial Coatings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Industrial Coatings Co Ltd filed Critical Nippon Paint Industrial Coatings Co Ltd
Priority to JP2014058594A priority Critical patent/JP2015183036A/ja
Publication of JP2015183036A publication Critical patent/JP2015183036A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】 良好な塗膜性能を発揮しつつ低温硬化性に優れ、しかも貯蔵安定性にも優れたものであり、また種々の工業塗料における塗装システムに好適に適用することができる水性塗料組成物、それを用いて自動車ボディー等の塗装物を良好な物性を確保して製造することができる方法を提供する。【解決手段】 ブロックイソシアネートを用いた水性塗料組成物であって、上記水性塗料組成物は、アクリル系樹脂分散体を含み、上記ブロックイソシアネートは、ブロック部位と芳香族イソシアネートによるイソシアネート部位とから構成されるものを必須とし、該ブロック部位の解離温度が120〜150℃である水性塗料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、水性塗料組成物及び塗装物の製造方法に関する。より詳しくは、自動車塗装等の工業製品製造における塗装工程に好適に用いられる水性塗料組成物、及び、それを用いた塗装物の製造方法に関する。
水性塗料組成物は、近年、工場等からの揮発性有機化合物(VOC)対策が求められる中、環境対応塗料の一つとして需要が増大していて、それにともなって種々の機能をもつものの開発が盛んに行われている。そのような水性塗料組成物の一つとして、ブロックイソシアネートを硬化剤とするものがあり、現在では工業用塗料として広く用いられ、自動車等の種々の工業製品の製造に欠かすことができないものとなっている。
ブロックイソシアネートは、硬化性反応基としてイソシアネート基を有する硬化剤がブロック剤と結合し、イソシアネート基がいわゆるブロック(マスク)化されたものである。一般に、硬化性樹脂を必須とする主剤と硬化剤とを含む一液型塗料において用いられ、塗装後、焼付け時にブロック剤が解離して硬化(架橋)反応を生じることになる。特に、工業塗料分野における積層塗膜を形成する塗装システム等において、電着、中塗り、ベース、クリヤー等に広く適用されているものである。
一方で、水性塗料組成物を工業用途に適用する場合、一般的に塗装・硬化工程において焼付硬化が行われることになるが、エネルギーコストの削減、いわゆるCO削減のため、工業的に比較的低温で硬化させることができる塗料が求められている。例えば、自動車塗装においては、製造ラインで量産されるボディーの塗装・硬化工程において低温硬化技術が求められ、また、プラスチック塗装系においては、プラスチック材料に対する焼付け温度の制限からもそのような技術が求められている。このようなことから、環境対応とエネルギーコストの削減とを同時に達成することができる塗料技術の開発が注目されているところである。
従来のブロックイソシアネートを用いた樹脂組成物に関して、ブロック化ポリイソシアネート及びバインダーを有する被覆剤において、ポリイソシアネートが少なくとも1つのジイソシアネート構造単位を有し、特定個数の環原子を有する不飽和若しくは芳香族又は非芳香族の環構造を有するものが開示されている(例えば、特許文献1等を参照)。
またオキシム官能基の炭素が少なくとも1個の求電子性官能基を有する、オキシム含有化合物が、イソシアネートに対して作用することにより得ることができる、少なくとも1個のマスク化されたイソシアネート官能基を有する、マスク化されたイソシアネートが開示されている(例えば、特許文献2等を参照)。
これらによれば、ブロック化(マスク化)されたイソシアネートが塗料用硬化剤として有用であり、また、特許文献2においては、制約された時間内で比較的に低い解離温度を有し、かつ、重合技術において受け入れられる解離収率を有するとされている。
特表2002−531611号公報 特表2000−503690号公報
しかしながら、上記先行技術において、特許文献1では、イソシアネートと種々のブロック化剤が開示されていて、低温硬化技術に関する検討はなされていない。
また特許文献2では、イソシアネートをメチルエチルケトキシム(MEKO)でブロックしたときの焼付温度に対して、硬度とメチルエチルケトン(MEK)耐性に関する実施例が示されている。しかし、この先行技術においては、実質的に溶剤系を検討対象としていて、水系塗料に対する実施はなされていない。溶剤系と水系では、硬化剤の塗膜性能等に対する影響が異なるため比較することはできない。例えば、溶剤系の方が塗料の均一性が高く、硬化が均一に進行することは一般的に知られている。硬度とMEK耐性に関して、架橋形成のプロセスは大きく分類して樹脂の分子量増大と三次元架橋構造形成に分けることができる。ここで硬度とMEK耐性は、三次元架橋構造形成の初期段階で満足される項目である。特許文献2の実施例において、硬度400で頭打ちしていることでも示されている。MEK耐性が発現するのは、樹脂が溶解しないレベルで架橋されたときであるので、三次元架橋の初期段階であるということは容易に理解できる。したがって、硬度とMEK耐性を満足することは実用性能を判断する指標にはならず、特に、溶剤系塗料の硬度とMEK耐性が記載されているからといって、これによって水系塗料の実用性を判断する指標にはなり難いと考えられる。
更に、特許文献1も特許文献2もブロック化されたイソシアネートが選択的に特定の塗膜性能に影響することや塗料の貯蔵安定性に関係することは開示されていない。これらの実用性能については、例えば、工業用塗料における塗膜性能として耐衝撃性等が挙げられるが、これは自動車ボディー用等の工業用塗料から形成される塗膜の基本性能の一つとなっている。また充分な貯蔵安定性が満たされないと、経時による粘度上昇、ゲル化の問題を引き起こすことになる。
そして、従来よりも低温で焼付けて硬化させ、また同時に塗膜性能を向上させるためには、比較的低温における焼付け条件であっても硬化反応性を高めることが必要となるが、これと貯蔵安定性とは技術的にトレードオフの関係にあるため、塗膜性能を向上させつつ貯蔵安定性の低下を抑制することは、工業塗料分野における重要な課題の一つであるといえる。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、良好な塗膜性能を発揮しつつ低温硬化性に優れ、しかも貯蔵安定性にも優れたものであり、また種々の工業塗料における塗装システムに好適に適用することができる水性塗料組成物、それを用いて自動車ボディー等の塗装物を良好な物性を確保して製造することができる方法を提供することによって、環境対応とエネルギーコストの削減とともに、優れた塗膜性能を同時に達成することを目的とする。
本発明者らは、ブロックイソシアネートを硬化剤とする水性塗料組成物において、比較的低温で焼付けを行った場合の塗膜性能と貯蔵安定性との関係について種々検討したところ、先ずイソシアネートの骨格が塗膜性能に影響し、脂肪族イソシアネートを用いるよりも芳香族イソシアネートを用いた方が密着性、耐衝撃性といった塗膜の基本性能に優れることに着目した。次いで、イソシアネートのブロック剤が硬化反応性に影響を及ぼすだけではなく、貯蔵安定性にも際立った影響を及ぼし、これを選択的に特定したところ、貯蔵安定性が顕著に向上することを見出した。そして、芳香族イソシアネートに対して、解離温度が特定範囲にあるブロック剤を用いると、トレードオフの関係にある互いの優位点を損なうことなく、塗膜性能と貯蔵安定性とを同時に満たすことができることを見出したものである。これら水性塗料組成物における構成要素と効果との関係は、主剤となる樹脂が特にアクリル系樹脂分散体であるときに発現されることになる。
このように水性塗料組成物における主剤となる樹脂、イソシアネートの骨格及びブロック剤を特定すれば、上記課題をみごとに解決できることに想到し、工業用途等において用いられる塗料組成物において、環境対応とエネルギーコストの削減に加えて、塗膜性能及び安定な工業製品等の生産を可能とする貯蔵安定性を同時に達成できることに到達したものである。
すなわち、本発明は、ブロックイソシアネートを用いた水性塗料組成物であって、上記水性塗料組成物は、アクリル系樹脂分散体を含み、上記ブロックイソシアネートは、ブロック部位と芳香族イソシアネートによるイソシアネート部位とから構成されるものを必須とし、該ブロック部位の解離温度が120〜150℃である水性塗料組成物である。
本発明はまた、上記水性塗料組成物を製造する方法であって、上記水性塗料組成物の製造方法は、ブロックイソシアネートをアクリル系樹脂で分散する分散体調製工程を含む水性塗料組成物の製造方法でもある。
本発明は更に、上記水性塗料組成物を用いて塗装物を製造する方法であって、上記塗装物の製造方法は、水性塗料組成物を被塗物に塗装して塗膜を形成する工程及び該塗膜を硬化する工程を含み、該硬化工程は、120〜160℃の硬化条件にて行う塗装物の製造方法でもある。
本発明の水性塗料組成物における構成要素であるアクリル系樹脂分散体、ブロックイソシアネートを詳述し、次いで水性塗料組成物及びその製造工程、塗装工程、適用用途について説明する。
なお、本発明の発明特定事項の説明とともに、本発明の好ましい形態を示すが、本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
また数値範囲で示した事項について、いくつかの数値範囲がある場合、それらの下限値と上限値とを選択的に組合せて好ましい形態とすることができる。
[アクリル系樹脂分散体]
上記アクリル系樹脂分散体としては、水性塗料組成物において水等の水系媒体にアクリル系樹脂が分散したものであればよく、エマルション、ディスパージョンが好適であり、また、本明細書においては、水等の水系媒体に溶解するとされる水溶性アクリル系樹脂も含むものとする。
なお、上記アクリル系樹脂分散体は、アクリル系樹脂分散体として水性塗料組成物中に添加してもよく、アクリル系樹脂と他の成分とを水系媒体に分散させたものとして水性塗料組成物中に添加してもよい。また、アクリル系樹脂を水性塗料組成物中に分散させることによって分散体を形成してもよい。
上記アクリル系樹脂分散体は、イソシアネートとの硬化反応性を付与するために、水酸基を有するものであることが好ましい。また、塗料及び塗膜における諸特性を発揮させるために、酸基を有するものであることが好ましい。本発明の水性塗料組成物は、アクリル系樹脂分散体が水酸基及び酸基を有するものであり、水酸基価が20〜200mgKOH/g及び酸価が5〜150mgKOH/gであることが特に好ましい。なお、本明細書において、水酸基価及び酸価は、アクリル系樹脂分散体の固形分あたりに換算した値である。
上記酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられるが、塗膜物性等を考慮して、カルボキシル基を必須とすることが好ましい。例えば、水性樹脂におけるすべての酸基を100モル%とすると、50モル%以上がカルボキシル基であることが好ましい、より好ましくは、80モル%以上であり、最も好ましくは、実質的にすべての酸基がカルボキシル基である形態である。
上記アクリル系樹脂分散体の水酸基価は、20〜200mgKOH/gであることが好ましい。上記下限値未満であると、イソシアネートとの硬化反応性において、本発明の課題の一つである低温硬化性が充分なものとはならず、また、塗膜物性が自動車ボディー等の工業塗料分野において要求される基本的特性を満たさなくなるおそれがある。上記上限値を超えると、水酸基が過多になるのにともなって、イソシアネートとの相溶性が低下したり、耐水性等の塗膜物性が低下したりするおそれがある。下限値としては、より好ましくは、30mgKOH/g、更に好ましくは、50mgKOH/gであり、上限値としては、より好ましくは、170mgKOH/g、更に好ましくは、150mgKOH/gである。
上記アクリル系樹脂分散体の酸価は、5〜150mgKOH/gであることが好ましい。上記下限値未満であると、樹脂が充分な水分散性を発現せず、エマルション形成が困難になるおそれがある。上記上限値を超えると、樹脂が高い水溶性を呈するために、エマルション形成が困難になるおそれや、水性塗料組成物における諸特性に影響を与え、また耐水性等の塗膜物性に影響を及ぼし、これらの特性低下をきたすおそれがある。下限値としては、より好ましくは、10mgKOH/g、更に好ましくは、15mgKOH/gであり、上限値としては、より好ましくは、100mgKOH/g、更に好ましくは、80mgKOH/gである。
上記水酸基価及び酸価の調整は、アクリル系樹脂分散体の単量体単位組成を調整することによって、すなわち、アクリル系樹脂分散体を形成する単量体の種類及び単量体成分全体における組成割合を調整することによって行うことができる。
上記アクリル系樹脂分散体はまた、塩基(カチオン性基ともいう)を有するものであってもよく、その場合、酸基及び塩基とともに水酸基を有する形態、塩基とともに水酸基を有する形態等が挙げられる。カチオン性基としては、酸と反応して塩を形成する官能基であればよく、例えば、アミノ基、スルフィド基、ホスフィン基等が挙げられ、中でもアミノ基が好ましい。これらは、カチオン化すると、それぞれアンモニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基を形成する。
上記アクリル系樹脂分散体は、カルボキシル基含有エチレン重合性単量体(A)、水酸基含有エチレン重合性単量体(B)及び必要によりその他のエチレン重合性単量体(C)を含む単量体成分を重合して得られる共重合体であって、これらの単量体成分に(メタ)アクリル系単量体を必須とするアクリル系共重合体を水等の水系媒体に分散又は溶解させたものであることが好ましい。
これによって、塗装性、塗膜間の密着性、物性、外観といった基本特性を充分に発揮させることができる。上記単量体(A)、(B)、(C)はそれぞれ、1種であってもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
なお、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」の用語はそれぞれ、アクリル又はメタクリル、アクリレート又はメタクリレートを意味し、「アクリル系」の用語は、アクリル及び/又はメタクリル系単量体単位を有することを意味するものである。
上記カルボキシル基含有エチレン重合性単量体(A)としては特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸二量体、クロトン酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、イソクロトン酸、α−ハイドロ−ω−((1−オキソ−2−プロペニル)オキシ)ポリ(オキシ(1−オキソ−1,6−ヘキサンジイル))、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、3−ビニルサリチル酸、3−ビニルアセチルサリチル酸等が挙げられる。
上記水酸基含有エチレン重合性単量体(B)としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有(メタ)アクリルエステル、これらとε−カプロラクトンとの付加生成物等が挙げられる。
上記アクリル系樹脂分散体がカチオン性基を有する場合、特にカチオン性基としてアミノ基を有する場合は、オキシラン環を有する単量体成分によって形成される単量体単位にアミン化合物を反応させたり、アミノ基を有する単量体を重合させたりすることによって調製することができる。
上記オキシラン環を有する単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する単量体等を用いればよく、上記アミン化合物としては、一級アミン、二級アミン、三級アミン等を用いればよい。また、アミノ基を有する単量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記その他のエチレン重合性単量体(C)としては特に限定されず、例えば、エステル部の炭素数3以上の(メタ)アクリル酸エステルとして、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニル、(メタ)アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニル等;重合性アミド化合物として、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチル(メタ)アクリルアミド、N−モノブチル(メタ)アクリルアミド、N−モノオクチル(メタ)アクリルアミド、2,4−ジヒドロキシ−4′−ビニルベンゾフェノン、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド等;重合性芳香族化合物として、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルケトン、t−ブチルスチレン、パラクロロスチレン、ビニルナフタレン等;重合性ニトリルとして、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等;α−オレフィンとして、エチレン、プロピレン等;ビニルエステルとして、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等;ジエンとして、ブタジエン、イソプレン等;アリルアルコール、メタクリルアルコールを挙げることができる。
上記アクリル系樹脂分散体を構成する単量体成分の重合方法としては、乳化重合、懸濁重合、溶液重合−転相(乳化)等の手法が挙げられる。例えば乳化重合であれば、単量体成分、ラジカル重合開始剤及び乳化剤を水等からなる水系媒体中に仕込み、又は、いずれかの一部又は全部を滴下して、撹拌下加熱することによって実施することができる。具体的には、水と乳化剤を仕込んだ反応容器に単量体成分又は単量体成分のプレ乳化液を一括添加したり滴下したりすることによって調製することができる。反応条件は、水性塗料用のアクリル樹脂エマルションの調製における通常の反応温度(例えば、30〜100℃程度)、反応時間(例えば、1〜10時間程度)とすればよい。またラジカル重合開始剤、乳化剤の種類や配合量も適宜設定すればよく、また必要に応じて連鎖移動剤等の助剤を用いてもよく、特に限定されるものではない。
また溶液重合−転相の場合、溶液重合で合成したアクリル系樹脂を水転相させたり、水分散させてアクリルディスパージョン系としたりすればよく、このような形態は本発明の好ましい実施形態である。
上記アクリル系樹脂分散体の数平均分子量は、800〜50000であることが好ましい。上記下限値未満であると、乳化させることが困難となる。上記上限値を超えると、樹脂溶液の粘度制御が難しく合成が困難であり、得られた樹脂の乳化分散等の操作上ハンドリングが困難となるおそれがある。下限値としては、より好ましくは、1000である。上限値としては、より好ましくは、20000である。
上記アクリル系樹脂分散体におけるガラス転移温度(Tg)としては、好ましくは、−20℃〜70℃とすればよい。Tgが上記範囲内であると、塗膜の密着性等の諸種の物性を好適なものとすることができる。より好ましくは、−10℃〜60℃である。
上記アクリル系樹脂分散体の樹脂固形分としては、製造上や取扱い性等の観点から、通常用いられる範囲で設定すればよく、水系媒体を含む樹脂分散体全体を100質量%とすると、20〜60質量%であることが好ましい。
上記アクリル系樹脂分散体は、中和されたものであることが好ましく、具体的にはアクリル系樹脂分散体に対する中和率が20〜200%であることが好ましい。すなわち、アクリル系樹脂分散体における酸基量を100モル%とすると、それに対して20〜200モル%の塩基量となるように塩基で中和し、アクリル系樹脂分散体における塩基量を100モル%とすると、それに対して20〜200モル%の酸基量となるように酸で中和されることが好ましい。これによって、アクリル系樹脂分散体の水系媒体中における安定性を保つことができる。下限値としては、より好ましくは、30%である。上限値としては、より好ましくは、150%である。
[ブロックイソシアネート]
上記ブロックイソシアネートは、ブロック部位と芳香族イソシアネートによるイソシアネート部位とから構成されるものを必須とし、該ブロック部位の解離温度が120〜150℃である。本明細書中において、必須成分となる上記ブロックイソシアネートのことを、上記解離温度を有するブロックイソシアネートともいう。
上記ブロック部位は、ブロック剤の反応性基を芳香族イソシアネートのイソシアネート基と反応させ、ブロック剤と芳香族イソシアネートとを結合させることによって形成することができる。ブロック部位は、該ブロック剤に由来する部位であり、イソシアネート部位は、該芳香族イソシアネートに由来する部位である。すなわち、−NHCO−の結合を介してブロック剤における反応性基の残基部分が結合した構造となり、ブロック剤における残基部分を含むブロック剤由来の部分がブロック部位、−NHCO−結合を含む芳香族イソシアネートからなる部分がイソシアネート部位となる。
上記解離温度を有するブロックイソシアネートにおいて、すべてのイソシアネート部位のモル数に対するブロック部位のモル数の割合、すなわちブロック化率については、通常、実質的に100%となるようにすることが好ましい。
上記解離温度は、ブロック剤からなるブロック部位と芳香族イソシアネートからなるイソシアネート部位との組合せによって決まるものである。上記解離温度が120℃未満であると、貯蔵安定性が充分でなく、150℃を超えると、150℃以下の低温で焼き付けたときに塗膜の耐衝撃性、密着性が充分でない。解離温度の好ましい下限値は、130℃であり、より好ましい下限値は、135℃である。解離温度の好ましい上限値は、140℃である。
上記ブロックイソシアネートは、解離温度以上になると、ブロック部位とイソシアネート部位とが解離し、芳香族イソシアネートがアクリル系樹脂分散体との硬化反応を開始することになる。このため、解離温度は、通常の昇温条件であれば、水性塗料組成物の硬化開始温度と実質的に同じ温度であるとみなすことができる。本発明においては、該硬化開始温度をブロック部位の解離温度としたものである。
上記解離温度の決定方法としては、例えば、水性塗料組成物の焼付け前の未硬化塗膜を作製し、剛体振子自由減衰振動法(Free Damped Oscillation Method)によって硬化開始温度を測定する方法が好適である。
上記剛体振子自由減衰振動法は、AND社製のPRT−3000W(商品名)にて測定することができる。測定条件及び解離温度(硬化開始温度)の決定については、測定用鉄板に2ミルドクターブレードにて塗料を塗布し、30分間かけ、25℃から170℃に一定速度で昇温し、剛体振子自由減衰振動法(剛体振子名:FRB−300(商品名)、エッジ:RBE−160(商品名))にて周期が減衰し始める温度を解離温度(硬化開始温度)とすればよい。
上記ブロックイソシアネートに用いられる芳香族イソシアネートとしては、通常、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートが用いられ、好ましくは、ベンゼン環に直接イソシアネート基が結合した構造を有するものである。そのような芳香族イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
これら芳香族イソシアネートは、特定のブロック剤と組合せて用いることにより、優れた低温硬化性を発揮できるものである。
上記解離温度を有するブロックイソシアネートを形成するブロック剤の好ましい形態としては、窒素原子に活性化水素又は水酸基が結合した化合物から形成されたものである。すなわち、窒素原子に活性化水素又は水酸基が結合した基を反応性基とする化合物がブロック剤となり、イソシアネートと結合してブロック部位を形成した形態である。ブロック剤における反応性基がイソシアネート基と反応し、該反応性基における活性化水素又は水酸基における水素原子が脱離して、−NHCO−の結合を生成する。
上記窒素原子に活性化水素又は水酸基が結合した化合物としては、該活性化水素又は水酸基がイソシアネート基と反応する低分子化合物であり、それによって形成されるブロック部位が上記解離温度を有することになるものであればよい。また、塗料用硬化剤として、好ましくは後述する硬化温度で使用できる硬化剤として好適なブロックイソシアネートを生成するものであればよい。
上記ブロック部位の好ましい形態としてはまた、(1)オキシム類から形成されたものである形態、(2)ピラゾール類から形成されたものである形態、(3)第二級アミンから形成されたものである形態であり、これらのいずれか又は2種若しくは3種すべてを含んだ形態とすることができる。すなわち、上記ブロック部位は、オキシム類、ピラゾール類及び第二級アミンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの化合物は、上記窒素原子に活性化水素又は水酸基が結合した化合物に該当するものである。
オキシム類は、窒素原子に結合した水酸基における活性化水素が反応してイソシアネートをブロックすることができ、ピラゾール類及び第二級アミンは、窒素原子に結合した活性化水素が反応してイソシアネートをブロックすることができる。このようにブロック部位を形成する化合物を特定することにより、本発明の作用効果である低温硬化性及び貯蔵安定性をより効果的に発揮することができる。
上記オキシム類、ピラゾール類、第二級アミンの好ましい化学式を示すと、それぞれ下記(1)、(2)、(3)のようになる。
Figure 2015183036
上記式中、化学式(1)におけるR、R、化学式(2)におけるR、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表し、化学式(3)におけるR、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。上記炭化水素基は、直鎖、分岐を有する形態、環状構造を含む形態のいずれであってもよく、置換基を有していてもよい。また上記炭化水素基同士が結合して環状構造となっていてもよい。上記炭化水素基は、炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。
上記オキシム類、ピラゾール類、第二級アミンの好ましい化合物名を例示すれば次のようになる。すなわち、上記オキシム類としては、ジメチルケトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、メチルアミルケトオキシム、アセトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム等が挙げられる。上記ピラゾール類としては、ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール等が挙げられる。上記第二級アミンとしては、ジイソプロピルアミン、N−メチルアニリン、ジフェニルアミン、カルバゾール、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−ブチルアミン)、ジ(t−ブチル)アミン、ジシクロヘキシルアミン、N−t−ブチルシクロヘキシルアミン、2−メチルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
上記水性塗料組成物において、ブロックイソシアネートは、1種のみ用いられてもよいし、2種以上が併用されていてもよく、2種以上が併用される場合は、それらのうちの少なくとも1種が上記解離温度を有するブロックイソシアネートであればよい。2種以上が併用される場合の上記解離温度は、上述した解離温度の測定において、当該2種以上のブロックイソシアネートを使用する割合で混合したものが示す解離温度となる。
上記2種以上が併用される場合を例示すれば、ブロック部位が異なる2種以上を併用する形態、イソシアネート部位が異なる2種以上を併用する形態、ブロック部位もイソシアネート部位も異なる2種以上を併用する形態が挙げられる。この中で、ブロック部位が異なる2種以上を併用する形態の場合、ブロックイソシアネートを単独で測定したときに解離温度が上記範囲内にあるブロック部位を有するイソシアネートと、解離温度が上記範囲外であるブロック部位を有するイソシアネートとを混合して用いてもよい。このような混合物におけるブロック部位の解離温度は、該混合物が示す解離温度となる。
このように、イソシアネート、そのブロック剤は、1種のみ用いられてもよいし、2種以上が併用されていてもよいことから、上述したこれらの化合物の例示においても、1種又は2種以上を選択して用いることができる。
上記ブロックイソシアネートの好ましい形態の一つとしては、解離温度が120〜150℃であるブロック部位として異なる2種以上を併用したものである。すなわち、ブロックイソシアネートを単独で測定したときに解離温度が上記範囲内にあるブロック部位を有するイソシアネートを2種以上併用したものは、本発明における好ましい実施形態の一つである。これにより、ブロック部位の特性を考慮してブロックイソシアネートの解離温度や水性塗料組成物から形成される塗膜の性能を調整することができる。
この場合、2種のブロックイソシアネートの混合物が示すブロック部位の解離温度は、上記範囲内となる。2種以上のブロックイソシアネートの配合割合としては、例えば、2種のブロックイソシアネートを併用する場合、両者の特性が発揮されるように、1種当たりの配合割合として、30〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。
[水性塗料組成物]
上記水性塗料組成物において、アクリル系樹脂分散体とブロックイソシアネートとの組成比としては、ブロックイソシアネートが有するイソシアネート部位とアクリル系樹脂分散体が有する水酸基とのモル比が、0.2〜2.0(イソシアネート部位/水酸基)となるようにすることが好ましい。実質的にそのような範囲にすればよく、本発明の効果の発現に支障をきたさなければ、工業塗料分野において許容されている誤差範囲で前後してもよい。これにより、耐衝撃性等の塗膜性能に優れ、また貯蔵安定性も充分に確保することができる。より好ましくは、0.5〜1.5である。
上記水性塗料組成物の好ましい実施形態においては、ブロックイソシアネートをアクリル系樹脂で分散したブロックイソシアネートのアクリル系樹脂ディスパージョン(AcBI)を含む形態であることが好ましい。その場合、AcBIの水系媒体分散体として含むことが好適である。アクリル系樹脂(Ac)とブロックイソシアネート(BI)との質量比率(Ac/BI)としては、固形分換算において、0.01〜5が好ましく、より好ましくは、0.1〜3である。Ac/BIが低い値の場合には、アクリル系樹脂が相対的に少ないことから、安定な分散体を得ることが困難であるおそれや、十分な架橋構造を形成しないために耐衝撃性等の塗膜性能を成立させるのが困難であるおそれがある。Ac/BIが高い値の場合には、ブロックイソシアネートが相対的に少ないことから、十分な架橋構造を形成しないために耐衝撃性等の塗膜性能を成立させるのが困難であるおそれがある。
上記ブロックイソシアネートのアクリル系樹脂ディスパージョン(AcBI)は、中和されたものであることが好ましく、具体的にはアクリル系樹脂に対する中和率が20〜200%であることが好ましい。すなわち、アクリル系樹脂における酸基量を100モル%とすると、それに対して20〜200モル%の塩基量となるように塩基で中和し、アクリル系樹脂における塩基量を100モル%とすると、それに対して20〜200モル%の酸基量となるように酸で中和されることが好ましい。これによって、ブロックイソシアネートのアクリル系樹脂ディスパージョン(AcBI)の水系媒体中における安定性を保つことができる。下限値としては、より好ましくは、30%である。上限値としては、より好ましくは、150%である。
上述した中和に用いられる塩基としては特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の無機塩基;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン化合物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上述した中和に用いられる酸としては特に限定されず、例えば、ギ酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、ホウ酸、酪酸、ジメチロールプロピオン酸、塩酸、硫酸、リン酸、N−アセチルグリシン、N−アセチル−β−アラニン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記水性塗料組成物は、必要に応じて、顔料、表面調整剤(消泡剤、レベリング剤等)、顔料分散剤、可塑剤、造膜助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、静電助剤、熱安定剤、光安定剤、中和剤、その他の添加剤を含有してもよい。上記水性塗料組成物が塗料として用いられる場合、顔料含有率としては、適用用途に応じて通常設定される範囲とすればよい。
[水性塗料組成物の製造工程]
上記水性塗料組成物の製造における好ましい実施形態としては、(1)ブロックイソシアネート合成工程、(2)アクリル系樹脂合成工程、(3)ブロックイソシアネートのアクリル系樹脂ディスパージョン(AcBI)調製工程、(4)アクリル系樹脂分散体の調製工程、(5)顔料分散体調製工程、(6)水性塗料組成物調製工程の各工程を実施することによって行われる。
上記ブロックイソシアネートのアクリル系樹脂ディスパージョン(AcBI)調製工程は、ブロックイソシアネートをアクリル系樹脂で分散する分散体調製工程であり、このような工程を含む水性塗料組成物の製造工程は、本発明における好ましい実施形態の一つである。また顔料を含有する水性塗料組成物を調製する場合(顔料分散工程を含む場合)、通常では、ブロックイソシアネートのアクリル系樹脂ディスパージョン(AcBI)調製工程と顔料分散体調製工程とを分けて実施されることになる。
上記各工程において、(1)ブロックイソシアネート合成工程においては、上述したブロック剤と芳香族イソシアネートとを当業者において通常用いられる方法及び条件によって反応させることにより行うことができる。例えば、イソシアネート基と活性水素との反応を促進する触媒を用い、所定の反応温度にてイソシアネートにブロック剤を滴下することによって行うことができる。(2)アクリル系樹脂合成工程においては、上述した各種単量体とラジカル開始剤を用いて重合操作を行えばよい。(3)ブロックイソシアネートのアクリル系樹脂ディスパージョン(AcBI)調製工程においては、ブロックイソシアネートとアクリル系樹脂を混合し中和してこれらの分散体を調製すればよい。この際、ブロックイソシアネートとアクリル系樹脂を混合し、中和した後に水系媒体を滴下等により混合してAcBIの水系媒体分散体を調製することが好ましい。(4)アクリル系樹脂分散体の調製工程においては、アクリル系樹脂を中和して分散体を調製する。この際、アクリル系樹脂を中和した後に水系媒体を滴下等により混合して水系媒体分散体を調製することが好ましい。(5)顔料分散体調製工程においては、顔料、アクリル系樹脂分散体及び水系媒体を混合し、分散機を用いて顔料分散体を調製する。(6)水性塗料組成物調製工程においては、ブロックイソシアネートとアクリル系樹脂の分散体と、顔料分散体とを混合して水性塗料組成物を調製し、粘度調整等を行う工程である。
[塗装・硬化工程]
本発明の水性塗料組成物を用いて塗装物を製造するにあたっては、通常では、水性塗料組成物を塗装して塗膜を形成する工程(塗装工程)及び該塗膜を硬化する工程(硬化工程)をこの順に行うことになる。塗装工程及び硬化工程はそれぞれ、複数回行ってもよいが、積層塗膜を形成する場合は、塗装工程を複数回行った後に硬化工程を行ってもよい。
上記塗装工程においては、適用用途、塗装方法等に応じて水性塗料組成物の粘度等を調整し、当業者において通常用いられるエアースプレー、エアレススプレー、静電塗装等の塗装方法を用いて、被塗物上に未硬化の塗膜を形成することができる。
上記硬化工程においては、120〜160℃の低温硬化条件にて焼付けを行うことが好ましく、このような形態は本発明における好ましい実施形態の一つである。120℃未満であると、充分な架橋密度の塗膜を形成することができず、塗膜物性が低下するおそれがある。160℃を超えると、本発明の水性塗料組成物による効果が充分に得られないおそれがある。硬化温度を上記範囲内とすることによって、本発明の水性塗料組成物の利点である低温硬化性を生かして、塗装に要するエネルギーコストやCOの削減を達成することができる。上記硬化温度の上限値としては、好ましくは150℃である。
上記硬化工程における加熱時間としては、硬化温度等の塗装条件に応じて適宜設定することができるが、好ましくは10〜30分である。
[適用用途]
本発明の水性塗料組成物の適用用途としては、例えば、自動車ボディー、産業機械、建設機械、家具・物置等の屋内外設置物、その他の工業製品等に用いられる工業塗料分野への適用が好適である。塗装される基材としては、金属素材の他、プラスチック素材等に対しても適用できる。上記金属素材としては、鉄板、鋼板、アルミニウム板等が挙げられる。
水性塗料組成物が塗装される被塗物としては、これらの素材に化成処理等の表面処理又は塗装が施された鋼板を用いることができる。化成処理鋼板としては、リン酸亜鉛処理、ジルコニウム処理、クロメート処理等の化成処理鋼板を用いることができる。水性塗料組成物が中塗り、上塗り又は上塗りクリヤー塗料として用いられる場合、塗装鋼板としてはそれぞれ、上記化成処理鋼板等に、電着、中塗り又は上塗り塗料が塗装された鋼板を用いることができる。本発明の好ましい実施形態としては、上記被塗物が、化成処理鋼板又は塗装鋼板である形態であり、より好ましくは、リン酸亜鉛処理鋼板又は該鋼板に塗装が施された鋼板である。リン酸亜鉛処理鋼板上に本発明の水性塗料組成物からなる塗膜を形成した場合には、優れた密着性と防錆性を発揮させることができる。
本発明の水性塗料組成物は、上述の構成よりなり、低温硬化性に優れ、しかも貯蔵安定性にも優れたものであるため、種々の工業塗料における塗装システムに好適に用いられ、低温硬化を実現することができる。
また、本発明の塗装物の製造方法は、本発明の水性塗料組成物を用いて低温硬化を行うものであるので、エネルギーコストやCOの削減に寄与することができ、また、優れた塗膜性能を同時に達成することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
実施例における数平均分子量の測定は、以下のGPCシステム測定条件で測定した値である。
装置:東ソー社製HLC−8220 GPC
カラム:Shodex KF−606M、KF−603
流速:0.6ml/min
検出器:RI、UV254nm
移動層:テトラヒドロフラン
標準サンプル:TSK STANDARD POLYSTYRENE(東ソー社製)、A−500、A−2500、F−1、F−4、F−20、F−80、F−700、1−フェニルヘキサン(アルドリッチ社製)
<実施例1>
(ステップ1:ブロックイソシアネートの合成)
芳香族イソシアネートとしてジフェニルメタンジイソシアネートのプレポリマー(住化バイエルウレタン社製、「スミジュールE−21−2」;イソシアネート基(NCO基)含有率9.0%、NCO当量467)100部、ジブチルジグリコール(DBDG)39部、錫触媒(日東化成社製、「TVS♯Tin Lau」)0.022部を、フラスコ(コルベン)に入れ、混合した。本実施例におけるイソシアネート基と水酸基とのモル比(NCO基/OH基)は1.32であった。この混合物を70℃まで昇温した後、ブロック剤としてメチルエチルケトンオキシム100部を120分間かけて等速で滴下した。滴下中、反応液が70〜75℃の範囲内に保たれるように制御した。滴下完了後には、反応液を30分間エージング(放置・熟成)した。エージング後の反応液について、ジブチルアミンを用いた滴定法により求めたNCO当量、及び赤外吸収スペクトルを測定したときの2270cm−1付近のNCO基由来のピークが消失していたことに基づき、NCO基がブロックされたことを確認した。続いて、60℃以下になった反応液にメタノール2部を加えた。室温まで冷却した後、得られたブロックイソシアネートをフラスコから取り出した。
(ステップ2:アクリル系樹脂の合成)
スチレン(ST)28.53部、アクリル酸n−ブチル(NBA)27.34部、メタクリル酸n−ブチル(NBMA)19.45部、ヒドロキシエチルメタアクリレート(HEMA)16.24部、メタクリル酸(MAA)8.44部を混合し、モノマーの混合液を準備した。フラスコに、メチルプロピレンジグリコール(MFDG)22.5部を入れ、140℃に昇温し、窒素バブリングした。続いて、140℃に保ったMFDG中に、モノマーの混合液100部、ラジカル重合開始剤としての(2−エチルヘキサノイル)(tert−ブチル)ぺルオキシド(化薬アクゾ社製、「カヤエステルO」)7部を、180分間かけて等速で滴下した。滴下完了後には反応液を30分間エージングして冷却し、得られたアクリル系樹脂をフラスコから取り出した。得られたアクリル系樹脂は、水酸基価が70mgKOH/g、酸価が55mgKOH/g、数平均分子量が5,000であった。
(ステップ3:ディスパージョンの作製)
ステップ1で得られたブロックイソシアネート100部、ステップ2で得られたアクリル系樹脂100部を混合し、5分間攪拌した後、中和用アミンとしてジメチルエタノールアミン(DMEA)3.3部を加え、更に5分間攪拌してアクリル系樹脂のカルボン酸を100%中和した。続いて、蒸留水250部を10分間かけて等速で滴下した。更に10分間攪拌してブロックイソシアネートのアクリルディスパージョン(AcBI)を得た。
(ステップ4:アクリル系樹脂水分散体の作製)
ステップ2で得られたアクリル系樹脂100部に対し、中和用アミンとしてDMEA3.3部を加え、5分間攪拌した。続いて、蒸留水73部を10分間かけて等速で滴下した。更に10分間攪拌してアクリル系樹脂水分散体を得た。
(ステップ5:顔料分散体の作製)
ステップ4で得られたアクリル系樹脂水分散体44部に対し、白顔料としての酸化チタン(石原産業社製、「CR−97」)100部と、蒸留水69部とを加え、10分間攪拌した。その後、ガラスビーズを水分散体の全量に対して80%となる量で加え、周速8m/sの攪拌速度で60分間攪拌した。攪拌後、ガラスビーズを濾過し、顔料分散体を得た。
(ステップ6:塗料の作製)
ステップ3で得られたAcBI49部、ステップ5で得られた顔料分散体100部、2−エチル−1−ヘキサノール(2EHOH)5部を加え、10分間攪拌することによって塗料を作製した。
(ステップ7:塗装)
ステップ6で得られた塗料を25℃に調整してから、蒸留水を添加し、更に高速分散機(プライミクス社製、「ホモディスパー」)を用いて1000rpmにて1分間攪拌を実施することによって、フォードカップ♯4に準じる粘度カップNK−2(アネスト岩田社製)で測定したときに40秒となるように粘度調整した。この塗料を用いて温度35℃、湿度35%の環境下で静電塗装した。塗装後10分間静置し、140℃で20分間焼き付けを行うことにより、塗膜を形成した。
<実施例2〜6、比較例1〜6>
ステップ1で使用したイソシアネートプレポリマーの種類、ブロック剤の種類、焼付け温度を下記表1のように変更したことを除いて、実施例1と同様にして塗料を作製し、塗装を行った。実施例3、6及び比較例5では、2種類のブロック剤を併用し、各ブロック剤の使用量は50部ずつとした。また、比較例3では、比較例2と同じ塗料を用い、焼付け温度を160℃に変更した。
Figure 2015183036
表1中、MDIは、ジフェニルメタンジイソシアネートを表し、TDIは、トリエンジイソシアネートを表し、HDIは、ヘキサメチレンジイソシアネートを表す。また、MEKOは、メチルエチルケトオキシムを表し、DiPAは、ジイソプロピルアミンを表し、DMPは、3,5−ジメチルピラゾールを表し、DEMAは、マロン酸ジエチルを表し、ε−CLは、ε−カプロラクタムを表す。
<評価試験>
実施例1〜6、比較例1〜6で得られた塗膜の物性について下記の評価試験を行った。なお、試験に用いる塗膜は、厚さ40μmとした。下記表2に試験結果をまとめて示す。
(硬化開始温度)
ステップ7で作製した静電塗装後、焼付け前の未硬化塗膜について、AND社製のPRT−3000W(商品名)を用いて、剛体振子自由減衰振動法によって硬化開始温度を測定した。
測定条件及び硬化開始温度の決定については、測定用鉄板に2ミルドクターブレードにて塗料を塗布し、30分間かけ、25℃から170℃に一定速度で昇温し、剛体振子(商品名:FRB−300)によってエッジ(商品名:RBE−160)を介して未硬化塗膜に振動を与え、得られた剛体振子の自由減衰振動データから周期が減衰し始める温度を求め、硬化開始温度とした。
(密着性)
JIS−K−5600−5−6(クロスカット法)に準拠し、次のようにして試験を行った。まず、試験片に鋭利な刃物で刃が金属素地に達するように1mm間隔で相互に直交するように、けがき線を11本ずつ引き、1×1mmの升目を100個作った。そして、JIS Z 1522に規定された粘着テープを貼付した後、すぐに剥離し、100個の枡目について塗膜の剥がれの有無を確認した。試験結果は、剥がれが発生しなかった良品の数に基づき、以下の基準で判定した。
A:100個のいずれにも欠けも見られず
B:100個、縁に欠けが見られた
C:99〜80個(1〜20個において、剥がれが見られた)
D:79〜51個(21〜49個において、剥がれが見られた)
E:50〜0個(50個以上において、剥がれが見られた)
(耐アンモニア性)
JIS−A−1531に準拠し、次のようにして試験を行った。まず、試験片に直径25mmの円状にカットしたWHATMAN社製の定性濾紙グレード3を2枚重ね、10%アンモニア水を0.4g染み込ませた。23℃で6時間静置後、試験片を純水で洗浄した。更に24時間経過後に、塗膜の状態を観察した。試験結果は、JIS K 5600−8−2に基づき、以下の基準で判定した。
A:異常なし
B:膨れの量(密度)の等級2以下の軽度の異常あり
C:膨れの量(密度)の等級3の異常あり
D:膨れの量(密度)の等級4の異常あり
E:膨れの量(密度)の等級5以上の重度の異常あり
(耐衝撃性)
JIS−K−5600−5−3(耐おもり落下性試験)に準拠し、次のようにして試験を行った。試験の種類は、デュポン式を採用し、直径1/2インチの撃ち型と受け台を用い、500gの重りを、15〜30cmの間で5cmごとに高さを変えて、塗膜の上に落とし、それぞれ衝撃面における塗膜の割れ、剥がれの有無を確認した。試験結果は、塗膜の割れ、剥がれが生じなかった重りの高さに基づき、以下の基準で判定した。
A:30cm以上
B:25cm
C:20cm
D:15cm
E:10cm
(耐湿性)
JIS−5600−7−2(連続結露法)に準拠し、50℃、95%RH以上の環境に塗膜を96時間放置し、膨れ、素地の錆の発生の有無について外観確認を実施した。外観確認の結果は、JIS K 5600−8−2に基づき、以下の基準で判定した。
A:異常なし
B:膨れの量(密度)の等級2以下の軽度の異常あり
C:膨れの量(密度)の等級3の異常あり
D:膨れの量(密度)の等級4の異常あり
E:膨れの量(密度)の等級5以上又はその他の重度の異常あり
続いて、25℃にて24時間乾燥後、上述した密着性試験についても実施した。
耐湿性の評価は、外観確認の結果と密着性試験の結果のうち、低い評価となった方を採用した。
(貯蔵安定性)
40℃の恒温室で6週間保管し、貯蔵前後の塗料をスプレー塗装し、塗膜性能の変化(塗膜外観の低下、耐湿性の低下等)を確認した。試験結果は、以下の基準で判定した。
A:塗膜性能に差異なし
B:塗膜性能が若干低下
C:塗膜性能が少し低下
D:塗膜性能が低下
E:塗膜性能が著しく低下
Figure 2015183036
上記表2に示した試験結果から、以下のことが分かる。
芳香族イソシアネートを用いた実施例1〜6はいずれも、焼付け条件が従来よりも低温の140℃であったにも関わらず、耐衝撃性が最も高い評価となっており、低温硬化性に優れていることが確認された。一方、脂肪族イソシアネートを用いた比較例1及び2は、耐衝撃性が顕著に劣る結果となっていた。また、比較例2の塗料と同じ塗料を、160℃で焼付けた比較例3では、耐衝撃性が顕著に改善された。これらの結果から、芳香族イソシアネートを用いることで低温硬化性が向上し、140℃で充分に硬化させることができることが分かった。
また、芳香族イソシアネートを用いた場合であっても、ブロック剤としてマロン酸ジエチル(DEMA)を用いた比較例4、5は、硬化開始温度が低く、貯蔵安定性が顕著に劣っていた。一方、ブロック剤としてε−カプロラクタム(ε−CL)を用いた比較例6は、硬化開始温度が高く、耐アンモニア性及び耐衝撃性が顕著に劣っていた。これらの結果から、芳香族イソシアネートに対して、解離温度が適当な範囲内にあるブロック剤を選定しなければ、貯蔵安定性、耐アンモニア性及び耐衝撃性のすべてに優れた塗膜を得ることができないことが分かった。
これに対して、ブロック剤としてメチルエチルケトンオキシム(MEKO)を用いた実施例1、3及び6は、すべての試験において良好な結果であり、特にMEKOのみをブロック剤として用いた実施例1が最も良い結果であった。MEKOを用いた実施例と比べると、ブロック剤としてジイソプロピルアミン(DiPA)のみを用いた実施例2及び4は、耐湿性が低い結果となり、ブロック剤として3,5−ジメチルピラゾール(DMP)のみを用いた実施例5は、耐湿性が低いことに加えて、密着性が若干低い結果となった。
以上の実施例、比較例から、アクリル系樹脂分散体とブロックイソシアネートを含む水性塗料組成物において、芳香族イソシアネートと特定範囲内の解離温度を有するブロック部位との特有の組合せとすることによって、従来よりも低温硬化条件において充分に硬化(架橋)反応させて耐衝撃性に優れたものとし、しかも貯蔵安定性に優れたものにできるとの本発明の技術的意義が充分に裏付けられたものといえる。

Claims (11)

  1. ブロックイソシアネートを用いた水性塗料組成物であって、
    該水性塗料組成物は、アクリル系樹脂分散体を含み、
    該ブロックイソシアネートは、ブロック部位と芳香族イソシアネートによるイソシアネート部位とから構成されるものを必須とし、該ブロック部位の解離温度が120〜150℃である
    ことを特徴とする水性塗料組成物。
  2. 前記ブロック部位は、窒素原子に活性化水素又は水酸基が結合した化合物から形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物。
  3. 前記ブロック部位は、オキシム類から形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性塗料組成物。
  4. 前記ブロック部位は、ピラゾール類から形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性塗料組成物。
  5. 前記ブロック部位は、第二級アミンから形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性塗料組成物。
  6. 前記ブロックイソシアネートは、解離温度が120〜150℃であるブロック部位として異なる2種以上を併用したものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水性塗料組成物。
  7. 前記水性塗料組成物は、前記アクリル系樹脂分散体が水酸基を有するものであり、前記ブロックイソシアネートのイソシアネート部位と前記水酸基とのモル比(イソシアネート部位/水酸基)が0.2〜2.0であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水性塗料組成物。
  8. 前記水性塗料組成物は、前記アクリル系樹脂分散体が水酸基及び酸基を有するものであり、水酸基価が20〜200mgKOH/g及び酸価が5〜150mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の水性塗料組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の水性塗料組成物を製造する方法であって、
    該水性塗料組成物の製造方法は、ブロックイソシアネートをアクリル系樹脂で分散する分散体調製工程を含むことを特徴とする水性塗料組成物の製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の水性塗料組成物を用いて塗装物を製造する方法であって、
    該塗装物の製造方法は、水性塗料組成物を被塗物に塗装して塗膜を形成する工程及び該塗膜を硬化する工程を含み、該硬化工程は、120〜160℃の硬化条件にて行うことを特徴とする塗装物の製造方法。
  11. 前記被塗物は、化成処理鋼板又は塗装鋼板であることを特徴とする請求項10に記載の塗装物の製造方法。
JP2014058594A 2014-03-20 2014-03-20 水性塗料組成物及び塗装物の製造方法 Pending JP2015183036A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014058594A JP2015183036A (ja) 2014-03-20 2014-03-20 水性塗料組成物及び塗装物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014058594A JP2015183036A (ja) 2014-03-20 2014-03-20 水性塗料組成物及び塗装物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015183036A true JP2015183036A (ja) 2015-10-22

Family

ID=54349971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014058594A Pending JP2015183036A (ja) 2014-03-20 2014-03-20 水性塗料組成物及び塗装物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015183036A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6775714B1 (ja) * 2019-02-08 2020-10-28 関西ペイント株式会社 水性塗料組成物
JP2021011525A (ja) * 2019-07-04 2021-02-04 サンスター技研株式会社 低温硬化型プラスチゾル組成物

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4938115B1 (ja) * 1970-12-29 1974-10-15
JPH01167376A (ja) * 1987-11-21 1989-07-03 Huels Ag 一成分系−pur−焼き付け塗料の製造方法
JPH0211669A (ja) * 1988-06-28 1990-01-16 Shinto Paint Co Ltd カチオン電着塗料組成物
JPH06122752A (ja) * 1992-10-09 1994-05-06 Kansai Paint Co Ltd 水分散樹脂組成物
JP2005314441A (ja) * 2004-04-26 2005-11-10 Sanyo Chem Ind Ltd 接着性付与剤
JP2010254976A (ja) * 2009-03-30 2010-11-11 Sanyo Chem Ind Ltd カチオン電着塗料組成物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4938115B1 (ja) * 1970-12-29 1974-10-15
JPH01167376A (ja) * 1987-11-21 1989-07-03 Huels Ag 一成分系−pur−焼き付け塗料の製造方法
JPH0211669A (ja) * 1988-06-28 1990-01-16 Shinto Paint Co Ltd カチオン電着塗料組成物
JPH06122752A (ja) * 1992-10-09 1994-05-06 Kansai Paint Co Ltd 水分散樹脂組成物
JP2005314441A (ja) * 2004-04-26 2005-11-10 Sanyo Chem Ind Ltd 接着性付与剤
JP2010254976A (ja) * 2009-03-30 2010-11-11 Sanyo Chem Ind Ltd カチオン電着塗料組成物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6775714B1 (ja) * 2019-02-08 2020-10-28 関西ペイント株式会社 水性塗料組成物
JP2021011525A (ja) * 2019-07-04 2021-02-04 サンスター技研株式会社 低温硬化型プラスチゾル組成物
JP7281985B2 (ja) 2019-07-04 2023-05-26 サンスター技研株式会社 低温硬化型プラスチゾル組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5570502B2 (ja) 金属ストリップのコーティング方法
JP5285424B2 (ja) 水酸基変性ポリウレタン分散体結合剤を含む多層コーティング系
JP4875581B2 (ja) 複層塗膜形成方法
GB2350365A (en) Coating composition
JP5257804B1 (ja) 造膜助剤ならびにそれを含有する水性樹脂組成物及び鋼板表面処理剤
CZ149493A3 (en) Aqueous coating composition, process for preparing and use thereof
EP0654055B1 (de) Wasserverdünnbares beschichtungsmittel auf basis von polyacrylaten und polyisocyanaten
US20090234074A1 (en) Water dispersible resin, two-component thermosetting resin composition, and method of producing the same
JP2002506113A5 (ja)
WO2011027640A1 (ja) クリヤー塗料組成物
WO2012131050A1 (en) Aqueous, hydroxyl functional acrylic copolymerisate dispersions
JP2009531528A (ja) カルビノール官能性シロキサン樹脂によるクリアコート塗料
WO2013031977A1 (ja) クリヤー塗料組成物及びそれを用いた複層塗膜の形成方法
JP2015174958A (ja) 水性塗料組成物及び塗膜形成方法
JP2015183036A (ja) 水性塗料組成物及び塗装物の製造方法
JP2005200497A (ja) 水性硬化性組成物、前記水性硬化性組成物を含む塗料及び接着剤
US9353285B2 (en) Water-based two-component coating compositions
KR100672027B1 (ko) 자기유화형 우레탄 수분산체의 제조방법 및 이를 사용한코어쉘 에멀젼 수지 조성물의 제조방법
JP2009511679A (ja) カプロラクトン変性分岐アクリルポリマーを形成するための高温重合方法
KR100538846B1 (ko) 알킬렌모노이소시아네이트/폴리(에틸렌 옥사이드)모노알콜 단량체가 포함된 코어/쉘형 마이크로겔 및 이를 함유한 도료 조성물
JP6440491B2 (ja) 常温乾燥型塗料組成物
JP2004182867A (ja) ポリオール樹脂組成物
JPWO2015174129A1 (ja) アルミニウム基材用の水性プライマー塗料組成物
WO2013031976A1 (ja) クリヤー塗料組成物及びそれを用いた複層塗膜の形成方法
JP6870202B2 (ja) 水性被覆材

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160119

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171017

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180424